【なぜ秘密保持契約(もしくは合意書)が必要なのか?】 ·...

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Page 1: 【なぜ秘密保持契約(もしくは合意書)が必要なのか?】 · 治験審査委員会での審議のために実施医療 機関で行う手続きや治験審査委員会のスケジュール、必要な書類を確認したうえで、書

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【なぜ秘密保持契約(もしくは合意書)が必要なのか?】

要件調査に先立って実施医療機関と治験依頼者で多くの秘密情報が取り交わされます。そのため、治験依頼者は実施医療機関で治験手続きを開始する前に、実施医療機関、治験依頼者の双方が、治験を行う上で知り得た情報を適切に取り扱うことを定めた秘密保持契約(または合意書)を取り交わすことがあります。

秘密保持契約書には、以下の項目が含まれます。

• 秘密情報の範囲、保管・管理、返還など

• 知的財産権

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【重要ポイント】

GCP第35条では実施医療機関の要件を,GCP第36条では実施医療機関の長の責務として各

種手順書の整備を定めています。しかし、よりよい実施体制を構築するには、条文で求められている治験に関する手順書や治験薬管理だけでなく、質の高い治験が実施できるスタッフの育成と確保のための体制が整備されていることが必要です。

<GCP第35条>

実施医療機関は、次に掲げる要件を満たしていなければならない。

① 十分な臨床観察及び試験検査を行う設備及び人員を有していること。

② 緊急時に被験者に対して必要な措置を講ずることができること。

③ 治験責任医師等、薬剤師、看護師その他治験を適正かつ円滑に行うために必要な職員が十分に確保されていること。

【要件調査は何のために行うのか?】

治験依頼者は、GCP第6条にもとづき、GCP第35条に掲げる要件を満たしている実施医療機

関を選定する必要があります。そのため、治験を依頼する予定の実施医療機関が適切に治験を実施できるかどうかを判断するための要件調査を行います。また、要件調査においては、依頼する治験の治験実施計画書の手順にしたがって治験が実施可能であるかどうかもあわせて、実施医療機関の治験環境について確認します。

【引用等】

• 日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会:医療機関からの治験体制等の情報発信に関する検討.2010年4月

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【治験手続きについて】

治験依頼者は、いつからどの医療機関で治験を開始ができるかを正確に把握しながら、治験開始の準備をすすめていきます。治験審査委員会での審議のために実施医療機関で行う手続きや治験審査委員会のスケジュール、必要な書類を確認したうえで、書類の収集を行い、初回の治験審査員会に提出される資料については各医療機関の期日までに治験事務局に提出されます。

特に、治験責任医師等の履歴書(治験責任医師の履歴書は必須であるが、国際共同治験などでは治験分担医師の履歴書も求められる場合がある。)の所属・職名などについては最新の情報を治験依頼者に提供する必要があるため、治験事務局で治験に携わる医師の履歴書を一括で管理し、維持していくことが望まれます。

【引用等】

• 日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会:医療機関からの治験体制等の情報発信に関する検討.2010年4月

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Page 6: 【なぜ秘密保持契約(もしくは合意書)が必要なのか?】 · 治験審査委員会での審議のために実施医療 機関で行う手続きや治験審査委員会のスケジュール、必要な書類を確認したうえで、書

【治験審査委員会について】

治験依頼者は、各実施医療機関で治験審査委員会が適切に運営されているかどうかを確認します。

また、外部のIRBで審議する場合、治験依頼者は実施医療機関の長と当該治験審査委員会の設置者との契約が締結されているかどうかも確認します。なお、契約書には契約年月日、当該実施医療機関及び当該治験審査委員会の設置者の名称及び所在地,当該契約に係る業務の手順に関する事項,当該治験審査委員会が意見を述べるべき期限,被験者の秘密の保全に関する事項,その他必要な事項などが必要となります。

実施医療機関は、スライドに示されている内容に関して、依頼者に提供を求められるケースがあります。

【引用等】

• 日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会:医療機関からの治験体制等の情報発信に関する検討.2010年4月

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【費用、院内設備等】

治験依頼者は、治験にかかる費用を正確に把握するために、各実施医療機関での支払いに関する内容を確認します。今後は費用の納入方法が実績ベースである(前払い・返金なしではない)ことを治験依頼先選定時の条件とする治験依頼者が増えつつあります。また、実施医療機関の治験にかかわる設備についても項目を確認します。

【引用等】

• 日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会:医療機関からの治験体制等の情報発信に関する検討.2010年4月

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【治験実施計画書の特有の項目をなぜ確認するか?】

治験を行う上で、候補患者数や症例登録の見込みに関する情報は、治験のスケジュール全体に影響する内容です。

候補患者数、症例登録見込みに関する情報は、治験依頼者にとって治験を円滑にすすめていくための最もKeyとなる情報になります。

候補患者数、症例登録見込みに関して、実施医療機関、依頼者の双方が正確な情報を共有することでスムーズに治験をすすめていくことが可能となります。

患者数や組み入れスケジュールに関する情報はGCPガイダンス(第42条第5項)に「治

験責任医師は合意された募集期間内に必要数の適格な被験者を集めることが可能であることを過去の実績等により示すこと」と規定されており、治験責任医師の要件として重要な内容です。

【引用等】

• 日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会:医療機関からの治験体制等の情報発信に関する検討.2010年4月

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【治験実施計画書の特有の項目を確認する理由】

実施医療機関と治験依頼者の双方が協力し、治験実施計画書に定められた必須の項目が実施可能であることを確認する必要があります。

実施計画書に記載されている検査項目の実施が厳しいことが判明した場合には、双方で協議しながら解決策を検討していくことになりますので、治験開始前の早い段階で見つけることができれば、実施が可能となります。

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【望ましい要件調査とは?】

実施医療機関側としては、同じ調査項目を異なるメーカーから何度も調査されないようにすることで、実施医療機関のスタッフの業務量が減ることが考えられます。また、治験依頼者側にとっても、施設訪問による調査項目を減らすことが可能となれば、モニターの業務が減ることとなり、実施医療機関、治験依頼者の双方で、治験を行う上で重要な項目に注力し協議することができます。

【情報公開しておくことのメリットについて?】

インターネット上に可能な限りの最新情報を公開し、治験依頼者が必要な最新情報*を容易に入手できるような状態にしておくことで、以下のように実施医療機関、治験依頼者の双方にメリットがあると考えられます。

(*治験等適正化作業班の報告において、症例集積性および治験効率化の観点から、治験施設のデータベースを作成するうえで重要と考えられる項目が紹介されております。)

<実施医療機関のメリット>

• 個々の治験依頼者から同じ内容の問い合わせを受けることが少なくなる。

• 治験を行っている診療科や実績を公表することにより、治験の依頼が増える可能性が高くなる。

<治験依頼者のメリット>

• 実施医療機関への不要な問い合わせが減り、より重要な調査項目について集中して実施医療機関と協議できる。

• 調査のための治験依頼者の訪問頻度を少なくすることができる。

【治験の窓口一本化によるメリットは何か?】

治験依頼者が行う要件調査の調査票やチェックリストの内容を治験事務局の代表者がとりまとめて回答することで、実施医療機関および治験依頼者双方の効率があがることが考えられる。

【引用等】

• 治験等適正化作業班 治験等の効率化に関する報告書.平成23年5月

(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001f1rr-att/2r9852000001f27x.pdf)

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【重要ポイント】

依頼者としては、依頼する治験が実施医療機関と協議した計画どおりに開始されることが重要と考えていますが、それには精度の高い要件調査を行う必要があります。精度の高い要件調査を行うには、実施医療機関スタッフのサポートが欠かせません。

【要件調査から治験開始までに必要なこととは?】

要件調査を起点として、治験が開始されるまでには、実施医療機関のスタッフと依頼者でさまざまな項目において協議を行うことになります。

依頼者と治験関連部署の面談、治験に関する書類の準備(責任医師等の履歴書など)、治験に関連したトレーニング、説明会等の実施などについて、実施医療機関スタッフの強力なサポートが得られることでより早く治験を開始させることができます。

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