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2014/4/2 1 埋没する技術と無力化する知財にどう対処するか イノベーターの戦略的知財マネジメントの要諦 (東京大学) 渡部俊也 知的財産経営2014Ver. 2014.4.4 Toshiya Watanabe 1 各国への特許出願が増えている (日本特許庁への出願は減少) 0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 700,000 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 中国 米国 日本 2 WIPO統計などから作図) 知的財産経営2014Ver. 2014.4.4 国際出願 Toshiya Watanabe 3 知的財産経営2014Ver. 2014.4.4 ■各国からのPCT 出願 4 2009年以降グローバルな知財環境 米国特許法改正 2013316日(先 発明者主義から先 願主義への移行) 中国への特許出願が 世界一に(2012年) アップル・サムスンス マートフォン訴訟 2011~)とスマート フォン関係特許の高 値売買 フランス100億ユーロの 知財ファンドを設立 2011欧州単一効特許、欧州 統一特許裁判所設立 2012発効は2014外国企業が敗訴した実用 新案権侵害の(シュナイ ダー事件(2009年に和解) Google等による巨額の特 許権買収(米国、2012年) 韓国 知的財産基本法 制定(2011中国特許法の第3次改 2009年施行) Toshiya Watanabe 知的財産経営2014Ver. 2014.4.4 特許と収益のリンケージ Toshiya Watanabe 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45 -0.3 -0.2 -0.1 0 0.1 0.2 0.3 0.4 B 2010.9.14 5 知的財産経営2014Ver. 2014.4.4 日本産業の特許と株価の相関 (大崎、渡部、関野) Toshiya Watanabe 2000年における「特許件数/時価総額」 が、その後2004年前後での株価上昇比を決 定する要因の12割を説明 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 食料品 化学 医薬品 ゴム製品 機械 電気機器 輸送用機器 精密機器 その他製品 自由度調整済み決定係数 (p<0.01のみ) 2008 2010 2012 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 繊維製品 化学 鉄鋼 その他製品 Spearman相関係数 (p<0.01のみ) 2008年を起点とした場合(有効な 業種は、繊維製品、化学、鉄鋼などの 素材系のみ) •大﨑 敏郎, 渡部 俊也, 関野 勝弘,「株価先行指標としての特許件数の分析」 研究技術計画(2011). 6 知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

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2014/4/2

1

埋没する技術と無力化する知財にどう対処するか

イノベーターの戦略的知財マネジメントの要諦

(東京大学) 渡部俊也

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

Toshiya Watanabe 1

各国への特許出願が増えている (日本特許庁への出願は減少)

0

100,000

200,000

300,000

400,000

500,000

600,000

700,000

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20

11

20

12

中国

米国

日本

2

(WIPO統計などから作図)

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

国際出願

Toshiya Watanabe 3

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

■各国からのPCT 出願

4

2009年以降グローバルな知財環境

米国特許法改正 2013年3月16日(先

発明者主義から先願主義への移行)

中国への特許出願が世界一に(2012年)

アップル・サムスンスマートフォン訴訟 (2011~)とスマート

フォン関係特許の高値売買

フランス100億ユーロの

知財ファンドを設立(2011)

欧州単一効特許、欧州統一特許裁判所設立(2012)※発効は2014年

外国企業が敗訴した実用新案権侵害の(シュナイダー事件(2009年に和解)

Google等による巨額の特許権買収(米国、2012年)

韓国 知的財産基本法制定(2011)

中国特許法の第3次改(2009年施行)

Toshiya Watanabe

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

特許と収益のリンケージ

Toshiya Watanabe

0

0.05

0.1

0.15

0.2

0.25

0.3

0.35

0.4

0.45

A 社

-0.3

-0.2

-0.1

0

0.1

0.2

0.3

0.4

B 社

「TIMS Lecture T.W.」 2010.11.10 2010.9.14

5

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

日本産業の特許と株価の相関 (大崎、渡部、関野)

Toshiya Watanabe

⇒ 2000年における「特許件数/時価総額」が、その後2004年前後での株価上昇比を決定する要因の1~2割を説明

2000 2002 2004 2006 2008 2010 20120.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

食料品 化学 医薬品 ゴム製品 機械 電気機器 輸送用機器 精密機器 その他製品

自由度調整済み決定係数 (p<0.01のみ)

2008 2010 20120.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

繊維製品 化学 鉄鋼 その他製品

Spearm

an相関係数 (p<0.01のみ)

⇒ 2008年を起点とした場合(有効な

業種は、繊維製品、化学、鉄鋼などの素材系のみ)

•大﨑 敏郎, 渡部 俊也, 関野 勝弘,「株価先行指標としての特許件数の分析」研究技術計画(2011).

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知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

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2014/4/2

2

企業Aの研究開発成果

• 長年研究開発を行なって特許も数多く出願したが、社内で検討しても実用化の可能性が見いだせなかった。

• 研究開発を終了させることになり、最後に学会発表を行なった。

• その当日発表会場で聴講していた人物から「それこそ自分が求めていた技術だ」と申し出を受け、その後とんとん拍子に事業化が実現した。

• その聴講していた人物は・・・・・・

7 Toshiya Watanabe

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

シンビコートの事例

• 現在アストラゼネカ社が製造販売している喘息治療薬シンビコートに用いられている化合物は、かつてA製薬が経口薬として研究開発をしており、特許出願まで行ったが、医薬品になることなく特許も期限切れになってしまった。

• しかしそののち同じ化合物について、アストラゼネカ社が吸入剤として開発をやり直して成功したもの。

• この薬はアストラゼネカ社が発売後、日本では製造・開発はアストラゼネカ株式会社が担当し、流通・販売はA製薬が担当。プロモーション活動はアストラゼネカ株式会社とA製薬が共同で行なうという契約を行っており、この際A製薬はアストラゼネカに対し数十億以上の契約金を支払ったと報道されている。

Toshiya Watanabe 8

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

TiO2 TiO2

UV illu.

in the dark

Original Paper:

Nature: R.Wang, K.Hashimoto, A.Fujishima, M.Chikuni,

E.Kojima, A.Kitamura, M.shimohigoshi and T.Watanabe:

“Light Induced Amphiphilic Surface”,

388,431-432(1997).

Adv.Mater., : R.Wang, K.Hashimoto, A.Fujishima, M.Chikuni,

E.Kojima, A.Kitamura, M.Shimohigoshi and T.Watanabe:

“Photogeneration of Highly Amphiphilic TiO2 Surface” ,

10,135-138(1998).

Langmuir: N.Sakai, R.Wang, A.Fujishima, T.Watanabe and

K.Hashimoto: ”Effect of Ultrasonic Treatment on Highly

Hydrophilic TiO2 Surface”, 14,5918-5920(1998).

Review paper:

Int Glass Review: A.Fujishima, D.A.Tryk, T.Watanabe and K.Hashimoto:

“Self-cleaning Glass”, 2(1998).

UV

Irradiation

In the Dark

UV

Irradiation

In the Dark

(a) (b)

(c) (d)

光触媒超親水性

Toshiya Watanabe

解説 渡部俊也, "超親水化光触媒とその応用", セラミックス, 31, 837-840(1996).

9 TOSHIYA WATANABE

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

NEDOバイドール特許の分析

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

米国大学の特許の多くはベンチャー・中小に、日本の大学の知財は殆どが大企業に供給される

12

渡部俊也「何のための共同研究:産学連携共同出願特許の行方」日本知財学会第10回年次学術大会(2012)

Toshiya Watanabe

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

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2014/4/2

3

組織が限界をつくる • 技術の不確実性削減のプロセスの効率が低い

• 成功体験と失敗体験がつくる確証バイアス

• 「役割」が排除する機会

• インバウンドとアウトバウンドのオープンイノベーションのバランス

• 不足する起業家精神とビジネスモデル構築能力

13 Toshiya Watanabe

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

技術の不確実性

Toshiya Watanabe

立川飛行機(後のプリンス自動車)は1947年に「たま」と名付けた電気自動車(E4S-47)を開発している。この当時の性能は2ドアセダン最高時速35km/hであったが、1充電で200kmの走行が可能であったとされる 。

極めて美しく特殊な構造をした物質であることから、その物性についても特殊な性質を発現することが期待されている。カーボンナノチューブが応用を期待されている用途としては、高強度材料、伝導性樹脂、マイクロマシン、CO固定、ナノフィルター、燃

料電池、二次電池、バイオセンサ、ドラッグデリバリ(DDS)、ディスプレー、LSI配線などへの応用である 。

14

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

特許と収益のリンケージ

Toshiya Watanabe

0

0.05

0.1

0.15

0.2

0.25

0.3

0.35

0.4

0.45

A 社

-0.3

-0.2

-0.1

0

0.1

0.2

0.3

0.4

B 社

「TIMS Lecture T.W.」 2010.11.10 2010.9.14

15

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

もうひとつの問題の所在

• 不確実な技術の知財マネジメントは知識のマネジメントと重なり合って行われる3つの要素

• これに成功して知財が獲得できても、いつの間にか無力化していることがある。

• 3つの知財マネジメントを実践する戦略的観点は何か・・・・・

Toshiya Watanabe 16

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

世界初の特許法:「The Patent Statute of Venice」

( 1474年3月19日)

特徴:

・特許要件を満たしたものに独占権を付与

・目的:発明の促進と新しい技術の導入

・新規性( Venice に限り)

・実用性(単なるアイデアはダメ)

・有用性を基準とした審査

・存続期間(10年)

・特許侵害への対応(法廷)

17 Toshiya Watanabe

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

製品ひとつ当たりの特許 Number of Patents per a product

DVD 6C 必須特許(October 31, 2008)

→ 2054件(但し海外含む)

Toshiya Watanabe 18

昭和43年7月「明日をひらく特許」 特許庁編 → 1製品の特許は約5件

「特許の藪」関連指標の設計と産業別分析(永田晃也・井田聡子)特許の経営・経済分析、第三章、財団法人 知的財産研究所 編(2007)

→医薬と電気機械で5倍の差異

電気、通信など

医薬など

一製品当たり

の特許

昭和40年

現在

1製品あたりの特許件数は増加しているが、特許1件毎に製品を差し止め請求する権利が与えられている。

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

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4

Parallel between GDP and number of patent applications

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1981

1983

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1991

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1997

1999

2001

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Un

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ate

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pp

lica

tio

ns

Number ofpatentapplications

Real GDP

高度経済成長期 バブル経済

技術導入件数の増加(1970年代まで)

19 Toshiya Watanabe

IBM事件

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

1950年代からみた特許出願数の推移 知財はビジネスツール

• 生物の知財保護

• 方法特許による川下技術の独占の試み

• ビジネスモデル独占の試み

• 知財流通事業の発展

• 発明や知財そのものを販売するビジネス

20 Toshiya Watanabe

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

オープンな知財マネジメント

• オープンイノベーションのため、自社に好都合なビジネスエコシステムを知財を使って実現する

21 Toshiya Watanabe

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

オープン・プロプラエタリー知財マネジメント

Toshiya Watanabe 22

ネットワーク外部性で連動しているシステム(市場など)

オープン:知財の開放、ライセンス、プール、共有

プロプラエタリー:権利行使

例)新興国の低コストを梃にする市場拡大

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

GNU GPL(General Public License:1983年)

• 自由なソフトウエアを実現するためには、単にソフトウエアをパブリックドメインに開放すればよいということにはならない

• 自由なソフトウエアを利用する者がそのソフトウエアを改良されたものを管理し制約することを許さない仕組が必要。

• GNU GPLはこの目的をライセンス契約の形で実現しようとしたものである。

23 Toshiya Watanabe

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

エコパテントコモンズ

■WBCSD(The World Business Council for Sustainable Development:持続可能な開発のための世界経済人会議)が主催し、IBM、ノキア、ピツニーボウズおよびソニーとともに2008年1月に設立した

■環境保護に貢献する特許を開放し、共用資産として活用するためのイニシアティブ

■同9月には、ボッシュ、デュポン、ゼロックスが新たに参加。2009年にはリコーと大成建設が参加

24 Toshiya Watanabe

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

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2014/4/2

5

パテントプールの組成

A

B

C

D

Licensing

Company

X

Y

Z

Licensor Licensee

the flow of Patent License

the flow of Royalty Payment

パテントプールの基本的な仕組み パテントプールが設立されるまで

標準策定開始

標準策定終了

標準の実施に必要不可欠な特許の調査

「必須特許」の選定

ライセンス業務開始

25 Toshiya Watanabe

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

知財契約マネジメント

• グラントバック条項:ライセンサーがライセンシーに対し、ライセンシーによる改良技術をライセンサーに非独占的にライセンスをする義務を課す

• 非係争条項(NAP):ライセンサーがライセンシーに対し、ライセンシーが所有し、又は取得することとなる全部又は一部の権利をライセンサー又はライセンサーの指定する事業者に対して行使しない義務を課す行為

• 知財プール類似効果がある(一人パテントプール)。

Toshiya Watanabe 26

ライセンス特許

改良特許

標準技術

必須特許

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

27 Toshiya Watanabe

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

全社戦略

事業戦略

機能戦略

知的財産マネジメント

全社レベル

事業レベル

機能レベル

経営戦略

(知的財産出願権利化管理)

(知財ポートフォリオの変革)

(オープン知財マネジメント、アライアンス、権利行使)

28 Toshiya Watanabe

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

Technology trends of Japanese Industries : Analysis on patents in DVD patent pools

Pioneer research

Research based on own prior researches: local search

Research based on existing prior researches : beyond local search

Research for improvement

29 Toshiya Watanabe

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

特定企業に対する影響度の高い特許出願手法(NECとの共同研究)

Toshiya Watanabe 30

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

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2014/4/2

6

自動車メーカー内燃機関と電子制御技術の間の技術間距離

31 Toshiya Watanabe

0

0.05

0.1

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0.2

0.25

0.3

0.35

0.4

0 2 4 6 8 10 12 14

TOTOL AVERAGE トヨタ

0

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0.1

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TOTOL AVERAGE 日産

0

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0.1

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0.2

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0.3

0.35

0.4

0 2 4 6 8 10 12 14

TOTOL AVERAGE ホンダ

0

0.05

0.1

0.15

0.2

0.25

0.3

0.35

0.4

0 2 4 6 8 10 12 14

TOTOL AVERAGE 現代

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

32

研究開発の拠点および人材の集中度

・日立:2002年から多国籍化

・富士通:早くから多国籍傾向

・LG:徐々に多国籍傾向

・サムスン:早くから多国籍傾向

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

優れた携帯電話をデザインする組織の特徴

-.400 -.300 -.200 -.100 .000 .100 .200 .300 .400 .500 .600

Interdivisional

Intradivisional

Extraorganizational

Communication

部門外知識

部門内知識

組織外知識: フリーランス使用の有無

コミュニケーション

部門外知識

部門内知識

インハウスデザイナー

フリーランスデザイナー

組織外知識

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

A社における特許の評価と発明者ネットワーク

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

35

PQIツール:アーキテクチャ

パテンタビリティ予測モデル

特徴量リスト

スコアテーブル

特徴量テーブル

グループテーブル

ユーザー

出願番号

比較対象グループ

2003年出願

2002年出願

単語年齢

名称:半導体製造過程の…JP1998-XXXX

パテンタビリティスコア: 0.653

特徴量

拒絶

登録 ...

個別出願ビュー

2002年出願G-01 平均スコア: 0.478

グループ比較ビュー

2003年出願G-02 平均スコア: 0.543

スコアヒストグラム

02

03

JP1998-XXXX

パテンタビリティ予測モデル

特徴量リスト

スコアテーブル

特徴量テーブル

グループテーブル

ユーザー

出願番号

比較対象グループ

2003年出願

2002年出願

単語年齢

名称:半導体製造過程の…JP1998-XXXX

パテンタビリティスコア: 0.653

特徴量

拒絶

登録 ...

個別出願ビュー

2002年出願G-01 平均スコア: 0.478

グループ比較ビュー

2003年出願G-02 平均スコア: 0.543

スコアヒストグラム

02

03

JP1998-XXXX

Toshiya Watanabe

0.56

0.57

0.58

0.59

0.6

0.61

0.62

0.63

0% 20% 40% 60% 80% 100%特許査定率

PQ

I Sco

re

validgrantsapplicationsinventions

Court decision

zone 4Zone 1 Zone 2 Zone 3

Real validity

0 50 100 150 200 250 300 3500

0.02

0.04

0.06

0.08

0.1

0.12

0.14

<年齢毎の平均単語数ヒストグラム>

古い単語新しい単語

Patentability=-1

Patentability=+1

単語数

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

ふりかえり

• 何故技術は埋没するのか

• 何故知財は無力化するのか

• 日本産業を取り巻く知財の環境変化

• 何をすればよいのか(そのイメージ)

• その活動を称して・・・・・

Toshiya Watanabe 36

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

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2014/4/2

7

知識マネジメント 知識を生み出す

知識を育てる

知識を伝える

知識を組織で使う

知識の粘着性

暗黙知、形式知

SECIモデル

知識スピルオーバー

吸収能力

ゲートキーパー 確証バイアス

ロトカの法則

37 Toshiya Watanabe

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

出願・権利化を図る

秘匿する 公開する

知財マネジメントの3要素

Toshiya Watanabe 38

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

06/27 THU 11:29

身回りの知的財産権

特許権

新しい発明を保護

実用新案権

物品の構造、形状の考案を保護

意匠権

物品のデザインを保護

商標権

商品やサービスに使用

するマークを保護 著作権

創作的な表現を保護

アンテナの

収納構造

スマートなデザイン

プログラム

ブランド名

液晶技術

39

知的財産経営2014Ver. 2014.4.4

日本における主要な知財法の概要 Toshiya Watanabe

40

知的財産法 所管官庁 保護客体 権利の発生 権利期間

特許法 特許庁発明=自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの

設定登録出願の日から20年(医薬と農薬については5年を限度として延長可)

実用新案法 特許庁考案=自然法則を利用した技術的思想の創作

設定登録 出願の日から6年

意匠法 特許庁意匠=視覚を通じて美観を起させる物品(部分を含む)の形状・模様・色彩又はこれらの結合

設定登録 登録の日から15年

商標法 特許庁商標=文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩の結合

設定登録登録の日から10年(更新可能)

著作権法

文化庁プログラムの登録は(財)ソフトウェア情報センター

著作物=思想又は感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの

創作著作者の死後50年、著作物の創作時から

半導体集積回路の回路配置に関する法律

経済産業省登録は(財)工業所有権協力センター

半導体集積回路の回路配置=半導体集積回路(チップ)の回路配置(回路素子及びこれらを接続する導線の配置)

設定登録 登録の日から10年

不正競争防止法

経済産業省営業上の情報=技術情報や顧客リストなどの営業秘密など

例)販売

例)最初に販売された日から3年間(他人の商品の形態を模倣した商品の販売行為等の場合)

種苗法 農林水産省

新品種=主として交配・選抜などの品種改良の結果得られる、農林水産物の生産のために栽培される植物の新しい品種

設定登録登録の日から20年果樹、材木等の永年植物は25年

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1年以内に検討

○外国出願 ○国内優先権主張の出願

拒絶理由通知

拒絶理由 あり

不服審判

東京高裁へ訴

最高裁に上告

拒絶 査定

○反論、明細書の補正

拒絶理由への対応

特許査定 設定登録

拒絶理由 なし

特許公報 の発行

早期公開 制度もあり

公開公報の発行 (1年6月)

補償金請求権

の発生

出願公開

方式 審査

不備があれば

却下処分 (補正可)

特許出願から特許取得までの流れ

実体 審査

出願審査 請求書

3年以内 (13年9月までの

出願は7年以内)

意見書

補正書

○最大出願から20年

○年金の支払いがなけ

れば権利消滅

特許権の維持

特許出願

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イノベーターの知財マネジメント

• 事業戦略レベル以上の知財マネジメント

• 不確実な技術をイノベーションにつなげ、収益を得るための戦略行動を実現する知財マネジメント

• 戦略の考え方ではなく、事実(データ)に基づく、具体的かつ起業家的な行動

• そのための学習とは、制度だけではなく人と組織に着目し、そのイノベーション戦略、ビジネスモデルを理解すること

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Page 8: 「グローバル事業展開と知財戦略」watanabelab.main.jp/wp-content/uploads/PPT-No.1-print-2.pdf · オープンな知財マネジメント •オープンイノベーションのため、自社

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研究室所在地

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Prof. Dr. Toshiya Watanabe ****************************

The University of Tokyo

E-mail: [email protected]

Facebook: http://www.facebook.com/toshiya.watanabe.9

Homepage:http://t.watanabelab.main.jp/

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