116案(16頁参照)が原案どおり承認され、総会は無事終 了しました。...

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No. 116 医学部父兄後援会 2016・8・10発 行 C o n t e n t s 会長就任のごあいさつ 2 平成28年度総会・新役員 3 国試懇談会開催 4 学会優秀発表賞受賞 8 新入生ガイダンス・新入生合宿研修 9 合宿研修に参加して10・11 入学しました12・13 平成27年度決算 14・15 平成28年度事業と予算 16・17 留学記18・19 お知らせ20 陣屋とは、江戸時代に郡代・代官が治政を行った場所で、御役所や郡代(代官)役宅、御蔵などを 総称して陣屋と呼びます。 飛騨代官は安永六年(1777)に飛騨郡代に昇格し、当時3ヵ所あった郡代役所(関東・西国・美濃) と並んで幕府の重要な直轄領となりました。 幕末には全国に60数ヵ所あったといわれている郡代・代官所の中で、当時の主要建物が残っている のはこの高山陣屋だけです。 全国で唯一建物が現存する遺跡で、昭和4年には国史跡に指定されました。 高山陣屋座敷

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Page 1: 116案(16頁参照)が原案どおり承認され、総会は無事終 了しました。 総会終了後は、三宅養三理事長、岡田尚志郎医学部 長、細川好孝教務部長、中野隆学生部長、島田孝一法

No.

116愛 知 医 科 大 学医学部父兄後援会2016・8・10発 行

C o n t e n t s会長就任のごあいさつ����������� 2平成28年度総会・新役員����������� 3国試懇談会開催�������������� 4学会優秀発表賞受賞������������ 8新入生ガイダンス・新入生合宿研修����� 9合宿研修に参加して����������10・11入学しました�������������12・13平成27年度決算�������������14・15平成28年度事業と予算����������16・17留学記����������������18・19お知らせ�����������������20

 陣屋とは、江戸時代に郡代・代官が治政を行った場所で、御役所や郡代(代官)役宅、御蔵などを総称して陣屋と呼びます。 飛騨代官は安永六年(1777)に飛騨郡代に昇格し、当時3ヵ所あった郡代役所(関東・西国・美濃)と並んで幕府の重要な直轄領となりました。 幕末には全国に60数ヵ所あったといわれている郡代・代官所の中で、当時の主要建物が残っているのはこの高山陣屋だけです。 全国で唯一建物が現存する遺跡で、昭和4年には国史跡に指定されました。

高山陣屋

高山陣屋座敷

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� 父兄後援会長 櫻井 敏

就 任 の ご あ い さ つ

 盛夏の候 皆様におかれましてはますますご清祥の

こととお慶び申し上げます。

 去る 5月22日(日)に開催されました平成28年度愛

知医科大学医学部父兄後援会の定期総会におきまして

今年度の会長を仰せつかりました。この 1年間役員と

もども、後援会の役割を十分に発揮できるよう邁進す

る所存です。どうぞよろしくお願いいたします。

 平成26年 5 月には愛知医科大学新病院が開院し、地

域に根ざした特定機能病院として最先端の高度医療を

担う体制が整ってまいりました。また、本年 4月には、

父兄後援会が大学側にお願いしてきた国試対策のため

の学生セミナー室が新たに整備されました。

 私たち医学生の保護者としましては、この充実した

環境の愛知医科大学で子供たちが 6年間を健全に過ご

し充実した学生生活をおくり無事卒業し、医師国家試

験に合格して、新時代の医学医療を担う良き医師とし

ての素養を磨きあげることを願うばかりです。

 ここで父兄後援会の具体的な事業を紹介いたしま

す。

 第一に国家試験に関する協力を行います。予備校講

師による生ゼミ講義費用の助成、予備校作成のDVD

レンタル・ネット講座費用、予備校主催の模擬試験受

験費用を負担しており、さらにこれら模擬試験結果を

父兄、大学へ配布しております。また、学習強化合宿

の講師料助成を行います。本番である医師国家試験期

間中の 3泊 4日のホテル宿泊、送迎を行っております。

国試前日からの宿泊期間中、国試受験生の体調不良に

備え、診療必要時には、医師である我々役員が待機し、

病院の手配などにも備えています。その他、国試対策

に必要とする図書購入なども予備校からの情報をもと

に行っております。

 第二に学生の教育に関する協力を行います。指導教

員と父兄との面談に係る費用の助成をしております。

この面談日の前日には父兄会懇親会を毎年行っており

ます。これは、学年別の父兄の懇親を深め子供たちの

学生生活の情報を父兄同士が情報交換する場となって

おり、皆様のご参加を是非お待ちしております。 4学

年生に行われるCBTの対策講座費用の助成もしてお

ります。学生が臨床実習で着用するSTUDENT�

DOCTOR実習衣の助成を行っております。また、学

会発表を行う学生に対する旅費・宿泊費の一部助成も

しております。

 第三に学生の行事等に関する助成を行います。クラ

ブ活動費用の助成。医大祭費用の助成、卒業式当日夜

に行われる卒業生謝恩会は、学生が企画しますが父兄

後援会が全て負担しており、卒業アルバムについては、

無料配布となっております。学生が日常に使うコピー

機のリースにより学生の資料作成の便宜供与などもし

ております。

 次に、父兄後援会では父兄互助会を組織しておりま

す。この互助会は学資負担者が死亡または高度の障害

を受けた場合、学納金を代替納入いたします。返還義

務はございません。

 現在まで20人以上の方がこの制度の恩恵を受けられ

ております。

 また、経済的な理由で学費負担が困難になった場合、

貸付をして卒業後に返済する制度も併せてあります。

こちらの返済時に利息は全く生じません。お問い合わ

せいただければと思います。

 最後になりましたが、今後とも医学部父兄後援会及

び医学部父兄互助会へのご支援、ご鞭撻のほどよろし

くお願い申し上げます。

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 平成28年度愛知医科大学医学部父兄後援会・父兄互助会定期総会が、 5月22日(日)午前10時から大学本館 7階特別講義室において開催されました。父兄後援会は出席者70名委任状348名で、父兄互助会は出席者23名委任状110名でいずれも過半数を超え、成立しました。 土井清孝会長の挨拶の後、坂野俊彦様を議長に選出し、会が進行しました。 平成27年度父兄後援会及び父兄互助会の事業報告及び決算報告(14頁参照)があり、会計監査報告を受けて承認されました。次に、学年別に役員候補者の選出が行われ、新会長櫻井敏様を始め総勢19名の新役員が

選出されました。この後、土井前会長に会員を代表して櫻井新会長から花束が手渡されました。  櫻井新会長挨拶の後、平成28年度事業計画及び予算案(16頁参照)が原案どおり承認され、総会は無事終了しました。

 総会終了後は、三宅養三理事長、岡田尚志郎医学部長、細川好孝教務部長、中野隆学生部長、島田孝一法人本部長からそれぞれご挨拶を頂戴しました。 なお、昼食を挟んで、午後 1時20分から 4 ~ 6年生のご父兄を対象に国試懇談会が開催されました。

平成28年度 定期総会開催

平成28年度 役員

会 長 櫻 井   敏(6年)

副 会 長 坂 野 俊 彦(6年) 久 徳 重 和(5年)

会 計 加 藤 政 隆(4年) 宮 良   肇(3年)

会 計 監 査 神 取 祥 和(2年) 山 口   力(1年)

常 任 幹 事森     厚(6年) 栁 澤 行 徳(5年) 天 野 晃 治(4年)

林   浩 之(3年) 清 水 卓 也(2年) 杉 田 信太郎(1年)

幹 事高 濱 和 也(6年) 山 田 健 二(5年) 西 村 義 人(4年)

坂 野 章 吾(3年) 大 鹿 裕 幸(2年) 鳥 居 久 稔(1年)

櫻井会長は愛知医科大学の理事・評議員、久徳副会長は評議員

敬称略

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医学部1学年次生と教員との「ふれあい朝食会」開催

  5月22日(日)父兄後援会定期総会終了後の午後 1時20分から、例年のとおり国試懇談会を本館 7階特別講義室で行い、約70名の会員が出席されました。

 櫻井会長挨拶の後、進行は藪下廣光同窓会副会長(本学産婦人科学教授)の下に、前国対委員であり本年 4月から研修医として活躍されている庄田怜加先生(愛知医科大学病院)に出席いただき、前回医師国家試験の総括と研修医としての感想などが語られました。 次に、今井裕一医学教育センター長による「医師の作り方」と題した講演があり、続いて 6年国対委員長の久下祐史君から今年 1年間の決意と国家試験に向けての思いが述べられました。 また、 5年国対委員長の福井隆彦君と 5年国対委員阿藤文徳君からそれぞれの活動報告がありました。

国試懇談会開催される

5年国対委員阿藤君6年国対委員長久下君 5年国対委員長福井君

  7月14日(木)午前 8時からレストランオレンジにおいて、医学部 1学年次生と教員との「ふれあい朝食会」が実施されました。これは年 3回開催されるもので、 5月12日(木)に続き今年 2回目となります。この会の目的は学生の規律的な生活と朝型のリズム取得による脳の活性化を図るとともに、教員との懇親を図るために開催されたものです。 当日は 1学年次生全員と、三宅養三理事長、佐藤啓二学長、岡田尚志郎医学部長を始め教員21名が一緒に話をしながら朝食を共にしました。 これにより、しっかりと朝型リズムを身に付けてもらえるよう期待します。

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国家試験を振り返って

 私は昨年まで国家試験対策委員の予備校担当として、予備校講座の選定を行っておりました。国家試験の最前線にいた経験から、昨年の総括、今年の国家試験の対策について述べたいと思います。

① 110回医師国家試験にむけて行ってきた対策・年間の勉強・模試のスケジュール作成・勉強ペースの可視化

 各個人で勉強ペースは違います。勉強のペースが一度大きく遅れてしまうとなかなかとりもどすことはできません。 1人で勉強

しており、ペースが遅れていることに気がついていないことが一番大きな問題となります。各個人のビデオ講座の進行状況を報告してもらい、結果を国試対策委員で集計して学年全体に連絡していました。

・生講義の運営 国家試験予備校の講師に大学に来ていただき、国家試験対策のみならず卒業試験対策の講義をしていただきました。国家試験の研究、対策を最前線でされているトップ講師による授業であるため、国家試験の予想講座も行ってくださいます。

② 110回医師国家試験の傾向   合格ボーダー    一般問題:125/199点以上             臨床問題:388/594点以上             必修問題:160/200点以上

108回 109回 110回一般問題 65.3% 64.5% 62.8%臨床問題 71.2% 67.5% 65.3%必修問題 80.0% 80.0% 80.0%

 ボーダーは低下傾向である。 ボーダー低下の原因としては、良問は多いが難問が増えたこと、画像診断、病理診断が増加したことが考えられる。

・愛知医科大学 110回医師国家試験合格状況 総数 新卒 既卒

受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率114 101 88.6% 99 92 92.97% 15 9 60.0%

・全国平均 110回医師国家試験合格状況 総数 新卒 既卒

受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率9434 8630 91.5% 8660 8165 94.3% 774 465 60.1%

昨年の反省点 残念ながら国家試験不合格となった人の傾向としては、ビデオ講座はすべて終了したが、記憶の定着がしっかりとできないまま試験を迎えてしまいあと数パーセントという状態で不合格となっている状況です。③ 111回国家試験に合格するために 国家試験合格において最も大切なのは、「早めに勉強を始めること」と「みんなと同じ勉強をすること」です。・早めに勉強を始める

 早めに勉強を始めることにより基礎をしっかり固めることができます。基礎固めができていない状態で多くの知識を入れても完全に理解できないまますぐに忘れてしまいます。 早い時期に基礎固めをすることにより、その後 1年間の知識の定着率が上がり、膨大な量の知識を理解し、整理しながら頭にいれることができるため勉強効率をあげることがきます。 5年生は実習が忙しく勉強する時間をとることは難しいですが、実習の合間に 5年生用のビデオ講座の視聴や、実習中の科の中でよく国家試験にでる疾患について勉強するだけでも基礎固めとしては十分です。 

・みんなと同じ勉強をする 医師国家試験は受験者の90%が合格する試験です。受験生のほとんどが予備校ビデオ講座を視聴して勉強しています。ビデオ講座を使用し、他の生徒と同じ内容の勉強を国試対策委員が提示したスケジュールに沿ってしっかり勉強することが一番の合格への近道です。

� 研修医1年目 庄田�怜加

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日本の医師の作り方

医学部入学から医師国家試験合格までの道筋(図 1) 医学部に入学すると簡単に医師になれると思って入学してくる学生が大多数です。20年前まではそのような状況でした。しかし、最近10年で大きく変化してきています。医師になるためには、大きな関門が2つあります。一つは、座学中心から臨床実習中心に変わる際に 4年生で全国試験があり、これに合格しないと臨床実習ができません。この第一関門を「共用試験」と呼んでいます。知識の試験は、コンピューターで行います。これをComputer-based�test�(CBT)といいます。コンピューターの画面に、問題が提示され、即座に回答することを要求されます。受験者全員の問題と出題の順番が異なりますので、実力

が試されます。この試験の合格基準に関しては、全国医学部長病院長会議から指針が出されています。愛知医科大学では、65%以上の正答率が基準になります。近隣の大学では、80%の学生が、正答率80%以上であるともいわれています。試験の日程に関して、平成27年度までは、 4年生の後半の 2月に行っていました。しかし平成28年度からは、10月になりますので早期からの自己学習が勝負を決定することになります。また、技能・態度に関しては、Objective�Structured�Clinical�Examination�(OSCE:通称オスキー)�という客観的臨床能力試験を行います。これは、①医療面接、②胸部診察、③腹部診察、④頭頸部診察、⑤神経診察、⑥外科手技、⑦救急蘇生などの技能を評価します。その対策として 4年生の 9月過ぎから基本手技実習・医療面接実習を行います。平成27年から専任の川原千香子講師がいますのでシミュレーションセンターを活用してください。CBTとOSCEに合格した学生は、全国医学部長病院長会議からStudent-Doctorと認証されて臨床実習を開始することになります。自動車免許にたとえると、仮免許が与えられ路上運転(臨床実習)で練習して、本免許(国家試験)を受けることになります。そのような意味でCBT-OSCEが医師国家試験の一次試験に相当しています。CBT-OSCEに合格しなければ、日本で100%医師になることはできません。

� 医学教育センター長 今井�裕一

(図1)

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医師国家試験の位置づけ(資格試験から競争試験への変化)  2つめの関門である医師国家試験についてです。今から10年ほど前に臨床研修医制度の大改革がありました。それ以前のシステムは、卒後臨床研修病院を学生と研修病院が自由に調整し、給料も病院が決定した額で決まっていました。この旧制度では、研修医の給料は無給あるいは月10万円程度と低額でありアルバイトに力を入れないと生活できない状態となり医療過誤、研修医の過労死などの社会問題が生じました。そこで臨床研修医制度の大改革が行われました。改革されたシステムは、ある病院の研修医になりたい人は、その病院を見学し、希望する幾つかの病院名の順番を付けてコンピューター上に登録します。一方、病院側はたくさんの希望者の中から採用したい学生に順番を付けて登録します。最終的には、コンピューターのプログラムのルールに従って、研修医と病院の組み合わせが発表されます(マッチング)。重要な点は、研修医に対して国から月約20万円の給与が払われます。そのかわり、研修医期間中は一切のアルバイトは禁止されています。すなわち国家予算(財務省が決定)で研修医の採用枠が決定されることになったのです。以前は、厚労省の医師国家試験であり、一定基準を超えれば合格できる資格試験でしたが、新制度になってからは、採用枠が国家予算に依存するために合格率が90-92%の競争試験となっています。言葉を換えれば、全国の受験者の下位10%は確実に不合格となることです。その結果、競争試験になってきているために全国の学生が熱心に勉強します、そうすると合格基準点が徐々に上昇します。最近では正答率70%がボーダーラインでした。すなわち69%の正答率でも不合格になってしまう状況でした。約70%正解の人が不合格になる試験の妥当性も疑われることから、本年度は一転して出題問題が難しくなり、ボーダーラインは63%程度になりました。しかし競争試験であることにはかわりはありません。 4年生のCBTをぎりぎりで合格した学生は、明らかに医師国家試験でも大きなハンディキャップを背負っています。臨床実習中にそれを挽回するように熱心に自己学習・グループ学習する必要があります。医師国家試験の内容の変化 医師国家試験の内容は、数年に一度大きな改革が行われています。平成26年 6 月18日に開催された「医師国家試験改善検討部会」の議事録が、厚生労働省のホームページに公開されています。①出題割合については頻度の高い疾患に重点を置く、②医学生が臨床実習に主体的に取り組んだかどうか、臨床研修で実際に対応が求められる状況について具体的に想定することが重要であると掲載されています。それに沿った問題が今年の国家試験でも多数出題されています。例としては、車イスの写真があり、ある部分にマークがあり、その部分の働きは何かなどとか(答えは、ブレーキなのですが)、臨床現場で車イスに触れていないとわかりません。心房細動、房室ブロック、認知症の鑑別診断、消化管出血の治療、高�K�血症の治療、急性喉頭蓋炎など救急外来で必要な知識なども多数出題されています。また、数年後から、出題問題数も520題から300題程度に少なくなり、試験期間も 3日間から 2日間に短くなります。負担は一見すると軽くなるように感じます。しかし、現状の合格率は90%から85%まで低下することも予想されています。試験問題の 1題の重みが現在以上に大きくなります。これらの点を考慮すると決して楽になることはないようです。卒業試験と医師国家試験の関係 愛知医科大学の卒業試験と医師国家試験の合格率との関係については、最近 7年間のデータの蓄積があります。卒業試験で70%以上の正答率の学生では、98%が一発で医師国家試験も合格しています。卒業試験正答率65-69.9%の学生では、80%が合格します。63-64.9%で卒業した学生の63%は合格します。しかし60-62.9%で卒業した学生では、わずか24%しか合格できません。このような卒業試験と医師国家試験との乖離をなくすためには、卒業試験の基準を見直す必要があります。また、卒業試験と医師国家試験では、出題範囲に違いはないのですが、卒業試験の方が難易度が高いことは事実です。より深い知識の整理が必要になります。愛知医科大学の医師国家試験に向けた取り組み 一昨年度から、定期試験・模擬試験の成績に基づいて伸び悩んでいる学生に対して父兄後援会と協力して補習講義を予備校講師に依頼しました。夏と冬の合宿によって成果を上げた学生も多数います。わかりきったことですが、医師国家試験に合格するためには、自己の実力をアップさせることしか方法はありません。教員や親が受験するわけではないのです。そのためには、自分自身のおかれた立場、全国的なレベルを知る必要があります。模擬試験も積極的に受ける必要があります。 学業不振を解決するためには、「自己を見つめ直す謙虚さ」と同時に「自分自身を信じる強さ」の両者が必要になります。どちらを欠いても成績は伸びません。平成28年 4 月から医学教育センターに宮田靖志教授が着任しましたので、一緒に対応いたしますので医学教育センターあるいは教務課にご相談ください。

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医学部学生が日本解剖学会全国学術集会において学会発表―黒須さん、加藤さん、山田崇義さんらが『優秀発表賞』受賞―

 平成28年 3 月28日(月)から30日(水)にビッグパレットふくしま(福島県郡山市)で開催された第121回日本解剖学会全国学術集会において、本学医学部 1~ 3学年次生(現、 2 ~ 4学年次生)が学会発表を行いました。学生たちは休日返上で解剖学講座の研究室に通い詰め、ようやく発表にこぎつけました。本学学生は、全国から集まった解剖学者との間で、全く臆することなく活発な質疑応答を行いました。一大学から学生が 3題もの演題を発表したのは本学だけであり、本学医学部生の研究に対する高い意識が覗えます。その中でも、 2学年次(現、 3学年次)の山田崇義さんらは『優秀発表賞』に輝きました。愛知医科大学の名を全国的に高めたと言っても過言ではありません。� 発表した学生からは、「私は今、得難い多くの経験をしている」、「この一年で自分に色々な変化があったことを実感している。愛知医科大学に入って心から良かったと思える」、「研究活動は、楽ではないが楽しい」と感想が寄せられています。学生時代から学会発表を経験することは、彼らにとって‘大きな財産’になることと思います。この経験を生かし、幅広い視野を持つ医学生に育ってくれると確信しています。� 文責:医学部解剖学講座教授 中野隆

山田崇義、伊藤由希子、今枝陽、中里尚貴、南川大輔、横井宏幸、小澤由紀、内藤宗和、中野隆:‘自己学習啓発型’骨学実習手引きの提案-WFME国際認証に向けて-。�

春日仁志、伊藤由希子、大石仁、宮木孝昌、内藤宗和、中野隆:副肝管が認められた一例‘胆道の側副路’としての機能的・臨床的意義。

蓬莱春日、古屋佑夏、矢倉富子、大道裕介、大道美香、宮木孝昌、内藤宗和、中野隆:右側由来の腎動静脈を伴う左側単腎症-馬蹄腎との関連についての解剖学的・発生学的考察-。

学会ポスター発表会場前列左から、今枝陽さん、横井宏幸さん、南川大輔さん後列左から、中野隆教授、春日仁志さん、伊藤由希子さん、山田崇義さん、中里尚貴さん、古屋佑夏さん、蓬莱春日さん

学会口演発表会場山田崇義さん

 医学部 3学年次生の高橋周治君が、 6月25日(土)パロマ瑞穂スタジアムにおいて開催された第100回日本陸上競技選手権大会男子100M決勝において、 7位入賞を果たしました。(タイム10秒49)高橋君は、リオ五輪選考で日本中の注目・関心が集まる本大会の男子100Mにおいて、予選 6組 1位、準決勝 1組 2位と快走し、決勝では日本トップクラスの選手(ケンブリッジ飛鳥 1位、山縣亮太 2位、桐生祥秀 3位共に五輪代表)と肩を並べて走り抜け、7位と大健闘しました。

日本陸上競技選手権・男子100Mで7位入賞

(東洋大学広報課提供)高橋周治君は左から2番目・3コース

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新入生合宿研修

新入生ガイダンス実施

 医療人に求められる礼儀。礼節、マナーを身に付け、医学生としての品位・品格を持ち、かつ謙虚な態度を保持し、自ら積極的に学ぶ姿勢を習得する。また合宿による集団行動で「恥ずかしい」、「バカらしい」、「自分には向いていない」、「失敗したら�」など実践をためらう心理的抵抗(自分の殻)を打ち破り、これからの学生生活を円滑に過ごす礎を築くことを目的に、三河湾リゾートリンクスにおいて 4月 5日、 6日一泊二日の合宿研修が実施されました。 研修地に到着し、研修日程の説明、学生自己紹介に続き、三宅理事長から本学の歴史・使命・教育理念のお話、佐藤学長から医学生の心構えなどのお話がありました。 岡田医学部長による「医学生生活の落とし穴」と題

した講演、また、「愛知医科大学・臨床系トークⅠ」では石橋教授、奥村教授、高見教授、出家教授、中野教授、三鴨教授、松山教授、宮本准教授により、身に付けるべき知識と手技そして患者並びにスタッフとの良好な人間関係の体得等が熱く語られました。 2日目は、 8時から 2時間ほどのオリエンテーリングに続いて今井裕一教授による「臨床における決断」と題した講演、そして先輩からのメッセージは、青木瑠璃講師、午後から「愛知医科大学・臨床系トークⅡ」では岩槻教授、ビデオレター出演は武山教授により、医師をめざす道標のお話がありました。こうして桜の花びらの舞うすばらしい環境での充実した研修が行われました。

 医学部の入学生受入方針として「医学への強い志向と学習意欲を持つ人、医学を学ぶために必要な基礎学力と問題解決の能力を備えた人、人間性と教養が豊かで倫理的価値判断に優れた人、協調性を持ちコミュケーション能力に富んだ人、誠実で常に努力を怠らない人を求めています。」と明記しています。 医学生として、このような態度、意欲を持って勉学し続けることの重要性を再認識し、今後の 6年間の学生生活に活かせるようガイダンスを実施しました。 ガイダンス 1日目は、医学部の 1学年次のカリキュラム、 6年間のカリキュラム及び進級上の留意事項についての説明から始まり、授業、試験等の教務関係、学生生活の支援、留学制度の説明が行われました。  2日目は、愛知警察署の担当官から「防犯」についての講習会、学生相談室からハラスメント防止に関す

る説明及び学生相談室の紹介がありました。  3日目は、愛知医大サービス株式会社、情報処理センター、医学情報センター、運動療育センターの各担当者から施設の紹介が行われました。

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 私たち平成28年度 1年生は、 4月 5日、 6日の 2日間で新入生合宿研修を行いました。

 本研修の目的は大きく 2点。 1点は、「医学生としての態度を身につけ、集団行動において実践をためらう心理的抵抗を取り除くこと」。そしてもう 1点は、「同級生、先生方との交流を広げ、深めること。」でした。

 前者の目的について、何かを実践に移そうとする時、恥ずかしさや、「誰かがするからいいか。」といった気持ちがあると、なかなか行動に移せません。しかし、医療人を目指す私たちにとって、将来その 1分 1秒の躊躇は患者さんの命に関わる致命的なものとなります。そのことを再認識し、医療人となる第一歩を踏み出すにあたり、本研修はとても有意義なものでした。様々な臨床医の先生方のお話を聞く機会が設けられており、実際の症例に基づいた、現場の声を聞かせていただいたこと。そして,今井先生の「臨床における決断」をテーマにした講演などを通して、私たちが目指す医療現場の厳しさを肌で垣間見ることが出来ました。 さらに、その医療現場に立つことが出来るようになるまでに、われわれ医学生は,いったいどれだけの事を学ばなければいけないのかということを、理事長並びに各先生方から叱咤激励していただけたことで、今後 6年間の学生生活を前にして気を引き締めることが出来ました。

 また、座学だけでなく、グループワークや食事の時間を通して、普段はお忙しくてなかなかお会いすることのできない先生方や、これから 6年間、さらには一生を通して切磋琢磨していく同級生との交流も深めることが出来ました。

 本研修で得た「医療人を目指す医学生としての自覚」と、「様々な先生方・同級生とのつながり」を生かして、今後 6年間の学生生活を充実させていきたいと思います。

合宿研修に参加して

高橋�健児

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 私たち平成28年度 1年生は、 4月 5日、 6日の 2日間で新入生合宿研修を行いました。 この合宿は「医療人入門」という科目の一環として行われました。医学部に入学したばかりの私たちが今後どの様な医師像を目指すのか、社会の一員として医学生はどうあるべきか、またそれぞれの考える医療とは何なのかといった教科書から学ぶ事のできない事を愛知医科大学の卒業生の方や大学病院に勤めていらっしゃる臨床の先生方の講話

を通じて学びました。 たくさんの貴重な講話の中で、私がふと気付かされた事は救命救急科に勤めていらっしゃる青木先生のお話の中で、「勤めるとは」「医療とは」何なのかという問いです。医師業に限らず医療系の多くが人の病や死に関わる職業です。その事実を踏まえた上で、働く事の意義に対する答えは出しにくく、また安易な答えを出すべきではないと感じました。医療についても同様であり、今後 6年の歳月を費やして考えるべき命題であると感じました。 今回の合宿は、医学生としての自覚を持つことのみが目的ではなく、これから共に過ごしていく仲間となる人と関わりを持つことも大切な目的の一つです。 その為、講話の合間にあったオリエンテーションではグループを作って班行動をすることが多かったので、当初抱いていた人間関係に対する不安が徐々に無くなっていきました。 医学生という身分に恥じないように、自分を律し勉学に励み、深みや教養のある人間となるべく精進すべきだと痛感しました。 今回の研修でご指導、ご鞭撻賜った先生方にこの場をお借りして感謝の意を述べたいと思います。

大本�夏光

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入 学 し ま し た

 長い受験生活を終え、私は今年の 4月から愛知医科大学に入学し、長年夢だった医師になるためのスタートラインにようやく立つことができました。初めは不安なことばかりでしたが、頼りになる先輩方や素晴らしい友人に恵まれ、充実した毎日を送っています。私が入学してまず驚いたことは、この大学の先生方と生徒の距離の近さです。合宿研修では先生方とお話しする機会がたくさんありましたし、 5月にはふれあい朝食会も開かれました。いかに先生方が私たち学生に興味を持って下さっているのか、そして私たちと愛知医科大学の将来のことを真剣に考えて下さっているのかがよく伝わってきました。そんな先生方が周りにいて下さる環境に身を置けるということはとても幸せなことだと思っています。また、この大学のカリキュラムには一年生の初めから解剖学の授業が組み込まれている点にも驚きました。解剖学の授業では、これから覚えなければならない知識の多さに唖然としつつも、自分が本当に学びたかったことを学べていることに喜びを感じ、学習意欲を駆り立てられています。正直なところ、私が愛知医科大学を受験したのは単に地元の大学であるという理由からでしたが、現在ではこの大学に入学できて本当に良かったと思っています。 私は、医学生として医学を学ぶこの 6年間は今後の人生の基盤となるとても大切な時期であると考えています。医学が日々進歩し続けている現在、医師は医師である限り医学を学び続けることが求められますが、そのような自己学習の能力を磨くのは大学生の時期です。医師になるために必要な知識や技術の習得は勿論、論文を読む力や自ら課題を見つけ考察したことを発表する力、時間を上手く利用して勉強していく習慣などは在学中に身につけておく必要があります。幸いなことにこの大学には私たち生徒を指導し、支えてくださる先生方がたくさんいらっしゃいます。そして、私たちには様々なことに挑戦する機会が与えてもらえます。ただ与えられた課題をこなしていくのみの受動的な学習にとどまらず、自ら興味を持ったことを追究していくような能動的な学習を心がけ、実りある大学生活にしていきたいと思います。 私たち医学生が医学を学ぶためには多くの方々の協力が必要です。家族や大学関係者の方々は勿論、実習などで出会う患者さんや病院スタッフの方々、そして国の支援や献体などに協力してくださる方々など多くの支えがあるからこそ私たちは医学を学ぶことができます。常に医学を学ばせてもらっていることに感謝しながら、将来の医学の発展のために協力して下さる多くの人の期待に応えられるよう、精一杯努力していきたいと思います。

 私の両親がともに医師であったため、それに憧れて小学校高学年の頃には医師になりたいという明確な思いがありました。そこからの中学や高校での勉強はすべて医学部に合格するための勉強で、さらに 2年間の浪人生活を経てつかみ取った愛知医科大学の合格は言葉で言い表せないうれしさがありました。特に、両親がともに愛知医科大学の出身であることもあって、第一志望校だったこの愛知医科大学に入学できてとても光栄です。 医学生になってわかったことや学んだことの一つに勉強の大変さがあります。私は浪人中、医学部に合格するために多くの時間を勉強に割いてきました。愛知医科大学に合格したとき、これから始まる大学生活に胸を弾ませ、つらい受験勉強からようやく解放されると思っていました。しかし、医学部の勉強は受験勉強の比ではありませんでした。覚える量がとても多く、覚えることが苦手な私はどのように勉強すればいいのか頭を悩ませていました。そんな中、アドバイスをくださったのが、教授や先輩方です。愛知医科大学は、教授や先輩方との距離が非常に近く、いつでも気軽に質問することができます。そのような特徴を生かして、今はもうすぐある試験にむけて勉強しています。 先日、愛知医科大学病院で看護体験をしました。初めて医療現場を目の当たりにして、その大変さを実感しました。絶対にミスをしてはならない現場で、看護師さんは何度もカルテや医師の指示を確認したり、患者さんの健康状態を細かくチェックしたりしていたのが印象に残っています。そこで、ある看護師さんからこんな言葉をかけられました。「看護師に指摘されなくても、患者さんの細かい変化に気づき、指示を変えられる医師になってほしい。」この言葉は、今だから聞ける看護師さんの言葉だと思います。この言葉は、医師になってからもずっと忘れないでしょう。 愛知医科大学に入学してからのたった 2 ヶ月で、多くのことを学び、一生の経験をすることができました。私の大学生活は、まだ始まったばかりです。これからどのようなことを学び、経験することができるのか楽しみで仕方ありません。良医になれるよう、毎日を過ごしていきたいと思います。

山田悠希衣 小澤 和正

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 私が愛知医科大学に入学してまず驚いたのは、クラスメイトの人柄の良さ、そして勤勉さと、医療がすぐ近くにある教育方針でした。 入学後直ぐの新入生合宿で、私達 1年生は多くの医師の方々からの講義を受けました。最も驚いたのは心臓手術の映像と指の縫合術の写真でした。今までに見たことがないくらいに生々しく、血の気が引いたのを覚えています。ですが、これから医療に従事していくのだと気合いを入れて見るようにしていました。ちらと周りを見ると、皆、心構えが出来ているのか真剣な眼差しで画面を見つめており、感心するとともに、これから凄い世界に入っていくのだなと改めて実感しました。 初日、班長として参加することになった名刺集めのイベントは本当に大変でしたが、班員の皆の協力でなんとか終わらせることが出来ました。不甲斐ない班長で申し訳なかったですが、助けてくれて本当に有難かったです。次の日の様々な場所を歩きながらのクイズは楽しかったです。中高は男子校だったため、 6~ 7年振りに見る同年代の女子の行動力に目が点になっていた記憶があります。 合宿だけでも新しい体験が沢山ありますが、普段の医療系の授業に心に残ることが沢山あります。特に、医療人入門で教わったことはどれも胸に響くものばかりです。 例えば、講義で教授が話されていた、コンピュータの高度化に伴う医師の価値の変化が起こっている現代ですが、同じ人として一対一で患者さんと向き合えるのは医師だけであり、その中でどの様に感情を持つもの同士、患者さんの力になれるかというお話はとても感動的でした。 中でも一番印象に残っているのは、看護体験の時のことです。個人情報保護のため詳しい情報は伏せますが、心身共に重症を負われて、歩行も難しいというかなり辛い状況の患者さんが、私の名札を見て、「立派なお医者さんになってくださいね!」と言って下さったことは一生忘れないでしょう。この時の心の震えは、筆舌に尽くし難いものでした。あの感覚は実際にその場面に立たせてもらえる機会がなければ理解出来なかったと思います。そしてこの時に、チーム医療の中でコメディカルの方々がいかに重要な一角を担っているかを初めて知りました。医師 1人だけでは出来ないことを、患者さんを中心とするチームが一丸となって実行していくことが大事なのだと実感しました。 このように医学生として早期の内から医療がより近くにあることが、愛知医科大学の素晴らしいところだと思います。実際の医療に関わっていられる方々のリアルなお話が聞けることも素晴らしいですが、やはり生の医療現場を見なければ、患者さんがかけて下さる言葉がいかに支えになるか、そして現場ではどの役職の方がどんな役割を担っているか、なかなか理解出来ないと思います。 これから 6年間、様々なことがあると思いますし、色々なことを学ばせてもらえると思います。辛いこともあると思いますが、きっとあらゆる出来事が自分を成長させてくれると思います。その一つ一つを心に刻み、患者さんに幸せを与えられる医師になれるよう、努力していきます。

 私は、昨年一浪してから愛知医科大学に入学しました。数ある大学の中から愛知医科大学を選んだ理由としては、そもそも私の学力不足で選べる大学が少なかったこともありますが、それだけではありません。私としては、愛知医科大学が他のどこよりも二次試験の時の印象が良かったと思いました。一浪してからようやく一次試験が通るようになり、愛知医科大学が自分にとって初めての二次試験でした。大学の入試対策本には愛知医科大学の面接は圧迫だ、と書いてあるし、何よりもここで失敗したら更にもう一浪しなくてはいけなくなるかもしれない、という不安でいっぱいでした。しかし、いざ面接が始まろうとしていた時、面接委員がドアを開けて迎えに来てくださりました。それだけでもかなり面喰らったのですが、終始面接委員はにこやかでとても優しかったのです。そして面接が終わって帰るときに帰り方が分からず職員の方に道を尋ねた時も物凄く丁寧に教えてくださり、愛知医科大学の人達は人柄がとても良いな、合格したらここに行きたいなと本気で思いました。そして、人に良い印象を与えることがいかに大切かを自分自身も学びました。 話が戻るのですが、 1年間の浪人生活を続け、もう一度浪人する覚悟で半ば医学部受験を諦めかけていた私を入学させてくれた愛知医科大学には感謝してもしきれません。そしてこれから先、私達は「愛知医科大学出身の医師」として実際の医療現場に立つようになるのだから大学に恥をかかせないようにしなくてはいけないと思っています。そのためにもまずは自分から、他人に良い印象を与えられるように努めていきたいです。そうすることで私自身だけでなく、愛知医科大学への他人からの印象もよくなると思っているからです。 これからの 6年間は勉強をしっかりして自身の内面も磨いて、患者さんだけじゃなく愛知医科大学にも貢献できる医師になりたいです。

安念 大治今村和歌子

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平成27年度 決算 平成28年 5 月22日(日)に開催された定期総会において、父兄後援会及び父兄互助会の平成27年度決算が原案どおり承認されました。その概要をお知らせします。 決算書の詳細は、総会資料をご覧ください。

父兄後援会決算の概要一般会計

収入の部

科 目 決 算 額 予算差異

会 費 収 入 82,410 -2,970

コピー料収入 3,001 -1

委 託料収入 7,250 0

前年度繰越金 49,482 0

合     計 142,143 -2,971

特別会計

収入の部

科 目 決 算 額 予算差異

貸付事務手数料 0 14

前年度繰越金 6,446   0

合     計 6,446 14

☆一般会計○会費収入は、会員増により、予算差異が297万円増になりました。○コピー料収入は、後援会が設置しているコピー機の、学生さんの利用に係る料金です。 なお、コピー機のリース及びカウンター料支出は、毎年約446万円です。○委託料収入725万円は、互助会から業務処理を委託されたものです。○�運営費は、職員人件費、消耗品、印刷代始め、後援会活動に要する経費です。予算差異約105万円の残になりました。○�教学協力費は、会員ご子弟の教育、国家試験対策、学生が行う行事、大学運営などに対する協力に係る助成費用です。全体で約467万円の残になりました。○�厚生協力費は、クラブ、医大祭、卒業アルバムの講座等への配布分、謝恩会、卒業記念品などの助成費用です。約301万円の残になりました。○�教育協力費は、学生用コピー機のリース料、 4学年次のCBT対策として予備校作成のVTR講座と模擬試験受験費用の助成、卒業試験問題の印刷・配布費用、父兄個人面談などに係る諸経費等です。 臨床実習衣が上下、靴と刷新されたことに伴い、その一部を新たに助成するなど、約57万円の残になりました。○�国試対策費は、予備校のVTR講座、模擬試験に係る経費、予備校の講義等講師料、国試受験時の宿泊・送迎に係る経費などです。予算差異約109万円の減になりました。○新病院建設に係る大学の寄附金募集に応えて、26年度に引続き700万円を寄附しました。

☆特別会計 既卒者の国試対策のための予備校費用等の貸付を目的としていますが、希望者がありませんでした。

支出の部

科 目 決 算 額 予算差異

奨学貸付金 0 1,200

事  務  費 304 -152

予  備  費 0 1,000

次年度繰越金 6,142 -2,034

合     計 6,446 14

� (単位:千円)支出の部

科 目 決 算 額 予算差異

運  営  費 13,586 1,050

教 学 協力費 72,191 4,669

  厚生協力費 17,503 3,007

  教育協力費 12,182 568

  国試対策費 35,506 1,094

  新病院建設寄附金 7,000 0

予  備  費 594 406

次年度繰越金 55,772 -3,154

合     計 142,143 -2,971

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父兄互助会決算の概要一般会計

収入の部

科     目 決 算 額 予算差異

会 費 収 入 18,960 1,040

前年度繰越金 31,305 0

合     計 50,265 1,040

特別会計

収入の部

科     目 決 算 額 予算差異

繰  入  金 0 10,000

貸付金返還金 8,610 490

前年度繰越金 19,156 0

合     計 27,766 10,490

☆一般会計

○新たに第一種会員に36名、第二種会員に 2名の方が入会されました。○ご子弟が卒業された互助会会員33名に対し、卒業記念品代をお贈りしました。○父兄後援会に対し、互助会の業務処理を委託する費用として725万円を支払いました。

☆特別会計

〇 1名の方に、学納金の貸付を行いました。

支出の部

科     目 決 算 額 予算差異

積  立  金 0 0

学納金貸付金 2,000 15,100

事  務  費 1 -1

次年度繰越金 25,765 -4,609

合     計 27,766 10,490

� (単位:千円)支出の部

科     目 決 算 額 予算差異

学納金代替金 0 11,400

返  還  金 0 500

記 念 品 費 1,650 400

事  務  費 12 68

事 務 委託費 7,250 0

繰  出  金 0 10,000

次年度繰越金 41,353 -21,328

合     計 50,265 1,040

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平成28年度事業と予算 5月の定期総会において父兄後援会及び父兄互助会の平成28年度事業計画及び予算案が承認されました。今年も、会員、そのご子弟に対しさまざまな支援をしていきます。 詳細は、総会資料をご覧ください。

父兄後援会事業計画及び予算の概要

一般会計

収入の部

科   目 28年度予算額

27年度予算額 増 減

会 費 収 入 82,170 79,440 2,730

コピー料収入 3,000 3,000 0

委 託 料 収 入 7,250 7,250 0

前年度繰越金 55,772 49,482 6,290

合   計 148,192 139,172 9,020

特別会計

収入の部

科   目 28年度予算額

27年度予算額 増 減

貸付事務手数料 14 14 0

前年度繰越金 6,142 6,446 -304

合   計 6,156 6,460 -304

支出の部

科   目 28年度予算額

27年度予算額 増 減

奨 学 貸 付 金 1,200 1,200 0

既卒者模試代 304 152 152

予  備  費 1,000 1,000 0

次年度繰越金 3,652 4,108 -456

合   計 6,156 6,460 -304

◎学生の行事等への協力(厚生協力費)

クラブ活動への助成、医大祭費用助成、卒業記念品代助成、謝恩会費用助成 など

◎学生の教育に関する協力(教育協力費)指導教員との個人面談費用助成、CBT対策ネット講座・共用試験模試費用助成、卒試問題印刷・配布、臨床実習衣助成、コピー機をリースして学生のコピー便宜供与 など

◎国家試験に関する協力(国試対策費)予備校DVDレンタル・ネット講座、模試受験費用助成、予備校講師料助成、国試受験に係る宿泊・送迎、国試説明会、参考図書購入 など

◎その他の事業、活動学生セミナー室整備に係る寄附、学年別父兄懇親会、新入生・父兄歓迎会、会報発刊・送付マッチング情報提供 など

◎特別会計として、国試未合格者への模試情報提供など

� (単位:千円)支出の部

科   目 28年度予算額

27年度予算額 増 減

 運 営 費 14,810 14,636 174

 教学協力費 119,470 76,860 42,610

厚生協力費 20,120 20,510 -390

教育協力費 12,750 12,750 0

国試対策費 36,600 36,600 0

新病院建設寄付金 0 7,000 -7,000

セミナー室整備 50,000 0 50,000

 予 備 費 1,000 1,000 0

 次年度繰越金 12,912 46,676 -33,764

合   計 148,192 139,172 9,020

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父兄互助会事業計画及び予算の概要

一般会計

収入の部

科   目 28年度予算額

27年度予算額 増 減

会 費 収 入 20,000 20,000 0

前年度繰越金 41,352 31,305 10,047

合     計 61,352 51,305 10,447

特別会計

収入の部

科   目 28年度予算額

27年度予算額 増 減

繰  入  金 10,000 10,000 0

貸 付 償 還 金 9,940 9,100 840

前年度繰越金 25,765 19,156 6,609

合     計 45,705 38,256 7,449

支出の部

科   目 28年度予算額

27年度予算額 増 減

積  立  金 0 0 0

学納金貸付金 17,100 17,100 0

事  務  費 0 0 0

次年度繰越金 28,605 21,156 7,449

合     計 45,705 38,256 7,449

� (単位:千円)支出の部

科   目 28年度予算額

27年度予算額 増 減

学納金代替金 11,400 11,400 0

返  還  金 500 500 0

記 念 品 費 2,650 2,050 600

事 務 費 80 80 0

事 務 委 託 費 7,250 7,250 0

繰  出  金 10,000 10,000 0

次年度繰越金 29,472 20,025 9,447

合     計 61,352 51,305 10,047 

☆一般会計事業○�会員である学資負担者が死亡又は高度障害で学納金の納入が困難になった場合に、会員に代わって卒業まで納めていく(代替納入制度)事業を行っており、これまでに何人かの学生が恩恵を受けて卒業しています。 27年度は、現該当者は 0名ですが、 2人分の予算を計上しています。○中途退学者には、一部会費を返還しています。○会員の子弟が卒業されたときは、会員に対し記念品をお贈りしています。

☆特別会計事業

○�会員が病気あるいは事業不振などにより学納金の納入が困難になった場合に、一時立替えて学納金を支払うという貸付制度です。毎年度対象者があり、これまで多くの学生の修学援助を行ってきました。 27年度は、現該当者は 0名ですが、 3人分の予算を計上しています。 利息は徴収しません。

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 本稿にて、 2 ヶ月間アメリカの南イリノイ大学�(SIU)に交換留学生として留学した事を報告させていただきます。私は 2 ヶ月間で感染症科、家庭医療科、内分泌内科で実習を行いました。各診療科での実習内容とそこから学んだことを簡単に紹介したいと思います。感染症科では外来見学、病棟実習が主な内容になっています。外来見学ではHIVやB型肝炎、C型肝炎等、多彩な感染症の患者さんを診る事ができました。病棟実習では患者さんを実際に受け持ち、指導医との全体ラウンド前に自分でラウンドを行い、その内容を元に治療計画も含め全体ラウンドで発表し、指導医からのフィードバックをもらいます。このような実習を経て、様々な感染症の症例を経験し、入院患者さんのマネジメント方法を学ぶことができました。家庭医療科では外来実習が中心となっており、自ら患者さんの病歴の問診、身体診察を行い、それに対するアセスメント、プランを考え指導医にプレゼンテーションするという内容でした。プレゼンテーションの後に指導医からフィードバックをもらい、さらに勉強する事ができます。毎日沢山の患者さんを診察できるため、患者さんの病歴や身体診察の取り方、アセスメント、プランに至る考え方、プレゼンテーションの方法を繰り返し学ぶ事ができました。家庭医療科での実習で最も印象深かった事は、多岐にわたる患者さんを診ることです。大人から子供、高齢者まで年齢、性別の違い、高血圧や糖尿病などの慢性疾患、精神疾患、予防接種、子供の定期検診、救急外来のフォローアップ症例と種類も多岐にわたります。このようにクリニックで患者さんを診るためには様々な分野の豊富な知識が必要となります。そのため、医師には継続的に知識を獲得し続け、アップデートする必要があると感じました。内分泌内科の実習は病棟、外来実習が中心ですが、患者さんはそれほど多くないので学生は一人の患者さんに時間をかけ診察を行えます。ここでは家庭医療科で学んだ患者さんの診察方法を活かして、診察を行う事ができました。それに加えて内分泌内科では、学生がジャーナルクラブで論文を先生方に紹介するという課題がありました。日本でさえジャーナルクラブの経験がなかったため、準備がとても大変でしたが、とても勉強になり今後の自信に繋がりました。このような 3つの診療科での実習を通じて私は日米の医学部における実習の違いについて考えました。SIUでの実習を経験したことで、日本でのクリニカルクラークシップとアメリカのクリニカルクラークシップを比較する事ができるようになりました。SIUに来て感じるのが、学生に多くの事を任せていることです。感染症科では入院患者を複数受け持ち、全体ラウンド前に自分でラウンドを行い、状態を把握し、そして全体ラウンドでは指導医にプレゼンテーションを行います。その際に必ず指導医は「君はどのような方針を立てたの?」と意見を求めていました。医学生もチームの一員としてみなしているようでした。愛知医科大学の病院実習でも患者さんの問診を取る事はありましたが、数は少なく、指導医が学生の意見を求める事は少なく、それをプレゼンテーションする機会も少なかったです。実習内容に関しては日米で大きな違いを感じないものの、量と質の面でアメリカの方が充実していると感じます。そして学生の立場からすると、多くの事を任され、チームの一員として認められ責任がある分、モチベーションに繋がり、必死になって勉強すると感じました。また、SIUでの実習は本人の自主性に任されている点が印象的でした。自分が学びたい症例、テーマを指導医に伝えると、それに沿った症例を与えてくれます。また、質問や実習のアレンジ等も希望を伝えれば時間を取り対応してくれます。日本の指導医は忙しいため、学生の教育に時間を割けない事が多いです。指導医の忙しさに関しては、医師個人の志向による場合もありますが、臨床や研究に重点を置かざるをえないシステム上の問題もあると考えています。また今回の留学を通して自分の成長を感じる事ができました。具体的には実習に対する

意識の変化が生まれました。今までの実習では提出しなければならないレポートや先生からの課題をこなすだけで、受け身な姿勢で実習を行っていました。しかし、SIUでの実習を経て、事前に準備をするようになりました。また準備する事も先生から与えられた課題ではなく、自分の興味がある疾患や理解度の低い疾患など準備する項目を自分で決めるようになっていました。この変化によって実習での理解や定着度の違いが格段に変わったのを実感しました。以上のようにSIUでの留学で学んだ事を今後も活かして残りの学生生活、その先の医師としてのキャリアを過ごしていきたいと考えています。留学に関してお世話になった方々にこの場をお借りして、感謝申し上げます。

南イリノイ大学Electiveコースに参加して� 医学部 6 学年次 加藤 智大

筆者中央(SIU教員及び学生と感染症科にて)

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 私は在学中に一度は留学することを目標としていました。そして、ついにこの春に南イリノイ大学へ留学をすることができました。留学自体は初めての経験で、記憶のある限りでは 3週間も海外に滞在をしたことがなく、確かに不安はありました。しかし、不安よりも、海外で自分の英語がどれほど通用するのか、自分が今まで学んできた医学知識がどこまで通用するのか、とても楽しみに思う気持ちが大部分を占めていました。 現地での留学 2日目、SIUの学生 7人の中に日本人 1人でグループワークを行いました。最初に、勇気を出して自己紹介をしたところ、SIUの学生は非常に快く受け入れてくれました。ここで一度はホッとしたのですが、ここから先、全く聞き取れない速さの英語が飛び交い出しました。高速で走る自動車に、片腕一本で捕まってしがみついているような感覚でした。一度ついていけなくなると、広い道路に投げ出されたようになります。しかし、すぐに自分が理解できる単語を拾い続けます。次の車を掴んでは、しがみつき、投げ出される。そのような流れをずっと続けていました。何度も自分の頭が思考停止をしてしまいそうになりましたが、「ここは意地でもついていこう」と必死に頑張りました。最終的に、その授業ではたった 1回しか発言することしかできませんでした。そのことが非常に悔しく、留学中に絶対に「爪痕」を残してやろうと誓いました。その後もSIUの学生と混じって行うグループワークは何回かありました。その間、なんとか会話にしがみつく日々を過ごしました。 2回目のグループワークで、ホルモンの分泌機構の話になりました。先生が、「誰か説明してくれる?」と言いましたが、誰も手を挙げませんでした。これはチャンス。壁にはホワイトボードがある。私は幸運なことに絵は得意でした。分かりやすいイラストを描くことに成功し、なんとか説明することができました。ドキドキしながら、今回は一言の発言だけでは終わらなかったことを喜びました。このように医学的な話はなんとかついていけるのですが、世間話となると一気に難易度が増します。辞書には載っていない略語、言い回し、内輪話など、分からない事ばかりです。それでも、たまに隣の学生にこっそり聞いたりして、話に入ろうと頑張りました。その頑張りが認められたのか、最終週には、SIUの学生と同様に、ある症例について、 2、 3分のプレゼンテーションもやらせてもらうことができました。少し緊張はしましたが、スムーズに行えました。この時、私は留学生としてではなく、SIUの学生としてグループワークに参加しているという実感を得ることできました。完璧ではないのですが、なんとか満足する結果を残すことができました。 このような結果が残せたのは、もちろん自分の努力があったからですが、それと同時に、周りのSIUの学生や先生がとても親身に接してくれたからです。留学初日から、先輩や既に去年留学を経験している学生の友人がお出迎えをしてくれ、平日には食事に連れて行ってくれたり、食材を買うときには車を運転してくれたりしました。大学近くの体育館のようなところへも連れて行ってくれて、ラケットボールというスポーツも教えてくれました。最終週は、今年初めて友達になった人たちと主に交流し、授業後には図書館で一緒に勉強し、その後はみんなでアメリカ式のカラオケ(個室ではなく、バーで大勢の前で歌を披露する)へ行きました。同じ授業に参加するだけではわからない、とてもフレンドリーな人柄といった、文化の違いも多く知ることができました。SIUで出会った人たちとは今でもメールやSNSで連絡を取り合っています。このような関係を日本で築くのはとても難しいと思います。

 日本国内でも、海外はこうだけど、日本はこうだ、といった話を耳にします。しかし、そんな話を聞いても全く経験になりません。情報交換の技術が発達し、海外との交流がとても簡単になっているこの世界を生きていくためには、実際に海外のことを経験することは必要不可欠なことであると思います。その点において、私はこの眼で海外の様子を見て、文化の違い、そして共通する部分も経験してきました。この経験はこれからの人生の宝となることは間違いありません。 今回、とても素敵な人々に囲まれた留学を行うことができて、自分はとても恵まれていると実感しました。このような留学制度を組んで下さった大学関係の方々、陰で支援してくれた両親には感謝の思いでいっぱいです。

南イリノイ大学PBLコースに参加して� 医学部 5 学年次 福井 隆彦

筆者左から3人目(グループワークのメンバーと講義室にて)

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☆� 新病院効果で経営状態が上向きになりつつある中、次のキャンパスの整備が進められています。最初に念願であった本館 7階に学生セミナー室が整備されました。次にA・B病棟跡地に来年 6月オープンする 3階建のアメニティ棟の概要が明らかになりました。 1階はコンビニエンスストアと医療売店、 2階はフードコートでラーメン・カレーライス・パスタそしてハンバーガーとそれぞれ 4つの有名専門店が入ります。 3階は交流ラウンジ・会議室です。これで学生の食事はレストランオレンジと併せて選択肢が増えるので、楽しみが増えると思われます。その他にはバスターミナルが建設されます。これに伴いバス路線も拡充されることから間違いなく便利になります。

� 編 集 後 記 �

発  行  平成28年8月10日

発 行 人  櫻井  敏

編集委員  �森   厚 栁澤 行徳 天野 晃治�林  浩之 清水 卓也 杉田信太郎

連 絡 先  �愛知医科大学医学部父兄後援会�電話�( 0 5 6 1)6 2-3 3 1 1  �   �内線1 1 3 9 0・1 1 3 9 1 �E-mail:�[email protected]

愛知医科大学医学部父兄後援会会報 第116号

☆ お  知  ら  せ ☆

◇ 指導教員との個人面談、学年別懇親会 ◇ 医学部では、指導教員との個人面談が次のとおり予定されています。ご案内は 8月と10月に行います。 〇 9月 4日(日) 4年~ 6年父兄対象� 〇10月30日(日) 1年~ 3年父兄対象  いずれも、10:30大学役職者ご挨拶  12:00昼食   13:00個人面談 また、当日前夜には、下記ホテルにおいて父兄後援会主催の学年別懇談会を開催しますので、是非ご参加ください。 〇 9月 3日(土)学年別懇談会(名古屋国際ホテル)� 〇10月29日(土)学年別懇談会(名古屋国際ホテル)   4年~ 6年父兄対象�   1 年~ 3年父兄対象

◇ 第111回医師国家試験日程 ◇ 〇医師国家試験日   2月11日(土)~ 13日(月) 〇合格発表      3月17日(金)

◇ 会費納入について ◇ さる 5月に、会費の納入依頼を行いました。その後未納の会員には再度お願いしましたが、まだ納入されていない方が若干いらっしゃいますので、早急にお振込みをお願いします。

◇ 住所等の変更連絡についてお願い ◇ ご父兄あるいは保証人について、次のような場合は、速やかに父兄後援会までご連絡くださいますようお願いします。 〇 保証人を変更するとき ○ 住所又は連絡先を変更したとき。(住居表示が変更されたとき) ○ ご不幸があったとき。