反応時間の構造(1 ) - osaka city...
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反応時間の構造(1 )
上 里子 対k ぅ!E
〆
l はじめに
われわれが心JfJl.学的な実験を行うとき,刺激に対する被験計の質的な反応とと
もに.反応11!f I日lを計測する場介がままある。これは.行られた反応附問の分布に
被験:(i-の ~tll激に対する働きかけの状態が反映しているのではなか〆〉うかというつ=
験計の淡い!羽11寺にほかならなし、。
われわれが有機体のもつ↑11f報処]ヰ)機構を解I~けーるとき.反応H刊'1は 1 つの強力
な指標となる。 :初WJ事象としての刺激と長終1]¥:匁としての反応とのIl.¥]に横たわる
沈黙の附11~I1日11痛に. えいえいと?メ;まれる 1つの機H与が行任することは確かで、あ
り,したがって.観測されたnJfH¥Jの分布にはかかる機構の内部H#J告が反映してい
ると考えてもよかろう。ヰI機体の行うあらゆる行動の附It.H次元としてのjむ凶体的
および反応時!日jの問題も,このような祝点に立ってこそ,はじめて11'.]題の作花芯
誌がゆ!礁になる。
本論文は.hfE7!?が以前から興味をもち.すでに公去した研究 CUcnoとNaka-
scko (1967), Ucno 1968) Jである反応時間の問題を中心にして.問題の所伝.
)艮開を概観し.さらに.われわれの研究の仇iRづけを行うことによって乍:持1'1f~
の反応時!日!の問題に対するー'H塚になることである。したがって.以下の論述に
おいては関係文|猷を単に網羅的に展摂するのではなく.あくまでhi.応時間!の114造
の解明という問題に焦点をしぼることにする。
日 2 つの流れ
このポでは.現時点からムて.その主要性が認められる研究含小心にして尺ら
時間の問題の股聞を杭観する。
2. 1 神経伝導速度
反応時mlの研究は長くて興味のある照史右持 4 ている。す司令心河工学におけるを定
多くの研-究テーマがそうであるように,尺応時間の実験もまたその起源を,tPf1:'ア:
に発している。
(301 ~
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191H:紀の初期においては.興奮させられた神経がその命令を大脳に伝達しそし
て大脳が筋を賦活するのに要する時間は「無限に短かいJと)6'えられ,Johannes
!¥1ullerで、がえも. 神経における伝導速度は決定できないとしていた CDonders
(1868) ,夫1市:1969, p. 415J。この神話を打破したのが. II. von I-Ielmholtz
である。
Helmholtzの研究 W ood ¥vorth (1938, p. 299)によれば,1850年 と1852j:
に,Helmholtzによって行われたカエルとヒトの神経伝導速度の測定が反応時間
の実験の源流にあたるという。 Helmholtzは.はじめ力エルの運動神経における
伝導速j支を問題にした。すなわち.彼はB71からできるだけ維れて神経を刺激し.
次にできるだけ筋に近い神経企刺激することによって刺激と筋収縮の開始とのiH1
の時間!日i隔企測定した。その結果.彼は,q淘Lでガエルの神経伝導速度はfd-秒25
mから40mまで変化し. 、!乙均して毎秒約26mであることを丸出した。彼は. ま
た.ヒトの感覚{r11経の伝導3*1支を求めるために次のような実験を行った。すなわ
ち.椛いf立公νヲツクが政府のある部分にJゴ・えられる。すると.被験者はν3ツ
ク在感じるや?EJや,できるだけ早く予やi羽左用いて何等かの運動在行うように牧
JRされた。-定の運動反応を用いて,彼は.ljL府のjまったf.fI5U1.に刺激をうえるこ
とによりヒトのず均神経伝導速度は毎秒約60m(、あること右丸山した。
I-Ie lmholtz によるこの神純伝導速度の研究は. 2当時の,f:↓乍技市Î'rの水準から Hf~iJtll
してもなみなみならぬ古うj-がなされたに違いない。事実,1961年度ノーベlレ'口受
賞計 Georgvon B仙 台y(1967, p. 152)をして次のように三わしめているこ
とからも |リjらかである。すなわち.“Atthc tilue this was a very important
achicvelnent, becau句 evenat thal rangc of velocities spccial equiplnent had
to be constructed, such as the contacl; pendulum, to produce the stimuli
with sufiicient accuracy. 1 have always heen impre柿 eJby Helmholtz's
achievem211t.,,
われわれは I-Ielmholtzの研究はその旅史的な意味だけではなく .彼の研究47
jE じて J~)i5時間の問題がぷ納神経の伝導速度の決定のための 1 FI変という形で研
究!とにな均したと fii門出しなければならなし '>0 IIelmholtzの研究でわれわれが恥
も陀1!しなければならない点十工.彼はと卜の平均神経伝導速度として毎秒60mと
いう{111K1U.11iしたにもかかわらず.のちに実験の結来にみられるノくラッキのため
にこの数杭にl'1信がなく破来している点である C'iVoodworth(1938), p. 299J。
何故なら.この事実は, Don de rs ',1868,災沢:1969, p. 415) によって f~f尚さ れ
た実験上の不備をjfFj|し、ても.反応時間について現花われわれがもっている知減
( ::l02 ')
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以応!時!日jの構造 (1 ) 71ー
と照合して.何か反応時間に関する本質的な特性合ノ示唆しているように思われる
からである。
次に.われわれは IIelmholtzの現代版として vonBekesy (1963)の研究を
あげなければならなし、彼は,感31の)t,f¥I(localization)という板めて心)111学的
な観察にもとづいて神経の伝導速度を問題にした。端的にいjiば.彼はld党のシとÜIL~こ関与する刺激提示の時間遅れる~ i行主主として伝導の速さを算出したのである。
以 ド, 彼の研究をみてみよう。
Bekesyの研究 われわれはt Bekesyが神経伝導速度の問題全扱うとき.彼の
'lt公vt=.~~学:および心理学に対するガ法論的な考察が色濃く投影していることにま
ず花IIしなけれはならなしョ。すなわちt Bekesy (1963, p. 1277)は,:以終的に
は , 首公t' 1~J~R学的に符られたデータは心耳lt学的な観察 (obscrvations) に従わせ
なけれはならず,また.心Jill学的な観察を解釈するときのiりjけとならなけれはな
らない」といい , 感覚神経の伝導述j立の rB]}ill も . このような観点に ~'L ~)て Jfえな
{Jればならないとする。したがって.もし神経伝導速度に担止めて強く依作してい
ろような心瑚学的な感覚 (p~-ychological scnsations)を見つけることができる
ならば.神経伝導速度の問題は.彼にとづてはよい研究課題になる。彼は,!吾、'長;
u)定位に|期するし=くつかの現象はこのような要請企満すものであり,感覚uコ1S54
: l:).l}!学:と心j理学との間に生産的な交流企約束するものであるという。
感覚の定位 Bel必syが神経伝導速度に興味をもったのは万111j聡JJ (dircctio・
llal hcaring)の問題に端企発している。すなわち. クリックffた発'1,:.する 75淑
どくて1mに.特に1:11火水平rlIlに定位させたとする。背の11可q:に述する11寺1111J2に主治
なければ討はrli火水平副に定位する。 もし約 1nlSCCのi時間22があれば. iTj阪は
Illij 1 rの今ち蚊初に音を受ける lf.の万向に横に定位する (Bるkesy(1963), Fig. 1J 彼によれば.横への運動の感覚を皮むためにはO.lmsecほどの時間五で十分であ
るという。 したが J て.定位現象は小さな時倒産を見つけるのによい刀法とな
り.感覚の伝導速度の測定に板めて有効な手段を与えることになる。
!日j腕j国側 '~I - l火台rs位に 2 佃の振動 f右25C11l離して l つづつれき . 2 つの11~到J!出μ
がその感覚の大きさにおいておfi;;こ相等しくなるように注怠深く凋怒されたとす
る。次に,一方の振動 jこに少なくとも 1.21TIらcc必どの時間の遅れをうえることに
よ・ 3て.2つの!1H1激された領域のけ'H日にlつの感覚が定位するようにする。 !時間
の選オL・5f!??滅することによづて.振動感覚をこの新しい中間の感、党領域から双方・
〉振動 j乙の}J'へ砂動させることができる (sekesy(1967), Fig. 124J。 この均
台.得られた伝導速度は 1.2nlsecあたり25G眠
(303 )
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- 72ー
Bekesy (1963, p. 1280)によれば,振動および 触覚の伝導速度の推定値は.
上述した方法とはいささか違った方法を用いても得られるという。すなわち,2
本の司:1指を 2つの振動子の上におき両娠動子への刺激の時間に淫かなければ,感
党は 2つの振動予の中間に定位する。感覚をこの中間点からどちらか一方の振
動子の万に移動させるためには 1msecの時間差を与えればよい。すなわち, 1
msecの時間差が 1本の指の感覚を抑制することになる。
たいそうな装置を使わなくても.われわれは容易に機械的な刺激の感覚の伝導
述j交を調べることができる。 24(の中指のさきを毎秒約 1同の割合でお互に接
触すると, 2本の指先に機械的な刺激を何んの時間遅れもなイ作り jjlすことがで
きる。このとき触覚の感覚は 24三の指の先端の聞に定位する。しかしもし中指の
うちの 1本で口唇を触れるならば.指の触感覚は前腕の全長を通過しなければな
らずL¥唇での感覚よりも 1msec以上遅延させられることになる。事実. われわ
れは,触感覚はもはや指先にはなく . もつばら唇にあることを体験する。次に,
指先で足の下部を触れると足での感覚は遅延され,したがって感覚{.tJi.の皮h守の
ところにはなく大部分は口唇のところに定位している CBekesy(1963), Fig. 4;
Bekesy (1967), Fig. 127)。
Bekesyは定位の方法を用いて.振動感覚.温度感覚, 味覚などの感覚神経の
伝導速度を算定したのであるが. 実際、に得られた速度の大きさは I-Ielmholtzか
求めたものよりもその orderが 1つ大きし")0 この点に関して,Bekesy (1967, p.
154)は,Helmholtzは同時性 (coincidence),すなわち, 2つの感覚のj法大強
度のi時間的一致性に基準をおいて求めたのに対し,f1分は感覚の定位にもとづい
て;!jljりitlしたと考察している。いろいろな感覚神経の伝導速度として彼が計算し
た数1111は.彼自身「ほんの予備的なものJlBekesy (1963), p. 1279l としてい
るが,W(の業績をf考えたとき信頼にたり得ると考えるべきであろう。
われわれは,Helmholtzの研究において.反応時間は神経の伝導速度を測定す
るための指原であることをみてきた。他ノJ,Bekesyの研究においては. われわ
れは.反応時間の問題は感覚の定位に関与する時間の渥れの問題に関係づけられ
ていることに気づく。いうまでもなく ,Bekesyにとっては,神経伝導述j交の!日j
jlliはlrLにそれだけの問題ではなく .あくまで彼の感覚系の抑制理論の一環として(立也づけられている。したがって.われわれは.反応時間の問題を Bekesyの枠
組で論じるとき常にこの点に問怠せねばならない。
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}jJl5時間の構造 (1) - 73-
2.2 中枢過程
すでに論述してきたように,l-lclmholtz (1850, 1852)は反応H寺iiijを神経の伝
導述度決定のための手段としたのに対し.弁万11や選択などのよりil;i次の桁:fljl過犯
の11年!日!的次元にまで研究領域dfj判長し反応!時間の問題に新天地生1mいた研究官と
して.われわれは F,C, Donders (1868)の名前をあけ.なければならない。
Dondersの研究 われわれは.反応時1111に関する彼の研究が彼以後の研究はい
うにおよばず.今日われわれが行っている反応時間の研究.特に理論的な研究に
おいて何等かの形でその影響を 'j,えているという事実にます注[Jしなければなら
ない。 1868年に古かれた論文がその百1.1:~ ;記念して,vV. G. 1‘Lostcrによって災沢され.AcfrJPりcflologicα30(Allut!ioJl aJld PeJ!orJJl(l}/ce Il, 1969, p.
412-431) の誌.I~~に j則夫されていることから推しても彼の研究に対する,t\l~IlIliのl(;j
さがうかがえる。
われわれは Dondersの治似合 2つのiWllfiiから巧-察しなければならない。 1つ
は,彼が反応It切りについて!別総な概念的モデルを梢怨していたことであり .f也の
1 つは . このモデルを基調として実験データの数値til-31:を合めて JJ.;.い怠It~ミで・の尖
Jt免除.('I~~ご開発したことぐある。
まず.反応時間に対する Dondersの与え)Jである。彼は,11つの概念、を思い
付べたり .あるいは. (1 分の芯:ぷ~友現したりするために貨やす時間を決定する
ことはできないだろうか」という問題に数1年間!とりつかれたという CDonders
(1868) ,英訳 :1969, p. 417コ。その後,till激と反応との112jで経過するn刊U.す
なわら.l~l i rsch が l呼んだいわゆる生理学(I/~1時間 (physiologicaltimc)のjlSMに
は布IH~ll活動に関する何等かω 新しい成分 (components) がはさみこまれている
という考えにJ主したという (p.418)。 したがって,Dondcrsにとっては. もし
この仲人された成分が生肉学的時間をいかほどに長くさせるか右調べたならば.
これは押入された成分に対する時間在税わしていることになる。このような苛え
のもとに.彼は反応時間に関する一述の実験を行ったが紋初の実験は次のような
もので;.,1')ソた (p,418, p. 426-427)。
2 つの IHJ等な'15棋が左打凶f~にそれぞれ 1 .. rずっとりつけられる。可欠νJツ
クがイ[よf.あるいは花足にかかるように実験装れがセットされる。実験は 2通りの
h'法で行われた。すなわち.(a)第 1のJj法では.被ji食背にはf1iibりてjιti・どち
らかゾjの):è.に'必公ν ィックがかかる亡とが知らされており . 反応はIG坑ν~i
クがかかソたのと 11iJじ側の子でなされた。(b)第 2の方法では.被験tfにはどち
らかの)Eに屯気ν1ヅクがかかるかは前も.)て知らされておらなし、。しかし Jli.
(305 )
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一 74一
J;tは前古と同様に, 刺激された側の "tで行わなければならなかった。測定結束
は.後者の方が前者よりも時間がかかった。 Dondersによれば.両者ーの問のl時1m
iEはどちら側が刺激されたかを決定し, かっ.布側あるいは左側へ怠ぷ(will)
の活動を決めるのに要する時間を現わしている。そして.残りのn寺rmについては阿者とも全く同じになる。彼は問機な万必で.視覚,聴覚についても実験を行っ
た。
概念的モデル さて現時点からみて,Dondersの研究においてわれわれの注怠
をidも喚起させるものは何といっても彼の反応時間の過程に対する考えガであ
る。前述した彼の構想を今様j弧な JH認で友現ずれば次のようなものになるだろ
う。すなわち. 刺激と反応との間の時間は直列的な連続過程あるいは slagcに
よってとiめられており .各成分 stageはそれ以前の stageの処理が終ったとき
のみその機能を開始するということになる。これは,反応時間におけるlt_{(ダIjp自の
情報処血機構の繭芽であることはiリjらかであろう。
Dondcrsのこの概念的なモテルは. J見"{E, 反応時間の機構を問題にする研究
者に implicilにせよあるいは explicitにせよ何等かの形で採用されている。た
とえば,Neisser(1963,1964〉,Sternberg(1966,1969),Taylor(1966〉,S110dg-
rass et al. (1967)などの研究があげられ. さらに処理段階の持続的問に対し
て強い数学的制限を設ける研究. たとえば. Christic と Luce(1956 , Rcstle
(1961, p. 164-187), McGill (1963), I-Iohle (1965)なとの研究, そして.わ
れわれのモデル (Ueno(1968), Ucnoと Nakaselζo(1967)J もまたその内部川
泣において Dondersの考えガと符合していることは否定できないだろう。
3つの方法 次に, Donders (1868,英訳:1969, p_ 429 431)が反応iMINilに
|対する彼の構lliを証明するために考案した実験操作について論述しよう。彼は刺
激と以応との聞の時間に仲人され1.-stageの持続時間を測定するために 3 つのノj
fとを々家した。 これらは.いまでは a一法. b 11;.およひ c 法と呼ばれる。その
JL体的な(ダI}を次に疑不しよう o Dondcrsの災験では. ~i!j激として 5 コのE11Trku ,
Ile I lu, IlO ,;Oよひ Illl が使jりされ.尖験者は各試行ごとに 5つのうちの 1つを先
むした。
a ~lt :刺激は常にたl(;反応もまた'市に lu。
b -rt. :刺激 (S)は 5つの!=FLほのうちのどれか lつの)メJIl)ll()は SとIj" fJ ー-の111.音で行-ぅ。たとえば, 5が I?oなら R も l?o,Sか I?eなら
l(も I?eなどである。
じ一法 :刺激 (S)は 5つの211ffのうらのどれか lつ。 反応(lr )は ぷがが
(306 ;
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反応時間の構造 (1) - 75-
のときのみ行う。たとえば,ある試行において Sが kuなら Rは
行わず,5が luなら R は が で行う。
Donders (p. 424, p. 430)がこれら 3つの7げがミを用いて取得した実験結果は.
b-法で反j;I)時間が最も大きく , 次に c _法. 1\えも小さい反j;t~rt~打開は a 一法である
ことを示した。彼はこれ九 3つの方法によづて;.Jとめられた反応時間を相互に;:;Iく
ことによづて.たとえば.h-法の結-果から a一法のそれ4fq|し、たり.あるいは.
C一法の私li架から a一法のそれ合jJ Iくことによ・ヲて.彼の意関した stageの持続1.1年
間の決定とその*:~~性の解明を試みたのである。これ!ろ 3 つの力法は. その後大変
popularになったが.問題点も多く今'1i t紀の初めには全くかえりみられなくな司
た CvVoodworth(1938), p. 309lo しかし近年彼の研究が刊.評1ilIIされるにつれて
彼の引き'ff.訟も新しい観点より問題にされてきている CSternberg(1969) の研
究など〉。
われわれはI Dondel・5 が反応時間を構成している成分あるいは stageのうち
のある部介在実験操作と相対的に規定することによって.したがって,操作的に
よく定義された概念を導入することによ「て反応時間の内部構造の解明を試みよ
うとした姿勢に注目しなければならなし、しかし,このことが彼の怠に反して批
判され問題を混乱に務し入れたことも. われわれは十分認殺しなければならな
いn さらに.~&:が反j;C;f1寺問についてかなり明確なイメージをもちその慨念化され
たモデルが. 現了Eわれわれが取扱う政9IJ ~~の処P.H機構の源流にな勺ていることに
も開立しなければならなし、。
2.3 総括
以上でわれわれは反応時間の問題の展開を慨慨してきたが.次のように要約で
当る。
1 )反応附Ilfjは2つのレベルで問題になる。 1つはラ|ミ梢であり ,他はrl:r相互であ
る。
2 '¥末梢神経の伝導述皮を決定するための下段として反応時間iを取倣う立jfJ.が
ちる。布It終伝導速度は単純な反射に要する反応幣fl寺から,あるいは感覚の定イ12に
関する刺激のH守防iの遅れから 71:ili汚れるn このような例として.I-Iel mhol tzと
Bekesyの研究があげられる。
3 ) 弁万1]や選択の行動の附間的次冗として反応時間企11~倣う立j坊がある。 Don
ders lT)研-究にみられるもので現在われわれが反応時間を問題にするときの立jq
である。
( ~07 i
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--76-
4) 反応時間の最も典型的なモデルの 1 つである直ヂ1J1~~の処理機fi号の原形がす
でに Dondersの構想、の中にみいだされる。
川情報理論
前線開論を心7甲工学の問題に適用する試みは,1950年代にその頂点に述し,60年
代には衰退し.現在ではその反省則に人・っている。 本章では,情報理論.特に
C. E. Shannon (1948)の通信理論の観点より反応時聞を取扱った代長的な研究
々小心にして問題の展開をみるが.その際,関係文献を網羅的に股慢するのでは
なく . 反応時間の内部機制の解~fifl というなj坊に VLって問題を慨観し . 問題点~:核
Jf11.する。
3. 1 理論的背景
情報Jm論が心理学に適用されてはペ'20{f:.あまりになるが.↑!?報rrf1.:.論の心JIl1_乍へ
のインパクトは大きく ,また Millerと Frick(1949 の仔IHこみられるように.
諸科学に比して心理学の情報瑚論への反応も;恨めて速かった。情報開論の心開?:
への適用例は多岐にわたり .それらは,Quaster 1955), Attneave (1959), Luce
(1960), Garner (1962 などのテキストおよび概論書にみることができる。反
応時間の実験に適用された例についての文献展I:設は.戸川とi白il+1(1959, p. 50
52), Garner (1962, p. 39 52), Laming (1968, p. 1-16)にみられる。
さて , われわれは情報開論の反応n~fI i:'t Iへの適JTJW1lに焦点をしぼり!日j胞の!出先14J
J,.るのであるが. その|深, けくのような典明的な尖験万法を前提J_にしな (rj';ればな I~、
ない。
実験事態 有限{同の刺激の民fTのr1'1から 1つの刺激が選ばれ被験計に挺不され
る。被験計には.提示された刺激に対応する反応企有限制の以応の能代のI11か
ら選びできるだけ早く行うように教示されろ。 ~ill激は立に十分よく分離し (dig
junctive) ,したがって.被験{l"よn刊1Jさえかければ殆んど誤なく反応することがで、きる。 ζのような実験(.1,一般に, 選択j反応 (choicereaction)実験ある
いは識万1]ri d e n t i f i c a t i 0 n )実験と呼ばれており ,前市の Dondersの b一法に対
応する。
枠組 次に,われわれはこの選択反応実験と対比させるためにも!;保理論の慨念
的な枠組を肢小限度論述しなけれはならなし')0 図3.1は肢も一般的な通日系の関
式的ぷ現である CShannon(1967), p. 33-35Jc 情報源 (inf Oflna t i on gOll rce)
( ;~08 )
-
反応時間の構造 (I) - 77 --
は,通報 (message)あるいは通報の系列右作り i:iJす。その通報は通信路 (chan-
nel)に伝送されるために.送信器 (transmitter)によって伝乃 (signal)に変
換される。受11=1"6~ (recei ver)は信号から通報企再構成するために.受信したい
号に逆変換を行う。受信|己|椴 deslination)は通報が予定されている人あるいは
物を表わす。雑資源、 (noisesource)のili力は通信路を通過,+,の信号に付加され
ろため信号は11み,受信された通報はしばしば伝送された通報とは途ったものに
なるの
I NFORMATION
SOURCE TRANSMITTER
t→ーSIGNAL
M ESSAGE
-ー
小
ーみ
RECEIVEO S IGNAし
NOISE
SOURCE
RECEIVER DESTINATIO N
ト←一
MESSAGE
図 3. 1 通信系の抽象化されたモデル
一般に.心J!I!.'判,こおける'h刊iml論の適Jl]例のうらで,反応附It¥jの,}ミ験への適nJ
は最も (-1然なj杉での適HJであるとされている。それは凶j在の聞の analogyにも
とイいている。しかし,われわれは図3.1の件要素が反応時間のrた!検事態とし、か
(こ同フ立されるかという1I~I~mに対しては必らずしも一義的なW(;~~ も・ 2 ていなし ')n て
の問題は.いままでしばしば|口l避されてきたようである。しかしわれわれは 1
つの例として. Hyn1an (195:1, p, 188)の制定合あげることがで主る。
すなわわ.111に,t ~ t (L, r-選択反応実験!よ通日系の 1 つのモデルとして ~J.1.;.小
=とがで主る。 Displayは↑11j報の送信総仕ぷわす。 件~{lj激 . したがって,U-fJ
O必刀(J1) ,t通報 (JJ'!eSS(ぽσ〉右衣わす。それゆえ. われわれが選択することかできる通報の数が多くなればなるほどよりちくの↑l1j報が伝迷される。 1,i'りが伝送
きれる通1',.j'lfn V'IUI'J1 11 e 1 )は. 〉じと被験f.i'(Si との間にある雫問と与えるこし
ができ.また Sの視覚系の一部をも合{sといえる。 Sはまた受11.~'総 (rereiver
ヒして. したが 4 て dccodcrとして行動寸る。そこでは,.... c,'は日けを Jm報にdecodeし適叶な反応日行報の受1il'日原 (des!iJ1ation)J念行な
われわれは↑!lj報環論の概念的枠組右人間のhlj:報処.sl!機構の 1つのモテルとして
採用すると:5.1-1 ymanのこの同定はもはやJ命令トであるといえるの彼は選択}ゆと
(B09 )
-
- 78 -
実験を構成する物理的布置と通信系との analogyを求めたにすぎない。人間を
1つのブラックボックスと見倣し,その情報処理機構を通信系の文脈の中で解明
するという立場に立てば,われわれは情報源を刺激の集合と.信号を促-示される
刺激 L そして受信目標を反応とそれぞれlii]'ftしなければならず,送信器,通信
路.受信指および雑音源、は人間の内部構造のモデル化されたもの.すなわち,itJ:
按観視11不可能な媒介変数項と考えなければならなし。
最適符号化 われわれは,Miller (1951, p.. 206), Hick (1952), I-Iyman (19
53), Cros'5man (1953), Bricker (1955)などの研究によって.平均反応時間 f
と刺激の平均'情報電 H:あるいは.何んの 21まりもなく反応がなされた均fTは平均↑!?報伝注目.T との[!?iには l次関数が成り立つことを知っているのすなわ
ち.
f=α+bI-I (3.1)
ここで,!l二 _~ρtlOgÞI , aと bはiEの712数η Tlは第 i孫ilの刺激の促jR
Mii〉444f,Jえわす。
さて,(3. 1)式の各項には,一般に次のような解釈がはどこされている。刺激
の選択肢が 1例の場合(単純反応昨年間!の実験)には.H=0となるため.(3. 1)
式より tニ0 したがって,σは刺激の選択以外の過程. たとえば.迩勤反応に
托すn~f間を表わす (CrOS'5mln (1954, p. 44), Bricker (1955, p. 358)Jo bH (上
~HI激の選択に刑する時間 , 言いかえれば, 情報処理に費すl時間を現わすと巧-えら
れる。したがって,(3. 1)式の勾配の逆数 dlljdf=l/bは定速度となり ,これは
選択あるいはl識別における人間の通れ科目:(channel capacity)を衣わす 1つの
折仰となる。通信従量は1J].秒あたり i伝述される情報車;と定義されており . その ~p.
枕は bitsjsecである。
われわれは選択反応における反応時間を桝造の立場より問題にしたとき,次の
2 ,rえに11I iしなければならなし')0 1つは(3.1)式によって表現されているように.
観iftlJされた反応時聞は σ と bHという 2つの成分の和とされているよ11であり .
他はそれぞれの成分についてもっともらしい解釈が与えられている点である。前
I守の保証は実験データと相対的に決まるため論点は少ないと忠、われる。問題は後
仔のうち,特に blIv)意味あいである。上述の解釈の論理的な基礎は下記の定政
(Shannon (1964, p. 71),定珂111Jにもとづいているのすなわち,11つの蹴放
(1句通信路は通信容量 Cをもら.出itl放的↑lij朝刊京は毎秒、H のエントロピーをもっ
ているとする。もし HζCなら.情報源の111力に対しては任志の小さい21りの
j悶j立(あるいは.任意の小さい散決皮〉をともなって.通信路を通じて伝送され
(310 )
-
反応時間のftl}造(1 ) - 79
ることができるような 1つの符り化の系 (codingsystem)がイ子伍する。 もし
11 Cなら.散{失度が Ii-Cトε(ここで.εは任意に小さしウよりも小さくな
るように桁報源を符号化することができる。 i孜 f~ミ度を II- C より小さくなるよ
うに符号化する方法は存在しないJ。
われわれは (3.1)式を Shannonのこの定J1RにHUらしてみたとき,(ω3.1)ユ
選択7予E態において最適符弓号.化によつて't防J汚;報が処理さオれ4もLたことを1怠3立:l例味見床:していることに気づくだろう。問題はその最適符号化の具体的な形である。
l-lickのモデル Hick(1952)は 10何の豆球をいささか不J-)tJtlJなITj状に配iE
し.10frmの Morsekeyをそれらと対応させた。彼は.等HI除名で提示される 2 ~
10例までの刺激の選択肢について平均反応時間企求めた。その結果?りられたァー
タには次の式がよく適合した。
t =b log(Jl -1) (3.2)
ここで.Jl は刺激の例数。
3.2)式は,(3. 1)式において.び=0,Tiニ1jnとおき.さらにJl1・1とおく
ことによって得られる。すなわち.(3. 2)式は情報源がその此大の↑15報(不雌定
性)を発生させたす4115、に被験前が|白:而したときの行動状態、をI記述している。われ
われはすでに.被験指はかかるが態においては は.2)式が成り立つ|披り iik適符り
化合行っていることを知っている。なお.Jlト1の解釈についてはI-lick(1953,
p. 4)右参照。
ところで,1法適符弓・化の具体的な様式であるが. l-lick (1953, p. 13-16)は4
つの械念的なモデルをHlift以し.そのIjlの2つだけ(厳密には 1つだけ)が尖験ア
ーグと対応することを明らかにした。すなわら.彼は,ある対匁を JJI仰の内的
な標準(あるいは.templets)のうちの正しいものと lnatchさせることが識別
あるいは認知の過程にはかならないと与え.:jdljして 2槌類の様式を仮定する。
lつは.対象について 川 個の棋7j: (re plica)在つくる rcplicationの過.f:rJ.. -f也
は探'ぷ (scarching)あるいは分類 classification)の過紅である。さらに. lFj
tf(よ時間i地生々慮して. 1) I日j時的あるいは波列的 (sinlultaneous), 2)直列的
(scrial) ,および 3) I~l 己 (se1 f)と分け.後釘も.1)l能率的 (randon1),2)
体系的 (systelnatic)と区別する。 llick(p. 14, p. 16)によれば.これらの仮
説的なitiF11のうち,self-rcplicationだけが (3.2)λのj診を専illするが.それと
ても満足すべきものではないという。
I-lick (p. 15)が(3.2)式の基礎機制のモYルとして提起したもゅは.彼のj羽説
」したがえば.進行性分類 (progressiveclassification)と呼ばれるものである。
(311 )
-
噌-
- 80ー
この過程は.図3.2に樹状r~式 (trec diagram)の形で示してある。分類過程は
テスト(あるいは stage)の集合より構成される。最初のテストは, 対象(選択
反応尖験では刺激〉を 2つの equi probableな分類のうちの正しいプ3・にi泣くこと
TEST I 2 3
図 3.2 Hickの進行性分類過程
である。次に.このテストの結果に応じて 2番目のテストが施行され.刺激が前
もって決められた分類基準に達するまでこの過程は進行する。すなわち,これは
系列的な 2分割分類過程であるo JJl ~最終的な下位分類の数を衣わし . かつ .
JJZ か 2の整数乗であるとすれば, 1つの刺激が分類に 用したテスト (あるいは
slagc)の数は lOg2'J1Ilとなる。したかって.このようなモテ、ルから演緯される 1
f!fjjの反応時間の構成成分は図3.2の樹の l本の小枝であり .実際、に観測された以
応l時間には.通過したテストの個数と各テストにおいて消費した処理時間とが関
係していることは明らかであろう。
以上のことから,われわれは.lIickは何も言及していないが,彼の展開した
進行tl2分割lテストは.いわゆる雑音のない離散的な理想通信系における 2述符
り・化 (binarycoding)にすぎないと言える。また,われわれは !Og2JJl の J}lは
物収的な対件をもっていることも指摘できる。すなわち.(3. 2)式は (3.1)式よ
り.刺激の等確率提示条件と「何んの刺激もない」ということも lつの刺激であ
ると考える ClIick(1952,υ. 4) Jことによって導出されている。それゆえ,わ
れわれは !Og2/Hの Inを(3.2)式の n+1に刈-応させることかできる。
I~Iick は , 1 ~10個の刺激光とそれぞれ対応している key ~押すことによっ
て得られたところの Merkel(1885)のデータおよび彼自身のデータに対して.
(312 )
-
)jJlt~時間の川浩 (1) - 81ー
(3.2)式が適合することを見出し.(3. 2)式の担論的な哀づけとして上述した 2j}
苫IJ決定モデル金提案した。さて.ここでわれわれは.彼のモデルが (3.2)式を導
出する唯一のものであるかどうかという問題に直面せざるを・得ない。結論的に三
えば.l-Iickのモデルだけが (3.2)式の前促-とはならなし、。すなわち.Rapoport
(1959, p. 301-302)は.図3.2 ~,ー示された情報処理系を!時I"l¥J '1世lに|対して系列的で
はなく|司IHj(1'~ と見倣した。すなわち . Hickのモデルを並列型の処理モテルと々
えたのである。そして.彼はt overtな反応としての反応時間あるいは確率変数
としての反応I.l!j問は図3.2の樹の伎のうちその以反のものと仮定しさらに,各
伎の処j}l~ lI ~j: IIUは指数分布に従うという条件のもとに (3.2)式と数学的にIqjJ惨なも
のを誘導したのである。それゆえ.われわれは現在 (3.2)式のモテルとして 2つ
の対立するモデルをもっている。
さて.これら 2つのモテルのうち.どちらが (3.2)式のよりよいill担モアルと
なるだろうか。この問題の併は. 13 うまでもなく.うた験(I'~ に ;Jとめなけれはならな
い。しかしながら.実際問題としてこのような実験を計附することは.かなりの
.!Jj妙さが民主!とされるだろう。たとえ実験がr:nIlhjされデータが得られたとしても.そのテータが導入された arlifactによって歪んだものになる危険性は多分にあ
る。
3.2 問題 占
そもそも反応時間の研究に情報理論は役立ったのであろうか。こρ問題に之、Iし
ては.全く否定的な見解をもち↑li朝伊良論の破!154fル反する Lan1ing(1968, p. 1
16),あるいは.結論全保倍して問題の回Jl'fしさをI嘆く Garncr(1962, p. 39-52)
などさまざまな見解が交錯している。このような状況にもかかわらず.われわれ
は.情報恩論が反応時間の問題に適Jftされることによってもたらされた功総はJ12
価しなければならなしz。すなわら.情報理論の適HJによって.われわれの反応時
間に対する方法論的な々え万が極めて明確になったこと.1メ泌11寺fljlの内自rH/与えJiの
モデル化が問題として浮びあがってきたこと.および.新しい問題が派生しその
ため再び情報理論と心理学との関係が問題になったことなどは磁極的に評価しな
ければならなし-。
次に.焦点右しはり .いままでに何られた尖験的なj戊栄合参照して.情報E11ii命
党反応n寺fbi1の実験に適用する l:で問題になるJ誌を指摘することにしよう。
刺激 情報理論における信りは確率的に定常でかつ長い系列企れ完成してし hるの
に対し.反応時間の実験では. ザ般に短かく孤立したものが取扱われる。 した
(313 )
-
噌-
- 82-
がって.反応時聞を情報理命の枠組で解明しようとすれば.実験事態を近似的に
せよ情報理論の情報源と同じ特性をもつように構築しなければならなし 3。このよ
うな観点から, われわれは, Crossman (1953)のカード分類法が内包する怠味
を1rfJ支あえて:与えなければならないのではなかろうか。この問題は.次の〉じj乏)支
の|問題と切り離して論じることはできないことはいうまでもなし、。
冗長度 Hyman (1953~ は . 117j節における (3.1) 式の H を次の 3 通りの方法
で変化した。 1)刺激の個数の変化.2)各刺激の提示確率の変化,およひ 3)
刺激系列への系列依存性の導入である。このいづれの条件においても.彼は fと
/lとのi剖には 1次関数が成り立つことを見出した。この結果は.被験有は第 2
および第 3 の方法にもとづく冗長皮 (re dundancy) を利用して ~tlJi放の情報処,pr:
在行ったことを意味する。しかしながら,戸111と尚問 (1959,p. 51 )によって指
11将されているように,このような実験結果をもって,ただちに被験者はどのよう
な冗長皮をも利用する能力をもっているとは与えられない。事実, IIymanの第
3の万法とは異なった方法で冗長)支を与えた Kornblum(1967)の実験において
は線形関係は認めがたい。したがって,われわれは刺激系列に冗長度をもたすと
きに,どのような操作,方法が線形関係を保証するかあるいは保証しないか企尖
験的にI開催にし.このような立場に立って冗長度の問題を取扱わなければならな
い。しかし. 冗長度は被験者の主観確率の問題と関係し . 極めて厄介な問題~I勾
作していることにも留意しなければならなし')0
通信容霊 前節の(3.1)式の l/bは,被験者の通信容量の指151となるといわれ
ている。いままでになされた実験では. 2・3の例外を除き,人間の情報処埋速
)主として 4r--..J 8 bits/secの値が符られている。この数値は絶対半11~'frにおける平均
情報伝達泣の値とともに.情報開論が心J!fi学にもたらした重要な研究成果の 1つ
であろう。
(也プf,反応時聞は刺激選択肢の数の増大とともに増大せず一定になる傾向をぷ
す尖験データもある。換言すれば.( 3. 1)式の勾配 bがゼロになり ,これは人間
の通信容与j-が無限であることを怠!床する。 Laming(1968, p. 14)はこの事実在
命拠にして情報理論の破棄を主仮したのであるが,この見解に対してはわれわれ
は似52な態度右とらねばならなし')0 なぜなら.Mowbrayと Rhoades(1959)あ
るいは Lconard(1959)などの94!倹に:roいては,S-R compatabilityがl匂かっ
たりあるいは多数!日!の訓総試行が要求されているからである。われわれは.この
k うな実験条件のもとでは, 被験的ま , たとえば 2 選択反応事態では個々の ~Hj 泌(
vこ反応するよりもむしろ 2刺激右 lつの chunkにし, あるいは4選択反応事態
(314 )
-
反応時間の構造 (1) - 83一
では 4刺激全体を 1つの chunkにして. より大きな単位で反応していると考え
た方が自然であると思うからである。このように考えれば.反応時間が刺激選8・1肢の数の増大にもかかわらず_..定であるという事実もさほど不可思議ではない。
また,被験 I号にj汲めて多数例の刺激選択肢がりえられたとき,被験計はこれらの
選択肢合適当に分割jし. その分割したもの,klつの chunkとして反応すれば.
Ji.応時間は chunkの数が噌大するにつれてi明大することもr卜分 子位1される。
文 高犬
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