new mudskippers 学生表彰って知ってる? · 2014. 8. 29. · 熊本5 宮崎5 鹿児島5...

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中国・ 四国, 7 近畿, 6 中部, 6 関東, 4 熊本 3 宮崎 1 鹿児島 3 沖縄 1 福岡 30 佐賀 29 長崎 16 九州, 83 熊本5 宮崎5 鹿児島5 長崎7 福岡27 佐賀11 25 27 6 14 29 International Congress of the Medical Women’s International Associa- tion “awards for excellence” 47 西 ご入学おめでとう ございます! 医学科新入生の出身地域 4 3 1 0 6 62 44 60 5 55 4 7 20 西 看護学科新入生の出身地域 2 0 1 4 1 1 1 8 0 第41号 2014年6月発行 佐賀大学医学部 〒849‐8501 佐賀市鍋島5丁目1番1号 http://www.saga-med.ac.jp/ 新聞編集委員会 印刷/㈱昭和堂 平成25年度学長賞を、黒木崇子さんと医学部バスケットボール部が受賞! 平成25年度医学部・学部長表彰対象者(成績優秀者) 注:掲載順はアイウエオ順による。学年は平成25年度のもの 【看護学科】 4年 浦川 由佳 中山 葉月 佛田 幸恵 3年 池田 紗綾 今村 友紀 鷹取 矩美 2年 沙也香 濱田ちいか 山口 沙南 1年 綾部 葉月 上野明日香 小野 詩織 【医学科】 園田 有理 加野 松尾 和紀 三角優莉奈 吉門あかね 鶴田 成二 寺田 圭吾 西原 歩美 原田 奈佳 藤田 真衣 島田 里美 竹下 美穂 麻那 久富 茜音 村上 陽亮 3年 2年 1年 淡浪 由希 金子 翔平 真梨子 柴宮 浩希 奈良﨑泰典 今村 華倫 井門ひかる 緒方 聖友 鈴木 源晟 柚木麻友子 亀田 美帆 沢見 康輔 田中 成幸 奈良﨑小百合 鎗光 志歩 6年 5年 4年 平成25年度医学部・学部長表彰者(課外活動等) 注:学年は平成25年度のもの 受賞理由 第65回西日医科学生総合体育大会水泳競技部門 男子50m 自由形 優勝 第65回西日医科学生総合体育大会陸上競技部門 男子三段跳び 優勝 大会記録 14m19 第65回西日医科学生総合体育大会陸上競技部門 女子3000m 優勝 大会記録 10分53秒48 第17回メディカルレガッタ 女子 新人女子舵手付きクォドルプル部門 優勝 心停止患者の予後改善に貢献するために、一般市民に BLS(Basic Life Support;一次救命処置)を普及させることが重要と考え、2010年度か ら県内高等学校や病院等の学外で多数の BLS 講習会を開催している(総 件数9件、受講者数560名)。 個人又は団体名 医学部水泳部 医学部陸上部 医学部陸上部 医学部漕艇部(女子) 医学部救急医学サークル 「SILS(SagaInstructorsofLifeSupport)」 医学科6年 松田 知也 医学科4年 松岡 優毅 医学科3年 石瀬 裕子 入部 者数 5 6 5 5 5 2 9 6 8 22 文化系団体 現代音楽倶楽部 音楽鑑賞部 美術部 軽音楽部 茶道部 E.S.S 天文学部 室内楽部 SILS(ACLSサークル) LA 部 入部 者数 12 10 1 5 11 12 3 9 3 11 10 14 2 7 13 3 7 14 2 体育系団体 硬式テニス部 ボート部 卓球部 準硬式野球部 空手部 バスケットボール部 剣道部 サッカー部 ラグビー部 バドミントン部 水泳部 バレーボール部 柔道部 ヨット部 弓道部 陸上競技部 チアリーディング部 フットサル部 ソフトボール部 医学部バスケ部の皆さん~全医体会場にて 学長賞表彰を受ける黒木さん Mudskippers 2014年(平成26年)6月発行 ! 第41号 1

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  • 中国・四国, 7

    近畿, 6

    中部, 6関東, 4

    熊本3宮崎1 鹿児島

    3沖縄1

    福岡30

    佐賀29長崎16

    九州, 83

    熊本5

    宮崎5

    鹿児島5

    長崎7

    福岡27

    佐賀11

    ❀❀

    ❀❀

    皆さんは、佐賀大学の

    学生表彰制度(学長賞)

    をご存知ですか?これは、

    国際学会あるいは全国的

    規模の学会で受賞したり、

    全国レベルの競技会にお

    いて優秀な成績をあげた

    場合などが対象となりま

    す。平成25年度は全学部

    から寄せられた27件の推

    薦に対して厳正な選考が

    行われ、医学部からは医

    学科6年(現在は初期研

    修医)の黒木崇子さんと

    医学部バスケットボール

    部が栄えある第14回学長

    賞に輝きました。

    黒木さんは、昨年夏に

    韓国で開催された第29回

    InternationalCongress

    oftheMedicalW

    omen’s

    InternationalAssocia-

    tion

    において素晴らし

    い発表を行い、“aw

    ardsforexcellence”(

    優秀賞)

    を受賞した功績により推

    薦されました。医学部バ

    スケットボール部は、第

    47回全日本医科学生体育

    大会王座決定戦において

    見事優勝の栄冠を勝ち

    取っています。

    また、医学部では学部

    長賞の表彰も行われまし

    た。各学年の学業成績優

    秀者、そしてスポーツや

    ボランティア活動など課

    外活動で活躍した学生が、

    学部長賞の選考対象とな

    ります。自身の努力を評

    価してもらえる学生表彰、

    ぜひ皆さんも頑張って目

    指してみてはいかがで

    しょうか。

    (大野・西原・藤田)

    ご入学おめでとうございます!

    医学科新入生の出身地域

    4月3日、佐賀大学入

    学式が行われ、医学部に

    は、医学科106名(男

    子62名、女子44名)、看護

    学科60名(男子5名、女

    子55名)の新入生が入学

    しました。真新しいスー

    ツに身を包んだ新入生か

    らは、緊張している様子

    がうかがえました。

    4月7日から20日まで

    は各サークルによる新入

    生歓迎行事が行われ、皆

    さんそれぞれに入部先が

    決まったようです。ぜひ

    充実した学生生活をエン

    ジョイしてください。

    (藤田・西原)

    看護学科新入生の出身地域

    STAP細胞

    2014年1月末、再

    生医学に新しい可能性を

    もたらす基礎研究成果と

    して、STAP細胞とい

    う新しい幹細胞が存在す

    るという報告が大々的に

    報道された。ところが、

    驚きと期待を持って迎え

    られた発表は1ヶ月後に

    は全く予期しない方向へ

    の問題へと発展した。事

    はSTAP細胞の存在の

    真偽にとどまらず、不

    正・捏造・改ざん・コピ

    ペなどという言葉が飛び

    交い、科学論文の在り方

    そのものに対して重大な

    問いを突きつける問題と

    なっている。

    残念ながら今回のよう

    な科学論文の不正に関す

    る問題は初めてのことで

    はない。これまでも幾度

    となく同様の問題が起こ

    り、その度に議論が巻き

    起こった。ただ、科学的

    な真実であるかどうかに

    ついてはその後の追試が

    可能であるかどうかで、

    再現できなかった発表は

    やがて淘汰されていく運

    命にある。得られたデー

    タを出来るだけ分かりや

    すく、インパクトのある

    形で表現したいという意

    識は当然あるので、どこ

    までの形であれば許され

    るのかは微妙な場合もあ

    る。言うまでもなく、無

    いものを有るものとして

    発表すればそれは捏造で

    あり、断じて許されるも

    のではない。その意味で

    は、論文の発表は性善説

    に基づいた研究者の良心

    によって成立している。

    今回のSTAP細胞関

    連の問題では、デジタル

    時代故に起こったと思わ

    れるコピペの問題もある。

    データをデジタル信号と

    して扱うことが当たり前

    になった現在、大量の

    データを一瞬にして再

    生・復元できる。それは

    ネット上で利用できる

    データを、あたかも自分

    のものであるように見せ

    ることも可能にする。教

    員の立場として学生のレ

    ポートを見る機会がある

    が、時として中にコピペ

    と思わざるを得ないもの

    が混じっている。レポー

    トという成績に関わる提

    出物であり、少ない時間

    と労力で評価を得ようと

    する心理が働くことは容

    易に想像できる。しかし

    ルールに基づいた引用を

    せず、自分のものとして

    載せればそれは盗用に

    なってしまう。

    分からなければそれで

    いいという人もいるかも

    知れない(パクツイなん

    て当たり前、カンニング

    だってそうだ?)。短期

    的にはその場はいい評価

    を得られるかもしれない。

    しかし、いったんそれが

    露見してしまうとどうな

    るであろうか。間違いな

    く周囲から当人に向けら

    れる評価は180度変

    わってしまうことは避け

    られず、信頼は失墜して

    しまうことになる。その

    意味では、レポートにし

    ろ、学術論文にしろ性善

    説を信じたいところであ

    るが、学生の皆さんはこ

    の問題をどう思うであろ

    うか。

    (尾崎岩太)

    第41号2014年6月発行佐賀大学医学部〒849‐8501

    佐賀市鍋島5丁目1番1号http://www.saga-med.ac.jp/

    新聞編集委員会

    印刷/㈱昭和堂

    学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学学生生生生生生生生生生生生生生生生生生生生生生生生生生生生生生生生生表表表表表表表表表表表表表表表表表表表表表表表表表表表表表表表表表彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰彰っっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっててててててててててててててててててててててて知知知知知知知知知知知知知知知知知知知知知知知っっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっってててててててててててててててててててててててるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる???????????????????????平成25年度学長賞を、黒木崇子さんと医学部バスケットボール部が受賞!

    平成25年度医学部・学部長表彰対象者(成績優秀者)注:掲載順はアイウエオ順による。学年は平成25年度のもの

    【看護学科】4年 浦川 由佳

    中山 葉月佛田 幸恵

    3年 池田 紗綾今村 友紀鷹取 矩美

    2年 川崎沙也香濱田ちいか山口 沙南

    1年 綾部 葉月上野明日香小野 詩織

    【医学科】園田 有理林 加野松尾 和紀三角優莉奈吉門あかね

    鶴田 成二寺田 圭吾西原 歩美原田 奈佳藤田 真衣

    島田 里美竹下 美穂崔 麻那久富 茜音村上 陽亮

    3年

    2年

    1年

    淡浪 由希金子 翔平堺 真梨子柴宮 浩希奈良﨑泰典

    今村 華倫井門ひかる緒方 聖友鈴木 源晟柚木麻友子

    亀田 美帆沢見 康輔田中 成幸奈良﨑小百合鎗光 志歩

    6年

    5年

    4年

    平成25年度医学部・学部長表彰者(課外活動等)注:学年は平成25年度のもの

    受賞理由第65回西日本医科学生総合体育大会水泳競技部門男子50m自由形 優勝第65回西日本医科学生総合体育大会陸上競技部門男子三段跳び 優勝 大会記録 14m19第65回西日本医科学生総合体育大会陸上競技部門女子3000m 優勝 大会記録 10分53秒48第17回メディカルレガッタ女子 新人女子舵手付きクォドルプル部門 優勝心停止患者の予後改善に貢献するために、一般市民にBLS(Basic LifeSupport;一次救命処置)を普及させることが重要と考え、2010年度から県内高等学校や病院等の学外で多数のBLS講習会を開催している(総件数9件、受講者数560名)。

    個人又は団体名

    医学部水泳部

    医学部陸上部

    医学部陸上部

    医学部漕艇部(女子)

    医学部救急医学サークル「SILS(Saga Instructors of Life Support)」

    医学科6年 松田 知也

    医学科4年 松岡 優毅

    医学科3年 石瀬 裕子

    入部者数56555296822

    文化系団体

    現代音楽倶楽部音楽鑑賞部美術部軽音楽部茶道部E.S.S天文学部室内楽部

    SILS(ACLS サークル)LA部

    入部者数1210151112393111014271337142

    体育系団体

    硬式テニス部ボート部卓球部

    準硬式野球部空手部

    バスケットボール部剣道部サッカー部ラグビー部バドミントン部水泳部

    バレーボール部柔道部ヨット部弓道部陸上競技部

    チアリーディング部フットサル部ソフトボール部

    医学部バスケ部の皆さん~全医体会場にて学長賞表彰を受ける黒木さん

    Mudskippers 2014年(平成26年)6月発行� 第41号1

  • …………………………

    回三第

    新任教授

    挨拶

    眼科学講座教授

    江内田 寛

    皆さん、こんにちは。

    この度平成26年1月1日

    をもちまして、第3代の

    眼科学講座教授に就任い

    たしました江内田寛(え

    ないだ

    ひろし)と申し

    ます。

    私は北九州市出身で、

    地元の明治学園から小倉

    高校を経て、福島県立医

    科大学に進みました。学

    生時代はラグビー部に所

    属し、かなりの時間を部

    活動に費やしていた記憶

    があります。卒後同大学

    の眼科に入局し、大学院

    さらに関連病院勤務の後、

    九州大学眼科に転籍しま

    した。それから大学病院

    や過疎地を含む関連病院

    を転々とし、2007年

    に九州医療センター眼科

    医長に着任しました。当

    時、九州医療センターの

    心臓外科には現佐賀大学

    病院長の森田教授も在籍

    しておられました。その

    後再度九州大学を経て、

    現在に至っております。

    佐賀大学眼科は初代教

    授の大野先生が開講され、

    その後昨年まで第2代教

    授の沖波聡先生に引き継

    がれ、これまで佐賀県の

    眼科医療の大きな柱とし

    てその役割を果たしてき

    ました。

    一般に情報の80%以上

    は視覚を通じて得られる

    と言われており、眼は体

    の中でも特に小さい臓器

    ですが、日常生活を送る

    上では極めて重要な役割

    を果たしています。その

    眼の中には時に糖尿病網

    膜症、緑内障や加齢黄斑

    変性など、失明にいたる

    様々な重篤な病気が生じ

    ることがあります。昔は

    なかなか治療が困難な状

    態の病気でも、最近の医

    療技術の進歩により、以

    前には考えられなかった

    ほどの回復や予防が可能

    になってきました。した

    がって患者さんの生活の

    質(QOL)の維持のた

    めに眼科医の果たす役割

    は大きく、特に今後さら

    なる高齢化社会を迎える

    にあたり、眼科のニーズ

    はいっそう高くなると考

    えられます。

    ところが臨床研修制度

    が変更されて以来、近年

    特に地方都市で問題と

    なっている医師不足につ

    いては、眼科の分野でも

    同様の問題を抱えていま

    す。佐賀県の診療状況を

    見てみますと、眼科医総

    数は80名弱であり、全国

    的にも決して多いわけで

    はありません。その中で

    大学病院の眼科が果たす

    役割には、まず最後の砦

    として高度な眼科医療を

    提供するという大前提が

    あると考えています。

    そこで診療面について

    は、失明の不安を抱えた

    患者さんの気持ちや苦し

    みを理解し、佐賀大学眼

    科で安心して質の高い最

    先端の医療を受けていた

    だくことができるよう、

    先端の医療機器をふくむ

    診療環境の整備と高度な

    技術を有する眼科医によ

    る運用を重点に進めてい

    きます。現在の診療科の

    特色としては、特に自身

    の専門領域でもある網

    膜・硝子体分野を中心に、

    角膜疾患、緑内障、白内

    障や眼腫瘍などに対し手

    術による治療を軸に体制

    を構築しています。それ

    に加え大学病院での入院

    加療が必要な難治性ぶど

    う膜炎などの内科的加療

    なども含め、眼科の幅広

    い領域に対応が可能に

    なっています。また関連

    病院を含む県内外のさま

    ざまな医療機関や内科を

    はじめとする他診療科と

    も連携しながら、さらな

    る地域医療の充実と発展

    に貢献したいと考えてい

    ます。

    研究面に関しては、自

    身はこれまで臨床の現場

    で遭遇した問題点を解決

    する目的で、トランス

    レーショナルリサーチを

    基盤とした開発研究に力

    を入れてきました。特に

    最近は創薬や手術用の医

    療機器の開発を主に行っ

    ています。今後はこれま

    での方向性を踏襲し、自

    身を含め若い先生方にも

    臨床への応用を念頭に置

    いたトランスレーショナ

    ルリサーチの実践を推進

    したいと考えています。

    当面は現在進行中のプロ

    ジェクトについてその完

    成を目指し、医局員と協

    力しながら引き続き継続

    していく予定です。それ

    に加え、企業に工学系学

    部を加えた産学連携およ

    びクロスフィールドリ

    サーチとして、現在研究

    の途上にある網膜の酸素

    飽和度測定装置の開発を

    早急に進めます。さらに

    他診療科との連携による

    臨床研究や、可能であれ

    ば基礎系教室とも連携し

    ながら、将来の臨床へつ

    ながる可能性のある研究

    の推進にも努めたいと考

    えています。

    また教育面では、医学

    部教育においては高度な

    医学教育を行うと同時に、

    個々が生涯にわたり自ら

    学び能力を高めようとす

    る修学意欲を養い育てる

    ことも重要です。した

    がって、全体を通し、セ

    ルフオリエンテーション

    による問題解決能力の育

    成と、患者さんの立場で

    考えることができる倫理

    観の養成を軸に行いたい

    と考えています。また同

    時に、未来を担う若手医

    師の育成にも励みたいと

    思っています。そのため

    には医師の確保と教育が

    重要になります。新卒医

    師の勧誘に加え、女性医

    師の復帰支援、転科医師

    の受け入れ、他県からの

    眼科医の受け入れなど、

    様々な方法を駆使して医

    師の確保に努め、特に市

    内の病院群を含め効率良

    く教育を行い、即戦力と

    なる眼科医を養成してい

    きたいと考えています。

    以上を踏まえ、今後は

    佐賀県の眼科医療の発展

    に全力を注ぎたいと思い

    ます。同時に、特に研修

    医や学生の諸君には眼科

    への興味を持ってもらえ

    るようなアクティビティ

    の高い講座づくりを目指

    しますので、興味のある

    方は是非ご一報ください。

    病因病態科学講座教授

    相島 慎一

    本年2月1日付で佐賀

    大学医学部病因病態科

    学・診断病理学分野の教

    授に着任しました相島慎

    一です。この場を借りて、

    学生の皆さんに自己紹介

    と病理医の仕事について

    説明したいと思います。

    【野球小僧】

    私は佐賀市諸富町出身

    の生粋の佐賀県人です。

    諸富北小学校、諸富中学、

    佐賀西高校と地元で育ち、

    高校までは野球がすべて

    の野球小僧でした。当時

    から佐賀県の少年野球の

    レベルはとても高く、ど

    この学校も熱心な指導者

    や父兄がいて、地域全体

    が盛り上がっていました。

    小学生の時には毎日の朝

    練に加え、夜9時まで車

    のヘッドライトでグラン

    ドを照らしながら練習し

    ていました。その甲斐

    あって、小学6年生の時

    には学童軟式野球大会で

    佐賀県大会、九州大会を

    勝ち進み、全国大会に出

    場することができました。

    高校では甲子園で勝つこ

    とを目指し、3年夏には

    佐賀県大会決勝まで行き

    ましたが、佐賀商業に2

    1で敗れ、野球人生は

    終わりました。以前より

    酷使し過ぎた野球肘(離

    断性骨軟骨炎)を高校1

    年生の時に手術しても

    らったのがきっかけだっ

    たのでしょうか、何とな

    く医学部で勉強したいと

    思っていましたが、野球

    に没頭してきた自分には

    もはや勉強する余力が

    残っていませんでした。

    焦り始めたちょうどその

    頃、世の中は昭和から平

    成に変わってしまいまし

    た。

    【佐賀医大時代】

    私は最後の共通一次試

    験と最初のセンター試験

    を受け、ようやく佐賀医

    科大学にひっかかったよ

    うです。大学時代はテニ

    スに明け暮れ、真っ黒に

    日焼けしていました。日

    中はテニスの合間に最低

    限必要な講義に出席し、

    夜は友達と遊びに行く健

    康的な生活を続けていま

    した。当時、テニスコー

    トの4面目(最も病院

    側)では、多くの教授か

    ら若い先生までが叫びな

    がらテニスをされていま

    した。あの頃の活気あふ

    れる佐賀医大のテニス

    コートは最も幸せな時間

    でした。

    できるだけ省エネで勉

    強してきたために学業成

    績は振るわず、「まだ本

    気を出してないだけで、

    そのうちやるさ」、「自分

    は大器晩成だ」といった

    真剣味が足りない時期も

    あったように思います。

    幸いだったのは私の学年

    は仲が良く、みんなで楽

    しく勉強できたことで6

    年で無事卒業させてもら

    いました。振り返ってみ

    ると、子供の頃から大学

    時代までに学んだことは、

    ①体力を消耗した状態で

    も、限られた時間で成果

    をあげること、②スポー

    ツを通じて「負け」を知

    ること、③チームとして

    目標を掲げ、そこに向か

    うこと、などであって、

    これらは医師として働く

    ために大事なことだった

    と思います。そして今さ

    らながら、スポーツに

    よってたくさんの人との

    つながりができたことを

    感じています。

    【九州大学で病理の道へ】

    佐賀医大を卒業した私

    は、九州大学で知らない

    仲間と切磋琢磨する道を

    気がつけば前回よりか

    なり時間が開いてしまっ

    た。季節は流れ、足元を

    よく見れば小さな花が咲

    いている。佐賀大学医学

    部のキャンパスの中では、

    様々ないきものがたくま

    しく生きているのである。

    今回はスズメ(学名:

    Passer

    montanus

    )を

    紹介する。スズメはアジ

    アからヨーロッパにかけ

    て広く生息している。も

    ちろん日本においても、

    本州を始めほとんどの地

    方や離島に生息している。

    『いだいのいきもの』

    であるのに、どうしてそ

    のような鳥を紹介するの

    だと疑問を感じられた方

    が多数であると思う。実

    は鍋島キャンパス内に、

    スズメが集まり一晩中囀

    り(さえずり)続ける木

    があるのだ。医大の北側、

    体育館前の駐車場とサッ

    カー場の間の木がそれで

    ある。まるで果実である

    かのように木全体がスズ

    メに覆われており、かな

    りグロテスクである(写

    真1。2013年8月18

    日、午前5時撮影)。ズー

    ムアップしてみるとスズ

    メであることが解る(写

    真2)。近づくと�さえ

    ずり声�がかなり五月蝿

    い。少し嚇かしてみると、

    一斉にスズメたちが飛び

    立っていく(写真3)。

    思わず息を呑む大迫力で

    ある。

    スズメは夏から秋にか

    けて、かなり大規模な群

    れでねぐらを形成するこ

    とが知られている。この

    ようなねぐらは日本全国

    いたるところに見られる

    ようである。担当者が調

    べたところ、竹藪、林か

    ら街路樹、電柱・電線に

    至るまで様々なパターン

    があった。この環境適応

    力の高さこそがスズメを

    繁栄させたのだろう。

    5月現在、この木には

    そこまで多くのスズメは

    見られない。夏が来るの

    が待ち遠しい。

    (医学科6年

    鈴木源晟)

    写真2写真1写真3

    ラグビー部の仲間たちと(最前列左端が筆者)

    Mudskippers 第41号 �22014年(平成26年)6月発行

  • …………………………

    選びました。2年の外科

    系研修を終えて、大学院

    で病理学を学ぶことにし

    ました。初めは単に博士

    号を取得したいという目

    的で病理の勉強を始めま

    したが、それまで知らな

    かった病理学の奥深さと

    臨床の現場における責任

    の重さに徐々に惹かれ、

    さらに病理医の分野は人

    手が不足しており、自分

    が活躍できるチャンスが

    あるのではないか?とい

    う気がしてきました。大

    学院の4年間では充分満

    足の行く研究成果を挙げ

    られませんでしたが、本

    気で病理学、病理診断を

    学ぶことに決め、そのま

    ま病理医として生きてい

    くことにしました。九州

    大学病理学教室は、歴史

    もあり、多くの先輩、多

    くの同僚に恵まれており、

    日本で最も大学院生の多

    い病理学教室です。病理

    の道を選んで16年になり

    ますが、多くの方々に後

    押ししてもらい、このた

    び佐賀へ帰ってくること

    が出来ました。

    【病理がやるべきこと】

    私が専門とする診断病

    理学は、現代医療を支え

    る不可欠な分野であり、

    カバーする領域も広く、

    その重要度は日々増すば

    かりです。しかしながら

    社会の認知度はとても低

    く、医療従事者や医学部

    の学生にも十分理解され

    ていないと感じることが

    あります。したがって、

    学生が病理診断に触れる

    機会を増やすことが重要

    です。病理に興味がある

    人はもちろん、病理が苦

    手な人でも大歓迎です。

    私の部屋は基礎研究棟2

    階で臨床大講堂に近いの

    で、気軽に学生が来てく

    れることを願っています。

    現在、年に1回「病理の

    学校」を開催しており、

    九州・沖縄の各大学から

    90名ほどの学生・研修医

    に加え、40名ほどの病理

    医が集まり1泊2日の楽

    しい合宿をしています

    (日本病理学会九州沖縄

    支部ホームページhttp:

    //jspqo.jp/学生研修医

    の方へ、を参照)。佐賀

    県は、病理専門医の数が

    日本でもっとも少ない県

    の一つです。元気とサー

    ビス精神にあふれた、臨

    床医に頼られる病理医を

    一人でも多く育てたいと

    思います。

    病理診断が担う役割は、

    ①疾患概念の変化に対応

    する病理診断の最前線、

    ②治療方針(HER2、

    EGFR、ALK、CD

    20などの分子標的治療な

    ど)決定のための最終診

    断、③悪性腫瘍に対する

    治療効果判定、④縮小手

    術の根治度評価、⑤画像

    診断と病理診断の比較、

    ⑥病理診断のセカンドオ

    ピニオン、などが挙げら

    れますが、病院によって

    は病理医自ら患者さんに

    説明する場合もあり、病

    理診断そのものが医療訴

    訟の対象となる事例も出

    てきています。

    佐賀大学病院での病理

    診断については、診療の

    質を向上させるために、

    標本の切り出しや診断の

    際に病理医同士、さらに

    病理医と臨床医が円滑な

    コミュニケーションを取

    ること、定期的な臨床科

    とのカンファレンスを充

    実させること、ミスを最

    小限に抑える診断チェッ

    ク体制を確立すること、

    診断困難例を速やかにコ

    ンサルトし専門家の意見

    を聞くことで、柔軟に対

    応していこうと考えてい

    ます。

    病理部門では、亡く

    なった患者さんの病理解

    剖も担っています。近年、

    病理解剖数は激減してい

    ますが、解剖して初めて

    わかることは少なくあり

    ません。病理解剖は医療

    水準の向上のために必要

    であり、医療の最終評価

    としても重要であるだけ

    に、積極的に解剖する体

    制を構築し、臨床医と共

    同で診療を検証すること

    が大切だと思います。

    佐賀大学の発展、佐賀

    県の医療向上のために努

    力いたしますので、どう

    ぞよろしくお願いいたし

    ます。

    耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座

    教授

    倉富勇一郎

    本年4月1日付けで、

    進武幹先生、井之口昭先

    生と続いた耳鼻咽喉科・

    頭頸部外科学講座の三代

    目の教授に就任しました

    倉富勇一郎です。200

    4年の7月に九州大学か

    ら本学に赴任してきまし

    た。医学科4年生以上の

    学生の皆さんとは顔合わ

    せしたことがありますが、

    それ以外の方はご存じな

    いと思いますので、まず

    私のプロフィールを紹介

    します。

    生まれは現在の福岡県

    うきは市で、田舎です。

    久留米大学附設中学・高

    校から九州大学医学部に

    進みました。附設中学の

    2回生、附設高校は24回

    生になります。当時、附

    設中では全員が運動部に

    所属することが義務付け

    られており、私は剣道部

    に入りました。顧問は、

    玉竜旗という高校剣道界

    では大きな大会で数々の

    戦績を収めた体育教官で、

    大学を卒業して2年目の

    現役同然であり、かなり

    鍛えられました。おかげ

    で高校1年時に二段を取

    れたのですが、大学では

    がらっと変わってバドミ

    ントン部に入りました。

    それも3年までは医学部

    よりも全学のバドミント

    ン部で主に活動していま

    した。

    当時の九大医学部は、

    最初の2年間の教養課程

    を今は無くなった六本松

    キャンパスで過ごし、単

    位を取って3年から東区

    馬出の医学部キャンパス

    に進学するというシステ

    ムでした。1年の間に相

    応の単位を取れば、2年

    目はかなり暇になります。

    というわけで2年目はバ

    ドミントンと麻雀に明け

    暮れる日々でした。全学

    の部活ということもあり、

    バドミントンでも相当鍛

    えました。入学当時58キ

    ロしかなかった体重は、

    2年間で61キロまで増え

    ました。間違いなく筋肉

    量の増加です。今では見

    る影もありません。4年

    以降も医学部バドミント

    ン部で活動を続け、6年

    時には西医体のダブルス

    でベスト4まで勝ち上が

    りました。卒業後も時々

    プレーし、九大全体の職

    員チームの一人となって

    実業団の強豪チームで

    あったベスト電器チーム

    と試合をしたこともあり

    ます。全然歯が立ちませ

    んでした。

    長々と部活やバドミン

    トンのことを書いてきま

    したが、それは私の耳鼻

    咽喉科・頭頸部外科医と

    しての人生にバドミント

    ンが大きくかかわってい

    るからです。医学部卒業

    時に、私は外科系で癌の

    診療に携わりたいと考え

    ていました。九大の外科

    に入局しそうになってい

    た私を、耳鼻咽喉科の道

    に導いてくれたのが、先

    代の九大耳鼻咽喉科教授

    (当時は講師)で、バド

    ミントン部のOBだった

    のです。旨いものをいろ

    いろと食べさせてもらっ

    たりもしましたが、大き

    な決め手は次の3つ、①

    耳鼻咽喉科領域には頭頸

    部癌という癌の領域があ

    ること、②耳鼻咽喉科で

    は頭頸部癌の外科治療を

    行う頭頸部外科が今後ま

    すます必要になってくる

    こと、③福岡に限らず、

    九州さらには全国的にみ

    ても頭頸部外科医が少な

    いこと、でした。この3

    つは今でも言えることで

    す。「耳鼻咽喉科医であ

    るとともに、頭頸部癌を

    対象とした頭頸部外科医

    として一緒に頑張ってい

    こうじゃないか」という

    九大前教授のお誘いに心

    を動かされ、現在の道を

    歩くことになりました。

    ちなみに妻は全学バドミ

    ントン部の同級生です。

    こうした経過から、私

    は医者となってからこれ

    までずっと頭頸部癌の診

    療と研究を中心に活動し

    てきました。ここからは

    私たちが行っている頭頸

    部癌の診療を紹介します。

    頭頸部癌は耳鼻咽喉科の

    領域である「のど」「く

    ち」「はな」「くび」にで

    きる癌の総称です。この

    領域には「言葉を話す」、

    「食事を味わって食べ

    る」など、人と人とのコ

    ミュニケーションや社会

    的活動を支え、人が人ら

    しく生活していくうえで

    重要な機能が含まれてい

    ます。さらには顔面や頸

    部という露出部に生じる

    ことから、整容(外見)

    にも十分配慮する必要が

    あります。従って頭頸部

    癌の治療では、根治とと

    もに臓器・機能・形態の

    保存が求められます。幸

    いなことに頭頸部癌の多

    くが扁平上皮癌で放射線

    感受性が高いことから、

    臓器を摘出せず機能保存

    に優れている放射線治療

    の効果を高めることで、

    根治率と機能保存率を高

    めるという取り組みが行

    われてきました。現在で

    は抗癌剤や分子標的薬を

    同時併用する放射線療法

    (化学放射線療法)が、

    私たちの施設も含め広く

    行われるようになってき

    ています。一方で手術技

    術やチーム医療の進歩に

    より、早期癌に対し機能

    を保存して根治可能な手

    術術式も開発されてきま

    したし、進行癌で広範囲

    な切除をしても再建外科

    により機能を回復できる

    ようになってきました。

    早期の頭頸部癌の多く

    は、放射線治療を中心と

    した保存的治療または病

    変部を切除する外科的治

    療のいずれにおいても、

    臓器・機能を保存して根

    治可能となってきていま

    す。治療法は患者さんの

    選択で決まりますが、私

    たちは早期頭頸部癌に対

    しては、短期間に治療可

    能で侵襲も少ない手術に

    よる外科的治療を推進し

    ています。

    一方、進行頭頸部癌で

    も化学放射線療法で根治

    でき、機能を保存できる

    症例が少なくありません

    が、早期癌ほど多くはあ

    りません。保存的治療で

    根治できない場合は手術

    が必要となり、進行癌で

    は臓器の広範な切除を行

    うことになります。その

    場合でも「話す」「食べ

    る」という機能をできる

    だけ維持することが必要

    であり、形成外科や消化

    器外科とのチーム医療に

    より、大きく切除した舌

    や咽頭・食道の再建手術

    を行っています。喉頭摘

    出による「話す」機能の

    喪失に対しても、気管食

    道シャント形成術といっ

    た手術などにより、代わ

    りの声が出せるように努

    めています。切除・再建

    手術は長時間に及び、担

    当医も術者・助手も大変

    です。それでも進行癌が

    根治でき、「話す」「食べ

    る」機能を回復した患者

    さんが日常の生活や社会

    活動を頑張って送ってい

    る姿に、私たちは勇気づ

    けられ診療を行っていま

    す。進行癌を克服した患

    者さんから感謝の言葉を

    いただいた時が医者冥利

    を感じる時でもあります。

    進行頭頸部癌の臓器・

    機能保存率や根治率は、

    私が医者になった30年ほ

    ど前に比べれば大きな進

    歩を遂げています。しか

    しここ15年ほどは根治率

    の向上がみられていませ

    ん。私たちの施設でも進

    行癌の5年生存率は60%

    程度です。残りの40%程

    度は治すことができてい

    ないのです。この治せて

    いない進行頭頸部癌とい

    う病気をどうやって治す

    のか、それに必要なのが

    研究です。癌の中にも浸

    潤や転移能が強い癌とそ

    うでない癌があり、浸

    潤・転移能が強い癌ほど

    治療抵抗性があり再発し

    ます。ここでは詳細は省

    きますが、私たちは進行

    頭頸部癌が強い浸潤・転

    移能を獲得するメカニズ

    ムを解析し、それを克服

    する治療法の開発を目指

    して研究を行っています。

    頭頸部癌は当科の診

    療・研究の大きな柱の一

    つですが、これ以外にも

    耳疾患、鼻・副鼻腔疾患

    に対する外科的治療や、

    逆流性食道炎に伴うのど

    (咽喉頭)の異常感のメ

    カニズム解析、声嗄れ(嗄

    声)に対する音声外科、

    嚥下障害に対する外科的

    治療などにも力を入れて

    います。特に嚥下障害は

    高齢化の中で社会的要請

    度も高く、初代の進教授

    から伝統的に続いてきた

    佐賀大学耳鼻咽喉科の専

    門分野でもあり、力を傾

    注していきたい分野です。

    そして診療・研究を力強

    く推進していくために必

    要なのがマンパワーです。

    スタッフが結束し、また

    スタッフ一人ひとりが実

    力をつけ、それを発揮す

    ることが必要になります。

    その環境を整え、その場

    を提供することが、教授

    という仕事の一つだと

    思っています。それに当

    たって座右の銘というほ

    どではありませんが、私

    が大事にしていることは

    「漸進」と「マイペース

    を少し超える努力」と「ふ

    んばる力」です。私たち

    は、医療を通じて患者さ

    んからたくさんの経験を

    積ませてもらっています。

    一人の患者さんを担当す

    る経験、一人の患者さん

    を執刀する経験から、少

    しでも何かをつかみ、

    徐々にでもその度に力を

    増すことが大切です。授

    業や実習も同じです。一

    コマの授業や実習があれ

    ば、その前よりもその後

    に何か少しでも向上でき

    ていることで、積み重な

    れば大きな実力になりま

    す。そしてこれを継続す

    ることが必要です。継続

    にはマイペースが良い、

    確かにそうです。無理を

    してもなかなか継続でき

    ません。ただしマイペー

    スは時に、流されるまま

    になることがあります。

    自らがマイペースと思う

    継続可能な範囲を少しだ

    け超える努力をすること

    も、時には必要と考えて

    います。さらには難題・

    難局に当たって踏ん張る

    力を求められることがあ

    ります。その際に大きな

    支えになるのが、踏ん

    張った経験です。勉強、

    部活動、社会活動、その

    他なんでも構いません。

    学生の皆さんには学生の

    間に一度でもよいので、

    ぐっと踏ん張って頑張っ

    た体験を持ってほしいと

    思っています。その経験

    が必ず将来、医師・看護

    師としての仕事に生きて

    くると思います。

    冒頭にバドミントンの

    ことを書きましたが、私

    の右のアキレス腱は38歳

    時のバドミントン部OB

    戦の際に切れました。現

    佐賀大学学長の佛淵先生

    に縫合してもらいました。

    もう切ることもなかろう

    と高をくくっていたら、

    3年前に遊びでバドミン

    トンをしていて左のアキ

    レス腱が切れました。お

    そらく全国の耳鼻咽喉科

    医で両方のアキレス腱を

    切っている医者は他には

    いないと思います。それ

    でも医局の野球の試合に

    は頭数不足もあってまだ

    出場しています。仕事に

    はもちろん精励しますが、

    時にはスポーツにも興じ

    るような楽しく明るい医

    局を目指していきたいと

    考えています。医学科学

    生の皆さんは臨床実習で

    必ず耳鼻咽喉科に回って

    くることになりますが、

    医局の雰囲気も感じ取っ

    てください。そして一人

    でも多くの学生さんが耳

    鼻咽喉科医、頭頸部外科

    医を目指してくれること

    を望んでいます。

    Mudskippers 2014年(平成26年)6月発行� 第41号3

  • 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度

    100.0

    98.0

    96.0

    94.0

    92.0

    90.0

    88.0

    86.0

    84.0

    82.0

    佐賀大学 全国平均

    平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度

    12

    16

    43

    2

    36 35

    25

    1

    本学病院(41名)49%

    本学病院(41名)49%九州内

    (30名)35%

    九州外(14名)16%

    本学病院(23名)38%

    本学病院(23名)38%

    本学病院(23名)38%

    九州内(23名)38%

    九州内(23名)38%

    九州外(8名)13%

    九州外(8名)13%

    佐賀県内(7名)11%

    佐賀県内(7名)11%

    助産師(4名)7%

    助産師(4名)7%

    進学(1名)1%

    進学(1名)1%

    看護師(49名)80%

    看護師(49名)80%

    看護師(49名)80%

    保健師(7名)12%

    保健師(7名)12%

    主な就職先 佐賀大学病院 22名 九州大学病院 8名 久留米大学病院 2名 九州医療センター 2名

    主な就職先 佐賀大学病院 22名 九州大学病院 8名 久留米大学病院 2名 九州医療センター 2名

    主な就職先 佐賀大学病院 22名 九州大学病院 8名 久留米大学病院 2名 九州医療センター 2名

    国 ● 家 ● 試 ● 験去る3月18日に第108回医師国家試験、25日に第103回看護師、第100回保健師、第97回助産師国家試験の合格発表がありました。本学受験者の合格率は、医師国家試験で新卒者85名が全員合格(全国平均93.9%)、既卒者を含めますと、93名中89名が合格(95.7%、全国平均90.6%)で、いずれも全国平均を上回る好調な結果となりました。看護師と助産師は100%で全員合格です。保健師は新卒1名の不合格という結果になりました。

    医師国家試験データ(H18~H25・新卒者のみ)

    卒業生就職先

    山々の稜線から昇る

    朝日。天山辺りの山中

    で撮影したものかと思

    われるかもしれないが、

    実は医学部食堂横から

    築山越しに撮影したも

    のである。

    この山について学生

    に尋ねると、「古墳」

    だとか「初代学長のお

    墓」といったことをよ

    く耳にする。そこで、

    本学設立当時の事をよ

    く知る九州大学の西村

    幸一さん(元・佐賀大

    施設課課長)にお話を

    伺った。

    佐賀医大の建設が進

    められた昭和の末期、

    建物の基礎工事の為、

    大量の土が出た。そこ

    で古川哲二初代学長が、

    この土を使い築山を建

    設するよう御達しを出

    した。というのも、こ

    の築山をもって、病院

    と学校という場の区切

    りを作りたかったから

    だ。かたや精彩で力み

    なぎる学生諸君、一方

    では心身ともに病に伏

    している患者さん。そ

    の�境界線�としての

    役目を担う築山だった

    のだ。

    時にはこの築山を眺

    めて、初代学長のメッ

    セージに想いを馳せつ

    つ学業に励んでもらい

    たい。

    (柴田健太郎)

    編集部からのお知らせ

    医学部学生新聞では掲

    載記事を随時募集してい

    ます。研究室での実習体

    験、課外活動報告、音楽・

    書籍評論、グルメ情報、

    あるいは身の回りの出来

    事に題材をとったエッセ

    イなど何でも構いません。

    旅先でのお気に入り風景

    写真の一葉でも歓迎です。

    ぜひ活字媒体にして一生

    の想い出を作ってみませ

    んか。記事は電子ファイ

    ルで編集長までお送り下

    さい(kura@

    cc.saga -u.ac.jp

    )。また学生編集委

    員も募集しています。

    Duty

    は最低限ですので、

    兼部もまったく問題あり

    ません。医学部の歴史に

    名を刻もうという情熱あ

    ふれる学生さん、ぜひ門

    を叩いて下さい。(

    倉岡)

    編集後記

    臨床研究棟の玄関横に

    住み着いていた老猫�す

    るめ�(本紙バックナン

    バー34号に関連記事)が

    忽然と姿を消して2ヶ月

    が経過しようとしている。

    ヒトの年齢に換算すれば

    間違いなく百歳を超えて

    いたというから、おそら

    くは何処かで大往生を遂

    げたのであろう。動物に

    よっては自らの死期を悟

    ると、死に場所を捜しに

    出ると聞く。最近では、

    大分は高崎山の老ボス猿

    �ベンツ�の失踪も話題

    になっていた。

    動物が死期を悟ること

    ができる理由は謎である

    が、さてヒトの場合はど

    うであろうか?長期臥床

    を強いられるような消耗

    性疾患であれば、体力気

    力の衰えとともに死期が

    自ずと分かるかも知れな

    い。しかし、CPA(心

    肺停止)に到るまで数秒

    の経過をとるような重篤

    な心筋梗塞、解離性大動

    脈瘤などの場合、おそら

    く訳の分からない内に意

    識が遠のくであろうこと

    は想像に難くない。自ら

    の死の場面を想像するの

    は気持ちの良いことでは

    ないが、遅かれ早かれ誰

    しも必ずその瞬間が訪れ

    る。これを悟るのは神業

    かも知れぬが、せめて医

    学を囓った立場であれば、

    体内に生じた変化を冷静

    迅速に分析した上で、世

    話になった家族に�あり

    がとう�の一言だけでも

    残せれば・・・。そんなこ

    とを老猫の失踪にあたっ

    てふと考えた。

    さて、本号では学生表

    彰、新任教授挨拶などを

    特集した。特に2件の学

    長賞受賞は医学部として

    快挙であり、医師・看護

    師の国試現役合格率10

    0%と合わせて喜ばし

    い話題である。表彰と聞

    くと「自分には縁が無

    い」と引いてしまう学生

    さんも多いかも知れない

    が、成績優秀者の学部長

    表彰などは必ず誰かが受

    賞できる。努力さえ怠ら

    なければ、全員にチャン

    スがあるのだ。受賞は履

    歴書の賞罰欄に記載でき

    る事項であり、その後の

    人生に光明をもたらす可

    能性もある。ぜひ学生諸

    君の奮闘努力を期待した

    い。も

    う一点、実は編集部

    にも久方ぶりに明るい話

    題が舞い降りた。本号よ

    り新たに3名の学生編集

    委員が参加してくれてい

    る。編集部一同、新聞発

    行に全力を尽くす所存で

    あり、今後ともご愛読を

    お願いしたい。

    (倉岡)

    新聞編集委員倉岡晃夫教授(編集長)河野 史教授、新地浩一教授、尾崎岩太准教授、柴田健太郎助手、壹岐聡一朗、合田夏希、鈴木源晟(医6)、橋本健太(医5)、大野渚、西原歩美、藤田真衣(医3)、岩永鴻之介(医2)

    要望などの連絡先学生サービス課総務[email protected]

    合 格 率全国平均90.6%89.8%86.5%96.9%

    合 計95.7%(89/93)100%(57/57)98.4%(61/62)100%(4/4)

    既 卒50.0%(4/8)

    ー100%(2/2)ー

    新 卒100%(85/85)100%(57/57)98.3%(59/60)100%(4/4)

    医 師看護師保健師助産師

    平成25年度 国家試験合格状況

    国公立大学・全43校中の順位

    看護学科職種別進路

    医学部の風景●2

    看護学科地域別進路

    合格率の推移

    医学科地域別進路

    Mudskippers 第41号 �42014年(平成26年)6月発行