採択されるものづくり補助金 申請書の書き方 ·...
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採択されるものづくり補助金申請書の書き方
事業継続研究所 京盛眞信
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はじめに
• 中小企業にとり、適切に補助金を活用して設備投資・事業開発を行うことは、投資コストの削減と共に、減価償却費低減による市場競争力強化に繋がる重要な経営施策である。
• 補助金申請書が採択を受けるには、納得性の高い事業計画を記載する必要があるが、多くの経営者や税理士は不得意としており、採択される申請書が書けない現状がある。
• 事例より採択される申請書のポイントを明らかにすることにより、補助金を必要とする比較的規模の小さな中小企業の採択率を高め、中小企業経営に寄与するものである。
2014年11月8日 2@事業継続研究所
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Ⅰ 新もの補助とは
■事業の概要・目的
革新的なものづくり・サービスの提供等にチャレンジする中小企業・小規模事業者に対し、試作品開発・設備投資等を支援
■対象
認定支援機関に事業計画の実効性等が確認された中小企業・小規模事業者であり、以下の要件のいずれかを満たす者
① 「中小ものづくり高度化法」に基づく特定ものづくり基盤技術を活用していること
② 革新的な役務提供等を行い、3~5年計画で「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の向上を達成する計画であること
2014年11月8日 @事業継続研究所 3
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Ⅰ 新もの補助とは
■補助率: 2/3
■補助上限額• 成長分野型(健康・医療」「環境・エネルギー」「航空・宇宙」) 1,500万円• 一般型 1,000万円• 小規模事業者型 700万円
■対象経費原材料費、機械装置費、外注加工費、技術導入費、直接人件費、委託費
知的財産権関連経費、専門家謝金、専門家旅費、運搬費、雑役務費
2014年11月8日 @事業継続研究所 4
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Ⅰ 新もの補助とは
■募集期間
〈1次公募〉
平成26年2月17日(月) 受付開始
平成26年3月14日(金) 1次締切り
平成26年5月14日(水) 2次締切り
〈2次公募〉
平成26年7月1日(火) 受付開始
平成26年8月11日(月) 締切り
2014年11月8日 @事業継続研究所 5
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Ⅰ 新もの補助とは
公 募 申請件数 採択件数 採択率
一次公募(一次締め切り) 7,396件 2,916件 39.4%
一次公募(二次締め切り) 15,019件 6,697件 44.6%
二次公募 14,502件 4,818件 33.2%
合計 36,917件 14,431件 39.0%
2014年11月8日 @事業継続研究所 6
■申請・採択結果
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Ⅱ 採択・不採択事例の研究
【不採択となる原因】
1. 公募要領に記載されている審査項目を意識せずに、申請書を作成しているケース
2. 申請書に記載した事業計画の実現性を客観性を持って、説明していないケース
3. 読み手(審査員)に対して、理解させる申請書を作成する努力が不足しているケース
2014年11月8日 @事業継続研究所 7
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Ⅱ-1 事例企業の紹介鋼材卸+鋼材加工会社
顧客より鋼材の加工を請け負うことで、鋼材卸会社の関連会社として出発
社長は、鋼材卸会社と鋼材加工会社は同一人物
7月31日(木) 金融機関を介して、申請書作成の支援依頼あり8月11日、二次公募締め切り一次二次締め切りにて、有償支援を受けるも不採択
社長は口は立つが、パソコンは不得意
専務(奥様)は、紙に書かれた文字の入力はできるが、自分で文章を作りのは苦手!
申請テーマ
現行3mのレーザー加工機を、4m長に入れ替えたい
2014年11月8日 8@事業継続研究所
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Ⅱ-2 不採択事例• 総ページ数:8ページ• その1(何をするのか?)・・・2ページ、殆どがグラフ・図表
• 何を開発するのか、書かれていない。• 公募要領に記載された、「審査項目」が意識されていない
• その2(開発完了後はどうなるのか?)• 売上がアップすると言っているが根拠が無い
不採択となった申請書を詳しくみていきましょう!
2014年11月8日 9@事業継続研究所
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Ⅱ-2 不採択事例
2014年11月8日 10@事業継続研究所
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Ⅱ-3 採択事例• 総ページ数:17ページ
• 申請ストーリー:半日かけて社長にインタビューし、同社の知的資産の洗い出しを実施
• その1(何をするのか?):8ページ• その2(開発完了後はどうなるのか?):4ページ
2014年11月8日 11@事業継続研究所
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Ⅱ-3 採択事例
2014年11月8日 12@事業継続研究所
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Ⅱ-3 採択事例
2014年11月8日 13@事業継続研究所
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Ⅲ 支援ツールの整備
1. 申請シナリオ作成テンプレート2. 製造業版テンプレート3. 商業・サービス版テンプレート
2014年11月8日 14@事業継続研究所
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Ⅳ 採択を勝ち取るポイント
• 4-1 補助金を活用して経営改善を図る!• 4-2 補助金って何?(補助金の基礎知識)• 4-3 公募要領熟読は採択への近道• 4-4 審査員はここを見ている(審査員の視点、採択のポイント)
2014年11月8日 15@事業継続研究所
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4-1 補助金を活用して経営改善を図る!
• 自社の知的資産は何か?• 何故、経営革新を図るのか?• 自社の現状を客観的に見ているか?• 経営革新を図った後、自社はどのような姿になっているのか?• 具体的な顧客、具体的な販路を述べることができるか?
2014年11月8日 16@事業継続研究所
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4-2 補助金って何?
1. 補助金を借りて事業を伸ばし、税金(法人税)で返すのが本質と考える。
2. 中期事業計画に盛り込まれていない、思いつきの補助金申請は、往々にして失敗する。
3. 古くなった機械(H/W)を入れ替えても、企業の競争力は回復しない。
自社の知的資産と新しい機械を使って、如何に市場競争力を高めるか、事業計画(S/W)がポイントとなる。
4. 補助金申請書に添付する事業計画は極めて粗いものであり、経営革新計画を併せて承認取得することを強く勧めている。
2014年11月8日 17@事業継続研究所
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4-3 公募要領熟読は採択への近道
1. 申請資格の確認2. 申請要件の確認3. 審査項目の確認
公募要領を見て行きます!
2014年11月8日 18@事業継続研究所
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4-4 「ものづくり」で申請する場合の注意点1. 製造業では、「ものづくり技術」「革新的サービス」の何れかを選
択できる
2. 成長分野型/一般型/小規模事業者型より、採択されやすい類型を選ぶ小規模事業者でも大きな設備投資が出来る「成長分野型/一般型」が選べる
3. 「ものづくり技術」を選択しても、成長分野型/一般型と小規模事業者型では、機械設備に投資できる金額が異なる!
2014年11月8日 19@事業継続研究所
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4-5 申請書作成支援のポイント!
1. 申請タイプ「ものづくり」・「経営革新サービス」の選択が重要 製造業では、「ものづくり」・「経営革新サービス」の何れも申請可能
商業・サービス業では、「ものづくり」での申請は難易度が高い
2. 申請要件の確認と申請添付資料の確認 申請要件、ものづくり11分野 経営革新計画承認書等の証明書類
3. 革新性は客観的に説明させる 公的資料、出典が明確な資料での客観性の説明
Before/After4. 政策分野の確実な得点 中小企業会計
従業員への給与アップなど
5. 数字のチェックは確実に
2014年11月8日 20@事業継続研究所
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4-6 審査員はここを見ている!
① 審査のポイントA) 提出書類は揃っているか?B) 申請者要件は満足しているか?C) 公募要領の「審査項目」で指定された事項が記載されているか?D) 自分勝手の事業計画となっていないか?→事業計画に客観的合理性があるか?E) 読みやすい申請書となっているか?
② 読みやすい申請書を書くにはA) Before(補助事業開始前) ⇒ After(補助事業完了後)の姿を明らかにするB) ビジネスモデル、体制図、製品はC) 文字:10.5ポ以上D) MSゴシック (行間が空いて読みやすい)
2014年11月8日 21@事業継続研究所