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県立農林水産技術総合センター県立農林水産技術総合センター 普及部 専門技術員 榎本拓司 普及部 専門技術員 榎本拓司
平成平成 2020 年度年度まちづくりガーデナーテーマコーまちづくりガーデナーテーマコースス農薬の正しい使い方農薬の正しい使い方 ~化学農薬を減らす~~化学農薬を減らす~
化学農薬低減技術
194919651970197519801986年次
0
20
40
60/10時間 a
除草労働時間
19491965
19701975
19801986
年次
0
2
4
6
/10人 a
0
20
40
60
80
100
除草労力(人)指数
除草労力(人)
水稲作において除草剤を用いた経済効果
化学合成農薬低減技術
水稲大麦小麦陸稲
落花生とうもろこし
大豆小豆甘藷菜豆
作物
名
0 20 40 60 80 100減収率(%)
図 主要作物の雑草による減収率
水稲小麦
ばれいしょ大豆
みかんりんご
きゅうり(施設)
キュウリ(露地)キャベツ
だいこん
作物
名
0 20 40 60 80 100減収率(%)
病害虫害
図 農薬を使用しなかった場合の減収率
農薬を使わなかった場合の減収率
総合的病害虫・雑草管理( IPM )とは 病害虫や雑草の防除についてのひとつの考え方、取り組み方であり、耕種的防除法の活用に重点をおきつつ農薬残留など環境も考慮し、病害虫や雑草の駆除よりも経済的被害を受けることのない密度(経済的被害許容水準以下)に制御(コントロール)することを目指す防除法をいいます。
IPMの概念図 防除要否及びタイミングの判断・発生予察情報の活用・ほ場状況の観察 等
病害虫・雑草の発生しにくい環境の整備・耕種的対策の実施・輪作体系の導入・抵抗性品種の導入・種子消毒の実施・土着天敵の活用・伝染源植物の除去・化学農薬による予防・フェロモン剤を活用した予防 等
病害虫等の発生状況が経済的被害を生ずると判断【観察・判断(意志決定手段)】
【予防(間接的的防除方法】 【実施(直接的防除方法)】
多用な手法による防除・生物的防除・物理的防除・化学的防除 等
Ⅰ 機械除草技術手取り除草風景
Ⅰ 機械除草技術(水稲)
株間対応乗用型除草機
中耕
Ⅱ 除草用動物利用技術
アイガモ農法
Ⅱ 除草用動物利用技術
コイ農法
Ⅱ 除草用動物利用技術
ジャンボタニシ( スクミリンゴガイ )
カブトエビ
その他
Ⅲ マルチ栽培技術
再生紙マルチ
Ⅲ マルチ栽培技術
Ⅲ マルチ栽培技術液体マルチ
Ⅲ マルチ栽培技術 野菜での利用
Ⅲ マルチ栽培技術 果樹での利用
Ⅲ マルチ栽培技術果樹での利用:草生栽培
ナギナタガヤ
6月
5月
Ⅳ 抵抗性品種活用技術
レタスビッグベイン病
左:従来の品種 右:長野28号
レタス根腐れ病
Ⅴ ケイ酸 利用技術
Ⅴ ケイ酸利用技術
Ⅴ ケイ酸利用技術
Ⅵ 被覆栽培技術
侵入遮断(被覆資材による侵入阻止)
Ⅵ 被覆栽培技術侵入阻止
( 害虫防除 )
ネットの目合い:天 0.98mm 、サイド0.6mmねらい: ①虫害対策 (アザミウマ類、オオタバコガ等ヤガ類 ②防風対策
平成 17 年:ネットハウスでのきく栽培(三木市吉川町)
被覆の種類
ハウスのサイド張りべた掛け
トンネル掛け
表 対象とする害虫と侵入阻止できる目合い
ネットの目合いによって防除できる害虫が異なるので注意が必要
害 虫 名 目 合 い大型害虫(ハスモンヨトウ、オオタバコガなど) 4 . 0 ~ 6 . 0mm小型害虫(コナガなど) 1.0~1.5
mmハモグリバエ類、アザミウマ類、 0.6~0.8
mmアブラムシ類、キスジノミハムシ、コナジナジラミ類 0.4 mm 以下
0.8×0.8
1.0×1.0
1.5×1.0
目合
い(
mm
)
0 20 40 60 80通過率(%)
マメハモグリバエ
0.8×0.8
1.0×1.0
1.5×1.0
(目
合い
mm
)
0 20 40 60 80通過率(%)
キスジノミハムシ 図 寒冷紗の目合い別の2種 害虫 の通過率
侵入経路の遮断
ダニ返し
アブラナ科(特に、ハクサイ、ダイコン)を加害
ダイコンサルハムシ
障壁の外に植えたハクサイ
( 病害防除 )
ベルキュウスイによる内張り紫外線カットフィルムによるホウレンソウ萎縮病防除
Ⅵ 被覆栽培技術(ポリビニールアルコールフィルム)
Ⅵ 被覆栽培技術標準
カットフィルム
カットフィルム+換気
処理
区
0 20 40 60 80 100被害果率(%)
灰色かび病菌核病
紫外線カットフィルムを用いたキュウリの病害防除効果
Ⅶ 光利用による防除技術
カーネーションハウス ( 東浦町 )
黄色蛍光灯による防除
黄色蛍光灯による防除キャベツ
軟弱野菜 オオバ
レタス栽培での設置
高圧ナトリウムランプによる防除
Ⅷ 生物農薬等利用技術
ハダニに対するチリカブリダニチリカブリダニ : 「スパイデックス」、「カブリダニPP」、「チリトップ」、ミヤコカブリダニ: 「スパイカル」
実際の使用状況
※ 1ボトルに2000匹/のカブリダニが入っている ( バーミュキュライトの中に )
ハダニの被害
散布の様子
「スパイデックス」
アブラムシに対するテントウムシ
ナミテントウ : 「ナミトップ」
アブラムシの天敵
アブラムシの天敵 アブラバチ類: 「アフィパール」、「アブラバチAC」など
ヤマトクサカゲロウ:「カゲタロウ」
ヒラタアブ「在来」
アブラムシの天敵
その他の天敵類
ククメリスカブリダニ:「ククメリス」
アオムシサムライコマユバチ「在来」
コナガサムライコマユバチ「在来」
その他の天敵類
オンシツツヤコバチ:「エンストリップ」等
コナジラミ類
アシナガバチ ヒメハナカメムシ
コモリグモ
その他の天敵類
糸状菌 (Beauveria) の感染により死亡したコナガ成虫
糸状菌 (Beauveria) の感染により死亡した コナガ蛹「ボタ
ニガードES」
微生物天敵
「バータレック」(Verticillium)によるアブラムシ感染死虫
「マイコタール」(Verticillium)によるコナジラミ感染死虫
「バイオリサ・カミキリ」(Beauveria)によるキボシカミキリ感染死虫
ウイルスによる死亡虫チャハマキ
ガンマキンウワバ
コナガナカジロシタバ
ハスモンヨトウ
核多角体ウイルス (NPV) :感染すると体色が淡色化し黄白色となり、その後黒化し、ドロドロに液化する。
顆粒病ウイルス (GV) :感染すると、やや水ぶくれ状態になり、幼虫体型を保ったまま死亡する。
拮抗(糸状)菌
病原菌抑制や植物生育促進などの有用機能をもつ根圏細菌
放線菌が多い。抗生、競争、寄生、捕食等の作用により他の微生物の生育を阻止する。蛍光性細菌( Pseudomo
nas )
無接種のキュウリ
ズッキーニ黄斑モザイクウイルスの弱毒ウイルス
弱毒ウイルスを接種したキュウリ
Ⅸ 対抗植物・おとり植物利用技術ダイコンとマリーゴールドの輪作
ダイコンの連作
土壌中に存在する栽培作物に有害なセンチュウ密度の低下 連作するとセンチュウ密度が増加し作物に障害が発生
対抗植物とは・・・
各種対抗植物マリーゴールド
クロタラリア
ソルガム
ギニアグラスによる サツマイモネコブセンチュウ低減技術
処理前 処理後
おとり植物の利用
ミナミキイロアザミウマ: ソルゴー下草で繁殖したヒメハナカメムシが捕食ニジュウヤホシテントウ: ソルゴー下草雑草のイヌホウズキに選好性強く、ナスに来ない
ソルゴーのナスでの利用状況
発生予察への利用Ⅹ フェロモン剤利用技術
交信撹乱法
コナガコンによる交信撹乱法
大量誘殺法
リトルア剤:ハスモンヨトウに登録有り
( 熱水土壌消毒 )ⅩⅠ 熱消毒技術
大屋町での実施状況
( 蒸気消毒 )ⅩⅠ 熱消毒技術
ビニール被覆による防除
• 表 マメハモグリバエ蛹の生存個体数• ─────────────────────────────────────• 温度 (℃) 反復数 10 分 30 分 1時間 2 3 4 6 2
4 • ─────────────────────────────────────• 40 3 27 25 26 26 14 - 16 • 42 2 16 18 19 15 14 9 11 • 44 3 27 25 25 19 23 0 0 • 46 2 13 4 3 0 0 0 0 • 48 3 0 0 0 0 0 0 0 • 50 3 19 0 0 0 0 0 0 0 • 52 2 6 0 0 0 0 0 0 0 • 54 2 0 0 0 0 0 0 0 0 • ──────────────────────────────────────
1反復当たり 10 個の蛹を供試。
粘着板等による誘殺
ⅩⅡ その他の技術
ⅩⅡ その他の技術
送風式捕虫機ラノーテープ
紫外線除去フィルム
化学農薬としてカウント
今日の話が・・・農薬の正しい使い方 に生かされれば、幸いです。
~ お わ り ~