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力学1
木曜日3・4限4・5・6クラス
L2018回目
相対運動(p.74)慣性系(O系)においてはニュートンの運動方程式が成り立つ
慣性系に対して相対的に運動している乗物に乗っている人が,その乗物内の物体の力学を考える
乗物に乗っている人の目線(O’系)で考えるほうが都合がよい
地球も自転しているため,時間が長く,広い空間で生じる運動では,地球の自転による力を受ける
相対的な座標を考える→座標系の変換が必要になる
並進座標系における運動方程式(p.75)原点をOとするx,y,zの座標系が慣性系とする
これをO系,静止系とよぶ→運動方程式が成り立つ
原点をO’として,x,y,zに平行なx’,y’,z’軸を持つような座標系O’の座標は,Oの座標から見たら適当な運動をする
下図のO’を並進座標系という,以後はO’系と呼ぶことにする
y
x
z
O
y’
x‘
z’
O’r0
P
r’r
観察する人の場所
(動く:移動+回転も)
こちらが慣性系
運動の法則が成り立つ
(動かない)
並進座標系における運動方程式
原点OからみたときのO’の位置ベクトルをr0とするr0(x0,y0,z0)は時間とともに変化する
O’からみたPの位置ベクトルをr’とする.r’=(x’,y’,z’)
OからみたPの位置ベクトルrはr=r’+r0となる
y
x
z
O
y’
x‘
z’
O’r0
P
r’r
000 zzz,yyy,xxx +′=+′=+′=
並進座標系における運動方程式
O系は慣性系のため,質点に働く力をFとすると,運動方程式
が成り立つ
O’における位置ベクトルr’については,加速度を計算して
O’における運動方程式を求める
実際の力のほかに見かけの力が
働いている( を慣性力という)
Fr =&&m
y
x
z
O
y’
x‘
z’
O’r0
P
r’r
0rrr &&&&&& +′=
( )0
0
mmm
rFrFrr&&&&
&&&&
−=′=+′
0mr&&−
並進座標系における運動方程式
O’系が で等加速度運動をしているとき慣性力は-maとなり,時間によらない一定の力になる
O’系がv=(vx,vy,xz)で等速度運動をしているとき加速度は0なので,慣性力は0になる
その際のO’は慣性系になる(運動方程式が成り立つ)
ガリレイ変換という
ニュートンの運動方程式は
ガリレイ変換でも形が変わらない
tvzz,tvyy,tvxx zyx +′=+′=+′=
y
x
z
O
y’
x‘
z’
O’r0
P
r’r
ar =0&&
例1 上昇するエレベータ中の単振り子
一定の加速度aで鉛直方向に上昇しているエレベーター
静止系( O系)から見たO’系の加速度 は(-a,0,0)
通常の単振り子の問題で見かけ上,
重力加速度がgからg+aに変わった
微小振動の周期
ϕ−=′+ϕ−=′
sinTymmacosTmgxm
&&
&&0r&&
a
l
O’
ϕ
T
mg
X’
y’
agl2T+
π=
例2 単振動する台につるされた単振り子
水平面上を単振動する台を考える
静止系をO,台の一点O’から振り子がつるされている
O’はOの周りを振幅B,角振動数ω0で単振動する
静止系から見たO’系の座標は
運動方程式は,r’=r0+rより
tcosBmsinTymcosTmgxm
020 ωω+ϕ−=′
ϕ−=′
&&
&&
tcosBy,0x 000 ω==
mg
l
O’
ϕ
T
X’
y’
例2 単振動する台につるされた単振り子
O’における振り子の座標は,糸の長さと,糸がx’軸となす角度
によって,
時間で2回微分する
ϕ=′ϕ=′ sinly,coslx
l
O’
ϕ
T
mg
X’
y’
( )( )( ) ( )( ) ( )ϕϕ+ϕϕ−=′
ϕϕ−ϕϕ−=′
ϕϕ=′ϕϕ−=′
&&&&&
&&&&&
&&
&&
coslsinlysinlcoslx
coslysinlx
2
2
例2 単振動する台につるされた単振り子
運動方程式から張力Tを消去する
さらに, を代入して整理する
微小振動の場合,
y,x ′′ &&&&
ϕωω−ϕ=ϕ′−ϕ′ costcosBmsinmg)cosysinx(m 020&&&&
l
O’
ϕ
T
mg
X’
y’ϕω
ω+ϕ−=ϕ costcos
lBsin
lg
0
20&&
( )1cos,sin,tcoslB
lg
0
20 =ϕϕ≅ϕω
ω+ϕ−=ϕ&&
2次元の回転座標系(p.77)点Oを原点とするx,y,zの座標系(O系あるいは静止系)
同じ点Oを原点として,z’軸は共通,x’,y’軸がxy平面内で回転する座標系をO’系とする
O’を回転座標系という
z’はzと共通なので,(x,y)と(x’,y’)の関係について考える
O’は角速度ωの等速回転運動を行う(t=0でx’はxと一致) Z,Z’
yx
O y’
x’
i
ji’
j’
2次元の回転座標系(p.77)回転する単位ベクトルの時間微分
軸に沿って,長さが1のベクトルiとjを考える同様にx’y’軸に沿うものをi’,j’とする
時間微分すると以下の関係を得る
長さが1ということを利用している
O’系の単位ベクトルは時間によって
変化する
jjiiijji
ji
′ω−=′′ω−=′
′ω−=′′ω=′
==
22 ,,
0,0
&&&&
&&
&&
O1
ω
v=ωj’i’
j’
i
j
a=-ω2i’
2次元の回転座標系(p.78)O’系の位置ベクトルをrで表す
時間で2回微分する
単位ベクトルの微分の関係から
jjiiijji
ji
′ω−=′′ω−=′
′ω−=′′ω=′
==
22 ,,
0,0
&&&&
&&
&&
jir ′′+′′= yx
( ) jijijir
jijir&&&&&&&&&&&&&&
&&&&&
′′+′′+′′+′′+′′+′′=
′′+′′+′′+′′=
yxyx2yx
yxyx
( ) ( )jiijjir ′′+′′ω−′′−′′ω+′′+′′= yxyx2yx 2&&&&&&&&
2次元の回転座標系(p.79)位置ベクトルrの時間による2回微分に対して質量mをかけると,質点に働く力F( O’系において観察される)に等しくなる
O’系における運動方程式は以下のとおりとなる
( ) ( ){ }( ) ( )ji
jiijjirF
′′ω−′ω+′+′′ω−′ω−′=
′′+′′ω−′′−′′ω+′+′′=
=
yx2ymxy2xmyxyx2yxm
m
22
2
&&&&&&
&&&&&&
&&
321321 &&&
&&&
遠心力コリオリ力
ymxm2Fym
xmym2Fxm2
y
2x
′ω+′ω−′=′
′ω+′ω+′=′
2次元の回転座標系(p.79)運動方程式から,遠心力は原点Oから質点の位置Pへ向かう
O’系で静止している質点にも加わる
回転する座標では,実際に働く力以外に,コリオリ力と遠心力という見かけの力が加わると考える
回転する座標系に対しても,これらの力を考慮すれば,運動の法則が成り立つともいえる
コリオリ力と遠心力は等速円運動の速度,加速度と関係している
円すい振り子の周期(p.80)円すい振り子の周期を考える
一端を固定し,他端におもりをつるす
水平面内で等速円運動させる
円運動の中心Oとおもりを結ぶ直線をx’軸と考えるおもりには重力mg,糸の張力T,遠心力mω2rが働く
これらの力の釣り合いを考える
コリオリ力は振り子がx’で移動してい
ないために生じない
rmsinTmgcosT
2ω=θ
=θ
rO
θ
lh
X’
円すい振り子の周期(p.81)の関係からTを消去
Tanθ=r/hより,
grtan
2ω=θ
rmsinT,mgcosT 2ω=θ=θ
rO
θ
lh
X’gh22T
hg
gr
hrtan
2
π=ωπ
=
=ω
ω==θ
ベクトル積の定義(p.81)ここで,新たにベクトル積という考え方を導入する
ベクトル積は内積・スカラー積(A・B)と違って,ベクトルを作る
A×BとB×Aを比較すると
同じベクトルどうしのベクトル積は0になる
)BABA,BABA,BABA( xyyxzxxzyzzy −−−=×=
CBAC
BA
AB
×−=
−−−=× )ABAB,ABAB,ABAB( xyyxzxxzyzzy
0
)AAAA,AAAA,AAAA( xyyxzxxzyzzy
=
−−−=×AA
ベクトル積の例(p.81)例となるベクトルA,B,Cを考える
ベクトル積はAとBが作るモーメントをあらわす z
yx
C
A
B
)sinAB,0,0()0,sinB,cosB(),0,0,A(
θ=θθ==
CBA
θ
Bsinθ
コリオリ力と角速度ベクトル(p.82)各成分が回転軸(図はz軸)の角速度ωに等しいベクトル
図の角速度ベクトルはω=(0,0,ω)
大きさ軸の角速度で,右ねじが進む方向を持つ
O’系(x’y’系)で見た質点の速度をv’とする
このときコリオリ力は
で得られる
( )ωv ×′m2( ) ( )ω=ωωω=
′′′=′
,0,0,,)z,y,x(
zyxωv &&&
z,z’
yx
ω
A
Bω
ω
x’
y’
コリオリ力と角速度ベクトル(p.83)コリオリ力の式 にベクトルを入れて計算
座標の微分で得られたコリオリ力が得られる
( )ωv ×′m2
z,z’
yx
ω
A
Bω
ω
x’
y’
( ){ { { {
)0,xm2,ym2(
)yx,xz,zy(m2m2
zz
0x
0
yz0x
0
yz
ω′−ω′=
ω′−ω′ω′−ω′ω′−ω′=×′
&&
&&&&&&ωv
コリオリ力の向き(p.83)計算したコリオリ力と速度ベクトルの内積を計算
コリオリ力はO’系での速度と常に直交(角度が90度)する
0
)zyzxyxzyzxyx(2m
)z,y,x()yx,xz,zy(m2
xyzxyz
xyzxyz
=
ω′′−ω′′+ω′′−ω′′+ω′′−ω′′=
′′′ω′−ω′ω′−ω′ω′−ω′
&&&&&&&&&&&&
&&&&&&&&& の内積と