月 刊 オリーブ 2016 6 - seishoforum.net · 朝活参加のため礼拝お休み...

オリーブの家 理事長 青木康正 1 オリーブ ―真の更生を目指して― 使使13 23 10 16 10 使10 ( 28 ) 29 30 2016 6 Vol.13

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Page 1: 月 刊 オリーブ 2016 6 - seishoforum.net · 朝活参加のため礼拝お休み 今月は、思いもかけない熊本地震発生により、 4 / 16より避難生活が始まりました。避難先は、熊本

オリーブの家理事長

青木康正

1

月 刊 オリーブ― 真 の 更 生 を 目 指 し て ―

 

熊本地方は、象徴であります熊本城の一部

や石垣が崩壊するなど未曾有の震災に見舞わ

れました。5月8日現在も余震が続いていま

す。

 

二度の震度7という揺れに、コーポ池田の

一角が地盤沈下で事務所が使用できなくなり

ました。オーナーのご厚意により仮事務所と

して移転を済ませ、一ヶ月後には修復可能と

の事です。肝心なファミリーの居室ですが

サッシ・ドア等の修理によって使用は可能と

なります。今は万全を期し13名ほどで在日大

韓基督教熊本教会(以下、「熊本教会」)で避

難生活を続けています。きょうで23日を迎え

ました(5/8時点)。この間、全国の皆様

から物心両面でのご支援にオリーブの家は支

えられています。本当に感謝申し上げます。

 

いま思えば、この度の一連の地震は奇跡の

連続でありました。奈良県から病と闘いなが

らWご夫妻が10人乗りの車を届けてくれたの

が4月9日のことであります。二度の激しい

揺れが熊本を襲ったのはその5日後の事です

から、激震後の避難生活を思うと「この車は

神様のプレゼント?

」としか思えません! 

水、食料を求め、車3台で避難所に向かいま

したが、避難場所は避難を求める人達で溢れ

かえり、私達が入る余地がありませんでした。

その日は夕方から雨が降る予報でした。車中

泊も考えましたが、高齢者が多いので何とか

避難場所をと、数ヶ所お願いしましたが、そ

れぞれ事情があるのでしょう、全て断られま

した。その時、私達夫婦は「避難場所を与え

てください

!」と神様に強い思いで祈りまし

た。その時です。突然、熊本教会の金牧師の

顔が浮かんだのです。躊

ちゅう躇ちょはありません。直

ぐ連絡しました。「良いですよ」その言葉を聞

いた時、私は神様の愛、恵みをこれ程身近に

感じたことはありませんでした。

 

教会での避難生活は感謝な事に、皆様から

の支援物資により、食事も不足なく与えられ

ています。皆様に是非知って頂きたいことが

あります。今までも何度となくこの月刊紙に

載せていますが、オリーブの家第一号のKさ

んの事です。激しい揺れのあった16日の夜、

8時間かけて長崎から水2リットルを100

本と食料を運び込んでくれました。夜の10時

を回っていました。お茶をすすめましたが「い

や明日は仕事がありますから」と颯さ

爽そう

と帰っ

て行き、とても男気を感じました。全国から

送られてくる物資のつなぎとして、彼の存在

を欠かすことはできません。そして毎日、N

さんはプロの運転技術を駆使し、オリーブの

家に届いた10人乗りの車で給水活動、人の運

搬にとフル回転で頑張ってくれました。また、

ファミリーの会(オリーブの家のOB)のほ

とんどの皆さんが、自分の出来る範囲内で物

資を届けてくれました。一人ひとりの面会は

涙なくしては出来ませんでした。一連の地震

では現ファミリー、そして卒業していった

ファミリーとの絆がとても深くなったと感じ

ています。「神様はすべてのことを益として

くださる」(

ローマ8・28)

という聖書の御言

葉を実践できるオリーブの家の生活に、心よ

り感謝しています。このことは全国の皆様と

お分かちしたいと思います。ハレルヤ!

(青木)

オリーブの家での二日間

熊本聖書フォーラム 

中嶋恵

 「4月29・30日の2日間、オリーブの家の

避難先である熊本教会に伺い、ファミリーの

熊本地震での奇跡!

20166

Vol.13

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皆さんとご一緒させて頂きました。

 

避難所では、全国の皆さんの温かい支援と励ましを

受けて、スタッフの方々と共に元気にしておられる皆

さんを拝見し、安心しました。

 

熊本教会の金先生は、当日も夜遅くまで震災ボラン

ティアに出掛けられ、お疲れにも関わらず、愛をもっ

てファミリーの皆さんを受け入れて下さっておられま

した。金先生の笑顔と優しさと、その明るいお人柄に、

ファミリーの皆さんも励まされていました。

 

熊本県内の倒壊した建物や道路に積み重なるように

置かれている廃棄物を目の当たりにし、また皆さんか

ら当時の様子を伺い、今回の地震の大きさを改めて知

りました。そして、その中において神様の守りと備え

を知り、ただただ感謝するばかりです。

 

今回の地震の際、本震の直後にファミリーの若いK

君が、直ぐに車イスのOさんの部屋に駆けつけて救出

したそうです。実際にOさんの部屋は、玄関の扉は開

かなくなっており、床は大きく歪んでおり、窓ガラス

も閉まらない状態になっていました。地震当時は、ど

んなに恐かった事でしょう。

 

また、オリーブの家OBのNさんのご親戚も被災さ

れ、私はオリーブの家の皆さんと一緒に、家の片付け

のボランティアに参加させて頂きました。皆さんのボ

ランティアに取り組む姿、またオリーブの家での生活

やオリーブの家に対する思いを語ってくださる中で、

皆さんお一人お一人が、いまオリーブの家というこの

場所で真剣に生きておられ、他者の必要に目を向け、

人事ではなく自分の事として積極的に関わり、関係を

築いておられる姿に、皆さんの内にあるキリストの愛

2

に触れた思いでした。

 

正直に書けば、これまで自分がいかに気持ち良く生

活出来るかばかりを考えてきた私でしたが、オリーブ

の家の皆さんのここでの在り方を通して、隣人への愛

という大切な事を学ばせて頂きました。

 

皆さんと別れた後は、大切な事を教えて下さったこ

とへの感謝の思いと、オリーブの家の愛に触れた感動

とで、帰りの福岡までの車内ではずっと涙が止まりま

せんでした。

 

オリーブの家の皆さん、かけがえのない時間を本当

に有難うございました。」

 

福岡から熊本聖書フォーラムの中嶋姉がオリーブの

家に泊まり込みで来られました。素晴らしい働きに心

より感謝します(青木)。

震災で車が大活躍!

あたたかいご支援に感謝します!

4/24

4/17

4/13

4/3

日 

曜 

礼 

12人

10人

12人

避難先・在日大韓基督熊本教会の

礼拝に参加

避難先・在日大韓基督熊本教会の

礼拝に参加

奈良 

Wさんの証し

朝活参加のため礼拝お休み

 

今月は、思いもかけない熊本地震発生により、4

/16より避難生活が始まりました。避難先は、熊本

市中央区にある大韓基督熊本教会(金 

聖孝牧師)

です。水も食料も調達が厳しい中、共同生活がスター

トしました。ファミリーの会のメンバーの助けを受

けながら、皆で力を合わせて今日まで、時には笑い

合いながら過ごすことが出来ました。それもひとえ

に、全国から寄せられた温かい心のこもった支援物

資と、お祈りによるものと実感しているところです。

また、金牧師の温かいご厚意に感謝しきれない思い

です。背後にある、神様の深いご配慮を、ファミリー

と共に体験させて頂いています。

オリーブの家 活動レポート

QRコードでかんたんアクセス

皆様の

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プロフィール  

砂川真澄

3

 

この度の熊本地震は、熊本と大分に深く大きな爪痕

を残しました。「オリーブの家」のみなさまも避難な

さっているとうかがっています。被災されたすべての

みなさまにお見舞い申し上げます。

 

わたしは神奈川県の生まれで、幼いころから「近い

うちに関東大震災並みの大地震がくる」と言われて育

ちました。そのため、大地震に遭そ

遇ぐう

するかもしれない

という一応の覚悟と、防災グッズを常備する癖く

がつい

たのですが、それでも九州に移り住んでから、大地震

の不安からは解放された気持ちになっていました。

 

知り合いによれば、熊本では防災用品を備えたこと

がないという人が珍しくないそうです。熊本で生まれ

育った人にとって、今回の地震はまさに青天の霹へ

靂れき

あり、その分衝撃も大きかったのではないかと思いま

す。

 

本震の数日後、くまもと子どもの人権テーブルの正

会員に安否確認をしたところ、自宅に住めなくなって、

避難している会員が何人もいました。互いのことを案

じつつも、相手への気配りから連絡を取り合うのを控

えている状況もわかりました。

 

そこで、わたしは法人のブログに会員の被災経験を

紹介することにしました。被災した会員とって、語る

こと、聴くこと、体験を共有すること、この三つが重

要だと思ったからです。

 

日頃わたしたちは子どもの暴力被害を防ぐための活

動をしていますが、おとな向けの講座では、被害を受

けたり怖い体験をした(かもしれない)子どもにどう

接するかについての話もしています。

 

まず大切なことは、子どもが気持ちを表現したとき

に、「そう感じるのは当たり前だよ」「あなただけでは

ないよ」と、子どもの感情を肯定することです。「忘

れなさい」や「そんな言い方はやめなさい」などと言っ

てはいけません。誰かが自分の気持ちを受けとめて、

わかってくれることで、孤立感が薄らぐからです。

 

次に心がけたいのは、子どもの話をゆっくり、じっ

くりと聴くことです。ショッキングな体験をすると、

誰もが混乱するものです。混乱したままでは、恐怖や

不安、怒りなどの感情が収まりません。そこで、子ど

もが自分の経験を語ってくれたら、聴き手がそれを時

系列に整理するのを手伝います。「ああ、最初にそう

いうことがあったんだね」「それから、どうしたの?」

「いまはどう?」のように。そんな聴き方をしてもら

うと、グチャグチャになっていた経験が次第に頭のな

かで整理されていきます。そのことで不安や恐怖心が

和らぎ、気持ちが落ち着くのです。

 

このような話の聴き方は子どもだけでなく、おとな

にも有効です。今回の大地震はおとなにも大きな恐怖

や不安をもたらしました。けれど、食料をどうするか、

水をどう確保するか、仕事上の緊急要請にどう応える

か等、おとなたちの多くはその時々の課題に追われて、

自分の感情や疲労を抑え込んできたのではないでしょ

うか。だからこそ、おとなも体験や気持ちを語ること

が大切だと思うのです。

 

ブログでは、会員に体験談を書いてもらうこともあ

れば、わたしが聴き取ることもあります。ありがたい

ことに、ブログにはときどきコメントもいただきます

が、読者がいることは語り手にとって、慰めになった

り、励みになったりします。

 

体験を語り、それを聴くことは、被災体験を共有す

ることにつながります。ライフラインの復旧に地域差

があり、避難生活が長引く方たちが出始めているなか

で、被災体験を共有することは、次の一歩を共に踏み

出すためにも大切だと思うのです。

 

※くまもと子どもの人権テーブルブログ

 

http://k-jinkentable.jugem.jp/

 「語ること、聴くこと、共有すること」

一九八二年から九一年まで家庭裁判所

に勤務。現在、熊本学園大学家庭児童

相談室相談員。

NPO法人くまもと子どもの人権テー

ブル代表。

第五回

NPO法人くまもと子どもの人権テーブル代表

砂川真澄

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肥後銀行(銀行コード:0182)京町支店(支店コード:156)口座番号:(普通)1574408口座名義:NPO 法人 オリーブの家トクヒ)オリーブノイエ

銀行名:ゆうちょ銀行(金融機関コード:990)口座番号:17180-5444801口座名称(漢字):NPO 法人オリーブの家口座名称(カナ):トクヒ) オリーブノイエ

(他銀行からお振込の場合は)店名:七一八(読み:ナナイチハチ)店番:718口座番号:(普通)0544480

月刊オリーブ2016 年 6 月 1 日発行

(毎月 1 回発行)第 13 号

編集・発行 NPO 法人「オリーブの家」〒 860-0082 熊本県熊本市西区池田 2 丁目 9 番 1 号 コーポ池田 201TEL 096-342-4123  FAX 096-342-4248  E-mail [email protected]://seishoforum.net/olive-house/about/

皆様のあたたかいご支援に感謝いたします。

 

19歳のS少年が震災の経験を通して

語ります。

(青木)

自分がオリーブの家にお世話になっ

て9日目の事だった。4月14日 21時

26分、タンスが倒れるなど経験した事

のない地震です。コンビニの駐車場に

避難した。理事長と奥さんが来て3人

で話していると少し落ち着き、部屋に

戻ることが出来た。朝になり、いつも

どおりの生活に戻ると思っていた。し

かし16日の強い揺れは、その期待を見

事に裏切った。

 

避難場所の外で夜を明かす。理事長

が用意した水や食糧で辛うじて食欲

が満たされていたと思う。少し不安に

なったが、理事長が知り合いの牧師に

連絡し、教会に避難することが出来た。

コーポ池田に居る時は朝の掃除、食

事、日曜日の礼拝で皆さんと顔を合わ

せるが、避難場所の教会では一日中同

じ屋根の下での共同生活。気がついた

事を書いてみる。

水がとても大切だと気づいた。

様々な所から支援物資が届き、人

間の優しさを感じた。

風呂も入れなかった時、優しい人

がオリーブの家の皆に温かい食

事と風呂を準備してくれた。

団体生活をしていく中で、皆スト

レスがたまり揉めることもあっ

たが、皆でオリーブの家の片付け

をしたり、一体感を感じる事も出

来た。感謝です。

 

避難生活で思う事は、オリーブの家

に来ていなかったら、今頃どんな生活

をしているのかな

途方にくれてい

たと思う。震災の経験は、何か運命的

なことを感じる。

 

震災で人の優しさを感じることが出

来た。自分も困っている人を助けるこ

とができる存在になりたいです。この

体験を、今後の人生に活かせるよう頑

張りたいと思います。

 

この少年の厳しい体験が今後必ず益

になると信じます。(青木)

87年生きて初めての経験

 

4・14熊本地方を大きな地震が襲い

ました。今年87才の誕生日を迎えまし

たが、このような揺れは初めてです。

 

私は、悔いのない生活を目標に、オ

リーブの家で生きて来ました。今回

の地震ではキリストを愛し信じ、夢を

持って生きて行きたい。この歳でその

思いを強くした私です。

 

今回の熊本地震では多くの市民が、

車中または避難場所で生活していま

す。その人達を思うと、私達オリーブ

の家のファミリーは本当に恵まれて

います。避難場所を提供してくれた金

牧師には本当に感謝です。この避難生

活がいつまで続くか分かりませんが、

一日も早く元の生活に戻れるよう神

様に祈る毎日です。

 

私の残りの人生は限られています。

一日を元気に、感謝の気持ちを忘れず

に生きる。神にすがり続けることで理

解した事であります。その意味からも

私にできる事で、オリーブの家に恩返

しをする。トマト、ナスビ、馬ば

鈴れい

薯しょ

大根、カボチャ作りはその一環であり

ます。

 

今回の地震で、ある年老いた女性

の家の後片付けをしました。支援者

のNさんは福岡から応援に駆けつけ、

女性とは思えない活発な動きで驚き

ました。すべては主の恵みにより怪我

もなく終えることが出来感謝です。

 

私の実姉が大分に住んでいますが、

大分もかなりの被害があると報道さ

れています。これ以上悲しい出来事が

起きぬよう神様に祈ります。そして

オリーブの家のファミリーが元気で、

明日も感謝の心を忘れないように祈

ります。アーメン!

2016年会計報告(4月)

先月より繰越 1,826,568  収 入

公的援助 834,201  支 出

家賃 244,000水光熱費 76,047

献金 2,394,824食費 183,360人件費 462,800

その他 76,445その他経費 257,642施設準備積立金 100,000

収入合計 3,305,470 支出合計 1,323,849

収支合計 1,981,621

翌月繰越し現金預金 3,808,189