木材学会2019 mf傾角nir クローン交差検証 ポスターnir計測 bruker optics...
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![Page 1: 木材学会2019 MF傾角NIR クローン交差検証 ポスターNIR計測 Bruker Optics 社製のMATRIX-F 測定波長域1000~2500nm、分解能0.54nm~2.17nm、 波長数は1516、スポット径約3mm](https://reader035.vdocuments.site/reader035/viewer/2022081620/6108f73382a21e6b68723c98/html5/thumbnails/1.jpg)
クローン R^2値 RMSE ME 実測MFA平均値
実測MFA標準誤差
サンプル数 個体数
A 0.480 8.76 6.74 19.0 7.59 86 18B 0.758 4.25 1.15 29.1 8.38 53 15
53 C 0.557 4.76 -0.02 29.1 6.06 78 174 D 0.660 4.50 -1.01 29.5 6.76 87 18
E 0.711 3.70 0.19 29.7 6.86 61 141 F 0.699 3.73 0.20 37.0 6.24 73 17
G 0.457 6.48 -4.17 38.2 6.22 114 33
□ スギにおいてMF傾角に対してある程度高い予測精度を持つモデルが構築できた・交差検証における決定係数 0.715(板目面)、0.724(柾目面)
□柾目面でも板目面と同程度の予測精度が得られた スポット径は3mm、特に成熟材領域では晩材幅は狭いため、柾目面では晩材領域のみでNIRの計測ができているとは考えにくい ・・・
□ モデル構築時にMFAの分布の両端のクローンが入っていれば、系統的なズレが少なく予測が可能だった ・未知のクローンに対しても、学習データにそのクローンのMFAの範囲が含まれていればMFAの予測は一定の精度で可能と考えられる ・モデルの適用範囲を意識する必要がある。□各クローンの遺伝子型値の推定は高い精度で可能だが、広義の遺伝率は直接計測よりも減少する ・予測誤差の影響が現れている ・測定反復数を増やすことでカバーできるか?□個体内変動の推定には、測定の反復を持たせるなどの工夫が必要と考えられる
(森林総研林育セ九州)◯武津英太郎 (森林総研林育セ) 高島有哉 (森林総研林育セ東北) 井城泰一 (鳥取大学農学部) 藤本高明
複数クローンを用いた近赤外分光法による スギ晩材仮道管ミクロフィブリル傾角予測モデルの検証
材料と方法
森林総合研究所 林木育種センター
□ スギ精英樹8クローン、3植栽密度区、2反復 □ 1980年3月植栽□ 林齢33年次に143個体を伐倒
結果
背景 まとめと考察
多良木署1号検定林(熊本県球磨郡湯前町)
林木育種を通したヤング率の遺伝的改良が求められる
貴重な試験地を設計・設定なさった元林木育種センターの栗延晋博士、これまでに試験地の維持・管理を行っていただいた九州森林管理局の関係者の皆様、九州育種場の皆様に感謝いたします。
スギはヒノキやカラマツ等と比較してヤング係数が相対的に低い
MF傾角や材密度は軸方向・直径方向に変動する
MF傾角の実測□ 3クローンを対象□ 地上高1.8m部位の10年次・15年次・20年次・25年次・33年次(最外年)を対象□ 晩材部接線壁仮道管相互壁孔口の角度で晩材部MF傾角を光学顕微鏡写真上で測定 (ImageJを使用)□ 1サンプル平均約50仮道管についてMF傾角を測定して平均値を使用 謝辞
ヤング率の詳細な遺伝的評価や早期選抜のためにはMF傾角や材密度の樹幹内変動の理解が必要
しかし、MF傾角の実測には時間・コストがかかるため、大量の測定は困難
近赤外分光法(NIRS)によりスギにおいてもMF傾角やヤング係数の簡易推定が可能であることが報告されている(井城ら, 2012, 日本木材学会大会;Fujimoto et al. 2014 JWS;武津ら、2018, 日本木材学会大会)
ヤング率は主にミクロフィブリル傾角(MF傾角)や材密度等により決まる
NIR計測□ Bruker Optics 社製のMATRIX-F 測定波長域1000~2500nm、分解能0.54nm~2.17nm、波長数は1516、スポット径約3mm□ MF傾角測定サンプル用の接線面晩材部位(プレパラート作成のためのミクロトームの切削面)および柾目面(ミクロトーム切削)を測定
MF傾角の実測値とNIRS予測値 クローン抜き交差検証の結果
R2 = 0.715, RMSE = 4.53°LOOクロスバリデーションの結果,。n=584
R^2値:対象クローンを抜いてモデル構築をして予測した場合の実測値に対する予測値の決定係数;RMSE:平均自乗誤差;ME:平均誤差。板目面での結果。実測MFA平均値の順にソート。
供試試験地と材料採取
高い予測精度を示したMultiplicative Scatter Correction + Moving Averageをデータの前処理手法として使用(武津ら, 2018, 日本木材学会大会)
□PLS回帰
NIRSによりMF傾角が予測できるメカニズムは不明材質育種において異なる遺伝的背景をもつ個体・サンプル群にも適用できるか? => 検証が必要
クローンA クローンD クローンG
R2 = 0.724, RMSE = 4.57°
板目面 柾目面
広義の遺伝率の比較と遺伝子型値の予測
予測モデルの構築
クローンAとクローンGで予測モデルを作成
分布の両端にあるクローンは、予測精度が悪く、また平均に回帰する方向に予測される(外挿は難しいという、予測における当然の結果)年輪形成年次
■MFA実測値 ■MFA予測値
広義の遺伝率
遺伝子型値の決定係数(R2値)
R2 = 0.76, RMSE = 4.89°クローンB~Fを予測
年輪形成年次
MF傾角(実測値)
MF傾角(NIRS予測値)
MF傾角(NIRS予測値)
モデル構築に使われた分布の範囲内にあるクローンは、系統的なズレが少なく予測される
年次毎の、MFA実測値から求めた遺伝子型値に対するMFA予測値から求めた遺伝子型値の決定係数
MF傾角(NIRS予測値)
MF傾角(NIRS予測値)
MF傾角(NIRS予測値)
MF傾角(実測値)
MF傾角(実測値) MF傾角(実測値) MF傾角(実測値)
線型混合モデル: MFA ~ 反復 + クローンの効果 + プロットの効果