jica マレーシアの動き(2013 º7月号)...jicaマレーシアの動き(2013 º7月号)...
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JICA マレーシアの動き(2013 年 7 月号)
【7月の主な予定】
▼障害者の社会参加支援サービスプロジェクト(フェーズ2)
7 月 6-8日には、労働局主催による企業向ジョブコーチ研修をクアラルンプ
ールで開催します。29-30日には、国内で指導者研修モジュールを作成する
メンバーのための、シニア指導者育成研修を予定しています。
【6月の主な活動】
▼田中明彦 JICA 理事長のマレーシア訪問(第 27 回アジア太平洋ラウンドテ
ーブル)
田中明彦 JICA 理事長が、6月 5 日、マレーシアを訪問し、クアラルンプー
ルで開催された第 27回アジア太平洋ラウンドテーブルに出席しました。この
ラウンドテーブルは、マレーシア戦略・国際問題研究所(ISIS)が中心とな
り、ASEAN 各国の国際関係の研究所が協力して 1987 年以来毎年開催されてお
り、世界各国のシンクタンク、学界、政官界、メディアなどの専門家が集ま
り、アジア地域の安全保障問題について率直な意見交換をするものです。
このラウンドテーブルで「日・アセアン関係の再活性化(Re-energizing
ASEAN-Japan Relationship)」と題して講演した田中理事長は、ASEAN 各国に
見られる傾向・課題として、生産性の伸び悩み、所得格差の拡大、高齢化、
急速な都市化、気候変動と大規模災害のリスク、感染症の問題を挙げ、「これ
らの問題は、日本も現在経験しているか、あるい
はかつて経験した問題であり、我々は日・ASEAN
関係を再活性化し、共にこれらの課題を克服して
いなければならない」と指摘。また、かつての
ASEAN の高度成長を現在のアフリカに投影、「イン
ド洋が『次の太平洋』になるとすれば、アフリカ
諸国も同様に多くの課題に直面することとなる。
東南アジア各国と協力してこれらの国への『南々
協力』を行っていきたい」と述べ、JICA として今
後も南南協力を強化していく方針を示しました。
▼ 税務人材能力向上プロジェクトの終了式
6/18
2003 年から 10年間続いた「税務人材能力向
上プロジェクト」が、本年 6月をもって終了
することになり、バンギのエクアトリルホテ
ルにて、マレーシア国税庁及びタックスアカ
デミー主催による終了式が開催されました。
式典には、在マレーシア日本大使館の中村大
使も出席しました。
今後、マレーシアは、税務行政の分野においては、日本から移転された技
術を活用し、アセアン諸国のみならず、他の途上国に対しても、技術支援国
として国際社会に貢献していくことが期待されます。
▼消防救援分野調査団の派遣7/1-7/5
マレーシア政府からJICAの支援を要
請されている「マレーシア消防救援局人
材育成プロジェクト」に関連し、消防分
野の現状と今後の協力の可能性を検討
することを目的に、7 月1 日から7 月5
日まで調査団がマレーシアを訪問し関
連調査を行いました。本調査には総務省
消防庁からの専門家も参加し、ペトロナ
スツインタワー、マレーシア防災救助
アカデミーワカフタパイ校(トレンガ
ヌ)、クアラクブバル校(セランゴー
ル)での緊急災害対応デモンストレー
ション等を視察し、関係者と協力ニー
ズ等について協議を行いました。今後、
今回の調査結果を踏まえ、協力の可能
性、内容等を精査して行く予定です。
▼技術協力プロジェクト、第三国研修に関する討議議事録署名式(コタキナ
バル)6/14
2013 年 6 月 14 日に、サバ州コタキナバ
ルにおいて、技術協力プロジェクト「サ
バ州を拠点とする生物多様性・生態系
保全のための持続可能な開発プロジェ
クト」及び第三国研修「統合的な生物
多様性・生態系保全」開始のための合
意文書署名式が実施されました。同署
名 式 に は 、 Tan Sri Sukarti Haji
Wakiman サバ州官房長、Charles Vairappan サバ大学熱帯生物研究所長、JICA
マレーシア事務所長等が出席し、署名式の様子は多くのメディアでも報道さ
れました。JICA は、これまでサバ州で技
術協力プロジェクト「ボルネオ生物多様
性・生態系保全プログラム」や、環境保全
分野の草の根技術協力等を実施していま
す。今後、これらのプロジェクトとも連携
し、サバ州での環境と調和した経済発展の
推進、及びこれまでの技術協力プロジェク
トの成果の国内外への発信・普及を図って
いく予定です。
▼障害者の社会参加支援サービスプロジェクト(フェーズ2)
5 月末から、フィリピン、日本、マレーシア各国のシニアトレイナーのメン
バーを中心に、障害平等研修の指導者養成研修用モジュールを作成するため、
ネット会議を通じた議論が重ねられています。また、6 月 16-19 日は、人的
資源省の技術開発局によって、女性・家族・社会開発省社会福祉局の職員向
けの障害者支援技術向上研修の一環として、ジョブコーチ養成研修が行われ
ました。ジョブコーチは国家認定の資格となる
予定です。
障害平等研修:DET (Disability Equality Trainings)
とは、障害とは何かを学び理解し、障害に対する差別、
不平等の問題に対してどのように行動すべきかを学
ぶ研修で、その講師には障害者のみがなることができ
ます。
▼マレーシア海上法令執行庁との技術協力プロジェクト討議議事録署名
6/19
JICA は 6 月 19 日にマレーシア海上法令執行庁(MMEA)副長官 Dato’Ahmad
Puzi Ab Kahar と、技術協力プロジェクト「海上保安実務能力及び教育訓練
制度向上プロジェクト」開始のための合意文書に署名しました。JICA では、
海上保安庁との協力の下、2005 年から MMEA に専門家を派遣し、海上保安業
務を行うために必要な運用体制や人材育成に関する技術支援を行っており、
現在派遣中の長崎克明専門家で 5 代目になります。新しいプロジェクトでは、
MMEA の実務能力をさらに強化すると共に、周辺国にも教育訓練プログラムを
提供していく予定です。
▼中国安全生産科学研究院職業危害研究所 職員、JICA 専門家のマレーシア
訪問 6/18-6/22
中国安全生産科学研究院職業危害
研究所の職員3名と、同所に派遣され
ているJICA樋口清高専門家が6月18日
から22日にマレーシアを訪れ、局所排
気装置の運用に関する教育訓練プロ
グラムや研究について調査をしまし
た。
JICAは、2000年から5年間に亘って、マレーシア国立安全衛生研究所(NIOSH)
において技術協力プロジェクトを実施し、局所排気装置の実験機材を供与し
ました。
今回の調査では、自動車メーカーProton、食品メーカーNestleを訪れ、局
所排気装置が具体的にどのように企業で使われているのかを視察しましした。
また、マレーシア国立安全衛生研究所やマレーシア人的資源省安全衛生局
(DOSH)を訪問し、局所排気装置のメンテナンスに関し、関連法案や規制等
について情報を収集しました。
▼第3国研修「カンボジア・ラオス向け開発計画及びプロジェクト管理」
(6/10-6/21)
JICAは、マレーシア外務省(MFA)及びマレーシア公務員研究所(INTAN)と
協力して、カンボジア・ラオスの経済開発を担う行政官の能力強化に焦点を
当てた研修コースを実施しました。2年目となる今年は、両国からそれぞれ15
名、計30名が参加しました。参加者は、開発計画やプロジェクト管理に関す
る講習を受けるとともに、民間のプロジェクト・サイトなどを訪問し、マレ
ーシアの国家開発計画や日本の政府開発援助について実践的に学びました。
▼エチオピア国産業政策対話:マレーシア輸出振興・投資促進スタディーツ
アー(6/23-7/5)
JICA は 2009 年にエチオピア国との産業政策対話を開始し、この協力の一環
として、エチオピア工業省副大臣をはじめとする関係閣僚および政策実務者
からなる 11 名のミッションがマレーシアを訪れました。ミッションはマレー
シア工業省(MITI)、マレーシア投資開発庁(MIDA)、マレーシア貿易開発公
社(MATRADE)などを訪問して輸出振興・投資促進に関する議論を行ったほか、
代表的な工業地域やフリーゾーンを視察しました。スタディーツアーの成果
は、7 月末にエチオピアで開催されるハイレベルフォーラムで発表される予
定です。
▼就職支援活動~高等技術トレーニングセンター(ADTEC)マラッカ校の自
動車学科 10 名が日野自動車マレーシア新工場に採用される
日野自動車マレーシア社は、来年 3 月にスレンバンで組立工場の操業開始
を予定しています。これに先立ち、同社の柴野郁雄社長が、人的資源省の自
動車技術訓練の拠点校である ADTEC マラッカ校を来校し、同校で就職支援活
動(CESS:Community & Employment Support Service)に従事している小野
沢純 JICAシニア・ボランテイア及び同校自動車学科長と、人材採用の可能性
について協議しました。あわせて、自動車学科生に対する会社説明会が開催
され、その後の戦功を経て 10名の自動車学科卒業生が同社に 6 月 10 日付で
採用されました。
採用された 10 名はプタリン・ジャヤで基礎研修を受けた後、日本の工場に派
遣され、実務研修を受ける予定です。彼らには新工場でラインリーダー一期
生になることが期待されています。ADTEC マラッカ校では、JICA の協力の下、
就職サポートサービスにより、より多くの ADTEC 人材を産業界に送り込みた
いと考えています。
写真右から;小野沢純 JICAシニア・ボランティア、
レズワン自動車学科長、アンワル副学科長、
ADTECマラッカ校の自動車学科実習場で
自動車学科生徒の朝の体操
自動車学科の実習風景
【ボランティアの帰国】
【新ボランティアの着任】
山本 潔(短期)
(短期、ペナン、光ファイバー通信技術)
左:土屋 桜美
(H25年度 1次隊、コタバル 体育)
右:篠原 舞
(H 25年度 1次隊 コタバル、作業療法士)
国際協力機構(JICA)マレーシア事務所
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発行責任者:JICAマレーシア事務所所長 佐藤 恭仁彦
編集責任者:JICAマレーシア事務所 三浦 佳子
左:大塚 亜紀
(H23年度 1次隊、コタバル、ソーシャルワーカー)
中:上田ボランティア調整員
右:三枝 未来
(H23年度 1次隊、クチン、ソーシャルワーカー)