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Oracle Database 12 c Release 2 による データ管理の変革 Oracle ホワイト・ペーパー | 2017 年 3 月

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Oracle Database 12c Release 2による データ管理の変革 Oracle ホワイト・ペーパー | 2017 年 3 月

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Oracle Database 12c Release 2によるデータ管理の変革

免責事項

下記事項は、弊社の一般的な製品の方向性に関する概要を説明するものです。また、情報提供を唯一の目的とするものであり、いかなる契約にも組み込むことはできません。マテリアルやコード、機能の提供をコミットメント(確約)するものではなく、購買を決定する際の判断材料になさらないで下さい。オラクルの製品に関して記載されている機能の開発、リリース、および時期については、弊社の裁量により決定されます。

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1 | Oracle Database 12c Release 2によるデータ管理の変革

目次 免責事項 1

Oracle Database 12c Release 2 によるデータ管理の変革 2

ディスクベースからインメモリ・データベースへの変革 3

分散型リアルタイム分析 3

メモリ最適化によるパフォーマンス 3

容易な実装 4

データウェアハウスからビッグ・データへの変革 4

オラクルのビッグ・データ・プラットフォーム 4

リレーショナル、Hadoop、NoSQL での高速な SQL アクセス 5

リレーショナル・データを超える機能 5

包括的なデータ・サイエンス機能 5

Big Data Cloud Service 6

オンプレミスからデータベースに最適化されたクラウドへの変革 7

エンジニアド・システムによるデータ管理 7

コスト削減 7

俊敏性 8

柔軟な拡張 8

完全互換のハイブリッド・クラウド 9

Oracle Cloud at Customer 9

Exadata Express Cloud Service 9

Oracle Database Cloud Service の範囲 10

結論 10

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2 | Oracle Database 12c Release 2 によるデータ管理の変革

Oracle Database 12c Release 2によるデータ管理の変革

世界でもっとも多く使用されているデータベースの最新世代である Oracle Database 12c Release 2(12.2)を、クラウド、Oracle Cloud at Customer、およびオンプレミスで使用できるようになりました。これにより、あらゆる規模の企業が、最高レベルのスケーラビリティと信頼性を備えた世界最速のデータベース・テクノロジーを費用効率と柔軟性に優れたハイブリッド・クラウド環境で利用できるようになりました。12.2 はエントリ・レベルから最大規模のデータベース・ワークロードまでシームレスに対応できるため、データベース開発から小~中規模のビジネス・アプリケーションや部門アプリケーション、大規模なミッション・クリティカル・アプリケーションまで、実績のあるエンタープライズ・クラスの機能を利用してクラウドまたはオンプレミスで実行できます。

情報技術(IT)産業では、より高速に企業情報にアクセスでき、洞察に満ちた分析を可能にし、クラウドの俊敏性と柔軟性を活用する革新技術を引き続き導入しています。データはすべての企業に不可欠であるため、お客様が企業データへのアクセスとその価値を変革するのを支援するために、12.2 では特に以下の 3 つの領域で新機能と拡張機能が導入されています。

» ディスクベースからインメモリ・データベースへの変革:高パフォーマンスのリアルタイム分析を実現

» データウェアハウスからビッグ・データへの変革:トランザクション・データソースなどのデータソースについての洞察に満ちた分析を実現

» オンプレミスからデータベースに最適化されたクラウドへの変革:俊敏性および柔軟性の向上と IT コストの削減を実現

Oracle は市場シェアが 40%をはるかに超えており、企業データを管理するデータベースとして圧倒的に世界で一番ご愛顧いただいています。Oracle Database の各世代で導入されてきた Real Application Clusters、Active Data Guard、Database In-Memory などの最先端のデータベース技術革新により、30 万を超えるお客様がオンライン・トランザクション処理(OLTP)とデータウェアハウス・アプリケーションで最高レベルのパフォーマンス、信頼性、セキュリティを実現しています。2013 年 6 月にリリースされた Oracle Database 12c Release 1(12.1)は革新的なマルチテナント・アーキテクチャを備えており、近年でもっとも広く採用された最初のリリースとなっています。12.2 では引き続き、既存のアプリケーションに対するお客様の投資を保護しながら最先端の技術革新を提供するという、オラクルの長年にわたる戦略が実施されています。このホワイト・ペーパーでは、12.2 によってビジネス・アプリケーションを大幅に変更することなくデータ管理をいかに変革できるかについて説明します。

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3 | Oracle Database 12c Release 2 によるデータ管理の変革

「Oracle Database In-Memory によって、問合せのパフォーマンスが数分や数時間から数秒に向上し、索引を削除することでデータベース・サイズも 80%低減しました」

FRANCOIS BERMOND SCHNEIDER ELECTRIC 社

データベース・マネージャー

ディスクベースからインメモリ・データベースへの変革

リレーショナル・データベースは従来、ディスク入出力用に最適化されていましたが、高パフォーマンスのリアルタイム分析に対する市場ニーズに対応し、Oracle Database 12c Release 12.1.0.2 でOracle Database In-Memory が導入されています(2014 年 7 月)。Oracle Database In-Memory では、従来の行形式と純粋なインメモリ列形式で表データを同時に表す、独自の二重管理アーキテクチャが使用されています。列ストアには専用のソフトウェア・ルーチンとハードウェア・ルーチンによってアクセスするため、メモリ常駐データのパフォーマンスが向上します。12.2 で導入された大幅な拡張機能により、既存のアプリケーションへの対応を完全に維持しながら、自動化を強化して柔軟性とパフォーマンスを向上できます。

分散型リアルタイム分析

Oracle Database In-Memory では、索引をすべての列に配置する場合と同等のパフォーマンスを索引のオーバーヘッドなしに実現することにより、リアルタイム分析を可能にしています。その結果、以前は数時間以上かかっていた分析を数秒で完了できるようになりました。同時に、OLAP データベースで分析の問合せパフォーマンスを高めるために使用していた、分析用の 2 次索引をなくすことができます。Oracle Cloud および Oracle Exadata での 12.2 の新機能として、インメモリ列ストアを Active Data Guard スタンバイ・データベースに保持できるようになりました。これにより、スタンバイ・データベースをより有効に利用できます。この新機能によって、トランザクション・ユーザーを分析ユーザーから完全に切り離したうえで、これまでと同様にデータとほぼリアルタイムに高パフォーマンスの分析を実行できます。

メモリ最適化によるパフォーマンス

インメモリ・スキャン、結合、集計に対応した Oracle Database In-Memory の最先端のアルゴリズムにより、お客様の OLTP 環境、データウェアハウス環境、および複合ワークロード環境でパフォーマンスが桁違いに向上することが広く実証されています。リアルタイム分析の他に、Oracle Database In-Memory の一般的なユースケースとして、分析がビジネス・トランザクションの必須コンポーネントであるハイブリッド・トランザクション分析処理や、データウェアハウス問合せ、レポート・システムが挙げられます。12.2 で導入されたパフォーマンス向上には、インメモリ結合グループにより 3 倍近く高速化された結合処理、インメモリ方式により約 10 倍高速化された複雑な問合せ、また新しいバイナリ形式による最適化で約 60 倍高速化された JSON 問合せがあります。

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4 | Oracle Database 12c Release 2 によるデータ管理の変革

容易な実装

他のインメモリ列ストアとは異なり、Oracle Database In-Memory ではデータベース全体をメイン・メモリに格納する必要がありません。必要となるのは、インメモリ列ストアのサイズを設定し、パフォーマンスが重視される表やパーティションを特定することだけです。12.2 のデータ・ポピュレーションでは新たなポリシーが導入され、ヒートマップ技術によってインメモリ使用状況が追跡されるため、列ストアの使用頻度の少ないデータを圧縮したり削除したりするポリシーを適用できます。Exadata ストレージの場合、12.2 ではインメモリ列ストアはフラッシュに拡張されており、容量が大幅に増加しています。もっとも重要な点は、他のインメモリ列ストアとは異なり、既存のアプリケーションを一切変更せずに済むことです。オプティマイザによって、分析問合せは列形式に、OLTP 問合せは行形式に自動的にルーティングされます。また、Oracle Database In-Memory は、Oracle Multitenant、Real Application Clusters、Maximum Availability Architecture、データベース・セキュリティ機能などの、Oracle Database 12c の機能すべてにも完全に対応しています。

「(ビッグ・データからの)回答や、洞察が何日もかからずに数分で得られるため、ビジネスに多大な好影響があります」

YAEL COSSET 84:51 社

最高情報責任者

データウェアハウスからビッグ・データへの変革

OLTP アプリケーションがビジネス・トランザクションの処理に不可欠であるのと同様に、データウェアハウス・アプリケーションはビジネス・パフォーマンスの測定に不可欠です。トランザクション・データの分析に関するデータウェアハウスのベスト・プラクティスはかなり確立されてきており、Oracle Database 12c はデータウェアハウス市場を大差でリードする包括的なプラットフォームを提供します。しかしながら、Web ログ・データ、ソーシャル・メディアのデータ、モノのインターネット(IoT)のデータといった新たなデータソースを利用することで、ビジネス・パフォーマンスやビジネス機会についてのさらに深い洞察が得られる可能性があります。Hadoop やNoSQL データ・ストアなどのテクノロジーは、大量の低密度データを取得するには最適ですが、インタフェースが異なるばらばらのデータ・ストアを分析するのは難しい場合があります。組織にとっての真のビジネス価値は、データウェアハウスをデータ・マイニング、機械学習、ビジネス分析が可能な統合型のビッグ・データ・プラットフォームに刷新し、すべてのデータソースを分析することにあります。また組織では、データウェアハウスをビッグ・データに刷新するときに、オンプレミス、クラウド、ハイブリッド・クラウド環境のいずれを使用するのかという導入の選択肢を検討する必要があります。

オラクルのビッグ・データ・プラットフォーム

昨今、企業データはさまざまな場所(オンプレミス、クラウド)の、さまざまなプラットフォーム(汎用ハードウェア、エンジニアド・システム)で、個別のデータ・ストア(リレーショナル、Hadoop、NoSQL)に散らばって保存されています。お客様が従来のデータウェアハウスを刷新してビッグ・データを利用するのを支援するため、オラクルは Oracle Database 12c、Hadoop、

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5 | Oracle Database 12c Release 2 によるデータ管理の変革

NoSQL に保存されているデータへのアクセスが統合されたビッグ・データ・プラットフォームを開発しました。オラクルのビッグ・データ・プラットフォームは、汎用システムでもエンジニアド・システムでも実行でき、オンプレミスにも Oracle Cloud にも導入でき、使い慣れた SQL インタフェースや開発/分析ツールを使用してアクセスできます。異種のデータ・ストア間で大量のデータを移動する必要が事実上なくなり、さまざまなリポジトリ(Oracle Database 12c、Hadoop、NoSQL など)に保存された各種データ(リレーショナル、XML、JSON など)に対して、さまざまな言語(SQL、REST、R など)を使用して各種の分析(機械学習、グラフ、Spark など)を容易に実行できます。

リレーショナル、Hadoop、NoSQLでの高速なSQLアクセス

Oracle Big Data SQL は、オラクルのビッグ・データ・プラットフォームのデータ仮想化コンポーネントです。Oracle Big Data SQL により、Oracle SQL を使用して Hadoop、NoSQL、および Oracle Database 12c のデータを対象に、既存の SQL ツールやリソース、スキルを用いて問合せや分析を行うことができます。Big Data SQL では、問合せフィルタリング、結合、スコアリングなどの SQL操作を実行する、Oracle Exadata で最初に開発された Smart Scan 機能を使用して、Hadoop およびNoSQL サーバーで高パフォーマンスの問合せを実行することができます。Big Data SQL の他のおもなパフォーマンス機能には、超並列の分散問合せ処理やストレージ索引付けなどがあります。また、Oracle Big Data SQL では、外部表を使用してメタデータを一元化できるため、保存場所に関係なくデータに簡単にアクセスできます。このメタデータに基づいて、組織は標準のセキュリティ・ポリシーを実装し、Hadoop および NoSQL データ・ストアに保存されているデータに対して Oracle Database 12c のセキュリティ機能(データ・リダクションやアクセス制御など)を適用できます。

リレーショナル・データを超える機能

Oracle Database 12c Release 12.1.0.2 では、XML、テキスト、空間、グラフなどの非リレーショナル・データの広範なサポートに加えて、JSON データのサポートが導入されています。JSON は IoTデータソースの一般的なデータ表記としてビッグ・データ環境で広く使用されており、Big Data SQL を使用すると、Oracle Database 12c の JSON 用 SQL 拡張機能によって JSON にシームレスにアクセスできます。12.2 で、オラクルは JSON ドキュメントの構造を SQL コマンドで容易に把握できるようにする JSON データ・ガイド機能を提供しており、これにより JSON 対応機能を引き続き強化しています。

包括的なデータ・サイエンス機能

データウェアハウスからビッグ・データへの変革により、機械学習機能の利用や、非リレーショナル・データソースの分野に特有の分析に対応した新機能を利用し、SQL ベースの分析を越えた分析の機会を拡大します。Oracle Database 12c では、開発者やデータ・サイエンティスト向けに、さらに詳細なビジネス分析を実行できるデータベース内分析やツールの選択肢が用意されています。たとえば、以下のようなものです。

» 機械学習:SparkML を拡張および強化する、非常にスケーラブルな R 処理、データベース内アルゴリズム、Spark アルゴリズムを提供

» プロパティ・グラフ:シンプルな標準のインタフェースを用いて 12.2 をグラフ・データベースとして使用できるようにする、40 を超えるインメモリ・パラレル・アルゴリズムを提供

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6 | Oracle Database 12c Release 2 によるデータ管理の変革

» 空間:空間データを分析アプリケーションなどのアプリケーションとシームレスに統合できる、非常にスケーラブルなベクター処理/ラスター処理向けの、50 を超える機能を提供

» マルチメディア:顔認識アプリケーション、OCR アプリケーション、ナンバープレート認識アプリケーションによく使用されている画像処理と動画処理に対応した、非常にスケーラブルなオープン・フレームワークを提供

Oracle Database の各世代で、複数のデータ・タイプ(テキスト、空間、XML、JSON など)のサポートやさらに多くのデータベース内分析(パターン・マッチング、グラフなど)が導入されており、単一の Oracle Database 内でマルチモデルを保持できます。これにより、データのサイロ化を防ぐことができます。また同時に、オラクルのビッグ・データ・プラットフォームでは、複数のデータ・ストアにわたるアクセスを Oracle Big Data SQL を使用して統合できます。つまり、マルチモデル戦略なのかポリグロット(多言語)戦略なのか、または両方かにかかわらず、オラクルの基本理念は集めたデータを分析することにあり、お客様が使い慣れたツールを使ってビッグ・データの大量データをすばやく選り分けするのに役立ちます。

Big Data Cloud Service

ソフトウェア・コンポーネントおよびハードウェア・コンポーネントを Oracle Exadata や Oracle Big Data Appliance などのエンジニアド・システムとして工場で 1 つに統合設計・組立してあるので、お客様がオンプレミスのビッグ・データ・プロジェクトでリスクを抑え、パフォーマンスを最適化し、実装時間を短縮するのに貢献します。オラクルは、これらの同じ利点を Big Data Cloud Service を利用するクラウドにもたらします。Hadoop、Spark、および NoSQL の包括的な高パフォーマンスのサービスを提供しており、Cloudera Enterprise Data Hub、R およびプロパティ・グラフの分析、およびデータ統合ツールが含まれています。小規模な 3 ノード・クラスタで開始して、必要に応じて数百ノードに簡単にスケールアウトできます。

Oracle Cloud では、オラクルのオンプレミス・ソリューションの機能がすべて提供されるだけでなく、ビッグ・データ環境がオンプレミスでの先行設備投資型モデルから従量制の運用コスト・モデルに転換されます。オンプレミスと同じアーキテクチャおよびソフトウェアを Oracle Cloud で提供するというオラクルのハイブリッド戦略により、オラクルのビッグ・データ・プラットフォームの既存のスキルセット、アプリケーション、サポート・リソースを維持しながらクラウドに移行できます。Oracle Exadata と Big Data Appliance をオンプレミスのデータウェアハウスとビッグ・データ・システムに導入するのか、Exadata Cloud Service と Big Data Service を Oracle Cloud で使用するのかを選択できます。

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7 | Oracle Database 12c Release 2 によるデータ管理の変革

「Oracle Database 12c Release 2 はクラウドに最適化されています」

LARRY ELLISON ORACLE 社

最高技術責任者

オンプレミスからデータベースに最適化されたクラウドへの変革

12.2 はクラウド向けに設計されており、IT コストを削減し、データベース・サービスをさらに俊敏にプロビジョニングし、必要に応じて IT リソースを柔軟にスケールアップ、スケールアウト、スケールダウンすることができます。12.2 の「クラウド・ファースト」は導入済みの Oracle Database Cloud Service を補完するものであり、もっとも重要な点として、オンプレミスからデータベースに最適化された Oracle Cloud に移行する際に役立つ独自の機能を提供します。

エンジニアド・システムによるデータ管理

OLTP、データウェアハウス、あるいはその両方のデータベース・ワークロードできわめて高いパフォーマンスを発揮することが(オンプレミスで)広く実証されている Oracle Exadata などのエンジニアド・システムにデータベース・ワークロードを標準化・統合することにより、多くのお客様はクラウドへの移行の最初の一歩をすでに踏み出しています。Oracle Exadata は、サーバー、ストレージ、ネットワーク、ソフトウェアが事前に構成されたパッケージです。ソフトウェアとしてOracle Database 12c が搭載されており、Real Application Clusters や自動ストレージ管理などの主要なデータベース・コンポーネントが実装されています。また、Exadata Smart Scan、Smart Flash Cache、Hybrid Columnar Compression など、卓越したデータベース・パフォーマンスとより高いデータベース集約密度を実現する Oracle Exadata Storage Server ソフトウェアの高度な革新技術も利用されています。Oracle Exadata のようなエンジニアド・システムは Oracle データベース・ワークロードに合わせて特に最適化されており、Oracle Cloud で Exadata Cloud Service を使用する場合、または Oracle Cloud at Customer を使用する場合は、12.2 の最適化機能を活かすことができます。

コスト削減

オンプレミスからデータベースに最適化されたクラウドに刷新すると、従来の IT 管理およびコストのモデルが大幅に変化します。データベース・システムをピーク時処理能力に合わせてサイジングして先行の設備投資を負担する代わりに、データベース・サービスを従量制のセルフサービスで使用し、標準構成の中のの 1 つのデータベースとして多数のデータベースをまとめて管理することができます。

Oracle Database 12c は、お客様がクラウドをさらに簡単に利用できるように特に再設計されました。多くのお客様が Oracle Database 12c のマルチテナント・アーキテクチャを使用して、アプリケーション・コードを変更せずに複数のプラガブル・データベース(PDB)を 1 つのマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)に統合しています。管理者は、多数の PDB のバックアップ、リカバリ、パッチ適用、アップグレード、これらすべての操作を 1 つの CDB で実行できます。そのため、お客様は、多数の PDB を 1 つの CDB に統合し、多数のデータベースを 1 つのデータベースとして効率的に管理することにより、設備投資コストと運用コストの削減が可能となっています。

12.2 では、Oracle Cloud で CDB あたり最大 4,096 の PDB を使用して、データベースの集約密度をさらに向上できます。また、PDB のプロセッサ、I/O、メモリを優先順位付けして大規模かつきめ細か

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8 | Oracle Database 12c Release 2 によるデータ管理の変革

くそれぞれ管理することや、ロックダウン・プロファイルを使用してプライベート・クラウドとパブリック・クラウドの権限の独立性レベルを切り分けることもできます。さらに、12.2 の新機能マルチテナント・アプリーケーション・コンテナを使用すると、コード、メタデータ、データなどのアプリケーション・オブジェクトを多数の PDB で共有できます。アプリケーション・オブジェクトを多数の PDB で共有できるため、多数のアプリケーション・テナントをアプリケーション・コンテナの1か所で効率的に管理できます。この機能は、SaaS やフランチャイズなどのアプリケーションで、基本的には各テナントで共有するものの、個別のデータはセキュアに分離する必要がある、そうした場合に最適です。

俊敏性

データベース・サービスへのユーザー・リクエストの対応や、ルーチンではあるもののデータベース運用に不可欠な操作(パッチ適用やアップグレードなど)の自動化に対して、より俊敏に対応できることが、クラウドの主要な特性です。Oracle Database 12c では、多数の単一テナント・データベースから少数のマルチテナント・コンテナ・データベースへの移行を支え、さらに高い俊敏性を提供してきました。また、12.1 の Oracle Multitenant は、オンプレミス環境、Oracle Cloud 環境、およびハイブリッド・クラウド環境で PDB の迅速なプロビジョニング、クローニング、移動を提供してきました。Oracle Multitenant の俊敏性は、12.2 の新しいオンライン PDB 操作によって大幅に強化されています。

» PDB Hot Clone:ユーザーをオフラインにすることなく、PDB を高速にインスタンス化

» PDB Refresh:クローン PDB を最新データで定期的に更新

» PDB Relocate:停止時間をほぼゼロに抑えながら、PDB を CDB 間に再配置

12.2 で Oracle Multitenant を使用すると、実行中のデータベース・ワークロードやデータベース操作に影響を及ぼすことなく、開発、テスト、導入を目的としたデータベースのコピー、同期、移動の各プロセスが飛躍的に簡素化および高速化されます。

柔軟な拡張

Oracle Database は、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)を使用して単一サーバーでスケールアップおよびクラスタ・サーバーでスケールアウトを実行できることで定評があります。クラウドへの移行は、ピーク・ワークロードに合わせてプロビジョニングするのではなく、データベース処理能力をオンデマンドでプロビジョニングできるようになることを意味します。また、必要に応じて Oracle RAC を使用して処理能力のスケールアップ、スケールアウト、急拡大を常に実行できることも意味します。12.2 で RAC を使用すると、マルチテナント・データベースが最適化されて信頼性とスケーラビリティが強化されるとともに、数百もの Oracle RAC ノードに拡張できます。

また、12.2 の新機能として、OLTP アプリケーションで卓越したスケーラビリティと信頼性を実現するネイティブなデータベース・シャーディングがあります。Oracle RAC や Active Data Guard などの Oracle Database Maximum Availability(MAA)機能は、アプリケーションの透過性を維持しながら、OLTP アプリケーションの 99%を超えるニーズに対応できることが広く実証されています。ただし、グローバル規模の OLTP アプリケーションでスケーラビリティや信頼性を高めるには、巨大なデータベースをより小さなデータベース・ファームにシャーディングする方が適している場合があります。その場合は、データベース・ファーム内の特定のシャード(最大 1,000)にワークロードが自動的にルーティングされるように、アプリケーションを設計する必要があります。

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9 | Oracle Database 12c Release 2 によるデータ管理の変革

Oracle Sharding は、Oracle MAA を完全に補完するものです。

Oracle Cloud では、データベース・サービスを汎用ハードウェアにデプロイするのか、Oracle Exadata などのエンジニアド・システムにデプロイするのかを選択できます。このような選択が可能なのは Oracle Cloud だけです。Oracle Exadata Cloud Service は、Oracle Database 12c に最適化されたクラウド・インフラストラクチャでのみ動作し、スケールアウト型のコンピューティング、スケールアウト型のインテリジェントなストレージ、柔軟な拡張といった Oracle Exadata の利点と、マネージド・インフラストラクチャ、迅速かつ柔軟なデータベース・プロビジョニング、従量制サブスクリプション・モデルといった Oracle Cloud の利点を提供します。従量制の Exadata Cloud Service には、通常の CPU 要件向けの月額サブスクリプションが用意されており、必要に応じて短期間、オンライン処理能力を時間単位で急拡大できるという独自の機能があります(短期的な需要急増に対応する場合など)。そのため、ピーク・ワークロードに対応するために、処理能力を過剰にプロビジョニング(または過剰にサブスクライブ)する必要がありません。

完全互換のハイブリッド・クラウド

Oracle Cloud でオンプレミス環境と互換性のある幅広いデータベース・サービスをお客様が選択できるようにするというのが、オラクルのハイブリッド・クラウド戦略の一環となっており、これによって Oracle Cloud への移行を支援します。オンプレミスと Oracle Cloud 間で共通のアーキテクチャとソフトウェア環境が用意されるため、データベース・ワークロードの移行が容易になり、既存のスキルやリソースを利用でき、ビジネスの中断を縮減できます。また、このハイブリッド戦略は、Oracle Cloud at Customer の拡大や Oracle Cloud での Exadata Express Cloud Service の導入を反映したものとなっています。

Oracle Cloud at Customer

セキュリティやコンプライアンスなどの理由からパブリック・クラウド・サービスの採用に慎重なお客様の場合、Oracle Cloud at Customer により、データベース・クラウド・サービスをファイアウォールの内側で使用できます。Oracle Cloud at Customer では、Oracle Cloud で提供されているものとまったく同じ IaaS/PaaS のハードウェアとソフトウェアがお客様サイトにデプロイされ、オラクルがサービスとして管理します。お客様は Oracle Cloud で提供されているものと同じデータベース・サービスを、まったく同じサブスクリプション価格モデルを使用して、ファイアウォールの内側でセキュアに利用できます。Database Cloud Service は現在 Oracle Cloud Machine およびExadata Cloud Machine で利用可能で、Oracle Big Data Cloud Machine が提供可能となり次第、Big Data Cloud Service もまもなく(ファイアウォールの内側で)利用できます。

Exadata Express Cloud Service

12.2 は最初に、Oracle Cloud 上に新規導入された、エントリ向けの Exadata Express Service で使用できるようになりました。この新しいサービスは月額 175 ドルから提供されており、Oracle Partitioning や Oracle Advanced Compression などのエンタープライズ・クラスの機能とオプションがすべて含まれています。世界第 1 位のデータベースの最新版を、Oracle Exadata 上でマネージドサービスとして利用できます。Exadata Express Service のユースケースには、アプリケーションの開発とテスト、時間的制約のある短期プロジェクト、分析とサンドボックス、本番ワークロードなどがあります。利用者には、Oracle データベースが統合開発ツール、Application Express、および SQL Developer とともにプロビジョニングされます。Exadata Express Service では JSON と RESTが完全にサポートされており、Java、.NET、PHP、NodeJS などのさまざまな開発フレームワークを

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10 | Oracle Database 12c Release 2 によるデータ管理の変革

利用できます。

Oracle Database Cloud Serviceの範囲

新しい Exadata Express Service の導入により、Oracle Cloud で使用できる 12.2 データベース・サービスの範囲が拡大されています。そのため、エントリ・レベルの開発データベースから、小~中規模のビジネス・アプリケーションや部門アプリケーション、最大規模のミッション・クリティカルなデータベース・ワークロードに至るまで、すべての規模に簡単に対応可能なデータベース・サービスの選択肢がすべてそろっています。また、Oracle Cloud Database Service をオンプレミスにて、サブスクライブしたサービスとして Oracle Cloud at Customer で使用することも可能です。選択するデータベース・サービスに関係なく、Oracle Cloud の互換性によって、必要に応じてオンプレミスと Oracle Cloud の間でスケールアップとスケールダウンを簡単に実行できます。

結論

クラウド、ビッグ・データ、およびインメモリの技術革新により、効率向上の機会をもたらしビジネスを促進する力となることは明らかです。すべての IT 組織にとっての課題は、継続中の業務を大幅に中断することなく、データ管理を可能な限りシームレスに刷新することにあります。データベース市場のリーダーとして、オラクルはメインフレーム世代やミニ・コンピュータ世代から、クライアント/サーバー世代やインターネット世代にわたってお客様がデータベースを進化させるのを支援してきた十分な実績があります。お客様の投資を保護しながら最先端のデータベース革新技術を提供するという、実績に裏付けられた戦略が現在も継続して適用されています。

クラウド向けに設計された Oracle Database 12c Release 2 により、既存のアプリケーションを変更することなく、リアルタイム分析を可能にするインメモリ、より深い洞察を可能にするビッグ・データ・ソース、およびコスト削減と俊敏性の向上を可能にするマルチテナントを最大限に活用する機会が得られます。自社開発の Oracle アプリケーションすべてと Oracle ISV アプリケーションすべてを、変更せずに Oracle Cloud でそのまま実行できます。既存のアプリケーション、開発者のスキル、および管理者のスキルをすべて活用し、オンプレミスと Oracle Cloud の両方で Oracle Database の同じサポートを利用することは、特に重要です。

また、すべてのクラウドが同じとは限らないことを知っておくことが重要です。Oracle Cloud のみが、Oracle Database 12c に最適化されたインフラストラクチャを提供し、Oracle Cloud のみが、ミッション・クリティカルに対応するデータベース機能、例えば Real Application Clusters やActive Data Guard を不可欠なサービスとして提供し、Oracle Cloud のみが、オンプレミスで実行されている Oracle Database ワークロードとの完全なハイブリッド互換性を提供しています。

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