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「国際化と市民の政治参加に関する世論調査 2017」 調査報告書(速報:WEB 版) 2018 年 3 月版 国際化と政治参加に関する研究プロジェクト

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Page 1: 「国際化と市民の政治参加に関する世論調査2017」5 図8 政治意識の回答分布(沖縄) 「普通の市民に政府を左右する力はない」「国民の意見は国政に反映されていない」「政治家

「国際化と市民の政治参加に関する世論調査 2017」

調査報告書(速報:WEB 版)

2018 年 3 月版

国際化と政治参加に関する研究プロジェクト

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1.はじめに

本調査は、日本全国の皆様を対象とし、70 市区町の 10,500 名の方々にご協力をお願いいたし

ました。調査では沖縄と他地域との比較を重視したため、沖縄県については 10 市町 1,500 名の

方々にご協力をお願いいたしました(以下の図などにおいて沖縄の方々が対象の調査結果を「沖

縄」、他の地域の方々への調査結果を「全国」、両者をあわせた集計を「全体」と略記します)。

本調査には 4,385 名(うち沖縄 504 名。転居先不明の方などを除いた回収率は 43.1%)の方々

がご回答くださいました。そのうち男性は 46.9%、女性 53.1%となり、女性の比率が若干高く

なっています。また回答者の平均年齢は、54.8 歳でした。年齢構成としては、18-34 歳の方が

14.0%、35-49 歳の方が 21.8%、50-64 歳の方が 29.8%、65 歳以上の方が 34.5%となっており、

若年層の比率が低くなっています。

2.選挙・政治参加

年代を超えた自民党の安定的優位と若者の政治離れ 本調査では、2017 年 10 月に行われた衆議院議員総選挙についておたずねしています。図 1

では、(全国調査で)比例区においてどの政党に投票したのかを年齢層ごとにまとめています。

年齢層による違いがもっとも顕著なのは、「投票に行かなかった」と答えた人です。年齢が若い

人ほど棄権する傾向が見られ、もっとも若い 18-34 歳では実に 4 割近くが「投票に行かなかっ

た」と答えています。逆に、立憲民主党や希望の党、公明党、共産党などの政党では、年齢が

高い人ほど投票する割合が増えています。それに対して、自民党に投票したと回答した人はど

の年齢層でも 3 割前後おり、年齢層を問わず安定的に票を得ていることがわかります。

図1 2017 衆議院選挙の投票先(比例区)における年齢別回答分布(全国)

政党・政治家などへの好感度は全体的にやや低め

選挙のこと以外に、政党・政治家・市民団体に対する好感度を「もっとも好き+3」から「も

っとも嫌い-3」までの 7 段階でおたずねしました。その平均値を図 2 に示しています。全国で

32.8%

29.9%

29.3%

30.4%

30.8%

14.5%

12.9%

12.5%

6.3%

12.5%

9.2%

7.5%

6.0%

4.3%

7.4%

20.4%

18.7%

13.2%

9.1%

16.9%

9.8%

16.8%

27.9%

38.7%

19.7%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

65歳以上

50-64歳

35-49歳

18-34歳

全体

自民党 希望の党 公明党 立憲民主党 日本維新の会共産党 社民党 その他の政党 白票を投じた 投票に行かなかった

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はもっとも好感度が高いのは自民党で、次に脱原発を主張する市民団体がプラスの好感度を得

ています。他はすべて平均がマイナスで、好感度の低い順に共産党、小池百合子、米軍基地反

対を主張する市民団体、反中国・反韓国を主張する市民団体、安倍晋三、翁長雄志(沖縄県知

事)と続きます。ちなみに、前回調査(2013 年)ではプラスの値(0.36)だった安倍晋三の好

感度は、今回調査(2017 年 10 月時点)ではマイナスの値に転じていました。また安倍晋三と

翁長雄志などの好感度は、全国と沖縄で大きく異なりました。

図2 政党・政治家・市民団体好感度の平均値(項目名後ろの値は全国、黄土色は沖縄)

政治参加の経験と意向:形態によって大きく異なる参加率 市民の政治参加は、民主主義にとってたいへん重要なことだと考えられています。近年では、

福島原発事故を契機として、デモ活動などの政治参加が盛んになっているとの指摘もなされて

います。それでは政治参加の実態は、どのようになっているのでしょうか。本調査では、投票、

署名、デモ参加、集会出席、献金・カンパの 5 つについて過去の経験をおたずねしました。

参加率が高い順番に並べると、全国でも沖縄でも、投票、署名、集会出席、献金・カンパ、

デモ参加となります。(全国で)最も参加率の高い投票は 89.8%とほとんどの方が経験している

一方、投票以外の参加率は概ね低く、最も低いデモ参加に至っては 5.1%しか経験していません。

図3 政治参加の過去の経験(全国)

8.7

5.1

17.2

19.2

47.5

89.8

91.3

94.9

82.8

80.8

52.5

10.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

したことがない(経験)

デモ参加(経験)

献金・カンパ(経験)

集会出席(経験)

署名(経験)

投票(経験)

あてはまる(参加経験あり) あてはまらない(参加経験なし)

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全国と沖縄で比較した場合、すべてにおいて沖縄調査の参加率が数ポイント高くなっていま

した。特にデモ参加率は、全国の 5.1%に対して沖縄では 10.8%と倍近く、沖縄では基地問題な

どのデモを行う対象が存在することが影響していると思われます。

図4 政治参加の過去の経験(沖縄)

今後の意向についても、基本的には過去の経験と同じような結果になっています。ただし集

会出席と献金・カンパの参加率の順番は、全国調査と沖縄調査で異なっています。とはいえ全

体的な傾向から判断しますと、今後も(投票以外の)政治参加が大きく増えることはないと思

われます。

図5 政治参加の今後の意向(全国)

6.4

10.8

23.6

27.3

48.2

91.4

93.6

89.2

76.4

72.7

51.8

8.6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

したことがない(経験)

デモ参加(経験)

献金・カンパ(経験)

集会出席(経験)

署名(経験)

投票(経験)

あてはまる(参加経験あり) あてはまらない(参加経験なし)

10.5

3.6

13.9

15.5

36.7

87.4

89.5

96.4

86.1

84.5

63.3

12.6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

したくない(今後)

デモ参加(今後)

献金・カンパ(今後)

集会出席(今後)

署名(今後)

投票(今後)

あてはまる(参加意向あり) あてはまらない(参加意向なし)

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図6 政治参加の今後の意向(沖縄)

政治意識:政治不信の蔓延と無視できない年齢差 日本では、政治不信の増加が指摘されて久しい状況にあります。一般的に政治不信は、政治

参加の減少をもたらすため、民主主義にとって望ましくないものと理解されています。そこで

有権者の政治に関する意識がどのようになっているのか、以下の 5 つの項目についておたずね

しました。

図7 政治意識の回答分布(全国)

9.8

10.2

19.3

20.0

37.3

88.1

90.2

89.8

80.7

80.0

62.7

11.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

したくない(今後)

デモ参加(今後)

集会出席(今後)

献金・カンパ(今後)

署名(今後)

投票(今後)

あてはまる(参加意向あり) あてはまらない(参加意向なし)

14.4

4.2

34.5

27.4

27.9

24.2

10.4

35.2

35.6

29.8

45.0

13.7

19.8

21.0

17.5

10.9

24.9

8.1

12.7

15.0

5.5

46.8

2.5

3.4

9.8

0% 20% 40% 60% 80% 100%

一般大衆の意見はエリート・政治家よりも正しいことが多い

選挙では大勢の人が投票するのだから、自分一人ぐらい投票しなくてもかまわない

政治家は自分の得になることだけ考えている

国民の意見は国政に反映されていない

普通の市民に政府を左右する力はない

そう思う ややそう思う どちらともいえない あまりそう思わない そう思わない

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図8 政治意識の回答分布(沖縄)

「普通の市民に政府を左右する力はない」「国民の意見は国政に反映されていない」「政治家

は自分の得になることだけ考えている」という 3 つの項目については、過半数が肯定(そう思

う+ややそう思う)しており、深刻な政治不信の蔓延を確認できます。その一方、「選挙では大

勢の人が投票するのだから、自分一人ぐらい投票しなくてもかまわない」という項目について

は、7 割が否定(あまりそう思わない+そう思わない)しており、政治不信がただちに政治参

加の減少をもたらすわけでもないようです。

なお全国調査では、政治不信に無視できない年齢差が存在します。とくに若い年齢層におい

て、政治不信が蔓延しています。この若い年齢層をいかに政治につないでいくのかが今後の課

題といえます。反対に沖縄調査では、全国調査ほどの明確な年齢差を確認できませんでした。

この結果は安全保障や普天間基地の移設などをめぐる国(中央)と沖縄の対立関係を反映して

いるように思われます。つまり沖縄では、年齢層を問わず国(中央)に対する政治不信が高ま

っていることを意味しています。

図9 「国民の意見は国政に反映されていない」の年齢層別回答分布(全国)

18.1

2.6

34.3

30.5

21.3

24.6

9.9

34.1

31.7

30.4

42.8

16.4

19.7

22.6

19.2

9.2

19.9

8.9

11.4

15.2

5.3

51.1

2.8

3.9

14.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

一般大衆の意見はエリート・政治家よりも正しいことが多い

選挙では大勢の人が投票するのだから、自分一人ぐらい投票しなくてもかまわない

政治家は自分の得になることだけ考えている

国民の意見は国政に反映されていない

普通の市民に政府を左右する力はない

そう思う ややそう思う どちらともいえない あまりそう思わない そう思わない

24.5

25.4

31.1

32.8

33.3

37.2

36.6

35.9

24.3

20.6

17.8

18.6

13.5

13.6

11.6

10.5

4.4

3.2

2.9

2.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

65歳以上

50-64歳

35-49歳

18-34歳

そう思う ややそう思う どちらともいえない あまりそう思わない そう思わない

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図 10 「国民の意見は国政に反映されていない」の年齢層別回答分布(沖縄)

3.国際化

外国人の増加について:中国人・韓国人の増加に反対が 7 割 日本に住む外国人の数はここ 5 年間で上昇傾向にあり、今後より身近な存在になっていくと

考えられます。そこで、生活している地域に外国人が増加することの賛否について、おたずね

しました。対象となる外国人の国籍別にみると、アメリカ人、ドイツ人の増加に賛成の意見が

多く、日系ブラジル人やフィリピン人については賛成と反対が約半数で分かれていました。一

方、中国人や韓国人の増加には反対する人が 7 割を占めました。

図 11 外国人増加への賛否(全体)

外国人の増加は年齢層で意見が異なり、若年層に肯定的な意見が多くみられます。年齢差が

とくに大きかった韓国人増加についての意見を図 12 に示しました。若年層のうち 4 割強が賛成

する一方、高年層(65 歳以上)の賛成は約 2 割でした。

31.1

28.9

31.5

29.3

28.8

30.3

35.1

34.8

22.0

24.3

18.0

27.2

11.4

12.5

11.7

8.7

6.8

3.9

3.6

0.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

65歳以上

50-64歳

35-49歳

18-34歳

そう思う ややそう思う どちらともいえない あまりそう思わない そう思わない

12.0

9.1

15.9

6.5

5.5

19.2

43.1

35.6

47.7

23.8

16.4

50.9

32.4

39.1

26.5

38.7

38.1

22.5

12.4

16.2

9.9

31.0

40.1

7.4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

日系ブラジル人

フィリピン人

ドイツ人

韓国人

中国人

アメリカ人

賛成 やや賛成 やや反対 反対

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図 12 韓国人増加への賛否(全体)

外国人の増加による犯罪や治安への懸念が大きい 外国人が増えることの影響をどのように考えているのかについてもおたずねしました。全体

的に「犯罪発生率が高くなる」「日本社会の治安・秩序が乱れる」といった安全面に関する懸念

が最も多くみられる結果となりました。これについては、年齢差や地域差はほとんどありませ

んでした。

文化については、「多様化」するという認識が 6 割を超えつつも、「異文化の影響で日本文化

が損なわれる」という意見はあまり多くありません。経済についても、「日本人の働き口が奪わ

れる」という懸念を抱く人はそれほど多くないようです。一方で、「生活保護などの社会保障費

用が増える」という意見をもつ人は半数ほどでした。

図 13 外国人の増加による影響(全国)

3.3

5.9

8.4

12.5

19.0

23.9

25.4

32.3

41.8

40.2

36.6

31.5

35.8

30.0

29.5

23.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

65歳以上

50-64歳

35-49歳

18-34歳

賛成 やや賛成 やや反対 反対

11.8

8.1

20.7

11.9

7.8

17.3

19.5

29.1

31.2

22.0

42.6

33.9

22.6

29.7

44.5

40.7

36.0

30.6

23.3

36.9

34.5

33.9

24.9

21.8

14.0

27.9

9.4

12.7

25.9

14.1

8.2

5.8

7.0

11.4

4.0

4.6

9.1

5.1

2.9

2.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

日本社会が活性化する

異文化の影響で日本文化が損なわれる

日本社会の治安・秩序が乱れる

日本経済が活性化する

日本人の働き口が奪われる

生活保護などの社会保障費用が増える

日本社会の文化が多様化する

犯罪発生率が高くなる

そう思う ややそう思う どちらともいえない あまりそう思わない そう思わない

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8

日本人は誰に似ている?:日本人の独自性の支持とドイツ人への強い親近感

今回の全国調査では、5 か国の国民と日本人の国民性を似ていると思うか、おたずねしまし

た。どの国についても「あまりそう思わない」または「そう思わない」と答える人の割合が、

「そう思う」または「ややそう思う」と答える人の割合の 2 倍以上となっており、日本人の国

民性はこれらの国とは違う、独自なものと考える人が多いようです。日本人と国民性が似てい

ると考える人がもっとも多いのはドイツ人に対してで、「そう思う」と「ややそう思う」を合わ

せた割合は 2 割ほどになっています。逆に国民性が似ていないと考えている人がもっとも多い

のは中国人に対してで、「そう思う」と「ややそう思う」を合わせた割合は 7%程度にとどまり

ます。日本人がある国の国民の国民性を自分たちと似ていると思うかどうかは、アジア圏かど

うかということとはあまり関係なく決まっているようです。

図 14 5 つの国の国民と日本人の国民性の類似性についての回答分布(全国)

外国籍をもつ人の権利への意識:賛成派/中間派/反対派で意見は三分 日本で暮らす外国人は年々増えてきており、その中で日本に定住する人たちも増える傾向に

あります。そのような中で、日本人は外国籍を持つ人の権利についてどのように考えているの

でしょうか。本調査では「あなたは以下の権利について、日本政府は日本に定住している、ま

たは、定住する意思のある外国人に対して認めるべきだと思いますか」という質問で、5 つの

権利についての考えをおたずねしています。

以下の図 15 は、それぞれの権利についての意見の分布をみたものです。もっとも賛成の意見

が多いのは「公営住宅への入居の権利」で、「そう思う」と「ややそう思う」を合わせた割合は

50%にのぼります。次に賛成の意見が多いのは「母国(出身国)の習慣を守る権利」(母文化の

維持)で、40%程度の人が「そう思う」または「ややそう思う」と答えています。「地方公務員

になる権利」、「困窮した際に生活保護を受ける権利」、「地方参政権(選挙権)」については、「そ

う思う」または「ややそう思う」と答える人と、「どちらともいえない」と答える人、「そう思

わない」または「あまりそう思わない」と答える人の割合がそれぞれ 3 割程度となっており、

賛成派/中間派/反対派で意見が三分している状態にあります。

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図 15 外国籍を持つ人への権利付与に対する意識(全国)

4.社会に関する意識

権威への態度:若年層において権威主義的傾向が強い

本調査では、一般的な価値観の一つとして、権威に対する態度をおたずねました。「権威ある

人々にはつねに敬意を払わなければならない」という質問に対して、「そう思う」「ややそう思

う」「どちらともいえない」「あまりそう思わない」「そう思わない」という 5 段階でご回答いた

だいた結果、以下の図 16 のような結果が得られました。18-34 歳の若年層では、3 割以上の人々

が「権威ある人には常に敬意を払うべき」という質問に対して「そう思う」「ややそう思う」と

答えていることがわかります。一方、50 歳以上の世代では「権威ある人に敬意を払うべき」と

考える人は、いずれも 2 割未満にとどまっています。また、「何をなすべきかを知る一番良い方

法は指導者や専門家に頼ること」という質問に関しても、世代による回答傾向の差異が存在し、

若年層において肯定的な回答が多くなっています(図は省略)。

図 16 権威への態度の年齢別回答分布(全国)

16.6

11.4

13.0

12.7

11.8

33.4

23.7

26.8

21.8

20.2

26.7

31.2

33.9

28.9

31.1

13.1

17.8

15.1

15.7

16.2

10.2

16.0

11.3

21.0

20.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

公営住宅への入居

生活保護

母文化の維持

地方参政権

地方公務員

そう思う ややそう思う

どちらともいえない あまりそう思わない

そう思わない

4.5%

2.7%

4.0%

6.3%

13.5%

14.4%

16.8%

26.4%

31.7%

29.8%

31.8%

31.1%

29.0%

32.5%

29.9%

23.7%

21.3%

20.5%

17.5%

12.5%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

65歳以上

50〜64歳

35〜49歳

18〜34歳

そう思う ややそう思う どちらともいえない

あまりそう思わない そう思わない

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マスメディアの報道への信頼感:若年層においてマスメディアの報道に対する不信感が強い

本調査では、マスメディアの報道に対する信頼感についてもおたずねしました。「マスメディ

アの報道の中には信頼できないものも多い」という質問に対して、「あまりそう思わない」「そ

う思わない」とする回答は少なく、メディアの報道を信頼している人はそれほど多くないこと

がわかります。こうした傾向は特に若年層において顕著であり、18-34 歳の世代では 6 割以上

の人が「マスメディアの報道には信頼できないものが多い」という質問に肯定的な回答をして

います。また、35〜49 歳の世代でも約 6 割が「信頼できない」と考えており、相対的に若い世

代において、マスメディアに対する不信感が広がっていると言えます(図 17)。

図 17 マスメディアの報道に対する不信感の年齢別回答分布(全国)

犯罪懸念と防犯対策:約3人に1人が犯罪の不安を感じており、監視カメラの設置を許容する人も多い

本調査では、犯罪に対する懸念と防犯対策や犯罪取り締まりについての考え方について、お

たずねしました。警視庁の犯罪白書によれば、平成 23 年の刑法犯の認知件数総数が 150 万件を

超えていたものが、平成 28 年には 100 万件以下となり、ここ数年の日本の治安状況は急速に改

善しています(警視庁 2017)。しかしながら「日頃犯罪にあうのではないかという不安を感じ

る」という質問に対しては、およそ 3 人に 1 人が「そう思う」もしくは「ややそう思う」と答

えており、日常的に犯罪への不安を感じている人が決して少なくないことがわかります(図 18)。

男女別では、女性の方がやや犯罪不安を強く感じている傾向が見られました(図は省略)。

また、犯罪の取り締まりや防犯対策に関しては、「犯罪取り締まりのために生活が多少不自由

になっても構わない」とまで考える人はそれほど多くはなく、3 割未満にとどまっているもの

の、「プライバシーが多少制限されても監視カメラを増やすべき」という考え方を支持する人は

比較的多く、過半数の人が監視カメラの増設を許容していることがわかります。

8.6%

13.2%

22.2%

26.4%

28.0%

31.9%

37.2%

37.7%

46.9%

40.1%

30.3%

26.4%

12.4%

12.3%

8.1%

8.2%

4.1%

2.6%

2.3%

1.4%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

65歳以上

50〜64歳

35〜49歳

18〜34歳

そう思う ややそう思う どちらともいえない

あまりそう思わない そう思わない

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図 18 犯罪懸念と犯罪対策への考え方の回答分布(全国)

地域社会への意識:高齢層で高い承認感覚

2010 年に「無縁社会」が流行語大賞にノミネートされるなど、近年の日本においては社会的

な孤立が問題となっています。とくに町内会や自治会への参加率が低下するなど、地域社会の

中での人と人とのつながりが希薄になってきているといわれています。実際に多くの人がその

ように感じているのでしょうか。本調査では、自分が住んでいる地域で、どの程度「地域社会

の一員として認められている」と感じるかをおたずねしています。

「十分に認められている」または「ある程度認められている」と答える割合はどの年齢層で

もほぼ 4 割を超えており、地域社会において承認されていると感じている人の割合は必ずしも

低くありません。特に、壮年層や高齢層では地域社会での承認の感覚を持つ人が多いことがわ

かります。ただし、18 歳から 34 歳の層では 2 割以上の人が「わからない」と答えています。

若年層の地域社会とのつながりの薄さは、「認められていない」という感覚ではなく、「認めら

れているかどうかわからない」というところに現れているのかもしれません。

図 19 地域社会で認められているかについての意見の年代別回答分布(全国)

6.9%

15.3%

4.9%

30.4%

36.4%

22.1%

24.8%

26.3%

32.0%

29.1%

14.3%

25.0%

8.8%

7.7%

16.1%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

犯罪の不安を感じる

監視カメラを増やすべき

生活が不自由になっても構わない

そう思う ややそう思う どちらともいえない

あまりそう思わない そう思わない

9.6%

12.2%

14.0%

16.5%

30.0%

40.4%

44.2%

45.0%

30.6%

24.4%

21.8%

18.4%

5.1%

5.6%

6.3%

4.7%

3.3%

2.5%

1.4%

1.4%

21.4%

14.9%

12.3%

14.0%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

18-34歳

35-49歳

50-64歳

65歳以上

十分に認められている ある程度認められている どちらともいえない

あまり認められていない まったく認められていない わからない

Page 13: 「国際化と市民の政治参加に関する世論調査2017」5 図8 政治意識の回答分布(沖縄) 「普通の市民に政府を左右する力はない」「国民の意見は国政に反映されていない」「政治家

12

5.日本への感情

日本に対する「誇り」:文化と政治の違い 日本の文化や政治などについて、どの程度誇りを持っているのか回答していただきました。

まず、「科学技術」「スポーツ」について「とても誇りに思う」が 5 割程度と大変多くなってい

ます。「礼儀正しさ」がそれに続いていることを考え合わせると、文化面については多くの人が

誇りに思っているようです。

一方、(世界における)「政治的影響力」や(日本社会における)「公正さと平等」などの政

治面については、「あまり誇りに思わない」「まったく誇りに思わない」を合わせて、それぞれ

6 割、4 割強と誇りに思わない人が相対的に多いようです。

年齢に関しては特徴的な違いがありました(図は省略)。政治的な項目のほとんどは、年齢が

上がるごとに「とても誇りに思う」「まあ誇りに思う」が増えていきます。たとえば、「民主主

義」に関しては 18-34 歳では「とても誇りに思う」と「まあ誇りに思う」を合わせて 5 割未満

であるのに対し、65 歳以上では 7 割を超えます。しかし、文化的な項目に関しては、ほとんど

年齢差がありませんでした。

図 20 国に対する誇りの回答分布(全体)

(注)「民主主義」「公正さと平等」「自衛隊」で全国と沖縄の違いがみられました。沖縄調査では、

これらの項目について「とても誇りに思う」「まあ誇りに思う」という回答が少なくなっています。

12.8

5.3

13.6

11.0

23.5

51.6

48.6

27.6

25.9

13.0

41.6

52.5

34.3

54.5

45.1

50.1

44.1

43.5

46.9

49.4

41.9

47.9

29.2

48.2

26.6

35.0

22.0

3.7

6.9

23.5

20.8

35.2

8.8

5.5

12.2

5.3

8.9

4.4

0.6

0.9

2.0

4.0

9.9

1.6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

民主主義

政治的影響力

経済的成果

社会保障

憲法

科学技術

スポーツ

歴史

自衛隊

公正さと平等

礼儀正しさ

とても誇りに思う まあ誇りに思う あまり誇りに思らない まったく誇りに思わない

Page 14: 「国際化と市民の政治参加に関する世論調査2017」5 図8 政治意識の回答分布(沖縄) 「普通の市民に政府を左右する力はない」「国民の意見は国政に反映されていない」「政治家

13

誰を「日本人」とみなすのか:年齢による違い

日本人とみなすのに各項目がどれほど重要かを問う質問でした。まず全体の回答を見ていき

ましょう。「日本人だと思っている」がすべての項目の中で「とても重要だ」が最も多く 5 割を

超えました。また、「とても重要だ」と「まあ重要だ」を合わせると「国籍」が 9 割近くと最も

多くなります。ほかにも「政治制度や法律の順守」や「道徳心」を「重要だ」と考える人が多

いようです。一方、「宗教」は「とても重要だ」と「まあ重要だ」を合わせて唯一 5 割を超えて

いません。また「祖先」も「とても重要だ」と「まあ重要だ」を合わせて 5 割強と相対的に重

要と考える人が少ないようです。

年齢による違いを見ていきます(図は省略)。違いの大きかった項目は「宗教」と「祖先」の

項目です。「宗教」に関しては、18-34 歳において「とても重要だ」「まあ重要だ」を合わせて 1

割程度であるのに対し、65 歳以上では 3 割を超えました。また「祖先」に関しては、18-34 歳

において「とても重要だ」「まあ重要だ」を合わせて 4 割程度であるのに対し、65 歳では 7 割

近くでした。一方、多くの人に重視されている項目では差は大きくありませんでした。例えば、

「国籍」に関しては 18-34 歳において「とても重要だ」と「まあ重要だ」を合わせて 8 割 5 分

ですが、65 歳以上でも 9 割を超えませんでした。このようにあまり多くの人から重視されてい

ない項目での年齢による違いが大きく、多くの人に重視されている項目は年齢による違いは大

きくありませんでした。

図 21 日本人とみなす条件(全体)

6.原発のあり方

今後の原子力発電のあり方をめぐる意見:反対派が多数、ただし年齢・性別で大きな差 2011 年の東日本大震災に伴う福島第一原発事故の発生から、7 年が過ぎようとしています。

このあいだ、原子力発電のあり方をめぐってさまざまな議論がなされてきましたが、人々は原

発についてどのような考え方をもっているのでしょうか。今回の調査では、「今後も原子力発電

31.0

48.7

27.8

35.2

34.5

51.5

25.8

7.0

37.6

34.0

37.6

41.1

41.7

49.2

33.7

29.3

13.3

47.4

28.7

11.8

27.6

20.0

13.9

12.3

35.4

47.1

11.9

6.3

2.0

3.5

3.1

2.4

2.6

9.5

32.6

3.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

出生

国籍

居住

日本語

政治制度や法律の順守

日本人だと思っている

祖先

宗教

道徳心

とても重要だ まあ重要だ あまり重要ではない まったく重要ではない

Page 15: 「国際化と市民の政治参加に関する世論調査2017」5 図8 政治意識の回答分布(沖縄) 「普通の市民に政府を左右する力はない」「国民の意見は国政に反映されていない」「政治家

14

を利用していくべきだ」という意見に対する考えをお尋ねしました。回答は、「そう思う」「や

やそう思う」「どちらともいえない」「あまりそう思わない」「そう思わない」の 5 つの選択肢か

らひとつ選んでいただいています。

図 22「今後も原子力発電を利用していくべきだ」についての回答分布

上の図は、全国調査と沖縄調査、それぞれで回答の分布を示したものです。全国をみますと、

「そう思う」「ややそう思う」を合わせた原発利用賛成派は 2 割強、「どちらともいえない」の

中立派は 3 割強、「あまりそう思わない」「そう思わない」を合わせた原発反対派は 4 割強とな

っています。原発反対派が優勢ではありますが、中立派と原発賛成派も一定の割合を占めてお

り、原発のあり方をめぐって意見がわかれていることがうかがえます。

2013年に行われた前回の調査と今回の 2017年調査を比べると、2013年から 2017年にかけて、

原発利用賛成派と中立派がそれぞれやや増加し、原発反対派が 1 割ほど減少しています。ただ、

それほど大きな変化とはいえず、原発反対派が優勢だが、賛成・中立・反対の間で意見が割れ

ているという全体的な傾向は、この 4 年間で変わっていないようです。

次に、沖縄の結果をみてみると、全国とはやや異なる傾向があることに気づきます。沖縄で

は、原発利用賛成派は 1 割、中立派は 3 割半ば、原発反対派は 5 割程度となっています。全国

(2017 年)では、原発利用賛成派が 2 割強あったことと比べると、沖縄では賛成派は 1 割と非

常に少なく、その分、中立派が 1 割ほど多いことがわかります。

このように原子力発電をめぐっては賛成・中立・反対とさまざまな意見がありますが、それ

は性別や年齢によってどのような違いがあるのでしょうか。ここからは、「そう思う」「ややそ

う思う」を賛成、「どちらともいえない」を中立、「あまりそう思わない」「そう思わない」を反

対として傾向をみていきます。

以下の図は、全国の結果をみたものです。性別については、男性の方が女性よりも 2 倍ほど

賛成派が多いことに気づきます。また、年齢による差も非常に大きく、年齢が若いほど原発へ

の賛成派は多くなり、年齢が高いほど原発への反対派が多くなることがわかります。全体の分

布でみると原発賛成派は少数でしたが、性別や年齢にわけてみると、その傾向は大きく異なる

といえるでしょう。

3.3

6.3

7.7

8.0

12.5

15.3

37.0

29.9

34.1

22.3

20.2

19.5

29.4

31.1

23.4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

沖縄

全国2013年

全国2017年

そう思う ややそう思う どちらともいえない あまりそう思わない そう思わない

Page 16: 「国際化と市民の政治参加に関する世論調査2017」5 図8 政治意識の回答分布(沖縄) 「普通の市民に政府を左右する力はない」「国民の意見は国政に反映されていない」「政治家

15

図 23 原発への意見についての性別・年代別回答分布(全国)

沖縄についても、性別や年齢による差をみていきましょう。性別については、全国と同様、

男性は女性に比べて原発賛成派が多いことがわかります。年齢については、50 歳以上の中高年

層において反対派が 6割以上であり、非常に高いことがうかがえます。一方、18~35 歳では 6

割弱の人が中立であり、年齢による意見の違いが非常に大きいことがわかります。

図 24 原発への意見についての性別・年代別回答分布(沖縄)

7.沖縄と政治

本調査では、沖縄と他地域との比較を重視しています。とりわけ政治に関する意見では大き

な違いがみられました。沖縄と全国を比較すると、沖縄調査では「米軍基地集中は不平等」で

普天間基地の辺野古移設にも反対の意見が多くなっています。しかしながら、「他地域の人には

理解されない」という思いも強いことがうかがえます。また、基地問題以外でも、「愛国心」教

18.8

21.2

25.7

33.9

16.5

30.5

23.1

31.7

33.5

37.6

36.0

40.8

26.6

34.1

49.5

45.3

36.7

30.1

42.7

42.9

42.8

0% 20% 40% 60% 80% 100%

65歳以上

50-64歳

35-49歳

18-34歳

女性

男性

全体

賛成 中立 反対

11.3

7.9

13.6

13.2

7.8

15.1

11.1

24.8

29.1

45.5

57.1

42.4

31.0

36.9

63.9

62.9

40.9

29.7

49.8

53.9

52.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

65歳以上

50-64歳

35-49歳

18-34歳

女性

男性

全体

賛成 中立 反対

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16

育に関して沖縄と他地域とで温度差があることもわかります。

図 25 政治に関する意見の相違(沖縄―全国)

(注) 図の数値は肯定回答(「そう思う」「どちらかといえばそう思う」)を足した割合。辺野古移

設の設問のみ否定回答(「辺野古に移設すべき」という意見に反対)の割合を示している。

こうした意見の相違の反映として、政党や運動団体に対する態度も大きく異なっています。

「米軍基地反対を主張する市民団体」に好感を持つとの回答(+の評価)は、全国調査 20.8%、

沖縄調査 40.1%と約 2 倍もの違いがあります。また、「脱原発を主張する市民団体」についても、

好感をもつとの回答は全国調査 37.7%、沖縄調査 46.0%となっています。

衆院選での投票(比例区)では、全国調査(図 1)と比べると自民党への投票が少なくなっ

ています(16.7%)。その一方で共産党(11.3%)、社民党(8.0%)と旧革新政党への投票が上

回っています。

ただ、これらの意見については年齢差も大きく、若年層では沖縄と全国の違いは比較的小さ

くなっています。とりわけ「日米安保体制の強化」についての意見(図 26)、「米軍基地反対を

主張する市民団体」への評価(図 27)については、ほとんど違いがないという結果になりまし

た。また、普天間基地の辺野古移設については、沖縄調査では高年層で反対が非常に多くなっ

ていますが、全国調査ではむしろ若年層で反対がやや多いという逆転した傾向がみられます(図

28)。

36.7%

49.8%

72.1% 71.4%

56.2%

30.7%

50.8%

34.7%

46.0%

22.3%

50.4%

30.1%37.7%

48.4%

73.9%

47.8%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

沖縄 全国

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17

図 26 米軍基地反対を主張する市民団体への好感度(沖縄―全国)

(注)図の数値は肯定的評価を足した割合。

図 27 日米安保体制を強化するべき(沖縄―全国)

(注)図の数値は「そう思う」「ややそう思う」を足した割合。

16.3% 18.0%20.7%

26.0%

19.8%

26.6%

42.4%

66.1%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

34歳以下 35-49歳 50-64歳 65歳以上

全国 沖縄

53.2%48.9%

45.0% 46.9%50.0%

35.5%

43.7%

25.2%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

34歳以下 35-49歳 50-64歳 65歳以上

全国 沖縄

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18

図 28 普天間基地は辺野古に移設すべきでない(沖縄―全国)

8.沖縄人としての意識

沖縄調査では、沖縄人としての意識についてもおたずねしました。「あなたはご自身のことを

沖縄人だと思いますか、それとも日本人だと思いますか、または沖縄人でも日本人でもあると

思いますか。」という質問への回答は以下のようになりました。沖縄人かつ日本人であるという

回答が過半数でしたが、「沖縄人」(26.1%)、「日本人」(16.2%)という回答も一定数ありまし

た。なお、これについては年齢差はほとんどみられませんでした。

図 29 沖縄人か、日本人か

「沖縄人」であると見なすための条件についてもおたずねしました。もっとも重要視されて

いるのは「自分自身を沖縄人だと思っている」で、それ以外の条件はどれも 6~7 割が重要視し

ているという結果でした。

26.9%21.4% 23.7% 21.7%

33.7%

45.9%51.0%

66.6%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

34歳以下 35-49歳 50-64歳 65歳以上

全国 沖縄

沖縄人26.1%

日本人16.2%

沖縄人で日

本人54.9%

その他2.8%

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19

図 30 沖縄人であると見なすための条件

そのうち、「先祖が沖縄出身者であること」という項目のみ、年齢差が明確になっていました。

34 歳以下の若年層は中高年層と比べると先祖が沖縄出身者であることをあまり重要視してい

ないといえます。

図 31 先祖が沖縄出身者であること×年代別

本土から移住者が増えることについてもご意見をうかがいました。肯定的、否定的な意見が

それぞれ 2~3 割程度あり、半数は「どちらともいえない」という回答でした。移住者の増加に

ついては、明確な世論が形成されているということではないようです。

27.4%

44.2%

25.0%

29.8%

34.9%

35.3%

41.3%

36.5%

27.2%

13.9%

26.6%

25.8%

8.1%

3.4%

4.6%

5.4%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

先祖が沖縄出身者であること

自分自身を沖縄人だと思っていること

人生の大部分を沖縄で暮らしていること

沖縄で生まれたこと

とても重要だ まあ重要だ あまり重要ではない 全く重要ではない

32.8%

35.1%

24.5%

12.0%

33.6%

35.1%

40.0%

35.9%

26.1%

21.9%

30.0%

38.0%

7.5%

7.9%

5.5%

14.1%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

65歳以上

50-64歳

35-49歳

34歳以下

とても重要だ まあ重要だ あまり重要ではない 全く重要ではない

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20

図 32本土から沖縄への移住者が増えることは望ましい

<資料>

警察庁,2017,「平成 28 年警察白書 統計資料」(2018 年 1 月 8 日取得,https://www. npa.go.jp/hakusyo/h28/data.html).

執筆者一覧

研究代表 早稲田大学 田 辺 俊 介

研究協力 和光大学 米 田 幸 弘

東北大学 五 十 嵐 彰

東北大学 永吉 希久子

大阪大学 齋 藤 僚 介

駒澤大学 濱 田 国 佑

立命館大学 伊 藤 理 史

桃山学院大学 阪 口 祐 介

中京大学 松 谷 満

早稲田大学 原 田 哲 志

詳細な結果は、プロジェクトホームページ(http://www.waseda.jp/prj-ipa/)に掲載予定です。

また本研究の推進にあたり、以下の資金提供を受けました。

文部科学省科学研究費補助金(基盤(B):平成 28 年度~平成 32 年度)

ご回答くださった皆様方へ、厚く御礼申し上げます。

そう思う5.9%

ややそう思う16.0%

どちらともいえない50.0%

あまりそう思わない19.6%

そう思わない8.5%