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Oracle9i Database Release 2 for Windows: 開発と配置 オラクル・テクニカル・ホワイト・ペーパー 2003 4

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Oracle9i Database Release 2 for Windows: 開発と配置

オラクル・テクニカル・ホワイト・ペーパー 2003 年 4 月

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Oracle9i Database Release 2 for Windows: 開発と配置

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Oracle Corporation 発行「Oracle9i Release 2 Database on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。

Oracle9i Database Release 2 for Windows: 開発と配置

概要 ...................................................................................................................... 3 Windows 環境での Oracle................................................................................... 3 アプリケーションの開発 .................................................................................. 4

Oracle Objects for OLE .................................................................................. 6 ADO および Oracle Provider for OLE DB.................................................... 7

OLE DB .NET........................................................................................... 8 パフォーマンスの拡張 ........................................................................... 8

ODBC ............................................................................................................. 9 ODBC .NET .............................................................................................. 9

Oracle Data Provider for .NET ..................................................................... 10 COM Automation 機能................................................................................. 10

アプリケーションの配置 ................................................................................ 11 Oracle Services for Microsoft Transaction Server ........................................ 11

.NET 対応 ............................................................................................... 13 Oracle Fail Safe............................................................................................. 13

Logical/Physical Standby ........................................................................ 14 管理しやすいマルチクラスタ ............................................................. 14

セキュリティ............................................................................................... 14 Windows レジストリ内の Oracle Wallet .............................................. 15 Microsoft Certificate Store との統合 ..................................................... 15

ディレクトリ............................................................................................... 15 システム固有の認証と Active Directory ............................................. 16 Active Directory による Oracle Net ネーミング .................................. 16

結論 .................................................................................................................... 17

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Oracle Corporation 発行「Oracle9i Release 2 Database on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。

Oracle9i Database Release 2 for Windows: 開発と配置

概要

Oracle9i Database Release 2 では、Windows プラットフォームでの開発および配置

(システム構築)を低コストでより簡単で迅速に行えるよう、多くの機能が拡張さ

れています。

アプリケーションの開発効率は、Oracle9i および Oracle9i リリース 2 の Windows

データ・アクセスに関する新機能により大幅に改善しました。開発者は 5 つの

Windows データ・アクセス方法から各要件に応じて適切な方法を柔軟に選択でき

ます。それは、Oracle Data Provider for .NET(ODP.NET)、Oracle Objects for OLE

(OO4O)、Oracle OLE DB、Oracle ODBC および COM Automation 機能です。

このデータ・アクセス方法は、Visual Basic、Active Server Pages(ASP)、Internet

Information Server(IIS)をはじめとする Microsoft Visual Studio および Microsoft

Office 製品スイートに完全に統合されています。これらのデータ・アクセス方法

はさらに拡張され、Unicode および XML をサポートし、パフォーマンスも改善さ

れたグローバリゼーション・サポートにも対応しています。

Oracle9i リリース 2 では、.NET 開発者は C#や Visual Basic .NET などの任意の.NET

言語を使って、ODP.NET、OLE DB .NET および ODBC .NET 経由で Oracle データ

ベースにアクセスできます。ODP.NET は、高度な Oracle 機能を提供するネイティ

ブ Oracle .NET データ・プロバイダです。

Windows 環境の Oracle9i リリース 2 によるアプリケーションの開発とその中間層

への配置は、より強力に統合されました。Oracle Services for Microsoft Transaction

Server(MTS)は、Windows 上でトランザクション管理を行う際に、優れた可用

性およびパフォーマンスを発揮するよう再設計されました。Oracle Fail Safe は、

Windows 上で Windows クラスタが 1 つ以上運用される際には高可用性ソリュー

ションとして機能し、さらに高いレベルの統合性と管理性を実現します。また

Oracle は、Windows 2000 と Windows Server 2003 のシステム固有のセキュリティお

よび Active Directory との統合により、異種のオペレーティング・システムやディ

レクトリ環境でも運用できます。

Windows 環境での Oracle

インターネットの実現により、商取引やビジネス・コラボレーションには、今ま

でにないチャンスが生まれています。この情報管理の新時代をうまく活用してい

る組織は、コスト削減と収益増大に成功しています。

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Oracle Corporation 発行「Oracle9i Release 2 Database on Windows: Development and Deployment」の翻訳版です。

多くの組織が、新しいコンピューティング・ニーズに基づく開発および配置のイ

ンフラストラクチャとして Windows オペレーティング・システムを選択していま

す。

オラクル社は、1993 年に登場した Windows NT 用の Oracle データベースを 初に

リリースして以来、Windows 環境で使用可能な情報管理ソリューションを提供す

るための努力を重ねてきました。それ以来、Oracle のテクノロジは、初期のクラ

イアント/サーバー型ソリューションから現在のインターネット・アプリケーショ

ンに至るまで、Windows コンピューティングの 新の変化に常に対応してきまし

た。今日でも Oracle は、世界規模のデータベース・ソリューションを介して

Windows オペレーティング・システムのテクノロジとの緊密に統合することで、

Windows プラットフォームにおけるリーダーであり続けています。オラクル社は、

25 年以上にわたってデータ管理に特化しており、企業内イントラネットおよびイ

ンターネットの両環境において、ビジネス上重要な Windows アプリケーションの

配置に必要なテクノロジ、経験そしてサービスを兼ね備えた唯一のベンダーです。

Oracle9i リリース 2 は、部門ごとの配置か、全社規模の配置かに関係なく、ビジネ

ス上必要なすべての機能を提供します。これにより、コストを抑えつつ Windows

を簡単に利用できると同時に、Oracle 本来の拡張性、信頼性およびパフォーマン

スも提供されます。Oracle データベースの今後のバージョンでは、Windows プラッ

トフォーム上でのアプリケーション統合がさらに強化されます。

Oracle では、Windows 環境でのアプリケーションの開発と配置という 2 つの点が

大幅に改善されています。

アプリケーションの開発

Oracle 製品を使用することの大きな利点の 1 つは、オープンスタンダードに基づ

く高い柔軟性です。これは、Windows 環境で Oracle9i リリース 2 を使用してアプ

リケーションを開発する際、特に大きな利点と言えます。

Oracle9i リリース 2 では COM および.NET データ・アクセス方法が完全にサポー

トされており、Windows アプリケーションを柔軟に開発できます。さらに、Oracle

はこれらのデータ・アクセス方法の機能セットも改善されています。Oracle9i リ

リース 2 のデータ・アクセス方法では、.NET サポートなどの新しいデータベース

機能が提供されるとともに、パフォーマンスと安定性が向上しています。

アプリケーション開発ツールの選択肢が豊富なことから、各ビジネスの機能およ

びパフォーマンス要件に 適なデータ・アクセス・テクノロジを採用できます。

開発者は新しいデータ・アクセス方法を学習しなくても、自分が精通している方

法で迅速にデータベース・アプリケーションを配置できます。

Oracle9i リリース 2 では、Windows システム固有のテクノロジを使用するデータ・

アクセス方法がいくつか提供されます。Visual Basic、Active Server Pages、または

Visual C++言語を使用した COM データ・アクセスが、Windows ベースの開発者の

間ではよく知られています。Oracle では 3 つのプログラミング・インタフェース

により、COM 開発者にデータベース・アクセスが提供されます。それは、Oracle

Objects for OLE、Oracle Provider for OLE DB および COM Automation 機能です。

また、従来のデータ・アクセス方法として、Oracle ODBC Driver を介した方法も

COM および Win32 アプリケーション開

発者は Oracle Objects for OLE(OO4O)、

OLE DB、ODBC および COM Automation機能という 4つのOracleデータベースへ

のデータ・アクセス方法から各要件に応

じて適切な方法を柔軟に選択できます。

また Windows 開発者は、.NET を経由し

て ODP.NET、OLE DB .NET、または

ODBC .NET を使用できます。

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提供されます。OLE DB および ODBC は多くの場合、オートメーション・レイヤー、

Microsoft ActiveX Data Objects(ADO)経由で使用されます。このすべての COM

データ・アクセス方法と Oracle との相互作用を図 1 に示します。

図 1: Oracle COM データ・アクセス

Oracle9iリリース2はODP.NET、OLE DB .NETおよびODBC .NET経由で.NETデー

タ・アクセス・サポートを採用しています。これらのドライバにより、Oracle デー

タベースは C#、Visual Basic .NET および ASP .NET など任意の.NET 言語からアク

セスできます。ODP.NET は、Oracle に直接アクセスするネイティブ.NET データ・

アクセス・プロバイダです。OLE DB .NET と ODBC .NET は Microsoft が提供して

いるインターオペラビィリティ・レイヤーです。これによりユーザーは、Oracle

OLE DB プロバイダおよび Oracle ODBC ドライバの全機能にアクセスできます。

ODP.NET は、インターオペラビィリティ・レイヤーを介さずデータベースへの直

接アクセスを許可することで、高速なデータベース動作を実現します。さらに、

他の.NET プロバイダよりも多くの高度な Oracle データベース機能を提供します。

これらの Oracle .NET データ方法のすべてを図 2 に示します。

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図 2: Oracle .NET データ・アクセス

Oracle Objects for OLE Oracle Objects for OLE(OO4O)は、Oracle データベースへの 適化されたアクセ

ス機能と使用しやすいインタフェースを組み合わせた COM ベースのデータベー

ス接続ツールです。OO4O は、Web アプリケーションからクライアント/サーバー

型アプリケーションまで、様々な環境で使用できます。また、Visual Basic、Visual

C++、Microsoft Office、Active Server Page、Internet Information Services(IIS)およ

び MTS/COM+など、COM をサポートする事実上すべてのプログラミング言語ま

たはスクリプト言語からアクセスできます。

OO4O は Oracle のネイティブ・ドライバであるため、Windows クライアントから

Oracle データベースへの高速なアクセスが実現し、ODBC および OLE DB ドライ

バにあるようなオーバーヘッドを回避できます。OO4O は、特に Oracle データベー

ス・サーバーで使用するために開発され、発展してきました。ActiveX Data Objects

(ADO)などの、ODBC および OLE DB ベースのコンポーネントでは処理しにく

く、アクセスしづらい Oracle の拡張機能にも、OO4O であれば容易にアクセスで

きます。

OO4O は、インプロセス COM Automation サーバー、C++クラス・ライブラリおよ

び Oracle Data Control で構成されます。アーキテクチャ的には、OO4O は Oracle Call

Interface(OCI)の上部に Thin レイヤーとして位置しています。OCI では、基底と

なるデータベース・アクセス手段の多くが提供されます。C/C++言語を扱うプロ

グラマは、OCI を直接操作できます。ただし、Windows プログラマの多くは、Visual

Basic などのスクリプト言語から操作およびアクセスすることが容易なため、OCI

ではなく OO4O を使用します。

OO4O では、次のような Oracle の主要なデータベース機能のすべてにアクセスで

きます。

• PL/SQL カーソルへの透過的なアクセスを含む、PL/SQL の完全サポート

• カスタマイズおよび更新可能な、クライアント側のスクロール可能カーソ

Oracle にネイティブ・ドライバであるた

め、OO4O は ODBC や OLE DB のオー

バーヘッドを負いません。OO4O は非常

に高速な動作を実現し、XML サポートな

どの最新のOracleサーバー機能を提供し

ます。

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• ネットワーク上のラウンドトリップを減少させる配列フェッチ、更新およ

び挿入のサポート

• 中間層アプリケーションの拡張性を強化する接続プーリング機能

• Web 環境などで、Oracle ネットワーク接続をユーザー・セッションで共有

できる多重化機能

• MTS 高可用性/スケーラビリティ・アーキテクチャ向けの新しい Oracle9i

Service など、MTS/COM+調整されたトランザクションに対するフルサ

ポート

• 拡張 Oracle データ型への透過的アクセス

• オブジェクト参照(REF 型)、オブジェクト・インスタンス(Object

型)、Nested Table、VARRAY、BLOB、CLOB、NCLOB および BFILE

• スキーマ・オブジェクトの記述に使用しやすいインタフェース

• アドバンスト・キューイング機能へのアクセスのフルサポート

• 非同期処理

• PL/SQL および JAVA のストアド・プロシージャ実行のための VB または

ASP コードを生成する、OO4O Code Wizard for Stored Procedures

• XML サポート

• アプリケーションをグローバルに配置するための完全なUnicodeサポート

• サーバー側イベントからクライアント側動作を起動するためまたはその

逆の、データベース・イベントの発行および購読

ADO および Oracle Provider for OLE DB

Oracle Provider for OLE DB により、ADO を使用する開発者に対し、高度なパフォー

マンスおよび Oracle データベースへの効率的なアクセスが提供されます。OLE DB

は、各種のデータをアクセスおよび操作する COM インタフェース・セットを活

用するための Microsoft データ・アクセス仕様です。

Oracle Provider for OLE DB は、Oracle データベース用の 適化バージョンであり、

LOB、PL/SQL および REF Cursor サポートなど、Oracle に固有なデータベース機

能へのアクセスと高いパフォーマンスを提供します。通常、他のサード・パーティ

製 Oracle OLE DB プロバイダおよび OLE DB - ODBC ブリッジでは、このような

Oracle の機能およびデータ・アクセスの 適化をすべて利用できません。

Microsoft OLE DB の仕様に厳密に準拠する Oracle プロバイダにより、ADO 開発者

は Oracle の拡張機能を損なうことなく OLE DB をフルに活用できます。

Oracle Provider for OLE DB は、ADO 開発者にとってのデータ・アクセス機能、パ

フォーマンスおよび信頼性を向上するよう設計されました。このプロバイダでは、

次の一般的な機能をサポートします。

• スクロール可能および更新可能な行セット

• (クライアント・カーソル・エンジンで使用可能な)結合を使用して

作成された、更新可能な行セット

Oracle OLE DB プロバイダは、インター

ネット・アプリケーション環境での大量

の処理および高い負荷を扱うよう設計さ

れています。多くの場合は、Visual Basicなどの任意のCOM環境からADO経由で

使用されます。

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• ローカル・トランザクションと分散トランザクション

• 新しい Oracle9i Services for MTS の高可用性/スケーラビリティ・アー

キテクチャを使用する分散型/MTS 調整済みトランザクション

• オペレーティング・システムのセキュリティ・メカニズムを介し、Oracle

でのユーザー認証を可能とする OS 認証

• データベース・リンク

• いくつかのスキーマ行セット

• ADOX

• SELECT 文でのデータ・シェイピング・サービス

• アプリケーションをグローバルに配置するための完全なUnicodeサポート

• このプロバイダでは、次のような Oracle 固有機能をサポートします。

• PL/SQL

• 複数の行セットを返すプロシージャおよびファンクション

• パッケージ型および非パッケージ型の PL/SQL

• LOB および N データ型

• ストアド・プロシージャでの LOB 型パラメータ

• SQL 文での NCHAR 型パラメータのバインド

• Oracle Password Expiration 機能

OLE DB .NET

Oracle9i リリース 2 OLE DB プロバイダは、OLE DB .NET インタフェースを使っ

て ADO .NET に対応します。OLE DB .NET は、Microsoft 提供の OLE DB と.NET

を橋渡しするインターオペラビィリティ(相互運用性)ブリッジです。これは、

ODBC .NET や SQL Server .NET データ・プロバイダなど、他の.NET データ・アク

セス・インタフェースと同様なプログラミング・インタフェースを共有します。

Oracle OLE DB は、OLE DB .NET 仕様に完全に準拠しています。これにより、プ

ログラマはストアド・プロシージャを実行したり、LOB にアクセスもできます。

Windows 開発者が COM または.NET のどちらを選択しても、Oracle OLE DB の機

能は完全にサポートされます。Oracle OLE DB/OLE DB .NET はすべての.NET 言語

に対応し、すべての.NET 開発者が Oracle データベースを効率よく利用できます。

パフォーマンスの拡張

Oracle9i リリース 2 OLE DB は、旧バージョンよりも高いパフォーマンスを発揮し

ます。既存のアプリケーション・コードを変更せずに、これらのパフォーマンス

拡張を効率よく利用できます。Oracle9i リリース 2 OLE DB プロバイダにアップグ

レードすることで、パフォーマンスの改善を意識せずに取り入れることができま

す。

Oracle9iリリース 2 OLE DB プロバイダ

は、任意の.NET プログラミング言語から OLE DB .NET 経由での.NET データ・ア

クセスに完全に対応します。

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Oracle は行セット・オブジェクト内および LOB 操作内の OLE DB コードを 適化

しました。これらのオブジェクトは ADO/OLE DB で非常に一般的に使用されてい

ます。 適化は、活動に伴うデータベース・ラウンドトリップ数を減らすことで

行われました。データベース・ラウンドトリップは、ネットワーク経由のデータ・

アクセス・パフォーマンスに関する も高価な操作の 1 つです。開発者は Oracle9i

リリース 2 OLE DB を使用することで、既存アプリケーションのパフォーマンス

がすぐに改善されることに気づくはずです。

ODBC Oracle ODBC Driver は、Windows アプリケーションから Oracle データベース・サー

バーにアクセスする際に利用される従来からの方法です。Oracle ODBC は、Version

3.51、Level 2 と互換性があります。Oracle アクセス用の高性能方式を提供します。

Oracle9i の ODBC に 近導入された新しい機能は次のとおりです。

• 拡張 Unicode のサポート

• Unicode データ型

• Unicode でエンコードされる SQL 文

• 複数の Oracle ホームのサポート

• ODBC のカタログ機能におけるパフォーマンス改善

• Oracle9i Services for MTS と連動したさらに高い拡張性と可用性

ODBC .NET

Oracle9i リリース 2 ODBC ドライバは、ODBC .NET インタフェースを使って

ADO .NET データ・アクセスに対応します。OLE DB .NET の場合と同じく、

ODBC .NET は、Microsoft 提供の ODBC と.NET を橋渡しするインターオペラビィ

リティ(相互運用性)ブリッジです。これも、OLE DB .NET や SQL Server .NET

データ・プロバイダなど、他の.NET データ・アクセス・インタフェースと同様な

プログラミング・インタフェースを共有します。

Oracle ODBC/ODBC .NET プログラマは、ストアド・プロシージャの実行権や LOB

のアクセス権など、C/C++からの ODBC ユーザーと同じレベルの機能へのアクセ

ス権を所有します。したがって、Windows 開発者は.NET、COM、または Win32

から Oracle ODBC の全機能を使用できます。Oracle ODBC/ODBC .NET はすべて

の.NET 言語に対応し、すべての.NET 開発者が Oracle データベースを使用できま

す。

従来の Windows アプリケーションは、新

しい機能および優れたパフォーマンスを

提供する Oracle の最新 ODBC ドライバ

を使って、Oracle9iデータベース・サー

バーにアクセスできます。

Oracle9iリリース 2 ODBC プロバイダは、

任意の.NET プログラミング言語から ODBC .NET 経由での.NET データ・アク

セスに完全に対応します。

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Oracle Data Provider for .NET Oracle Data Provider for .NET(ODP.NET)は、.NET 環境から Oracle データベース

へ、 適化されたデータ・アクセスを提供します。OLE DB .NET や ODBC .NET

とは違って、ODP.NET はネイティブ・ドライバであり、パフォーマンスを下げる

可能性のあるデータ・アクセス・ブリッジを使用しません。ODP.NET を使えば、

開発者は高度な Oracle データベース機能をうまく利用できます。データ・プロバ

イダは、C#や Visual Basic .NET など任意の.NET 言語から使用できます。

ODP.NET は、.NET からの Oracle の使用を OLE DB .NET や ODBC .NET よりも柔

軟かつ高速にし、安定させます。OLE DB .NET および ODBC .NET は、プログラ

マの柔軟性やアプリケーションの速度を 適化するかわりにコードの移植性を意

図して設計された汎用インタフェースです。開発の柔軟性に関して、ODP.NET は

REF Cursor や LOB など、Oracle 固有のデータ型をサポートしています。ODP.NET

では、これらの REF Cursor 変数はアップデート可能であり、入力ストアド・プロ

シージャ・パラメータとして引き渡せるため、開発者に.NET 内で REF Cursors を

操作する柔軟性を与えることができます。 適化された LOB アップデートおよび

DML バインディング用サポートは、アプリケーションのパフォーマンスを向上さ

せます。

ODP.NET は、Unicode およびローカル・トランザクション/分散トランザクション

に全面的に対応することで、企業向けの拡張可能な Windows ソリューション用に

設計されました。分散型.NET トランザクションは、Oracle Services for Microsoft

Transaction Server によってサポートされます。

COM Automation 機能

Windowsプラットフォーム上のOracleユーザーは、通常COM Automationソリュー

ションに精通しています。COM Automation により、IDispatch インタフェースを介

して COM オブジェクトを扱うことができます。この他にも、IDispatch は Visual

Basic のプログラミングでよく使用され、Automation インタフェースを介して

Microsoft Office アプリケーションおよびデータを扱う手段となります。

COM Automation 機能では、ストアド・プロシージャの開発者が、COM Automation

サーバーのコールを可能にする PL/SQL および JAVA パッケージが提供されます。

ストアド・プロシージャのプログラマは、Microsoft Office などの COM Automation

サーバーにアクセスし、それを操作できます。たとえば、COM Automation 機能に

より、Microsoft Excel のスプレッドシートを使用して Oracle データベースに存在

する売上げデータを自動的に集計し、グラフを作成できます。また、Microsoft

Exchange を使用して、特定の販売マネージャに電子メールで自動的にこのデータ

を送信できます。実際、COM Automation機能はMicrosoft COMオブジェクトのコー

ル機能のみに限られず、どのような COM Automation サーバーまたはカスタム

COM オートメーション・オブジェクトを操作する場合でも使用できます。

COM Automation 機能には、次のようにいくつかの主要な利点があります。

• 簡単な API の操作により、PL/SQL および JAVA 開発者は、各ルーチンに

COM オートメーション・オブジェクトを容易に組み込めます。

• COM Automation 機能を介して既存の COM オートメーション・オブジェ

Oracle Data Provider for .NET は、.NETから Oracle をアクセスする、最も高性能

な方法を提供します。それは、Oracle の

最新の高度なデータベース機能に対応で

きます。

Oracle COM Automation 機能を使えば、

PL/SQL や Java のストアド・プロシー

ジャ、関数およびトリガーは、Microsoft Office などの COM Automation サーバー

にアクセスできます。これは、サーバー

にクライアント側のアプリケーションを

修正する機能を提供します。たとえば、

Microsoft Excel のグラフを作成し、

Microsoft Exchange 経由で電子メールを

送信もできます。

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クトをコールすることで、それらのオブジェクトを Oracle ソリューション

の一部として利用できます。

• Windows のその他のアプリケーションとの統合の促進に、Oracle データ

ベースを使用できます。

これらの PL/SQL および JAVA パッケージでは、COM オブジェクトのインスタン

ス化、プロパティの取得と設定、およびメソッドの呼出しを行う API が公開され

ます。開発者は、PL/SQL および Java のサブプログラム、ストアド・プロシージャ、

ストアド・ファンクションおよびトリガーからこれらの API をコールできます。

COM オブジェクトが常駐可能な場所に関しては、制約はありません。データベー

ス・サーバーに対しローカルな場所にある場合もあれば、分散コンポーネント・

オブジェクト・モデル(DCOM)を介してリモート・アクセスされる場合もあり

ます。

アプリケーションの配置

Windows 環境でアプリケーションを配置(システム構築)する場合、アプリケー

ションの相互運用性を正しく確保するためには、Windows システム固有のサービ

スおよび中間層サーバーとの密接な統合が必要です。Oracle9i リリース 2 では、こ

の密接な統合が図られているため、Oracle の拡張機能セットとともに、中心とな

るオペレーティング・システムおよびサーバー機能を利用できます。Oracle によ

る統合により、拡張性、可用性および安全性の高い透過的な相互運用性が保証さ

れます。このため、開発者は Windows 上で製品間の非互換性または非効率性を修

正するかわりに、アプリケーション・ビジネス・ロジックの構築にリソースを集

中できます。

Oracle9i リリース 2 には、 適化されたアプリケーション配置環境を保証するツー

ルのセットが多く含まれています。Oracle Services for Microsoft Transaction Server

では、トランザクション型アプリケーションのパフォーマンス、拡張性および可

用性を向上させる新しい設計が採用されています。Windows のクラスタ上にミッ

ション・クリティカルな Oracle サーバーを配置する場合は、Oracle Fail Safe によ

り、Microsoft Cluster Service を介して強力なフェイルオーバー・サポートが提供さ

れ、それらのサーバーの持続的な可用性が保証されます。Oracle では、Windows

システム固有のセキュリティ・ツールとの統合により、データベース・セキュリ

ティが改善され、ユーザー管理が容易になっています。

Oracle Services for Microsoft Transaction Server Windows プラットフォーム環境の Oracle ユーザーでは、中間層に Microsoft

Transaction Server(MTS)が広く使用されています。MTS は、分散環境での COM

オブジェクトおよびトランザクション用のアプリケーション・サーバーです。MTS

の中心となっているのは、分散リソース・マネージャ間でトランザクションを調

整する Distributed Transaction Coordinator(DTC)です。Windows 2000 では、MTS

Executive が COM+サービスの拡張機能で置き換えられています。.NET の発表に

より、今ではこれが.NET Enterprise Services の一部となりました。

Oracle Services for Microsoft Transaction Server では、DTC が Oracle データベースに

統合されています。プロキシとして動作するサービスにより、Oracle データベー

Oracle は Oracle アプリケーションを

Windows 環境に組み込むため、Oracle Services for MTS、Oracle Fail Safe、Windows セキュリティ統合および Active Directory 統合など、各種のツールを提供

しています。

新しく再設計された Oracle Services for MTS を使えば、各 MTS サーバーは独自

の Oracle Services をホストできます。こ

れは Windows アプリケーションに関す

るシングル・ポイント障害を取り除き、

可用性と性能を向上します。

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スを DTC によって調整されるトランザクションのリソース・マネージャとして使

用できます。

特に、このサービスでは次のトランザクション操作が提供されます。

• 登録機能 - グローバル・トランザクションのコンテキスト・メンテナン

• 完了 - DTC と Oracle の間での 2 フェーズ・コミット・コールの変換

• リカバリ - インダウト(中途半端な)状態の DTC トランザクションの解

• 接続プーリング - トランザクション・データベースへの接続リソースの

キャッシュ

Oracle9i および Oracle9i リリース 2 では、Oracle Services for MTS の新しいアーキ

テクチャにより、パフォーマンス、拡張性および可用性が改善されています。

従来、各データベースは、そのデータベースのかわりに DTC トランザクションに

参加する唯一のリソース・マネージャ・プロキシにのみ関連付けられていました。

Oracle Services for MTS の統合レイヤーにより、中間層のアプリケーションがトラ

ンザクションに参加できるようになりました。また、Oracle Services for MTS は

Windows サービスとして稼働していたため、MTS との通信に余分なプロセスが必

要でした。

新しい Oracle Services for MTS のアーキテクチャでは、以前のこのような設計が大

幅に改善されています。各 MTS サーバーでは、それぞれ独自のリソース・マネー

ジャ・プロキシのキャッシュが保持されるため、どのデータベースも複数のプロ

キシに関連付けることができます。このプロキシのキャッシュは、Oracle Services

for MTS の統合レイヤーにより保持され、MTS サーバーのプロセス内で直接稼働

します。この統合レイヤーでは、アプリケーション、DTC およびデータベース間

のトランザクション・エンリストメントおよび完了処理が行われます。

複数の MTS が配置されている環境では、どのプロキシも単一の障害箇所(シング

ル・ポイント)にならないため、このモデルにより可用性が向上します。さらに、

どのプロキシも単独でデータベースのボトルネックとなることがないため、全体

的にパフォーマンスが向上します。Oracle Services for MTS 統合レイヤーから MTS

プロセスへの移動により、余分な通信プロセスは削減されました。

Oracle9i および Oracle9i リリース 2 では、各 MTS サーバーがリカバリ・デーモン

を稼働します。リカバリ・デーモンはデータベースにより起動され、エンリスト

メントを再度行うことでインダウト・トランザクションの 終的な出力をリクエ

ストします。PL/SQL パッケージでは、定期的にリカバリ・ジョブが実行され、イ

ンダウト・トランザクションに関連付けられたリカバリ・デーモンと通信します。

デーモンは、DTC にトランザクション結果をリクエストし、データベースにその

結果を通知します。DTC リカバリのインストールの際に、MTSSYS というデータ

ベース管理アカウントが作成されます。

Oracle Services for MTS では、ODP.NET、OO4O、OCI、ADO/OLE DB および ODBC

などの様々なデータ・アクセス・インタフェースを使用してアプリケーションを

開発できます。通常 Oracle では、ODP.NET、OO4O および OCI がパフォーマンス

と互換性の点で優れています。ODP.NET、OO4O および OCI では、Oracle のリソー

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ス・ディスペンサにより提供される、 適化された接続プーリングが使用されま

す。Oracle Provider for OLE DB および Oracle ODBC Driver では、データベース接

続に Microsoft のリソース管理機能が使用されます。

Oracle Services for MTS は、それ自体単独で Windows 上で稼働しますが、どのオペ

レーティング・システム上にある Oracle データベースと組み合せても動作します。

これは、Windows の中間層を使用して、UNIX ベースの Oracle サーバーにアクセ

スする場合などに有効です。

.NET 対応

Oracle9i リリース 2 では、Services for MTS は Oracle データベースを実行するトラ

ンザクション.NET プログラムに完全に対応しています。開発者は、.NET 環境で

Oracle Services for MTS の新しいスケーラブル・アーキテクチャを使用できます。

プログラマは、OLE DB .NET/Oracle OLE DB、ODBC .NET/Oracle ODB、または

Oracle Data Provider for .NET などの Oracle .NET データ・アクセス方法を使って

も.NET から Services for MTS を使用できます。.NET または COM のどちらを選ん

でも、Oracle Services for MTS ユーザーは同じ頑強な機能を使用できます。

Oracle Fail Safe Oracle Fail Safe は、Windows のクラスタ上に配置されたミッション・クリティカ

ルなソリューションに高度な可用性を提供する Oracle9i リリース 2 の主要な機能

の 1 つです。クラスタにより、個別のホスト・システムが障害発生箇所でなくな

ります。Oracle Fail Safe は、Microsoft Cluster Service(MSCS)と連動し、あるク

ラスタ・ノードで障害が発生した場合は、そのノードで稼働する Oracle データベー

スおよびアプリケーションを自動で即座に他の稼働中のノードにフェイルオー

バー(移動)します。

Oracle Fail Safe は、単一のシステムでデータベースおよびアプリケーション処理

負荷に対処できる Windows ユーザー用に 適化されています。Oracle Fail Safe ソ

リューションは、すべての製品版の Windows NT、Windows 2000 および Windows

Server 2003クラスタに配置できます。また、現在Windows上で使用できる 大ノー

ド構成である 8 つのノード・クラスタまでを、Windows Server 2003 Datacenter 上

でサポートしています。サポートする製品は次のとおりです。

• Oracle データベース(Oracle9i、Oracle8i および Oracle8)

• Oracle Applications リリース 11i

• 以下の Oracle iAS(Oracle9i Caches は除く)

• Oracle Forms Server

• Oracle Reports Server

• Oracle HTTP Server

• Oracle Services for Microsoft Transaction Server(Oracle8i リリース 3)

• Oracle Intelligent Agent

• Windows サービスとしてインストールされたアプリケーション

Oracte9iリリース2 Services for MTSは、

トランザクション.NET アプリケーショ

ンの実行を完全にサポートします。

Microsoft Cluster Service との統合によ

り、Oracle Fail Safe は Windows 環境で

のOracleソフトウェアの高可用性を保証

します。Fail Safe は、Oracle データベー

ス、アプリケーション・サーバーおよび

E-Business Suite に対応します。

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SAP、Baan、PeopleSoft、Lawson Software、J.D. Edwards および他のアプリケーショ

ン・ベンダーも、Oracle Fail Safe で自社のソフトウェア・ソリューションを検証

済です。

Oracle Fail Safe には、サーバーとマネージャという 2 つの主要なコンポーネント

があります。サーバー・コンポーネントの Oracle Services for MSCS は、クラスタ・

ソフトウェアと連動し、計画停止や計画外停止の際に迅速な自動フェイルオー

バーを実行します。マネージャ・コンポーネントの Oracle Fail Safe Manager は、

使用しやすいグラフィカルなインタフェースを持ち、1 つ以上のクラスタでの

Oracle Fail Safe Server と連動することで、構成、管理、検証および静的なロード・

バランシングを実行します。さらに、これらのコンポーネントでは、可用性の高

いデータベースとアプリケーションの迅速な配置を可能にする豊富な機能および

統合化されたトラブルシューティング・ツール、つまり完全な e-ビジネス・ソ

リューションが提供されます。

Logical/Physical Standby

Logical/Physical Standby の統合により、プライマリ・サイト以外にも任意のリモー

ト・スタンバイ・サイトで Oracle Fail Safe データベースを実行できます。Fail Safe

はデータベースを監視して、オンライン/オフラインを切り替えます。これでユー

ザーは、スタンバイ・サイトの維持によるメリットに加え、 小限のダウンタイ

ムでクラスタ内に単一インスタンスのフェイルオーバーを持つことができます。

Oracle Fail Safe は一般的に、Windows 環境に共通のソフトウェア/ハードウェア・

アップグレードなど、計画されたフェイルオーバーに使用されます。

Logical/Physical Standby により、Fail Safe はスタンバイで提供される災害時保護を

実現できます。この 2 つの製品は単独より、ともに使用することで互いに補完し

あって、高い可用度および災害時保護を提供します。

管理しやすいマルチクラスタ

複数クラスタ構成をとるユーザーに対して、Oracle Fail Safe Manager は複数クラス

タの表示を許可するため、ユーザーは別々のウィンドウからクラスタごとに管理

するかわりに、1 つのウィンドウからすべてのクラスタを管理できます。たとえ

ば、管理者は 1 つのウィザードを 1 度使えば、すべての Fail Safe クラスタにまた

がるデータベースに関するデータベース・アカウント認証を修正できます。管理

者はポリシーの比較、クラスタ表示の修正または個々のプレファレンスの変更な

ど、面倒な作業を必要としません。

セキュリティ

Oracle9i および Oracle9i リリース 2 は、アプリケーションのセキュリティ機能を強

化するため、Windows システム固有のセキュリティ・モデルと緊密に統合されて

います。Windows 2000 と Windows Server 2003 では、Microsoft の公開鍵インフラ

ストラクチャ(PKI)セキュリティを実装する多くのテクノロジが採用されていま

す。Oracle には、Windows 環境での Oracle PKI の使用効率を改善する次の 2 つの

機能があります。

• Windows レジストリ内の Oracle Wallet

• Microsoft Certificate Store との統合

Oracle Fail Safe は、Logical/Physical Standby サポートを可能にすることで、

災害時保護をサポートします。管理しや

すさを改善するため、1 つのコンソール

から複数のクラスタを管理できます。

Windows のレジストリに Oracle Walletを保存できるため、安全でないオペレー

ティング・システム・ファイル・ストレー

ジを排除できます。Oracle は Microsoft Certificate Store を統合し、Oracle PKIおよびWindows PKIアプリケーションの

スムーズな運用を実現します。

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Windows レジストリ内の Oracle Wallet

Oracle Wallet を Windows レジストリ内に保存できるため、Windows クライアント

上の Oracle Wallet のセキュリティが強化されます。この機能を使用しない場合、

Oracle Wallet は通常 Windows のファイル・システムに保存されます。オペレーティ

ング・システムのファイル・アクセス権が安全ではない場合、Oracle Wallet も安

全ではありません。Windows 98 などの場合、不適切な管理の結果、またはオペレー

ティング・システムのファイル・セキュリティが万全ではないため、ファイル・ア

クセス権が安全ではない場合があります。このため Windows システムでは、レジ

ストリのユーザー・プロファイル領域にOracle Walletを格納することでPKIセキュ

リティが改善されます。レジストリ領域にアクセスできるのは、適切にログイン

したユーザーのみです。複数の Oracle Wallet をプロファイル領域に保存して、使

用できます。

Oracle PKI アプリケーションでのシングル・サインオン機能は、Oracle Wallet

Manager および Oracle Enterprise Login Assistant ツールを介して使用可能になりま

す。Oracle Wallet Manager により暗号化された Oracle Wallet は、Oracle Enterprise

Login Assistant により復号化されます。復号化された Wallet は、SSL 認証で Oracle

PKI アプリケーションに使用されます。これらのツールでは、両方ともレジスト

リ内に Oracle Wallet を保存できるよう機能が拡張されていますが、必要であれば

デフォルトのファイル・システムを使用することもできます。

Microsoft Certificate Store との統合

Microsoft Certificate Store と Oracle との統合により、Windows PKI を使用する製品

と Oracle PKI アプリケーションを相互運用できます。この機能が使用可能な場合、

Oracle PKI セキュリティでは Microsoft CryptoAPI を使用して、Microsoft Certificate

Store にアクセスします。CryptoAPI は、サインオン、暗号化、復号化、検証およ

び承認などの操作に使用されます。Wallet Resource Locator(WRL)により、PKI

タイプおよびその他の関連情報が決定されます。

また、Oracle および Oracle 以外のアプリケーションでは、認証および暗号化など

の公開鍵セキュリティ・サービスを受けるために、PKI 資格証明の同じセット

(証明書、キー、失効リストおよびトラスト・ポイントなど)を利用できます。

ディレクトリ

ディレクトリ・サーバーでは、集中化によりユーザーおよびリソースの管理を簡

単にしています。Oracle Internet Directory(OID)を使用すれば、企業はディレク

トリ・サーバーを集中化し、Active Directory などの既存のディレクトリ・サーバー

を活用できます。Oracle9i には、Windows 上で OID と Active Directory(AD)の両

方を活用する次の 2 つの機能があります。

• システム固有の認証と Active Directory

• Active Directory による Oracle Net ネーミング

Oracle はユーザー・マッピングを Active Directory または OID(Oracle Internet Directory)に保存できるようにし、

Windows 環境でのシングル・サインオン

と簡単なユーザー管理を可能にしていま

す。さらに、集中化管理用に、Net ネー

ミング(tnsnames.ora)をActive Directoryまたは OID に保存できるようになりまし

た。

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システム固有の認証と Active Directory

Oracle ユーザーが必要とするのは、企業全体のセキュリティ管理およびスキーマ

管理を行う機能です。これは、多くのユーザーを抱えるビジネスで特に重要とさ

れます。OID は、これらの企業環境を扱い、Active Directory などの部門ディレク

トリ・サーバーと相互運用するように設計されています。Oracle のセキュリティ

および管理はこれらのディレクトリ・サーバーと統合され、シームレスなアクセ

スおよび管理を提供します。

Oracle では、Windows の認証メカニズムを介してシステム固有の認証を提供する

ため、Windows システム上で Oracle のデータベースに対するユーザー認証を実行

できます。Oracle では Windows 2000 および Windows Server 2003 上で中心となる

Kerberos セキュリティ・プロトコルがサポートされています。システム固有の認

証が使用可能な場合、シングル・サインオンを利用して Windows にログオンする

だけで Oracle にアクセスできるため、エンド・ユーザー管理を軽減でき、冗長的

なセキュリティ認証手順をなくせます。今後、Oracle Internet Directory for Windows

では、Windows と非 Windows インフラにかかる統一認証用の Microsoft Kerberos

チケットを OID クライアントが順守できるようにする計画です。

Oracle のエンタープライズ・ユーザー・マッピングでは、複数のオペレーティン

グ・システム・ユーザーが、単一のグローバル・データベース・ユーザーとして

複数のデータベースにアクセスできます。Windows 専用の環境では、これらのエ

ンタープライズ・ユーザー・マッピングは Active Directory に格納できます。

たとえば、Active Directory 内の LDAP 組織単位(OU)全体を、単一のデータベー

ス・ユーザーとしてマッピングできます。

Oracle はエンタープライズ・ロール・マッピングを LDAP に保存します。Windows

環境では、この LDAP ストレージ機能は、Active Directory と同様に OID 上でも動

作することを確認しています。エンタープライズ・ロールでは、ディレクトリの

ドメイン・レベルで複数のデータベースに対する権限を管理できます。これは、

LDAP に登録した Oracle エンタープライズ・ロールに Windows ユーザーおよびグ

ループを割り当てることで行われます。

Active Directory による Oracle Net ネーミング

Oracle データベース接続情報の管理機能の向上に OID や Active Directory を活用で

きます。通常エンド・ユーザーは、TNSNAMES.ORA 構成ファイルを介して解決

した Oracle Net Services スタイルの名前でデータベースを参照します。このファイ

ルは各クライアント・マシン上で管理する必要があります。Oracle では、OID ま

たは Active Directory を利用して Net ネームを保存し、解決できます。

ディレクトリにこれらの情報を集中化することで、管理上のオーバーヘッドが削

減され、クライアント・マシンを個別に設定する作業から解放されます。

さらに、Windows エクスプローラおよび「Active Directory ユーザーとコンピュー

タ」などの Windows 2000 および Windows Server 2003 のツールを使用して、デー

タベースに接続し、データベースの接続性をテストできます。Oracle Tools の機能

も拡張されています。Oracle Database Configuration Assistant では、データベース・

オブジェクトが自動的に LDAP ディレクトリに登録されます。また、Oracle Net

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Manager では、ディレクトリにネット・サービス・オブジェクトを登録できます。

これらの拡張機能により管理が容易になります。

結論

Windows アプリケーションの開発と配置(システム構築)のテクノロジがクライ

アント/サーバー型からインターネット環境へと進化するのに合わせて、Oracle も

進化を続けてきました。Oracle9i Database Release 2 は、アプリケーション・ツー

ルおよびアーキテクチャの選択において従来にはない柔軟性を提供し、各ユー

ザーはパフォーマンス、拡張性、可用性およびセキュリティのいずれをも損なう

ことなくそれぞれの要件を満たすことができます。Windows プラットフォームへ

の Oracle の熱心な取り組みには、.NET インフラとの新しい統合も含まれています。

Windows と連携するように設計された Oracle9i リリース 2 により、ユーザーのソ

フトウェア・アプリケーションでは、Windows システムとデータベース間での透

過的な相互運用性が実現します。

Windows 環境の Oracle の詳細については、次のサイトをご覧ください。

http://otn.oracle.co.jp/tech/windows/

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Oracle9i Database Release 2 for Windows: 開発と配置 2003 年 4 月 著書: Alex Keh Oracle Corporation World Headquarters 500 Oracle Parkway Redwood Shores, CA 94065 U.S.A. 海外からのお問合せ窓口: 電話: +1.650.506.7000 ファックス: +1.650.506.7200 www.oracle.com オラクル社は、インターネット上での活動を強化するソフトウェアを提供します。 Oracle はオラクル社の登録商標です。 このガイドで使用されているさまざまな製品名およびサービス名には、オラクル社の商標が含まれています。 その他のすべての製品名およびサービス名は、各社の商標です。 この文書はあくまでも参考資料であり、掲載されている情報は予告なしに変更されることがあります。 万一、誤植などにお気づきの場合は、オラクル社までお知らせください。オラクル社は本書の内容に関していかなる保証もしません。また、本書の内容に

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