~患者様のために~...2013/06/17  · とろみ(f2ライト) へ剤型変更した 12名...

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~患者様のために~ 液体栄養剤から 半固形栄養剤への変更 社会医療法人社団 健生会 あきしま相互病院 発表者 柳川宏美 協力者 田代真紀 指導者 山田正和 1健生会 看護・介護活動研究交流集会

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Page 1: ~患者様のために~...2013/06/17  · とろみ(F2ライト) へ剤型変更した 12名 調査内容:栄養剤準備から投与終了・回収 するまでの時間、発熱(37.5

~患者様のために~

液体栄養剤から

半固形栄養剤への変更

社会医療法人社団 健生会 あきしま相互病院         発表者 柳川宏美         協力者 田代真紀 指導者 山田正和

第1回 健生会 看護・介護活動研究交流集会

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1.あきしま相互病院の概要

 診療科目    内科、リハビリテーション科

 病院理念    「患者さま・ご家族とともに、安心・信頼・平等の     療養生活をすすめ創造します」

 職員数    107名(うち看護師31名、介護職27名)

 病床数    102床(51床2病棟) 医療療養型(20:1)

 患者状況    平均年齢87歳  担送率85%

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【当時の状況】  経管患者数:全患者数の約25% 

  誤嚥しやすい患者様:ハイネゼリー(大塚製薬)     

  それ以外の患者様 :メイバランス1.0バックタイプ(明治)

【課題】  ・業務に携わる看護師の数が少ない

 ・ギャッチアップ時間が長く、褥瘡発生リスクがあった

 ・PEGチューブ径によって注入時間にバラつきがあった

 ・滴下状況の確認業務に負担感があった

2.当時の状況と課題

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 ・看護業務の効率化  ・患者様のQOLの向上  ・経管栄養業務の標準化

3.目的

液体栄養剤からとろみ栄養剤への変更

目標達成を目指して・・・

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 調査期間:2011年2月~2012年7月

 対 象:同期間内に 液体(メイバランス)  から       とろみ(F2ライト)  へ剤型変更した

      12名

 調査内容:栄養剤準備から投与終了・回収         するまでの時間、発熱(37.5℃以上)

        の件数、その他状況変化

4.実施方法 ~液体からとろみへ~ (1~10mp・s) (4,000mp・s)

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5.結果

液体栄養剤 とろみ栄養剤

液体栄養剤 とろみ栄養剤

メイバランス1.0 F2ライト

注入時間(分) (食/人) 85 分 21 分

平均発熱日数 (日/人/月) 2.45 日 2.15 日

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6.小括①

・業務時間を軽減できた (85分⇒21分)  注:準備からギャッジダウンまで

・ギャッチアップ時間が減って、           褥瘡リスクも軽減できた。

・発熱件数については大きな変化はなかった。

ところが・・・

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7.ところが・・・

・誤嚥リスクのある患者さんがいらした ・栄養剤が複数存在(ハイネゼリーとF2ライト)し、  業務の標準化という点では、課題が残っていた。

解 決

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(4,000mp・s) (20,000mp・s)

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9.結果

とろみ栄養剤 半固形栄養剤

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10.小括②

・発熱は減った (2.1日→0.7日)

・粘度の強い栄養剤で逆流が抑えられた

・ギャッチアップ時間は一緒

・業務時間は、F2ライトの時よりは増えた

 (21分⇒39分)

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3つを比較すると・・・

液体栄養剤 とろみ栄養剤 半固形栄養剤

メイバランス1.0 F2ライト PGソフトA

注入時間(分) (食/人) 85 分 21 分 39 分

平均発熱日数 (日/人/月) 2.45 日 2.15 日 0.7 日

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液体栄養剤 半固形栄養剤 とろみ栄養剤

投与時間

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販売価格の比較

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当院での投与方法の一部

 一般的な投与  栄養士により、その患者の必要カロリーを算出

 朝PGソフト300  昼PGソフト300  夜PGソフト400

 尿路感染を起こしやすい患者  朝PGソフト300+白湯200ml  昼PGソフト300+クランベリージュース1本  夜PGソフト300+白湯200ml

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11.まとめ

 誤嚥リスクの低減  発熱頻度の低減

 業務の標準化

半固形栄養剤 の選択

品種の統一化

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在宅支援について

 在宅退院する患者家族に退院指導実施  ・加圧バックが以前の物よりも簡単に

 ・注入は短時間で手技も比較的簡単

 ・粘度の強い栄養剤なので誤嚥を起こしにくい

★ショートステイ利用患者にも当院入院中

 にはPGソフトを使用。  必要時、栄養士から説明を行い、資料の

 提供を行っている。

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 より自然な栄養吸収様式になった

 唾液分泌が良くなることで口腔内環境が改善し、痰が柔らかくなった

 しかし栄養剤の種類・投与方法だけで誤嚥性肺炎を防ぐことは困難

12.新しい知見

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ご清聴ありがとうございました。