多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬...

26
多様化する創薬 作業部会発表用資料 2018/06/06 内田 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会 創薬研究戦略作業部会(第12回) H30.6.6

Upload: others

Post on 22-Jul-2020

4 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

多様化する創薬

作業部会発表用資料 2018/06/06内田 渡

話題紹介

資料2ライフサイエンス委員会

創薬研究戦略作業部会(第12回)H30.6.6

Page 2: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

2

1 医薬を取り巻く環境変化

3

2

4効果的なオープンイノベーションとは

多様化する創薬研究

まとめ

Page 3: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

3

1 医薬を取り巻く環境変化

Page 4: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

4

1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050

生物製剤 (抗体,タンパク)

New Modalities (遺伝療法,細胞療法,核酸医薬)

工学系技術との融合

革新的バイオ医薬→医療選択肢の多様化

医薬から医療ソリューションへ→医療工学による新しい選択肢

1) 医薬を取り巻く環境変化 (1/3)

変曲点

医療革新と創薬プロセス変革

医療の成長

Page 5: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

51) 医薬を取り巻く環境変化 (2/3)

医薬・創薬の変遷(変曲点)過去 低分子化合物: 19世紀の柳からのサリチル酸発見以降,薬草医療や民間療法から低分子化合物による薬物医療へ.

抗体と生物製剤:1990年代半ば,抗TNF製剤エンブレルが医薬市場参入.この20年間で生物製剤は低分子化合物以上の医療モダリティへと成長.それに伴って,標的特異性や安全性を求める創薬へと転換.

現在~未来➢ 新たな医療モダリティ(遺伝療法,細胞療法,核酸医薬,など):新モダリティの医療参入は,「医療選択肢の多様化」,および「創薬プロセスや治験プロセスの多様性」,ならびに「医療ビジネスの多様性」を生み出す.

➢ 工学系技術の進歩:工学系技術の進歩は,工学技術と医療との融合による「医療ソリューション充実化」の模索へと進む.それは,近い未来において医療そのものの在り方を変える潜在的可能性がある.

世界に対して日本発医薬の底力を示すためには,これらの変化を的確に予見し,変化に対応できる医薬・創薬基盤やプロセスをいち早く構築できることこそが必要.

Page 6: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

6

現在 革新的バイオ医薬品創薬 革新医療

革新技術 HTS,計算科学 蛋白工学,ヒト化技術

核酸修飾 遺伝子編集 人工染色体 人工細胞開発 ベクター・DDS開発 他

センサー技術 ナノ技術/ロボット技術 デジタル化情報 (Big-D) アプリ開発 他

モダリティ 低分子 生物製剤 (抗体,蛋白)

革新的バイオ医薬 ペプチド医薬・中分子 核酸医薬 遺伝子治療 細胞治療 (再生医療) 他

新規医療手段の提供 どのような医療ソリューション

か現時点で不明 医薬+IoTデバイス? デジタル医薬?

創薬プロセス

前臨床 ① 標的探索② 化合物探索③ in vitro薬効評価④ in vivo有効性試験⑤ 安全性試験⑥ 製造・規格

全ての前臨床プロセスが確立している訳ではない.

モダリティ毎に,有効性,安全性,製造・規格が異なってくる.

提供するソリューション毎の多様なプロセス

臨床 ① P1健常人安全性・用量設定治験

② P2患者安全性・用量設定治験

③ P3有効性治験④ 申請~承認審査~承認

臨床レギュラトリーサイエンス(安全性,製造・規格,など)が確立していない.

モダリティ毎に,臨床治験が異なってくる.

レギュラトリーサイエンスが未確立

提供するソリューション毎の多様なプロセス

医療革新によって想定される創薬研究の多様化

1) 医薬を取り巻く環境変化 (3/3)

Page 7: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

7

2 多様化する創薬研究

Page 8: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

8

1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050

生物製剤 (抗体,タンパク)

New Modalities (遺伝療法,細胞療法,核酸医薬)

工学系技術との融合

革新的バイオ医薬→医療選択肢の多様化

医薬から医療ソリューションへ→医療工学による新しい選択肢

変曲点

医療革新と創薬プロセス変革

医療の成長

2) 多様化する創薬研究

Page 9: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

92) 多様化する創薬研究

最適化が必要→製品化の視点から各要素の融合を図る

医療ニーズ✓ 疾患ニーズ✓ 患者ニーズ✓ 医療市場ニーズ

疾患

治療手段

標的

製品

疾患の理解✓ 機能生理✓ 病態生理✓ 病理

モダリティ✓ ペプチド医薬・中分子✓ 核酸医薬✓ 遺伝子治療✓ 細胞治療 (再生医療) 他

要素技術✓ 核酸修飾✓ 遺伝子編集✓ 人工染色体✓ 人工細胞開発✓ ベクター・DDS開発 他

2-①. 革新的バイオ医薬

次のステップとして➢ 革新医療の達成に向けて、各要素技術の融合・最適化を推進するオープンイノベーション機能などを

構築すべきと考えられる。

Page 10: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

102) 多様化する創薬研究2-②. 革新医療:医療を取り巻く環境変化

患者国民の健康意識向上➢ 治療から予防/未病改善へ

世界的な老齢化社会への移行➢ 老化防止への取り組みの必要性➢ 介護医療への対策➢ 患者connectivity(都市化への対策)

医療・経済有効性とQoL向上への指向➢ 明確な効果と安全性の追求➢ 適正な医療価格への是正

診断技術の向上→個別化・予防・先制医療へ

➢ AI技術と医療big dataの活用

創薬技術・生物科学モダリティ技術の向上と多様化

➢ 低分子から抗体,さらに遺伝制御や再生・細胞医療へ

病態生理の解明と標的探索力の向上➢ In silico/bioinformatics技術と医療・科学big dataの活用

工学技術・科学科学・工学技術の向上

➢ センサー/デジタル/AI/イメージング技術など→医薬との融合、デジタルヘルス

➢ SNSの急速な普及(1台/1人)→R&Dプロセス革新へ

Key Words;老齢化,各種技術革新,医療経済

医療環境の変化(実質的変化)

医薬業界を取り巻く環境

Page 11: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

11

医療経済的指向の変化

各種技術革新(工学技術・バイオ技術)

老齢化社会

「医薬」による医療から,「医療ソリューション」による医療へ

社会的コネクティビティ

個別化

先制医療

デジタル化

都市型化

モバイル端末普及

工学と医療の融合による医療ソリューション充実化と医療変化

2) 多様化する創薬研究2-②. 革新医療:医療を取り巻く環境変化

Page 12: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

12

センサー技術/デジタル技術 イメージング技術

AI技術 素材技術/工学技術

創薬標的同定

診断支援 人工組織・臓器

ナノ医療

病理診断支援

生体反応診断支援 外科手術

支援

遠隔医療外科手術

投薬支援

運動・介護支援ロボット

創薬R&Dプロセス最適化・加速化

遠隔医療診断

医薬・医療イノベーション

2) 多様化する創薬研究2-②. 革新医療:医工連携の動向

Page 13: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

13

最近のセンサー技術事例 (2017.01~現在)

1. 次世代医療を強力にサポートするバイオセンシングの新技術 ~テラヘルツ波光源とマイクロ流路内溶液の近接相互作用を利用した非線形光学結晶製のチップを開発,ガンや糖尿病などの早期発見、インフルエンザウイルスの迅速で簡易な検出、生きた細胞の非破壊評価など幅広い波及効果に期待~ (阪大)

2. 通気性のある皮膚貼り付け型センサーで長期健康管理への応用に期待 ~新たなナノメッシュ構造で皮膚呼吸が可能、炎症を防ぐ~ (東大)

3. 触れることなくバイタルサインをセンシング ~人の外部と内部の機械的な動きで無線周波数信号を直接変調する方法を開発,心拍数、血圧、呼吸数、呼吸努力をモニターできる~ (Nature, 海外)

4. てんかん発作兆候をシャツが検知 京都の繊維会社開発 ~織り込まれた銀メッキ導電性糸が読み取った心拍データをスマートフォンに転送してアラームが鳴る仕組み~ (繊維メーカーのミツフジ,AMED)

5. 心臓表面にレーザーをあててミトコンドリア酸化還元変化を定量 ~心停止を予測 ~ ミトコンドリア蛋白質の電子取り込み変化を把握する共鳴ラマン分光法を利用し、ミトコンドリアの酸化還元状態の推移を実況中継する方法を開発~ (Sci Trans Med, 海外)

6. 指に光当て血糖値測定,採血要らず (量子科学技術研究開発機構)7. 「薬」の振る舞いと効きめを体内で測る新技術 針状“ダイヤモンド電極センサー”を使って開発 ~さま

ざまな病気の治療法や創薬に期待~ (新潟大,慶応大,東大,JST)8. 体臭測定デバイス開発、3種嗅ぎ分け (コニカミノルタ)

2) 多様化する創薬研究2-②. 革新医療:医薬周辺技術事例 (1/3)

Page 14: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

14

最近のデジタル技術事例 (2017.01~現在)

9. 薄型で伸縮自在なスキンディスプレイの開発に成功 ~スキンセンサーで計測された心電波形を動画表示し、在宅ヘルスケア応用に期待~(JST, 東大,大日本印刷)

10.世界初のデジタルメディスン「エビリファイ マイサイト」 米国承認 (大塚薬品)11.洗濯可能な超薄型有機太陽電池 ~衣服貼り付け型の電源としての応用に期待~ (理研,東大,

JST)12.GSK社,喘息とCOPDの管理でデジタルヘルス機器の商品化を目指す ~「エリプタ」吸入器向けに開

発したクリップオンセンサーとソフトウエアの商品化を検討,エリプタを用いて喘息とCOPDに対する治療薬を患者に投与する際にデータを収集する~ (GSK)

13.自動ドローンで心停止の現場に自動体外式除細動器(AED)をより早く届けうる (JAMA, 海外)

最近のイメージング技術事例 (2017.01~現在)14.非造影・非侵襲の「光超音波イメージング技術」によって手掌動脈の可視化と血管形状の定量解析

に成功 (京大)15.がん分子標的薬の効果を投薬前に高精度で診断する方法の開発 ~格段に明るく光るナノ粒子を利

用した高感度定量イメージング~ (東北大,コニカミノルタ)16.生体組織の深部を切除することなく可視化することにより、リアルタイムで定量的にがんを診断できる画

期的な診断技術を開発 ~多光子励起イメージング技術を用いることで、従来の診断法よりも低侵襲で迅速かつ定量的にがんの診断を行うことが可能~ (阪大,AMED)

17.皮膚内部にある血管網の3次元位置を非侵襲で画像化する技術を開発 ~ 「光超音波×超音波イメージング」で実現; 光超音波で得られるヘモグロビンの分布画像に、超音波画像を重ね合わせることで、皮膚表面から深さや位置の情報も同時に表示~ (アドバンテスト)

2) 多様化する創薬研究2-②. 革新医療:医薬周辺技術事例 (2/3)

Page 15: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

15

最近の素材技術事例 (2017.01~現在)

18.細胞の中に入って働く湾曲ナノグラフェンを開発 ~水溶性湾曲ナノグラフェンがヒト培養細胞に取り込まれ、リソソームという細胞小器官に蓄積し,レーザー光を照射すると、光刺激を受けた細胞だけが死滅する現象が起きることを発見~ (名大,JST)

19.ヒドロゲルを用いて、電気細胞の一部の特徴を模倣した管状系を開発 ~生体適合性を有する可能性のある材料から作られた軟質で柔軟性のある透明な人工発電器官,移植組織、各種ウエアラブル技術とその他のモバイル機器のための電気エネルギーへ道~ (Nature, 海外)

20.乳癌検出の蛍光プローブが2018年にも臨床性能試験へ ~蛍光のオンオフを精密に制御できる蛍光プローブ開発~ (東大)

21.ムール貝接着成分を安全にヒドロゲル化する方法を開発 (ACS, 海外)22.人工硝子体として長期埋め込み可能なゲルの開発 (東大,筑波大)23.世界最高性能の伸縮性導体を実現 ~ゴム内で銀ナノ粒子の自然形成現象発見による新素材への

応用に期待,スポーツウェア型ウェアラブルデバイスや高い伸縮性を必要とするロボットの人工皮膚を実現する上で必要不可欠な技術~ (東大,JST, 理研)

24.ポリマーで作った人工心臓弁が羊の体内でゆっくり分解して組織形成を導いた ~電界紡糸(エレクトロスピニング)技術,細胞浸潤/細胞外基質生成/組織構築を促すポリマーの作成~(Biomaterial, 海外)

2) 多様化する創薬研究2-②. 革新医療:医薬周辺技術事例 (3/3)

Page 16: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

16

現状 AMED/JST/理研や各アカデミアから公開される国内科学・技術情報だけでも,個々の分野で

日々数多くの技術進歩が報告されている. 多くの人々が,医薬連携で,センサー/デジタル技術/AI/イメージング/素材といった分野での

技術利用の可能性をイメージし,実際に徐々に実現しつつ状況ではある. また,多くのバイオ関連でのマッチングイベントなどが開催され,互いにマッチする技術の取り込みや

提携は進みつつある中で,かつてのSF的な「夢の医療」も実現可能なものになりつつある.

課題 融合による「夢の医療」を実現するためには,単に2つの技術融合だけではなく,多くの最新要素技

術を統合して行く必要がある. しかし,バイオや医療と工学技術のマッチングは,個々の当事者の興味やニーズに基づいて実施され

ており,実際に,戦略的に新たなプロダクトを能動的に生み出すために,複数の要素技術の積極的なマッチングが行われているケースは少ない.

そのため現状では,機会的なマッチングによる医療イノベーション創出に委ねられており,国内の工学技術発明やバイオ機序発見に比して,実質的な医療イノベーションに繋がる確度は高くない.

対策➢ 革新医療の達成に向けてマッチングをリードする仕組み、例えば、工学系と医薬系の提携を推進

するオープンイノベーション機能 (non zero sum連携体制) などを構築すべきと考えられる。

2) 多様化する創薬研究2-②. 革新医療:医工融合における現状と課題

Page 17: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

17

3 効果的なオープンイノベーションとは

Page 18: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

18

多様なモダリティに対応した技術基盤の必要性

多様な疾患領域毎での幅広い標的探索の必要性

多様な疾患領域&治療手段に対応した創薬技術・知識確保の必要性

多様な疾患領域&治療手段に対応した臨床開発推進の要性

標的探索 治療手段

創薬研究推進(非臨床POC取得)

臨床開発推進(臨床治験POC取得)

創薬R&Dリソース

Discovery

Research Promotion

企業のみならず近年のアカデミアのビジネス指向性に伴い基盤ボトムアップができている領域

主にアカデミアでシーズや技術が生み出され,それを企業が応用してきた領域

Clinical Promotion

アカデミア発起業も進みつつあるが,治験資金面から主に企業主導で進められている領域

今後の創薬R&Dプロセス → 機能的分担化・分業化へ

3) 効果的なオープンイノベーションとは

Page 19: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

19

申請検証治験探索治験最適化研究標的探索研究

一方,初期段階研究は創薬実効性リスクが高い

標的探索には高い独創性が求められる

企業としては創薬実効性確度の高いR&D後期にリソースを注力

アカデミアと製薬企業間でのリスク分散を可能とし,互いの利害が合致するNon Zero Sum協働体制の構築は可能か

今後の創薬R&Dプロセス → 機能的分担化・分業化へ

3) 効果的なオープンイノベーションとは

Page 20: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

203) 効果的なオープンイノベーションとは

製品化の視点から各要素の融合・最適化を図る.

医療ニーズ✓ 疾患ニーズ✓ 患者ニーズ✓ 医療市場ニーズ

疾患

治療手段

標的

製品

疾患の理解✓ 機能生理✓ 病態生理✓ 病理

モダリティ✓ ペプチド医薬・中分子✓ 核酸医薬✓ 遺伝子治療✓ 細胞治療 (再生医療) 他

要素技術✓ 核酸修飾✓ 遺伝子編集✓ 人工染色体✓ 人工細胞開発✓ ベクター・DDS開発 他

企業への要素技術の橋渡しとして➢ 革新医療の達成に向けてマッチングをリードする仕組み、例えば、製品化の視点から各要素の融合・

最適化を推進するオープンイノベーション機能などが必要になってくると考えられる。

Page 21: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

21

オープンイノベーション分類オープンイノベーション 特徴 事例

コンソーシアム型 コミュニティ活動をプラットフォームにして連携するシステム pre-competitiveな情報のみを共有 実用化・ビジネス化までの距離は短くない

官・学主催によるコンソーシアム (免疫炎症性難病創薬コンソーシアム ,など)

ネットワーク型 多地域・多地点間でネットワークを介して技術・情報を共有することで連携するシステム ネットワーク内で情報を共有 現場間での密なコミュニケーション少ない(戦略的連携

方向性以外での閃き確度は低い)

SNSネットワークによるオープンイノベーション支援企業によるネットワーク(ナインシグマ,など)

拠点集約型 一つの地域に多様な技術・情報が集中してエコシステムを形成するシステム 拠点ネットワーク内全体での情報共有は限定的 現場間での密なコミュニケーションは比較的多い 異なる技術・情報とのフレキシブルなplug-in/outか可

能 スタートアップの起業・提携に好環境

シリコンバレーボストン地区シンガポール 他

アンダーワンルーフ型 一つの拠点ラボを中心に産学の提携を展開するシステム 拠点ラボ内および提携ネットワーク内で情報共有 拠点内での連携・コミュニケーション密度高い(拠点ラボ

内での,異業種や産学間での気付き・閃き確度は高い)

学内産学連携拠点 (AKプロジェクト,など)

3) 効果的なオープンイノベーションとは

Page 22: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

22

Precision Medicine

TranslationalResearch

Center

Advice on researchand development

Kyoto Univ. Astellas Fusion Lab.

Labs. Supervisorfrom Academia and

Company

Intellectual Property Office

Core Professors and their team

22

Kyoto Univ Hospital

Investigator Groups

Coordinates publicationand patent application

Identification and Validation of New Drug Targets Prediction of clinical usefulness of Targets/Compounds

Identification of Biomarkers

Astellas

Astellas Groups

産学連携例:アンダーワンルーフ型アステラスー京大融合拠点 (AKプロジェクト)

3) 効果的なオープンイノベーションとは

Page 23: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

23

アカデミア 企業

基礎バイオロジー

臨床医療

融合ラボ拠点

医療UMNs

最新技術

アイディア:標的・アプローチ

臨床開発

創薬研究

創薬know-how

医療ビジネスニーズ

医療サンプル医薬品規格化

臨床治験

標的・アプローチ実行可能性検証

産学連携例:アンダーワンルーフ型

3) 効果的なオープンイノベーションとは

Page 24: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

24

4 まとめ

Page 25: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

25

医療を取り巻く環境変化

→科学技術の進展により「革新的医療」が提供されてきた

→環境の変化を的確に予見し,それに対応できる医薬・創

薬基盤やプロセスを迅速に構築していくことが必要

多様化する次世代創薬研究

→革新的バイオ医薬の更なる推進・加速

→医療、工学との融合による新規医療選択肢の出現

効果的なオープンイノベーション

→創薬R&Dプロセスの機能的な役割分担

→今後の医療変革には産学官の連携による対応が必須

3) まとめ

Page 26: 多様化する創薬 - 文部科学省ホームページ多様化する創薬 作業部会発表用資料2018/06/06 内田渡 話題紹介 資料2 ライフサイエンス委員会

26

26

End of file