日本養豚事業協同組合...このような発育曲線を維持するた...

10
〒105-0003  東 京 都 港 区 西 新 橋 1-22-12  J C ビ ル 4F ����いよいよ日本養豚事業協同組合の支部活動が始ま りました。 中部支部セミナーを皮切りに5月22日(金)名古 屋駅前のダイヤビルで総勢77名の参加者を迎え、栗 木允男支部長の来場者への感謝の言葉を交えての元 気の出る開会の挨拶で幕を開けました。 稲吉弘之理事長の挨拶では業界を取りまく最近の 社会情勢の動きと、一昨年来のPED、最近のPRRSの 発生等疾病問題に直面した情勢の中で、良い管理シ ステムの構築と地域防疫の重要性を本セミナーでの 講演の柱の一つとして組み入れしたことが紹介され ました。 最初の演題は「動物検疫業務について」と題して 小岩井正博氏(農林水産省動物検疫所名古屋出張所 長)より我が国の国内防疫と水際防疫体制について 説明され、輸入される膨大な種類の動物及び畜産物 の検疫の重要性が資料に基づき説明されました。 引き続き「年間稼働母豚1頭当り離乳30頭と枝肉 出荷2,200kgの軌跡」と題して稲吉克仁氏(㈲マルミ ファーム代表取締役社長)より講演がなされました。 ㈲マルミファームの過去10年間の軌跡が詳細な経営 指標を示しながら、TOPIGS導入前後の繁殖成績の激 変と販売に向けた枝肉の重量、肉質、歩留りを考慮 した取り組み等の経営に必要な多くの活きた改善ポ イントが、多面的な指標を示し数字を伴いながら時 系列にその改善の軌跡が説明されました。また、実 務的な参加者の質問にも具体的な数字を交え丁寧な 回答がなされました。 休憩をはさんで、「地域防疫の重要性」と題して香 川雅彦氏(㈲香川畜産代表取締役)より次のとおり 講演されました。宮崎県で発生した口蹄疫の行政と 取り組んだ様子を地域防疫の緩みにも触れ、時を追 って説明されました。経営の安定にとってPRRS等の 清浄化の重要性が語られ、地域防疫の確立のための 施策について平成22年7月に発足した新生養豚プロ ジェクト協議会の経緯と活動及び今後の課題につい て説明されました。 最後に、「オールイン・オールアウト実現可能な飼 育システム導入の重要性とその具体策」と題して石 川弘道氏(㈲サミットベテリナリーサービス代表取 締役・獣医師)より講演がなされました。冒頭、感 染経路を絶つことがバイオセキュリティであるとの 言葉で始まった講演は、発生要因とその要因を除く 伝染病対策の具体策が述べられました。個別の対策 を集合した「オールイン・オールアウト」の仕組み づくりの必要性が述べられ、連続飼育とオールイン・ オールアウト生産方式の長所、短所及び経営成績が 比較されました。オールイン・オールアウトのグル ープ管理生産方式の導入手順が資料に基づき詳細に 説明され、さらに導入前後の経営成績の時系列比較 が示され、参加者の今後の養豚経営に大いに参考と なる講演となりました。 (山田) 第15期中部支部セミナー開催 1

Upload: others

Post on 05-Mar-2021

2 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 日本養豚事業協同組合...このような発育曲線を維持するた め、TOPIGS社では表3のような飼料給与マニュア ルを推奨しています。. TOPIGS-20を組合員の皆様が購入して育成する

����������� �����〒105-0003 東京都港区西新橋1-22-12  JCビル4F�����������������  ����������������

�������������������������������������

 いよいよ日本養豚事業協同組合の支部活動が始まりました。 中部支部セミナーを皮切りに5月22日(金)名古屋駅前のダイヤビルで総勢77名の参加者を迎え、栗木允男支部長の来場者への感謝の言葉を交えての元気の出る開会の挨拶で幕を開けました。 稲吉弘之理事長の挨拶では業界を取りまく最近の社会情勢の動きと、一昨年来のPED、最近のPRRSの発生等疾病問題に直面した情勢の中で、良い管理システムの構築と地域防疫の重要性を本セミナーでの講演の柱の一つとして組み入れしたことが紹介されました。 最初の演題は「動物検疫業務について」と題して小岩井正博氏(農林水産省動物検疫所名古屋出張所長)より我が国の国内防疫と水際防疫体制について説明され、輸入される膨大な種類の動物及び畜産物の検疫の重要性が資料に基づき説明されました。 引き続き「年間稼働母豚1頭当り離乳30頭と枝肉出荷2,200kgの軌跡」と題して稲吉克仁氏(㈲マルミファーム代表取締役社長)より講演がなされました。㈲マルミファームの過去10年間の軌跡が詳細な経営指標を示しながら、TOPIGS導入前後の繁殖成績の激変と販売に向けた枝肉の重量、肉質、歩留りを考慮した取り組み等の経営に必要な多くの活きた改善ポイントが、多面的な指標を示し数字を伴いながら時系列にその改善の軌跡が説明されました。また、実務的な参加者の質問にも具体的な数字を交え丁寧な回答がなされました。 休憩をはさんで、「地域防疫の重要性」と題して香川雅彦氏(㈲香川畜産代表取締役)より次のとおり講演されました。宮崎県で発生した口蹄疫の行政と取り組んだ様子を地域防疫の緩みにも触れ、時を追

って説明されました。経営の安定にとってPRRS等の清浄化の重要性が語られ、地域防疫の確立のための施策について平成22年7月に発足した新生養豚プロジェクト協議会の経緯と活動及び今後の課題について説明されました。 最後に、「オールイン・オールアウト実現可能な飼育システム導入の重要性とその具体策」と題して石川弘道氏(㈲サミットベテリナリーサービス代表取締役・獣医師)より講演がなされました。冒頭、感染経路を絶つことがバイオセキュリティであるとの言葉で始まった講演は、発生要因とその要因を除く伝染病対策の具体策が述べられました。個別の対策を集合した「オールイン・オールアウト」の仕組みづくりの必要性が述べられ、連続飼育とオールイン・オールアウト生産方式の長所、短所及び経営成績が比較されました。オールイン・オールアウトのグループ管理生産方式の導入手順が資料に基づき詳細に説明され、さらに導入前後の経営成績の時系列比較が示され、参加者の今後の養豚経営に大いに参考となる講演となりました。 (山田)

第15期中部支部セミナー開催

1

Page 2: 日本養豚事業協同組合...このような発育曲線を維持するた め、TOPIGS社では表3のような飼料給与マニュア ルを推奨しています。. TOPIGS-20を組合員の皆様が購入して育成する

ホームページ    http://tonjikyo.or.jp▼ ▼ ▼

E-mail    [email protected]▼ ▼ ▼

ホームページ    http://tonjikyo.or.jpE-mail   [email protected]

▼ ▼ ▼

▼ ▼ ▼

2 3

 TOPIGS-GPやTOPIGS-20を導入して成績改善に繋がっている組合員が増加していることは皆様ご承知の通りですが、従来のF1母豚の育成方法とはかなり異なるため、とまどっておられる方がいるとお聞きしますので、TOPIGS-20の育成方法についてご説明いたします。

●TOPIGS若雌の育成目標 TOPIGS社では性成熟(3回目の発情で交配)させるため、エネルギーの低い飼料を与えゆっくり成長させることを推奨しています(表1・2)。これを肥育豚の発育曲線と比較すると、図1のようになります。肥育豚より育成若雌の方がかなりゆっくりの発育となります。このような発育曲線を維持するため、TOPIGS社では表3のような飼料給与マニュアルを推奨しています。 TOPIGS-20を組合員の皆様が購入して育成するときはRearing(育成)2のステージから始まります。Flushing飼料はゆめ種豚74(またはTDN74の一

般飼料)をそのままお使いください。TOPIGSのマニュアルではDE3,020kcal(TDN68 ~ 69)が良いとされていますが、TOPIGS-20の生産農場である東海ブリーディング㈱で実践した結果ではDE3,170kcal(TDN72)前後が良いとの結果が出ましたので、TDN72前後に調整する方法を記述します。 ゆめ種豚74(またはTDN74の一般飼料)をお使いの場合、DEを3,170Kcalまで下げて育成用飼料とする必要があります。この場合最も入手しやすい原料が『ふすま』ですので、ふすまを利用した育成用飼料の作成方法を以下に述べます。

●TOPIGS-20の育成用飼料の作成方法 ①ゆめ種豚74/トンにふすまを140kg添加します。

 この場合、「ゆめ種豚74 +ふすま」の主な栄養の設計値と不足分の添加量は表4の通りとなります。 ②上記「ゆめ種豚74 +ふすま」/トンにゆめマミ

ーBを4kg(0.4%)添加します。

 ゆめマミー Bの添加(ミネラル系の飼料添加物)は必須です。特に亜鉛の要求量がTOPIGSでは75 ~ 180ppmと高く表示されています。ゆめマミー Bを0.4%添加すると50ppm上乗せになりますので100ppm近くになり、TOPIGSの要求量を満たしてくれます。 亜鉛は皮膚や粘膜の形成に重要な働きをするミネ

TOPIGS-20の育成方法

表1 TOPIGS 若雌の育成目標

性成熟時日齢 240日 性成熟時体重 140kg 性成熟時P2脂肪厚 14mm

図1 育成若雌と肥育豚の発育曲線

表2 週齢ごとの目標到達体重と飼料給与量

週齢 到達体重(kg) 飼料給与量(kg)21 85 2.2022 90 2.2523 94 2.3024 99 2.3525 103 2.4026 108 2.4527 113 2.5028 117 2.5529 122 2.6030 126 2.6031 131 2.60

32~33 140 3.00~3.20

Page 3: 日本養豚事業協同組合...このような発育曲線を維持するた め、TOPIGS社では表3のような飼料給与マニュア ルを推奨しています。. TOPIGS-20を組合員の皆様が購入して育成する

ホームページ    http://tonjikyo.or.jp▼ ▼ ▼

E-mail    [email protected]▼ ▼ ▼

ホームページ    http://tonjikyo.or.jpE-mail   [email protected]

▼ ▼ ▼

▼ ▼ ▼

2 3

ラルで、TOPIGSばかりでなく育成豚全般に必要なミネラルです。一般的な種豚用飼料に亜鉛は50ppmしか添加できませんので(行政指導)、ゆめマミー Bを0.4%添加することをお勧めします。

 計算上は上記のような飼料を調整して与えることになりますが、現実的には数頭の母豚に餌を調整して与えることは不可能です。実際はゆめ種豚74(またはTDN74の一般飼料)の給与量を1日100 ~ 200g減らして与えることになってしまいます。これではリジンやリンが少なくなりますので、ゆめ種豚74(またはTDN74の一般飼料)20kgに対し魚粉1kg程度を添加して調整し与えてください。Flushing飼料もこのままお使いください。 かなり痩せた母豚に仕上がりますが、組合員で最初にTOPIGSを導入した㈲ロッセ農場は飛騨の高山にあり北海道並みの寒さですが、TOPIGSは痩せ気味のほうが成績は良いと話しておられましたので間違いありません。オランダで一般販売用のTOPIGS

を見てきましたが、信じられないような痩せた育成子豚でした。

 給与量を減らすと、空腹で育成豚が辛抱しきれなくなるかもしれません。そんな時はヘイキューブなどの繊維性のものを与えて空腹感を補ってあげてください。 (矢嶋)

表3 飼料給与マニュアル

飼料項目

Starter(9~14週)

Rearing1(15~20週)

Rearing2(21~32週)

Flushing(33週~ )

ゆめ種豚74(計算値)

期待増体(g/日) 750 700 650 640~1,300 ―ME(kcal) 3,100 3,000 2,900 3,110 3,130DE(kcal)※ 3,220 3,120 3,020 3,230 3,260有効リジン(%) 1.10 0.85 0.65 0.70~0.65 0.66カルシウム(%) 0.80 0.75 0.70 0.75~0.85 0.74有効リン(%) 0.38 0.35 0.35 0.26~0.29 0.30亜鉛(ppm) 125~180 100~180 75~180 50※

※注1:DEはME×1.04の換算値 注2:亜鉛は添加量

表4 TDN74 の飼料の調整

飼料項目

ゆめ種豚74 種豚74+ふすま140kg添加飼料TOPIGS要求量

不足分添加量

TDN 74.3 72.4 69.5 ―有効リジン 0.56 0.58 0.65 1.0kgカルシウム 0.74 0.67 0.70

300g(注1)非フィチンリン 0.30 0.30 0.35亜鉛 50ppm 43 ppm 75~180ppm 4kg(注2)

注1:第3リンカルとしての添加量です。注2:Rearing2・Flushingとも亜鉛の代わりに『ゆめマミーB』を種豚用飼料1トンに対し4kg(0.4%)添加してください。

TOPIGS 育成豚

Page 4: 日本養豚事業協同組合...このような発育曲線を維持するた め、TOPIGS社では表3のような飼料給与マニュア ルを推奨しています。. TOPIGS-20を組合員の皆様が購入して育成する

ホームページ    http://tonjikyo.or.jp▼ ▼ ▼

E-mail    [email protected]▼ ▼ ▼

ホームページ    http://tonjikyo.or.jpE-mail   [email protected]

▼ ▼ ▼

▼ ▼ ▼

4 5

 PEDの感染報告を頻繁に耳にするようになった昨年の春、「福島県でも1農場で発生が確認された」と家畜保健所から一報が入りました。 ㈲馬場ファーム(注1)は新潟県と福島県の県境にあり、周囲100kmには養豚場がなく、冬は5m近く雪が積もるような場所にあります。TOPIGSのGP農場ということもあり、防疫体制を強化していましたが3年目を迎える前に、PEDウイルスの侵入を許してしまいました。 4月23日午前8時、農場から「分娩舎で下痢が出ている」と連絡が入りました。すぐにコンサルタント獣医に連絡を入れ、農場へ来てもらうようにしましたが時すでに遅し。時間が経つごとに、分娩舎で次々と子豚が感染していきました。家畜保健所にも連絡を入れ、検体を渡し、翌日「PED陽性」と連絡が入りました。 農場には2棟の豚舎があり、そのうち1棟は販売豚舎です。感染力の強いウイルスだけに、販売豚舎も感染が疑われましたが、PCR検査の結果感染しておらず今後の種豚供給にも影響が出るため、陰性が確認された3ヶ月齢~5ヶ月齢のPSをグループ農場へ移動するように指示が下されました。しかしPED発生農場から豚を輸送してくれる運送業者はいませ

ん。運送業者が見つかるまでは、糞尿処理の一時停止、陽性豚舎に入ったら陰性豚舎の担当者とは接触しない、豚舎から出たらシャワーを浴び、作業着はすぐに洗濯をする、また感染がひどい分娩舎に入る際は、専用の作業着と長靴を着用するというような管理体制を整えました。発生から5日目に配送業者が決まり、感染していない豚舎のPSを出荷しました。 出荷後、すぐに強制馴致(注2)を行うようにと指示されており、母豚10頭に対して発症後24時間以内の生きた子豚1頭の腸管ミンチを1Lの水で溶き、すべての母豚に3日間投与しました。発生日から毎日、下痢や嘔吐、食欲低下などの観察・記録を行い、強制馴致後も臨床症状を1か月間確認し続けました。100頭中15頭は無症状でしたが、その後の抗体検査で抗体価が上がっていきました。PED発症後は、生まれてくる子豚は全て殺処分(強制馴致後は生後すぐに処分)を1か月間行い、交配も全くしない状態を続けました。販売豚舎は部分スノコで除糞機が入っているため、洗浄後消毒液の濃度を上げ3回乾燥・消毒を実施。繁殖豚舎はピット式のため全てのピットを空にし、石灰消毒を徹底的に行いました。 発生から2か月後、農場内にウイルスがどの程度いるのかを確認するために環境下のウイルスチェッ

TOPIGS-GP農場・㈲馬場ファーム

PED撲滅プロジェクト~発生から今日まで~日の出物産株式会社

 森川 和徳

ピット内清掃の様子① ピット内清掃の様子②

Page 5: 日本養豚事業協同組合...このような発育曲線を維持するた め、TOPIGS社では表3のような飼料給与マニュア ルを推奨しています。. TOPIGS-20を組合員の皆様が購入して育成する

ホームページ    http://tonjikyo.or.jp▼ ▼ ▼

E-mail    [email protected]▼ ▼ ▼

ホームページ    http://tonjikyo.or.jpE-mail   [email protected]

▼ ▼ ▼

▼ ▼ ▼

4 5

クの開始と合わせ、PED撲滅プロジェクトが始まりました。どのような方法で清浄化に至ったのか、ご説明いたします。

㈲馬場ファームにおけるPED撲滅プロジェクト① ピットの消毒

 ピット水はウイルス量は減少しているものの一向に陰性化にならず大変苦労した。当然ピットは空にするが、全ての有機物を排除することは難しかった。ピットの高さは50cm程度。人が這いずりながらの作業を繰り返し、徹底的に掃除を行った。そのような中、コンサルタント獣医の先生から強アルカリにすることを勧められ、ピットを空にして新しい水を入れた。その際に水1m3に対して炭酸カリウム200gを投入して強アルカリ性にしようとしたが、pHが全く上がっていなかった。そのため新しく溜めたピット水1Lに対してpH11にするのに何gの炭酸カリウムが必要か、リトマス試験紙を用いてテスト後に投入量を決めて改めて実施した。結果25m3のピットに対して約10kgの炭酸カリウムが必要であることが分かった。しかしピットから完全に有機物を除去しなければ効果はなく、人海戦術で徹底的にピットの清掃を行った。何度も何度も同じことを繰り返し、ピットに水を張り検査に出す。当然、毎月獣医師の巡回指導を受け、PCR法による検査をしてウイルスの動向を見た。② 抗体検査と追跡調査

 家畜保健所からの依頼もあり、抗体価がどの様に推移していくかも合わせて行った。強制馴致を行ったので抗体価は一定以上上がっており、どの程度で減少していくかを毎月同一個体(母豚)とロットごとに5頭ずつを1年間実施した(現在も子豚については県の事業で継続中である)。徐々に減少はしていったが、一向に減少しない個体もいた為、抗体価が高い個体は淘汰した(その間PEDの再発症は見られなかった)。 3月中旬生まれの子豚から7月中旬より抗体陰性が見られるようになった。環境下にはウイルスが存在していたので、いずれ感染する可能性はあったが、陽転することは無かった。③ 自家更新による豚群の陰性化

 前述したように7月中旬より陽性の子豚がみられ

なくなったこともあり、母豚群の更新を通常よりも早いペースで行った。外部導入が難しい中、自家生産ということもあり、また販売が大幅に減少したこともあったため優良な更新豚を選抜し更新を行い、母豚群の陰性化にも努めている(約6割の豚が抗体陰性)。④ おとり豚の導入

 2014年9月にPED陰性の育成豚を6頭海外から導入した。完全な隔離舎はないため、販売豚舎の一部を隔離豚房とし、ほかの豚と接触しないようにした。隔離終了時に抗体検査を行ったが陰性を保ち、また種豚舎へ移動・交配1か月後に採血を行ったが陰性を維持している。

 これらの結果、㈲馬場ファームでは2014年10月から販売豚のPED抗体価は陰性を保ち、2015年2月からは環境下においてもウイルスは検出されておりません。 疾病は一度農場に入ってしまうとなかなか抜くことは難しいです。入らないように防疫体制を強化することが重要です。ただ「清掃→洗浄→消毒」という当たり前なことが「慣れ」になってしまわないようにすることも重要かもしれません。言い換えれば、毎日の作業で「慣れ」が油断につながったのかもしれません。今回PEDを陰性化することができたのは、現場従業員の努力と目的意識の維持だと痛感しています。またトコトン指導をして下った㈲サミットベテリナリーサービスの石川先生はじめ関係者の方々にこの場をお借りしてお礼を申し上げます。

注1: ㈲馬場ファームは、一貫農場として営んでいまし

たが2011年の震災後より日の出物産㈱主導の上、

TOPGISの種豚場として業務を行っています。

注2: 強制馴致は、各農場の飼養形態などの実情に合わ

せて取り組む必要があり、農場ごとに最善の対策

が異なる場合もあるため、個々の農場による独自

の判断で行うことは適切ではなく、獣医師の管理

や行政機関の関与のもとで行わなければなりませ

ん。

Page 6: 日本養豚事業協同組合...このような発育曲線を維持するた め、TOPIGS社では表3のような飼料給与マニュア ルを推奨しています。. TOPIGS-20を組合員の皆様が購入して育成する

ホームページ    http://tonjikyo.or.jp▼ ▼ ▼

E-mail    [email protected]▼ ▼ ▼

ホームページ    http://tonjikyo.or.jpE-mail   [email protected]

▼ ▼ ▼

▼ ▼ ▼

6 7

 第1期豚事協若手経営者育成塾第3講座は6月2日~6月3日にAP浜松町で松村昌雄副理事長の挨拶のあと第1講座「経営の理念」、第2講座「飼料要求率の科学」に続く「養豚をめぐるリスク管理」をメインテーマとする4つの講義が行われました。講義Ⅰ 養豚経営に関わる法律とコンプライアンス 農林水産省生産局畜産部畜産企画課

畜産環境・経営安定対策室長 渡辺 裕一郎 氏

 養豚経営に関係する法律は①養豚振興、②家畜疾病・公衆衛生、③環境対策、④食品安全、⑤その他と多岐に亘っているが、その中で大きく関わりのある「養豚農業振興法」、「家畜伝染病予防法」、「化製場等に関する法律」、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」、「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」、「水質汚濁防止法」、「悪臭防止法」について、資料に沿って概要、背景、施行状況等が説明されました。新たな環境問題等の対応について畜産クラスターの仕組みに組み込んで進めるのも一つの方法と説明しながらも、畜産クラスター事業への申込が多く次年度以降の対応に委ねている状況との説明でありました。義務として法律を守るコンプライアンスは、自らを守るために実施状況を記録に残すことも重要とのコメントで講座を締めくくりました。講義Ⅱ 食の安全とリスクコミュニケーション 公益財団法人 食の安全・安心財団

理事長 唐木 英明 氏

 食の安全と安心については「食の安全」、「食の安心」、「食料の安定供給」に分類され講義されました。「食の安全」については、過去の食品事故を基に科学的な観点からの要因とその対応について解説されました。「食の安全」と「食の安心」の関係については、統計的な手法と人が意思決定を行うときに、暗黙のうちに用いている簡便な解法や法則(ヒューリスティック:直観的な判断)や記憶の誤りからの認識上の偏り(認知バイアス)についてBSE問題を例に説明がなされました。さらに、人の「危険情報」、「安全情報」に対する判断に至るプロセスを解り易く

解説され、「利益情報」によって「安全情報」のウエイトが増すことも新聞情報を交えて説明されました。適切な判断をするための論理的、科学的な判断については、情報量により大きく左右されることが説明され講座が終了しました。講義Ⅲ 養豚に関わる人獣共通感染症とそのリスク管理 東京大学 食の安全研究センター長 関崎 勉 氏

 牛レバーの生食禁止から、豚レバーの生食問題に触れ、豚に潜む病原体の恐怖についての講義が始まりました。豚レンサ球菌の話は後段で演ずるとして、カンピロバクター、敗血症に至るサルモネラ属菌(コレラエスイス)、E型肝炎ウイルス、豚丹毒菌、寄生虫(アジア条虫)について人への感染と症状が説明されました。家畜の衛生管理ガイドラインについては、前提となる家畜伝染病予防法、使用環境・家畜への汚染防止のための手法「農場GAP」、そして「農場HACCP」について概要が説明され前段が終了しました。 休憩をはさんで、ショッキングな映像と共に「豚レンサ球菌」による人の劇症型レンサ球菌症の説明が始まりました。世界及び日本における感染状況、発症のメカニズム、血清型による症状の違い等、生々しい映像を交え、経口感染の可能性にも触れた講義は、質問の多さにも塾生の関心の深さが窺えました。講義Ⅳ 臭気問題の経験に基づくトラブル回避と善後策 有限会社村上畜産 代表取締役  黒濱 武仁 氏

 臭気問題に対する氏の行政との対応についてその背景と経緯について話されました。NHK大河ドラマと市長選に始まった臭気問題(悪臭防止法)に対する行政との取り組みと対応が時系列に述べられ、臭気問題の重要性について地形による臭気の考察、いくつかの脱臭対策に対する考察が述べられました。体験談が当然法令順守を前提とするが、過度な行政対応には環境省の法適用を参考にした対応も時には必要との苦言も披露されました。県の農畜産課が調整役として動いてくれるのではとの塾生からのコメントもあり、環境問題に対しての周辺住民、行政への対応への重要性を改めて認識させられた講座でありました。 (山田)

第1期豚事協若手経営者育成塾第3講座 開催

Page 7: 日本養豚事業協同組合...このような発育曲線を維持するた め、TOPIGS社では表3のような飼料給与マニュア ルを推奨しています。. TOPIGS-20を組合員の皆様が購入して育成する

ホームページ    http://tonjikyo.or.jp▼ ▼ ▼

E-mail    [email protected]▼ ▼ ▼

ホームページ    http://tonjikyo.or.jpE-mail   [email protected]

▼ ▼ ▼

▼ ▼ ▼

6 7

 こんにちは。秋田県横手市で母豚規模150頭の農場で働いている㈲細川農興の細川拓也と申します。このたび動物衛生研究所様・JASV様で運営されているベンチマーキングシステムPigInfoの2014年度の『母豚1頭当り離乳子豚数部門 第2位』・前年からの実績の上昇が著しい農場に授与される『JumpUp賞』という2つの賞をいただきました。これからも、このような賞をいただけるよう精進して参りたいと思います。 今回はそんなベンチマーキングについての私の経験談を話してほしいということで豚事協の方から要請がありました。私自身就農してから4年目とまだまだ若輩者で大変僭越ではありますが、PigInfoを始めてからどのような理由で農場の成績が変化していったか、そのようなことを振り返るいい機会を頂いたと思いお話をさせていただきます。 私がPigInfoを知るきっかけになったのは当農場を見ていただいているコンサルタントの先生からお話を伺ったことが始まりでした。私は以前販売の仕事をしていて従業員同士を競わせるために同じようなシステムがあったので、養豚にもそのような媒体があると知って是非ともやるべきだと感じ、申し込みをしました。 PigInfoのいいところはやはり自農場の業界での現在の立ち位置を知ることができるという点が1番に挙げられると思います。PigInfoの場合全体の計算方法を統一し集計していることもあり、本当の意味で他農場の実績と自農場の実績の比較検討ができます。 私の農場ではPigInfo参加当時離乳頭数が10.2頭くらいだったと記憶していますが、その数字が良いのか悪いのかわからないため、改善しなければならない数字なのか把握できないという状態で仕事をしていました。ただ、最初にベンチマークの解析結果が送られてきた時、軒並み順位が悪く面白くないので、棚に冊子をしまったのを覚えています。しかし、2回目、3回目と解析結果が送られてくるうちに自分

の農場よりも上にこんなにたくさんの農場があるという悔しい気持ちがモチベーションになり、この数字を変えようという気持ちになりました。 それからは勉強会などがあれば積極的に参加して、新しい方法や技術、他農場の方がどのような方法で実績をだしているのかなどを伺ったりして、良いと思う方法があれば農場で実践をして自分の農場に合っている方法なのか確認しました。それをやっていくだけで間違いなく数字は上がっていくと感じています。 そのほかにもPigInfoだと成績がグラフ化されていくので、回数を重ねていくごとに実績がどのように変化しているか、経時的な変化を知ることができ、経営判断の部分でも大きく役立つツールになっていると感じています。 ベンチマーキングに参加するようになって、私が取り組んだ交配関連の改善点は主に次の3点です。第1に深部注入を採用しました。深部注入は1年半ほど前から取り入れていますが、現在の交配方法は『直接交配・深部注入・深部注入』の3回交配です。最初の直交は雄豚が沢山いるため、勿体ないので発情確認の目的で交配しているだけで、実質的な効果は小さいと思っています。近い将来直交はやめます。第2に発情確認後の初交配を遅らせたことです。当初は、発情が来たらすぐに交配していましたが、今は発情を確認してからほぼ1日経過してから交配を開始しています。これが適期の交配になっていると思います。3番目の改善点は、妊娠鑑定器を購入し受胎を確認していることです。これにより不受胎豚の確認が早くなり、同時に精度が高くなったことで年間母豚回転数の改善に繋がりました。 今回、私が今までベンチマーキングに参加して感じることは、もっと参加者が増えればいいなということです。これを読んで新しく参加してみようかなと思う方が1人でもいればとても嬉しいです。

ベンチマーキングで立ち位置を知る秋田県・㈲細川農興

 細川 拓也

Page 8: 日本養豚事業協同組合...このような発育曲線を維持するた め、TOPIGS社では表3のような飼料給与マニュア ルを推奨しています。. TOPIGS-20を組合員の皆様が購入して育成する

ホームページ    http://tonjikyo.or.jp▼ ▼ ▼

E-mail    [email protected]▼ ▼ ▼

ホームページ    http://tonjikyo.or.jpE-mail   [email protected]

▼ ▼ ▼

▼ ▼ ▼

8 9

 養豚場の汚水は汚濁(BOD)濃度としては大変高濃度で、その総負荷量は生活排水の負荷量に匹敵すること、他の排水に比べて窒素も高濃度に含有しているという特徴があると前回お話ししました。その汚水処理施設の維持管理についてお話します。

BOD負荷量の把握 活性汚泥法の浄化の原理をまとめてみると、図1のようになります。 汚水が活性汚泥処理施設に流入するまでに、餌カス等の固形物を取り除き汚濁負荷(BOD負荷)の低減を図るのが一次処理(前処理)に当たります。この一次処理で流入前のBOD負荷を安定させておくことは重要なポイントです。一次処理でBOD負荷量を安定させるためにも、日々豚舎から発生する負荷量

を把握しておくことは大切です。トラブルで多くみられるのが、BOD負荷量を把握しておらず、汚水処理施設の処理能力以上の負荷を受け入れざるを得なくなる所謂“過負荷”が原因の場合です。水量が多い・少ない、濃度が濃い・薄いという定性で把握するのではなく水量と濃度から定量的に豚舎から排出される適正なBOD負荷量(BOD濃度mg/ L×汚水量m3 /日)を把握することは重要なポイントです。

活性汚泥量の管理 BODを酸化分解する活性汚泥量の管理は重要です。活性汚泥量は通常濃度で管理し、MLSS(Mixed Liquor Suspended Solids、単位はmg/ L)で表します。 活性汚泥中のバクテリアは供給される酸素を利用して流入するBODを水や炭酸ガスに分解し且つ自身の増殖を行います。流入BOD量に対し活性汚泥が過不足なく存在すれば良いことになります。連続式活性汚泥法では、運転MLSS濃度は3,000 ~ 5,000mg /Lが適正と言われることが多いようですが、弊社の複合ラグーンシステムでは7,000mg/ L前後が適正としています。その処理施設に合った適正MLSS濃度に維持管理することが大切です。また、水温の高い夏場は活性汚泥自身の浄化能力も上がりますので、MLSSは低めに、水温の下がる冬場は活性汚泥の能力が低くなりますので、MLSSは高めでの運転管理が必要になります。MLSSは日々発生する余剰汚泥の処理を行わなければ増加していきますので、冬場に向かう時

養豚場の汚水処理

第4回(最終回) 汚水処理施設の維持管理 グリーン&ウォーター株式会社 取締役水処理事業部技術担当  横井 星二

�� �

�������������������������

�������

��������

�������������

������� ���������

�� �

����

������

����������������

�� �

����

�����

����

������

図1 浄化の原理

Page 9: 日本養豚事業協同組合...このような発育曲線を維持するた め、TOPIGS社では表3のような飼料給与マニュア ルを推奨しています。. TOPIGS-20を組合員の皆様が購入して育成する

ホームページ    http://tonjikyo.or.jp▼ ▼ ▼

E-mail    [email protected]▼ ▼ ▼

ホームページ    http://tonjikyo.or.jpE-mail   [email protected]

▼ ▼ ▼

▼ ▼ ▼

8 9

期では、冬場に維持するMLSS濃度をあらかじめ決めておきそれに合わせた余剰汚泥処理が必要です。また、逆に夏場に向けては、余剰汚泥処理量を増やしつつMLSSを低めに抑えるような調整も必要です。

曝気の調整 浄化とは、活性汚泥が流入するBODを供給された酸素を消費して酸化することを意味しますが、活性汚泥自身も呼吸のため酸素を消費します。そのため、汚水処理施設の曝気量計算は、BOD酸化に必要な酸素量と活性汚泥が呼吸に消費する酸素量の合算になります。このように流入するBOD負荷量や、活性汚泥量によって必要酸素量は変わります。また、夏場と冬場でも運転MLSS濃度を変えることもあります。さらに、夏場と冬場では水温も違い、溶解する酸素量も変化します。(水温が低いほど溶け込みやすい。)このように必要酸素量を得るための曝気量はその時々において一律ではありませんので処理の安定化のためには曝気量の調整は大切です。そのためには、曝気機器は複数台とし台数制御が可能であるとか、インバーター制御で風量のコントロールを行う等の工夫は必要になります。また、DO計(溶存酸素濃度計)やORP計(酸化還元電位計、物質の酸化度合を計測)で状況を確認し曝気の調整を行う事も有効です。このように、流入するBOD負荷量と活性汚泥量に対して過不足の無い曝気の調整を行う事が、汚水処理施設のBODの浄化機能を安定的に維持するための重要なポイントとなります。

生物学的脱窒素処理 BOD負荷量の把握とそれに対する活性汚泥量の管理及び曝気(酸素量)の調整の管理が重要ですが、養豚排水は窒素も高濃度に含有しているという特徴がありますので、窒素の処理も重要なポイントです。窒素の処理の原理は図2のようになります。窒素分は、糞尿中に尿素・未硝化タンパク質などの形で排泄され、バクテリアや酵素の働きで大部分がアンモニアに変化します。アンモニア(NH4)は高濃度に存在すると活性汚泥の働きを阻害することもあります。ただ、活性汚泥の中にはこのアンモニア(NH4)を好んで酸化するバクテリアも存在し(硝化細菌)、酸素

が存在する好気条件下でアンモニアを亜硝酸(NO2)、硝酸(NO3)に変化させます。亜硝酸(NO2)、硝酸(NO3)に変化した後、酸素が存在しない嫌気条件下で亜硝酸(NO2)、硝酸(NO3)に結合している酸素(O2)を自身の呼吸に消費するバクテリアもまた活性汚泥の中には存在(脱窒菌)します。亜硝酸(NO2)硝酸(NO3)から酸素を消費してしまうと残るのは窒素ガス(N2)で大気中に放出されて一連の窒素処理が終了します。これが、生物学的脱窒素処理です。窒素の処理は、好気条件下でアンモニア(NH4)を亜硝酸(NO2)硝酸(NO3)に変化させ、嫌気条件下で窒素ガス(N2)にするものですからこの好気条件/嫌気条件のメリハリを如何に作りそれぞれの役割を果たすバクテリアを働かせるかが重要なポイントになります。連続式活性汚泥法、回分式活性汚泥法と方式の違いで、窒素の処理については其々管理するポイントが違ってきますので、窒素処理の原理をよく理解しそれぞれ方法に合った管理をしていただければと思います。水質の規制で現在暫定基準が適用されている硝酸態窒素について、近い将来暫定基準は除外されると思いますので、窒素の処理については十分検討されることが必要かと思います。

��������������

���������������

������

���

�����

��������

����������� ��

����������� ��

��������������

������������

����

��������

����

������

��������������

����

��� ��

����

��� ��

図2 生物学的脱窒素処理の原理

Page 10: 日本養豚事業協同組合...このような発育曲線を維持するた め、TOPIGS社では表3のような飼料給与マニュア ルを推奨しています。. TOPIGS-20を組合員の皆様が購入して育成する

ホームページ    http://tonjikyo.or.jp▼ ▼ ▼

E-mail    [email protected]▼ ▼ ▼

10

若手経営者育成塾第二講座若手経営者育成塾第三講座海外視察研修

平成27年3月3日(火)~4日(水)(横浜)平成27年6月2日(火)~3日(水)(東京)未定

そ の 他

※青字は平成27年7月1日以降の行事となります。都合によっては変更・中止となる可 能性もありますこと、ご了承下さい。

平成27年1月23日(金)(東京)平成27年2月20日(金)(東京)平成27年4月24日(金)(東京)平成27年7月24日(金)(東京)平成27年10月23日(金)(東京)

第 1 回第 2 回第 3 回第 4 回第 5 回

理 事 会

中 部 支 部北 海 道 支 部関 東 支 部東 北 支 部中 四 国 支 部九 州 支 部沖 縄 支 部

平成27年5月22日(金)(名古屋)平成27年7月3日(金)(札幌)平成27年7月17日(金)(東京)平成27年8月21日(金)(盛岡)平成27年9月11日(金)(松山)平成27年10月9日(金)(熊本)平成27年11月20日(金)(那覇)

支 部 会

第7回女性部セミナー 平成27年8月29日(土)~30日(日)

女 性 部

● ● ● 豚 事 協 の 年 間 行 事 ● ● ●

●2014年1年間のベンチマークデータの集計結果を基に好成績を収めた農場を表彰する“JASVベンチマーキングセミナー2015”に出席しました。 主要5部門一位の成績は、母豚1頭当たり粗利益部門では744,489円、同出荷枝肉重量部門では2,287.9kg、同離乳子豚数部門では29.99頭、農場枝肉FCR部門では4.13、離乳後事故率部門では1.55%というもの。なんとも素晴らしい成績です。全ての部門に於いて前年度の成績より向上していると思ったのですが、比較してみると母豚1頭当たり離乳子豚数部門、農場枝肉FCR部門、離乳後事故率部門では若干のマイナスでした。PEDが大きく影響していると思われます。しかしながら、母豚1頭当たり粗利益部門では168,840円ものプラス、同出荷枝肉重量部門では85.7kgものプラスと大躍進です。2014年はPEDが入ってしまったか否かによって明暗が分かれた年でもありましたが、高豚価も影響し、PEDが入らなかった農場にとってはかなり余裕のある年になったのではないでしょうか。 PEDは個人だけでは防ぎようがないほど猛威を振るいました。まだまだ油断できない状況です。改めて地域防疫の重要性を思い知らされた年でもありました。●過日ご案内の通り、豚事協Face Bookを始めました!“日本養豚事業協同組合ファンページ”は組合員・非組合員にかかわらず、誰でもご利用頂けます。セミナー案内等を始め、いろいろな情報を豚事協より発信いたします。“豚事協のページ”は組合員専用のページです。お友達になっていただければ、おすすめ商品、価格変更、セミナー内容など組合員にのみ発信する情報をお届けいたします。また組合員同士の交流も可能です。お友達になるにはまず組合員、従業員、ご家族等の確認を取らせていただきますことご了承ください。是非多くの組合員関係者のみなさん、お友達になって下さい!(www.facebook.com/tonjikyo.fecebook)

編 集 後 記* * *

≪胃≫������

 食べ物は胃に放出される塩酸や酵素の活躍で分解され、お粥状にされます。分解された栄養分は小腸で吸収されます。 繊維は消化するのは大変なので胃壁を丈夫にしてくれると言われます。でも胃にとって繊維がどれだけ必要なのか、本当に必要なのかはわかっておりません。 胃袋(ガツ)のモツ煮込みは美味しいですね。根菜類や大蒜、蒟蒻と一緒に4~5時間かけてゆっくり煮込んで軟らかくしたものは、お酒のつまみに絶品です。

���������������