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第三国研修:「初等理数科教育」、「労働安全衛生管理」 Layang Layang JICA マレーシア事務所ニュースレター 9 月号 (2016 ) 7-8月の出来事 日本とマレーシアが協力して行う第三国研 修として、アフリカ諸国向け「初等理数科 教育」とカンボジア・ラオス・ミャン マー・ベトナム(CLMV)向け「労働安全 衛生管理」の2コースを実施しました。8 月から約3週間の研修に参加した44名から は、実践的な研修内容に対する評価や視察 先で見たマレーシアの発展や技術水準の高 さに感嘆する声が聞かれました。 ボランティア総会で交流と情報交換 7/29にボランティア総会が開催され全派遣 ボランティア26名が集まりました。各分野 の代表者からの活動報告では、各ボランティ アとも成果、問題について自身の活動の参考 にすべく真剣に聞き入っていました。また、 前日の夜に開催された懇親会では、日頃顔を 合わせる機会が限られている各ボランティア が、日頃の活動の成功事例、困難事例を肴に 親交を深めました。 1 Serial No. 4 水中の宝石「微細藻類」で海と人を救うために 第1回合同 調整委員会 8月15日にプトラ大学にて新たな科学技術プロ ジェクト「微細藻類の大量培養技術の確立による 持続可能な熱帯水産資源生産システムの構築」が 本格的に始まり、関係機関が集まる初めての合同 会議が実施されました。 創価大学等が協力し、付加価値の高い「微細藻 類」の生産による収入向上により、現地の環境保 全と貧困の軽減の両立を目指します。 「微細藻類の大量培養技術の確立による持続可能な熱帯水産資源生産 システムの構築」 期間:2016/3-2021/3 マ側機関:UPM, UMT, UNISEL アフリカから参加した 教員養成学校や小学校の教 師は、ペナンの「東南アジ ア教育大臣機構理数科教育 センター(RECSAM)」 で研修を受けました。 ↑近隣国政府(CLMV)の検 査官等が、首都近郊のマレー シア 国立労働安全衛生研究所 で、建設と中小企業分野の労 働安全衛生の検査方法を講義 や実習を通じて学びました。

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Page 1: JICA 9 (2016 Layang...第三国研修:「初等理数科教育」、「労働安全衛生管理」 Layang Layang JICA マレーシア事務所ニュースレ ター9 月号(2016

第三国研修:「初等理数科教育」、「労働安全衛生管理」

Layang Layang J I C A マ レ ー シ ア 事 務所 ニュース レ タ ー 9 月 号 ( 2 0 1 6 年 )

7-8月の出来事

日本とマレーシアが協力して行う第三国研

修として、アフリカ諸国向け「初等理数科

教育」とカンボジア・ラオス・ミャン

マー・ベトナム(CLMV)向け「労働安全

衛生管理」の2コースを実施しました。8

月から約3週間の研修に参加した44名から

は、実践的な研修内容に対する評価や視察

先で見たマレーシアの発展や技術水準の高

さに感嘆する声が聞かれました。

ボランティア総会で交流と情報交換 7/29にボランティア総会が開催され全派遣

ボランティア26名が集まりました。各分野

の代表者からの活動報告では、各ボランティ

アとも成果、問題について自身の活動の参考

にすべく真剣に聞き入っていました。また、

前日の夜に開催された懇親会では、日頃顔を

合わせる機会が限られている各ボランティア

が、日頃の活動の成功事例、困難事例を肴に

親交を深めました。

1

Serial No. 4

水中の宝石「微細藻類」で海と人を救うために

第1回合同調整委員会

8月15日にプトラ大学にて新たな科学技術プロ

ジェクト「微細藻類の大量培養技術の確立による

持続可能な熱帯水産資源生産システムの構築」が

本格的に始まり、関係機関が集まる初めての合同

会議が実施されました。

創価大学等が協力し、付加価値の高い「微細藻

類」の生産による収入向上により、現地の環境保

全と貧困の軽減の両立を目指します。

「微細藻類の大量培養技術の確立による持続可能な熱帯水産資源生産 システムの構築」 期間:2016/3-2021/3 マ側機関:UPM, UMT, UNISEL

↓ アフリカから参加した教員養成学校や小学校の教師は、ペナンの「東南アジア教育大臣機構理数科教育センター(RECSAM)」で研修を受けました。

↑近隣国政府(CLMV)の検査官等が、首都近郊のマレーシア 国立労働安全衛生研究所で、建設と中小企業分野の労働安全衛生の検査方法を講義や実習を通じて学びました。

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みんなでいっしょにラジオ体操

JICAエッセイコンテストで上位に入賞し

た日本の中学生10名が、7月25~30日

の間、マレーシアへスタディーツアーに訪

れました。首都圏とケダ州でODAによる

事業やボランティアの活動現場を訪れ、マ

レーシアの人々と触れあいました。参加者

は、改めて自分の将来について考える機会

になったと感想を述べていました。

ボランティアの活動先を見学する様子

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中学生エッセイコンテスト受賞者スタディツアー

8月25日、ラジオ体操協会がマ

レーシアのNGOユナイテッド

ボイスでラジオ体操の紹介、指

導をしました。16名の知的障

害者と支援者が共に体操を楽し

みました。今後は活動中の青年

海外協力隊員が支援者と共に引

き継いで、毎朝体操を続けるこ

とになっています。

日本の防災経験から学び、マレーシアを災害に強い国へ

マレーシア日本国際工科院(MJIIT)に開設された

防災センターで、9月に「災害リスク管理」修士

コース(MDRM)が開講します。これに合わせ、

MJIITで、 8月2日、マレーシアでの防災や現状と

MDRMの紹介を目的としたセミナーが行われまし

た。MJIITのほか、日本側の主な協力機関である筑

波大学、マレーシアの市民防衛局やNGOなどによ

る講演が行われ、 100名以上の参加があり、防災

とMDRMに対する関心の高さがうかがえました。

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マレーシアの天気、災害予報サービス

マレーシアでは日本に比べると自然災害の少ない国です。しかし都市部での森林伐採後の雨によ

る地すべりやモンスーンによる洪水はしばしば起こり、去年の洪水被害に対する復興のためのコ

ストは20億リンギット(約500億円)に上りました。このため、政府は今後の経済的損失を防

ぐためにも今年、自然災害に対する予防策や洪水予測、警告システムを効果的に稼働させるため

に9.7億リンギット(約243億円)の予算を当てました。環境局は煙害(ヘイズ)にも対応でき

るよう、全国に51か所の自動空気測定ステーション、15か所の自動水位測定ステーション、そ

して1000か所以上に空気、水位観測地を設け、全国的なモニタリングを開始しました。このこ

とにより、天気予報のみでなく、災害予測が配信できるよう

になり、政府は洪水情報サービスなどをウェブサイト上で提

供しています。 http://infobanjir.water.gov.my/

この予測システムの精度を上げるために、日本

の科学技術振興機構とJICAがマレーシア政府

へ協力した、2011年から5年間のプロジェクト

が活かされています。今後は災害情報アプリが

より多くの人に利用されるべく、スマートフォン

でも閲覧できるようにしてく予定とのことです。

(JICAマレーシア事務所、Shariff Syariza)

トピックス

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※本ニュースレターはJICAマレーシアの活動を日本の皆様、在外の皆様に知っていただき、ご理解と更なる興味を持っていただこうという趣旨で作成しております。

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JICA Malaysia Office

都市部の地くずれの原因となる森林伐採

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