未来の「プロジェクトリーダー」 · 研 修 が あ り 、 そ こ で 自 分 の...

NPONPONPO次世代の環境保全活動を担う人材育成を目的とした「若手プロジェクト リーダー育成支援プログラム」。 2014年度からスタートしたこのプログラ ムの1期生12人が、 3年間の研修を終えました。若きリーダーは何を学 び、この経験をどう活かしていくのか。注目のお二人にお話を聞きました。 若手プロジェクトリーダー 育成支援プログラムとは 3年間の全体設計 とよ くに ひろ たか さん 2014年度からスタートした、未来の環境保 全活動を担う人材を育成するためのプログラ ム。 振興事業と助成事業を両輪とし、振興事 業では3年間に活動戦略の立て方やファンドレ イズなど 9回の研修を実施。助成事業では3の期間中、年間上限300万円の活動推進費 (賃金)を支援する。 2011年、農林水産省「田舎で働き隊 !」で同団体に半 年間研修生として参加。その後、海外の環境 NGOでのボ ランティア活動を経て、12年九州北部豪雨災害の被災地 復興に貢献したいと思い、同団体ボランティアとして3 か月 間、災害ボランティア運営サポートに携わる。13年からは 職員として、主に合宿型ボランティアや障がいのある方々と の農林作業コーディネートを担当。 福岡県八女市   http://sansonjuku.com えひめグローバルネットワーク 特定非営利 活動法人 特定非営利活動法人 山村塾 姿S D G s wakuwaku -youth 3 NPOたか やま さん 大学のNPO 論の授業で同団体代表の話を聞いたことを きっかけにNPO NGO の活動に関心を持ち始め、在学中 に環境省四国環境パートナーシップでインターンシップ・ア ルバイトを経験。 卒業後(2014年)同団体の職員に。四 国の国際協力NGOが活動するアジアやアフリカを訪問し SDGs の情報収集を行うとともに、四国のユースとSDGs をキーワードにしたネットワークづくりに取り組む。 愛媛県松山市   http://www.egn.or.jp/ 「若手プロジェクトリーダー育成支援プログラム」から 未来の「プロジェクトリーダー」 助成活動の推進 SDGs 四国フォーラム」にて(愛媛県今治市) 1年目 研 修・講 座 振興事業 (研修・講座) 助成事業 事前目標共有 計画立案・戦略策定 能力の向上 目標の明確化・共有 プロジェクトマネジメント 2年目 研 修・講 座 中間コンサルテーション 広報・資金調達能力 の向上 参加者増加 会員獲得 3年目 研 修・講 座 活動報告会 課題把握・利害調整 能力の向上 企業・他団体等との 協働事業 活動推進費の支出 ユースと連携して作成したSDGsワッペン ヤギ小屋棟上げ 耕作放棄地の草刈り SDGs のロゴマークを刺繍しているモザンビークの女性 らっきょう漬けの準備中 ! 注目の ヒト・モノ・コトを お 伝えします 11 地球環境基金便り September 2017 No.43 10

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Page 1: 未来の「プロジェクトリーダー」 · 研 修 が あ り 、 そ こ で 自 分 の プ ロ ジ ェ ク ト に 対 し て 講 師 の 方 や 他 の 受 講 生 か

か」という視点が欠けていたこ

とに気づきました。その後はタ

ーゲットをよく考え、対象者に

合わせたアプローチをするよう

心がけています。

また、この研修を通じて、改

めてNPOの活動は多くの人の

善意で支えられていることを実

感しました。この研修はもちろ

ん、自分の団体も多くの会員、

ボランティア、地域住民、企業

などに支えられています。日々

の業務に追われていると、つい

その事実を忘れ、自分本位にな

ってしまうことがあります。

NPOのスタッフとして、多く

の人の善意への感謝を忘れずに

今後も活動していきたいと思い

ます。

仕事上、リーダーシップを求

められることが多くあるので、

この研修で学んだ「人の意見を

まとめる」「傾聴する」などの

技術を活かして、よりチームを

引っ張れるような存在として活

動していきたいです。

NPOスタッフとしての経験

が浅く、この機会を自身の成長に

つなげたいと考え、このプログラ

ムに参加しました。最初に事業

戦略・計画立案の研修があり、そ

こで自分のプロジェクトに対して

講師の方や他の受講生からフィ

ードバックをもらえたことがとて

も励みになり、3年間継続するこ

とができました。

広報の研修で取り組んだチラ

シづくりでは、「誰にどのよう

にアプローチするのが効果的

次世代の環境保全活動を担う人材育成を目的とした「若手プロジェクトリーダー育成支援プログラム」。2014年度からスタートしたこのプログラムの1期生12人が、3年間の研修を終えました。若きリーダーは何を学び、この経験をどう活かしていくのか。注目のお二人にお話を聞きました。

若手プロジェクトリーダー育成支援プログラムとは

3 年 間の全 体 設 計

豊とよ

国くに

寛ひろ

隆たか

さん

2014年度からスタートした、未来の環境保全活動を担う人材を育成するためのプログラム。振興事業と助成事業を両輪とし、振興事業では3年間に活動戦略の立て方やファンドレイズなど9回の研修を実施。助成事業では3年の期間中、年間上限300万円の活動推進費(賃金)を支援する。

2011年、農林水産省「田舎で働き隊 !」で同団体に半年間研修生として参加。その後、海外の環境NGOでのボランティア活動を経て、12年九州北部豪雨災害の被災地復興に貢献したいと思い、同団体ボランティアとして3か月間、災害ボランティア運営サポートに携わる。13年からは職員として、主に合宿型ボランティアや障がいのある方 と々の農林作業コーディネートを担当。

福岡県八女市   http://sansonjuku.com

えひめグローバルネットワーク特定非営利活動法人

特定非営利活動法人 山村塾保だけでなく、仲間づくり(人・

モノ・情報・ネットワーク)に

取り組むという姿勢・視点がい

かに大事かということを学びま

した。

普段、なかなか自分の業務を

振り返る時間がとれない中、この

研修に参加したことで、これまで

の自分の活動を整理するいいき

っかけになりました。また他地域

で活動する研修生同士のネット

ワークができたことも、研修で得

たものの一つです。

団体の事業として「SDGs」

をテーマに学び・つながる場と

なる「四国ユースサミット実行

委員会」「w

akuwaku

(わくわ

く)-youth

(ユース)」などの

ユース主体のグループが立ち上

がりました。研修での経験を活

かし、今後はこのネットワーク

を大切にしながら、フェアトレ

ードなどユースが取り組みたい

活動支援を通じて、持続可能な

社会の構築を目指していきたい

です。

このプログラムに参加し一番

印象深かったことは、3年目の

フィールド実習です。私は千葉

県いすみ市で循環型酪農に取り

組んでいる高秀牧場を訪問して

お話を聞いたのですが、事業の

持続可能な発展、その後の活動

の継続や広がりを見据えて、誰

をどのように巻き込んでいくの

が効果的かという「協働」の視

点を持つことができました。

またNPOのファンドレイジ

ングに関する研修では、資金確

髙たか

山やま

莉り

菜な

さん

大学のNPO論の授業で同団体代表の話を聞いたことをきっかけにNPO・NGOの活動に関心を持ち始め、在学中に環境省四国環境パートナーシップでインターンシップ・アルバイトを経験。卒業後(2014年)同団体の職員に。四国の国際協力NGOが活動するアジアやアフリカを訪問しSDGsの情報収集を行うとともに、四国のユースとSDGs

をキーワードにしたネットワークづくりに取り組む。

愛媛県松山市   http://www.egn.or.jp/

「若手プロジェクトリーダー育成支援プログラム」から

未来の「プロジェクトリーダー」

助成活動の推進

「SDGs四国フォーラム」にて(愛媛県今治市)

1年目研修・講座

振興事業(研修・講座)

助成事業 事前目標共有

計画立案・戦略策定能力の向上

目標の明確化・共有プロジェクトマネジメント

2年目研修・講座

中間コンサルテーション

広報・資金調達能力の向上

参加者増加会員獲得

3年目研修・講座

活動報告会

課題把握・利害調整能力の向上

企業・他団体等との協働事業

チームを引っ張る存在になりたい

活動推進費の支出ユースと連携して作成したSDGsワッペン

ヤギ小屋棟上げ 耕作放棄地の草刈り

SDGsのロゴマークを刺繍しているモザンビークの女性

らっきょう漬けの準備中

仲間づくりの大切さを実感しました!

注目のヒト・モノ・コトをお伝えします

11 地球環境基金便り September 2017 No.43 10