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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 横地常広 P1~P2 「初級・職能開発講習会」開催報告(2) P2~P3 全国「検査と健康展」2017 各地からの報告 第3回 Vol.24No.3 会報JAMT ホームページ掲載 平成3021日号 永元 健啓(金沢大学附属病院) 今回、初級・職能開発講習会に参加し、検査技師の将 来についての宮島会長と横地副会長の講演、またテーマ に沿った自由なグループディスカッションがあり、考え させられることが多くありました。半日の研修会ではあ りましたが、あっという間でした。 講演では、医療情勢の変化やAIの医療導入により起こ る変化の中で、臨床検査技師としてどのように医療に携 わっていくかを考えさせられました。今後減少していく と考えられる検査技師の業務範囲を拡げるにあたり、現 在あまり参入できていない病棟での採血および検査説明 ができる技師や、在宅医療の現場での技師の話がありま した。検査技師は検査室内だけでなく、様々なニーズに 対応し結果を出し、検査技師の有用性を検査技師自らが 発信していくことが重要であると思いました。 また、グループディスカッションでは「生涯教育の意 義とあり方」について考えました。普段はこういった テーマで話し合う機会がなかったので、同年代の他の技 師がどう考えているのかを知る良い経験になりました。 今回の研修会では、普段のルーチン業務では考えるこ とのない、臨床検査技師のこれからについて学び、考え ることができました。今後もこのような研修会があれ ば、参加していきたいです。 会長講話の様子 務範囲拡大に向けた取り組みが進んでいます。検査技師 は“おとなしい方が多い”、“検査部内で寡黙に働く仕 事人”など、印象として他職種に比べて消極的に見られ がちです。すべての技師がそうではありませんが、私自 身を含め、表立って動くことが得意ではない方がいるの も事実です。 午後にはグループワークとしてテーマごとのプレゼ ン、情報の共有を行いました。グループワーク自体の経 験があまり無かったこともあり、緊張しましたがとても 勉強になりました。私のグループは“業務体系の変革(受 動態から能動態へ)”というテーマでした。日々の仕事を こなす中ではあまり意識しないものであり、普段聞けな い他施設の方のお話や考えにも感銘を受けました。討論 内で挙げられたことをすべて実行するのは困難でも、心 がけ一つで改善できる点もありました。新しいことを始 める意識、意欲があっても、そのための人員確保が一番 の問題となり、どの施設もその問題に苦心しているよう に感じました。明確に答えが出せない問題ではあります が、各施設の技師同士がしっかり話し合い、対応してい く必要があると思いました。 今後の検査技師を取り巻く環境の変化に伴って、変革 が求められているということを再認識するとともに、た とえ前に出るのが得意ではなくても、できることを技師 一人一人が意識して、小さな改善を積み重ねていくこと が検査技師全体の立場やニーズを拡大していくことに繋 がるのだと講習会を通して感じました。 今回は、石川県臨床検査技師会「初級・職能開発講習会」の報告です。平成29年11月23日午前9時から午後4時 まで金沢医科大学病院で開催され、参加者は46名(内会員歴15年以下は33名) となりました。宮島会長と横地副 会長による基調講演後、グループワークでは、それぞれが現場で抱える問題をもとに、将来に向けた取り組 みについて討議しました。有意義なグループワークとなり、基調講演を含め、参加者みなさん大いに刺激を 受けたと思います。 以下に参加者の感想を掲載します。 村井 翔太郎 (金沢医科大学病院) 今回、初級・職能開発講習会に参加し、検査技師の立 場と今後の在り方について考える機会を得ることができ ました。 午前には宮島会長から在職時の貴重な経験談を聞くこ とができ、技師が主体となって動くことの重要性や、現 状に留まることへの危機感を強く感じました。 近年は検査説明や、検体採取の講習会など、技師の業

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Page 1: P1 P2 P3 2017...P1~P2 「初級・職能開発講習会」開催報告(2) P2~P3 全国「検査と健康展」2017 各地からの報告 第3回 Vol.24No.3 会報JAMT ホームページ掲載

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横地常広

P1~P2 「初級・職能開発講習会」開催報告(2)

P2~P3 全国「検査と健康展」2017 各地からの報告 第3回

Vol.24No.3 会報JAMT ホームページ掲載 平成30年2月1日号

永元 健啓(金沢大学附属病院)

今回、初級・職能開発講習会に参加し、検査技師の将

来についての宮島会長と横地副会長の講演、またテーマ

に沿った自由なグループディスカッションがあり、考え

させられることが多くありました。半日の研修会ではあ

りましたが、あっという間でした。

講演では、医療情勢の変化やAIの医療導入により起こ

る変化の中で、臨床検査技師としてどのように医療に携

わっていくかを考えさせられました。今後減少していく

と考えられる検査技師の業務範囲を拡げるにあたり、現

在あまり参入できていない病棟での採血および検査説明

ができる技師や、在宅医療の現場での技師の話がありま

した。検査技師は検査室内だけでなく、様々なニーズに

対応し結果を出し、検査技師の有用性を検査技師自らが

発信していくことが重要であると思いました。

また、グループディスカッションでは「生涯教育の意

義とあり方」について考えました。普段はこういった

テーマで話し合う機会がなかったので、同年代の他の技

師がどう考えているのかを知る良い経験になりました。

今回の研修会では、普段のルーチン業務では考えるこ

とのない、臨床検査技師のこれからについて学び、考え

ることができました。今後もこのような研修会があれ

ば、参加していきたいです。

会長講話の様子

務範囲拡大に向けた取り組みが進んでいます。検査技師

は“おとなしい方が多い”、“検査部内で寡黙に働く仕

事人”など、印象として他職種に比べて消極的に見られ

がちです。すべての技師がそうではありませんが、私自

身を含め、表立って動くことが得意ではない方がいるの

も事実です。

午後にはグループワークとしてテーマごとのプレゼ

ン、情報の共有を行いました。グループワーク自体の経

験があまり無かったこともあり、緊張しましたがとても

勉強になりました。私のグループは“業務体系の変革(受

動態から能動態へ)”というテーマでした。日々の仕事を

こなす中ではあまり意識しないものであり、普段聞けな

い他施設の方のお話や考えにも感銘を受けました。討論

内で挙げられたことをすべて実行するのは困難でも、心

がけ一つで改善できる点もありました。新しいことを始

める意識、意欲があっても、そのための人員確保が一番

の問題となり、どの施設もその問題に苦心しているよう

に感じました。明確に答えが出せない問題ではあります

が、各施設の技師同士がしっかり話し合い、対応してい

く必要があると思いました。

今後の検査技師を取り巻く環境の変化に伴って、変革

が求められているということを再認識するとともに、た

とえ前に出るのが得意ではなくても、できることを技師

一人一人が意識して、小さな改善を積み重ねていくこと

が検査技師全体の立場やニーズを拡大していくことに繋

がるのだと講習会を通して感じました。

今回は、石川県臨床検査技師会「初級・職能開発講習会」の報告です。平成29年11月23日午前9時から午後4時

まで金沢医科大学病院で開催され、参加者は46名(内会員歴15年以下は33名) となりました。宮島会長と横地副

会長による基調講演後、グループワークでは、それぞれが現場で抱える問題をもとに、将来に向けた取り組

みについて討議しました。有意義なグループワークとなり、基調講演を含め、参加者みなさん大いに刺激を

受けたと思います。

以下に参加者の感想を掲載します。

村井 翔太郎 (金沢医科大学病院)

今回、初級・職能開発講習会に参加し、検査技師の立

場と今後の在り方について考える機会を得ることができ

ました。

午前には宮島会長から在職時の貴重な経験談を聞くこ

とができ、技師が主体となって動くことの重要性や、現

状に留まることへの危機感を強く感じました。

近年は検査説明や、検体採取の講習会など、技師の業

Page 2: P1 P2 P3 2017...P1~P2 「初級・職能開発講習会」開催報告(2) P2~P3 全国「検査と健康展」2017 各地からの報告 第3回 Vol.24No.3 会報JAMT ホームページ掲載

グループワークの様子

Vol.24No.3 会報JAMT ホームページ掲載 平成30年2月1日号

樺木陽子(金沢赤十字病院)

今回初級・職能開発講習会に参加させて頂き、宮島会長

や横地副会長からの貴重な講演を聞ける良い機会となりま

した。講演では組織強化の必要性を知り、制度・政策や日

臨技の活動を自分の身近な事として関心をもっていきたい

と思いました。また、医療情勢が変化しつつある現状を知

り、私たちは変化に対応し、様々な業務を求められている

ことを知りました。実際に訪問医療に携わっている検査技

師の話は印象的で、「検査」という枠を超えて知識と行動

力が必要とされていると強く実感しました。

グループワークでは「生涯教育の意義とあり方」につい

て話し合いました。他施設の方々と話し合ったり他グルー

プの発表を聞く中で、生涯教育を個人の自己研鑚で終わら

せるのではなく団体全体の知識・技術・意識の向上のため

に主体的に発展させなくてはいけないと感じました。

この研修会に参加して、自分の意識が高まり他施設の

方々とも交流が深まる良い機会となりました。今後もこの

ような機会があれば積極的に参加したいと思います。

關谷 暁子(金沢大学医学部)

私は日頃、臨床検査技師養成校の教員として「未来の

臨床検査技師」である学生の教育に携わっています。今

回、「医療現場が求める臨床検査技師像」というテーマ

に強い興味をもち、初級・職能開発講習会に参加しまし

た。これからの臨床検査技師育成について、宮島会長、

横地副会長の熱い思いに直接触れることができたことは

非常に刺激になりました。グループワーク「生涯教育の

意義とあり方」では、臨床検査技師一人一人が、「生涯

教育」を個人の研鑽に留めず、職能集団全体の存在価値

の向上につなげていくことが大切だと思いました。

社会情勢、医療情勢が急速に変化する中で、卒前教育

を担う養成校教員と卒後教育を担う現役技師が、臨床検査

査技師の将来像を共有することはとても重要なことだと思

います。技師会と養成校の連携が今後ますます強まってい

くことを期待します。

11月3日(金)文化の

日に開催した。体験コー

ナーとして、血管年齢測

定、骨密度測定、頸動脈

エコー検査、血糖測定、

塩分チェックコーナーを

設置した。展示コーナー

では臨床検査の紹介、顕

微鏡を設置し細菌や細胞

の供覧等を行った。また、臨床検査技師による検査相談

コーナー、医師による健康相談コーナーを開設実施し

た。

「検査と健康展」を実施することで、我々臨床検査技

師の存在を、県民の皆様にPRできた。

(福岡県臨床衛生検査技師会 北里 謙二)

ラブリーパートナーエ

ルパは県内のショッピン

グセンターとしては1・

2を争う大きさで、その

2階に多目的ホ-ルがあ

り、看護展などもよく行なわれています。

正面に検査と健康展の看板を貼りその奥で体験型を、

右手に各分野のポスタ-展示を設営しました。今回は検

査を骨密度と脳内年齢の2つとしたことで待ち時間も少

なく順調でした。顕微鏡コ-ナ-には小学校低学年生が

興味を持って説明を聞いてくれ、よい雰囲気でした。ま

た、理事の方々が率先して会場への入り口やショッピン

グセンタ-の入り口に立ちパンフレット、テイッシュ配

りをしてくださいました。

(福井県臨床検査技師会 加藤 幸久)

オープンスペース

2か所において開催

し、延べ796名の来場

者がありました。

い き い き 健 康

チェックにおいて、

肺年齢、血管年齢、

骨密度を実施し多く

の方がすべての検査を希望されました。検査の説明や健

康相談に真剣に耳を傾ける光景が見られ、病気予防と健

康への意識の高揚に繋がったと考えています。また、顕

微鏡をのぞいたり、超音波検査装置に触れたりするコー

ナー、白衣試着のコーナーも設け、実際に体験して頂く

ことにより、私たちの仕事を多くの方に認識して頂けた

と思います。

来場者の中には検査技師を目指しているという学生も

おり、未来の臨床検査技師の後押しにもなれたと思いま

す。

(富山県臨床検査技師会 南部 重一)

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Vol.24No.3 会報JAMT ホームページ掲載 平成30年2月1日号

(編集後記)今週は節分です。節分といえば豆まきと最近では恵方巻という巻き寿司をまるかじりしたりして邪気

を払って無病息災を願います。翌日の2月4日は立春です。今年は例年に無く寒い日が続きますが、暦の上では春

がやってきます。春と聞くと少しは気持ちが温かくなる思いがします。

さて、これからインフルエンザやノロウイルスが流行しやすくまだまだ気を抜けない今日この頃です。 私たち

も検体採取の機会が多くなることが想像されます。まだ修了されてない皆様は是非、指定講習会を受講されてくだ

さい(詳細は当会HPをご覧ください)。 (片山)

「検査と健康展」を

11 月 12 日(日)ラ ザ

ウォーク甲斐双葉2階

ラザホールにて『いき

い き 健 康 展』と、

『2017年乳がん早期発

見予防啓発キャンペー

ン』の2部構成で開催

した。

『いきいき健康展』では、人数の制限を設けず、もの

わすれ検査・肺年齢測定・糖尿病検査・骨年齢測定・体

組成測定と、検査専門医による健康相談を行った。125名

が検査を受け、その内50名ほどが検査専門医の相談を受

けた。その場で10名ほどの技師が専門医の検査説明を学

ぶことができた。

10月の乳がん予防月間に併せた『2017年乳がん早期発

見予防啓発キャンペーン』では、ホール内に啓発パネル

や乳がんに関する統計データ等を啓示し、乳がんについ

ての解説、超音波研究班によるエコー検査機器の画面デ

モ、病理細胞診研究班によるモニター付き顕微鏡でのが

ん細胞の説明、放射線技師会によるマンモグラフィー・

CT・MRIの説明、乳房の模型を用いた自己検診法の実技指

導を実施した。

集客は、約160名と盛況であり、健康と検査への関心の

高さがうかがわれた。また、臨床検査全般への認知度を

向上することができたと思う。

山梨県臨床検査技師会員の多くの会員が、今回のキャ

ンペーンに快く参加し、当技師会の公共事業への関心の

高さと団結を感じることができた。今後も社会貢献と公

益性をもつ継続的な事業へと発展していく必要があると

感じた。

最後に協力・参加して頂いた、日本臨床検査技師会・

臨床検査専門医会・山梨県診療放射線技師会・山梨県福

祉部健康増進課・事業団など関係団体に深く感謝いたし

ます。

(山梨県臨床検査技師会 中川 英二)

公益社団法人滋賀県臨床検査技師会では年11月12日、

イオンモール草津にて「検査と健康展」を開催いたしま

した。

昨年の企画の反省を踏まえ、小さなお子さんから大人

の方にも臨床検査を楽しんで体験していただけるよう工

夫して開催を迎えました。お子さんの検査体験では尿検

査試験紙と簡易血糖測定装置で無色の飲み物の糖濃度を

測定してもらいました。超音波診断装置では、中身を見

香川県はうどん愛

好県として知られて

いますが、一方でそ

れが少なからず影響

してか、人口10万人

当たりの糖尿病死亡

率は全国ワースト9

位、糖尿病受療率は

全国2位という厳し

い結果も出ています。そのような県民を対象に11月18日

(土)に全国「検査と健康展」in香川を開催しました。血管

年齢・頸動脈エコー・血液検査(血糖・HbA1c)などの健

康チェックや医師・技師による結果説明・健康相談、採血

や尿検査などの模擬体験コーナーを設置しました。

今年度は血液検査の担当を糖尿病療養指導士のグループ

に依頼しました。来場者からは「専門的な話を聞くことが

でき、糖尿病に関する知識が増えた」などの言葉を頂きまし

た。また各検査の測定場所で技師から簡単な結果説明をする

ように運用変更しました。このことにより、多くの技師が結

果説明を経験でき、検査説明・相談のできる技師育成のため

の一つの実践ツールとして活用できる可能性を感じました。

今後もこのような地道な活動を継続していくことが県民

の健康意識の向上や正しい臨床検査の知識の普及、臨床検査

技師の認知度向上に繋がっていくものと信じています。

(香川県臨床検査技師会 山本 直子)

えなくしたフルーツゼ

リーや糸こんにゃく、

うずら卵水煮などにプ

ローブを当てて、実際

には目で見えないもの

が観察できることを体

験してもらいました。

顕微鏡コーナーでは、

自分の口腔内の細胞や

細菌をその場で染色して観察し、血液細胞を鏡検してもら

いました。

大人の方には簡易貧血検査や簡易認知症検査を体験して

頂きました。検査を体験することで自分の健康に関心を持

つきっかけになったのではないでしょうか。体験の検査結

果や日常の健康診断の結果など気になることを臨床検査専

門医の先生に熱心に相談されていました。がん検診啓発

コーナーでは大腸がんクイズラリーや乳がん触診モデルな

どで多くの方に検診の大切さをお伝えしました。

本年も多くの県民の皆様にご参加いただき、また多くの

会員の方にお手伝いいただき、盛況に終わることができま

した。

(滋賀県臨床検査技師会 清水 陽子)