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検査における診療報酬請求の算定要件を 把握して経費削減 ~いったい、いくら削減できると思ってんの?~ 豊 島 病 院 -89-

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Page 1: 検査における診療報酬請求の算定要件を 把握して経 … › jigyou › qc › documents › ...分析結果としては、 ①DPC/PDPS(Diagnosis Procedure Combination/Per‐Diem

検査における診療報酬請求の算定要件を

把握して経費削減

~いったい、いくら削減できると思ってんの?~

豊 島 病 院

-89-

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豊島病院 テーマ名

検査における診療報酬請求の算定要件を把握して経費削減

~いったい、いくら削減できると思ってんの?~ サークル名 ブルゾンよしだ with K メンバー名 検査科 ○吉田美音 ◎高橋肇 黒川実愛

窪田知美 武藤沙起里 医事課 加藤裕子 白鳥潤 1 テーマ選定理由 我が国の医療費は、年々増加傾向にあり、医療費削減のため、診療報酬制度は出来高払い方式から包括払い方

式へと移行してきた。包括払い方式を基本とした診療報酬制度では、包括される医療行為を分析し、改善するこ

とで、医療の効率化と収益性を高められるメリットがある。豊島病院は、公社病院において検査科と医事課の双

方を直営化している唯一の病院であり、検査科と医事課の職員が協働し、病院経営及び収益の向上に寄与してい

くことが可能である。 昨年度の検査科業務統計における検査費(検査科で実施した検査項目を全て出来高換算した収益)約 8 億 7 千

万円のうち、実際に検査実施料が算定された収益は 66.7%(約 5 億 8 千万円)であり、33.3%(約 2 億 9 千万

円)は算定されていなかった。そこで直営化の強みを生かし、診療報酬の算定要件について理解を深め、診療報

酬制度に応じた検査を実施することで検査経費を削減し、病院の収益向上を図ることを目的に、本テーマを選定

した。

2 現状と問題点 (1) 検査科職員全員が診療報酬算定要件について十分に理解していなかった。 (2) 検査科と医事課が連携をして、算定できていない原因分析が十分ではなかった。 (3) 院内への情報発信が十分ではなかった。 3 改善策 (1) 診療報酬請求制度に関する職員の意識向上と理解を深めるため、検査科・医事課合同で勉強会を開催した。 (2) 検査科と医事課で連携して、算定ができなかった要因分析を行った。

分析結果としては、 ①DPC/PDPS(Diagnosis Procedure Combination/Per‐Diem Payment System)による包括 ②外来診療料による包括 ③月 1 回算定項目の重複検査 ④FDP と D ダイマーの同日検

査 ⑤生化学的検査Ⅰ(一部の項目)における 11 項目以上の検査 が主要因として挙げられた。 (3) 要因ごとの院内周知文を作成し、電子カルテへの掲載や院内メール、医局掲示板へ掲示する取り組みを行っ

た。また、診療情報管理委員会において、上記の分析結果及び、電子カルテにおける検査オーダーのセット

の作成方法や修正方法、オーダー後の一部項目削除方法について各診療科医師に説明し理解、協力を求めた。 4 結果及び今後の取り組み

検査科と医事課が合同で活動を行うことで、包括項目など収益に結びついていない検査項目について分析する

ことが出来た。 今後は、今回の取り組みについての評価・効果判定を継続して実施していく必要がある。また、直営化の利点

を活かし、検査科と医事課が協力して診療報酬制度について教育や他科への情報発信をしていくことで、病院全

体の収益向上・効率的な医療の提供に貢献していきたい。

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テーマ名

検査における診療報酬請求の算定要件を把握して経費削減

~いったい、いくら削減できると思ってんの?~

サークル名 ブルゾンよしだ with K メンバー名 検査科 ○吉田美音 ◎高橋肇 黒川実愛

窪田知美 武藤沙起里 医事課 加藤裕子 白鳥潤 1 テーマ選定理由 我が国の国民医療費は年々増加している。国の医療費削減のため、診療報酬制度は、実施した医療行為を忠実

に収益に反映する出来高払い方式から、実際の医療行為にかかった費用に関わらず、診断名や状態に対して定額

の診療費を請求する包括払い方式へと移行してきた。検査部門においては、昭和 56 年に生化学検査Ⅰの包括評

価が開始され、平成 10 年に外来診療料の導入、そして、平成 15 年に DPC/PDPS(Diagnosis Procedure Combination/Per‐Diem Payment System)が入院医療費算定制度に導入され、包括範囲は広まる一方で

ある。包括払い方式を基本とした診療報酬制度では、包括される医療行為を分析し、改善することで、医療の標

準化、効率化とともに収益性を高められることがメリットである。 豊島病院は、公社病院において検査科と医事課を共に直営化している唯一の病院であり、検査科と医事課が連

携をして病院経営及び収益の向上に寄与していくことが可能である。 昨年度の検査科業務統計における検査費(検査科で実施した検査項目を全て出来高換算した収益)約 8 億 7 千

万円のうち、実際に検査実施料が算定された収益は 66.7%(約 5 億 8 千万円)であり、33.3%(約 2 億 9 千万

円)は算定されていなかった。そこで直営化の強みを生かし、診療報酬の算定要件について理解を深め、診療報

酬制度に応じた検査を実施することで検査経費を削減するとともに、病院の収益向上を図ることを目的に、本テ

ーマを選定した。 2 現状と問題点 (1)検査科職員全員が診療報酬算定要件について十分に理解していなかった。 (2)検査科と医事課が連携をして、算定できていない原因分析が十分ではなかった。 (3)院内への情報発信が十分ではなかった。 3 改善策 (1) 診療報酬請求制度に関する職員の意識向上と理解を深めるため、検査科・医事課合同で検査における勉強会

を開催した。 (2) 検査科と医事課で連携して、算定ができなかった要因の分析を行った。

昨年度、算定ができなかった約 2 億 9 千万円の内訳は、入院約 2 億 5 千万円(87%)、外来約 3 千 8 百万円

(13%)であり、大部分が DPC による入院診療費に包括されていることが判明した。外来診療においても、

再診の際に掛かる外来診療料に検査項目の一部が包括されていることがわかった。また、月に 1 回のみ算定

が認められる検査項目や同日に算定ができない検査項目、生化学的検査Ⅰ(一部の項目)は一定項目数以上

で保険点数が包括されてしまうなど、算定ができていなかった要因を特定することができた。

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<算定ができていない主要因>

① DPC による入院診療費計算で検査項目はほとんど包括されていた。

全検査金額

(入院検査を全て出来高換算した場合) 301,497,210 円

うち、出来高金額

(DPCでも包括されない検査、出来高算定患者の検査) 49,418,423 円

うち、包括金額

(一部DPC点数、機能評価係数Ⅰとして評価されている) 252,078,787 円

② 一般検査(尿検査・糞便検査など)や血液検査(赤血球沈降速度・末梢血液一般検査など)の一部は、外来診療料

として包括されていた。

③ BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド) 、HBA1c は月1回のみ算定される項目であるが、昨年度は下表のよ

うに複数回検査が実施され、持ち出し費用が生じていた。

④ FDP と D ダイマーでは、DPC 包括のほか、同日検査と頻回検査のため、昨年度は約半数が算定されていな

かった。

検査項目 件数 包括金額 血算 34,574 7,260,540 円 尿定性 24,295 6,316,700 円 血液像(自動機械法) 15,064 2,259,600 円 尿沈渣(鏡検法) 6,135 1,656,450 円 血液像 4,954 1,238,500 円 尿中ALB、蓄尿ALB 1,021 1,102,680 円

検査項目 重複件数 検査費用 持ち出し費用 BNP(140 点) 244 件 785 円 191,540 円 HBA1c(49 点) 205 件 182 円 37,310 円

検査項目 総検査件数 算定できなかった件数 算定できなかった金額

FDP(80 点) 4,599 件 2,177 件 1,742,040 円

Dダイマー(141 点) 9,277 件 4,965 件 7,001,340 円

検査項目 総検査件数 算定できなかった件数 算定できなかった金額

FDP(80 点) 2,590 件 284 件 227,200 円 Dダイマー(141 点) 5,259 件 1,333 件 1,879,530 円

※2016 年度外来の集計

※2016 年度の集計

※2016 年度外来の集計

※2016 年度に件数・包括金額の多かった 6 項目の集計

※2016 年度入院外来集計(入院包括を含む)

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⑤ 生化学的検査Ⅰ(一部の項目)においては、検査を 10 項目以上実施すると、保険点数は 115 点が上限とさ

れている。当院においては 11 項目以上の検査件数が 8 割以上存在した。

(3) 院内周知文を作成し情報発信した。

1)上記5つの主要因に対し、院内周知文を作成した(資料①~⑤)。 2)院内周知文を電子カルテへの掲載、院内メール、医局掲示板への掲示の 3 つの方法で周知を行った (資料⑥-1~⑥-2)。

3)月1回算定項目の BNP・HBA1cに関して、電子カルテのオーダー画面上に算定要件の注意喚起を掲載し

た(資料⑦-1)。 4)診療情報管理委員会において、算定要件により包括される検査項目、月 1 回算定項目、同日算定が認めら

れない検査項目について説明した。さらに、電子カルテにおける検査オーダーセットの作成方法や修正 方法、オーダー後の一部項目削除方法について各診療科医師に説明し、理解・協力を求めた

(資料⑦-2~⑦-3)。 4 結果・考察

月 1 回算定項目と生化学的検査Ⅰについて、取り組み前後の検証を行った。

(1) 月1回算定項目(BNP、HBA1c) ・BNP においては、お知らせ前の 4 月~8 月の重複割合が平均約 4.5%であったのに対し、お知らせ直後の 9 月

は 3.2%、10 月には 1.6%と、削減傾向がみられた。 ・HBA1c においては、お知らせ後に有意な結果や傾向がみられなかった。妊娠中やⅠ型糖尿病、経口血糖投下

薬やインスリン治療の開始から6ヵ月以内の患者の場合は月 2 回までの算定が認められているように、疾患や病

態によって月 2 回以上の検査が必要になる場合がある。今後は引き続き、重複検査実施状況についてモニタリン

グを行い、推移を見る必要がある。

108150

243 254332

470540

319

202157 122 99 79

39 12 3 3 1 1010,00020,00030,00040,00050,00060,00070,000

0

100

200

300

400

500

600

10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

(円)件数

項目数

10項目以上の件数と持ち出し検査費用

件数 持ち出し検査費用

※2016 年度 4 月の集計

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2017年4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月

BNP 総件数 562 568 565 586 585 537 548

BNP 割合 3.2% 4.0% 4.8% 4.8% 5.6% 3.2% 1.6%

HbA1c 総件数 1,347 1,342 1,556 1,378 1,471 1,367 1,470

HbA1c 割合 1.1% 1.0% 1.9% 1.7% 1.4% 0.9% 1.0%

0%

1%

2%

3%

4%

5%

6%BNP 割合

HbA1c 割合

(2) 生化学的検査Ⅰの包括項目 ・お知らせ前の 2017 年 4 月~9 月とお知らせ後の 10 月を比較して、項目数(割合)に大きな変動は認められな

かった。 ・項目数を減らしやすいと考えられる 20 項目以上の検査オーダーの割合もお知らせ前後で変化がみられず、2017

年 4 月~9 月では 12.1%、10 月は 11.1%であった。 この結果を踏まえて、まずは、20 項目以上の検査依頼について、検査項目数の多い診療科の分析を行い、各

診療科に情報をフィードバックし、理解を求める。その後段階的に、検査項目数の見直しを検討してもらうなど、

継続的な活動を行い、検査項目数の適正化を目指していく。

お知らせ後

(4 月~8 月平均:約 4.5%) (4 月~8 月平均:約 1.4%)

8.8

7.2

2.2

2.9

20.5

19.7

36.2

37.2

21.3

20.9

11.1

12.1

10月

2017年4~9月(平均)

生化学Ⅰ 依頼項目数の推移(%)

1~9 11~13 14~16 17~19 20~10項目数

2017年4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月

BNP 総件数 562 568 565 586 585 537 548

BNP 割合 3.2% 4.0% 4.8% 4.8% 5.6% 3.2% 1.6%

HbA1c 総件数 1,347 1,342 1,556 1,378 1,471 1,367 1,470

HbA1c 割合 1.1% 1.0% 1.9% 1.7% 1.4% 0.9% 1.0%

0%

1%

2%

3%

4%

5%

6%BNP 割合

HbA1c 割合

(2) 生化学的検査Ⅰの包括項目 ・お知らせ前の 2017 年 4 月~9 月とお知らせ後の 10 月を比較して、項目数(割合)に大きな変動は認められな

かった。 ・項目数を減らしやすいと考えられる 20 項目以上の検査オーダーの割合もお知らせ前後で変化がみられず、2017

年 4 月~9 月では 12.1%、10 月は 11.1%であった。 この結果を踏まえて、まずは、20 項目以上の検査依頼について、検査項目数の多い診療科の分析を行い、各

診療科に情報をフィードバックし、理解を求める。その後段階的に、検査項目数の見直しを検討してもらうなど、

継続的な活動を行い、検査項目数の適正化を目指していく。

お知らせ後

(4 月~8 月平均:約 4.5%) (4 月~8 月平均:約 1.4%)

8.8

7.2

2.2

2.9

20.5

19.7

36.2

37.2

21.3

20.9

11.1

12.1

10月

2017年4~9月(平均)

生化学Ⅰ 依頼項目数の推移(%)

1~9 11~13 14~16 17~19 20~10項目数

2017年4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月

BNP 総件数 562 568 565 586 585 537 548

BNP 割合 3.2% 4.0% 4.8% 4.8% 5.6% 3.2% 1.6%

HbA1c 総件数 1,347 1,342 1,556 1,378 1,471 1,367 1,470

HbA1c 割合 1.1% 1.0% 1.9% 1.7% 1.4% 0.9% 1.0%

0%

1%

2%

3%

4%

5%

6%BNP 割合

HbA1c 割合

(2) 生化学的検査Ⅰの包括項目 ・お知らせ前の 2017 年 4 月~9 月とお知らせ後の 10 月を比較して、項目数(割合)に大きな変動は認められな

かった。 ・項目数を減らしやすいと考えられる 20 項目以上の検査オーダーの割合もお知らせ前後で変化がみられず、2017

年 4 月~9 月では 12.1%、10 月は 11.1%であった。 この結果を踏まえて、まずは、20 項目以上の検査依頼について、検査項目数の多い診療科の分析を行い、各

診療科に情報をフィードバックし、理解を求める。その後段階的に、検査項目数の見直しを検討してもらうなど、

継続的な活動を行い、検査項目数の適正化を目指していく。

お知らせ後

(4 月~8 月平均:約 4.5%) (4 月~8 月平均:約 1.4%)

8.8

7.2

2.2

2.9

20.5

19.7

36.2

37.2

21.3

20.9

11.1

12.1

10月

2017年4~9月(平均)

生化学Ⅰ 依頼項目数の推移(%)

1~9 11~13 14~16 17~19 20~10項目数

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その他の ①DPC による包括 ②外来診療料による包括 ④FDP・D ダイマーの同日検査による包括の結果につい

ては、評価期間が短く効果判定に至ることができなかったため、今後の取り組みとして効果判定のモニタリング

を行う。 5 今後の取り組み・展望 今回の活動を通して、出来高請求時代のように検査をすればするほど収益が増えるのではなく、実際に行った

検査の多くが包括算定されていることを改めて認識した。また、検査科と医事課が協働することにより、包括項

目の削減等に向けた取り組みを一歩前進させることができた。 今後は、院内に周知した内容について効果判定及び周知の徹底を継続して実施していきたい。具体的には、効

果判定の一部として、医師を対象にお知らせ内容の理解度や、実際にオーダーの見直しを行ったかなどのアンケ

ート調査を行う。お知らせ後で改善傾向がみられない項目については、さらに原因の分析を行い、診療科医師の

協力を求め、改善に向けて検討していく。 今後の展望として、検査科は、検査をこなすだけでなく実施状況を把握することで検査の妥当性を評価し、標

準化を図ることが求められる。その前段として、医事課は、当院のデータ分析や他病院との比較分析を行い、包

括される検査の実施割合や費用の出来高換算比較をすることで、検査の適正化を図る。その結果を臨床へフィー

ドバックし、不要な経費の削減、収益向上の改善について提案を行っていく。 最後に、公社において検体検査部門を直営化している検査科は 3 病院あり、医事課入院算定業務においては豊

島病院のみである。今回のような取り組みや、経営感覚を持つ人材の育成を積極的に行うことが出来るのが直営

化の利点であり、今後はその利点を活かし、これまで以上に検査科と医事課が協力し、直営化のモデルケースと

して効率的な医療の提供に貢献していきたい。

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全検査金額(入院検査を全て出来高換算した場合)

301,497,210円

うち、出来高金額(DPCでも包括されない検査、出来高算定患者の検査)

49,418,423円

うち、包括金額(一部DPC点数、機能評価係数Ⅰとして評価されています)

252,078,787円

検査科・医事課からのお知らせ検査科・医事課 QC活動

DPC制度入院診療費計算方法

⇒ 検査項目 は包括されます!!

◆ 診断群分類に基づく入院1日あたりの定額支払い制度です。

◆ Diagnosis(診断) Procedure(診療行為) Combination(組み合わせ)の略です。

◆ 実際の医療行為を足し上げる出来高計算とは異なる計算方法です。下図参照。

【DPCとは?】

入院基本料

検査

画像診断

薬(投薬・注射料)

処置料

手術・麻酔

一部の検査・処置

リハビリテーション

その他

手術・麻酔

一部の検査・処置

リハビリテーション

その他

一日あたりの包括点数

+

包括

出来高

従来の計算(出来高方式) 新しい計算(DPC方式)

※手術や一部の検査(内視鏡等)・処置等、医師の専門的な技術料については従来の請求と同じく出来高になります。

検査項目も包括

◆効率的な治療のために必要な項目のみ実施をお願いいたします。

検査を実施する際は

◆可能な限り出来高算定できる外来時に実施をお願いいたします。

病院の収益UPにつながります!ご協力お願いいたします!!

H28年度に実施した全検査金額のうち、84%は包括金額となっています。ということは・・・。84%は検査をしても、しなくても病院に入るお金は変わらないことになります。

【H28年度 検査金額(入院)】

算定金額

包括金額84%

16%

資料①

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検査科・医事課からのお知らせ検査科・医事課 QC活動

〈再診〉外来診療料に検査項目が包括されます!!

【外来基本診療料とは】

再診患者

検査 画像診断 投薬

注射 リハビリ 処置

医学管理

在宅指導

実際の診療行為

初診料282点

初診患者

外来診療料73点

検査 画像診断 投薬

注射 リハビリ 処置

医学管理

在宅指導

実際の診療行為

検査と処置の一部が外来診療料に包括

外来診療費の計算方法

※再診時にかかる診察料

実際の診療行為は全て出来高算定可能

外来診療料のみ 検査項目の一部が包括されてしまいます。※ 初診料・再診料は、検査項目の包括はされません。

算定名称 備考

初診 病気やけがをした患者に初めて診察が⾏われた場合に算定 初診料

再診料 200床未満の病院や診療所外来診療料 200床以上の病院再診 同⼀の病気やけがで再び診察が⾏われた場合に算定

区分

◆再診時には初診時の検査結果を参考にし、必要な場合のみ新たに検査を実施してください。

◆尿沈渣がセット化されている場合はセット項目の見直しをお願いします。

検査項目 件数 包括金額①血算 34,574 7,260,540円

②尿定性 24,295 6,316,700円

③血液像(自動機械法) 15,064 2,259,600円

④尿沈渣(鏡検法) 6,135 1,656,450円

⑤血液像(鏡検法) 4,954 1,238,500円

⑥尿中ALB、蓄尿ALB 1,021 1,102,680円

【昨年度、外来診療料に包括された検査項目 (上位6項目) 】

病院の収益UPにつながります。ご協力お願いいたします!!

資料②

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※2016年度の集計

重複件数 検査費用 持ち出し費用

BNP(140点) 244件 ¥785 ¥191,540HBA1c(49点) 205件 ¥182 ¥37,310

この項目に注意!当院で多い重複検査 (年間)

月1算定検査項目とは?

1件あたりの検査時間

累計検査時間(重複件数×検査時間)

BNP 約30分 122時間

HBA1c 約3分 10.25時間

合計 約33分 132.25時間

腹部超音波検査が年間約396件可能!!(検査代:5300円/件)

約2,098,800円の収益に相当します!!

の経費削減

の有効活用

2項目(年間)で

が可能です!!

月1算定項目の重複検査削減にご協力お願いいたします!!

資料③

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FDPとDダイマーの同日検査は算定が認められません!!

総検査件数(保険請求金額) 査定件数 査定金額

FDP(80点) 4,599件(¥3,679,200) 2,177件 ¥1,742,040

Dダイマー(141点) 9,277件(¥13,080,570) 4,965件 ¥7,001,340

合計

FDP、Dダイマーをオーダーする際には◆どちらか単独でオーダーをしてください。◆セット化されている場合は、セット項目の見直しをお願いします。◆可溶性フィブリンは意義があり、算定が認められます。

病院の収益UPにつながります!ご協力お願いいたします!

昨年度FDP、Dダイマーともに半数が査定されています!!(同日オーダーは100%査定されます!)

査定金額は年間870万円です!!

H28年度集計

FDPとDダイマーの違いとは?

FDP:フィブリノゲンとフィブリンの分解産物

D-ダイマー:フィブリン分解産物の分画の1つ

資料④

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検査科・医事課からのお知らせ検査科・医事課 QC活動

生化学的検査Ⅰ(下表の項目)は包括算定であり10項目以上はすべて同じ115点です

◆必要な検査項目のみオーダーしてください。◆セット化項目の見直しをお願いします。

生化学的検査Ⅰをオーダーする際は

検査項目数(患者1人あたり)

削減可能な検査費用(年間概算)

10項目におさえると 400万円15項目 〃 100万円20項目 〃 10万円25項目 〃 2千円

仮に全て10項目におさえると

年間約400万円経費削減が可能!!

経費削減は病院の収益UPにつながります。ご協力お願いいたします!!

総ビリルビン 直接ビリルビン 総蛋白 アルブミン 尿素窒素

クレアチニン 尿酸 ALP ChE γ-GT中性脂肪 Na及びCl K Ca Mg膠質反応(ZTT、TTT) クレアチン グルコース LD AMYLAP CK アルドラーゼ 遊離コレステロール FeUIBC TIBC リン脂質 HDLコレステロール 無機リン及びリン酸

総コレステロール AST ALT LDLコレステロール 蛋白分画

Cu リパーゼ イオン化カルシウム Mn

1項目の検査費用は約19円!!

10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

件数 108 150 243 254 332 470 540 319 202 157 122 99 79 39 12 3 3 1 1

持ち出し検査費用 0 2,850 9,234 14,478 25,232 44,650 61,560 42,427 30,704 26,847 23,180 20,691 18,012 9,633 3,192 855 912 323 342

¥0

¥10,000

¥20,000

¥30,000

¥40,000

¥50,000

¥60,000

¥70,000

0

100

200

300

400

500

600

検査

費用

件数

項目数

10項目以上の件数と持ち出し検査費用

件数 持ち出し検査費用

※2016年4月のデータ

持ち出し検査費用(年間換算) : 4,021,464円

持ち出し検査費用(1ヶ月合計): 335,122円

※持ち出し検査費用:(項目数-10)×件数×19円(1項目の検査費用)

資料⑤

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【資料⑥-2:医局掲示板への掲示】

【資料⑥-1:電子カルテへの掲載】

資料⑥

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【資料⑦-2:診療情報管理委員会】

【資料⑦-3:検査オーダーセット画面】

【資料⑦-1:電子カルテオーダー画面】

資料⑦

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