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サイオステクノロジー株式会社 Lenovo System x & DataKeeper Windows Server HA Cluster 構成検証 高速ストレージを使用した Microsoft SQL Server 2012 HA 環境構築のポイント

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サイオステクノロジー株式会社

Lenovo System x & DataKeeper

Windows Server HA Cluster構成検証

高速ストレージを使用した Microsoft SQL Server 2012 の HA 環境構築のポイント

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©SIOS Technology, Inc.

目次

はじめに ............................................................................................2 1

DataKeeper for Windows の概要 ............................................................3 2

DataKeeper for Windows とは .........................................................3 2.1

DataKeeper のレプリケーション動作の概要 ..........................................4 2.2

WSFC+DKCE による SQL Server の冗長化構成 ...........................................6 3

本検証で使用した構成について ...........................................................6 3.1

WSFC+DKCE を使用した SQL Server の設定手順のポイント .....................7 3.2

① ハードウェアを準備する .................................................................7

② OS をインストールし、必要な追加パッケージをインストールする .............8

③ HA クラスター、レプリケーションに使用するネットワーク接続を確認する...8

④ OS のセキュリティポリシーの設定と、サービス設定を確認する。 .............9

⑤ レプリケーションに使用するパーティションを準備する ..........................9

⑥ WSFC をインストールし、クラスターグループを作成する ..................... 10

⑦ DKCE をインストールする ............................................................ 10

⑧ 高速ストレージに対応する DKCE のチューニングを実施する .................. 11

⑨ DataKeeper 管理画面を使用してレプリケーション設定を行う ................ 11

⑩ SQL Server を HA クラスター構成でインストールする ......................... 14

パフォーマンス検証結果 ....................................................................... 15 4

参考資料 .......................................................................................... 17 5

謝辞 ............................................................................................... 18 6

免責事項 .......................................................................................... 19 7

著作権 ............................................................................................. 19 8

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はじめに 1

この度、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ株式会社様のご協力のもと、弊社

データレプリケーション製品「DataKeeper for Windows Cluster Edition」と Windows Server

2012 の機能である Windows Server Failover Cluster を利用したマイクロソフト SQL

Server 2012 の冗長化検証を行いました。

本資料にて、構築時のノウハウと、高速ストレージデバイスを用いた場合のパフォーマン

スについて詳細をご説明いたします。

本資料が、SQL Server の冗長化をご検討いただく際の一助となれば幸いです。

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DataKeeper for Windows の概要 2

DataKeeper for Windows とは 2.1

サイオステクノロジーでは、HA クラスターソフトウェアである、LifeKeeper for Linux

/LifeKeeper for Windows をはじめとした、事業継続ソリューションをご提供しておりま

す。「DataKeeper for Windowsはその中の一つで、Windowsサーバーのローカルボリュー

ムを TCP/IP ネットワークを通してリアルタイムにレプリケートを行うソフトウェアです。

DataKeeper for Windows には 2 つの Edition があります。1 つはレプリケーション機能

のみを提供する DataKeeper for Windows Standard Edition(以後 DKSE)、もう一つは

Windows Server Failover Cluster(以後 WSFC)との連携を実現する DataKeeper for

Windows Cluster Edition(以後 DKCE)です。この DKCE の「WSFC との連携」とは、

DKCE でレプリケートされたローカルディスクを WSFC の共有ディスクとして扱うことが

できるというものでです。

WSFC+DKCE の連携イメージ

WSFCによるHAFailover 可能

Data ReplicationE:\ E:\

通常 WSFC は構成要件として共有ストレージが必要となります。しかし、共有ストレージ

の必要性から、ストレージ機器の配置やその接続に関連してクラスターサーバーの配置や

利用方法に制限が生じる場合があります。これに対して DKCE を使用した場合、ネットワー

クを介してデータの同期を行い、それを WSFC の共有記ストレージとして扱うことができ

るため、レプリケーションが可能なネットワーク環境であれば、HA クラスターを構成する

ことが可能です。また、そのレプリケーションを実行するネットワークとしては、LAN/WAN

いずれも使用することができます。高帯域と低帯域のネットワーク間のレプリケーション

でも、アクセラレータ等を介さずに効率よくデータ転送が行うことができるよう考慮され

た仕組みになっています。

これらの特徴から、LAN 内で完結した物理環境間はもちろん、仮想環境やクラウド環境と

の間でも HA クラスターを構成することが可能となります。また、近年 Fusion-io 社の

ioDrive をはじめとした高速フラッシュストレージが、その I/O パフォーマンスの良さから

利用されるケースが多くなっています。DKCE と高速フラッシュストレージを組み合わせ

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て利用することによって、高速フラッシュストレージの性能を活かした、高可用性システ

ムを実現することができます。今回の検証では Fusion-io 社の ioDrive2 を使用した設定と

パフォーマンス計測を行っています。

DataKeeper のレプリケーション動作の概要 2.2

DataKeeper のレプリケーションは、ファイル単位ではなくディスクのブロック単位で行

われます。レプリケーションの設定を行った直後は、ディスク全体の同期を同期を取る「全

同期」が行われます。全同期はディスクサイズやレプリケーションに使用しているネット

ワークの通信速度によって完了までの時間が左右されます。

全同期が完了した後は、一方のボリュームに書き込まれたデータの差分のみを他方のボ

リュームへリアルタイムに同期します。データの差分は、レプリケーション設定時に作成

されるビットマップファイル(インテントログとも言います。)によってトラッキングされ

ます。その差分データの転送方法として、「同期モード」と「非同期モード」があります。

モードについては、レプリケーションの設定を行う際に選択します。I/O が発生した際の同

期モードごとのデータの流れと特徴を以下の図にまとめます。

DataKeeper の同期動作

このように、同期モードは、対向ノードのディスクへの書き込みが完了してから I/O をコ

ミットします。そのため、データの整合性の面で高い信頼性を保つことができます。それ

に対して、非同期モードは、自ノードのディスクへの書き込みが完了すれば、その I/O を

コミットします。対向ノードへのデータ転送については、一定量キューに貯めてから一度

に転送します。そのため、I/O パフォーマンスの面で同期モードに対して優位といえます。

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この動作のより詳細な動作については、以下の URL のマニュアルにも情報がありますので、

合わせてご参照ください。

同期および非同期ミラーリング

http://jpdocs.us.sios.com/WindowsSPS/8.1/DKCE/DKCETechDoc/index.htm#Da

taKeeper/Introduction/Understanding_Replication/Synchronous_and_Asynchron

ous_Mirroring.htm

同期モードにどちらを選ぶかは、これらの特徴を把握した上で利用するデータの内容や用

途、想定される利用状況等に応じて選択する必要があります。なお、データベースであれ

ばデータの整合性を重視して同期モードが選択される場合が多く、ファイルサーバーの場

合には非同期モードも利用されるケースがあります。

なお、今回の検証では比較のため、同期モードと非同期モード両方で SQL Server のパ

フォーマンス計測を実施しました。結果については、本資料の「4.パフォーマンス検証

結果」の章をご確認ください。

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WSFC+DKCE による SQL Server の冗長化構成 3

WSFC+DKCE を使用して SQL Server の冗長化を行う場合、おおよそ以下のような流れ

での作業になります。

① ハードウェアを準備する

② OS をインストールし、必要な追加パッケージをインストールする

③ クラスターを構成するネットワーク接続を確認する

④ レプリケーションに使用するパーティションを準備する

⑤ WSFC をインストールし、クラスターグループを作成する

⑥ DKCE をインストールする

⑦ 高速ストレージに対応する DKCE のチューニングを実施する

⑧ DataKeeper 管理画面を使用してレプリケーション設定を行う

⑨ SQL Server を HA クラスター構成でインストールする

この章では、実施した検証をもとに各構成手順に応じた確認ポイントをご紹介いたします。

本検証で使用した構成について 3.1

今回 Lenovo System x 使用して、WSFC+DKCE を用いた SQL Server の冗長化を行い、

そのスループットを検証しました。検証に利用した環境の概要は以下の通りです。

検証環境の構成図

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検証マシン構成(dk1/dk2 共通)

サーバー型番 Lenovo System x3650 M4 モデル B2J

CPU Xeon E5-2609 x1 (2.4GHz,4Core)

Memory 32GB

HDD 146GB(15krpm) x 8 RAID5

SSD High IOPS MLC Mono 1.2TB

OS Microsoft Windows Server 2012 R2 Datacenter

SQL Server SQL Server 2012 R2

DataKeeper DataKeepe for Windows Cluster Edition v8.1

Replication 用 LAN 10Gb Ethernet (クロスケーブル直結)

System Volume

(SQL Server instance)

C:¥(HDD:99.48 GB)

Replication 用 Volume

(SQL Server Data files)

E:¥(HDD:851.68 GB)

F:¥(SSD:1.08TB)

Bitmapfile 用 Volume G:¥(SSD:20GB)

※AD サーバーについては検証に影響しないため省略します。

上記のハードウェアを使用して構築を実施した際の手順をもとに、そのポイントを次にま

とめます。

WSFC+DKCE を使用した SQL Server の設定手順のポイント 3.2

① ハードウェアを準備する

HA クラスターを構成する場合には、2 台以上のサーバーが必要となります。スペック

の要件については、保護対象とするサービスを基準として考えて選択してください。

DKCE は動作のためにそれほど多くのリソースを必要としないため、サービスのため

に必要十分なリソースがあれば問題ありません。

レプリケーション対象のボリュームはパーティションによって構成されていれば問題

ありません。レプリケーション用のボリュームのためにディスク自体を分ける必要は

ありません。

クラスター間の接続に使用できる LANポートを 2つ以上用意することをお勧めします。

これは、HA クラスター間のハートビート通信に使用する経路を冗長化する意味と、レ

プリケーション用とそれ以外にネットワークの利用用途を分けられるようにする意味

があります。しかし、WAN を介した構成など、クラスター間の接続に複数の経路を用

意することが難しいケースもありますので、レプリケーション用とそれ以外のネット

ワークを分けることは構成上の必須要件ではありません。利用環境に応じて検討をし

てください。また、レプリケーションするボリュームの I/O パフォーマンスが重視さ

れる場合には、より高速なネットワーク接続を利用してください。

DataKeeper で使用するネットワーク帯域に関する、情報が以下の URL のマニュアル

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にございますので、必要に応じて内容を確認してください。

ネットワーク帯域

http://jpdocs.us.sios.com/WindowsSPS/8.1/DKCE/DKCETechDoc/index.htm

#DataKeeper/Configuration/Network_Bandwidth.htm

② OS をインストールし、必要な追加パッケージをインストールする

今回 DKCE の利用を前提としているため、DKCE がサポートしている OS、Edition を

利用する必要があります。DKCE がサポートする OS については、DKCE のサポート

マトリクスにまとめられています。OS の選定の際にはこちらの情報をご確認ください。

サポートマトリクス

http://jpdocs.us.sios.com/WindowsSPS/8.1/DKCE/DKCESupportMatrix/inde

x.htm

次に、DKCE をインストールするため要件を確認し、必要な追加パッケージをインス

トールします。必要な追加パッケージについては以下の URL にございますリリース

ノートの「製品要件」の表に記載されています。

リリースノート「製品要件」

http://jpdocs.us.sios.com/WindowsSPS/8.1/DKCE/DKCEReleaseNotes/index

.htm

この中でどのような構成の場合でも必須となるパッケージとして「Microsoft .NET

Framework 3.5 SP1」があります。追加されていない場合、DKCE のインストールを

実行した際にエラーとなりインストールできませんので、忘れないようにインストー

ルしてください。また、WSFC と DKCE の連携を使用する場合には、DKCE をインス

トールする前に WSFC のクラスターグループを作成しておく必要がありますので、こ

の時点で OS に「フェイルオーバークラスター」の機能を追加しておくことをお勧めい

たします。

③ HA クラスター、レプリケーションに使用するネットワーク接続を確認する

物理的な点についてはハードウェアの準備の項目で触れましたが、DataKeeper を利

用するためには、通信に使用するポート番号についても考慮する必要があります。

DataKeeper が使用するポート番号は、137,138,139,445,9999 と 10000~10025

(10000~10025 はミラーするドライブレターと対応しています。たとえば F ドライ

ブをミラーする場合 10005 番を使用します。)となっていますので、これらが解放さ

れている必要があります。OS の F/W については、DataKeeper のインストーラが自

動的に必要な受信の規則にルールを追加してくれます。ただし、インストーラを実行

するときに F/W が有効になっている必要がありますので注意してください。

DataKeeper が利用するポート番号の詳細につきましては、以下の URL にございます

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オンラインマニュアルの内容をご確認ください。

ファイアウォール設定

http://jpdocs.us.sios.com/WindowsSPS/8.1/DKCE/DKCETechDoc/DataKeepe

r/Configuration/Firewall_Configurations.htm

WSFC 側の要件につきましては、WSFC の利用要件を確認してください。

④ OS のセキュリティポリシーの設定と、サービス設定を確認する。

DataKeeper が動作するために、セキュリティポリシー「Everyone アクセス許可を

匿名ユーザーに適用する」を有効にしたり、「Distributed Link Tracking Client」サー

ビスを無効にする必要があります。これらの設定は OS の F/W の設定と同様に、

DataKeeper のインストーラ設定行ってくれます。インストーラ実行時のポップアッ

プウィンドウの問い合わせに対して「Yes」で回答して、必要な設定行われるようにし

てください。

⑤ レプリケーションに使用するパーティションを準備する

レプリケーション対象とするボリュームを、全ノードに作成します。レプリケーショ

ン対象にできないボリュームの種類がいくつかありますので、以下にまとめます。

Windows システムボリューム

Windows ページファイルを含むボリューム

NTFS 形式以外のボリューム (FAT、FAT32、Raw FS など)

固定ドライブ以外 (CD-ROM、フロッピーディスクなど)

ソースボリュームよりサイズの小さいターゲットボリューム

実際にボリュームを構成するにあたっては、レプリケーション対象とするボリューム

レターは全ノードで同じものを使用してください。また、サイズは特に理由がない限

り同じサイズで作成することをお勧めします。サイズが異なっていてもミラーを作成

することは可能ですが、ターゲットノード側のディスク(データがレプリケーション

される先のディスク)のサイズが、ソースノード側のディスク(データのレプリケー

ション元となるディスク)サイズよりも小さい場合にはレプリケーションを設定する

ことができません。異なるサイズで作成したとしても、ディスクサイズは小さいほう

に丸められますので、ディスク領域が無駄になります。

加えて、高速ストレージを使用している場合そのパフォーマンスを十分に引き出すこ

とができるよう、同期の差分情報となるビットマップファイルの保存先も高速スト

レージ上のボリュームを使用することを推奨しています。そのため、高速ストレージ

を使用している場合には、ビットマップファイルを保存するためのパーティションを

用意してください。ビットマップファイルを保存するためのパーティションのサイズ

は、レプリケーションするディスクサイズに拠ります。概算で、レプリケーション対

象のボリュームサイズが、1GB だった場合、ビットマップファイル 2KB 程度となりま

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す。高速ストレージを使用している場合のビットマップファイルの保存先に関する情

報は以下の URL にございますマニュアルをご確認ください。

高速ストレージのベストプラクティス

http://jpdocs.us.sios.com/WindowsSPS/8.1/DKCE/DKCETechDoc/index.htm

#DataKeeper/Configuration/High_Speed_Storage_Best_Practices.htm

⑥ WSFC をインストールし、クラスターグループを作成する

WSFC をインストールしてクラスターグループを作成します。クラスターを構成する

ノードはレプリケーションを行うノードでもあります。設定後、関連のノードが WSFC

の管理画面に表示されていることを確認してください。

クラスターグループを作成する際、WSFC ではクォーラム形式を指定する必要があり

ます。DKCE との組み合わせを使用する場合、基本的に共有ディスクを使用しない構

成となることが考えられます。よって、クォーラム設定は共有ディスクなしで構成で

きる「ノードマジョリティクォーラム」または「ノードとファイル共有マジョリティ

クォーラム」のどちらかから選択することになります。今回の検証の構成では、

ADServer 上に作成したファイル共有フォルダを使用して「ノードとファイル共有マ

ジョリティクォーラム」の設定を使用しました。

また、クラスターグループを作成する際、設定ウィザードの中で構成の検証を実行す

るかどうかの確認が行われます。この構成の検証は、SQL Server をインストールする

前に一度通しておく必要があります。しかし、この時点では共有記憶域がありません。

そのため、検証項目からディスクに関する項目を除外して実行してください。この結

果致命的なエラーがなどがなければ、WSFC の構成上問題はありません。

⑦ DKCE をインストールする

DKCE のインストールはインストーラを実行すれば、ウィザードに従ってインストー

ルすることができます。ミラーリング対象となる全てのノードにインストールを実行

してください。インストールウィザードの途中、前述した F/W の設定やサービス、セ

キュリティポリシーに関する問い合わせがポップアップで表示されますので、「Yes」

を選択して必要な設定が自動的に行われるようにしてください。

基本的にはウィザードに従って進むだけで、インストールを完了することができます。

インストールウィザードの最後にライセンスキーのインストールが求められますので、

必ずインストールしてください。ライセンスキーをインストールする画面を閉じると、

再起動が求められます。再起動から復旧した後、GUI を日本語化する「Language

supplement」のインストールを行ってください。

インストールの詳細については、DKCE の製品 CD(試用版も同様)に含まれる

「DataKeeper for Windows のインストールの手引き」というドキュメントに記載が

ありますので、こちらをご確認ください。

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⑧ 高速ストレージに対応する DKCE のチューニングを実施する

高速ストレージを使用している場合には、そのパフォーマンスを十分に引き出すため

に、いくつかのチューニング項目を実施する必要があります。最低限実施するべき項

目は以下の 2 点です。

ビットマップファイルの場所を高速ストレージ上のボリュームに変更する

レジストリキー「WriteQueueLowWater」値を増やす

これらの設定方法の詳細につきましては、以下の URL にございますマニュアルの情報

をご確認ください。いずれもレジストリキーの変更となります。

高速ストレージのベストプラクティス

http://jpdocs.us.sios.com/WindowsSPS/8.1/DKCE/DKCETechDoc/index.htm

#DataKeeper/Configuration/High_Speed_Storage_Best_Practices.htm

⑨ DataKeeper 管理画面を使用してレプリケーション設定を行う

レプリケーションを行うボリュームと、ネットワークを選択してレプリケーション設

定を行います。レプリケーションの設定は GUI を使用して行います。操作の手順は手

順は次の通りです。

(1) どちらか一方のクラスターノードの DataKeeper GUI を起動する

DataKeeperGUI は全てのアプリケーションにショートカットアイコンがありま

すので、それをダブルクリックすると起動することができます。

(2) レプリケーションに使用するサーバーに DataKeeperGUI から接続する

レプリケーション設定を行うためには、レプリケーション対象となるサーバーに

接続をする必要があります。この操作につきましては、以下の URL にございます

マニュアルをご確認ください。

サーバへ接続

http://jpdocs.us.sios.com/WindowsSPS/8.1/DKCE/DKCETechDoc/index.

htm#DataKeeper/User_Guide/Connecting_to_a_Server.htm

接続の操作は、GUI を起動している自分自身にも接続する必要があります。

接続した結果、レプリケーション対象とするボリュームが、DataKeeperGUI に

表示されていることを確認してください。この時点でボリュームが表示できてい

ない場合、基本的な設定が不足している可能性があります。例えば、ポートの解

放、セキュリティポリシーの設定のなどです。リリースノートやインストールガ

イドなどを確認して、基本的な設定に不足がないことを確認してください。

(3) レプリケーション設定を行う

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レプリケーション設定を新規で行う場合には、「ジョブの作成」から操作を行いま

す。ジョブ作成の操作については以下のマニュアルをご参照ください。

ジョブの作成

http://jpdocs.us.sios.com/WindowsSPS/8.1/DKCE/DKCETechDoc/index.

htm#DataKeeper/User_Guide/Creating_a_Job.htm

ジョブの作成の操作を行うと、そのままミラー作成のための項目がウィザードに

表示されますので、その内容に従って設定を行ってください。ミラー設定に関す

るウィザードの内容につきましては、以下のマニュアルをご参照ください。

ミラーの作成

http://jpdocs.us.sios.com/WindowsSPS/8.1/DKCE/DKCETechDoc/index.

htm#DataKeeper/User_Guide/Creating_a_Mirror.htm

WSFC 環境があらかじめ構成されている場合、ミラー作成ウィザードの最後の時

点で、以下のようなポップアップウィンドウが開きます。

作成したレプリケーションボリュームを、WSFC の共有記憶域に登録する場合に

は、ここで必ず「はい」を選択してください。はいを選択した後 WSFC の管理画

面の記憶域を見ると DataKeeper Volume という名前の記憶域が表示されている

ことを確認できます。以下はその表示例です。

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このように登録された状態となれば、通常の共有ストレージを使用した共有記憶

域と同様に HA クラスターの設定に使用することができます。

なお、レプリケーションを設定した直後は、ボリューム内の全データについて完

全同期を行います。同期が行われている間、ミラーのステータスは「同期中」と

なります。この全同期が完了しなければ、切り替えなどは実施できません。同期

が完了するとステータスは「ミラーリング」となります。手動での切り替えをテ

ストする場合には、ステータスが「ミラーリング」になっていることを必ず確認

してください。ステータスの確認は、DataKeeperGUI か、WSFC の記憶域に表

示されているディスクのプロパティから確認することができます。以下は、プロ

パティの表示例です。

この、ミラーリングステータスは通常「ミラーリング」が継続されますが、運用

中見られる可能性があるものとして、「一時停止」というステータスがあります。

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これは、ターゲットボリュームへのデータ転送が一時的に停止されている状態を

指します。運用上の目的で手動での操作によって一時停止にするほかに、

DataKeeper 自体が自動的に一時停止にステータスを変更する場合があります。

今回の検証においても、SQL Server のベンチマークツールの実行中にみられまし

た。これは、非同期モードの際にソースボリュームに対する I/O が多量に発生し、

非同期書き込みのキューが規定値に達した場合に発生します。この時に一時停止

のステータスは、キューからある程度データが転送された時点で自動的にミラー

リングステータスに変更されます。運用中やベンチマークテストの実施時に、こ

のようなステータス変更が頻繁にみられる場合には、キューの規定値を定義して

いるレジストリキ「WriteQueueHighWater」の値を変更することによって、改

善する場合があります。この動作の詳細については、以下の URL のマニュアルの

情報をご参照ください。

読み込みおよび書き込み操作

http://jpdocs.us.sios.com/WindowsSPS/8.1/DKCE/DKCETechDoc/index.

htm#DataKeeper/Introduction/Understanding_Replication/Read_and_W

rite_Operations.htm

⑩ SQL Server を HA クラスター構成でインストールする

SQL ServerHAクラスターのインストールは、一般的なSQL ServerのHAクラスター

構成手順と同じになります。SQL Server のインストール CD を起動してインストール

メニューから「SQL Server フェールオーバー クラスターのインストール」を実行し

ます。

留意点としては、データベースの配置先がレプリケーション対象となっているディス

クに設定されていることを確認することです。この時、選択できるボリュームは 1 つ

だけですのです。もし、複数のボリュームを HA クラスターで保護する SQL Server

インスタンスで利用したい場合には SQL Server の HA クラスターインスタンスの作

成が完了した後に、WSFC の管理画面から依存関係を作成する必要がありますその他

SQL Server の HA クラスター構成のインストール方法につきましては、SQL Server

のマニュアルをご確認ください。

構成手順のポイントは以上となります。最後に手動での切り替えなどをテストしてくださ

い。

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パフォーマンス検証結果 4

3 章でご紹介した環境と構築手順を実施して作成した環境を用いて、SQL Server のデー

ターベースのベンチマークを実施しました。ベンチマークデータの取得には「Hammer DB」

というベンチマークツールを使用しました。(Hammer DB の詳細についてはここでは割愛

します。5 章に関連リンクを付けておりますので、必要に応じてそちらの情報をご確認くだ

さい。)また、今回 WSFC+DKCE 構成と比較のために、SQL Server2012 自体の冗長化

機能である「AlwaysOn」を同サーバーを使用して構成しパフォーマンス計測を行っていま

す。その結果を表したものが以下のグラフが以下となります。

SQL Server 2012 R2 + DataKeeper HammerDB ベンチマーク結果

その結果、AlwaysOn 構成に比べ WSFC+DKCE 構成は ioDrive の性能を大きく損なうこ

となく、パフォーマンスを発揮できていることが分かりました。ベンチマークユーザー数

毎の Fusio-io のスタンドアロン構成のスループットに対するオーバーヘッドの平均は、

DKCE の同期モード場合約 9.4%、非同期モードの場合約 5.4%となっています。これに対

して AlwaysOn では、同期モードで約 30%、非同期モードで約 19%となっており、

WSFC+DKCE を使用した SQL Server の冗長化構成に SQL のスループットの面で優位性

が認められます。

加えて、導入を検討する際にはコストについても大きな比較ポイントとなります。

AlwaysOn を使用して HA クラスターを構成する場合、SQL Server Enterprise Edition

が必要となり、稼働系・待機系ともにライセンスが必要となります。対して、WSFC+DKCE

で SQL Server を冗長化する場合、SQL Server Standard Edition で構成することができ、

ライセンスは稼働系ライセンスのみで利用することができます。価格の具体例として冗長

化に必要なライセンスの初期費用を見てみると、SQL Server の購入方法にもよりますが、

150000

200000

250000

300000

350000

400000

450000

0 20 40 60 80 100

HA

MM

ER

DB

TP

M

ベンチマークユーザー

Fusion-io スタンドアロン Fusion-io DK同期ミラー

Fusion-io DK非同期ミラー Fusion-io Always on 同期ミラー

Fusion-io Always on 非同期ミラー

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SQL Server AlwaysOn を使用するために必要な価格は、SQL Server 2012 Enterprise

Edition Open Business)ライセンスの単価が 2Core 用ライセンスで¥2,560,000 となって

います。AlwaysOn を構成する場合、少なくともこの 2 倍の価格(¥5,120,000)が必要になり

ます。それに対して、DKCE+WSFC で SQL Server を冗長化する場合、SQL Server Standard

Edition(Open Business)1 ノード分+DKCE2 ノード分が必要となり、これらを合わせて合

わせて¥1,720,000 となっています。

これらの点から、WSFC+DKCE の組み合わせでの SQL Server の冗長化は、高速ストレー

ジの性能を生かしつつ導入時の初期費用を軽減できるというメリットが得られると言えま

す。

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参考資料 5

本資料に関連する資料の URL を以下にまとめます。

サイオステクノロジー株式会社 事業継続ソリューション製品紹介

http://www.sios.com/products/bcp/lkdk/

DataKeeper for Windows v8.1 価格表

http://www.sios.com/products/bcp/lkdk/product/pdf/dkw_price.pdf

LifeKeeper UserSite(製品の FAQ、最新 Errata 情報等)

http://lk.sios.com/

SIOS Technical Documentation(オンラインドキュメント)

http://jpdocs.us.sios.com/

Windows Server 2012 フェールオーバー クラスタリングの概要

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/hh831579.aspx

SQL Server 2012 SQL Server フェールオーバー クラスターのインストール

http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/hh231721(v=sql.110).aspx

SQL Server 2012 ライセンスと価格

http://www.microsoft.com/ja-jp/SQLServer/2012/howtobuy/

可用性を重視するシステム(SQL Server AlwaysOn の利用)Oracle Database との価格比較

http://www.microsoft.com/ja-jp/SQLServer/2012/compete/compete0201.aspx

Hammer DB

http://hammerora.sourceforge.net/

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謝辞 6

本検証の実施に際し、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ株式会社様より System

x サーバーの利用をいただきました。また、環境構築や設定ベンチマークテスト実施など、

多大なるご支援をいただきました。厚く御礼を申し上げます。

http://www.ibm.com/systems/jp/x/

www.facebook.com/LenovoEnterpriseSolutions/

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