「国際女性の日」イベント開催 - jica ·...

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「国際女性の日」イベント開催 助産能力強化を通じた母子保健プロジェクト (Project for Improving Maternal & Newborn Care through Midwifery Capacity Development) 20123プロジェクトでも、このイベントにあわせて、「女性に優しいお産」 を紹介するパンフレットを作成し、当日母子保健センターを訪問した 妊婦さんたちに配布されました。このパンレットでは、①以前プロ ジェクトが作成した「自由な陣痛スタイル」を示しながら、陣痛の時 は自由なスタイルで過ごすことができること ②陣痛 の時には家族の付き添いが可能なこと をメッセージ として伝えています。 裏を返せば、「お産は一人で耐えてするもの」「お 産は仰向けでするもの」という固定観念が根強いこと が背景にあり、そのために持つ妊婦さんたちの心配事 を尐しでも和らげたいというのが狙いです。パンフ レットは当日訪れた200名以上の妊婦さんたちに配布さ れましたが、皆さん色々な陣痛スタイルがあることに 感心していました。 【各種活動】 227日 日赤九州国際、豊田看 護大学27名 プロジェ クト訪問 229RMNCH-TF出席 32日 調査団受入にかかる協議 NMCHC、カンボジア事務所) 34日 院内感染対策調査団 到着 35日 調査団との協議 36日 調査団、MoH次官補と協議 37日 調査団と共にクンタボッパ病 院を視察 38日 事務所無償担当とNCUの改修 について協議 39日 パスツール研究所との協議 WHOとの協議 312日 国立公衆衛生院を調査団と 共に訪問・視察 大阪府立看護大学学生 来訪 313PHJ(NGO)来訪 NMCHC院内感染対策担当者と の協議 314NMCHC運営委員会にて調査団 側より中間報告 315日 国立小児病院視察 316NMCHC職員向けの院内感染対 策講義 調査団、エンホット次官、大 使館及びWHOに調査内容報告 320MCHタスクフォース 322NMCHC運営会議 323RNMCHCワーキンググループ 327Reproductive and sexual Health政策会議 329日 院内感染対策調査団報告会 38日の国際女性に関連して、国立母子保健センター(NMCHC) では、様々なイベントが開催されました。 当日、妊婦検診で訪れた女性の診察料を無料にしたり、生理 用ショーツや布ナプキンの配布、また母親学級ではブラジルで学んで きた分娩第1期の過ごし方(スタッフの迫真の演技付き!)の紹介、栄 養指導など盛りだくさんのイベントが行われました。 プロジェクトで作成した自由な陣痛スタイルポスター 当日配布されたパンフレット

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Page 1: 「国際女性の日」イベント開催 - JICA · 今回の勉強会では、コクランレビューの会陰切開が紹介されてい ました。 【今後の日程】 4月2日

「国際女性の日」イベント開催

助産能力強化を通じた母子保健プロジェクト

(Project for Improving Maternal & Newborn Care

through Midwifery Capacity Development)

2012年3月

プロジェクトでも、このイベントにあわせて、「女性に優しいお産」

を紹介するパンフレットを作成し、当日母子保健センターを訪問した

妊婦さんたちに配布されました。このパンレットでは、①以前プロ

ジェクトが作成した「自由な陣痛スタイル」を示しながら、陣痛の時

は自由なスタイルで過ごすことができること ②陣痛

の時には家族の付き添いが可能なこと をメッセージ

として伝えています。

裏を返せば、「お産は一人で耐えてするもの」「お

産は仰向けでするもの」という固定観念が根強いこと

が背景にあり、そのために持つ妊婦さんたちの心配事

を尐しでも和らげたいというのが狙いです。パンフ

レットは当日訪れた200名以上の妊婦さんたちに配布さ

れましたが、皆さん色々な陣痛スタイルがあることに

感心していました。

【各種活動】

・2月27日 日赤九州国際、豊田看

護大学27名 プロジェ

クト訪問

2月29日 RMNCH-TF出席

3月2日 調査団受入にかかる協議

(NMCHC、カンボジア事務所)

3月4日 院内感染対策調査団 到着

3月5日 調査団との協議

3月6日 調査団、MoH次官補と協議

3月7日 調査団と共にクンタボッパ病

院を視察

3月8日 事務所無償担当とNCUの改修

について協議

3月9日 パスツール研究所との協議

WHOとの協議

3月12日 国立公衆衛生院を調査団と

共に訪問・視察

大阪府立看護大学学生 来訪

3月13日 PHJ(NGO)来訪

NMCHC院内感染対策担当者と

の協議

3月14日 NMCHC運営委員会にて調査団

側より中間報告

3月15日 国立小児病院視察

3月16日 NMCHC職員向けの院内感染対

策講義

調査団、エンホット次官、大

使館及びWHOに調査内容報告

3月20日 MCHタスクフォース

3月22日 NMCHC運営会議

3月23日 RNMCHCワーキンググループ

3月27日 Reproductive and sexual

Health政策会議

3月29日 院内感染対策調査団報告会

3月8日の国際女性に関連して、国立母子保健センター(NMCHC)

では、様々なイベントが開催されました。

当日、妊婦検診で訪れた女性の診察料を無料にしたり、生理

用ショーツや布ナプキンの配布、また母親学級ではブラジルで学んで

きた分娩第1期の過ごし方(スタッフの迫真の演技付き!)の紹介、栄

養指導など盛りだくさんのイベントが行われました。

プロジェクトで作成した自由な陣痛スタイルポスター

当日配布されたパンフレット

Page 2: 「国際女性の日」イベント開催 - JICA · 今回の勉強会では、コクランレビューの会陰切開が紹介されてい ました。 【今後の日程】 4月2日

初産で3.7kg!! 会陰切開なし、傷

なしで、元気な赤ちゃんを出産。介助

した助産師さんは、長い間地方で自宅

出産を取り扱っていたベテラン。

赤ちゃんの心音を良く聞きながら、

ゆっくりと出産できたそうです。久々

のよいニュースにほっとしました。良

い助産師さんも着実に育っているよう

です。

カナール元センター長が以前、ルーチン化した会陰切開を戒めるために

「カンボジア人は小さくて会陰も西洋人のように大きく伸びないと言う

が、人間は象を出産しない」と言っているのを思い出しました。

NMCHCスタッフを対象

に、根拠に基づく助産

を実践するための「根

拠」(エビデンス)を

学 び、情報 の発信 者

「知識の泉」となるた

めの第1回目の勉強会が

開催されました。

このスタディーグループ、まったく新しい会合を創設するのでは

なく、これまで看護部で行われていたものを再活性させ、またそこ

に医師たちにも関わってもらうこととしました。

この勉強会によって得られた最新のエビデンスがNMCHCや全国で行

われる助産関連の研修にフィードバックされ、最新のエビデンスに

基づいた研修が行われることが期待されています。

今回の勉強会では、コクランレビューの会陰切開が紹介されてい

ました。

【今後の日程】

4月2日 WHOとの会合

4月5日 助産短期専門家、JICA事務

所にて帰国報告

4月9日 エンホット次官と無償資金

協力に関する協議

【各種動き】

・次年度投入計画の作成と協議

・今年度活動のまとめ

・母子保健シンポジウムおよび国際ワー

クショップ報告書作成

・専門家携行機材3月中旬 着

・国別研修調整、日本産婦人科学会

(2012年4月)

・母子保健集団研修アプリケーション

フォーム作成支援

・学生等訪問関係調整(大阪府立、東京

女子医大、日赤広尾看護大学院)

・国際助産師の日のイベント実施に係る

調整開始

・ナショナルスタッフ1名退職

・ナショナルスタッフ契約更新

・ナショナルスタッフ新規採用

・人間的出産ベッド納品に関する調整

第1回スタディーグループに参加したある

NMCHC医師。会陰切開について学び、早速

「初産でも会陰切開なし、傷なしで元気に出産することができた」との連絡がありまし

た。彼は最近、50床のプライベート病院を開業したばかりで、是非見に来て欲しいという

ことで、さっそく訪問。

病室や分娩室などは、これまで見てきたプライベート病院とほぼ変わりなし。しかし、

CTスキャンやMRIを見せられた時には、びっくりしました。

レントゲン室は普通の木のドアでしたし、MRIも扉に黄色と黒のハザード標識はありまし

たが、この部屋でやっても問題ないの?といった感じ。

50床のプライベート病院に、豪華医療器材がドカーンとあることには違和感を覚えまし

たが、中産階級の出現によって、求められる医療のあり方も急激に変化しているようで

す。

第1回スタディーグループ開催

~参加者たちの自主的な姿勢が大きな鍵~

会陰切開のルーチン化?

続々と出来る豪華なプライベート

クリニック(プノンペン市内)

中間層の出現と変化する医療ニーズ

みんなでお母さんを支援します!