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地方公共団体防災担当者向け気象防災ワークショップ 参考資料 令和元年6月

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Page 1: 地方公共団体防災担当者向け気象防災ワークショップ 参考資料 · 2019-07-16 · 本資料は、地方公共団体防災担当者向け気象防災ワークショップ参加者用の事前学参考資料

地方公共団体防災担当者向け気象防災ワークショップ

参考資料

令和元年6月

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はじめに

本資料は、地方公共団体防災担当者向け気象防災ワークショップ参加者用の事前学参考資料

として、ワークショップの内容に関連する基礎知識をまとめたものです。次のような目的で用いられ

ることを想定して作成していますので、必要に応じてご活用ください。

1. ワークショップ参加前の知識習得のため

今回ご参加いただくワークショップでは、様々な防災気象情報を扱いながら、地方公共団体と

しての災害対応について少人数のグループで検討していただきます。ワークショップに参加する

前に、避難行動や防災体制の基本的な考え方、防災気象情報に関する基礎的な内容について

確認しておいていただいた方が、ワークショップがより円滑に進むようになり、結果として参加者の

皆様にとっても、より多くの気づきや学びが期待できます。

本資料は本ワークショップの内容に合わせて作られていますので、本資料をお読みいただくと

ワークショップに関連する基本的な知識を習得できます。また、本資料に合わせて『セルフチェッ

クテスト』も用意していますので、適宜、理解度チェックにご活用ください。

2. ワークショップ当日に参照するため

ワークショップ当日にご持参いただき、分からないことがあったときなど必要に応じて随時ご参

照ください。

3. 自習教材として活用していただくため

ワークショップに参加されない方も、本資料と『セルフチェックテスト』を活用すれば、地方公共

団体における防災のための必要な基礎知識を学ぶことができます。

4. 実務において活用していただくため

実際の災害対応において防災気象情報を活用するための参考として、適宜ご利用ください。

※参考:「避難勧告等に関するガイドライン(H31.3)」内閣府(防災担当)

http://www.bousai.go.jp/oukyu/hinankankoku/h30_hinankankoku_guideline/index.html

(本資料においては「避難勧告ガイドライン」と略記します。なお避難勧告ガイドラインは 2 冊に分か

れているため、どちらか一方を特定する場合には、「避難勧告等に関するガイドライン①(避難行

動・情報伝達編)」を「避難勧告ガイドライン①」、同「②(発令基準・防災体制編)」を「避難勧告ガ

イドライン②」と略記します。)

※参考: 気象庁のホームページ(知識・解説)

http://www.jma.go.jp/jma/menu/menuknowledge.html

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目 次

1. 避難行動の基本 ................................................................................................................. 5

1.1 市町村の責務と避難行動の原則 ............................................................................................ 6 1.2 避難行動(安全確保行動)の考え方 ..................................................................................... 7 1.3 避難勧告等の発令について .................................................................................................... 8 1.4 避難勧告等の対象とする区域の設定 ................................................................................... 10

2. 情報伝達の基本 ................................................................................................................ 11

2.1 平時からの情報提供 ............................................................................................................. 12 2.2 災害発生のおそれが生じた場合における情報の伝達 .......................................................... 13 2.3 避難勧告等の伝達 ................................................................................................................ 14

3. 情報システムで提供される 主な防災気象情報等 ........................................................... 15

3.1 防災気象情報とは ................................................................................................................ 16 3.2 防災情報提供システム ......................................................................................................... 17 3.3 台風情報 ............................................................................................................................... 18 3.4 早期注意情報(警報級の可能性) ....................................................................................... 19 3.5 府県気象情報 ........................................................................................................................ 20 3.6 気象等に関する特別警報・警報・注意報 ............................................................................ 21

3.6.1 気象等に関する注意報 .................................................................................................. 24 3.6.2 気象等に関する警報 ...................................................................................................... 25 3.6.3 大雨特別警報(警戒レベル5相当) ............................................................................ 26

3.7 大雨警報(浸水害)の危険度分布 ....................................................................................... 27 3.8 土砂災害警戒情報(警戒レベル4相当) ............................................................................ 29 3.9 土砂災害警戒判定メッシュ情報(大雨警報(土砂災害)の危険度分布) ......................... 30 3.10 記録的短時間大雨情報 ....................................................................................................... 32 3.11 洪水に関する警報等や予報等の発表方法 .......................................................................... 33 3.12 流域雨量指数 ....................................................................................................................... 35 3.13 流域雨量指数の予測値 ......................................................................................................... 35 3.14 洪水警報の危険度分布 ....................................................................................................... 36 3.15 降水短時間予報 .................................................................................................................. 38 3.16 高解像度降水ナウキャスト ................................................................................................ 39 3.17 (参考)気象庁ホームページの閲覧方法の例................................................................... 40 3.18 (参考)時を表す言葉 ....................................................................................................... 41 3.19 (参考)防災気象情報の標準的な発表の流れとこれに伴う災害時対応 .......................... 42

4. 過去の災害における警報等の発表状況 ........................................................................... 43

5. 用語集 ............................................................................................................................. 46

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1. 避難行動の基本

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1.1 市町村の責務と避難行動の原則

1. 市町村の責務

「災害対策基本法」において、住民の生命、身体及び財産を災害から保護するために、地域防

災計画を作成し、それを実施することが、市町村の責務として定められている。具体的には次のと

おりである。

【平常時】

住民一人ひとりが適切な避難行動をとることができるように、平時から防災知識の普及をは

かる。

避難勧告等の発令基準を作成する。

【災害時】

住民が適切な避難行動をとるための判断に必要な情報を提供する。

関係機関からの情報や、自ら収集した情報等により、的確に判断を行い、躊躇することなく

避難勧告等を発令し、速やかに住民等に伝える。

(参考)災害対策基本法、及び避難勧告ガイドライン① 6~7 ページ

2. 住民の避難行動の原則

住民は、「自らの命は自らが守る」という意識を持ち、災害が発生する前に自らの判断で自発的

に避難行動をとることが原則である。

(参考)災害対策基本法、及び避難勧告ガイドライン① 8~13 ページ

3. 施設管理者等の避難行動の原則

施設管理者等は大雨注意報又は洪水注意報が発表された場合などには、防災気象情報を自

ら把握し、早めの避難措置を講じる必要がある。

要配慮者利用施設の管理者等は、市町村や消防団、地域社会とも連携を図り、避難時に地域

の支援を得ながら行動する。

(参考)災害対策基本法、及び避難勧告ガイドライン① 8~13 ページ

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1.2 避難行動(安全確保行動)の考え方

なお、「避難場所」と「避難所」は混同されがちだが、災害対策基本法ではこれらを区別した上で、

それぞれ市町村が指定することとなっている。立退き避難に用いられるのは「避難場所」であり、災害

の種別ごとに、それに適した建物等が指定される。

指定緊急避難場所: 切迫した災害の危険から命を守るために避難する場所として、あらか

じめ市町村が指定した施設・場所

指定避難所: 災害により住宅を失った場合等において、一定期間避難生活をする

場所として、あらかじめ市町村が指定した施設 (出所)避難勧告ガイドライン① 16 ページ

(参考)内閣府 HP「平成 27 年版 防災白書 第 1 部 第 1 章 第 2 節 2-2 指定緊急避難場所・指定避難所」

http://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/h27/honbun/1b_1s_02_02.html

①「指定緊急避難場所」への立退き避難

「屋内安全確保」(その時点に居る建物内において、より安全な部屋等への移動)

指定緊急避難場所までの移動がかえって危険な場合は

②「近隣の安全な場所」への立退き避難

近隣の安全な場所への避難すら危険な場合は

本来、避難勧告は、避難のための(現在いる危険な場所からの)立退きの勧告を意

味している。

市町村長から避難勧告等が発令された時には、住民は、予測される災害に対応し

た指定緊急避難場所へ速やかに立退き避難する必要がある。

指定緊急避難場所へ移動することがかえって危険であると、住民や施設管理者等

が自ら判断した場合には、次善の避難行動として「近隣の安全な場所」へ移動する

ことも考えられる。

「近隣の安全な場所」への避難すら危険だと、住民や施設管理者等が自ら判断した

場合には、命が助かる可能性が少しでも高い避難行動として、やむを得ず、その時

点にいる建物において、より安全な場所へ移動する「屋内安全確保」を行うことも考

えられる。

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1.3 避難勧告等の発令について

(参考)避難勧告ガイドライン② 4 ページ、8 ページ

避難勧告等の発令基準については、避難勧告ガイドライン②に具体的な設定例が示されている。

本参考資料と合わせて、少なくとも以下の箇所について確認しておくこと。

〇洪水等の避難勧告等

3.3 発令基準設定の考え方 (15~27 ページ)

〇土砂災害等の避難勧告等

4.3 発令基準設定の考え方 (32~35 ページ)

平成 31 年 3 月の避難勧告ガイドラインの改定にあたっては、防災気象情報等と地方公共団体が

発令する避難勧告等の避難情報の連携の充実が図られている。

災害発生のおそれの高まりに応じて、居住者等がとるべき行動を5段階に分け、「行動を居住者

等に促す情報」及び「行動をとる際の判断に参考となる情報(警戒レベル相当情報)」との対応を

明確にし、その上で、5段階に区分した「居住者等がとるべき行動」、「行動を居住者等に促す情

報」及び「警戒レベル相当情報」をそれぞれ警戒レベルに対応させることで、出された情報からと

るべき行動を直感的に理解しやすいものとする。

警戒レベルとは、災害発生のおそれの高まりに応じて居住者等がとるべき行動と当該行動を居住

者等に促す情報とを関連付けるものであり、各警戒レベルに対応する行動と情報は次の表のとおり。

市町村は、避難勧告等の発令に関して具体的で分かりやすい判断基準を設定し、

「空振り」を恐れず避難勧告等を発令すべきである。

市町村が避難勧告等の判断基準を設定する際には、当該区域を所轄する気象台、

河川事務所、土木事務所、砂防事務所等といった専門機関に積極的に助言を求め

る必要がある。

避難準備・高齢者等避難開始については、これを発令した後に危険が去った場合

には避難勧告等が発令されないこともあり得る。このような認識に基づいて、時期を

逸さずに避難準備・高齢者等避難開始を発令することが重要である。

指定緊急避難場所等が未開設であったとしても、あるいは夜間や外出が危険な状

態であったとしても、災害が切迫した状態であれば原則として避難勧告等を発令す

べきである。

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警戒レベルと防災気象情報の関係

(出所)避難勧告ガイドライン① 11 ページ

警戒

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警報

・洪水

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・大雨

警報

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災害

・土砂

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シュ

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警戒

レベ

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1.4 避難勧告等の対象とする区域の設定

(参考)避難勧告ガイドライン② 1~3 ページ

土砂災害が発生する危険性の高い区域と、

洪水が発生する危険性の高い区域が、同じ川

の流域に混在しているので、どの区域にいる人

が、どのような災害を警戒して避難すべきなの

かを的確に伝える。

避難勧告等の発令対象区域については、避

難勧告ガイドライン②に具体的な設定例が示さ

れている。本参考資料と合わせて、少なくとも以

下の箇所について確認しておくこと。

〇洪水等の避難勧告等

3.1.1 避難勧告等の発令対象区域 (10~11 ページ)

〇土砂災害等の避難勧告等

4.1.2 避難勧告等の発令対象区域 (29~30 ページ)

4.1.3 具体的な区域設定の考え方 (30~31 ページ)

洪水で避難勧告等の対象となる区域は、洪水ハザードマップやその基となる各河川

の洪水浸水想定区域を基本として設定。

洪水発生時における実際の発令にあたっては、河川状況や、堤防決壊、溢水のお

それがある地点等の諸条件に応じて想定される浸水区域を考慮して決定する。

土砂災害は命を脅かすことが多いことから、土砂災害防止法に基づく土砂災害警

戒区域・土砂災害特別警戒区域、都道府県の調査による土砂災害危険箇所等を基

本とし、その全ての区域において立退き避難することを原則とする。

地域によっては洪水等、土砂災害等の複数の災害からの立退き避難を想定すべき

ところがあり、それぞれの災害のリスクに応じて避難を行う必要がある。

複数の河川からの浸水が想定される地域においては、複数の河川からの浸水が同

じ降雨で発生することも想定し、全ての浸水深のうち最も大きい浸水深を基準にし

て、立退き避難等の避難行動をとる必要がある。

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2. 情報伝達の基本

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2.1 平時からの情報提供

(参考)避難勧告ガイドライン① 17~20 ページ

市町村は、避難勧告等を発令する際に、その対象者を明確に伝えるために、平時からどのような

区域を対象として発令するかを検討し、発令単位となる地区名について、住民や施設管理者等

に説明しておく必要がある。

市町村は、住民や施設管理者等に対して、最終的には自分自身で避難行動を判断しなければ

ならないことや、避難勧告等が発令された段階で実施すべき避難行動をあらかじめ考えておくこ

と、状況に応じて臨機応変な避難行動をとらなければならない場合があることを十分説明すべき

である。

住民や施設管理者等においては、災害種別毎に作成しているハザードマップ等の情報を基にし

て、災害種別毎にどう行動するのかを確認し、災害時は、自ら Web 上の防災情報や、市町村長

が発する避難勧告等の情報を判断材料として、悩むことなく、あらかじめ定めた避難行動をとるこ

とができるようにしておく必要がある。

(土砂災害ハザードマップの例)

市町村は、平時から住民や施設管理者等に対して災害リスクやとるべき避難行動

について周知すること。

施設管理者等の災害計画には、自然災害からの避難を盛り込んだ計画としなけれ

ばならないことを周知すること。

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2.2 災害発生のおそれが生じた場合における情報の伝達

(参考)避難勧告ガイドライン① 20~21 ページ

なお、以下について徹底を図ることが望ましい。

気象警報等、土砂災害警戒情報、指定河川洪水予報、土砂災害警戒判定メッシュ情報な

どの防災気象情報等(後述)を収集し、その時点の状況や避難勧告等の発令の見通し

等、住民や施設管理者等に対して早い段階から確実な情報提供を行うこと。

避難場所については、避難勧告等発令時に円滑に避難できるよう、事前に住民や施設管

理者等に周知すること。

避難勧告等の発令時に、その対象者を明確にするとともに、対象者ごとにとるべき具体的

な避難行動を、災害発生前から周知すること。

時々刻々と変化する情報を住民や施設管理者等に対して繰り返し分かりやすい言

葉で伝達すること

情報伝達は、可能な限り多様な手段を組み合わせて伝達し、点検や訓練を行うこ

と。なお、多様な手段を用いるためには、それらの手段を用いるための要員を確保

することが不可欠である。

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2.3 避難勧告等の伝達

(参考)避難勧告ガイドライン① 21~25 ページ

防災行政無線は、大量の情報を正確に伝達することが難しいことから、伝達文は簡潔にす

ること、避難行動をとってもらうために緊迫感のある表現で、対象者がとるべき行動を具体

的に示すこと、風雨等で聴き取りづらいことから繰り返すこととすべきである。

市町村は予めマニュアル等に、災害種別に応じた伝達文を定めておくべきである。

伝達文の例)洪水の発生を想定した「【警戒レベル3】避難準備・高齢者等避難開始」

■ 緊急放送、緊急放送、警戒レベル3、避難準備・高齢者等避難開始発令。

■ こちらは、○○市です。

■ ○○地区に洪水に関する警戒レベル3、避難準備・高齢者等避難開始を発令しました。

■ ○○川が氾濫するおそれのある水位に近づいています。

■ お年寄りなど避難に時間のかかる方は避難を開始してください。

■ それ以外の方も、避難の準備を整え、気象情報に注意して、危険だと思ったら早めに避

難をしてください。

■ 特に川沿いにお住まいの方(急激に水位が上昇する等、早めの避難が必要となる地区

がある場合に言及)は、避難してください。

■ 避難場所への避難が困難な場合は、近くの安全な場所に避難してください。

(出所)避難勧告ガイドライン① 21~22 ページ

市町村が避難勧告等を発令する際は、その対象者を明確にする必要がある。その

ためには平時から住民や施設管理者等に対して、避難勧告等の発令単位となる地

区名を周知しておき、その地区名を用いて発令する。

避難勧告等を発令する際には、対象者がとるべき避難行動を理解できるよう、どの

ような災害が、どの区域に発生するおそれがあるのか、どのような避難行動をとる

べきか等を具体的に伝える必要がある。

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3. 情報システムで提供される

主な防災気象情報等

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3.1 防災気象情報とは

(出所)気象庁 京都地方気象台作成のスライドより(一部改変)

防災に資する各種気象情報を総称して「防災気象情報」という。

平常時から定期的に発表されているものと、災害に繋がるような気象現象の発生が

予想される場合等に発表されるものとがある。

情報の種類に応じて、マスメディアや気象庁の Web サイトから入手できるほか、市

町村の防災担当部門においては「防災情報提供システム」からもアクセスできる。

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3.2 防災情報提供システム

市町村ごとにトップページを設定でき、市町村単位でクローズアップされた各種分布図、予報

官コメントなどが閲覧可能となっている。

(参考)気象庁 報道発表資料「市町村等向け防災気象情報の充実について」(平成 19 年 3 月 23 日)

http://www.jma.go.jp/jma/press/0703/23a/Boutei.pdf

地方公共団体を中心とした防災機関に対して気象庁が Web サイトを通して防災気

象情報を提供するためのシステム。

利用するためには気象庁から交付されたログイン ID とパスワードが必要(市町村

の防災担当部門等に交付されている)。

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3.3 台風情報

(出所)避難勧告ガイドライン① 48~49 ページ

(参考)気象庁 HP「台風情報の種類と表現方法」 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/7-1.html

台風が発生したときから、状況の変化に応じて発表され、文章形式の情報と、図形

式の台風経路図(5 日予報図、72 時間予報図、24 時間詳細予報図等)の組み合わ

せで発表される。

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3.4 早期注意情報(警報級の可能性)

※ 警報級の現象はひとたび発生すると命に危険が及ぶなど社会的影響が大きいことから、まだ警報その

ものは発表されない早い段階であっても、警報級の現象が予想される時には警報級の可能性が発表さ

れる。

※ 警報級の可能性が発表されていなくても、天候の急激な変化に伴って警報が発表される場合もある。

(気象庁 HP では「警報・注意報(図表形式)」の下に続けて表示される。)

(参考)気象庁 HP「警報級の可能性」 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/prob_warning.html

警報基準に到達するような激しい現象を「警報級の現象」と呼ぶ。

警報級の現象が発生することが 5 日先までに予想されているとき、その可能性が

[高]、[中]の 2 段階で発表される。

天気予報と同じタイミングで発表されるので、平常時から天気予報と合わせて確認

すれば、数日先の警報級の現象の可能性を把握することができる。

翌日までの早期注意情報は、警戒レベル1(防災気象情報等の最新情報に注意す

るなど、災害への心構えを高める)に対応。

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3.5 府県気象情報

(出所)気象庁 平成29年度防災スペシャリスト養成研修(有明の丘・第1期)

「警報避難」コース(気象庁担当)資料から抜粋(一部改変)

警報や注意報に先立つ注意の喚起のため、24 時間から 2~3 日先に災害に結びつくような

現象が発生する可能性のあるときに発表される。テレビの天気予報に間に合うよう、早朝、昼

前、夕方に発表されることが多い。

--> これが発表されたら心構えを一段高め、今後の注意報や警報などの情報に注意

する。

警報・注意報を発表している間に、その利用価値を高め、防災対応への支援をより効果的に

するために、現象の経過、予想、防災上の留意点を伝える必要が生じた時に随時発表され

る。

--> 防災上重要なので組織内で確実に情報共有し、必要に応じて対応に反映させる。

主に次のような目的のために、府県予報区単位で発表する情報。

警報や注意報に先立って現象を予告し、注意を呼びかける

警報・注意報の発表中に現象の経過、予想、防災上の留意点等を解説する

警報や注意報と一体のものとして発表される、防災上重要な情報。

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3.6 気象等に関する特別警報・警報・注意報

※ 特別警報、警報、注意報は、基準以上に到達する現象(特別警報級、警報級、注意報級の現象)が予

想されるときに発表しています。

特別警報・警報・注意報が発表される状況と種類は次のとおり。

特別警報 重大な災害の起こるおそれが著しく高まっている場合に発表される。

(6 種類:大雨(土砂災害、浸水害)・暴風・波浪・高潮・大雪・暴風雪)

警報 重大な災害が起こるおそれのある時に発表される。

(7 種類:大雨(土砂災害、浸水害)・洪水・暴風・波浪・高潮・大雪・暴風雪)

注意報 災害が起こるおそれのある時に発表される。

(16 種類:大雨・洪水・強風・波浪・高潮・大雪・風雪等)

※ 「重大な災害」とは、被害が広範囲に及ぶ、または被害の程度が非常に激しく、地域がその社会の一般

的な社会通念によって「重大」と判断するような災害。

特に大雨や洪水に関する特別警報・警報の発表される状況と種類は次のとおり。

大 雨 特 別

警報

数十年に一度の降雨量となる大雨が予想される場合に発表される。特に警戒すべき

事項を標題に明示して、次のいずれかが発表される。警戒レベル5相当情報に該当

する。

大雨特別警報(土砂災害)

大雨特別警報(浸水害)

大雨特別警報(土砂災害、浸水害)

大雨警報

大雨による重大な土砂災害や浸水害が発生するおそれがあると予想されたときに発

表される。特に警戒すべき事項を標題に明示して、次のいずれかが発表される。大

雨警報(土砂災害)、大雨警報(土砂災害、浸水害)は警戒レベル3相当情報に該当

する。

大雨警報(土砂災害)

大雨警報(浸水害)※

大雨警報(土砂災害、浸水害)

※ 大雨警報(浸水害)は本資料 9 ページ「警戒レベルと防災気象情報の関係」

には明記されていないが、避難勧告ガイドラインには、浸水により、居住者や

防災関係機関の活動や住民の安全確保行動の判断を支援するために、危険度の

高まりに応じて段階的に発表される。

原則として市町村単位で発表される。

警報や注意報は、防災対応の時間を確保できるよう、リードタイムをとって、警報級

の現象又は注意報級の現象が予想される数時間前に発表される。ただし現象の予

想が難しい場合には、リードタイムを確保できない場合もある。

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地下空間、施設等の利用者に命の危険を及ぼす可能性がある場合には、大

雨警報(浸水害)の危険度分布を参考とした避難準備・高齢者等避難開始(警

戒レベル3)等の基準を別途設定することが考えられる旨の記載がある。

洪水警報

河川の上流域での降雨や融雪によって下流で生じる増水や氾濫により、重大な洪水

害が発生するおそれがあると予想されたときに発表される。警戒レベル3相当情報に

該当する。 ※ 「洪水害」と「浸水害」の違い

洪水害: 河川の増水・氾濫、堤防の損傷・決壊、及びこれらによる家屋や農地等の浸水。河川の増水

が原因で、周辺の支川や下水道から排水できなくなることで発生する周辺の支川や下水道の

氾濫(湛水型の内水氾濫)による浸水を含む。

浸水害: 短時間の強雨が原因で、地表水の増加に下水道等の排水能力が追いつかないことで発生す

る下水道等の氾濫による、家屋や農地等の浸水(氾濫型の内水氾濫)。

(参考)気象庁 HP「気象警報・注意報」 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/warning.html

警報・注意報は、気象庁 Web サイトや防災情報提供システムで「図表形式」で表示させることができ、

どの程度の危険度の現象がどのくらい先の時間帯に予想されるかが 3 時間ごとに分けて表示される。

また、注意報から警報に切り替わる可能性も分かりやすく表示される。

赤色の時間帯は警報級、黄色の時間帯は注意報級の現象が予想されている。

警報は、重大な災害が発生するような警報級の現象が予想される時間帯の最大6時間前

に発表される。

まだ警報を発表する段階ではないが警報級の現象が6時間以上先に予想されている場合

には、「警報に切り替える可能性の高い注意報」(上図の大雨注意報のように、黄色の背景

今後 24 時間程度の期間を

3 時間ごとに分けて予想

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に赤色斜線で表示される)が発表され、警報級の現象が予想される時間帯が赤色で表示

される。

灰色の斜線の部分は、注意報級未満という意味ではなく、予測の確度が十分でないため

危険度が表示されていないことを表す。

(参考)気象庁 HP「危険度を色分けした時系列」

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/warning_irowake.html

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3.6.1 気象等に関する注意報

(出所)気象庁 平成29年度防災スペシャリスト養成研修(有明の丘・第1期)

「警報避難」コース(気象庁担当)資料から抜粋(一部改変)

原則として市町村単位で発表される。

注意報が発表されている間は、警報に切り替わる可能性を想定し、雨量(現況および予

測)や、土砂災害・浸水害・洪水害の危険度分布、府県気象情報の発表等を含む情報収

集を行う。

図表形式では、上図のように、注意報級の現象が予測される時間帯が 3 時間ごとに黄色

で表示される。

(参考)気象庁 HP「気象警報・注意報」 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/warning.html

災害が発生するおそれのあるときに原則として市町村単位で発表される。

大雨注意報、洪水注意報など 16 種類の注意報がある。

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3.6.2 気象等に関する警報

(出所)気象庁 平成29年度防災スペシャリスト養成研修(有明の丘・第1期)

「警報避難」コース(気象庁担当)資料から抜粋(一部改変)

警報の基準は過去の災害発生時の気象データ等を調査した上で設定されており、地域により異

なる。例えば「風速がこの値以上に到達すると重大な風害が発生するおそれがある」という値が暴

風警報の基準に設定されている。警報級の現象はひとたび発生すると命に危険が及ぶなど社会

的影響が大きいため、警報は警報級の現象が予想される時間帯の最大6時間前に発表される

大雨警報や洪水警報等が発表されたときには、実際にどこで危険度が高まっているかを「大雨・

洪水警報の危険度分布」でこまめに確認することが重要である。

たとえ雨が止んでいても、重大な土砂災害や洪水等のおそれが残っている場合には、「大雨警

報(土砂災害)」や「洪水警報」の発表が継続されるので、警報が発表されている間は市町村とし

ても警戒態勢を解くべきではない。

(参考)気象庁 HP「気象警報・注意報」 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/warning.html

重大な災害が発生するおそれのあるときに、原則として市町村単位で発表される。

警報が発表されたら、災害に対する警戒を一段階高いレベルに引き上げる合図と

考えるべき。

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3.6.3 大雨特別警報(警戒レベル5相当)

(出所)気象庁 平成29年度防災スペシャリスト養成研修(有明の丘・第1期)

「警報避難」コース(気象庁担当)資料から抜粋(一部改変)

土砂崩れや浸水による重大な災害がすでに発生していてもおかしくない状況である。

市町村は、すでに発令済みの避難指示等の発令範囲を再度確認する必要がある。

住民は、地元市町村からすでに発令されている避難情報に直ちに従う等、適切な行動をと

る必要がある。

危険が高まっている場所は「大雨・洪水警報の危険度分布」で確認できる。

(参考)気象庁 HP「特別警報について」 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tokubetsu-keiho/index.html

台風や集中豪雨により数十年に一度の降雨量となる大雨が予想される場合等、重

大な災害の起こるおそれが著しく高まっている場合に、原則として市町村単位で発

表される。

特に警戒すべき事項を標題に明示して「大雨特別警報(土砂災害)」、「大雨特別警

報(浸水害)」又は「大雨特別警報(土砂災害、浸水害)」のように発表される。

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3.7 大雨警報(浸水害)の危険度分布

色が持つ意味 住民等の行動の例※1 想定される周囲の状況例

極めて危険 表面雨量指数の実況値が過去の重大な浸水害発生時に匹敵する値にすでに到達。すでに重大な浸

水害が発生しているおそれが高い極めて危険な状況。

非常に危険 周囲の状況を確認し、各自の判断で、

屋内の浸水が及ばない階に移動する。

道路が一面冠水し、側溝やマンホールの場所が分か

らなくなるおそれがある。道路冠水等のために鉄道や

バスなどの交通機関の運行に影響が出るおそれがあ

る。周囲より低い場所にある多くの家屋が床上まで水

に浸かるおそれがある。

警戒※2

安全確保行動をとる準備をして早めの

行動を心がける。高齢者等は速やかに

安全確保行動をとる。

側溝や下水が溢れ、道路がいつ冠水してもおかしくない。 周囲より低い場所にある家屋が床上まで水に浸かるおそれがある。

注意

今後の情報や周囲の状況、雨の降り方に

注意。ただし、各自の判断で、住宅の地下室

からは地上に移動し、道路のアンダーパス

には近づかないようにする。

周囲より低い場所で側溝や下水が溢れ、道路が冠水

するおそれがある。住宅の地下室や道路のアンダー

パスに水が流れ込むおそれがある。周囲より低い場

所にある家屋が床下まで水に浸かるおそれがある。

今後の情報等に

留意

今後の情報や周囲の状況、雨の降り方に

留意。

普段と同じ状況。雨のときは、雨水が周囲より低い場

所に集まる。

※1 大雨警報(浸水害)の危険度分布にかかわらず、自治体から避難勧告等が発表された場合

には速やかに避難行動をとってください。

※2 自治体から避難準備・高齢者等避難開始が発令されうる状況です。

短時間強雨による浸水害発生の危険度の高まりを、地図上で1km 四方の領域ごと

に5段階に色分けして示す情報。

雨が強まってきたときや、大雨警報(浸水害)や記録的短時間大雨情報等が発表さ

れたときに、どこで危険度が高まっているかを面的に確認できる。

1時間先

までの予測

高危険度

低 今後の情報等に留意

極めて危険非常に危険警戒注意

大雨警報(浸水害)の危険度分布

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「浸水害」とは、河川の洪水と異なり、下水道等の排水能力を超えるような短時間の強雨に

より家屋や農地等が水に浸かる災害を指し、内水氾濫とも呼ばれる。ここで示されている危

険度は、河川が溢れそうな場所ではなく、降った雨が溜まっていそうな場所を示している。

(参考)気象庁 HP「大雨警報(浸水害)の危険度分布(平成 29 年度出水期より)」 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/riskmap_inundation.html

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3.8 土砂災害警戒情報(警戒レベル4相当)

※ 土砂災害警戒情報の基準に到達してからでは、すでに命に危険が及ぶような土砂災害が発生してい

てもおかしくない。そこで、避難に要する時間を確保するため、2時間先までに基準に到達することが予

測されたとき、すなわち、土砂災害警戒判定メッシュ情報において「非常に危険」(薄い紫色)の危険度

が出現したときに速やかに土砂災害警戒情報が発表される。

(出所)気象庁 平成29年度防災スペシャリスト養成研修(有明の丘・第1期)

「警報避難」コース(気象庁担当)資料から抜粋(一部改変)

(参考)気象庁 HP「土砂災害警戒情報・土砂災害警戒判定メッシュ情報」 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/doshakeikai.html#b

大雨警報(土砂災害)の発表後、土砂災害発生の危険度が更に高まったときに、市

町村を特定して、都道府県と気象台から共同で発表される。

土砂災害警戒情報の発表に関しては、過去の災害発生データを調査した上で「この

基準を超えると、土砂災害警戒区域等において命に危険が及ぶような土砂災害が

発生していてもおかしくない」という基準が地域毎に設定されている。

市町村は速やかに避難勧告を判断すべき状況、土砂災害危険箇所や土砂災害警

戒区域等の住民は速やかに自主避難を判断すべき状況にあることを意味する。

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3.9 土砂災害警戒判定メッシュ情報(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)

(出所)避難勧告ガイドライン① 67 ページ

大雨による土砂災害発生の危険度を面的に表す分布情報。

大雨による土砂災害発生の危険度の高まりを、地図上で 1km 四方の領域ごとに 5

段階に色分けして示す。

危険度の判定には 2 時間先までの雨量予測に基づく土壌雨量指数等の予想を用

いている。

大雨警報(土砂災害)や土砂災害警戒情報等が発表されたときに、どこで危険度が

高まっているかを面的に確認できる。

避難指示(緊急)、避難勧告及び避難準備・高齢者等避難開始の発令及び発令範

囲を判断する際に活用する。

土砂災害発生の危険度が高まっている領域を確認できる。

高危険度

低 今後の情報等に留意

極めて危険(警戒レベル4相当)

非常に危険(警戒レベル4相当)警戒(警戒レベル3相当)注意(警戒レベル2相当)

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(出所)気象庁 平成29年度防災スペシャリスト養成研修(有明の丘・第1期)

「警報避難」コース(気象庁担当)資料から抜粋(一部改変)

色が持つ意味 メッシュ内の土砂災害警戒区域等を対象に発

令を検討することとされている避難情報 メッシュ内の土砂災害警戒区域等の

住民等の行動の例

極めて危険 避難指示(緊急) 避難を完了

非常に危険 避難勧告 避難を開始

警戒 避難準備・高齢者等避難開始 高齢者等は避難を開始

注意 - メッシュ情報の危険度をこまめに確認

今後の情報等に留意 - 今後の情報等に留意

「極めて危険」(濃い紫)が出現してからでは命に危険が及ぶような土砂災害がすでに発生

しているおそれがあり、遅くとも「非常に危険」(うす紫)で避難が必要。

(参考)気象庁 HP「土砂災害警戒情報・土砂災害警戒判定メッシュ情報」 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/doshakeikai.html#b

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3.10 記録的短時間大雨情報

(出所)気象庁 平成29年度防災スペシャリスト養成研修(有明の丘・第1期)

「警報避難」コース(気象庁担当)資料から抜粋(一部改変)

(参考)気象庁 HP「記録的短時間大雨情報」 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/kirokuame.html

この情報が発表されたときは、当該区域で、土砂災害や浸水害、中小河川の洪水

害の発生につながるような猛烈な雨が降っていることを意味する。

その地域内で数年に一度しか発生しないような 1 時間降水量を観測・解析した時に

発表される。

記録的短時間大雨情報が発表された際には、その後に何らかの災害が発生してい

る事が多い事が,過去の調査から判明している。

同一市町村で複数回発表された場合は特に注意が必要。

どこでどのような災害の危険度が高まっているかは「警報の危険度分布(土砂災

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3.11 洪水に関する警報等や予報等の発表方法

洪水警報とは、河川の上流域での大雨や融雪によって下流で生じる増水や氾濫により重

大な洪水害が発生するおそれがあると予想された場合に発表される。

国土交通大臣が管理する全ての水系、および洪水によって相当の被害が発生するおそれ

があるものとして気象庁と都道府県知事の協議によって指定された河川(これらを「洪水予

報河川」という)については、区間を決めて水位または流量を示した洪水の予報として「指

定河川洪水予報」が発表される。

指定河川洪水予報が発表される際の標題は「氾濫注意情報」、「氾濫警戒情報」(避難準

備・高齢者等避難開始相当)、「氾濫危険情報」(避難勧告相当)、「氾濫発生情報」の 4

種類である。これらが発表される基準と発表された場合にとるべき対応は下表および次ペ

ージの図のとおりである。

指定河川洪水予報の発表基準と発表された場合にとるべき対応

洪水予報の標題

(種類) 発表基準

市町村・住民に求める

行動の段階

○○川氾濫発生情報

(洪水警報)

氾濫の発生(レベル5)

(氾濫水の予報※) 氾濫水への警戒を求める段階

○○川氾濫危険情報

(洪水警報)

氾濫危険水位(レベル4)に

到達

いつ氾濫してもおかしくない状態

避難等の氾濫発生に対する対応を

求める段階

(避難勧告相当)

○○川氾濫警戒情報

(洪水警報)

一定時間後に氾濫危険水位

(レベル4)に到達が見込まれ

る場合、あるいは避難判断水

位(レベル3)に到達し、さらに

水位の上昇が見込まれる場合

避難準備などの氾濫発生に対する

警戒を求める段階

(避難準備・高齢者等避難開始

相当)

○○川氾濫注意情報

(洪水注意報)

氾濫注意水位(レベル2)に到

達し、さらに水位の上昇が見込

まれる場合

氾濫の発生に対する注意を求める

段階

(出所)気象庁 HP「指定河川洪水予報」 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/flood.html

洪水警報・注意報は、市町村を対象として気象庁から単独で発表される。

河川を対象とする予報等の発表方法は河川の種別によって異なる。大河川につい

ては「指定河川洪水予報」や河川の水位を確認する。

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指定河川洪水予報の発表基準

(参考)気象庁 HP「指定河川洪水予報」 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/flood.html

洪水予報河川でない河川については、「洪水警報の危険度分布」(32 ページ参照)でどこ

で危険度が高まっているかを確認できる。急激に水位が上昇する場合が多いため、これに

備え、水位上昇の見込みを「洪水警報の危険度分布」などの予測情報から把握するよう努

め、「非常に危険」(薄い紫色)が出現した場合には、水位計やカメラ画像等の現地情報と

合わせて避難勧告の発令を検討する必要がある。

(参考)気象庁 HP「洪水警報の危険度分布」http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/riskmap_flood.html

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3.12 流域雨量指数

これまでに降った雨とこれから降

ると予想される雨(6 時間先まで

の降水短時間予報等)をもとに、

上流域の降雨が河川に集まり流

れ下る量を計算している。

全国の約 20,000 河川を対象とし

て計算されており、対象地点で

雨が降っていなくても、上流域で

降る雨による洪水危険度の高まりも反映されている。

対象地点の洪水危険度は、洪水警報等の基準値への到達状況に応じて紫や赤に色分け

され、「流域雨量指数の予測値」や「洪水警報の危険度分布」で確認できる。

3.13 流域雨量指数の予測値

流域面積の大きくない水位周知河川やその他河川においては水位が急激に上昇するた

め、実際に水位が上昇するよりも数時間前の早い段階から、水位上昇の見込みを知るため

に、流域雨量指数の予測値を活用することが重要。

※ 流域雨量指数の予測値は防災情報提供システムのみで提供されており、気象庁 HP には掲載されていな

い。

各河川の上流域における雨量から、雨が流下するのにかかる時間などを考慮し、

下流の対象地点の洪水危険度の高まりを把握するための指数。

6 時間先の未来までの流域雨量指数の予測値を、洪水警報等の基準値への到達

状況に応じて色分けして表示した防災情報。

洪水災害発生の危険度の今後の変化の見通しを知るのに役立つ。

(出所)気象庁 Web サイト

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3.14 洪水警報の危険度分布

色が持つ意味※1 説明※2・3

極めて危険

流域雨量指数の実況値が過去の重大な洪水害発生時に匹敵する値にすでに到

達。すでに重大な洪水害(家屋の床上浸水等)が発生しているおそれが高い極めて

危険な状況。

非常に危険(警戒レ

ベル4相当)

水位周知河川・その他河川がさらに増水し、今後氾濫し、重大な洪水害が発生する

おそれが高い。水位が氾濫注意水位等を越えている場合には速やかに避難を開始

する。※4

警戒(警戒レベル3

相当)

水位が水防団待機水位等を越えている場合には避難の準備をして早めの避難を心

がける。※5 高齢者等は速やかに避難を開始する。

注意(警戒レベル2

相当) 今後の情報や周囲の状況、雨の降り方に注意。

今後の情報等に留意 今後の情報や周囲の状況、雨の降り方に留意。 ※1 危険度分布の色と避難情報や避難行動との関係の詳細は、気象庁 HP

(http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/riskmap_flood.html)参照。 ※2 自治体から避難勧告等が発令された場合や河川管理者から氾濫危険情報等が発表された場合に

は速やかに避難行動をとる必要がある。 ※3 洪水予報河川の外水氾濫については、洪水警報の危険度分布ではなく、河川管理者と気象台が共

同で発表している指定河川洪水予報等を踏まえて避難勧告等が発令されるので、それらに留意し、

適切な避難行動をとる必要がある。 ※4 その他河川では水位を観測していない河川があるので、その場合は、早めの避難の観点から、速や

かに避難を開始することが重要。

流域雨量指数の予測値をもとにして、指定河川洪水予報の発表対象でない中小河

川(水位周知河川・その他河川)の洪水害発生の危険度の高まりを、地図上で概ね

1km ごとに 5 段階に色分けして示す情報。

3時間先

までの予測

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※5 その他河川では水位を観測していない河川があるので、その場合は、避難の準備をして早めの避難

を心がける必要がある。

「極めて危険」(濃い紫色)が出現した場合、すでに氾濫により周辺で道路冠水等が発生し、家屋

等からの立退き避難が困難となりうる。中小河川の水位上昇は極めて急激なため、水位上昇の

予測を示す「非常に危険」(薄い紫色)が出現した時点で、洪水により命に危険が及ぶ場所(山間

部の幅の狭い谷底平野を流れる河川の氾濫流により流失が想定される家屋等)では、水位計・カ

メラ画像等で河川の現況も合わせて確認し、速やかに避難開始を判断することが重要である。

(参考)気象庁 HP「洪水警報の危険度分布(平成 29 年度出水期より)」

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/riskmap_flood.html

【参考】 洪水警報の危険度分布の信頼性について

下図は、平成 28 年台風 10 号による大雨の影響で岩手県岩泉町の小本川で洪水災害が発

生した際の、赤鹿観測所における水位と、防災情報提供システムで表示される小本大橋付近

の格子における流域雨量指数の変化を並べて示したものです。流域雨量指数が水位と非常

によく似た変化をしていることや、重大な災害が発生する可能性が高いことを示す「基準

Ⅲ」を超えることが 14:00 の時点で既に予測されていることが分かります。 このように、流域雨量指数は河川における将来の水位の変化傾向と相関が高い指数であり、

これを用いた洪水警報の危険度分布もまた、信頼性の高い予測情報となっています。

上図は平成 28 年 8 月 30 日の大雨の事例について事後検証したもの。水防団待機水位、氾

濫注意水位は当時の値。

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3.15 降水短時間予報

予測の計算では、降水域の単純な移動だけではなく、地形の効果や直前の降水の変化を

元に、今後雨が強まったり、弱まったりすることも考慮されている。

予報時間が延びるにつれて、降水域の位置や強さのずれが大きくなるため、常に最新の

予報を確認すると良い。

目先 1 時間以内のより詳しい見通しを知りたい場合には、降水ナウキャストを併せて利用

するのが効果的である。

(出所)避難勧告ガイドライン① 57 ページ

降水短時間予報とは、降水の分布を予測するもの。

降水の分布を6時間先までは 10 分毎に1km 格子単位で、7時間先から 15 時間先

までは1時間毎に5km 格子単位で予測した情報。

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3.16 高解像度降水ナウキャスト

5 分間隔で発表される。例えば 15:00 には、15:00 の現況と、15:05~16:00 までの 5 分ごと

の予測が発表される。

前ページの降水短時間予報と組み合わせて活用するのが有効。降水短時間予報で数時

間先までの大まかな動向を把握し、今後数十分程度の間の行動に関する判断には高解

像度降水ナウキャストを用いる。

(参考)気象庁 HP「高解像度降水ナウキャスト」

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/highres_nowcast.html

気象レーダーの観測データを利用して、1 時間先までの 5 分間ごとの降水の強さを

予測するもの。

目先 30 分までは 250m 四方、35~60 分までは 1km 四方の細かさでの予測が発

表される。

強い雨が

降っている区域の

変化もわかる

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3.17 (参考)気象庁ホームページの閲覧方法の例

このページの下の方には、警報級の可能性や、大雨・洪水警報の危険度分布(警戒判定

メッシュ情報)、土砂災害警戒情報等へのリンクが表示される。

http://www.jma.go.jp/ にアクセスする。

トップページで「気象警報・注意報」をクリックし、次の画面でプルダウンメニューから

地域を選ぶか、下の地図で該当地域をクリックすると、市町村ごとの気象警報・注

意報に関する現在の発表情報と今後の推移が、図表形式で表示される。

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3.18 (参考)時を表す言葉

(参考)気象庁 HP「時に関する用語」 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/toki.html

0時

3時

6時

9時

12時

15時

18時

21時

24時

未明

明け方

昼前

昼過ぎ

夕方

夜のはじめ頃

夜遅く

正午 昼頃

午前中

午後

日中

気象庁が定めている予報用語では、時に関する用語を次のとおり定めている。

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3.19 (参考)防災気象情報の標準的な発表の流れとこれに伴う災害時対応

(この表は、あくまでも防災気象情報等と災害時の対応の関係をわかりやすく示すことを目的としたもので

あり、実際の情報や対応の流れがこのとおりになるとは限らない。)

(出所)避難勧告ガイドライン② 50 ページ

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4. 過去の災害における警報等の発表状況

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5. 用語集

内閣府(防災担当)「避難勧告等に関するガイドライン①(避難行動・情報伝達編)」

(平成 31 年 3 月)の「巻末資料 V 用語集」より、本資料に特に関連する用語を抜粋

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指定避難所(していひなんじょ)

災害対策基本法の規定により、災害により住宅を失った場合等において、一定期間避難生活をす

る場所。市町村によって指定される。

指定緊急避難場所(していきんきゅうひなんばしょ)

災害対策基本法の規定により、切迫した災害の危険から命を守るために避難する場所。市町村に

より、災害種別に応じた指定がなされる。

施設管理者等(しせつかんりしゃとう)

避難勧告ガイドラインにおいて定義する、要配慮者利用施設や地下街等の所有者又は管理者のこ

と。水防法等により、災害計画を作成することとされている。

垂直避難(すいちょくひなん)

切迫した状況において、屋内の 2 階以上に避難すること。

避難勧告ガイドラインにおける「屋内安全確保」の一つ。

水平避難(すいへいひなん)

その場を立退き、近隣の少しでも安全な場所に一時的に避難すること。または、居住地と異なる場

所で生活を前提とし、避難所等に長期間避難すること。

避難勧告ガイドラインにおける「立退き避難」と同意。

立退き避難(たちのきひなん)

避難勧告ガイドラインにおいて定義する、自宅等から指定緊急避難場所や安全な場所へ移動する

避難行動。水平避難と同意。

土砂災害危険箇所(どしゃさいがいきけんかしょ)

都道府県が調査した土砂災害(急傾斜地崩壊、土石流、地すべり)による被害のおそれがある区域。

①急傾斜地崩壊危険箇所の被害想定区域

傾斜度 30 度以上、高さ 5m 以上の急傾斜地で人家や公共施設に被害を及ぼすおそれ

のある急傾斜地およびその近接地

②土石流危険区域

渓流の勾配が 3 度以上(火山砂防地域では 2 度以上)あり、土石流が発生した場合に被

害が予想される危険区域に、人家や公共施設がある区域

③地すべり危険区域

空中写真の判読や災害記録の調査、現地調査によって、地すべりの発生するおそれがある

と判断された区域のうち、河川・道路・公共施設・人家等に被害を与えるおそれのある範囲

土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域

(どしゃさいがいけいかいくいき・どしゃさいがいとくべつけいかいくいき)

土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成 12 年法律第 57

号)(以下「土砂災害防止法」という。)に基づき都道府県が指定した、住民等の生命又は身体に危害

が生ずるおそれがあると認められる区域。

①土砂災害警戒区域

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土砂災害が発生した場合に住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあり、警戒避

難体制を特に整備すべき区域

②土砂災害特別警戒区域

土砂災害警戒区域のうち、土砂災害が発生した場合に建築物に損壊が生じ住民等の生命

又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあり、一定の開発行為の制限及び建築物の構造の

規制をすべき区域

内水氾濫(ないすいはんらん)

降雨により下水道その他の排水施設に当該雨水を排除できないこと又は下水道その他の排水施

設から河川その他の公共の水域若しくは海域に当該雨水を排除できないことによる氾濫をいう。水防

法第 2 条に定める「雨水出水」のこと。

避難行動要支援者(ひなんこうどうようしえんしゃ)

災害対策基本法に規定された用語。要配慮者のうち、災害が発生し、または災害が発生するおそ

れがある場合に自ら避難することが困難な者であって、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るため

特に支援を要する者。

要配慮者(ようはいりょしゃ)

平成 25 年 6 月に改正された災害対策基本法において定義された「高齢者、障害者、乳幼児そ

の他の特に配慮を要する者」のこと。

流域(りゅういき)

ある河川、または水系の四囲にある分水界(二以上の河川の流れを分ける境界)によって囲まれた

区域。

洪水予報では、水位を予測する基準地点に流入する水量を推算するための領域を指す。