iotとaiが牽引するエンタープライズシステムの新展開
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IoTと AIが牽引するエンタープライズシステムの新展開
2015年 12月 3日TIS株式会社油谷実紀
自己紹介
油谷実紀 (ゆたにみき )TIS株式会社 戦略技術センター長、 AI技術推進室長
■システムインテグレータ企業■製造業の生産管理、 EDI、 CRMシステムなど サプライチェーン、バリューチェンに関わる システム構築を多数経験■現在は研究開発部門にて先進的な技術の 検証と導入を推進■関心のある領域: AI, IoT, SDI, ロボット
Twitter: @blackaplysiaFacebook: 油谷実紀
今日お伝えしたいこと
1. 【短中期の活用】IoTと AIの活用はまずなにからはじめればよいのか ?
2. 【中長期の活用】IoTと AIを活用することによる「サービスロボット」の将来
IoTと AIの活用はまずなにからはじめればよいのか ?
AIを活用したシステムAIとは ?
AIを活用したシステムAIとは ?
人工知能学会のサイトより
エンタープライズシステムで AIを活用するには、どのような「人間の知的な活動」をシステム化するかが重要
「 AIは,本当に知能のある機械である強い AIと,知能があるようにも見える機械,つまり,人間の知的な活動の一部と同じようなことをする弱い AIとがあります」https://www.ai-gakkai.or.jp/whatsai/AIresearch.html
AIを導入すべき 2つの領域「人間の知的な活動」のうち、人にできること、人にはできないことを AIが代替する
現時点で導入を検討すべき 2つの領域1. 分類・識別2. 対人コミュニケーション
AI活用①―分類・識別「人間の知的な活動」のうち、人にできること、人にはできないことを AIが代替する1. 分類・識別
データに基づく分類や推論(決定木やベイズ推定など )
画像や状況の分類・認識 (深層学習など )
熟練者の行動を模倣することによる洞察・気づき
ソーシャルネットワークを流れる情報からの評判分析・感情分析
顔認識の現在
Googleによる顔認識の最新の研究http://arxiv.org/pdf/1503.03832v3.pdf
照明や向きの影響排除 個人の写真コレクション
顔認識から感情認識へ
Microsoft Project Oxford (ベータ公開 )https://www.projectoxford.ai/ 人数 性別、年齢 感情
(怒り、侮り、うんざり、恐れ、幸せ、中立、悲しみ、驚き )
文章から著者のパーソナリティを推定
IBM Watson Personality Insightshttp://www.ibm.com/smarterplanet/us/en/ibmwatson/developercloud/personality-insights.htmlパーソナリティ: 5因子
欲求: 12因子 価値観: 5因子
Sample Text:Martin Luther King“I have a dream”スピーチ
ビッグデータの分類・識別ビッグデータ、とりわけ IoTデータがもつ、
Edge-Heavy Dataの特性に応じた処理分散 (distributed)&周縁 (marginal)
→非同期 (asynchronous)非構造化 (non-structured)&多次元化 (multi-dimensional)→関係代数 (relational algebra)の限界
連続 (continuously)&書き込みのみ (write-only)→リアルタイムストリーミング (real-time streaming)→収集・蓄積から (特徴の )抽出・破棄へ
ソーシャルメディアマーケティング
分類・識別を用いてソーシャルメディアを使ったマーケティング
お客様
営業担当
①書き 込み
⑤営業対応
ソーシャルメディア(自社/他社 )
②抽出分類器
④DM等
③分類・識別 (クラスタリング )
マーケティングツール
AI接客アプリAIベースの接客アプリを使えば、ソーシャルメディアマーケティングのリアルタイム化が可能となる
お客様
営業担当
①アンケート記入、 SNS検索、 顔、声認識 →性別、年齢、 パーソナリ ティ、嗜好等の 推定
④営業対応
接客アプリ
②レコメンド
③エスカ レーション
AI活用②―対人コミュニケーション「人間の知的な活動」のうち、人にできること、人にはできないことを AIが代替する2. 対人コミュニケーション
AIによる 24時間 365日簡易サポート→質問応答、自然言語検索
インバウンド観光客向けサービス→自動翻訳、言語同定
コミュニケーションロボット→対話、ジェスチャ
質問応答によるオペレーター支援
大手金融機関等のコールセンターにおける質問応答活用例
お客様 オペレーター
①質問
④回答
質問応答システム
②音声入力または テキスト入力
③回答候補 と証憑を提示
バーチャルオペレーターによる多言語対応
トランスコスモス様「ハイブリッド多言語コンタクトセンターサービス」のイメージ
お客様
オペレーター
①コンタクト
④有人対応
バーチャルオペレーター
②無人対応 (質問応答 )③エスカレーション
コミュニケーションロボットの活用
東急カード様による Pepperの活用http://www.topcard.co.jp/campaign/pepper/
①不特定多数向け呼び込み →サイネージ的活用
②分類・識別を用いた 個別接客 →特典提供、遊び感覚③販売員対応への誘導
一対多から一対一へ
IoTを活用したシステム IoTとは ?
IoTを活用したシステム IoTを活用したシステムとは、
1. ヒトやモノや社会が相互連携して営まれる現実世界の活動を、
2. 「データ」としてコンピュータの世界へ映し出し、
3. 様々な種類の「データ」を組み合わせて分析・学習し、
4. 得られた知見を現実世界へフィードバックすることで、
実世界の活動へ新たな価値を生み出すことを 目的とする
IoTを活用したシステムエンタープライズシステムで IoTを活用するには、どのような「データ」を使って継続的にどのような「価値」を創造するかが重要
IoTを活用したシステム IoTを活用したシステムとは、
1. ヒトやモノや社会が相互連携して営まれる現実世界の活動を、
2. 「データ」としてコンピュータの世界へ映し出し、
3. 様々な種類の「データ」を組み合わせて分析・学習し、
4. 得られた知見を現実世界へフィードバックすることで、
実世界の活動へ新たな価値を生み出すことを目的とする
IoTを活用したシステム IoTを活用したシステムとは、
1. ヒトやモノや社会が相互連携して営まれる現実世界の活動を、
2. 「データ」としてコンピュータの世界へ映し出し、
3. 様々な種類の「データ」を組み合わせて分析・学習し、
4. 得られた知見を現実世界へフィードバックすることで、
実世界の活動へ新たな価値を生み出すことを 目的とする
「データ」を収集する主要技術→IoT = Internet of Things(狭義 )
「価値」を創出する主要技術→ML = Machine Learning
IoTを活用したシステム IoTを活用したシステムとは、
1. ヒトやモノや社会が相互連携して営まれる現実世界の活動を、
2. 「データ」としてコンピュータの世界へ映し出し、
3. 様々な種類の「データ」を組み合わせて分析・学習し、
4. 得られた知見を現実世界へフィードバックすることで、
実世界の活動へ新たな価値を生み出すことを 目的とする
・「モノ」のみならず「コト」をデータ化 ex. 履歴、状態、イベント、プロセス
・大量の計算機リソースを用いて、 複雑な傾向、変化、相関をパターン検出
IoTの実用化には AIが欠かせない
IoTを導入すべき 2つの領域 IoTが創造する価値
1. スマートファクトリー2. 「モノ」事業のサービス化
IoT活用①―スマートファクトリー IoTが創造する価値
1. スマートファクトリー(cf. インダストリー 4.0)→サプライチェーン (SC)とバリューチェーン (VC)の密結合リアルタイムな工場間の生産調整より精緻な生販在計画最適化少量多品種からカスタマイズ品即納、柔軟な在庫ポイント配置
SCと VCの密結合
調達 部品製造 組立 梱包
IoT
リードタイム削減より柔軟な在庫ポイント配置
生産ライン自動化工場間生産調整
ニーズに対応したリアルタイム生販在計画
IoT活用②―「モノ」事業のサービス化 IoTが創造する価値
2. 「モノ」事業のサービス化=すべての業種業態には「モノ」 (財・ サービスやヒト・モノ・カネなどの リソース )、およびそれに付随する 「コト」がある「モノ」「コト」の分析をサービス化
過去の分析→報告現在の分析→計画未来の分析→予知
設備稼働分析
管理者
IoTデータハブ ex.
外気温、温度、電流
設備稼働分析システム
①蓄積
②加工・分析③モデル更新 (決定木など )
設備稼働分析
管理者
IoTデータハブ ex.
外気温、温度、電流
設備稼働分析システム
①蓄積
②AI(機械学習 )による予知・計画
設備稼働分析
管理者
IoTデータハブ ex.
外気温、温度、電流
設備稼働分析システム
①蓄積
②AI(機械学習 )による予知・計画
ライブ
カメラ
定点監視
IoTと AIを活用することによる「サービスロボット」の将来
ロボットの種類
サービスロボットとは ?
ロボットの種類
サービスロボットとは ?ロボットは用途別に大きく 3つの種類に分けることができる 産業用ロボットフィールドロボットサービスロボット
ロボットの種類 NEDOロボット白書 2014を参考に作成
http://www.nedo.go.jp/content/100567345.pdf産業用ロボット
フィールドロボット
サービスロボット
場所 ・工場設備 ・危険環境等 ・日常生活目的 ・生産効率
化・作業代行 ・生活支援
・癒し作業内容
・人の代替 ・人の代替 ・人の代替・人との共生
特徴 ・自律性・安全性
・高速・高精度
・ユビキタス性・ヒューマン・ マシン・イン タラクション
ロボットを構成する 3要素ロボットは、センサ系、知能系、駆動系の
3つの要素技術からなるシステム ロボット産業政策研究会報告書 (2009)より作図
http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/286890/www.meti.go.jp/press/20090325002/20090325002-3.pdf
ロボットテクノロジー
考える(知能系 )
感じる(センサ系 )
動く(駆動系 )
言語理解画像認識処理学習通信制御
音声認識画像認識自己位置環境認識
多軸/多関節制御安全制御アクチュエータ油圧/空気駆動マイクロモータ軽量・強靭材料電源
ロボットを構成する 3要素ロボットは、センサ系、知能系、駆動系の
3つの要素技術からなるシステム ロボット産業政策研究会報告書 (2009)より作図
http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/286890/www.meti.go.jp/press/20090325002/20090325002-3.pdf
ロボットテクノロジー
考える(知能系 )
感じる(センサ系 )
動く(駆動系 )
言語理解画像認識処理学習通信制御
音声認識画像認識自己位置環境認識
多軸/多関節制御安全制御アクチュエータ油圧/空気駆動マイクロモータ軽量・強靭材料電源
AIIoT
サービスロボットの将来
ロボットと人類が共生する社会のイメージ
手塚治虫「火の鳥 復活編」より引用
手塚治虫「ブラックジャック」第 1巻「 U-18は知っていた」より引用
IoT・ AIとロボットロボットは IoT・ AIと出会うことで、新たな武器を手に入れた1. 超知覚 (meta-perception)
クラウド上の IoT・ AIプラットフォームIoT AI
IoT・ AIとロボットロボットは IoT・ AIと出会うことで、新たな武器を手に入れた2. 協調行動 (cooperative robotics)
クラウド上の IoT・ AIプラットフォームIoT AI
情報共有
超知覚をもったロボットの自律移動
正確な地図のない人混みの中でも周囲の環境認識に基づいた自律移動を実現できる可能性
協調行動による見守りネットワーク
将来の高齢者の見守りは、多数のロボット―高齢者の自宅、遠隔地にいる家族の自宅、病院、公共機関、金融機関などに在籍―が協調して実施
遠隔地に住む家族
高齢者自宅見守りロボット
病院
自治体
銀行
郵便局
広域観光コンシェルジュ
ロボットがリアルタイムに情報交換を行い、
インバウンド観光客に適切な観光地を推薦ロボットはコミュニケーションデバイスという位置づけ
オープンデータやソーシャルネットワークとの組み合わせ
技術導入ロードマップ
2016~ 2020年 2021~ 2025年▲東京オリンピック
携帯回線 5G実用化 固定回線 IP化トイロボットによるコミュニケーション
業務用サービスロボット
業務用ロボットの普及・対話の精緻化・機能およびイン ターフェイスの 汎用化/標準化
観光用ロボット向けデータセット標準化
業務用コミュニケーションロボット
観光用ロボットネットワーク
まとめ
1. まずなにからはじめればよいのか ? 分類・識別 対人コミュニケーションスマートファクトリー 「モノ」事業のサービス化
2. 「サービスロボット」の将来 「超知覚」 「協調行動」 人類との共生へ
ご清聴ありがとうございました