【タッチパネル】台湾大手、タブレットpc需...

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2010 年 10 月号 633 号 10 月 1 日 【タッチパネル】台湾大手、タブレット PC 需要増で年末まで供給不足続くと 中国半導体産業協会 2010-9-28 台湾の大手タッチパネルメーカー、洋華(Young Fast)、介面(J Touch)、凌巨(Giant plus) は、7-9 月の出荷量が予想通り堅調に推移、スマートフォン向けタッチパネルの需要が 強いほか、タブレット型パソコン向けタッチパネルの出荷も急拡大しているため、今年 年末まではタッチパネルの供給不足が続くとの見通しを明らかにした。 洋華の今年 1-8 月の売上高は 108.8 億 NTD で、前年同期比 46%増、9 月は携帯電話パネ ルの需要ピーク期であることから、市場は、洋華の 9 月、10 月の売上高は 8 月を上回る と予測している。洋華は現在、主力の三星のほか、宏達(HTC)向けが売上高全体の 25% を占めるまでに拡大している。さらに、ノキア向け出荷も開始しており、来年はノキア 向け売上高が 10%以上を占める見通し。 また、洋華が新たに投入した中大型タブレット型パソコン用タッチパネルの10インチ及 び 7 インチ製品を今月から少量出荷を開始、売上高に対する貢献は小さいものの、タブ レット型パソコン市場の拡大に伴って、来年以降は売上高への貢献が期待できるとして いる。 そして、24億 NTD を投じる生産拡張については、現在の月産能力は 3 インチ換算で 1200 万枚だが、来年にはタブレット型パソコン向け中型静電容量式タッチパネルの月産能力 が 30 万枚、携帯電話向け小型静電容量式タッチパネルの月産能力が 400 万枚に達すると している。 一方、介面光電は、ガラスを薄膜に貼り付ける新構造の投射式静電容量式タッチパネル を三星のタブレット型パソコン向けに供給しており、出荷量も徐々に拡大しているとい う。年末商戦向け新機種投入に伴って、9 月には売上高が過去最高となる見通し。また、 10-12 月には、タブレット型パソコン向け中型タッチパネルの売上高は、売上高全体の 10%に達する見通し。来年には、静電容量式タッチパネルの売上高が過半を占めること になるとしている。 凌巨に関しては、月産能力 100 万枚の新生産能力が今年年末に稼働することから、来年 年央には総月産能力が 200 万枚に達する見通し。小型タッチパネルのほか、中型ガラス 静電容量式タッチパネル製品をノート型パソコンブランドメーカーと共同開発中で、来 年1-3月には出荷を開始できる見通し。凌巨の中小型携帯電話パネルの主力ユーザーは、 従来は中国内地の White-box メーカーだったが、徐々に韓国系ブランドメーカーへのシ フトを進めており、韓国系メーカーへの売上高比率が20-30%に達している。7-9月の連 結売上高は 35 億 NTD 前後、4-6 月比 5%以内の増加を見込んでいる。10-12 月は伝統的 に閑散期となるため、10-12 月の売上高は 7-9 月に比べ 25%減となる見通し。ただ、中 国内地の国慶節商戦の状況を次第では、10-12 月の売上高見通しが修正されるとしてい る。 1

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2010 年 10 月号

633 号 10 月 1日

【タッチパネル】台湾大手、タブレット PC 需要増で年末まで供給不足続くと

中国半導体産業協会 2010-9-28

台湾の大手タッチパネルメーカー、洋華(Young Fast)、介面(J Touch)、凌巨(Giant plus)

は、7-9 月の出荷量が予想通り堅調に推移、スマートフォン向けタッチパネルの需要が

強いほか、タブレット型パソコン向けタッチパネルの出荷も急拡大しているため、今年

年末まではタッチパネルの供給不足が続くとの見通しを明らかにした。

洋華の今年 1-8 月の売上高は 108.8 億 NTDで、前年同期比 46%増、9月は携帯電話パネ

ルの需要ピーク期であることから、市場は、洋華の 9月、10 月の売上高は 8月を上回る

と予測している。洋華は現在、主力の三星のほか、宏達(HTC)向けが売上高全体の 25%

を占めるまでに拡大している。さらに、ノキア向け出荷も開始しており、来年はノキア

向け売上高が 10%以上を占める見通し。

また、洋華が新たに投入した中大型タブレット型パソコン用タッチパネルの 10 インチ及

び 7インチ製品を今月から少量出荷を開始、売上高に対する貢献は小さいものの、タブ

レット型パソコン市場の拡大に伴って、来年以降は売上高への貢献が期待できるとして

いる。

そして、24 億 NTDを投じる生産拡張については、現在の月産能力は 3インチ換算で 1200

万枚だが、来年にはタブレット型パソコン向け中型静電容量式タッチパネルの月産能力

が 30 万枚、携帯電話向け小型静電容量式タッチパネルの月産能力が 400 万枚に達すると

している。

一方、介面光電は、ガラスを薄膜に貼り付ける新構造の投射式静電容量式タッチパネル

を三星のタブレット型パソコン向けに供給しており、出荷量も徐々に拡大しているとい

う。年末商戦向け新機種投入に伴って、9月には売上高が過去最高となる見通し。また、

10-12 月には、タブレット型パソコン向け中型タッチパネルの売上高は、売上高全体の

10%に達する見通し。来年には、静電容量式タッチパネルの売上高が過半を占めること

になるとしている。

凌巨に関しては、月産能力 100 万枚の新生産能力が今年年末に稼働することから、来年

年央には総月産能力が 200 万枚に達する見通し。小型タッチパネルのほか、中型ガラス

静電容量式タッチパネル製品をノート型パソコンブランドメーカーと共同開発中で、来

年 1-3 月には出荷を開始できる見通し。凌巨の中小型携帯電話パネルの主力ユーザーは、

従来は中国内地の White-box メーカーだったが、徐々に韓国系ブランドメーカーへのシ

フトを進めており、韓国系メーカーへの売上高比率が 20-30%に達している。7-9 月の連

結売上高は 35 億 NTD前後、4-6 月比 5%以内の増加を見込んでいる。10-12 月は伝統的

に閑散期となるため、10-12 月の売上高は 7-9 月に比べ 25%減となる見通し。ただ、中

国内地の国慶節商戦の状況を次第では、10-12 月の売上高見通しが修正されるとしてい

る。

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2010 年 10 月号

【パソコン】DELL/HP、中国西部での拠点建設加速 市場としても有望

2010-9-28 PCBTN

パソコンブランド大手の DELL は、コストダウン要請が高まっていることと合わせて、中

国西部市場を開拓する必要性も高まっていることから、新たなオペレーションセンター

を四川省成都に建設することを明らかにした。DELL は昨年、米国ノースカロライナ州の

工場を閉鎖し、メキシコ工場に生産能力を移転しているが、成都オペレーションセンタ

ー建設は厦門にあるオペレーションセンターの一部機能を移転するためのものと見られ

ている。

成都オペレーションセンターは、来年初めから営業を開始する予定で、従業員数は 3000

名に達するという。成都のオペレーションセンターは、生産活動のほか、販売活動、ア

フターサービスにも責任を負い、中国西部市場開拓のための拠点となる。

DELL は、厦門に中国全土をカバーするオペレーションセンターを持っていたが、中国西

部市場をカバーするには距離的に難しく、西部市場を開拓するには現地にオペレーショ

ンセンターを設置する必要があると判断した。一方、DELL の厦門オペレーションセンタ

ーは、生産販売機能に加え、国際サービスセンターの機能も併せ持っている。また、DELL

は、上海に米国設計センターに次ぐ規模の設計センターを開設している。

DELL の成都での製造販売拠点建設は、厦門の労働コストの上昇に起因している側面もあ

り、DELL 大中華区総裁の闵毅達氏は、成都の賃金は厦門に比べると半分程度であり、厦

門と成都の長短所を上手く相互補完していきたいとしている。

また、DELL が成都に新工場を設立する、もう 1つの理由として、中国西部のパソコン市

場が予想以上に急成長していることを挙げている。IT 市場調査機関 IDC によると、2014

年には、中国西部のパソコン市場の成長率は 21%に達する見通し。DELL 最大のライバル

である HP も、2008 年 12 月末に重慶にパソコン生産基地を建設する計画を明らかにして

いる。HP は、重慶西永微電園区に工場を建設中で、ODM パートナーである鴻海富士康

(Foxconn)、広達(Quanta)、英業達(Inventec)も進出している。来年の出荷量は 400

万台に達する見通し。

【パソコン】鴻海、アップル iPad 2 の 10 インチ ODM を独占 7 インチは未定

IT168 2010/9/28

アップルは、来年初めに従来サイズ 10 インチ、及びサイズを小型化した 7インチのカメ

ラ機能付き第2世代iPadを投入する計画で、従来サイズ10インチのiPad 2については、

主力 ODM パートナーである鴻海富士康(Foxconn)に単独発注することが決まった模様。

一方、7インチ iPad 2 の ODM パートナーについては、まだ模索中で確定していないとい

う。

10 インチ iPad 2 は、重さが第 1世代に比べ 10%減となっているほか、カメラ機能、Mini

USB 機能も搭載される見通しで、来年 4-6 月から本格販売される。

アップルは、iPad 2 の設計デザインを明らかにすることで、DELL の 5 インチタブレット

パソコン Streak、三星の 7 インチタブレットパソコン Galaxy Tab の販売開始の影響を

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2010 年 10 月号

最小限に抑えようとしている。

【パソコン】DELL、第 2世代タブレット機種 Streak の ODM を佳世達に発注

台湾経済日報 2010.09.28

パソコンブランド大手の DELL は、タブレット型パソコン Streak の第 2世代を発表する

とともに、第 2世代機種の ODM を第 1世代に続いて台湾の佳世達(Qisda)に発注したこ

とを明らかにした。

DELL は、タブレット型パソコン Streak を 6 月から欧州で販売を開始しており、8月には

北米でも販売を始めている。ただ、DELL の CEO、Michael Dell 氏は 9月 22 日時点では、

第 2世代機種の販売時期については、iPad 2 の発売時期が明らかになっていないことも

あって、明らかにしていない。

【携帯電話】宏達、3Q出荷量 700万台、4Qは 900-1000万台予想

DIGITIMES 28-9-2010

世界第 4位のスマートフォンブランドメーカーである宏達国際電子(HTC)は、今年 7-9

月のスマートフォン出荷台数が 700-800 万台、10-12 月については 900-1000 万台に達す

る見込みで、今年下半期のスマートフォン出荷量ランキングが、ノキア、RIM、アップル

に次ぐ世界第 4位を維持する見通しを明らかにした。

10-12 月の出荷量が大幅増となる点については、Android 及び Windows Phone 7 ベースの

機種を新規投入するためとしている。

一方、アップルの今年 10-12 月の出荷量は、アップル・ファンの iPhone 4 購入が 7-9

月で一巡、ピークアウトしたとの見方から減少に転じると見られている。

【有機EL】東莞市、宏威を核に4.5G有機EL生産ライン4本以上建設

南方日報 2010-9-28

中国華南のシリコンバレーといわれる広東省東莞市は、有機 EL パネルメーカーである宏

威(Anwell)を中核に有機 EL 産業パークを建設する計画を明らかにした。

東莞市は、有機 EL 生産技術、IC 設計、生産設備、材料開発で中国最高水準、世界水準

を実現していることから、2.5 世代 AM 有機 EL 生産ライン 2本、4.5 世代以上 AM 有機 EL

生産ライン 4本以上を建設するとともに、高水準の AM 有機 EL 用 IC 設計企業 5社、測定

試験企業 10 社、応用メーカー200 社を育成する。

【太陽電池】格林保爾、4.95 億元投じ太陽電池セル 2期建設を開始

2010-9-28 武進網

中国地場の太陽電池メーカー、江蘇格林保爾光伏有限公司は 9 月

27 日、年産 200 メガワットの太陽電池セル及び年産 100 メガワッ

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2010 年 10 月号

ト太陽電池モジュールの建設を正式に開始した。

格林保爾は 2008 年設立の太陽電池メーカーで、1 期は 3.95 億元を投じて建設、今年の

売上高 15 億元を見込んでいる。

今回建設を開始した 2期は 4200 万米ドルの設備 86 台を導入、来年 8月に稼働予定。完

成すれば、年間売上高は 30 億元増、従業員も新たに 1600 人増員することになるという。

江蘇格林保爾:kelvingppv.diytrade.com/

【太陽電池】賽維 LDK、15 年までに年産能力 5GW拡張 総計 7GW に

DIGITIMES 28-9-2010

中国最大の太陽電池用シリコンウエハメーカーである、江西賽維 LDK は、2015 年までに

年産能力を 5ギガワット拡張し、総年産能力を 7ギガワットとする計画で、拡張のため

の用地を既に江西省政府から取得したことが明らかになった。

同業大手の保利協鑫(GCL Poly)も、年産能力を 2ギガワット以上に拡張することを明

らかにしている。

【PCB】PCB 産業、新興市場/スマートフォン/タブレット型パソコンがけん引役

2010-9-28 中国 PCB 産業協会

プリント配線基板(PCB)メーカーの売上高は、例年であれば、10-12 月には減少傾向とな

るが、今年は新興国の電子機器需要が急成長していること、スマートフォン、タブレッ

ト型パソコンの販売好調などにより、一部のPCBメーカーの今年10-12月の売上高は7-9

月比横ばい若しくは1けたの増加を見込んでいる。

川上の銅箔張り積層板(CCL)については、全体的には、銅価格が 8 月に 5-10%上昇し

たことから、9月の生産コストは小幅ながら上昇している。

ただ、個別には、台光電子(EMC)は、主要ユーザーがスマートフォンメーカーであるこ

とから、今年 7-9 月のスマートフォンの販売台数が 10-15%増となったこと、また韓国

系スマートフォンメーカーからの受注を獲得したことから、収益率が 4-6 月に 30-40%

を回復している。

一方、ノートパソコンメーカーを主要ユーザーとしている聯茂(ITEQ)は、ノートパソ

コンメーカーの在庫が 4-6 月に積み上がったことから、7-9 月は受注が弱含みとなって

いる。9月下旬からは回復しており、10 月には出荷量が 9月を上回る見通し。主要ユー

ザーがノートパソコンメーカー及び液晶パネルメーカーである台耀(TUC)も、聯茂同様、

10 月の受注は小幅ながら回復しているという。

スマートフォン用PCBについては、HDI基板の需要が高まっており、欣興電子(Unimicron)、

耀華(Unitech)、健鼎(Tripod)等のスマートフォン基板メーカーの 4-6 月の設備利用

率は 100%で推移しており、生産能力の拡張も計画している。

また、スマートフォン用フレキシブル基板メーカーも、iPhone 及び iPad の販売好調を

受けて、受注の拡大が続いている。台郡(Flexxium)が現在出荷しているタッチパネル

用フレキシブル基板は、主にタブレット型パソコン向けだが、近くスマートフォンメー

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2010 年 10 月号

カーからの認証も取得できる見通しで、早ければ今年 10-12 月にスマートフォンメーカ

ーへの初出荷が実現できるとしている。嘉聯益(Careea)も、タッチパネル用フレキシ

ブル基板をスマートフォン向けに出荷しており、台郡、嘉聯益ともに 7-9 月の売上高の

4-6 月比 10-15%増を見込んでいる。

液晶パネル用基板については、液晶パネルメーカーが 7-9 月に減産に転じたことから、

低調となっているが、友達がLED液晶パネルの出荷比率を4-6月の15%から7-9月は30%

に引き上げたことから、放熱用アルミ基板の需要は拡大しており、志超(TPT)、台光電

子(EMC)が少量出荷を開始している。

【銅箔】金居、銅箔の需給逼迫今後 2年間は続くと 来月 5%の値上げ

DIGITIMES 28-9-2010

台湾の大手銅箔メーカーである金居開発銅箔(Co-Tech)総裁の Tony Ke 氏は、日本の主

要銅箔メーカーが依然生産拡張に慎重な姿勢を取っていること、台湾最大の銅箔メーカ

ーである長春(Chang Chun)も生産拡張計画を明らかにしていないことから、2011 年、

2012 年も銅箔需給が逼迫するとの見通しを示した。

金居開発銅箔は、今年年初に月産能力を 1500 トン拡張、来年も生産拡張を行う計画だが、

その規模は月産 100-200 トンにとどまるとしている。また、銅価格が上昇していること

から、今年 10 月から製品価格を 5%引き上げることを明らかにしている。

634 号 10 月 4日

【液晶パネル】彩虹、中国初の液晶ガラス基板生産ラインを張家港で稼動

2010-9-30 中国半導体産業協会

中国国内最大のブラウン管メーカーである彩虹集団(Caihong)は、昨年 9月から江蘇省

張家港市に建設していた中国国内初の液晶用ガラス基板生産ラインを9月29日に正式に

稼働させた。

第 1期の総投資額は 18 億元、最終的には第 5世代液晶用ガラス基板生産ライン 3本を建

設し、中国国内をリードする液晶用ガラス基板生産基地とする計画。また、中国国内で

液晶テレビ市場が急成長していることから、第 2期として 8.5 世代液晶用ガラス基板生

産ラインの建設も検討している。

ガラス基板は、液晶パネルの生産コストの 15%を占めることから、中国国内の液晶パネ

ル関連メーカーは、海外のコーニング、旭硝子、日本電気ガラス、アヴァンストレート

(AvanStrate)4 社に支配されている現状を打破するため、国内メーカーの液晶用ガラ

ス基板の生産事業を後押ししている。

【LED】三安光電、LED照明事業参入 来年末までに設備107台導入

2010-9-30 中国半導体産業協会

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2010 年 10 月号

中国国内最大の LED チップメーカーである、厦門三安光電(Sanan optoelectronics)総

経理の林科闖氏は、年内に LED 照明製品の開発費用として 1000 万元を投下すること、今

年の LED 照明製品の売上高が 2000 万元余りに達する見通しを明らかにした。

三安光電は先日開催された深圳の展示会で、バックライト用、室内外照明用 LED チップ

計 6 種類を出展、LED 照明製品の開発に注力していることをアピールしており、厦門、

天津、安徽省蕪湖市に生産拠点を展開していることから、LED 照明製品の短納期にも対

応できる強みがあるとしている。

ただ、LED チップの供給が需要に追いつかないことから、来年末までに新たに 107 台の

MOCVD 設備を導入し、MOCVD 保有台数を 150 台に拡張する計画で、今年 10 月から据付を

開始、来年年央には 107 台全ての据付を完了することを明らかにしている。

業界関係者によると、三安光電が MOCVD 設備の保有台数を 150 台まで拡張すれば、LED

チップの生産能力は、台湾最大の LED チップメーカーである晶元光電(Epistar)に次ぐ

世界第 5位になる。

三安光電は、フィリップス、オスラム等の海外の大手照明メーカーが、いずれも LED の

垂直統合を進めていることから、将来的に海外大手メーカーと対等に競争していくには、

垂直統合は不可避の戦略だとしている。

また、三安光電が、LED 照明製品事業に参入するに至った、もう 1 つの大きな要因とし

て、中国国内外の LED バックライト市場での安定した地位を確保できたことを挙げてい

る。

三安光電の今年上期の業績は、売上高が3.65億元で前年同期比69.18%増、純利益は2.02

億元で同257.19%増、うちLEDチップの売上高が2.45億元で同38.34%増となっている。

また、同期の粗利率は 41.75%で昨年同期比 8.64 ポイント上昇している。

【LED】康佳、近く 2億元投じて LED 企業にマイノリティ資本参加すると

2010-09-30 中国 LED 網

中国地場の大手液晶テレビメーカーである康佳(Konka)は、LED 事業参入の一環で、近

く 2億元を投じて LED 企業にマイノリティ資本参加を行うことを明らかにした。

康佳集団副総裁、マルチメディア事業部総裁の穆剛氏は、今後 10 年の見通しに言及して、

中国のカラーテレビ産業にとって黄金の 10 年となるだろう、中でも LED カラーテレビは

その黄金の 10 年の扉を開くゴールデン・キーだとコメントしている。LED カラーテレビ

市場は、価格の下落に伴って、カラーテレビ市場全体の 25%近くを占めるまでに成長し

ている。

【LED】勤上光電、安徽省池州市にLED照明工場建設 総投資8億元

2010-09-28 中国 LED 網

中国地場の大手 LED 照明メーカー、広東省東莞市の勤上光電は

9月 25 日、安徽省池州市に LED 照明生産基地を建設することで

同市と正式に契約を調印したことを発表した。

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2010 年 10 月号

勤上光電は、池州市の経済技術開発区に 8億元を投じて、大容量の LED 照明を生産する。

3期に分けて建設、2015 年までに年産能力 60 万ユニットに拡張、年間売上高 25 億元を

見込んでいる。

【LED】東莞中之光電、松山湖ハイテクパークに2億元投じ本社工場建設

南方網 2010/9/30

中国地場の LED 照明メーカーである東莞市の中之光電(ブランド名:宝貝光電)は、東

莞市の松山湖ハイテクパークに 2億元を投じて本社工場、開発センターの建設を開始し

た。完成すれば、年間生産高は 3億元に達する見込み。

中之光電は、日本の三洋、パナソニック、ソニー等の海外大手メーカーのほか、国内の

TCL、康佳(Konka)、創維(Skyworth)にも LED 照明製品を供給している。

中之光電:www.sino-win-led.net/

【太陽電池】航天機電、連雲港に年産 500MW の太陽電池工場を建設

2010-9-30 中国半導体産業協会

中国政府系の大手宇宙航空、機械電気メーカーである航天機電(CAMEC)は、100%子会

社の連雲港神舟新能源有限公司が連雲港市贛榆県経済開発区に年産 500 メガワットの太

陽電池モジュール生産ラインを建設することを明らかにした。総投資額は 3.2 億元で、

来年下期までに年産 500 メガワットの生産能力を建設する計画。

航天機電は今年 8月に連雲港市赣榆県政府との間で、同県に 14 億元を投じて太陽電池産

業基地を建設することで契約を締結しており、年産 1000 メガワットの太陽電池モジュー

ル工場、年産 500 メガワットの太陽電池セル工場、10 メガワットの太陽光発電所を建設

する計画。全ての事業が完成すれば、江蘇省北部最大の太陽電池産業基地となり、年間

生産高は 100 億元、年間発電量は 1000 万キロワット時に達する見込み。

航天機電董事長の姜文正氏は、来年から始まる第 12 次 5 ヵ年計画で、新エネルギー事業

への投資を大幅に拡大する、2015 年までに新エネルギー事業の総資産 100 億元、総売上

高 200 億元、そのうち太陽電池事業の売上高 140 億元を目標とする計画を明らかにして

いる。

航天機電の今年上期の業績は、売上高が 11.1 億元で前年同期比 247.56%増、そのうち

太陽電池事業の売上高は 6.0 億元で同 1018.39%増となっている。航天機電は、上海航

天工業総公司傘下の上場企業、上海航天工業総公司が 50.42%の株式を保有している。

【PCB】大手 PCB メーカー中国工場、大型連休効果で休日返上で生産

2010-9-30 中国 PCB 産業協会

プリント配線基板の需要が 7月以降に弱含む中、中国の国慶節大型連休に伴う中国国内

需要の拡大により、耀華(Unitech)、台表科(TSMT)等の中国内地工場が休日返上で生

産を続けていることが明らかになった。今年の中国内地の中秋節休暇は 5日連続、国慶

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2010 年 10 月号

節休暇は 10 月 1 日から 7日連続となっていることから、両休暇の間にある 6日間に自主

休暇を取れば、史上最長の連休を満喫できるとあって、例年以上に消費が拡大している。

プリント配線基板(PCB)メーカーは、昨年後半から需要が急回復してきたものの、今年

下期に入ってからは、欧米の景気減速に伴って液晶パネル及びパソコン向け需要が停滞、

好調が続いているスマートフォン向けのみに依存する状況になっている。

液晶パネル、ノートパソコン、メモリ用 PCB、スマートフォン用 HDI 基板全てを主力事

業としている健鼎(Tripod)は、液晶パネル、ノートパソコンの受注は確かに低調にな

っている、一方、スマートフォン用 HDI の需要は非常に旺盛で生産が需要に追いつかず、

国慶節も 2日しか休暇を取らず、生産を続けていることを明らかにした。

一方、世界第 2位のノートパソコン用 PCB メーカーである金像電子(Gold Circuit)は、

ノートパソコン用 PCB の需要は報道されている通り非常に低調、国慶節も国務院規定通

り 1週間の休暇を取る予定だという。また、液晶パネル用 PCB 実装の台表科も、これま

での需要の伸びは期待できないことは事実、ただ需要が減少局面に入っているわけでは

ないので、国慶節休暇は 2日のみでフル稼働が続いていることを明らかにしている。

他方、アップル、宏達(HTC)、RIM からの受注が急増している耀華(Unitech)は、受注

が急増しており、フル稼働が続いている、中国上海の子会社、展華電子は国慶節休暇を

2日のみとして生産に当たっている、売上高は 11 月まで拡大基調が続くとしている。ま

た、フレキシブル銅箔張り積層板(FCCL)メーカーである新揚科技(Thinflex)は、中

国内地の White-box 携帯電話市場が政府の規制強化で低迷しているものの、年末商戦向

け受注が堅調に推移している、国慶節休暇は返上で生産を続けることを明らかにしてい

る。ただ、台湾最大の FCCL メーカーである台虹(Taiflex)は、中国政府が発表してい

る中秋節、国慶節連休期間中の残業手当規定が、中秋節は祝日当日、国慶節は連休の前

半 3日間の残業について通常の 3倍を支給するとしていることから、残業コストを勘案

して国慶節は国務院規定通り 1週間の休暇を取ることを決めたという。

【銅箔】金居、国際銅価格上昇を受けて10月に銅箔価格5%引き上げ

台湾経済日報 2010-9-29

台湾第 2位の金居開発銅箔(Co-Tech)総経理の葛明輝氏は 9月 27 日、今年年末まで需

給が逼迫しフル稼働が続くことから、国際銅価格の上昇を製品価格に転嫁、来月から出

荷価格を少なくとも 5%引き上げることを明らかにした。

金居開発銅箔の今年 9 月の出荷量は 1300 トンで 8 月並みを確保、10 月は生産能力いっ

ぱいの 1500 トンを出荷、11 月、12 月も 1500 トンを確保できる見通しだという。

近年、日本メーカーを中核とする世界の主要銅箔メーカーが生産拡張を減速させている

ことから価格が安定推移しており、葛明輝氏は今後 1-2 年は銅箔の需給逼迫が続き、価

格は緩やかな上昇基調が続くと予測している。

金居開発銅箔の主力製品はリジッド基板用銅箔だが、利幅が大きいフレキシブル基板用

圧延銅箔を主力とする日本メーカーが昨今の円高で出荷を減らしていることから、今後、

フレキシブル基板用銅箔事業にも参入する計画も示している。

葛明輝氏は、中秋節、国慶節におけるユーザーの休暇日数が予想以上に少ないことから、

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2010 年 10 月号

川下の需要が回復していることがうかがえる、10-12 月の売上高は 7-9 月を上回り、今

年 4-6 月に達成した過去最高に近い水準に達する見通しを示した。同氏はまた、国際銅

価格が 1トン当たり 7945 米ドルまで上昇していることについて、ドル安によるところが

大きく、マーケットの投機的な資金が金属商品に流入している、10-12 月の相場につい

ても投機筋の動き次第で不透明としている。

【半導体】中科院/ 圳仕佳、深 に年産 400 万個の光スプリッタチップ工場

訊石光通訊諮詢網 2010-9-29

中国科学院半導体研究所、深圳仕佳通訊科技有限公司は、共同出資による年産 400 万ユ

ニットの光スプリッタチップ事業を正式に着工したことを明らかにした。

中科院半導体研究所は、半導体の材料・部品研究及び応用製品の生産を行っている中国

を代表する半導体総合研究所。一方、深圳仕佳通訊科技有限公司は、中国国内で最も早

くに室内用光ケーブルの開発生産を行った企業で、その製品の品質及び性能は中国国内

でもトップクラスとされている。今回の光スプリッタチップ事業は、この両社が共同で

深圳鶴壁電子工業園に 6.5 億元を投じて行うというもので、第 1期の投資額は 3億元、

第 2期の投資額は 3.5 億元としている。完成すれば、年産能力は光スプリッタチップ 400

万ユニットに達する。

光スプリッタは、光ファイバを各家庭の光デバイスに接続する核心部品で、デジタル化、

ネットワーク化、ブロードバンド化、小型化、メンテナンス簡便化に不可欠の部品とな

っている。中国政府が現在進めている FTTC(Fiber To The Cabinet)、FTTB(Fiber To The

Building)、FTTH(Fiber To The House)、FTTD(Fiber To The Desk)、通信、放送、イン

ターネットの 3ネットワーク融合(いわゆる三網融合)にも不可欠の材料で、中国国内

市場だけでも巨大市場が形成されている。光スプリッタチップは海外でも少数のメーカ

ーしか生産していないことから、今回の事業が完成すれば、中国初の国産化が実現する

ことになる。

【半導体】IDM、実装事業撤退/金高騰で外注拡大 日月光が恩恵享受

2010-9-30 中国半導体産業協会

世界最大の半導体実装検査企業である日月光(ASE)は、9月以降の IDM メーカーの外注

拡大の恩恵を受けて、今年 7-9 月の売上高が市場予想を上回る 4-6 月比 7-8%増となる

見通しを明らかにした。日月光は今年 7-9 月の連結売上高が 4-6 月比 7-8%増の 498 億

NTD、粗利率及び営業利益率は 4-6 月並み、純利益は 50 億 NTD 以上としている。

同社によると、インフィニオン、ST マイクロ、テキサスインストルメント等の大手 IDM

メーカーが銅導線実装の外注比率を拡大していることから、世界最大の銅導線実装生産

能力を持つ日月光が最大の恩恵を受けているという。IDM メーカーは 10 月以降も外注を

拡大する計画であることから、日月光の今年 10-12 月の売上高は 7-9 月を上回るとして

いる。

日月光は、下期に入ってから受注が伸び悩み、特にパソコン関連チップの受注が低調と

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2010 年 10 月号

なったことから、7-9 月の売上高が当初は 4-6 月比横ばいを予想していたが、アップル

iPad によるタブレット型パソコンブームがパソコン関連チップの低調を相殺してくれ

ており、7-9 月の売上高を上方修正した。

IDM メーカーが半導体実装検査の外注を拡大している背景には、リーマンショック以降

の自社保有の実装検査工場の閉鎖があり、特に 9月以降に工場閉鎖の影響が表面化して

きたと見られている。また、IDM メーカーの外注拡大は、欧米メーカー、日系メーカー

の区別なく見られるという。

また、設備メーカーが明らかにしたところによると、昨今の金価格の高騰も IDM メーカ

ーの外注拡大の要因になっており、各社ともに割高となった金銅線実装を減らし、銅導

線実装を拡大しているという。特に日月光の上海張江、山東威海などの工場の受注が急

回復しているという。

635 号 10 月 8日

【液晶 TV】中国地場液晶 TV メーカー、国慶節前に約 4割の値下げ実施

DIGITIMES 1-10-2010

中国地場の液晶テレビメーカーは、国慶節前に中国地場ブランドメーカーが低価格製品

から LED、3D 製品に及ぶほぼ全ての製品ラインで 4割前後の大幅な値下げを行ったこと

が明らかになった。この大幅値下げにより、国慶節連休期間中の液晶 TV 販売台数が中秋

節連休比 3倍の 550 万台に達する見通し。

業界関係者によると、中秋節連休期間中の液晶テレビ販売台数は、海外ブランドメーカ

ーが全体の 60-70%を占め、地場ブランドメーカーの劣勢が伝えられたことから、地場

ブランドメーカーは国慶節連休での挽回を図るため、高価格の LED 製品や 3D 製品を含む

ほぼ全ての製品ラインの 4割前後の大幅な値下げに踏み切ったという。一部の中国地場

ブランドメーカーでは、50 インチ 3D 製品でも 30%の値下げを行い、価格は 1万元(1500

米ドル)以下になっているという。32 インチ LED 製品でも、地場ブランド製品では 3 千

元以下、海外ブランドでも 4千元以下まで下落しており、今年通年の中国国内の LED テ

レビの販売台数は 1千万台を突破する可能性も出てきた。

【液晶パネル】友達、9月売上高が 8月比 4%減 4Q については楽観視

台湾経済日報 2010.10.06

世界第 4 位の液晶パネルメーカー、友達光電(AUO)は 5 日、今年 9 月の連結売上高が

419.86 億 NTD で 8 月比 3.6%減となったものの、ユーザーの在庫調整がほぼ終了しつつ

あることから、10-12 月については 7-9 月を上回る売上高が期待できるとの見通しを明

らかにした。

友達の 9 月の大型パネルの出荷量は、ユーザーの在庫調整の影響で 8 月比 4%減の 951

万枚、一方、中小型パネルの 9 月の出荷量は 2014 万枚で 8 月比 11%増となった。7-9

月累計の大型パネル出荷量についても 2867 万枚で 4-6 月比 3.2%減となった。

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2010 年 10 月号

10 月以降の受注については、大手の友達、奇美(CIC)ともに、中国内地のカラーテレ

ビメーカーの在庫調整が一段落したことから、7-9 月を上回る見通しを示している。両

社ともに市況は底を打って回復に向かっている、10-12 月は中国の国慶節商戦、年末商

戦がけん引役となって業績は右肩上がりになると予測している。

中長期の液晶パネルの需給バランスについては、中国内地の高世代液晶パネル生産ライ

ンが 2012 年から本格的に稼働し始めることから、2012 年下半期には供給が需給を上回

る可能性があり、市況が軟化すると見られている。

【タッチパネル】宸鴻、生産能力を 2-3 倍に拡張 センサの安定調達も確保

台湾経済日報 2010.10.04

静電容量式タッチパネル大手の宸鴻光電(TPK)は、アップル iPad ブームで中型静電容

量式タッチパネルの需要が急増していることから、今年下半期に生産能力を現在比 2-3

倍に拡張することを明らかにした。また、タッチパネル用センサの安定調達のため、液

晶パネル大手・友達光電(AUO)傘下のタッチパネル用センサメーカーである達虹(Cando)、

及び液晶パネル大手・彩晶(Hannstar)傘下のタッチパネル用センサメーカーである和

鑫(Sintek)の全てのタッチパネル用センサ生産能力を確保したことも明らかにした。

来年は三星、DELL、HP、RIM、宏碁(ACER)等が世界で 50 種類以上のタブレット型パソ

コンを市場に投入する計画であることから、静電容量式タッチパネルの需要が急増して

おり、業界関係者は、タッチパネルの需給逼迫は来年末まで続くと予想している。

宸鴻光電は、iPad 及び iPhone 用タッチパネルの最大のサプライヤで、iPad 用タッチパ

ネルの今年上半期の月間出荷量は 100 万台に達しているが、下半期には月産能力を

200-300 万台に拡張する計画。

宸鴻光電の売上高全体に占めるアップル向けは現在 6割以上に達しており、世界最大の

ガラス基板ベース静電容量式タッチパネルメーカーとなっている。一方、アップル向け

タッチパネル供給量が第 2位となっている勝華科技(Wintek)も、中国広東省の東莞工

場の生産能力を拡張しており、9 月から新生産能力が相次いで稼働させ、アップル向け

供給量第 1位を狙っている。

奇美電子(CIC)傘下のタッチパネルメーカーも先日アップルにサンプルを送付し受注獲

得を狙っているほか、華映(CPT)も iPad、iPhone が採用している広視野角 IPS パネル

でアップルからの受注を獲得したいとしている。

【タッチパネル】勝華、来年生産能力を 3倍に拡張 投資規模 10億米ドル

台湾経済日報 2010.10.05

世界最大の中小型タッチパネルメーカーである勝華(Wintek)は、今年 9月の売上高が

前月比 25%増の 77 億 NTD に達し、過去最高となったことを発表した。市場予想を大幅

に上回る好業績となった。受注が生産能力を大幅に上回る状況が続いていることから、

来年 10 億米ドル規模の設備投資を行い、生産能力を今年比 3倍に拡張する計画で、宸鴻

光電(TPK)を抜いてアップル向けタッチパネル供給量首位を狙う。

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2010 年 10 月号

勝華科技は、今年 9月からタッチパネルの前工程生産能力も稼働させ、タッチパネル事

業への転換をほぼ完了、9月の月間売上高が 77 億 NTD の過去最高を記録した。アップル

からの受注拡大が期待できることから、今年 10-12 月には月間売上高が 100 億 NTD に達

する可能性もあるとしている。

【LED】晶元、7千万米ドル投じ CEC と合弁で厦門に LED 企業を設立

台湾経済日報 2010.10.05

世界第 4位、台湾最大の LED チップメーカーである晶元光電(Epistar)は 10 月 4 日、7

千万米ドルを投じて、中国政府系の中国国内最大の IT 企業グループである中国電子信息

産業集団(CEC)と合弁で中国福建省廈門市に LED チップを生産する企業を設立すること

を明らかにした。中国電子信息産業集団傘下のモニタ、テレビ、照明メーカー向け LED

チップを生産する計画。

晶元光電は先日、日本の豊田合成とライセンス交換契約を締結し特許権問題が解決した

ことから、中国電子信息産業集団と合弁で LED チップの生産を行う合弁企業を設立する

ことを発表した。

合弁企業の出資比率は、晶元光電が 40-45%、中国電子信息産業集団が 40-45%、残り

10%を LED 実装大手の億光(Everlight)、モニタ大手の冠捷(TPV)との合弁である億冠

晶が出資する。第 1期には 30 台の MOCVD 設備を導入、第 2期ではさらに 30 台を導入し

て 60 台での生産体制を構築する計画。

中国電子信息産業集団は、傘下に京東方(BOE)、南京熊貓(Xiongmao)、長城電脳(Great

Wall)、冠捷科技(TPV)等の 50 社の企業を有し、そのうち 14 社が上場している中国最

大の IT 企業グループで、事業領域は、集積回路、受動部品、ソフトウェア、パソコン、

携帯電話など多岐にわたる。2008 年の連結売上高は 685 億元に達している。また、HP、

インテル、フィリップス、マイクロソフト、IBM 等とも提携関係を構築している。

【LED】晶元、CECとの合弁設立で来年の売上高前年比5割増見込む

台湾経済日報 2010.10.05

世界第 4位、台湾最大の LED チップメーカーである晶元光電(Epistar)は、日本の豊田

合成とライセンス交換契約を締結し特許権問題が解決されたのに続いて、中国政府系の

大型 IT グループである中国電子信息産業集団(CEC)との合弁で LED チップ生産企業を

設立、中国国内で急速に拡大する LED 液晶テレビ向け LED 市場に本格的に参入すること

を明らかにした。

CEC は傘下に冠捷(TPV)、長城(Great Wall)、京東方(BOE)、熊貓(Xiongmao)等の大

型電子機器メーカーを有することから、晶元光電は今後、中国国内での LED チップ出荷

を大幅に伸ばすことが可能となると見られており、晶元光電の来年の連結売上高は前年

比 5 割増の 300 億 NTD に達すると見られている。中でも、CEC 傘下の冠捷科技は、今年

のモニタ出荷台数は 7000 万台に上り、世界最大の液晶モニタ OEM メーカーである。

当初、市場では晶元光電が冠捷科技と合弁で LED チップ工場を設立すると見ていたが、

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2010 年 10 月号

冠捷科技 1社ではスケールメリットが小さいため、親会社の CEC と合弁することとなっ

た模様。CEC との合弁を設立することで、CEC 傘下の長城(Great Wall)、京東方(BOE)、

熊貓(Xiongmao)への供給も行うことになる。

【LED】晶元、液晶パネル在庫調整一段落で LED 受注が回復していると

台湾経済日報 2010.10.04

世界第 4位の LED チップメーカーである晶元光電(Epistar)は、液晶パネルの在庫調整

が一段落したこと、また LED 液晶テレビの新機種が来年に向けて相次いで市場に投入さ

れることから、今年 11 月の受注が回復してきたことを明らかにした。晶元光電董事長の

李秉傑氏は、来年の LED 液晶テレビの世界需要は今年比 2倍の 6000 万台に達する、LED

の需要は今後も堅調に推移するとの見方を示した。

LED チップメーカー各社の今年 9 月の売上高は、液晶テレビメーカーの在庫水準が急上

昇したことから、新世紀光電(新世紀)を除ければ、何れも低調となっていた。

【LED】東貝、パネルメーカー在庫調整の影響で9月売上高8月比大幅減

DIGITIMES 6-10-2010

大手 LED チップ実装メーカーである東貝光電(Unity Opto)は、液晶パネルメーカーの

在庫調整の影響を受けて、9月の売上高が 8月比 22.2%の大幅減となったことを明らか

にした。一方、急成長している LED チップメーカーの新世紀光電(Genesis)は、9月の

売上高が 8月比 4%増となったことを明らかにした。

東貝の 9 月の売上高は 1675 万米ドルで 8 月比 22.2%減となった。東貝は 9 月の売上高

が前月比大幅減となったことについて、液晶パネルメーカーが CCFL バックライト液晶パ

ネルの在庫処理に追われたためと説明している。ただ、10 月については、年末商戦に向

けての LED バックライトの新機種投入ラッシュにより受注が回復しているとしている。

また、中長期についても、LED バックライト機種の普及率が上昇してくることから、LED

ライトの需要は堅調に拡大していくとの見方は変わらないとしている。

【太陽電池】海潤光伏、合肥に年産 1200MW太陽電池生産基地建設

2010-9-30 索比太陽

中国江蘇省の太陽電池メーカー、海潤光伏科技股份有限公司は 9月 28 日、安徽省合肥市

政府と年産 1200 メガワットの太陽電池生産基地を建設することで正式に契約を調印し

た。

第 1 期の投資額は 25 億元、計 40 本の生産ラインを建設する計画で、今月着工、来年 6

月稼働予定で、稼働後の年間売上高は 120 億元に達する見通し。雇用面でも 7000 人の採

用を計画している。海潤光伏:www.hareonsolar.com/

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2010 年 10 月号

【太陽電池】中国の来年の太陽電池生産、世界生産シェア 50%を超える

DIGITIMES 6-10-2010

中国内地の太陽電池生産規模は、今年の設備投資が年産規模にして 10 ギガワットに相当

することから、世界生産シェアが 50%を超えるとの見通し。

また、台湾の太陽電池メーカーも設備投資を積極的に行っていることから、台湾メーカ

ーの太陽電池年産能力は今年年末には 5ギガワットに達し、昨年末の 2ギガワットに対

して 2.5 倍になる見通し。台湾の 2 大太陽電池メーカーである昱晶(Gintech)、茂迪

(Motech)は、昨今の急激な生産能力の拡張は、しっかりした受注の裏づけがあるわけ

ではないため、今後供給過剰となる可能性があると指摘している。

【液晶パネル】大型液晶パネル価格 10月 6日 vs 9 月 5日

韓国 DisplayBank

【液晶パネル】大型液晶パネル価格推移 10月 5日 vs 9 月 20 日

台湾 WitsView

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2010 年 10 月号

636 号 10 月 11 日

【パソコン】宏碁、Netbook 市場は消滅しないと 来年は 4千万台規模に

台湾経済日報 2010.10.07

世界第 2位のノートパソコンメーカーである宏碁(ACER)は、タブレットパソコンが一

大ブームとなる中、販売が低調となっている Netbook 全 機種を Goolge

Android/Microsoft Windows デュアルブート対応にアップデートすることで、今年の

Netbook 世界出荷量 1000 万台、世界市場シェア 3割を狙うことを明らかにした。

タブレットパソコンが急速に台頭する中、小型ノートパソコンである Netbook 市場が消

滅するとの観測に対しては、宏碁台湾地区総経理の林顕郎氏は、Netbook は消滅するど

ころか、Gartner によると、今年は昨年比 8.97%増の 3558 万台に達する見通し、また来

年の世界の Netbook 市場規模は 4000 万台、2014 年には 5000 万台を突破する見通しであ

ることを示した。また、タブレットパソコン市場については、2-3 年前の Netbook 同様、

現在は爆発的成長期にあるが、数年後には Netbook 同様、安定成長期に移行するとの見

方を示した。

宏碁が先日発表したデュアルブート対応機種 Netbook Aspire One Happy は、インテルの

最新 Dual Core プロセッサ N550 を搭載することで、処理能力は従来機種に比べ 50%以

上向上、またデザインをドイツの高級自動車メーカーである BMW の設計チームに委託す

ることで斬新かつ高級感をあるものにしている。

【パソコン】Netbook/タブレット出荷量、iPad 除けば 2Qは 1Q比 14%減

2010-10-7 網易科技

市場調査機関 Display Search の最新報告によると、今年 4-6 月の Netbook/タブレット

パソコンの出荷量は 1-3 月比 4%減となり、同期の 330 万台のアップル iPad の出荷を除

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2010 年 10 月号

けば、4-6 月の Netbook/タブレットパソコン出荷量は 1-3 月比 14%の 2桁減となったこ

とを明らかにした。Netbook 市場が iPad 等のタブレット PC 市場により侵食されためと

指摘している。

【液晶パネル】凌巨、White-box 市場縮小で 9月売上高前年比 18%減

DIGITIMES 7-10-2010

中小型液晶パネルメーカーである凌巨(Giantplus)は、中国内地の White-box 携帯電話

向け中小型液晶パネル需要が落ち込んでいることから、今年 9月の連結売上高が前月比

10%減、前年同月比 18%減の 11.38 億 NTD(3666 万米ドル)となったことを発表した。な

お、1-9 月の累計連結売上高については、前年同期比 6%増の 97.92 億 NTD を確保してい

る。今年 10-12 月の売上高見通しについても、7-9 月に比べ微減になる見通しを示して

いる。

一方、中国内地のタッチパネルモジュール工場の月産能力は今年 11-12 月には 100 万台

に拡張する計画で、今年年末までに韓国ブランドメーカー向け携帯電話用小型タッチパ

ネルの出荷も開始することを明らかにしている。

【携帯電話】宏達、スマートフォン出荷大幅増で 3Q純利益が前年比 2倍

DIGITIMES 7-10-2010

世界第 4位のスマートフォンメーカー、宏達国際電子(HTC)は、今年 7-9 月の純利益が

前年同期比ほぼ 2倍の 111 億 NTD(3 億 6000 万米ドル)に達し、過去最高となったことを

明らかにした。7-9 月の連結売上高も 758.5 億 NTD に達し、同社計画 700 億 NTD を大幅

に上回り、4-6 月比 24.4%増、前年同期比では 124%増の大幅な増収となった。1-9 月の

累計の連結売上高も 1747.6 億 NTD に達し、前年同期比 69%増を達成した。

市場は、宏達の今年 10-12 月のスマートフォン出荷台数が 7-9 月比 2 割前後増えて

820-870 万台に達することから、同期の連結売上高が 7-9 月比 20-25%増になると予測し

ている。

【デジカメ】佳能/華晶、堅調な需要背景に 9月売上高が前月比増確保

DIGITIMES 7-10-2010

世界の 2大デジタルカメラ ODM メーカーである佳能(Ability)及び華晶(Altek)は、

今年 7-9 月の売上高が 4-6 月の売上高を上回る見通しで、10-12 月についても需要旺盛

が続いていることから 7-9 月を上回る見通しを明らかにした。

佳能の 9 月の売上高は 57 億 NTD(1 億 8476 万米ドル)で前月比 35.74%増、前年同月比

14.88%増、1-9 月の累計売上高は 389 億 NTD で前年同期灯 62.83%増と好調を持続して

いる。また、華晶の 9月の売上高は 41.2 億 NTD で前月比 54.21%増、前年同月比 10.08%

増、1-9 月の累計売上高は 218.3 億 NTD で前年同期比 47.23%増と同様の好調な業績とな

っている。また、業界第 3 位の亜洲光学(Asia Optical)の 9 月の連結売上高も 23.3

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2010 年 10 月号

億 NTD で前月比 3.55%増、7-9 月の売上高は 70.3 億 NTD で 4-6 月比 11%増となってい

る。

【バックライト】瑞儀、9月のノート PC 用 BLU の LED 比率がほぼ 100%に

DIGITIMES 7-10-2010

ノート PC 用バックライトユニット(BLU)大手の瑞儀光電(Radiant Opto Electronics)は、

今年9月の連結売上高が42.5億 NTD(1億 3686万米ドル)で前年同月比23.93%増となっ

たこと、7-9 月の連結売上高が 126.07 億 NTD で 4-6 月比 3%増だったことを明らかにし

た。

9 月の製品ライン別出荷量は、ノートパソコン用 BLU の出荷量が 466 万ユニットで売上

高全体の 50%を占め、そのうち大型 LED BLU の出荷量は 242 万ユニット、Netbook 用 LED

BLU が 223 万ユニット、CCFL BLU の出荷量は 1 万ユニットまで減少した。モニタ用 BLU

の出荷量は221万ユニットで前月比10%減、液晶テレビ用BLUの出荷量は前月比12.69%

増の71万ユニットだった。1-9月の製品ライン別出荷量は、ノートパソコン用BLUが1343

万ユニット、モニタ用 BLU が 793 万ユニット、液晶テレビ用 BLU が 192 万ユニットだっ

た。

【LED】協鑫光電、塩城市に30億元投じLED用サファイア基板工場建設

2010-10-8 中国半導体産業協会

中国最大の太陽電池用シリコン材料メーカーである協鑫集団

(GCL-Poly)傘下の LED 事業会社、協鑫光電は、江蘇省塩城市(右

地図)の阜寧県人民政府と共同で LED 用サファイア基板生産工場

の建設を開始したことを明らかにした。総投資額は 30 億元で、第

1 期の投資額は 10 億元、500 台のサファイア単結晶成長炉を導入

し、年間 2000 万枚の 2-4 インチ LED 用単結晶サファイア基板を生

産する計画。完成すれば、年間売上高は 100 億元に達する見通しで、中国国内最大の LED

用サファイア単結晶基板生産基地となる。

【太陽電池】昱晶、9月売上高前年比2倍 ただ需要に減速傾向あると

DIGITIMES 7-10-2010

台湾第 2位の太陽電池メーカーである昱晶(Gintech Energy)は、今年 9月の売上高が

27.08 億 NTD(8724 万米ドル)で前月比 4.6%増、前年同月比 107.82%増となったことを

明らかにした。1-9 月の累計売上高も 175.66 億 NTD で前年同期比 106.82%増となった。

一方、足もと需要に減速傾向が見られることから、今年 12 月に出荷価格を 5-10%引き

下げることも明らかにした。

同社の今年上期の出荷量は 372 メガワット、今年通年の出荷量は 800 メガワットに達す

る見通し。また来年の出荷量については、1.2 ギガワットの出荷を計画しているという。

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2010 年 10 月号

価格の引き下げについては、業界関係者は、台湾最大の太陽電池メーカーである茂迪

(Motech)、同第 3位の新日光(Neo Solar Power)は追随しないだろうとしている。

【PCB】瀚宇博徳、ノート PC市場回復で9月売上高20億 NTD台回復

2010-10-7 台湾経済日報

ノートパソコン市場に回復の兆しがあり、世界シェア 4割を有するノートパソコン用プ

リント基板メーカー、瀚宇博徳(Hannstar Board)は、連結売上高が 2ヶ月連続で前月

を上回り、9月の連結売上高が 20 億 NTD 台を回復したことを明らかにした。同業第 2位

の金像電子(Gold Circuit)も同様の売上高の回復が見られるとしている。

瀚宇博徳は、インテルがパソコンの販売低調を理由に 7-9 月の業績を下方修正したこと、

仁宝(Compal)や広達(Qunata)といった大手ノートパソコン ODM メーカーも 7-9 月の

出荷量を下方修正したことから、7-9 月の売上高について創立以来初めて 4-6 月を下回

るという見通しを示していたが、実際の状況は当初予想したほど悪くなく、安心感が広

がっているという。

瀚宇博徳の 9 月の連結売上高は昨年 9 月に比べると 1.9%減となったものの、20.59 億

NTD に達し、8月比 7.98%増、過去 1年では最高水準となった。1-9 月の累計連結売上高

は166.59億 NTDで前年同期比19.15%増、うち7-9月の連結売上高は57.58億 NTDで 4-6

月比2.32%増となっており、当初予想の4-6月比横ばい若しくは5%減を上回っている。

瀚宇博徳は当初、今年 9 月のノートパソコン用 PCB の出荷量が 750 万枚、1-9 月の出荷

量は 6550 万枚にとどまるとしていたが、1-9 月の出荷量実績は既に 6700 万枚近くまで

達しているという。また、金像電子の 9 月の出荷量も 8 月に比べ 5%増となっていると

いう。金像電子は、従来型の PCB のほか、アップル関連製品向け PCB の出荷も伸びてい

るとしている。

瀚宇博徳は、川下のノートパソコン ODM メーカーの出荷見通しに明るさが戻っているこ

とから、ノートパソコン用 PCB の受注も回復傾向にある、10 月の連結売上高も 9月を上

回るとしている。また、マイクロソフト Xbox 360 の 250GB ゲーム機向け PCB の出荷を開

始したことも売上高増加に寄与するとしている。ゲーム機向け PCB 生産については、中

国江蘇省江陰の新工場が稼働したことから、今後出荷を大幅に拡大していく計画で、10

月の連結売上高が、97 年 9 月に達成した単月売上高過去最高 21.15 億 NTD を更新する可

能性もあるとしている。

【放熱】奇鋐科技、ユーザーからの短納期要請受け中国での投資を拡大

DIGITIMES 7-10-2010

ノートパソコン用放熱モジュール大手の奇鋐科技(Asia Vital Components:AVC)は、12

億 NTD(3890 万米ドル)の資金調達を行い、一部を銀行からの借り入れの返済に当てると

ともに、中国現地ユーザーからの短納期要請に応えるため、中国現地に工場を建設する

計画を明らかにした。奇鋐科技:www.avc.com.tw/

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2010 年 10 月号

【半導体】世界の半導体売上高、8月は前年比 33%増の 257 億米ドル

2010-10-7 PCBTN

米国半導体産業協会(Semiconductor Industry Association)は、今年 8月の世界の半導

体売上高が昨年同期比 33%増の 257 億米ドルに達したことを発表した。そのうち、米国

の 8月の売上高は前月比 2%増、1-8 月の売上高は前年同期比 44%増の 1946 億米ドルに

達した。また日本の 8月の売上高は前年同月比 4.1%増、前月比 20%増、日本を除くア

ジア・オセアニア地区の 8月の売上高は世界の 50%以上を占めるとともに、前年同期比

1.4%増、前月比 33%増だったことも明らかにした。

米国半導体産業協会総裁の Brian Toohey 氏は、欧州及び米国の経済が減速しているもの

の、新興市場のパソコン及びワイヤレス機器に対する需要は旺盛で、特に中国及びイン

ドの半導体市場は世界の半導体市場の牽引役となっていると指摘、今年通年の世界の半

導体売上高については、従来予測の前年同期比 28%増の 2905 億米ドルを修正する予定

はないことを明らかにした。

637 号 10 月 13 日

【パソコン】緯創、仁宝に続いて中国成都で Dell 向け工場建設を計画

DIGITIMES 8-10-2010

パソコンブランド大手の Dell の ODM パートナーである緯創(Wistron)は、Dell が主力

ODM パートナーである仁宝(Compal)及び CPU 放熱部品メーカーである奇鋐科技(AVC)

とともに中国内陸部の成都市にオペレーション・センターを建設することを明らかにし

たことを受けて、今月 22 日の董事会で成都で Dell 向け工場を建設することを承認する

方針であることが明らかになった。

緯創の中国成都での Dell 向け工場建設については、仁宝が成都市政府と工場建設で正式

に契約を調印した席上に、緯創の董事長、奇鋐科技役員が同席していたことから憶測が

出ていた。

【パソコン】宏碁、方正 PC事業合併で中国でのノート/卓上 PC出荷急増

DIGITIMES 8-10-2010

パソコンブランド大手の宏碁(ACER)の今年 9月の中国内地市場でのノートパソコン及

びデスクトップパソコンの出荷量が前年同月比 40-50%増となった模様。

宏碁の今年 4-6 月の中国内地パソコン市場でのシェアは 7%で業界第 5 位となっている

が、中国地場大手のパソコンメーカー、方正(Founder)のパソコン事業を吸収合併した

ことによる、今年 10-12 月の売上高の上乗せ効果は 55-60 億 NTD(1.78-1.94 億米ドル)、

来年の売上高における上乗せ効果は 775 億 NTD に達すると見られている。

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2010 年 10 月号

【パソコン】広達/仁宝、9月ノート PC 出荷予想超え 500万台/460万台

DIGITIMES 11-10-2010

世界の 3 大ノートパソコン ODM メーカーである広達(Quanta)、仁宝(Compal)、緯創

(Wistron)は、今年 9月のノート PC の出荷量がそれぞれ 500 万台、460 万台、260 万台

に達し、同月の売上高がいずれも過去最高水準に達することを明らかにした。

また、10 月のノート PC 出荷量については、広達及び緯創は 9月を下回るとしているが、

仁宝は 9月並みを維持できるとしている。

【EMS】鴻海、9月売上高が前月比18%、前年比69%増で予想上回る

DIGITIMES 8-10-2010

世界最大の EMS メーカーである鴻海(Foxconn)は、今年 9月の連結売上高が前月比 18%

増、前年同月比68.62%増の2534.8億 NTD(82.5億米ドル)となったことを明らかにした。

ゲーム機、デジタルカメラ、パソコンの売上高が伸びたほか、携帯電話の売上高も堅調

に推移したとしている。

また、鴻海の 7-9 月の単体売上高は 6464.7 億 NTD で 4-6 月比 19.8%増、1-9 月の売上高

は 1兆 9500 億 NTD で前年同期比 62.97%増だった。

【液晶パネル】青雅科技、合肥市に22億元投じ液晶パネル生産ライン建設

2010/10/12 合肥日報

中国地場の液晶パネルメーカーである東莞青雅科技有限公司は、中国安徽省合肥経済技

術開発区にモニタ用液晶パネル生産工場を建設することで同開発区と正式に契約を締結

した。

総投資額は 22 億元、月産能力 2.9 万枚の 2.5 世代液晶パネル生産ライン、及び月産能力

2.8 万枚の 3.5 世代液晶パネル生産ラインを建設する。今年 12 月着工、来年年末に稼働

予定。完成後の各種中小型液晶パネル年産能力は 6000 万枚、年間売上高 5億元を見込ん

でいる。

【液晶パネル】彩虹、中国初の6G液晶ガラス基板生産ラインを合肥で稼働

安徽商報 2010/10/12

中国地場最大の液晶ガラス基板メーカーである彩虹集団(Caihong)は 10 月 11 日、中国

内地初となる安徽省合肥の第 6世代ガラス基板生産ラインを正式に稼働させた。

彩虹集団副総経理の郭盟権氏は、合肥の第 6世代液晶ガラス生産ラインは、総投資額 100

億元に上る巨大プロジェクトの第 1期の一環で行われており、第 1期の投資額は 37 億元

に上る。第 1 期では、6 本のガラス基板生産ラインを建設、うち 4 本は第 6 世代生産ラ

インを建設する計画。完成後の各種ガラス基板年産能力は 238 万枚に達する。

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2010 年 10 月号

【液晶パネル】中国国内の液晶 TV在庫圧力、国慶節商戦好調で緩和

2010-10-9 中国半導体産業協会

中国内地の国慶節大型連休での大幅値引きによる販売促進が奏功して、中国内地の液晶

テレビの在庫圧力が大幅に緩和、在庫調整が一段落したと見られており、今後、中国内

地の液晶テレビブランドメーカーが液晶パネルの調達量を従来水準に戻す見通しで、中

国内地の液晶テレビメーカーの主要調達先である友達(AUO)、奇美(Chimei)が最も大

きな恩恵を受けると見られている。

国慶節商戦の販売実績は、中国商務省、及び大手量販店チェーンの蘇寧電器の速報によ

ると、非常に良好で、中国商務省の発表では、10 月 1-3 日の中国全土の小売企業 1000

社の売上高合計金額は 140 億元で前年同期比 15%増、ほぼ全ての製品群で売上高が前年

を上回った。中でも、ハイビジョン液晶テレビ及び 3G スマートフォンの販売が好調とさ

れている。また、蘇寧電器の速報によると、北京店の連休前半 3日間の売上高が前年比

25.8%増、天津店の連休前半 3日間のテレビの売上高は前年比 2倍になっている。中で

も、Full-HDの42型の販売が最も好調で液晶テレビ販売全体の60%を占めているという。

また、液晶テレビ製品に占める LED 比率も 65%に達しているという。

【液晶パネル】台湾パネルメーカーの 9月売上高、奇美を除き前月下回る

網易科技 2010/10/9

台湾の大手液晶パネルメーカーの 9月の売上高は、液晶テレビの在庫水準上昇を背景に、

奇美電子が前月をわずかに上回る売上高を達成したのを除けば、いずれも前月を下回る

結果となった。

奇美電子の 9 月の売上高は 456 億 NTD(約 98.6 億人民元)で前月比 0.1%増、7-9 月の

連結売上高は 1370 億 NTDで 4-6 月比 5.2%減、友達光電の 9 月の連結売上高は 419.86

億 NTD で 8 月比 3.6%減、前年同期比 2.5%増、中華映管の 9 月の連結売上高は 58.89

億 NTDで 8月比 11.4%減、前年同期比 8.7%減、瀚宇彩晶の 9月の売上高は 39.5 億 NTD

で 8月比 3.9%減、前年同期比 26.9%減となった。

9月の売上高が唯一前月を上回った奇美電子の9月の大型パネルの連結出荷量は1050万

枚で 8月比 6.8%増、中小型パネルの連結出荷量は 3770 万枚で 8月比 6%増だったが、

7-9 月については、大型パネルの連結出荷量は 3100 万枚で 4-6 月比 9.7%減、中小型パ

ネルの連結出荷量は 1億 600 万枚で 4-6 月比 4%減だった。

【携帯電話】宏達、来年スマートフォン出荷量今年比 2倍の 4千万台予想

台湾経済日報 8-10-2010

市場関係者の調査によると、世界代 4位のスマートフォンメーカーである宏達国際電子

(HTC)の来年のスマートフォン出荷台数は、今年の 2千万台(見込み)に比べ 2倍の 4

千万台に達する見通し。

宏達国際電子の今年 1-9 月の世界出荷量は 1600 万台に達し、既に 2009 年の 1100 万台を

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2010 年 10 月号

大幅に上回っている。今年 10-12 月の出荷量見通しについては、今月 29 日の投資家向け

説明会で発表される予定だが、通年の出荷量は 2千万台を超える見通し。

【太陽電池】浙江向日葵、20 億元投じ太陽電池シリコンウエハ工場建設

2010-10-9 中国半導体産業協会

中国浙江省紹興市の太陽電池メーカー、浙江向日葵光能(Sunowe)は、中国紹興市に 20

億元を投じて年産能力 1.6億枚の 8インチ太陽電池用シリコンウエハ生産工場を建設す

ることを発表。完成すれば、年間売上高は 35.8億元に達する見込み。

浙江向日葵光能の今年 1-9 月の純利益は 1.45-1.55億元で前年同期比 132-149%増とな

っている。

【太陽電池】航天機電、連雲港に年産500MWソーラーモジュール工場建設

財経網 2010-10-8

中国国有の大型宇宙航空産業メーカーである航天機電は、100%子会社である連雲港神舟

新能源有限公司が連雲港市に年産 500 メガワットの太陽電池モジュール生産ラインを建

設することを正式に承認したことを明らかにした。総投資額は 3.2 億元。来年下半期に

は年産能力は 500 メガワットに達する見通し。

航天機電は今年8月に連雲港市贛榆県政府に14億元を投じて太陽電池産業基地を建設す

ることで同市と正式に契約を締結、年産 1000 メガワットの太陽電池モジュール、年産

500 メガワットの太陽電池セル、年間 10 メガワットの太陽光発電所を建設する計画を進

めている。今回の連雲港神舟新能源の投資もその一環。

【LED】璨圓光電、季節要因で 9月売上高が前月比 20%の大幅減

DIGITIMES 8-10-2010

台湾第 2位の LED チップメーカーである璨圓光電(Formosa Epitaxy)は、季節要因によ

り中小型LEDバックライトの需要が縮小したことから、今年9月の売上高が4億NTD(1300

米ドル)で前月比 20%の大幅減となったことを明らかにした。ただ、前年同月比では

65.7%増、今年 1-9 月の累計売上高も 35.3 億 NTD で前年同期比 160%増、7-9 月の売上

高は 14.4 億 NTD で 4-6 月比 5.7%増となっているとしている。

市場関係者は、璨圓光電の月間売上高は 10 月、11 月、12 月と 3ヶ月連続で前月を下回

ると予測しており、来年 1月以降に再び回復サイクルに戻るとしている。璨圓光電も、

10 月以降の受注見通しが悪化している、ただ今年年末には液晶テレビメーカーが LED バ

ックライトの発注を増やすだろうとしている。

【電池】中国兵器工業、西安にリチウム電池正極材料生産ライン完成稼働

中国国防科技信息網 2010-10-8

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2010 年 10 月号

中国国有の大型軍需産業メーカーである中国兵器工業集団は、中国西安市の西安兵器産

業園に昨年 9月から建設していた西安物華新能源科技有限公司のリチウムイオン電池正

極材料生産ラインを完成、試験生産を開始したことを明らかにした。

【半導体】半導体ファウンドリ産業の稼働率、来年 2Qには 90%まで低下

2010-10-9 中国半導体産業協会

半導体市場調査機関によると、半導体ファブレスメーカーの販売量は半導体販売総量の

28%を占めるまでに拡大しており、半導体ファウンドリ産業が堅調に成長していること

が明らかになった。

こうした需要の堅調さを背景に、世界の主要半導体ファウンドリである台積電(TSMC)、

GlobalFoundries、聯電(UMC)、三星は今年、合計 124 億米ドルの設備投資を計画してお

り、半導体ファウンドリの生産能力が来年には現在比 10%拡張すると見られている。そ

のため、半導体ファウンドリ産業の今年 10-12 月の稼働率は、4-6 月の 98.9%から 91%

に低下、来年 4-6 月には 90%に低下する見通しとなっている。

来年のメーカー別半導体ファウンドリ市場シェアについては、台積電のシェアが 45%に

低下、GlobalFoundries のシェアが聯電を抜いて 25%に達すると見られている。

【半導体】GlobalFoundries、台積電の大口顧客・NVIDIA から受注獲得

2010-10-9 中国半導体産業協会

世界第 3 位の半導体ファウンドリ、GlobalFoundries は、世界の 2 大半導体ファウンド

リである台積電(TSMC)及び聯電(UMC)に挑戦する体制を強化しており、6月初めに台

湾で生産拡張計画を発表したのに続いて、今月 13 日に再び台湾でグローバル技術フォー

ラムを開催する計画で、既に台積電の大口ユーザーである NVIDIA から受注を獲得したこ

とが明らかになった。

GlobalFoundries は 9 月初めに米国でグローバル技術フォーラムを開催、28 ナノ AMS 生

産設計技術、28 ナノ HPP(HighPerformancePlus)技術を披露したのに続き、今月 13 日に

は台湾、上海で相次いで技術フォーラムを開催する。

台積電の大口ユーザーである NVIDIA が、GlobalFoundries に正式に一部製品のファウン

ドリを発注したことから、将来的に NVIDIA の中核プロセッサである Tegra の

GlobalFoundries への転注も指摘する声が出ている。

GlobalFoundries の生産拡張計画には、ドイツでの GigaFab 工場も含まれており、生産

能力は現在比 33%増、月産能力が 6 万枚から 8 万枚に拡大するとともに、45、40、28

ナノ技術へのシフトも含まれている。また、2011 年には 22 ナノ技術の生産ラインも稼

働させること、現在建設中のニューヨークの Fab8 工場の生産能力を 40%拡張し、月産

能力を 4.2 万枚から 6万枚にすること、さらに生産技術の 28 ナノから 22-20 ナノにシフ

トも加速することも明らかにされている。

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2010 年 10 月号

【半導体】長電科技、1-9月純利益1.7億元で大幅な黒字転換に成功

2010-10-11 中国半導体産業協会

中国地場最大の半導体実装検査メーカーである長電科技は、今年 1-9 月の純利益が 1.7

億元に達し、大幅な黒字転換に成功したことを明らかにした。

業績が大幅に改善した要因として、世界の半導体産業の好転を挙げており、集積回路製

造及び半導体部品製造の双方が好調だったとしている。

638 号 10 月 15 日

【携帯電話】聯発科技、値引き拡大で 4Q売上高 3Q比 2割減を予想

台湾経済日報 2010.10.12

携帯電話 IC チップの大手ファブレスメーカーである聯発科技(Mediatek)は 10 月 11

日、今年投入した主力システム・シングル・チップ MT6253 が、聯想(Lenovo)、海爾(Haier)、

金立、長虹、康佳などの大手ブランドメーカー及び龍旗、華勤、鼎為、銳嘉などの大手

設計企業に採用されたことを明らかにするとともに、今年 10-12 月の売上高については、

需要が閑散期に入ったこと、またこれまで以上に踏み込んだ値引きを実施していること

から、7-9 月比 10-20%減少するとの見通しを明らかにした。

市場関係者は、聯発と競合する展訊(Spreadtrum)及び晨星(MStar)が競争力をつけて

シェアを拡大していることから、聯発は守りに入らざるを得ない状況になっている、市

場でのシェアを確保するため、これまで以上の値下げを取らざるを得ない状況にあると

指摘する。また、主力の MT6253 で既に 15-20%の値下げを行っているほか、低価格の

MT6223 でも 10%を超える値引きを行っており、今後収益性が悪化することは避けられな

い状況にあると指摘する。

聯発はこれに対して、中国内地の携帯電話ユーザー数は 8億を超えており、世界で最も

整備された携帯電話サプライチェーンが構築されている、聯発はこのサプライチェーン

構築で重要な役割を果たしてきたが、今後も MT6253 等を通じて携帯電話の普及率 100%

に貢献していくと強気の姿勢を崩していない。聯発は、MT6253 は、ハードウエハでは 200

万画素のデジタルカメラ、高速 USB、タッチパネル、GPS、デュアルモードに対応してい

るほか、マルチメディア処理能力も大幅に向上していることから、他社に負けない優位

性を持っているとしている。

【LED】中国内地の LED 市場、政府梃入れにより 2014 年までに倍増

PCBTN 2010-10-11

ディスプレイ市場調査機関 iSuppli で中国市場分析を専門とするシニアアナリストであ

る Vincent Gu 氏は、は、中国内地の LED 市場は、中国政府の梃入れ及び液晶テレビ用

LED バックライトの普及から、今後も年率 12.8%で成長し、2014 年には 70 億米ドルを

突破、2009 年比 2倍になるという長期見通しを明らかにするとともに、中国内地の LED

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2010 年 10 月号

メーカーが製造技術、品質管理、研究開発において未だ発展途上の段階にあるものの、

政府の莫大な補助金支給により実力以上に市場シェアを拡大していることの問題点を指

摘する。

中国政府の補助金制度は、LED 生産設備である MOCVD 導入 1 台当たりに対して導入コス

トの 7 割前後を占める 1 千万元の助成金を支給する行き過ぎた政策であり、iSuppli の

Vincent Gu 氏は、この補助金政策により 2010-2012 年の中国内地の LED 生産設備導入は

従来見通し比 35 億米ドル増になると予測している。

一方、同氏は、中国内地の LED 市場については、液晶パネル用バックライト市場の急成

長が続いており、2014 年には今年比 3倍の 12 億米ドルに達すると予測している。

【LED】台積電、フィリップス技術移転受け来年初めから LED 照明を量産

台湾経済日報 2010/10/12

世界最大の半導体ファウンドリ、台積電(TSMC)は、今年年末に LED 照明量産センター

第 1期を完成させ、フィリップスからの技術移転を受けて、来年 1-3 月から LED 照明の

量産を開始することを明らかにした。台積電は今年 3月から 55 億 NTD を投じて LED 照明

量産センター第 1期の建設を開始していた。

来年初めからは自社ブランドの LED 光源(Light source)及び LED 光エンジン(Light

Engige)製品を生産する予定で、今年年末までに20台のMOCVD設備の導入を完了させる。

フィリップスは昨年、晶元光電に対して四元素赤色 LED チップの技術ライセンスを供与

しているが、台積電が第2のLEDチップ技術ライセンス供与先になるだろうとしている。

台積電が半導体ファウンドリ市場で最大手となったきっかけが正にフィリップスからの

技術移転であったが、LED チップにおいても台積電はフィリップスからの技術移転をバ

ネに市場シェアを一気に拡大する戦略を取る。

【太陽電池】上海超日、2012 年までに太陽電池セル生産能力を 2倍に

2010/10/13 東方早報

先般上海株式市場で上場した中国民営の太陽電池メーカー、上海

超日太陽科技(Chaori Solar)は、上場で調達する約 13 億元を活

用して 2012 年までにシリコン太陽電池セル生産能力を現在比 2

倍の 220 メガワットに拡張することを発表した。

上海超日の昨年のシリコン太陽電池モジュール生産量及び販売量

はそれぞれ 93.79 メガワット、86.68 メガワットで、2007 年に比べ 293.08%、272.18%

増と急拡大している。

上海超日は設立当初はシリコン太陽電池モジュールの生産能力しか持っていなかったが、

川上戦略推進により、シリコンのインゴットからウエハ、そして太陽電池セルの生産能

力を持つに至っており、2009 年の粗利率は 2007 年の 13.97%から 23.72%に改善してい

る。

また、上海超日の単結晶及び多結晶シリコン太陽電池セルの光電エネルギー転換効率平

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2010 年 10 月号

均はそれぞれ 17.5%、16.5%で、業界平均の 17.2%、16.2%を上回る水準を達成してい

る。上海超日関係者は、今後 3年で単結晶シリコン太陽電池セルの平均エネルギー転換

効率をさらに 18.5%まで引き上げる計画も進めているという。

上海超日太陽能科技:www.chaorisolar.com/

【電池】三菱化学、青島市に世界最大のリチウム電池負極材料工場建設

人民網 2010-10-13

リチウムイオン電池の主要 4材料:電解液、負極材、正極材、セパレータ全てを生産す

る能力を持つ日本の三菱化学は、山東省青島市平度に 966 万米ドルを投じて菱達化成を

設立、リチウム電池負極材料の原料となる球形化黒鉛製造工場の建設を開始したのに続

いて、新たに青島雅能都化成を設立し、世界最大のリチウム電池負極材料生産基地を建

設することを正式に発表した。

第 1期では 2.6 億元を投じて年産能力 1万トンのリチウム電池負極材料生産ラインを建

設、来年 7月に試験生産を開始、2012 年 3 月正式稼働予定、年間売上高 7億元を見込ん

でいる。また、第 2期では年産能力 3万トンのリチウム電池負極材料生産ラインを建設

する計画。

【電池】中科院広州化学、中国初のリチウム電池セパレータ試験生産開始

中国電子元件産業協会 2010-10-12

中国科学院広州化学有限公司は先日、年産 15 万平米のリチウムイオン電池セパレータ試

験生産ラインを構築するのに成功、試験生産を開始したことを明らかにした。

中国は、日本に次ぐリチウム電池生産大国になっているが、中国は市場としても大きな

リチウム電池市場となっており、中国政府はリチウム電池の生産コストの 30%を占める

セパレータ、電解液などのリチウム電池の中核材料の国産化を急務としている。

【PCB】景碩、中国蘇州の新工場を近く稼働 主に CSP 基板を生産

2010-10-13 数字時代

大手半導体 IC チップ搭載基板メーカーである景碩科技(Kinsus)は、中国蘇州の新工場

を近く完成、稼働させることを明らかにした。蘇州の新工場は主に CSP 基板を生産する

ことになり、台湾工場は FC 基板を重点的に生産することになるとしている。

【CCL】生益科技、来年 2Q に東莞の無接着剤 FCCL 生産ラインを稼動

2010-10-12 北京首証

中国地場最大、世界第 4 位の銅箔張り積層板(CCL)メーカーである広東生益科技

(Shengyi)は、供給不足となっているフレキシブル CCL 製品の生産能力を拡張するため、

来年 4-6 月には広東省東莞市で年産 480 万平米の FCCL 材料生産ライン、年産 36 万平米

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2010 年 10 月号

の無接着剤両面 FCCL 生産ライン、年産 36 万平米の無接着剤 FCCL 生産ラインを稼動させ

る計画を明らかにしている。

また、従来型の CCL 製品についても、東莞市で第 5期として年産 430 万平米の CCL 生産

ライン、年産 1500 万メートルの粘着テープ生産ラインを建設、来年 7月に稼働させるこ

とを明らかにしている。さらに、需要が急拡大している LED 用高熱伝導性アルミ基板 CCL

の生産拡張も急いでおり、現在、年産 240 万平米の生産ラインを建設している。

【受動部品】国巨、富士康に伴って河南省に 2つのインダクタ工場を建設

中国台湾網 2010-10-13

世界最大のチップレジスタメーカーである台湾の国巨集団(Yageo)傘

下のインダクターメーカーである奇力新電子(Chilisin)は9月23日、

中国河南省焦作市に3.5億元を投じて年産 15億個の受動部品工場を建

設することで焦作市政府と正式に契約を締結した。今後、200 台の全自

動生産設備を導入する計画で、稼働後の年間売上高は 3億元に達する見込み。3500 人の

従業員を募集することも明らかにしている。

国巨集団は先般、傘下のインダクターメーカーである東莞辰信電子有限公司も今年 2月

に焦作市に進出しており、最大ユーザーである鴻海富士康(Foxconn)の携帯電話生産基

地の広東省深圳から河南省鄭州にシフトに伴って内陸シフトを加速している。

【PCB】台湾上場 PCB メーカー 2010 年 8月売上高一覧

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2010 年 10 月号

資料整理:台湾電路版協会

【PCB】台湾上場 FPCB メーカー 2010 年 8月売上高一覧

資料整理:台湾電路版協会

【PCB】台湾上場 PCB/FPCB メーカーの合計月間売上高推移

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2010 年 10 月号

資料整理:台湾電路版協会

【PCB】台湾上場主要 PCB メーカー 10 社の月間売上高推移

資料整理:台湾電路版協会

639 号 10 月 18 日

【パソコン】英業達、重慶工場の月産 100万台体制は来年 2Q以降に

DIGITIMES 14-10-2010

ノートパソコン ODM 世界第 4位の英業達(Inventec)は、重慶で新たに建設した工場の

2つの生産ラインを今月にも稼働、来年1-3月にはさらに6本の生産ラインを稼動させ、

月産能力を100万台まで拡張すること、また7割の部材は現地で調達するとしていたが、

今年 7-8 月の大雨の影響で、月産能力 100 万台体制構築は、来年 4-6 月に遅れることを

明らかにした。

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2010 年 10 月号

【EMS】フレクトロニクス、中国蘇州のパソコン工場を稼働 1 万 2千人体制

DIGITIMES 15 October 2010]

EMS 世界第 2位のフレクトロニクス(Flextronics)は 10 月 14 日、中国蘇州市呉中区に

建設していたパソコン工場を正式に稼働させた。蘇州パソコン工場は、北京、上海、呉

江の工場と協力し、デスクトップ PC、All-in-one PC、ノート PC、タブレット PC 等の製

品を供給する。従業員は 1万 2千人を採用する計画。

【EMS】比亜迪/華宝、富士康の値上げを好機と捉えユーザー獲得狙う

DIGITIMES 14-10-2010

世界最大の携帯電話 ODM メーカーである鴻海富士康(Foxconn)と競合する比亜迪(BYD)、

華宝(Compal Communication)は、富士康が人件費、部材コストの上昇圧力を受けて、

ノキア、モトローラ、ソニー・エリクソン等の大口ユーザーと価格引き上げ交渉を開始

したことから、この機を捉えて富士康に比べ割安な価格を提示し、富士康の大口ユーザ

ーからの受注獲得を狙っていることが明らかになった。

これについて、鴻海のスポークスマンは、殆どのユーザーは出荷価格の引き上げに同意

しており、同意していないユーザーはごく一部に過ぎないと指摘するとともに、競合メ

ーカーも、同様の人件費、部材コストの上昇圧力を受けていることから、割安な価格を

提示していることには懐疑的との見方を示した。

【液晶パネル】LEDバックライト導光板、LEDテレビ市場急成長で供給不足に

2010-10-15 韓国中央日報

ディスプレイ市場調査機関 Displaybank は、今年上期に LED 液晶テレビ需要が急増した

ことから、来年の LED 液晶テレビ市場が 7800 万台、今年の 2倍以上に成長、導光板など

の LED バックライトの中核原材料が供給不足するとの見通しを示した。

LED 液晶テレビが採用している LED バックライトパネルは側光式が主流で、側面から発

せられた LED の光を導光板と LGP パターン反射を使って効率よくムラ無く前面から光が

出るようにしている。

Displaybank は、導光板の核心材料である PMMA 樹脂価格が上昇していることも、導光板

の価格高騰を招いていると指摘。関連メーカーが、拡散板生産ラインを導光板生産に転

用するなどで急増する需要に対応しているという。

【タッチパネル】宸鴻、2億米ドル超の資金調達 アップル向け供給能力拡張

2010-10-14 中国半導体産業協会

アップル iPhone、iPad のタッチパネルサプライヤである宸鴻光電(TPK)は、台湾で今

年最大となる 70 億 NTD(約 2.275 億米ドル)の資金調達を行い、アップル iPhone、iPad

向け供給能力を拡張することを明らかにした。

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2010 年 10 月号

独フランクフルト上場のプラスチック製ダイカスト部品メーカーであるBalda AGが宸鴻

光電の 18.5%の持分を保有していることから、Balda AG も宸鴻光電の今回の資金調達に

協力することが明らかになっている。

一方、宸鴻光電の持分 6%を取得しているシンガポール政府のソブリン資産ファンド

(Sovereign Wealth Funds)、英国 HSBC プライベート・ファンドは、今回の宸鴻光電の資

金調達には参加しない見通しだという。

市場調査機関によると、宸鴻光電のアップル向けタッチパネル供給シェアは、その高い

歩留まりから 50%前後に達しているという。

【太陽電池】鴻海、英利と共同で山西省でソーラー用多結晶シリコン生産

台湾経済日報 2010/10/14

EMS 世界最大手の鴻海富士康集団(Foxconn)は、中国内地の 3大太陽電池メーカーの一

角を占める英利集団(Yingli)と共同で、中国山西省大同市で太陽電池用多結晶シリコ

ン生産基地を建設することが明らかになった。第 1 期の投資額は 266億元、年産量は 6

千トンとしている。

鴻海は、台湾の大手太陽電池メーカーである茂迪(Motech)、新日光(Neo Solar)とも

提携交渉をしてきたが、最終的に台湾メーカーを上回るシェアを有する英利集団と提携

することを決めた。

英利集団の今年 4-6 月の売上高は 26.99億元、粗利率は 33.5%、税後利益は 2.17億元。

山西省政府サイトによると、富士康、英利集団は、石炭大手の同煤集団と共同で 266 億

元を投じて山西省大同市で年間 2.7 万トンの多結晶シリコンを生産するプラントを建設

する。また、2 億米ドルを投じて年産 1 ギガワットの多結晶シリコン太陽電池産業基地

を建設するとされている。

【太陽電池】友達、天津に年産 1GW の太陽電池モジュール工場建設

2010-10-14 中国半導体産業協会

世界第 4位の液晶パネルメーカーである友達光電(AUO)は、中国天津濱海新区で太陽電

池モジュール工場第 2期の建設を正式に開始した。2011 年末に完成する計画で、完成す

れば、年産能力は 1ギガワットに達する。

友達光電は、天津に太陽電池工場を建設する理由について、天津が環渤海経済圏の中核

都市で太陽電池分野で豊富な研究開発資源を有していること、天津が不凍港で対外輸出

に適していること、また華北、東北、西部の大型太陽光発電所に近いこと、周囲に太陽

電池の原材料メーカーが集積していることを挙げている。

友達光電は今年初めから天津市政府と太陽電池工場の建設について交渉を開始しており、

今年 3月には天津市濱海新区と包括的枠組み契約に調印している。友達光電は、天津市

と共同で太陽電池工場を建設することにとどまらず、太陽電池の性能実験室

(Reliability Lab)も設置する計画で、太陽電池部品及びモジュールに対して各種気候、

環境下での耐久性測定も行い、ユーザーに対して 25 年保証を提供するとしている。

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2010 年 10 月号

また、友達光電の天津太陽電池工場は、環境配慮型の工場及びオフィスを建設しており、

米国グリーンビルディング協会から LEED 認証を取得することも明らかにしている。

友達光電は 2008 年から環境ビジネスに参入、2年間の垂直統合を通じて、多結晶シリコ

ン原料、太陽電池セル、モジュールの生産から、システム製品の設計・据付までを一貫

して提供するトータル・ソリューション(Total Solutions)ビジネスを展開するに至っ

ている。中国内地では、蘇州、上海松江、厦門に液晶パネルモジュール生産基地を有し

ているが、天津は友達光電にとって中国第 4の重点拠点となる。

開発人材の採用については、天津大学及び南開大学と産学協同を行うほか、中国国内外

の関連メーカーの天津太陽電池産業基地への参画を促している。

【太陽電池】済南市平陰、第3世代CIGS薄膜太陽電池生産事業誘致

中国電池網 2010-10-14

中国山東省済南市平陰県は、風力発電、バイオ発電に続いて、第 3世代 CIGS 薄膜太陽電

池生産事業を誘致したことを明らかにした。

【PCB】精成科技、3Q売上高 2Q比 7%増 任天堂 3DS 用基板供給

2010-10-14 精実新聞

ノートパソコン用プリント基板最大手の瀚宇博徳(Hannstar)傘下のプリント配線基板

メーカー、精成科技(Global Brands Manufacture)の今年 9 月の連結売上高は 31.36 億

NTD で前月比 1%減となったが、前年同月比では 13%増、7-9 月の連結売上高は 94.69

億 NTD で 4-6 月比 6.56%増と予想を上回る業績となった。また、1-9 月の連結売上高も

263.92億NTDで昨年同期比17%増、売上高に占めるPCBとPCBAの比率はそれぞれ40%、

60%だった。

7-9 月の業績について、マザーボード、ノートパソコン、HDD 向けが低調だったのを除け

ば、残りほぼ全ての製品ラインでは好調な業績が達成できた、10-12 月に入って全体の

平均稼働率は 80-90%で推移しており、売上高は 7-9 月並みが期待できるとしている。

精成科技の主力 PCB 製品は、マザーボード、ノートパソコン、HDD、車載、テレビ、ゲー

ム機向け、PCBA の主力製品は HDD、通信機器、マザーボード、ノートパソコン、空調向

けであるが、近年、任天堂ゲーム機向けが新たな成長エンジンになっているという。任

天堂 3DS が来年初めに正式に市場に投入されることから、精成科技の 3DS 向け PCB 出荷

も近く開始される見通し。

【PCB】瀚宇博徳、今年のノート PC用PCB出荷量が前年比3割増予想

2010-10-15 精実新聞

世界シェア 4割を有する世界最大のノートパソコン用プリント基板メーカーである瀚宇

博徳(Hannstar Board)は、今年 9月の連結売上高が 20億 NTD を回復、2ヶ月連続で市

場予想を上回る業績となった。また、10 月の連結売上高についても、9月を上回る可能

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2010 年 10 月号

性があるとの見通しを示した。同業第 2位の金像電子(Gold Circuit)も、同様の当初

予想を上回る業績を達成しているという。

瀚宇博徳の今年9月のノートパソコン用プリント基板出荷量は751万枚で8月比5%増、

1-9 月の出荷量は 6550 万枚で昨年通年実績 6700 万枚まで 150 万枚と迫っており、今年

通年の出荷量は前年比3割増の9000万枚に達する可能性もあるとしている。金像電子も、

今年 9月の出荷量が 8月比 5%増となっている。

【PCB】富喬、下期は業績下降が続くが、来年 1Q は回復期待できると

2010-10-15 巨亨網

プリント基板用ガラスファイバーメーカーである富喬工業(FFG)総経理の張元賓氏は、9

月の売上高は 8 月を下回り、価格も下落したものの、PCB 及び CCL の在庫が徐々に消化

されていることから、来年 1-3 月から需要が再び回復軌道に入るとの見通しを明らかに

した。

同社の 9月の売上高は 3.61 億 NTD、今年 1-9 月の累計売上高は 27.79 億 NTD で、昨年同

期比 83%増となったが、9月の売上高は前月比では 17.4%減だった。

富喬工業によると、今年は年初から年央までは中国内地などの新興市場の需要を背景に

電子用ガラスファイバの需給が逼迫、価格も上昇局面を辿ってきたが、年央のユーロ不

安、米国経済の減速を契機に電子機器の新製品投入が相次いで延期されたことから、例

年であれば需要のピークを迎える 7-9 月の需要が低調に推移する結果となった。そのた

め、川下の CCL メーカー、PCB メーカーが相次いで稼働率を引き下げ、電子用ガラスフ

ァイバの需要も縮小、製品価格も 7月、8月は横ばいを維持したものの、9月からは値下

げを余儀なくされたという。

【CCL】CCLメーカー、受注減を理由に今年4Q売上高の3Q比減を予想

DIGITIMES 14-10-2010

台光電子材料(Elite Material:EMC)、聯茂電子(Iteq)、台耀科技(TUC)、合正科技(Uniplus

Electronics)等の台湾の大手銅箔張り積層板(CCL)メーカーは、今年 10-12 月の売上

高見通しについて、受注が減少していることを理由に、7-9 月を下回る可能性が高いこ

とを明らかにした。

台光電子材料は 10 月の受注は 9月並みを維持したが、11 月、12 月の受注は 9月を下回

っていること、聯茂電子も 10 月の売上高は 9月並みを維持したが、11 月、12 月につい

ては受注が減少していることを明らかにしている。一方、台耀科技、合正科技は、10 月

から既に受注が減少しており、11 月、12 月はさらに悪化する可能性が高いことを明らか

にしている。

業界関係者は、既に実行されている大手 CCL メーカーの生産拡張が、次なる供給過剰の

引き金になり兼ねないと警戒感を示している。大手 CCL メーカーの生産拡張は、台光電

子材料が今年年末までに台湾域内及び中国内地の工場の月産能力を 15 万ユニット拡張

し総月産能力を 200 万ユニットにするほか、聯茂も台湾及び中国内地の合計月産能力を

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2010 年 10 月号

今年年末までに現在の 300 万平方フィートから 310-330 万平方フィートに拡張するなど

が明らかになっている。また、台耀科技、合正科技も同様の生産能力の拡張計画を進め

ていることが明らかになっている。

640 号 10 月 20 日

【液晶 TV】東芝、中国地場の康佳に中東/南米向け液晶 TV を発注

DIGITIMES 18-10-2010

日本の液晶テレビブランド大手の東芝は、来年の液晶テレビの外注数量を 1000 万台まで

拡大する施策の一環で、中国地場の大手液晶テレビブランドメーカーである康佳(Konka)

に中東及び南米市場向け液晶テレビ 70 万台を OEM 発注したことが明らかになった。

東芝は、世界最大となることが確実な中国内地の液晶テレビ市場で足場を固めるため、

中国地場大手ブランドメーカーである TCL と合弁で 5000 万元(約 752 万米ドル)を投じ

て OEM 事業及び販売事業を行う企業(出資比率:東芝 51%)を設立することを明らかに

している。また、2012 年までに中国内地の販売代理店を 1万店まで拡大し、中国内地市

場シェアを現在の2%から5%に伸ばす計画を明らかにしている。東芝は今年世界で1500

万台の液晶テレビを出荷する計画で世界市場シェアは 7%に達する見通し。

東芝は昨年既に外注比率を 30%まで引き上げているが、今年は外注比率を 50%、来年は

70%に拡大する計画。東芝の最大の外注先は、EMS 大手の仁宝(Compal)で東芝の主力

製品を生産している。第 2の外注先は、世界最大のモニタ OEM メーカーである冠捷(TPV)

で欧州市場向け機種を生産している。また、液晶パネル大手の友達光電(AUO)子会社で

昆山・合肥で液晶テレビの受託生産サービスを行っている景智電子(BriView)も東芝か

ら液晶テレビ 200-300 万台を受注したことが明らかになっている。

【液晶TV】清華同方、国慶節商戦のLEDテレビ販売比率が20%以上に

信息時報 2010/10/15

中国地場の大手 IT 機器メーカー、清華同方(Tsinghua Dongfang)は、創維、康佳、TCL、

海信などの大手ブランドメーカーが大々的に LED 液晶テレビの販売合戦を繰り広げる中、

これまでの控えめな LED テレビ販売戦略を改め、国慶節商戦では大手ブランドメーカー

にも匹敵する大規模な LED 液晶テレビ販売促進を行い、国慶節商戦での LED 液晶テレビ

販売台数が前年同期比 15 倍、LED 液晶テレビ販売比率も 20%以上に上昇したことを明ら

かにした。

【タッチパネル】勝華、タッチパネル売上高が 8割に 東莞工場が本格稼働

中国専顕網 2010/10/15

中小型液晶パネルからタッチパネルへの事業転換を急速に進めている勝華科技(Wintek)

は、今年 9月の連結売上高が 75.77 億 NTDで前月比 26%増、前年同期比 170%増で過去

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2010 年 10 月号

最高となったこと、今年 7-9 月の連結売上高も 187.18 億 NTDで 4-6 月比 51.8%増とな

ったことを明らかにした。

また、今年 9月のタッチパネル売上高が売上高全体の 80%近くに達したこと、同月の粗

利率が 4-6 月の 7.5%に比べ 4ポイント近く上昇し 11%に達し、今年 7-9 月の税後利益

が 7億 NTDに達したことを明らかにした。さらに、東莞の新工場が 7-9 月に稼働したこ

とから今年 10-12 月には売上高のさらなる拡大が見込め、10-12 月の売上高が 260 億 NTD

に達する可能性もあることを明らかにした。

なお、9 月に出荷されたタッチパネル製品のうち、小型製品の比率は 6 割に縮小し、中

型製品の比率がアップル iPad 向け拡大から 4割に拡大したという。また、東莞のタッチ

パネル工場については、10 インチ製品換算で今年年末までに月産能力は 210 万枚、来年

4-6 月には 350 万枚に拡張される計画を明らかにした。

【携帯電話】華冠、来年の携帯電話出荷量が前年比 7割増の見通し

DIGITIMES 15-10-2010

台湾の大手携帯電話 ODM メーカーである華冠通訊(Arima Communications)の来年の携

帯電話出荷量が、ソニーエリクソン、LG 電子、モトローラからの受注が予想以上に拡大

していることから、前年比 70-80%増の 2800-3000 万台に達する見通しであることが明

らかになった。

華冠の今年の携帯電話出荷量は1600-1700万台で目標の2000万台には達しない見通しだ

が、前年比では 40%増となる見通し。華冠は既に中国華東の工場及びブラジル工場をフ

ル稼働させていることから、来年の 3000 万台近い出荷量を実現するには生産能力の拡張

が必要になる見通し。

【携帯電話】台積電、展訊からの4Q受注が3Q比60%増となる見通し

DIGITIMES 15-10-2010

半導体ファウンドリ最大手の台積電(TSMC)は、急成長している中国地場の携帯電話チ

ップメーカー、上海展訊通信(Spreadtrum Communications)からの受注が急増しており、

今年 10-12 月の受注量が 7-9 月比 60%増の 8万枚(ウエハ換算)に達することを明らか

にした。

ただ、展訊通信にシェアを奪われている同業大手の聯発科技(MediaTek)が発注を同業

第 2位の聯電(UMC)に集中する影響もあって、台積電のトータルの受注量が大幅増加と

はならない見通し。聯発科技の今年 10-12 月の携帯電話チップ出荷量は、7-9 月比 7-10%

減の 1.1-1.2 億ユニット、一方、上海展訊通信の今年 10-12 月の携帯電話チップ出荷量

は、7-9 月比 5 割増の 5000-6000 万個に達すると見られている。上海展訊通信の出荷量

は、これまでは台積電の生産能力不足により制限されていたが、台積電が 65 ナノ生産ラ

インの余剰能力を上海展訊通信にに割り当てることを決めたことから急拡大している。

台積電にとっては、上海展訊通信からの受注量は聯発からの受注量に比べ依然少量では

あるものの、上海展訊通信の出荷量の伸びには著しいものがあり、台積電としては中国

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2010 年 10 月号

内地の White-box 携帯電話チップ市場を巡る両社の勢力関係が大きく変わる可能性もあ

ると見ている。上海展訊通信の中国内地の携帯電話チップ市場におけるシェアは今年

10-12 月には 15-20%に上昇する見通しで、聯発の同シェアは 90%から 70%まで低下す

ると見られている。

【太陽電池】賽維、シリコン供給 10年契約巡り Canadian Solar と係争

2010-10-18 中国半導体産業協会

中国国内最大のシリコンウエハメーカーである江西賽維 LDK 太陽能高科技有限公司は、

ユーザーである大手太陽電池メーカー、Canadian Solar 傘下の蘇州阿特斯陽光電力科技

有限公司との間で、2008 年に調印した期間 10 年のシリコンウエハ供給契約を巡って係

争中であることを明らかにした。

上記の供給契約は、太陽電池業界では主流となっているテイクオアペイ(take-or-pay)

契約の形式を取っているが、蘇州阿特斯がシリコンウエハ価格が契約時の半値以下に下

落していることを理由に契約を履行せず、支払いを停止するとともに、中国国際経済貿

易仲裁委員会に仲裁を申し立てている一方、賽維 LDK は蘇州阿特斯が供給契約に違反し

て契約不履行を起こしているとして蘇州阿特斯を訴える訴訟を起こしている。

賽維LDKは昨年末にも最大のユーザーであるQ-cellsからも一方的に1000トンのシリコ

ンウエハ供給契約を破棄されており、大手ユーザーから 2008 年当時に調印した契約に対

してクレームを提示されるケースが続いている。

賽維 LDK が、大手ユーザーからの不払い行為に対して強い姿勢で望んでいる背景には、

37.21 億米ドルに上る巨額の負債があり、大手ユーザーの不払いを認めてしまえば、そ

の他のユーザーが一斉に不払いになびいて負債の返済が滞る事態にもなりかねないとの

強い懸念があると見られている。

賽維 LDK は 2008 年 8 月に韓国現代重工、英国 BP 等と 3-7 年の長期供給契約を締結して

いることから、今後も Q-cells、Canadian Solar に続く大手ユーザーからの不払い事案

が増える可能性がある。

市場からは、今年7-9月に全世界で新たに稼働した太陽電池生産ラインは1ギガワット、

総投資額は 29 億米ドルに上り、そのうち 8割が中国内地及び台湾に集中していることか

ら、中華圏を中心に太陽電池市場の需給バランスが変調を来たす懸念が出ている。ドイ

ツの太陽光発電買取価格引下げの完全実施、米国市場の予想以上の減速などもあること

から、今年 11 月もしくは来年初めに世界の太陽電池価格が再び大きく下落する可能性も

指摘されている。

【PCB】健鼎/華通、年末までにビルドアップ基板生産能力 10%拡張

2010-10-15 中国 PCB 産業協会

ビルドアップ(HDI)基板がスマートフォン、タブレット型パソコンの薄型化・軽量化の

要請の中で唯一の選択肢となる中、いち早くビルドアップ基板事業に参入してきた欣興

(Unimicron)、耀華(Unitech)、今年に入ってからビルドアップ事業を急拡大させてい

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2010 年 10 月号

る健鼎(Tripod)、華通(Compeq)、南亜電路板(Nan Ya)、最近になってビルドアップ事

業を強化し始めた金像電子(Gold Circuit)、定穎(Dynamic)が何れも業績を大幅に伸

ばしているとともに、生産拡張のペースを加速している。

台湾最大のビルドアップ基板メーカーである欣興董事長の曾子章氏は、最も早くからビ

ルドアップ基板が供給不足になると予測していたことから、台湾域内で最も早くビルド

アップ事業に参入していた。アップルが iPhone 4、iPad に回路設計の自由度が高い Any

layer ビルドアップ基板を採用することが決まったことを契機に Any layer ビルドアッ

プ基板の需要が爆発的に増加したことから、現有の生産能力をフル稼働させても需要に

対応できない状況が続いているという。

一方、健鼎は、ビルドアップ基板事業では出遅れたものの、中国内地の White-box スマ

ートフォン市場でのシェア拡大に成功したことをきっかけに、アップル iPhone 4 向けで

も受注獲得に成功、現在無錫工場でのビルドアップ基板生産ラインの拡張を進めている。

華通も、3段以上のビルドアップ基板の比率を増やすこと、Any layer ビルドアップ基板

の歩留まりを改善することで、アップル iPhone 4 及び iPad タブレット型パソコン向け

受注獲得に成功、今年年末までにビルドアップ基板の月産能力を 10-20 万平方フィート

まで拡張する計画を進めている。

ビルドアップ基板の需要急増は、金像電子、定穎電子といった後発のメーカーにも大き

な恩恵を与えており、中でもAny layerビルドアップ基板の生産に着手した金像電子は、

Any Layer ビルドアップ基板の出荷が始まる来年初めには売上高が大幅アップすること

を明らかにしている。定穎電子も今のところ、デジタルカメラ及びゲーム機向け 1段・2

段ビルドアップ基板を主力としているが、タブレット型パソコン向け 3段ビルドアップ

基板の受注にも成功しているという。

各社のビルドアップ基板生産拡張の状況は、健鼎、華通が今年年末までに 10%の拡張を

完了することを明らかにしているほか、金像電子は買収した弘捷科技の常熟工場を通じ

てビルドアップ基板の生産能力を拡張、年末までに月産能力は 5万平方フィート、来年

には 20 万平方フィートに拡張することを明らかにしている。耀華は現在、台湾宜蘭工業

区に新工場を建設しており、来年 4月に竣工すれば、土城工場の 50%の設備を宜蘭の新

工場に移管し、土城工場はビルドアップ基板の生産に集中する計画を明らかにしている。

【PCB】毅嘉、スマートフォン向けフレキ受注急増 生産能力を 1.5 倍に拡張

2010-10-15 中国 PCB 産業協会

携帯電話用キーパッド、フレキシブル基板大手の毅嘉科技(Ichia)は、スマートフォン向

けフレキシブル基板の受注が急増したこと、携帯電話用キーパッドの売上高も堅調であ

ること、さらに円高に伴う日系メーカーの受注拡大などから、今年 7-9 月の連結売上高

が 26.13 億 NTDで、4-6 月比 28%増、同社予想通りの売上高となったことを明らかにし

た。10-12 月についても、新規ユーザー開拓の成果が出てくること、フレキシブル基板

の生産能力拡張の効果が出てくることから、7-9 月を上回る売上高を見込んでいる。

毅嘉科技の 9月の連結売上高は 8.85 億 NTD、8月比 2.79%増、昨年同期比 41.15%増、

そのうちキーパッド等のモジュール製品の売上高が 3.91 億 NTDで前月比微減、売上高全

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2010 年 10 月号

体の 44%を占めた。一方、フレキ基板の売上高は 4.94 億 NTDで前月比 8.8%増、売上高

全体に占める比率は56%だった。1-9月の連結売上高は62.72億NTDで昨年同期比8.89%

増だった。

毅嘉は今年の生産拡張の重点をフレキシブル基板に置いており、現在のフレキ基板の月

産能力 8万平米を来年上期には 12 万平米まで拡張する計画で、これまで以上にスマート

フォン及びタブレット型パソコン向けフレキ基板受注を拡大する計画。また、毅嘉はフ

レキ基板の歩留まり改善にも余念なく取り組んでおり、歩留まりは 85-90%を確保して

いるという。今年は通年でフレキ基板の売上高がキーパッドの売上高を上回る見通しで、

両者の比率は 6:4となる見通し。

【半導体】TI、成芯半導体買収を発表 成都に中国初の生産基地建設

2010-10-15 21ic

米国の半導体チップ大手、テキサス・インストルメンツ(TI)は、中国四川省成都市政

府の保有する成芯半導体を取得し、その生産ラインをベースに中国内地に同社初となる

生産基地を建設することを明らかにした。企業名は、徳州儀器半導体制造(成都)有限

公司となる。成芯半導体の取得に要する資金も含めて、徳州儀器半導体制造(成都)有

限公司の総投資額は 2.75 億米ドルに達する。完成すれば、年間売上高 10 億米ドルを見

込んでいるという。

徳州儀器半導体制造(成都)有限公司董事長の謝兵氏は、数ヶ月にわたる交渉の結果、

最終的に成都市政府と成芯半導体を取得し 8インチ技術半導体生産ラインを建設するこ

とを決めたとしている。同氏は、過去 5年間に TI は中国内地での販売人員を 2倍に増や

しており、中国全土に 16 を超える支店を展開している、今回の生産拠点設立はこのベー

スを土台に実現できたとしている。

【光ファイバ】長飛、DSM技術で EasyBand®光ファイバ耐屈曲性能を改善

中国電子部品産業協会 2010-10-15

中国国内最大の光ファイバーメーカーで生産能力が世界第 3位の長飛光繊光纜有限公司

は、自社ブランド EasyBand®製品ラインの生産プロセスで光ファイバ用コーティング材

料メーカー大手のオランダ DSM グループの最新の DeSolite Supercoatings™技術を全面

的に採用することで、EasyBand®光ファイバの耐屈曲性能を大幅に改善させたことを明ら

かにした。DSM は 2009 年 5 月に長飛に DeSolite Supercoatings™技術を供与することで

4年契約を締結している。

長飛は 2003 年から耐屈曲光ファイバの開発を開始、2006 年に EasyBand®シリーズ光ファ

イバ製品の開発に成功し、中国国内外の FTTX 事業向けで大量受注に成功している。2008

年末には、母材欠陥の制御、コーティング層の原材料製造技術の改善により、EasyBand®

シリーズ光ファイバ製品の耐屈曲性能を引き上げるとともに、使用寿命を延ばすことに

も成功している。

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2010 年 10 月号

641 号 10 月 22 日

【EMS】富士康、成都に iPad の ODM工場建設 年産 4千万台規模

経済観察網 2010/10/19

世界最大の EMS メーカーである鴻海富士康科技集団(Honhai Foxconn)は、総額 100 億

米ドルを投じて四川省成都に新工場を建設することが明らかになった。10 月 22 日から

成都で開催される第 11 回西部博覧会で、富士康総裁の郭台銘(Terry Gou)氏が自ら正

式に発表する予定。

富士康の新工場は、成都市の輸出加工区西区に建設、敷地面積は 13 万平米に上るという。

主にアップル社のタブレット型パソコン iPad を生産する計画で、52 本の iPad 生産ライ

ンを配置し、年産能力は 4000 万台に達する計画。また、既に試験生産したアップル iPad

の成都から香港への空輸、香港から米国の空輸、及び輸出通関手続きがスムーズに完了

しているという。

また、成都生産基地では、iPad のほか、LED 液晶テレビ、液晶テレビ用モジュール、LED

バックライトモジュール、LED チップ実装、LED 照明の生産も行う計画。ソフトウェア開

発、精密金型生産、物流サービス、デジタル家電小売販売なども行う計画。

新工場の第 1期雇用者数は 2万人に達する計画で、既に 1万人の採用を完了し、深圳で

研修中。2009 年の西部博覧会で富士康が調印した契約では、成都生産基地の投資額は 10

億米ドルとされていたが、投資規模が 10 倍に拡張されたことになる。

富士康成都基地は、四川省にとって近年では最大規模の外資誘致案件となることから、

四川省政府は最重要推進プロジェクトと位置づけて協力体制を取っているという。10 月

15 日には、四川省共産党書記の劉奇葆氏が自ら富士康成都生産基地を視察し、四川省政

府が富士康の生産基地建設に全面的に協力するとともに、従業員が現地生活に早く慣れ、

快適な生活を送れるよう全面的に協力することを明らかにしている。

【EMS】正崴精密、アップル/ノキア等からスマートフォン用コネクタを大量受注

2010-10-18 中国 PCB 産業協会

世界最大の EMS メーカーである鴻海(Foxconn)傘下のコネクタメーカーである正崴精密

(Foxlink)は、スマートフォンの 3大ブランドでアップル、宏達国際電子(HTC)、ノキ

アからスマートフォン用コネクタの大量追加発注を受け、新規受注規模が 100 億 NTD に

達することから、中国の成都、武漢、鄭州での生産基地建設を加速することを明らかに

した。正崴は中国内陸部での生産基地建設を通じて、スマートフォン用コネクタ最大手

を目指すとしている。

正崴精密は、来年のスマートフォン市場の見通しが明るく、受注量が生産能力を上回る

状況が続いている、今年9月の売上高は初めて60億 NTDを突破、64.56億 NTDに達した、

受注量のうち 2割は対応できずに未出荷の状態となっていることを明らかにした。大手

スマートフォンメーカーが、コネクタの品不足を懸念して、来年分の発注を前倒しで行

っているためと見られている。

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2010 年 10 月号

アップル向け出荷量は堅調に拡大しているほか、ノキアがこれまで日本メーカー及び中

国内地メーカーに発注していたコネクタ部品を正崴精密に発注先を切り替えたこと、ま

た三星及び LG も正崴精密への発注量を拡大する計画であることから、来年の出荷量は今

年比 3割増となる見通し。正崴精密は、今年のコネクタ関連部品の売上高は少なくとも

300 億 NTD、来年は 100 億 NTD 増の 400 億 NTD に達すると予測している。

正崴精密は、アップル iPhone の主力コネクターベンダーであり、親会社の鴻海富士康が

成都、武漢、鄭州で iPhone 及び iPad のアッセンブリを行っていることから、成都、武

漢、鄭州周辺での工場立地を検討している模様。また、正崴精密は、アップル向けだけ

でなく、マイクロソフトが 11 月初めに投入する Kinect 体感ゲーム機向けでも供給が受

注に追いつかない状況にあるため、新工場の建設を急いでいる。

【携帯電話】中国移動、威盛電子と提携し第 4世代 TD-LTE チップ開発

2010-10-19 中国半導体産業協会

中国国内最大の移動通信キャリア、中国移動(China Mobile)董事長の王建宙氏は、今

月 20 日に上海で開催される 2010 年中国-台湾両岸 4G 技術発展協力フォーラムで、台湾

のノートパソコン用プロセッサメーカーである威盛電子(VIA Tech)董事長の王雪紅氏

と、両社が第 4世代携帯電話の中国独自標準規格 TD-LTE チップ開発で提携することで契

約を締結することが明らかになった。

中国移動の王建宙董事長は先般、台湾を視察した際に、威盛電子と第 3世代移動通信の

中国独自規格 TD-SCDMA 及び第 4世代 TD-LTE 端末機製品領域で提携する旨の覚書を締結

している。内部関係者は、中国移動が今回、上海に威盛電子の王雪紅氏を招待する背景

には、TD-LTE チップ領域での提携について正式に契約を締結するためであることを明ら

かにしている。なお、王雪紅氏は、威盛電子の子会社であるファブレス IC メーカー、威

睿科技(GenieNRM)を代表する形で中国移動との提携覚書に調印する予定という。

中国移動は、威睿科技(威盛電子)のほか、同業の聯発科技(Mediatek)、スマートフォ

ンブランドの宏達国際電子(HTC)、端末機・設備メーカーの広達(Quanta)、正文(Gemtek)、

合勤(Zyxel)、智邦(Accton)、友訊(D-Link)、台揚(Echo Star)も同サミットに招待

している。

【電子紙】元太、天鈺に続き晶宏を買収 パネルドライバ IC 事業統合加速

台湾經濟日報 2010.10.19

アマゾン Kindle 等の電子書籍リーダー向け電子ペーパー(EPD)最大手の元太科技(Prime

View)董事長の劉思誠氏は 10 月 18 日、天鈺科技(Fitipower)買収に続いて、液晶パネ

ルドライバ IC チップメーカーである晶宏半導体(Ultra Chip)を買収した。液晶パネル

ドライバ IC メーカーである晶宏半導体は 10 月 18 日、元太科技の資本参加を受け入れ戦

略的パートナーシップを構築することを正式に発表している。

これは、元太科技が鴻海集団傘下の液晶パネルドライバ IC チップメーカーである天鈺科

技への資本参加に続くもので、元太科技が液晶パネルドライバ IC チップ事業の統合を急

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2010 年 10 月号

いでいるためと見られている。電子ペーパー需要の爆発的増加を受けて、元太科技は今

年、電子ペーパー及び電子書籍リーダーモジュールの生産能力を一気に 3倍以上に拡張

しており、部材の安定調達のため部材統合を加速している模様。

元太科技董事長の劉思誠氏は、部材事業への戦略的投資はこれまで一貫して行ってきた

施策であり、チャンスがあれば、投資対象を IC チップ設計領域にも広げていくことを明

らかにしている。

【太陽電池】アルバック、蘇州に太陽電池の大型製造装置生産基地建設

技術在線 2010/10/19

日本の大手太陽電池製造装置メーカーであるアルバック(ULVAC)は、中国蘇州に太陽電

池及び液晶パネルを製造する大型製造装置の生産基地を建設することを明らかにした。

アルバックが中国内地に大型太能電池製造装置工場を建設するのは今回が初めて。アル

バックはこれまで技術防衛のため、大型製造装置については、日本国内のみで生産して

きたが、歴史的な円高が続く中、中国内地での生産を決定したという。

新工場は、アルバックの現有の蘇州工場に隣接する場所に建設され、来年 4月着工、来

年 12 月竣工予定。新工場は主に薄膜シリコン太陽電池用アモルファスシリコン成膜用の

5.5 世代基板 PE-CVD 装置 CIM-1400、液晶パネル用第 8世代基板製造用のスパッタリング

装置 SMD-2400 等を製造する。生産台数は、2012 年は 10 台、2015 年には 50 台に達する

計画。

【太陽電池】英利、年産能力700MW拡張 うち100MWは海南工場で

2010-10-19 中国半導体産業協会

世界シェア第 5 位の中国地場の大手太陽電池メーカー、英利緑色能源(Yingli Green

Energy)は、中国内地での年産能力を 700 メガワット拡張し、総年産能力を 1.7 ギガワッ

トとする計画を明らかにした。今回の拡張計画には、保定本社の単結晶シリコン太陽電

池の年産能力 600 メガワット、海南省の多結晶シリコン太陽電池の年産能力 100 メガワ

ットが含まれ、両拡張ともに来年年央に量産を開始する。

英利のほか、世界シェア首位の米国 FirstSolar も先日、米国及びベトナムに新工場を建

設し、モジュールの年産能力を 500 メガワット拡張すること、世界シェア第 2位の尚徳

(Suntech)も 10 月上旬に米国に新工場を建設し今年年末には年産能力を 1.8 ギガワット

とする計画を明らかにしており、大手太陽電池メーカーの生産拡張が相次いでいる。

英利は、生産拡張資金の調達のため、期間 5年の 24 億元相当の無担保のコマーシャルペ

ーパーを発行することを明らかにしている。英利は米国ニューヨーク上場企業で時価総

額は 20 億米ドル近くに達している。従業員数は 7000 名、2009 年の売上高は 72.54 億元

とされている。

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2010 年 10 月号

【太陽電池】浙江省台州市、1-9月の太陽電池輸出量前年比 4倍に

台州商報 2010-10-19

中国浙江省台州市の今年 1-9 月の太陽電池輸出量は 62.9 万台、前年同期比 3.8 倍、輸出

額は 1.6 億米ドルで同 8.1 倍と爆発的に増加した。

主な仕向地は欧州、オセアニアで、それぞれの 1-9 月輸出額は 1.1 億米ドル、0.4 億米

ドル、それぞれ前年同期比 13.2 倍、4.6 倍となった。台州市の太陽電池輸出量が大幅増

となった最大の要因は、今年に入ってからの世界市場が回復し、中国国内メーカーの海

外からの太陽電池受注量が急増したため。また、輸出価格が上昇していることについて

は、原材料の多結晶シリコン価格の高騰によるもので、1 キロ当たりの価格は 7 月下旬

の 60 米ドルから 95 米ドルまで 50%以上上昇している。

ただ、台州市政府は、太陽電池製品の 95%以上を輸出に依存していることから、ドイツ

等の太陽光発電に対する買取価格引き下げ等により需要が縮小すれば、生産設備が一気

に過剰になる懸念を指摘している。また原材料である多結晶シリコン生成技術も、先進

国メーカーの技術防衛により輸入依存度が高い状態が続いており、多結晶シリコン需要

の 4 割は米国、2 割は欧州からの輸入に依存、中国国内調達は 2 割弱であること、太陽

電池製造装置の高い輸入依存体質も、コスト競争力を高めるために解決すべき重要な課

題としている。

【PCB】五洲電路、破産競売中の台湾雅新電子の東莞工場を取得

2010-10-19 中国 PCB 産業協会

中国地場の大手プリント配線基板(PCB)メーカー、五洲電路集団(本社:広東省梅州市)

は、経営危機で破産し競売にかけられている台湾の中堅 PCB メーカー、雅新電子の東莞

工場を取得したことを明らかにした。

【半導体】中国の 3G チップ市場、2013 年に 1.2 億セットに達する見通し

2010-10-19 中国半導体産業協会

中国内地の 3G 市場は当初は予想した成長が見られなかったが、全国ネットワークの構築、

端末機の多様化、割引料金キャンペーン等によりユーザーが急増し始めており、台湾の

市場調査機関 DIGITIMES Research は、今年の中国内地の 3G チップ市場は昨年の 2680

万セットのほぼ 2倍の 5300 万セットに達する見通しを示している。

中国内地の 3G ユーザー数は、移動通信ユーザー数全体の 3.2%を占めるに過ぎず、3G

移動通信サービスは未だ市場段階としては導入期にある。ただ、世界の 3G 移動通信サー

ビス普及率平均が 14%であることからも、ポテンシャルは大きく、中国内地の 3G ユー

ザー数は 2012 年、2013 年にはそれぞれ 1億、2億を突破し、2013 年には中国内地の 3G

チップ市場は 1.19 億セットに達する見通し。

また、中国内地の 3G チップ市場の内訳については、移動電话、データ伝送、家庭用がそ

れぞれ 8 割、1 割、1 割を占めること、出荷規格については、TD-SCDMA が政府の手厚い

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2010 年 10 月号

補助によりシェアを伸ばし、WCDMA、CDMA2000EV-DO、TD-SCDMA のシェアは 3割、3割、4

割となり、TD-SCDMA が初めてシェア首位となる見通しも示している。

【受動部品】江海、アルミ電解キャパシタの輸入依存は今後数年間続くと

中国 IC 網 2010-10-19

中国地場最大のアルミ電解キャパシタメーカーである江海電容器股份(本社:江蘇省南

通市)董事長の陳衛東氏は、中国国産のアルミ電解キャパシタが依然として中国国内市

場の需要を満足できておらず、輸入製品に依存する体質が続いている、2004-2008 年に

中国のアルミ電解キャパシタ市場の輸入依存度は上昇し続けてきたが、輸入依存度は今

後数年間も 27%前後で推移するとの見通しを明らかにした。

南通江海電容器股份有限公司は 1958 年設立のアルミ電解キャパシタ専門メーカーで、従

業員は 1200 名余り、1993 年以降は中国国内アルミ電解キャパシタシェア首位を維持し

ている。

642 号 10 月 25 日

【タッチパネル】正達、深圳工場にアップル向け強化ガラス生産ラインを増設

台湾経済日報 2010/10/21

世界最大の EMS メーカーである鴻海(Foxconn)傘下の強化ガラスメーカーである正達国

際光電(Go-Tech)総経理の江嘉斌氏は 20 日、中国深圳の子会社である睿志達光電に 520

万米ドルの増資を行い、新たにアップル向け強化ガラス生産ライン 1本を増設すること

を明らかにした。来年 1-3 月に稼働、アップル第 2世代 iPad 用強化ガラスの出荷を開始

する。

また、正達は台湾南科に第 2 工場を建設し、強化ガラスの月産能力を第 5 世代換算で 5

万枚とすることも明らかにした。台湾苗栗の工場の月産能力は第 5世代換算で 3-4 万枚

であるので、同社の台湾域内での月産能力は合計 8-9 万枚に達することになる。

正達はアップル向けタッチパネルに使用される ITO 導電ガラス及び強化ガラスの主力ベ

ンダーで、歩留まりは業界最高水準の 80-85%を達成、タッチパネルを生産している鴻

海、宸鴻(TPK)、和鑫(Sintek)、勝華(Wintek)、友達傘下の達虹(Cando)等に製品を

出荷している。

【液晶パネル】東京エレクトロン、昆山に液晶パネル製造設備の新工場建設

慧聡電気網 2010/10/21

世界第 2位の半導体設備メーカー、東京エレクトロン(Tokyo Electron)は 20 日、中国国

内の液晶パネル製造設備需要が急増していることから、昆山経済技術開発区に 50 億円を

投じて液晶パネル製造設備生産工場を建設することを発表した。来年 1月に単独出資で

東電光電半導体設備(昆山)有限公司を設立、同年 3月着工、同年 9月に竣工・稼働する

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2010 年 10 月号

計画。

昆山新工場は、初期は主に液晶パネル製造設備の消耗部品の生産を行い、稼働後 2-3 年

には液晶パネル製造設備の生産を行う計画だという。

日本の液晶/半導体製造設備大手のアルバック(ULVAC)も先日、蘇州に 30 億円を投じて

大型液晶パネル製造装置を生産する新工場を建設することを明らかにしており、巨大化

する中国内地の液晶テレビ市場獲得競争が激化している。

【太陽電池】綏化、宝利を核に多結晶シリコン・太陽電池生産基地を建設

中国電池網 2010-10-21

中国黒龍江省綏化市(右地図)は、同市の経済開発区に 31.68

億元を投じて 10 年計画で多結晶シリコン材料及び太陽電池生

産基地を建設することを発表した。

綏化市の呼蘭河、諾敏河の河川流域はシリコン材料となる石英

砂資源が豊富で、2008 年には浙江新安化工集団股份有限公司が

綏化経済開発区に 8 億元を投じて新安シリコン材料有限公司を

設立し、既に年産能力は 3万トン、昨年の生産高は 1.26 億元を達している。将来的には

年産能力を 10 万トンまで拡張する計画。

また、総投資額 6.8 億元の宝利光伏材料科技有限公司の年産 1000 トン多結晶シリコン生

産事業も誘致、既に 2.6 億元を投じて計画されている 32 台の多結晶シリコン真空精錬炉

のうち 18 台を稼働、高純度シリコン高熱炉も稼働させている。また、1.73 億元を投じ

て年産 25 メガワットの太陽電池、年産 3000 万枚のシリコンウエハ生産ラインも建設し

ている。

上記の宝利光伏材料の誘致を契機に、綏化経済開発区は、河北吉傑太陽能科技、江西賽

維 LDK、深圳中晶などの中国国内有数の太陽電池関連メーカーの誘致を相次いで成功さ

せ、それら事業の投資額は合計 18 億元に達している。

宝利集団は、シリコン材料にとどまらず、シリコンウエハ、太陽電池セル、モジュール、

インバータ、ケーブル等の生産にも参入、綏化経済開発区に一大太陽電池産業基地を建

設する計画を進めている。綏化宝利光伏材料は今年 8月に河北吉傑太陽能科技と共同で

綏化龍晶電子科技を設立、3.9 億元を投じて年産能力 600 トン、100 メガワット相当の単

結晶シリコンウエハ生産ラインの建設を開始している。完成すれば、年間売上高は 7.8

億元に達する見込み。

また、綏化経済開発区は、総投資額 2.2 億元の薄膜太陽電池用アモルファスシリコン材

料生産事業の誘致にも成功しているという。

【太陽電池】漢能、双鴨山に 36億元投じ薄膜太陽電池生産基地建設

2010/10/21 索比太陽能

中国内地の投資ファンド、漢能控股集団は、中国黒龍江省双鴨

山市での薄膜太陽電池製造基地建設を正式に開始したことを明

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2010 年 10 月号

らかにした。

漢能控股集団は今年 4月に双鴨山市政府と薄膜太陽電池製造基地を建設することで合意、

1期で36億元を投じて年産能力300メガワットの薄膜太陽電池工場を建設することを発

表している。完成すれば、年間売上高 23 億元に達する見込み。

黑龍江省は、太陽電池などの新エネルギー開発への投資を急速に拡大しており、双鴨山

市のほか、綏化にも太陽電池生産基地を建設している。

【太陽電池】晶科、上饒に 130億元投じ太陽電池生産基地を建設

2010/10/21 索比太陽能

香港系の太陽電池メーカー、江西晶科能源有限公司は、江西省上

饒市の経済開発区に、今後 3 年間で 80 億元を投じて、年産 2500

メガワット相当の太陽電池用シリコンウエハ生産ライン、年産

3000 メガワットの太陽電池モジュール生産ラインを建設すること

を明らかにした。完成すれば、年間売上高は 300 億元に達する見

込み。

また、晶科能源傘下の上饒合興実業有限公司も、今後 4 年間に 50 億元を投じて、年産

2000 メガワットの太陽電池セル生産ラインを建設することを明らかにしている。完成す

れば、年間売上高は 200 億元に達するとしている。晶科能源:www.jinkosolar.com/

【太陽電池】彩虹電子、太陽電池用ガラス基板生産ライン 10 本を建設

証券時報 2010/10/21

中国地場最大のガラス基板メーカー、彩虹電子(Caihong)は、咸陽に建設していた太陽

電池用ガラス基板生産ラインを稼働させるとともに、3 億元を投じて第 3 期の建設に着

工したことを明らかにした。

彩虹電子董事長の邢道欽氏は、第 3期は来年年末に完成する予定で、完成後の年産能力

は 1660 万平米に達する見通しを示している。また、彩虹電子は、第 2期以降の生産ライ

ンには環境負荷が小さい全酸素燃焼方式を採用していることも明らかにしている。

第 3期には、日産熔解能力 250 トンのガラス溶解炉、日産量 125 トンの圧延ガラス母材

生産ライン 2本、ガラス強化生産ライン 2本が含まれ、年産能力は厚さ 3.2 ミリの太陽

電池用ガラス母材換算で 702 万平米に達するという。薄膜コーティング加工サービスも

行う計画という。彩虹電子総裁の張君華氏は、3 年以内に咸陽生産基地の太陽電池用ガ

ラス生産ライン数を 10 本まで拡張し、年産能力は 3000 万平米に達する見通しを明らか

にした。

【半導体】AMD、北京にグローバルセンター設置 中国への技術移転加速

2010-10-20 中国半導体産業協会

世界シェア第 2位のマイクロプロセッサメーカー、米国 AMD 会長の BruceClaflin 氏は、

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2010 年 10 月号

中国を単なる巨大市場と見るのではなく、製造及び技術提携の分野でも中国に対して積

極的に投資していくとして、北京にグローバルセンターを設置するとともに、北京大学

に主力 X86 の中核技術を移転すること、IC チップ設計、CPU 測定、農村情報化の分野で

中国工業情報化省に協力することで覚書に調印したことを明らかにした。

一方、中国工業情報化省副大臣の楊学山氏は、AMD との協力関係について、技術面にと

どまらず、省エネ、二酸化炭素排出削減、IT 人材育成などの分野での協力も要請してい

ることを明らかにした。

業界関係者は、AMD が北京にグローバルセンターを設置したことに象徴されるように、

半導体産業における中国の地位が確実に向上している、現地の人材が育成されることで

地場産業の技術力も向上していると分析している。

【電池】栄豊新能源、フフホトに西部最大のリチウム電池生産基地を建設

中国電池網 2010-10-20

中国内蒙古自治区の新エネルギー開発企業、栄豊新能源有限公司は、自治区首府がある

フフホト市でのリチウム電池工場建設に正式に着工したことを明らかにした。

総投資額は 28 億元、2013 年稼働後の年産能力は 800 万アンペアアワー、年間売上高 1

億元以上を見込んでいるという。主に自動車、自転車用動力電池を生産するが、太陽光

発電、風力発電用蓄電池の生産も行う。

【受動部品】国巨、4Q売上高3Q比8-12%減 MLCC粉末事業に参入

DIGITIMES 21-10-2010

受動部品大手の国巨(Yageo)会長の Pierre Chen 氏は、季節的要因により今年 10-12

月の売上高が 7-9 月比 8-12%減となる見通しを明らかにするとともに、来年の見通しに

ついては、インテルの新型プラットフォーム投入、USB 3.0 アプリケーション投入等が

あるため、新たな需要が喚起され売上高は堅調に拡大するとの見通しを示した。

10-12 月の領域別売上高では、マザーボード、パワーサプライ、ネットワーク機器向け

受注が 7-9 月比 10%減となるものの、携帯電話及び EMS 向けは 7-9 月を上回る見通しを

示している。また、チップレジスタ、チップキャパシタの BB レシオはどちらも直近で

1.0 まで低下しているが、磁性材料の BB レシオは 1.3 前後を維持していることも明らか

にした。また、来年 1-3 月には積層セラミックキャパシタ原材料であるパウダ生産事業

に参入することも明らかにした。なお、同社の今年 7-9 月の売上高は 75.25 億 NTD(2 億

4375 万米ドル)で 4-6 月比 4.4%増、純利益は同 13.6%増の 14.07 億 NTD だった。

【レアアース】金龍稀土、レアアース磁性材料生産ラインの試験生産に成功

閩西新聞網 2010-10-22

厦門タングステン傘下のレアアースメーカー、長汀金龍稀土有限公

司(本社:龍岩市長汀県)は、レアアース金属、レアアース 3原色

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2010 年 10 月号

蛍光粉の量産開始に続いて、2億元を投じ建設した年産能力 4000 トンのレアアース磁性

材料生産ラインの試験生産に成功したことを明らかにした。

金龍稀土のレアアース分離能力は年間 4000 トン、数年前までは 5-6 種類の元素の分離の

みが可能だったが、現在は 15 種類の元素の分離が可能となっている。年産能力 2000 ト

ンのレアアース金属生産ライン、年産能力 1000 トンのレアアース 3原色蛍光粉生産ライ

ンを既に稼働させているとともに、今年年末には高純度レアアース酸化物沈殿プラント

も稼働させる計画。金龍稀土の今年 1-9月の生産高は 3.4 億元、昨年同期比 2.8 倍と急

増している。長汀金龍稀土:www.xtcjlre.com/

【市場】iSuppli、世界のコンシューマーエレクトロニクス市場は確り回復と分析

2010-10-20 中国半導体産業協会

大手 IT 市場調査機関である iSuppli は、2010 年の世界のコンシューマーエレクトロニ

クス機器及び半導体市場は確りと回復しており、今後 2-3 年は再び後退局面に入ること

はないとの見方を明らかにした。

iSuppli は、2010 年の世界のコンシューマーエレクトロニクス機器の売上高は 2590 億米

ドルに達したものの、2008 年に比べると依然 3%縮小していることを考えると、同売上

高は 2011 年及び 2012 年もそれぞれ 6.7%及び 7%の成長が期待できる、2013 年には成

長は 1.2%に減速するものの、プラス成長を維持、周期的微調整局面に入るのは 2014 年

以降との予測を示している。

また、コンシューマーエレクトロニクス関連の半導体売上高についても、2010 年は 572

億米ドルで2009年の448億米ドルに比べ27.7%増となるものの、2009年に前年比15.7%

縮小したことを勘案すると、今後 2-3 年は持続的成長が続き、2014 年には売上高は 694

億米ドルに達するだろうとの見方を示した。

主にコンシューマーエレクトロニクス機器市場を牽引している製品としては、液晶テレ

ビ、ブルーレイ DVD、タッチパネル型パソコン等の高付加価値製品を挙げている。

なお、iSuppli のコンシューマーエレクトロニクス市場アナリスト、Jordan Selburn 氏

は、高付加価値のコンシューマーエレクトロニクス 1製品当たりのライフサイクル全体

に要する半導体チップは 1億米ドル以上に達する、これら高付加価値製品に要する半導

体チップの開発コストは 1000-2000 万米ドルに達することから、大手以外の中堅以下の

メーカーでは到底リスクカバーできない状況になっていると指摘している。

643 号 10 月 27 日

【液晶パネル】富士康、成都での巨額投資に奇美 8.5G 含まれる可能性

2010-10-23 Digitimes

世界最大の EMS メーカーである鴻海富士康(Foxconn)董事長の郭台銘氏が自ら成都に赴

き、中国成都に 100 億米ドルを投じてアップル iPad 年産 4000 万台を含む一大 ODM 生産

基地を建設することを発表することが伝えられているが、業界関係者はこの 100 億米ド

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2010 年 10 月号

ルという数字について、鴻海傘下の群創(Innolux)と合併した世界第 3位の液晶パネル

メーカー、奇美電子(CIC)の成都での 8.5 世代生産ライン投資額が含まれているのでな

ければ、現実性がないとの見方をしている。

一方、奇美電子関係者は、中国成都での 8.5 世代液晶パネル生産ライン建設計画は、中

国内地当局からの認可取得の前に、台湾当局の投資審査会からの認可取得が進展してい

ない状況にある、現時点で審議の俎上にさえ上がっていない、同業の友達光電(AUO)の

中国昆山での 7.5 世代液晶パネル生産ライン建設計画も同様の状況にある、今月末まで

はこの状況に大きな変化はないだろうとの見方を示している。

鴻海の成都での事業は、2009 年 10 月に正式に調印された成都ハイテク区での富士康産

業基地に集中しており、総投資額は 10 億米ドルとされている。成都市ハイテク区の企業

誘致関係者は、上記の投資金額 100 億米ドルの根拠については、鴻海からの具体的言及

があるわけではないが、産業基地が液晶テレビ、液晶パネル用モジュール(LCM)、LED

バックライトモジュール、LED 照明光源など多岐にわたるほか、ソフトウェア、金型、

物流、小売を含む総合的な一貫生産の ODM 基地をとなることから、総投資額が 100 億米

ドル近くに達する可能性があるとの見方を示している。

ただ、成都ハイテク区で計画されている全事業が実行されたとしても、投資額が 100 億

米ドルを超える可能性はなく、鴻海の今年 7月の発表でも四川省成都、河南省鄭州での

投資額は 6400 万米ドル、うち成都が 2000 万米ドルとされている。鴻海の計画によると、

成都での投資は主に液晶テレビ及びタブレット型パソコンに集中、重慶での投資は主に

ノートパソコン、鄭州での投資は携帯電話に集中するとされている。

市場関係者も、コンシューマエレクトロニクス製品生産ラインの投資額が 100 億米ドル

を超えることは考えにくい、この金額は富士康の深圳以外の中国国内全都市での総投資

額を上回ると指摘する。

一方、100 億米ドルという投資額には、鴻海グループ傘下の群創(Innolux)と合併した

奇美電子の 8.5 世代液晶パネル生産ライン建設コスト 50 億米ドルが含まれると考えば、

総投資額が 100 億米ドルに達する可能性もある。

奇美電子は成都市郫県徳源鎮に50億米ドルを投じて8.5世代液晶パネル生産ラインを建

設する計画を明らかにしている。現地の事業会社名は群康科技、設立母体は富士康とさ

れている。現地事業会社・群康科技は今年 6月 29 日に登録資本 3800 万米ドルで既に設

立済みだという。

なお、群康科技は既に人員募集を開始しており、その募集広告上には、同社が液晶パネ

ル、液晶テレビ、セットトップボックス(STB)の組立・測定検査を行うと記載されてい

る。現在募集している人員は、液晶パネルの検査人員、作業人員で、月額給与は 1590-2390

元(残業代を含まない)と記載されているという。

【液晶パネル】華星、8.5世代生産ライン用13億米ドルの銀行団融資獲得

2010-10-22 中国半導体産業協会

中国地場大手液晶テレビメーカーである TCL と深超投資との合弁である華星光電(China

Star)が、国家開発銀行、中国輸出入銀行、中国建設銀行、中国工商銀行、深圳発展銀

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2010 年 10 月号

行からなる銀行団から総額 12.8 億米ドルのシンジケートローンの獲得に成功、正式に契

約に調印した。TCL 集団副総裁、華星光電 CEO の賀成明氏は、これにより華星光電の総

投資額 245 億元の全ての資金の調達を完了したことを明らかにした。

中国地場の華星光電、京東方(BOE)、昆山龍飛光電の 8.5 世代液晶パネル生産ライン建

設が着々と進展する一方、日韓メーカーの中国内地での高世代液晶パネル生産事業は依

然ライセンスが発給されない状況が続いている。

【携帯電話】ST-Ericsson、子会社の天碁科技の一部資産を売却か

2010-10-22 中国半導体産業協会

ワイヤレス通信用半導体チップ大手の ST-Ericsson は、中国内地の子会社で中国独自 3G

規格 TD-SCDMA チップメーカーでもある天碁科技(T3G)の一部資産の売却交渉を水面下

で進めていることが明らかになった。

天碁科技は TD チップの開発を始めてから 7年になり、昨年業界初の 65 ナノ技術による

TD-HSPA チップセットを発表していることから、業界関係者は、ST-Ericsson が天碁科技

を完全売却する可能性は乏しいとの見方を示している。今年 5月までの ST-Ericsson の

TD チップ累計出荷量は 1200 万枚に達している。

【LED】晶元、泰谷の経営権掌握のため持分 51%以上の獲得を交渉

DIGITIMES 22-10-2010

世界シェア 4 位の LED チップメーカーである晶元光電(Epistar)は、同業の泰谷光電

(Tekcore)の経営権獲得に向けて同社と交渉中であることが明らかになった。

晶元光電は既に泰谷光電の 24%の株式を保有する大株主で戦略的パートナーシップを

締結しているが、晶元光電は泰谷光電に対する経営支配権を強めるため、持分の拡大を

望んできた経緯がある。

【LED】勤上光電、LED 街灯価格の下落で純利益が 3年連続横ばい

2010-10-23 経済観察報

中国地場の大手 LED 街灯メーカー、勤上光電股份有限公司(本社:広東省東莞市)は、

2009 年の売上高が 4.24 億元に達したものの、予想を超える製品価格の下落により、2007

年から 2009 年の純利益がそれぞれ 5875 万元、5956 万元、6515 万元と横ばい状態となっ

ていることから、一部少数株主から配当に対する強い不満が出ていることを明らかにし

た。

中国照明電器協会によると、LED 街灯を生産する企業は 300 社以上、その数はさらに拡

大しており、生産能力の拡張が需要の伸びを上回る速度で進んでいることが、LED 街灯

価格の予想以上の下落を招いている。

また、業界関係者は、従来型の街灯製品の価格が 2000 元であるのに対し、LED 街灯製品

の価格は 5000 元、さらに従来型からの付け替えに 3000 万元の費用を要するため、LED

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2010 年 10 月号

街灯の実質コストが従来型に比べ 4-5 倍となっていることも、LED 街灯市場の爆発的成

長を抑制されていると指摘する。

【半導体】鋭迪科、米国ナスダック上場で 1億米ドル調達 事業大幅拡張

2010-10-22 中国半導体産業協会

中国地場の大手高周波 RF チップメーカーである鋭迪科微電子(RDA Microelectronics)

(本社:上海市)は、米国ナスダックに上場し、1 億米ドルの資金を調達することで事

業を大幅に拡張することを明らかにした。

鋭迪科微電子は 2004 年 4 月に上海で設立、主に高周波 RF チップの設计開発、製造販売

を行っているが、中国独自 3G 規格 TD チップ等も設計開発している。

【半導体】中国の半導体産業、今年上期の生産量が前年比 5割増に

2010-10-22 中国半導体産業協会

中国国内の今年上期の半導体生産量は 302.5 億個で前年同期比 49.4%増、総売上高は

666.03 億元で同 45.1%増となるとともに、2008 年上期の総売上高 640.25 億元を上回っ

たことが明らかになった。

業態別に見ると、製造業の売上高は 209.21 億元で同 51%、実装検査業の売上高は 328.35

億元で同 61.4%増だった。

【半導体】Glofo、中国国内市場で受注拡大目指す 中芯国際の脅威に

2010-10-22 中国半導体産業協会

世界シェア第 2位の半導体ファウンドリ、Globalfoundries(Glafo)は、中国国内で初

めて技術フォーラムを開催し、中国国内最大の半導体ファウンドリである中芯国際

(SMIC)の技術力は台積電(TSMC)及び Glofo に比べると 3-4 年遅れている、中国国内

での受注拡大のチャンスを大きいとの見方を示した。

中芯国際が IBM から 45 ナノ技術移転を獲得したことについても、技術ライセンスを取得

しただけでは、製造プラットフォーム及び低環境負荷システムの技術が即キャッチアッ

プするわけではないとの見方を示した。

【センサ】中国のセンサ市場、14 年には 1200 億元に ユビキタス需要牽引

2010/10/15 儀表展覧網

中国地場の IT 通信市場調査機関、貝叶思(Bayes)発表のレポートによると、中国国内

のセンサ市場規模は今年440億元前後に達し、今後5年間は年率30%以上で成長し、2014

年には 1200 億元以上に達する見通し。

同機関は、2009 年以降の世界的ユビキタスネットワーク及びスマートグリッドの潮流を

受けて、中国政府もユビキタスネットワークの建設に積極的に投資する方針を示してい

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ることから、中国国内のセンサ市場は世界のセンサ市場の成長を上回る速度で成長して

いると予想。また、ユビキタスネットワーク建設が 10-20 年に及ぶ長期プロセスである

ことから、ユビキタスネットワーク関連センサ市場は今後数年にわたって安定成長が期

待できるとしている。

【電池】科力遠、科霸電池に 2億元の増資を実施 生産能力を拡張

2010/10/22 毎日経済新聞

中国地場の大手電池メーカーである科力遠(本社:湖南省長沙市)は 21 日、香港の電池

メーカーである超覇科技との合弁企業である湖南科霸汽車動力電池有限公司に 2億元の

増資を行い、電気自動車用動力電池の生産能力拡張を行うことを明らかにした。

【PCB】重慶市涪陵区、HP/富士康ノート PC生産基地向け PCB基地に

涪陵外宣網 2010-10-25

台湾プリント配線基板(PCB)協会に加入する台湾企業 40 社余りが、世界最大のノート

パソコンメーカーである HP 及びその ODM パートナーである大手 EMS メーカー、富士康、

広達、英業達が重慶市に生産基地を建設することを受けて、重慶市涪陵区工業園区に PCB

産業基地を建設することが明らかになった。

台湾プリント配線基板協会理事長である耀華電子(Unitech)執行副総裁である陳正雄氏

は、台湾プリント配線基板協会は、PCB、PCB 原材料、化学品などのメーカー568 社から

なる台湾最大の PCB 業界団体であることを紹介するとともに、台湾が世界最大の PCB 生

産地域であり,世界のノートパソコンの 8割の PCB が台湾メーカー製であることから、

HP 及び富士康、広達、英業達に伴って重慶市に進出することは必然との見方を示した。

【CCL】聯茂、湖北省に中国第 3の生産拠点建設 月産 100万枚

DIGITIMES 22-10-2010

台湾最大の銅箔張り積層板(CCL)メーカーである聯茂(ITEQ)は、中国湖北省仙桃市の

経済発展委員会と、今後 3-5 年以内に月産能力 100-110 万枚の CCL 生産工場を建設する

ことで正式に覚書を締結した。

聯茂は、主力ユーザーであるプリント配線基板(PCB)大手の健鼎(Tripod)が、無錫に

次ぐ中国内地第 2の生産拠点を湖北省仙桃市に建設することを決めたことに伴って湖北

省に進出することになったとしている。台湾の大手 CCL メーカーで中国内陸部への大規

模な生産シフトを正式に発表したのは聯茂が最初となる。

聯茂は中国湖北省仙桃市での生産工場建設のために 3000 万米ドルの予算を承認してお

り、近く建設を着工する予定。仙桃工場は、聯茂にとって無錫、東莞に次ぐ中国内地第

3の生産拠点となる。

聯茂の総生産能力は今年年末には月間310-350万枚、内訳は台湾域内工場が40-45万枚、

東莞工場が 110 万枚、無錫工場が 200 万枚となっており、東莞及び無錫工場の一部生産

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2010 年 10 月号

能力を仙桃工場に移転することになる。

【銅箔】中科英華、国内の電子用電解銅箔需給逼迫で生産拡張を急ぐ

PCB 信息網 2010-10-25

中国地場最大の銅箔メーカーである中科英華は、中国国内の電子用電解銅箔の需給が逼

迫していることから、子会社である青海電子材料産業発展公司に増資を行い、電子用電

解銅箔の生産能力を拡張することを発表した。拡張が完成すれば、中科英華の電子用電

解銅箔生産規模は世界上位に躍進するとともに、コスト競争力も世界最高水準になる見

通し。

中国の電子工業の発展に伴って、プリント基板及びその主力材料である電解銅箔の需要

も右肩上がりで拡大しており、今年上期の中国国内の電子材料の総売上高は 1 兆 1529

万元で前年同期比 77.25%増、そのうち銅箔製品の売上高は 9442 万元で同 45.18%とな

っている。

644 号 10 月 29 日

【液晶TV】液晶TVのOEM生産比率3割 来年は4割に達する見通し

技術在線 2010/10/26

ディスプレイ市場調査機関 DisplaySearch が最近発行した液晶 TV パネル-完成品調達関

連調査報告によると、今年 4-6 月に世界で生産された液晶テレビのうち OEM 方式で生産

された比率は 32%に達し、今年 1-3 月比 6パーセントポイント上昇したことが明らかに

なった。

主要液晶テレビ OEM メーカー別の生産シェアは、上位から、台湾冠捷科技(TPV)が 27%、

台湾鴻海精密工業(通称:富士康 Foxconn、奇美電子も含む)は 15%、トルコの Vestel

は 10%、台湾緯創(Wistron)は 8%、台湾瑞軒(LG との合弁・蘇州楽軒も含む)は 6%、

仁宝(Compal)は 5%だった(下グラフ参照)。

このうち、冠捷科技は今

年の液晶テレビ OEM 出荷

量が前年の1000万台から

600 万台増の 1600 万台に

達する見通しで、先日も

液晶パネル大手の友達光

電(AUO)と合弁でブラジ

ルに液晶テレビモジュー

ル組み立て工場を建設す

ることを発表している。

鴻海も昨年の液晶テレビ

OEM 出荷量はわずか 40 万台だったが、ソニーのメキシコ工場、スロバキア工場の取得を

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2010 年 10 月号

契機にソニーの欧米向け液晶テレビの OEM を獲得、今年の出荷量は 850 万台以上に達す

る見通し。冠捷及び鴻海富士康を追いかける仁宝、瑞軒、緯創も、高い液晶テレビ設計

能力を武器にシェアを伸ばしているほか、トルコの Vestel は欧州市場向けでシェアを拡

大、EMS 大手のフレクトロニクス(Flextronics)及びジェイビル(Jabil)も液晶テレ

ビの OEM 事業を拡張している。

一方、主要ブランドメーカーの OEM 比率は、フィリップス及び東芝が既に 50%以上、ソ

ニーも 50%近くまで拡大している。来年は世界の液晶テレビの OEM 比率が 40%を突破す

ると見られている。

一方、OEM メーカーにとっては、利益率が 3%未満の薄利多売事業である液晶テレビ OEM

事業で収益を上げていくには、生産規模の確保及びそれに伴うスケールメリット享受が

不可欠となっており、冠捷及び鴻海富士康が新たな M&A を模索する可能性が高いと見ら

れている。また、バックライトの LED 化、関税回避のための消費地現地での生産拠点設

立、それぞれの国・地域の規格に合った設計開発能力の向上などもシェア拡大のための

重要なファクターになっているという。

【携帯電話】今年 3Q スマートフォン世界出荷 7700 万台、前年比 8割増

2010-10-26 中国半導体産業協会

市場調査機関 StrategyAnalytics 最新報告によると、今年 7-9 月の世界のスマートフォ

ン(Smartphone)販売台数は7700万台に達し、前年同期比78%増の驚異的伸びを示した。

出荷シェア上位 3位は、上位からノキアが 34.4%、アップルが 18%、RIM が 16.1%だっ

た。RIM のシェアは、アップル iPhone 4/iPad 及び Android 陣営の台頭により 20%から

16%に 4ポイント低下した。

【携帯電話】中興、クアルコムなど米国5社から30億米ドル相当チップ調達

2010-10-26 中国 PCB 産業協会

世界シェア第 5 位の携帯電話メーカーである中興通訊(ZTE)は、米国市場で Verizon

を通じて既に 2機種の販売を開始しているが、米国市場でのプレゼンス拡大の一環で、

クアルコム(Qualcom)、テキサスインスツルメンツ(TI)、フリースケール(Freescale)、

Altera、ブロードコム(Broadcom)から 3年間で 30 億米ドル相当の半導体チップを調達

することを明らかにした。

また、安全保障の観点から、米国政府が通信インフラ設備で中国メーカーの設備を導入

することに根強い懸念を抱いていることについては、中興通訊ソリューション部門総裁

の Bruce Reisenauer 氏は、中興通訊はこれまでに米国メーカーから累計 40 億米ドルを

超える技術及び設備を購入している、今後 3年間で新たに 20 億米ドルを超える技術及び

設備を購入する計画、米国企業にこれだけのベネフィットを払っていることを考慮すれ

ば、米国政府が中興に対して米国国内での通信インフラ設備入札に参画できる資格を付

与するのが当然との考えを示している。

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2010 年 10 月号

【太陽電池】賽維 LDK、比亜迪から 3億米ドル多結晶シリコンウエハ受注

新浪 2010/10/26

中国地場最大の太陽電池用シリコンウエハメーカー、江西賽維 LDK は、中国地場の充電

池及び自動車メーカーである比亜迪(BYD)と、総額 3億米ドル、期間 2年間の多結晶シリ

コンウエハ供給契約を締結したことを明らかにした。来年 1月から出荷を開始する予定。

賽維 LDK は既に契約の保証金を受領済みとしている。

【太陽電池】中国政府、多結晶シリコン産業投資に過熱傾向見られると

2010-10-26 中国半導体産業協会

中国工業情報化省電子情報司副司長の刁石京氏は、福建省福州市で開催されている第 7

回海峡両岸情報産業技術標準フォーラムで、中国国内の太陽電池用多結晶シリコン産業

に投資過熱の傾向が見られるとの見方を示した。

同省の調査によると、中国国内の多結晶シリコン産業の計画投資総額は 1340 億元で、既

に実行された投資額は 470 億元、既に完成している事業の年産能力は 4万トン余り、今

後建設が予定されている事業の年産能力は 6万トン余りとされている。

同氏によると、今後建設される事業の稼働時期が同一時期に集中すれば、間違いなく生

産過剰を招く見通しで、政府としては複数事業の稼働時期が重ならないよう指導してい

く必要があるとの見方を示している。

また、中国の太陽電池産業が出荷量の 90%以上を海外市場に依存していることに言及し

て、今後世界で保護主義が台頭してくれば、余剰設備が一気に拡大する危険があるとも

指摘している。

中国工業情報化省の統計によると、中国国内の多結晶シリコン年産量は 2万トン、太陽

電池原材料の自給率は 50%に達しているが、200 社近くの多結晶シリコン企業がひしめ

き合っているのが実情で統合再編が必要となっている。

【パソコン】鴻海、来年のノートパソコン ODM市場でシェア 3 位以内に躍進か

2010-10-25 中国 PCB 産業協会

台湾当局傘下のシンクタンク、台湾資策会の研究報告によると、タブレット型パソコン

を含まないベースでは、来年のノートパソコン ODM メーカーの出荷量シェア順位は今年

同様、広達(Quanta)、仁宝(Compal)、緯創(Wistron)、英業達(Inventec)となるも

のの、アップル iPad ブームに象徴されるタブレット型パソコン市場を含めたベースでの

ノートパソコン ODM メーカーの出荷量シェア順位は大きく変動する可能性があり、アッ

プル iPad の ODM を独占している鴻海(Foxconn)が出荷量シェア順位で第 3 位の緯創

(Wistron)に代わって第 3位となる見通しを明らかにした。

また、来年の世界のポータブルパソコン(ノート型、Netbook、タブレット型を含む)のブ

ランドメーカーの出荷量シェア順位については、今年は上位 3 社が HP、宏碁(Acer)、

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2010 年 10 月号

Dell で変わらないものの、来年はアップルが宏碁及び Dell を押さえて世界第 2 位にな

る可能性が高いとしている。

台湾資策会は、来年の世界のタブレット型パソコンの出荷量は 3480 万台、うちアップル

iPad が全体の 8割を占めると見ており、鴻海の来年のノートパソコン ODM 出荷量シェア

は 18%に達する可能性もあると予測している。

【PCB】南亜電路板、インテルCPUフリップチップ基板供給量シェア目標30%

2010-10-26 中国 PCB 産業協会

IC チップ搭載基板大手の南亜電路板(Nan Ya)は、毎年開催されている TPCA プリント

配線基板展示会で、初めて全製造工程を受託したインテル向け CPU フリップチップ基板

を展示、今後の歩留まり改善により、来年はインテル CPU フリップチップ基板の供給シ

ェア 30%を目指すことを明らかにした。

南亜電路板は、今年 7月に正式にインテルからマイクロプロセッサフリップチップ(FC)

(基板)全製造プロセス認証を取得、既に少量生産を開始しているが、歩留まりが量産

基準に達していないことから量産を開始できない状況にある。そのため、南亜電路板の

インテル向け CPU フリップチップ基板の生産量は、インテルの総調達量の 4-5%を占め

るにとどまっており、世界の 2 大 CPU フリップチップ基板メーカーであるイビデン

(Ibiden)及び新光電気(Shinko)の生産量に比べると依然として大きな開きが存在してい

る。イビデン及び新光電気のインテル向け CPU フリップチップ基板の供給量シェアは合

計で 85%、三星電機(SEMCO)の同シェアは 10%であるので、イビデン、新光電気、三

星電機、南亜電路板でインテルの CPU フリップチップ基板ほぼ全て生産していることに

なる。

南亜電路板は、今後歩留まりが徐々に上昇してくる見通しで、それに伴って受注量も拡

大していくとしており、来年の売上高には相当反映できるとしている。また、来年通年

ではイビデン、新光電気とインテル CPU フリップチップ基板市場を三分することを目指

すことを明らかにした。

南亜電路板は、日本特殊陶業(NGK)がインテル CPU 用フリップチップ基板事業から撤退

したことから、日本特殊陶業向けに前工程プロセスを行っていた南亜電路板が日本特殊

陶業に代わって後工程を行うこととなり、後工程設備の導入・試験運転を経て今年 7月

にインテルから全製造プロセスの認証を取得している。

インテルは昨年 9月に 32 ナノ技術の Westmere CPU を投入、今年の主力製品となってい

るが、この Westmere は CPU とノースブリッジチップを統合したもので、基板上に相当数

のチップレジスタ及びチップキャパシタを組み込んでいる。また、インテルの CPU フリ

ップチップ基板は層数が 10-14 層に達していることから、IC チップ搭載基板メーカーに

とっては相当数の生産ラインをフリップチップ用に割り当てる必要があり、負担が大き

過ぎるともいわれている。

今年 10-12 月の見通しについては、南亜電路板は、パソコン市場が依然として低調だが、

7-9 月に比べると改善することを予想、またゲーム機やタブレット型パソコンについて

は旺盛な需要が続いているため、稼働率は 7-9 月の 85%前後から 90%以上に上昇すると

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2010 年 10 月号

の見方を示した。また、スマートフォン用ワイヤーボンディング CSP 基板の需要が引き

続き好調で、ワイヤーボンディング CSP 基板生産ラインの稼働率は 90%以上の高水準で

推移しているという。ただ、製品出荷価格の下落、原材料価格の高騰、為替変動の影響

などにより、10-12 月の売上高は 7-9 月比横ばいとなる可能性が高いとしている。

【半導体】インテル、大連チップ工場 Fab68 稼働 上海から実装機能移管

2010-10-26 中国半導体産業協会

インテルは 10 月 26 日、中国大連市に建設していたチップ工場、Fab68 を正式に稼働さ

せたことを発表した。また、大連チップ工場には、上海から既に実装検査機能が移管さ

れていることが明らかになった。

インテルによると、新工場は 65 ナノ技術を用いてノートパソコン、高性能デスクトップ

パソコン、高性能サーバ向けチップセットを生産する。

【半導体】台積電/聯電、国慶節商戦好調受けて 4Q売上高上方修正

2010-10-26 中国半導体産業協会

半導体ファウンドリ大手の台積電(TSMC)、聯電(UMC)は、10-12 月の売上高見通しに

ついて、タブレット型パソコン、スマートフォンがノート型パソコン及び従来型携帯電

話の需要を浸食するとの見通しから、7-9 月比 10%減を予想していたが、中国国内の国

慶節商戦のノート型パソコン及び従来型携帯電話の販売が予想以上に好調であったこと

から、7-9 月比減少幅は 5%未満に収まるとの見方を明らかにした。

【電池】中国車用リチウム電池需要 2012 年 80億 Wh 生産拡大急務

2010/10/22 中国証券報

中国国家ハイテク研究開発計画動力電池測定試験センター主任の王子冬氏は、上海で開

催された新エネルギー自動車フォーラムで、中国政府の新エネルギー自動車計画が実行

されれば、2012 年の自動車用動力リチウム電池需要は 80 億 Wh を超えるとの見通しを示

し、中国国内の動力用リチウム電池の生産能力を拡大するとともに、製品の品質を確保

することが急務となっているとの見方を明らかにした。

中国政府の新エネルギー自動車計画とは、2012 年に、ハイブリッド自動車保有量を 50

万台、そのうち電池挿入式ハイブリッド自動車保有量 15 万台とするもので、1台当たり

のリチウム電池容量を平均 5kWh として計算すると、年間需要は 25 億 Wh、また同年の

100%電気自動車保有量を 10 万台としていることから、バス 1台当たりのリチウム電池

容量 160kWh、小型車 1 台当たりのリチウム電池容量 30kWh、小型車とバスの比率を 5:1

として計算すると、年間需要は 56 億 Wh となり、両者を合計すると年間のリチウム電池

需要が 80 億 Wh に達すると見られている。

一方、中国国家 863 動力電池測定試験センターの統計及び試算によると、2009 年の中国

国内で自動車用動力電池を生産する企業は数十社に上るが、高品質製品を生産できる企

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2010 年 10 月号

業は比亜迪、天津力神、杭州万向、哈爾濱中強など 10 社しかないこと、また中国国内の

動力電池総生産能力は 13 億 Wh にとどまっていることから、生産能力の拡大及び品質の

向上が急務となっている。

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