igas report 1 110917

2
Copyright © 2011 Yasuo Miyamoto / Value Machine International Inc., All Rights Reserved. IGAS2011 が開幕 9 月 16 日、東京ビックサむトにお IGAS2011 が開幕し た。 IGAS は䞖界 4 倧印刷機材展の䞀角を担う囜際芋本 垂であり、drupaドむツ、Printアメリカ、IPEXむ ギリス、IGAS東京の順で開催されおいる。぀たり IGAS は 4 幎に䞀床、drupa の前幎に開催されおいるもの である。 4 倧印刷機材展の䞭でも最倧の芏暡を誇る drupa は、 印刷関連機噚メヌカヌの新技術、新補品を発衚する堎 ずしおの䜍眮付けであり、その埌の業界動向を占うもの ずされおきた。drupa の 3 幎埌、次回 drupa の前幎に行 われる IGAS は、前回 drupaにで出展された流れの最終 的な補品発衚ずなり、ほずんどのメヌカヌが商甚化され た補品を展瀺する。そのため、IGAS では新技術が発衚 される機䌚が少ないずいうのが実情である。 本幎は、残念ながら倧幅にその出展芏暡を瞮小し、 出展は 327 瀟、2,740 小間の芏暡に留たった。東京ビッ クサむトの東通のみを利甚しおの開催ずなっおいる。印 刷垂堎の瞮小、経枈環境の悪化や東日本倧震灜の圱響 など、こうした動きには様々な背景があるものの、囜際 印刷機材展に manroland や䞉菱重工業などの倧手印刷 機噚メヌカヌが出展を䞭止するのは異䟋である。埓来 のように、機䌚工業䌚の傘の䞋で、皆で䞀䞞ずなっおス ロヌガンを掲げお進むずいった護送船団の有り様を続 けおいくこずは困難な状況になっおいるのではなかろう か。どのメヌカヌも自瀟が生き残るだけで粟䞀杯なの だずいう印象を匷く受ける。 こうした流れは、ここ数幎のメヌカヌ間の買収、合䜵 や提携関係の構築などによる業界再線の流れにも倚く 芋られる。敵察的買収ずたでは蚀わないが、他瀟技術 を買収するこずにより自瀟に取り蟌み、総合メヌカヌずし お生き残りを図るずいう動きに繋がっおいるものず芋え る。買収される偎も同様であり、瀟名やブランド名は消 滅する可胜性があるが、技術は将来に残る可胜性を秘 めおおり、生き残りのための䞀぀の手段ずも蚀えるであ ろう。 様々な動きの䞭で、今埌印刷機材展がどういった方 向を求めおいくのかずいう点でも、 IGAS2011 は倧倉興味 深い展瀺䌚ずなっおいるのではないだろうか IGAS2011 のトレンド むンクゞェット drupa ず呌ばれた drupa2008 から 3 幎が 経過し、デゞタル印刷関連の新機皮は倚様な圢で進化 を続けおきた。特にむンクゞェット技術の進展は目芚し い。デゞタル印刷、オフセット印刷、埌加工などそれそ れの分野でのトレンドを芋おみた。 デゞタル印刷むンクゞェットの動向ず出展抂芁 デゞタル印刷においおは、やはりむンクゞェット技術の 進展が目芚しい。高速連垳むンクゞェット印刷機の出展 が倚くのメヌカヌから行われ、展瀺䌚期間䞭に、囜内 新発衚、新発売ずいった蚘者発衚も実斜された。高速 連垳むンクゞェット印刷機の䞻な甚途ずしおは、フルカラ ヌ印刷モデルずしお、玙媒䜓ぞの印刷により、ビゞネス フォヌム垂堎におけるデヌタプリントやダむレクトメヌル などが、モノクロ印刷モデルずしおは出版、新聞印刷垂 堎などぞの本栌的な利甚が瀺され、デゞタル印刷技術 の幅広い甚途可胜性が瀺されたものずいえる。囜内新 発売ずしお発衚されたのは、コダックのProsper 1000 Press、 ヒュヌレット・パッカヌドの Color Inkjet Web Press シリヌ ズの 2 機皮がある。たた、実機ずしお出展されたのは、 富 士 ã‚Œ ロ ッ ク ス の 2800 Inkjet Color Continuous Feed Printing System実機初出展、ミダコシ MJP20E同、 キダノンの Oce ColorStream3500同、倧日本スクリヌ ン補造 Truepress Jet520EX モノクロモデルなどがある。た た、これら以倖にも、実機の出展は芋送られたが、東 京機械補䜜所 JET LEADER1500、倧日本スクリヌン補造 Truepress Jet520ZZ などがラむンナップされおいる。䞭で も東京機械補䜜所の JET LEADER1500 は、本栌的に新 聞印刷垂堎をタヌゲットずしたむンクゞェットずしお興味 深い。䞭小印刷䌚瀟にずっおはあたりにも倧型で高䟡な 機皮ではあるが、各皮印刷垂堎ぞのむンクゞェット技術 の参入を感じるこずは重芁である。 たた、むンクゞェット技術の持぀数々の柔軟性、䟋え ば印刷媒䜓に察しお非接觊で印字ができるこずや、染料 系、顔料系、UV 硬化むンクなど倚様なむンクを利甚で きる特城などにより、単玔な癜玙ぞの印刷以倖に倧きく 垂堎拡倧しおいる点も芋逃すこずはできない。パッケヌ ゞ軟包装材印刷向け、シヌル・ラベル印刷向け、 スキャン型ヘッドを利甚したサむン・ディスプレむ向けな どにも様々な機皮が登堎した。パッケヌゞ印刷向けでは AGFA の:Dotrix Modular、ミダコシの MJP20E実機初出 展が、シヌル・ラベル印刷向けでは、志機の PicoJet 実機初出展、岩厎通信機 LabelMeister EM-250Aリ ンテックブヌスに出展、゚プ゜ン SurePress L-4033A、 EFI Jetrion4000 シリヌズテむクブヌスで玹介、方正 の L-1000パネル展瀺のみなどが出展された。さら に、サむン・ディスプレむ向けでは、AGFA :Anapurna Mw やヒュヌレット・パッカヌド HP Scitex LX850 を筆頭に倧 刀むンクゞェットプリンタが数倚く出展されおいる。さらに 写真垂堎向けのキダノンDreamLabo5000実機初出展、 2 色高速枚葉印刷機である Duplo DIJ-200 など幅広く玹 介されおいる。 菊半裁サむズをも぀商業印刷垂堎向け枚葉むンクゞ ェット印刷機ずしお泚目を集めおいるのが、2008 幎の drupa にお参考出展された富士フむルム Jet Press 520、倧 日本スクリヌン補造 Truepress JetSX の 2 機皮である。参 考出展から 3 幎䜙り、今回は発売ずいうアナりンスが聞 けるこずも期埅されたが、残念ながら䞡機ずも近日発売 ずいうアナりンスであった。新しい垂堎に向けた新補品 の開発ずはこれほどにも難しいものだず改めお認識させ られる結果ずなった。 デゞタル印刷電子写真方匏の動向ず出展抂芁 䞀方、電子写真方匏のデゞタル印刷機は技術ずしお 成熟した感がある。新発衚されたのはコダックの NexPress SX シリヌズのみであり、これ以倖は埓来のラむ ンナップで各瀟より出展が行われおいる。ハむ゚ンドモ デルではヒュヌレット・パッカヌド、コダック、富士れロ ックス、ザむコン光文堂ブヌスでの出展の 4 瀟であ る。ヒュヌレット・パッカヌドは、液䜓電子写真方匏液 䜓トナヌの利甚の HP Indigo シリヌズ珟行モデルを党 お実機展瀺した。枚葉モデルでは最䞊䜍機皮の HP Indigo 7500 から 5500、3550 の 3 機皮を、茪転モデルで はラベル印刷、軟包装材印刷のデモを片面機の ws6000 にお実斜、さらに䞡面モデルの w7200 はプラむミングナ ニットを接続した構成でダむレクトメヌルなど印刷が行 われた。コダックは今回 NexPressシリヌズの最新モデル である SX シリヌズを囜内で始めお出展した。SX シリヌ ズはトナヌの埮粒子化やラむトブラックトナヌの採甚に より、これたで以䞊に高粟现で衚珟力を高めるずずもに、 オプションで 660mm 長たでの甚玙の印刷が可胜ずなり、 片芳音など A3 寞䌞びサむズのデゞタル印刷機では印 刷できなかった圢にも察応可胜ずなっおいる。最䞊䜍モ デルである NexPress SX Photoを実機展瀺した。たた、富 士れロックスは Color 1000 Press を、ザむコンゞャパンは XEIKON 3500 を光文堂ブヌスに出展しおいる。XEIKON 3500 は電子写真方匏では異色の茪転方匏を採甚しおお り、片面印刷機ずしおシヌル・ラベル印刷やパッケヌゞ 印刷に察応したモデルである。 たた、ミドルレンゞでは、ここ 45幎におけるミドルレ ンゞでの各プリンタメヌカヌの動きには非垞に掻発なも のがある。ミドルレンゞモデルは埓来、毎分 100 ペヌゞ 以䞊を出力するハむ゚ンドモデルに察する廉䟡版モデ ルずしお䜍眮付けられ、たた゚ントリヌモデルずしお䜎投 資での垂堎参入を実珟可胜な機皮しお認識されおいた モデルである。しかしながら近幎は、䜎䟡栌でありなが ら、その品質、性胜面でも非垞に高く、生産機ずしお利 甚可胜な本来の意味でのプロダクション機ずなっおいる。 このクラスは各瀟の動きも掻発であり、キダノン imagePRESS C7010VP、富士れロックス 700 Digital Color PressIGAS での出展はなし、コニカミノルタ bizhub PRESS C7000/8000、リコヌRICOH Pro C751EX などが、 ナヌザの掻甚事䟋、サンプルずずもに玹介されおいる。 オフセット印刷技術の動向ず出展抂芁 オフセット印刷機では、UV 印刷機が出展の䞭心ずな った。デゞタル印刷機が普及を続ける䞭、オフセット印 刷技術は、いかにしお短玍期、小ロットを実珟し、より 効率な印刷を行えるかをテヌマに技術開発が行われお きた。近幎では油性むンキの也燥時間を短瞮する目的で の UV むンキの利甚、ゞョブ間の版換え時間を短瞮する ためのダむレクトドラむブ方匏などの発衚が行われおき た。今回は小森コヌポレヌションブヌスにお印刷機が 5 台、ハむデルベルグブヌスに1台の出展が行われたが、 やはり䞭心ずなっおいるのは UV 印刷機である。 UV むンキを利甚するこずで速也印刷は可胜なものの、埓来 の UV ランプは消費電力が高いずいう課題から、近幎は 発光ダむオヌドLEDによりむンキを硬化させる LED-UV 方匏の提案が行われおきた。しかしながら、LED は消 費電力は䜎いものの装眮䟡栌は高く、さらに UV ランプ よりも゚ネルギヌが小さいために、LED で硬化させるに は高䟡な LED 専甚の高感床 UV むンキを利甚しなくおは ならなかった。こうした課題に応えおいるのが倧手 2 瀟 の印刷機メヌカヌである。 小森コヌポレヌションは、䜎消費電力型の UV ランプ ず高感床 UV むンキを組み合わせた H-UVHybrid UV システムず印刷機の自動化システムの組み合わせにより、 小ロット、短玍期を実珟する。同瀟ではこれをオフセッ トオンデマンドコンセプトず称し、IGAS では商業印刷向 け、厚玙印刷によるパッケヌゞ向け印刷機の出展が行 われおいる。たた同瀟では極小ロット向けにコニカミノ ルタ bizhubPRESS C8000、校正甚途に EPSON PX-H9000 むンクゞェットプリンタ、埌加工システムにホリゟンずの販 売提携を行っおおり、オフセットオンデマンドコンセプト を印刷䌁業にトヌタルに提案するためにトヌタル゜リュ ヌションずしお提䟛する。 ハむデルベルグでは、LE-UVLow Energy UVシス 第1号 2011 幎 9 月 19 日発行 オヌプニング・トレンド・デゞタル印刷機の新発衚

Upload: others

Post on 02-Oct-2021

4 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: IGAS Report 1 110917

Copyright © 2011 Yasuo Miyamoto / Value Machine International Inc., All Rights Reserved.

IGAS2011 が開幕 9 月 16 日、東京ビックサむトにお IGAS2011 が開幕し

た。IGAS は䞖界 4 倧印刷機材展の䞀角を担う囜際芋本

垂であり、drupaドむツ、Printアメリカ、IPEXむ

ギリス、IGAS東京の順で開催されおいる。぀たり

IGAS は 4 幎に䞀床、drupa の前幎に開催されおいるもの

である。

4 倧印刷機材展の䞭でも最倧の芏暡を誇る drupa は、

印刷関連機噚メヌカヌの新技術、新補品を発衚する堎

ずしおの䜍眮付けであり、その埌の業界動向を占うもの

ずされおきた。drupa の 3 幎埌、次回 drupa の前幎に行

われる IGAS は、前回 drupa にで出展された流れの最終

的な補品発衚ずなり、ほずんどのメヌカヌが商甚化され

た補品を展瀺する。そのため、IGAS では新技術が発衚

される機䌚が少ないずいうのが実情である。

本幎は、残念ながら倧幅にその出展芏暡を瞮小し、

出展は 327 瀟、2,740 小間の芏暡に留たった。東京ビッ

クサむトの東通のみを利甚しおの開催ずなっおいる。印

刷垂堎の瞮小、経枈環境の悪化や東日本倧震灜の圱響

など、こうした動きには様々な背景があるものの、囜際

印刷機材展に manroland や䞉菱重工業などの倧手印刷

機噚メヌカヌが出展を䞭止するのは異䟋である。埓来

のように、機䌚工業䌚の傘の䞋で、皆で䞀䞞ずなっおス

ロヌガンを掲げお進むずいった護送船団の有り様を続

けおいくこずは困難な状況になっおいるのではなかろう

か。どのメヌカヌも自瀟が生き残るだけで粟䞀杯なの

だずいう印象を匷く受ける。

こうした流れは、ここ数幎のメヌカヌ間の買収、合䜵

や提携関係の構築などによる業界再線の流れにも倚く

芋られる。敵察的買収ずたでは蚀わないが、他瀟技術

を買収するこずにより自瀟に取り蟌み、総合メヌカヌずし

お生き残りを図るずいう動きに繋がっおいるものず芋え

る。買収される偎も同様であり、瀟名やブランド名は消

滅する可胜性があるが、技術は将来に残る可胜性を秘

めおおり、生き残りのための䞀぀の手段ずも蚀えるであ

ろう。

様々な動きの䞭で、今埌印刷機材展がどういった方

向を求めおいくのかずいう点でも、IGAS2011 は倧倉興味

深い展瀺䌚ずなっおいるのではないだろうか

IGAS2011 のトレンド むンクゞェット drupa ず呌ばれた drupa2008 から 3 幎が

経過し、デゞタル印刷関連の新機皮は倚様な圢で進化

を続けおきた。特にむンクゞェット技術の進展は目芚し

い。デゞタル印刷、オフセット印刷、埌加工などそれそ

れの分野でのトレンドを芋おみた。

デゞタル印刷むンクゞェットの動向ず出展抂芁

デゞタル印刷においおは、やはりむンクゞェット技術の

進展が目芚しい。高速連垳むンクゞェット印刷機の出展

が倚くのメヌカヌから行われ、展瀺䌚期間䞭に、囜内

新発衚、新発売ずいった蚘者発衚も実斜された。高速

連垳むンクゞェット印刷機の䞻な甚途ずしおは、フルカラ

ヌ印刷モデルずしお、玙媒䜓ぞの印刷により、ビゞネス

フォヌム垂堎におけるデヌタプリントやダむレクトメヌル

などが、モノクロ印刷モデルずしおは出版、新聞印刷垂

堎などぞの本栌的な利甚が瀺され、デゞタル印刷技術

の幅広い甚途可胜性が瀺されたものずいえる。囜内新

発売ずしお発衚されたのは、コダックの Prosper 1000 Press、

ヒュヌレット・パッカヌドの Color Inkjet Web Press シリヌ

ズの 2 機皮がある。たた、実機ずしお出展されたのは、

富 士 ã‚Œ ロッ ク ス の 2800 Inkjet Color Continuous Feed

Printing System実機初出展、ミダコシ MJP20E同、

キダノンの Oce ColorStream3500同、倧日本スクリヌ

ン補造 Truepress Jet520EX モノクロモデルなどがある。た

た、これら以倖にも、実機の出展は芋送られたが、東

京機械補䜜所 JET LEADER1500、倧日本スクリヌン補造

Truepress Jet520ZZ などがラむンナップされおいる。䞭で

も東京機械補䜜所の JET LEADER1500 は、本栌的に新

聞印刷垂堎をタヌゲットずしたむンクゞェットずしお興味

深い。䞭小印刷䌚瀟にずっおはあたりにも倧型で高䟡な

機皮ではあるが、各皮印刷垂堎ぞのむンクゞェット技術

の参入を感じるこずは重芁である。

たた、むンクゞェット技術の持぀数々の柔軟性、䟋え

ば印刷媒䜓に察しお非接觊で印字ができるこずや、染料

系、顔料系、UV 硬化むンクなど倚様なむンクを利甚で

きる特城などにより、単玔な癜玙ぞの印刷以倖に倧きく

垂堎拡倧しおいる点も芋逃すこずはできない。パッケヌ

ゞ軟包装材印刷向け、シヌル・ラベル印刷向け、

スキャン型ヘッドを利甚したサむン・ディスプレむ向けな

どにも様々な機皮が登堎した。パッケヌゞ印刷向けでは

AGFA の:Dotrix Modular、ミダコシの MJP20E実機初出

展が、シヌル・ラベル印刷向けでは、志機の PicoJet

実機初出展、岩厎通信機 LabelMeister EM-250Aリ

ンテックブヌスに出展、゚プ゜ン SurePress L-4033A、

EFI Jetrion4000 シリヌズテむクブヌスで玹介、方正

の L-1000パネル展瀺のみなどが出展された。さら

に、サむン・ディスプレむ向けでは、AGFA :Anapurna Mw

やヒュヌレット・パッカヌド HP Scitex LX850 を筆頭に倧

刀むンクゞェットプリンタが数倚く出展されおいる。さらに

写真垂堎向けのキダノン DreamLabo5000実機初出展、

2 色高速枚葉印刷機である Duplo DIJ-200 など幅広く玹

介されおいる。

菊半裁サむズをも぀商業印刷垂堎向け枚葉むンクゞ

ェット印刷機ずしお泚目を集めおいるのが、2008 幎の

drupa にお参考出展された富士フむルム Jet Press 520、倧

日本スクリヌン補造 Truepress JetSX の 2 機皮である。参

考出展から 3 幎䜙り、今回は発売ずいうアナりンスが聞

けるこずも期埅されたが、残念ながら䞡機ずも近日発売

ずいうアナりンスであった。新しい垂堎に向けた新補品

の開発ずはこれほどにも難しいものだず改めお認識させ

られる結果ずなった。

デゞタル印刷電子写真方匏の動向ず出展抂芁

䞀方、電子写真方匏のデゞタル印刷機は技術ずしお

成熟し た感 がある 。新 発衚 され た のはコダッ ク の

NexPress SX シリヌズのみであり、これ以倖は埓来のラむ

ンナップで各瀟より出展が行われおいる。ハむ゚ンドモ

デルではヒュヌレット・パッカヌド、コダック、富士れロ

ックス、ザむコン光文堂ブヌスでの出展の 4 瀟であ

る。ヒュヌレット・パッカヌドは、液䜓電子写真方匏液

䜓トナヌの利甚の HP Indigo シリヌズ珟行モデルを党

お実機展瀺した。枚葉モデルでは最䞊䜍機皮の HP

Indigo 7500 から 5500、3550 の 3 機皮を、茪転モデルで

はラベル印刷、軟包装材印刷のデモを片面機の ws6000

にお実斜、さらに䞡面モデルの w7200 はプラむミングナ

ニットを接続した構成でダむレクトメヌルなど印刷が行

われた。コダックは今回 NexPress シリヌズの最新モデル

である SX シリヌズを囜内で始めお出展した。SX シリヌ

ズはトナヌの埮粒子化やラむトブラックトナヌの採甚に

より、これたで以䞊に高粟现で衚珟力を高めるずずもに、

オプションで 660mm 長たでの甚玙の印刷が可胜ずなり、

片芳音など A3 寞䌞びサむズのデゞタル印刷機では印

刷できなかった圢にも察応可胜ずなっおいる。最䞊䜍モ

デルである NexPress SX Photo を実機展瀺した。たた、富

士れロックスは Color 1000 Press を、ザむコンゞャパンは

XEIKON 3500 を光文堂ブヌスに出展しおいる。XEIKON

3500 は電子写真方匏では異色の茪転方匏を採甚しおお

り、片面印刷機ずしおシヌル・ラベル印刷やパッケヌゞ

印刷に察応したモデルである。

たた、ミドルレンゞでは、ここ 45 幎におけるミドルレ

ンゞでの各プリンタメヌカヌの動きには非垞に掻発なも

のがある。ミドルレンゞモデルは埓来、毎分 100 ペヌゞ

以䞊を出力するハむ゚ンドモデルに察する廉䟡版モデ

ルずしお䜍眮付けられ、たた゚ントリヌモデルずしお䜎投

資での垂堎参入を実珟可胜な機皮しお認識されおいた

モデルである。しかしながら近幎は、䜎䟡栌でありなが

ら、その品質、性胜面でも非垞に高く、生産機ずしお利

甚可胜な本来の意味でのプロダクション機ずなっおいる。

こ の ク ラ ス は 各 瀟 の 動 き も 掻 発 で あ り 、 キ ダ ノ ン

imagePRESS C7010VP、富士れロックス 700 Digital Color

PressIGAS での出展はなし、コニカミノルタ bizhub

PRESS C7000/8000、リコヌRICOH Pro C751EX などが、

ナヌザの掻甚事䟋、サンプルずずもに玹介されおいる。

オフセット印刷技術の動向ず出展抂芁

オフセット印刷機では、UV 印刷機が出展の䞭心ずな

った。デゞタル印刷機が普及を続ける䞭、オフセット印

刷技術は、いかにしお短玍期、小ロットを実珟し、より

効率な印刷を行えるかをテヌマに技術開発が行われお

きた。近幎では油性むンキの也燥時間を短瞮する目的で

の UV むンキの利甚、ゞョブ間の版換え時間を短瞮する

ためのダむレクトドラむブ方匏などの発衚が行われおき

た。今回は小森コヌポレヌションブヌスにお印刷機が 5

台、ハむデルベルグブヌスに 1 台の出展が行われたが、

やはり䞭心ずなっおいるのは UV 印刷機である。 UV

むンキを利甚するこずで速也印刷は可胜なものの、埓来

の UV ランプは消費電力が高いずいう課題から、近幎は

発光ダむオヌドLEDによりむンキを硬化させる LED-UV

方匏の提案が行われおきた。しかしながら、LED は消

費電力は䜎いものの装眮䟡栌は高く、さらに UV ランプ

よりも゚ネルギヌが小さいために、LED で硬化させるに

は高䟡な LED 専甚の高感床 UV むンキを利甚しなくおは

ならなかった。こうした課題に応えおいるのが倧手 2 瀟

の印刷機メヌカヌである。

小森コヌポレヌションは、䜎消費電力型の UV ランプ

ず高感床 UV むンキを組み合わせた H-UVHybrid UV

システムず印刷機の自動化システムの組み合わせにより、

小ロット、短玍期を実珟する。同瀟ではこれをオフセッ

トオンデマンドコンセプトず称し、IGAS では商業印刷向

け、厚玙印刷によるパッケヌゞ向け印刷機の出展が行

われおいる。たた同瀟では極小ロット向けにコニカミノ

ルタ bizhubPRESS C8000、校正甚途に EPSON PX-H9000

むンクゞェットプリンタ、埌加工システムにホリゟンずの販

売提携を行っおおり、オフセットオンデマンドコンセプト

を印刷䌁業にトヌタルに提案するためにトヌタル゜リュ

ヌションずしお提䟛する。

ハむデルベルグでは、LE-UVLow Energy UVシス

第 1 号 2011 幎 9 月 19 日発行

オヌプニング・トレンド・デゞタル印刷機の新発衚

Page 2: IGAS Report 1 110917

Copyright © 2011 Yasuo Miyamoto / Value Machine International Inc., All Rights Reserved.

テムず呌ぶ䜎消費電力型の UV ランプを利甚する。同瀟

のランプはむンバヌタ制埡を行うこずで、80200W たで

光量を可倉させるこずができ、高感床 UV むンキから䞀

般の UV むンキたでを幅広く利甚可胜ずなっおいる。たた、

パッケヌゞ甚途向けの型抜き機バリマトリックス 105 を

同瀟ワヌクフロヌシステム Prinect からの制埡で利甚する

デモや、Anicolor むンキングシステムに UV むンキを採甚

し、損玙削枛、速也印刷を提案しおいる。

オフセット印刷技術はこれたで、倧量印刷ぞのための

仕組みであり、デゞタル印刷機ず察抗するものずしお䜍

眮付けられおきたが、様々な自動化や効率化により、小

ロット、倚品皮ぞの察応に道筋が付けられおきた感があ

る。今埌たすたすオフセット印刷機ずデゞタル印刷機をど

のように利甚しおいくべきか、あくたで技術的な芳点で

はあるが難しい局面に入っおくるのではないだろうか。

たた CTP では、珟像レスプレヌトずしお AGFA の:Azura

が倧きく出展された。完党珟像レスプレヌトずしお囜内

90%以䞊のシェアず 300 瀟以䞊で利甚されおいる。これ

たで課題であったプロセススピヌドに぀いおも、レコヌ

ダヌずしおの:Avalon N8-80XT を新発衚し、通垞版で時

間 67 版、:Azura で時間 44 版を出力可胜ずなる。ガム掗

浄に぀いおは、来幎 drupa2012 においお:Azura Ultima 125

が出展されるこずを発衚した。こちらも珟行の 1.5 倍皋床

の凊理速床を誇り、ハむボリュヌムナヌザにも利甚可胜

なスペックずなる予定である。

プリプレスワヌクフロヌの動向ず出展抂芁

プリプレスメヌカヌず呌ばれるのは、倧日本スクリヌ

ン補造、AGFA、コダック、富士フむルム、ハむデルベ

ルグの 5 瀟ずなるでしょうか。各瀟のシステムずも RIP

サヌバからスタヌトし、近幎ではワヌクフロヌコントロ

ヌル、カラヌマネゞメント、Web to Print などの受発泚機

胜を远加するこずで統合型プリプレスワヌクフロヌずし

お進化を続けおきた。

今回の IGAS におポむントずなる機胜は面付けであろ

う。AGFA の:Apogee は出力時に出力機に合わせた面付

けを自動で行う機胜を远加しおいる。倚くの印刷䌚瀟で

出力時に印刷機を倉曎しなくおはならない局面が出る

が、:Apogee ではあらかじめ保有印刷機の情報をプリセ

ットしおおけば、出力時に瞬時に倉曎が可胜、面付け

蚭定からコントロヌルストリップの入れ替え、䜍眮倉えな

ども自動で行うこずが可胜である。たた今回倚くのメヌカ

ヌがサポヌトを行ったのが、ギャンギング機胜である。

ギャンギングずは付け合せのこずを指しおおり、耇数の

ゞョブを 1 ぀の刷版の䞊に付け合せるこずで効率的な印

刷を行うこずが可胜ずなる。さらにハむデルベルグの

Prinect では、付け合せにより入り組んだ印刷玙面䞊をど

の順番にどのように断裁しおいくかずいった凊理たでが

自動的に指定される。

面付け以倖の機胜ずしおは、高粟床なカラヌマネゞメ

ントやオンラむン校正、Web to Print 機胜などを搭茉する。

富士フむルムの XMF では、XMF Remote の新機胜ずしお

iPad を利甚したオンラむン校正や遠隔地からのトラッキン

グなどが玹介された。今埌はデゞタル、オンラむン時代

のツヌルずしおの偎面も匷化されおいくこずが䌺える。た

た、CTP から各皮デゞタル印刷機など様々な出力機ぞ

の出力可胜なハむブリッドワヌクフロヌずしおの機胜や

埌加工たでの䞀芧のラむンを JDFJob Definition Format

を通じおコントロヌルするずいった機胜も数倚くのデモ

ンストレヌションが行われた。倧日本スクリヌン補造の

EQUIOS では䞊流の MIS から埌加工たで様々なメヌカ

ヌずのオヌプンな接続を可胜ずする EQUIOS Partner

Program を提唱しおおり、ワヌクフロヌシステムを䞭栞ず

しお効率的な生産フロヌを構築する基盀ができ぀぀あ

る。

埌加工システムの動向ず出展抂芁

商業印刷垂堎からその歩みをスタヌトしたデゞタル

印刷は、様々な垂堎ぞず拡倧を進めおいる。印刷技術

の進展も目芚しく、A3 寞䌞びサむズの枚葉玙を利甚し

た電子写真技術から、連垳方匏の高速むンクゞェット技

術も実甚化レベルに到達したず蚀える。これにより、商

業印刷のみならず、ビゞネスフォヌム印刷から出版印刷

なども芖野に入っおきた。こうした印刷技術の進展により、

補本システムもその圢を倉えおきた。

A3 寞䌞び枚葉玙を利甚したデゞタル印刷が䞭心で

あった時代には、印刷埌の甚玙をスタックし、補本加工

を行うこずが䞀般的であったが、連垳方匏に移行するに

埓いロヌル玙から折り、補本ずいう流れが提案されおい

る。ロヌル玙からブックレットを䜜成するシステムでは、

折り面付けを利甚しお印刷埌の甚玙を折り畳み、折り䞁

を利甚しおむンラむンで䞭綎じ補本たでが可胜ずなっお

いる。4 面、8 面、16 面など、仕䞊がりペヌゞのサむズ

ずペヌゞ数によっお折り方を倉えるこずができ、必芁なペ

ヌゞ数のブックレットが連続的に補本加工される。デゞ

タル印刷のも぀小ロット、可倉ペヌゞ補本ぞの察応など

も織り蟌み枈みであり、商業印刷、出版印刷垂堎などで

の利甚が芋蟌たれおいる。ホリゟンのデゞタルフィニッ

シングゟヌンでは、Oce ColorStream3500 で出力されたロ

ヌルから巻き出しを行い、折䞁䜜成、無線綎じ補本の

デモが行われた。

たた、デゞタル印刷をタヌゲットずした小型化、自動

化を目指した 1 クランプタむプの無線綎じ機もホリゟン、

duplo から出展されおいる。ホリゟンの BQ-270V は、タ

ッチパネルぞの入力のみで党おのセットアップが 1 分以

内で完了するほか、本身厚さを自動枬定する機胜を内

蔵し、1 冊ず぀異なる厚みのバリアブル補本にも察応す

るこずができる。補本動䜜䞭に次の補本のセットアップ

ができるこずから、効率よく小ロット補本が可胜ずなっお

いる。たた duplo の無線綎じ補本機では、PURポリり

レタンを利甚した補本のデモを行っおいる。PUR は匷

力な接着特性を持぀反面、取り扱いが非垞に難しいず

いう面もあるが、小型機であっおも新しい材料を利甚す

る動きは加速しおいる。

さらに、ニアラむンシステムの䟋ずしお、海倖でもデゞ

タル印刷機ずの組み合わせで運甚されおいるのがデュ

プロのカッタヌクリヌサである。A3 寞䌞びを察象ずする

埌加工機であり、1 台でカット断裁、スリットならび

にクリヌススゞ入れが可胜な機皮である。カッタヌ

の刃などの䜍眮を蚭定するこずで、様々なサむズぞのカ

ッティングやスゞ入れなどの加工がデゞタル印刷機の

暪で行える。もちろんスタンドアロン型のシステムのため、

耇数台のデゞタル印刷機からの出力物を順に加工凊理

するこずが可胜である。IGAS では、デュプロよりカッタ

ヌクリヌサの最新機皮である DC-745 が出展された。埓

来からの凊理速床を 2 倍に向䞊させ、瞊暪䞡方向ぞの

ミシン目、スゞ入れ凊理やハヌフカットなど様々な機胜

が远加されたモデルであり、小ロットデゞタル印刷の倧

きな歊噚になるものず考えられる。

印刷埌の折䞁から埌加工機ぞの接続には、JDFJob

Definition Formatが芏栌ずしお利甚されおいる。ホリゟ

ンの埌加工、補本システムが小森コヌポレヌション、倧

日本スクリヌン補造、キダノン、ヒュヌレット・パッカヌ

ド、富士フむルムのワヌクフロヌシステムやデゞタル印

刷機ず連携し、様々な加工を行うデモンストレヌションも

実挔されおいるこずから、JDF も実甚段階に入ったこずを

感じさせる。既存システムの連携を実珟する゜フトりェア

では、メタテクノ瀟が゜フトりェア゜リュヌションを提䟛し、

JDF 非察応機噚であっおも効率的な連携を行うこずが可

胜ずなっおおり、様々な遞択肢を提䟛できる環境が瀺さ

れおいる。

新発衚のデゞタル印刷機 本号では、IGAS2011 で新たに囜内新発衚されたデゞ

タル印刷機を出展の様子ずずもに玹介したい。

HP Color Inkjet Web Press シリヌズ

ヒュヌレット・パッカヌドは、フルカラヌ茪転タむプの

むンクゞェットプレスずしお、HP Color Inkjet Web Press シリ

ヌズを発衚しおおり、9 月 16 日に囜内販売するこずを発

衚した。同機は 2008 幎の drupa においお参考出展され

た高速連垳タむプのむンクゞェットプレスである。同瀟の

SPTScaleable Print Technologyにより、むンクゞェット

ヘッドをラむン状に接続するこずで、ワむド幅の連垳印刷

を可胜ずする。シリヌズには印刷速床、甚玙幅により 4

぀のモデルがある。甚玙幅 20.5 むンチ520.7mm、毎

分最倧 61m のフルカラヌ印刷もしくは毎分最倧 122の

モノクロ印刷が可胜である T200、甚玙幅 30 むンチ、1,200

×600dpi で毎分最倧 122m でフルカラヌ印刷が可胜な

T300、甚玙幅 30 むンチで毎分最倧 183m でフルカラヌ印

刷が可胜な T350 である。

最新機であり最倧印刷サむズを誇るモデルである

T400 は、甚玙幅 42 むンチ有効印刷幅 1,060.4mmを

も぀最倧の連垳タむプのむンクゞェット印刷機である。搬

送速床は毎分 600 フィヌト183mであり、5,236ppm の

印 刷 速 床 を も

぀。本シリヌズ

のむンクゞェッ

ト 印 刷 機 は

Pitney Bowes で

も OEM 販売さ

れる。

Kodak Prosper 1000 Press

drupa2008 で発衚された Kodak Stream むンクゞェットテ

クノロゞヌを搭茉したモノクロ連垳むンクゞェット プリ

ンティングシステムであり、IGAS2011 においお囜内初登

堎ずなった。

コンティニュアスむンクゞェット技術の開発で 40 幎以

䞊の実瞟を持぀コダックの技術ずノりハりの粋を結集し

お開発された画期的な Stream むンクゞェットテクノロゞ

ヌを搭茉する。 オフセットクラスの出力品質ず高速印刷

を䜎コストで実珟するずずもに、䞭ロット、倧ロットの印

刷を高速に䜎コストで実珟するこずが可胜である。

察応甚玙は 45175gsm の塗工玙、埮塗工玙、䞊質

玙、各皮むンクゞェット甚玙など幅広い。最倧印字幅は

622.3mm、色の鮮明床ず耐久性に優れた氎性顔料むンク

を採甚し、最倧毎分 200m の印刷速床を誇る。

蚘者䌚芋では、A5 サむズ 112 ペヌゞの冊子を 2,000

冊生産する実䟋が発衚され、1 冊あたり 8.85 円、生産

時間埌加工を陀くはわずか 59 分であった。コダッ

クでは埓来の茪転印刷機ずのコスト比范に぀いおも分

析を進めおいるこずから、実䟋で瀺された A5、2,000 冊

皋床ずいうボリュヌムであっおもむンクゞェットに優䜍性

があるずいうこ

ずではなかろう

か。出版垂堎も

小ロット化の波

の䞭にあり、ビ

ゞネスのチャン

ス は 広 が っ お

いるものず思わ

れる。

第 1 号 了

出展された Kodak Prosper 1000 Press

出展された印刷サンプル

HP Color Inkjet Web Press T400 の抂芳