hpe nimble storage dhcinimble storage...

14
© 2019 by The Enterprise Strategy Group, Inc. All Rights Reserved. 成長が予測不能なワークロードにまでハイパーコンバージドの エクスペリエンスを拡張 Tony Palmer (シニア検証アナリスト)Alex Arcilla (検証アナリスト) 共著 2019 6 この ESG 技術検証は HPE の委託を受けて作成されたものであり、ESG の許諾により配布されています。 Enterprise Strategy Group | Getting to the bigger truth.技術検証 HPE Nimble Storage dHCI

Upload: others

Post on 03-Aug-2020

1 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: HPE Nimble Storage dHCINimble Storage dHCIは、障害を予測して回避し、仮想化スタック全体の自己最適化を行うためのインテリジェンス と自動管理機能を備えた設計となっています。HPE

© 2019 by The Enterprise Strategy Group, Inc. All Rights Reserved.

成長が予測不能なワークロードにまでハイパーコンバージドの エクスペリエンスを拡張 Tony Palmer (シニア検証アナリスト)、Alex Arcilla (検証アナリスト) 共著 2019 年 6 月 この ESG 技術検証は HPE の委託を受けて作成されたものであり、ESG の許諾により配布されています。

Enterprise Strategy Group | Getting to the bigger truth.™

技術検証

HPE Nimble Storage dHCI

Page 2: HPE Nimble Storage dHCINimble Storage dHCIは、障害を予測して回避し、仮想化スタック全体の自己最適化を行うためのインテリジェンス と自動管理機能を備えた設計となっています。HPE

技術検証: HPE Nimble Storage dHCI 2

© 2019 by The Enterprise Strategy Group, Inc. All Rights Reserved.

目次

はじめに ........................................................................................................................................................ 3

背景 .......................................................................................................................................................... 3

HPE Nimble Storage dHCI ........................................................................................................................ 4

ESG 技術検証 ............................................................................................................................................... 5

展開と管理のシンプルさ .............................................................................................................................. 5

ESG のテスト .......................................................................................................................................... 5

HPE InfoSight - AI 主導の運用および管理 .................................................................................................. 9

ESG のテスト ........................................................................................................................................ 10

まとめ .......................................................................................................................................................... 13

ESG 技術検証 ESG 技術検証は、あらゆるタイプと規模の企業に対応する情報テクノロジーソリューションの情報を

IT プロフェッショナルに提供することを目標としています。ESG 技術検証は、購入の意思決定に先

立って実施すべき評価プロセスに代わるものではなく、これらの新しいテクノロジーに関する有益な情

報を提供するものです。また、IT ソリューションの有益な特長や機能を考察し、それらを利用して顧客

が抱える現実の問題を解決する方法を示し、改善が必要な領域を特定することを目的としています。

ESG 技術検証チームの専門家による第三者としての見解は、独自に行った実践的なテスト、および

当該製品を本番環境で使用する顧客に対して実施した調査の結果に基づいています。

Page 3: HPE Nimble Storage dHCINimble Storage dHCIは、障害を予測して回避し、仮想化スタック全体の自己最適化を行うためのインテリジェンス と自動管理機能を備えた設計となっています。HPE

技術検証: HPE Nimble Storage dHCI 3

© 2019 by The Enterprise Strategy Group, Inc. All Rights Reserved.

はじめに

この ESG 技術検証は、HPE Nimble Storage dHCI プラットフォームに対して行った実践的な評価およびテストの結

果を示すものです。本レポートでは、ビジネスクリティカルなワークロードをサポートする HPE Nimble Storage dHCIのシンプルさ、パフォーマンスの自己最適化機能、およびコスト効率に優れた拡張性と耐障害性機能について特に

説明します。

背景

今日のビジネスのスピードを考慮すると、組織がアプリケーションや仮想マシン (VM) をビジネスクリティカルな本番

環境に迅速に追加するには、きわめて高いアジリティと柔軟性が必要となります。コンピューティング、ネットワーク、

およびストレージ機器がサイロ化し、据え付けで個別に管理しなければならない状況では、このようなレベルのアジ

リティを得ることは困難です。こうしたことから、コンバージドインフラストラクチャ (CI) とハイパーコンバージドインフラ

ストラクチャ (HCI) の人気が高まっています。HCI は、簡単に展開、管理、拡張できるソフトウェア デファインド コン

ピューティング、ネットワーク、およびストレージを含む一元管理された単一のソリューションです。ESGの調査では、

多くの組織がHCIのメリットとして迅速な展開、シンプルな管理、および拡張性を挙げる一方で、「課題」として最も多

く挙げられたのが、問題の根本原因の特定が困難であることや、データの保管場所に関連するパフォーマンスの問

題などでした。HCI ではなく CI を選択した組織は、それによってパフォーマンス (24%) と信頼性 (30%) が向上する

と回答しましたが、必要なトレーニングが増えたこと (25%) と、コンバージドプラットフォームのサービスやサポートの

問題 (24%) が課題になっているとも報告しています。

図 1. コンバージド/ハイパーコンバージド インフラストラクチャテクノロジーの利用状況

出典: Enterprise Strategy Group 社

半数以上の組織 (54%) が組織内で CI と HCI の両方を利用していると回答したのは意外なことではありません (図1 参照)。1また、ESG の 2019 年テクノロジー支出計画調査の回答者の 55%が、2019 年はどちらのテクノロジーに

も支出を増やすと回答しています。2ビジネスクリティカルなワークロードをサポートするうえで欠かせないのが、HCIのシンプルな展開および管理と CI の耐障害性、パフォーマンス、きめ細かい拡張性、および柔軟性を統合し、2 つ

のテクノロジーの優れた特質を兼ね備えた、VMware Datacenter 向けのエンドツーエンドのソリューションです。

1 出典: ESG Master Survey Results、『コンバージド/ハイパーコンバージド インフラストラクチャの動向』、2017 年 10 月。 2 出典: ESG 調査レポート、『2019 年テクノロジー支出計画調査』、2019 年 2 月。

現在、コンバージド インフラスト

ラクチャテクノロジーのみを利用

している、31%

現在、ハイパーコンバージド イン

フラストラクチャテクノロジーのみ

を利用している、10%

現在、コンバージド インフラストラ

クチャテクノロジーとハイパーコン

バージド インフラストラクチャテク

ノロジーの両方を利用している、54%

現在、コンバージド インフラストラクチャ

テクノロジーもハイパーコンバージド イン

フラストラクチャテクノロジーも利用してい

ない、5%。

組織内でのコンバージド/ハイパーコンバージドインフラストラクチャテクノロジー

ソリューションの利用状況を回答してください。 (回答者総数324に対する割合)

Page 4: HPE Nimble Storage dHCINimble Storage dHCIは、障害を予測して回避し、仮想化スタック全体の自己最適化を行うためのインテリジェンス と自動管理機能を備えた設計となっています。HPE

技術検証: HPE Nimble Storage dHCI 4

© 2019 by The Enterprise Strategy Group, Inc. All Rights Reserved.

HPE Nimble Storage dHCI

HPE Nimble Storage dHCI は、コンバージドインフラストラクチャの柔軟性と HCI のシンプルさを兼ね備えており、

成長を予測できないワークロードをサポートできるよう設計されたプラットフォームです。コンピューティングリソース (HPE ProLiant) とストレージリソース (HPE Nimble Storage) が分散されていて個別に拡張できます。また、ハイ

パーコンバージド制御によってソフトウェア デファインドによる自動化を促進します。HPE InfoSight を搭載した

Nimble Storage dHCI は、障害を予測して回避し、仮想化スタック全体の自己最適化を行うためのインテリジェンス

と自動管理機能を備えた設計となっています。HPE は、VM 管理者が企業のニーズに対応するうえで必要なアジリ

ティを提供するという意欲的な目標を掲げています。

図 2. HPE Nimble Storage dHCI

出典: Enterprise Strategy Group 社

HPE Nimble Storage dHCI の主な機能は次のとおりです。

• グローバルインテリジェンス - HPE InfoSight を活用して予測分析、およびパフォーマンスとリソースの最適化

を行います。クラウドベースの機械学習により、インフラストラクチャのすべてのレイヤーでテレメトリデータを相

互に関連付けることで、問題を予測して回避するとともに、意思決定を自動化します。

• ハイパーコンバージド制御 - データサービス (クローン、バックアップ、リストア、および移動) の VM でのポリ

シーベースの自動化とネイティブの vCenter 管理により、ストレージとコンピューティングのサイロを解消します。

• 分散型のリソース拡張 - コンピューティングとストレージを個別かつ透過的にクラスターに追加し、リソースの使

用率と効率を最大限まで高めることができます。

• 高可用性 - 99.9999%の可用性を実現し、単一障害点のない高度なデータ整合性により、3 台のドライブに同

時に障害が発生しても運用を継続できます。3

• 低レイテンシのパフォーマンス - わずか 200 マイクロ秒のデータ応答時間を実現するとともに、ノイズの多い隣

接デバイスを自動 QoS によって排除します。

• データ効率 - グローバル重複排除、圧縮、ゼロパターン消去、シンプロビジョニング、ゼロコピークローンにより、

最大 21 分の 1 にデータを削減します。

• エンドツーエンドのデータ保護 - Veeam および HPE Recovery Manager Central (RMC) との統合によって実

現します。

3 HPE Nimble Storage のインストールベース全体における可用性の測定方法については、このホワイトペーパーをダウンロードしてご確認ください。https://www.hpe.com/us/en/resources/storage/redefining-standard-system.html

Page 5: HPE Nimble Storage dHCINimble Storage dHCIは、障害を予測して回避し、仮想化スタック全体の自己最適化を行うためのインテリジェンス と自動管理機能を備えた設計となっています。HPE

技術検証: HPE Nimble Storage dHCI 5

© 2019 by The Enterprise Strategy Group, Inc. All Rights Reserved.

• ワークロードモビリティ - HPE Cloud Volumes と Google Cloud の Anthos により、複数のクラウドにおけるネ

イティブかつ双方向のアプリケーションおよびデータモビリティを確保します。

ESG 技術検証

ESG では、HPE Nimble Storage dHCI の評価とテストを実施しました。このテストは、ビジネスクリティカルなアプリ

ケーションとワークロードの統合をサポートするという観点から、分散型の拡張、ポリシーベースの自動化、フルス

タックの予測分析、パフォーマンス、可用性、およびハイブリッドクラウド準備状況を確認しつつ、プラットフォームの

展開と管理のシンプルさを検証することが目的でした。

展開と管理のシンプルさ

ESG のテスト

ESG は、顧客が HPE Nimble Storage dHCI を展開する際に行うプロセスを実際に行って確認しました。まず、HPE Nimble Storage アレイを管理 VLAN に接続し、管理 URL にアクセスして初期化しました。次に、ホスト名、IP アドレ

スなどの基本情報を入力しました。初期化は 60 秒もかからずに完了し、[CONTINUE]をクリックすると、図 3 に示す

ように HPE Nimble Storage dHCI の設定にリダイレクトされました。

図 3. HPE Nimble Storage アレイの初期化

出典: Enterprise Strategy Group 社

HPE Nimble Storage dHCI の設定を順を追って行いましたが、ステップごとに必要な情報をわかりやすく説明しまし

た。最初のステップは、vCenter の設定でした。組織は既存の vCenter サーバーを使用するか、新規サーバーを作

成することができます。HPE Nimble Storage アレイには vCenter OVA が含まれており、顧客がダウンロードしたり

手動で展開したりする必要がありません。既存の vCenter を使用する場合、HPE Nimble Storage dHCI では、組

織が新規クラスターを作成することも、既存のクラスターを使用することもできます。ESGは、検出されたサーバーで

新規クラスターを作成しました。最後に、データストアをプロビジョニングしました。HPE Nimble Storage dHCI では、

設定時または vCenter プラグインを使用してデータストアを柔軟に作成することができます。図 4は設定の概要を示

しています。

Page 6: HPE Nimble Storage dHCINimble Storage dHCIは、障害を予測して回避し、仮想化スタック全体の自己最適化を行うためのインテリジェンス と自動管理機能を備えた設計となっています。HPE

技術検証: HPE Nimble Storage dHCI 6

© 2019 by The Enterprise Strategy Group, Inc. All Rights Reserved.

図 4. HPE Nimble Storage dHCI の設定の概要

出典: Enterprise Strategy Group 社

[FINISH]をクリックすると、図 5 に示すように、システムが環境を設定しました。

図 5. HPE Nimble Storage dHCI の設定完了

出典: Enterprise Strategy Group 社

設定 (必要となるのは環境に関するホストおよびネットワークの基本情報のみ) が完了し、最初のキー操作から 12 分も経たずに HPE Nimble Storage dHCI でワークロードをサポートできるようになりました。次に、HPE Nimble Storage dHCI vSphere プラグインを使用して VMware クラスターにサーバーを追加し、プラットフォームの高粒度

の拡張性をテストしました。追加記号 (+) をクリックすると、電源投入した複数の新規 ProLiant サーバーをシステム

が検出し、HPE Nimble Storage dHCI のネットワークに追加しました。

Page 7: HPE Nimble Storage dHCINimble Storage dHCIは、障害を予測して回避し、仮想化スタック全体の自己最適化を行うためのインテリジェンス と自動管理機能を備えた設計となっています。HPE

技術検証: HPE Nimble Storage dHCI 7

© 2019 by The Enterprise Strategy Group, Inc. All Rights Reserved.

図 6. HPE Nimble Storage dHCI クラスターにおけるコンピューティングの拡張

出典: Enterprise Strategy Group 社

サーバーを選択し、管理および iSCSI IP アドレスの範囲と、ESXi および HPE Integrated Lights Out (iLO) の管理

に使用する新しいパスワードを入力しました (合計 6 回クリックし、3 分もかかりませんでした)。

次にパフォーマンス指標、アラーム、イベント、保護状況、リソース使用状況など、クラスター全体の状況を瞬時に把

握できる HPE Nimble Storage vSphereクライアントプラグインに移動しました。クリック 1回で、クラスター内のサー

バーとストレージのインベントリ、およびデータストアや VMware Virtual Volumes (VVols) などの VMware 抽象化

が表示されました。

図 7. HPE Nimble Storage vSphere クライアントプラグインによる HPE Nimble Storage dHCI の管理

出典: Enterprise Strategy Group 社

Page 8: HPE Nimble Storage dHCINimble Storage dHCIは、障害を予測して回避し、仮想化スタック全体の自己最適化を行うためのインテリジェンス と自動管理機能を備えた設計となっています。HPE

技術検証: HPE Nimble Storage dHCI 8

© 2019 by The Enterprise Strategy Group, Inc. All Rights Reserved.

HPE Nimble Storage dHCI プラットフォームは、ストレージインフラストラクチャの高可用性を実現するとともに、高

い容量効率で組織のデータをローカルおよびリモートで保護するシンプルなデータ保護機能をもたらす設計となって

います。HPE Nimble Storage はボリュームあたり数千個のスナップショットをサポート可能で、詳細なデータ保持の

スケジュールを設定できます。ESG は、アクティブ環境をシミュレーションするためにワークロードを実行しながら

ローカルのスナップショットとクローンに注目しました。アクティブボリュームのスナップショットとクローンを自動作成

するスケジュールが設定されており、図 8 に示すように、ESG がそのうちの 1 つをリストアしました。

図 8. HPE Nimble Storage vSphere クライアントプラグインの VM スナップショットによる HPE Nimble Storage dHCI の管理

出典: Enterprise Strategy Group 社

HPE Nimble Storage dHCI を利用することで、組織はローカルのスナップショットとクローン、および本番環境デー

タのリモートコピーの頻度と保持期間を定義するポリシーを作成できます。これらのポリシーは、単一のボリュームに

もボリュームグループにも適用できます。ポインターベースのスナップショットとゼロコピークローンでは、フラッシュを

活用して本番環境のパフォーマンスへの影響を軽減します。HPE Nimble Storage のレプリケーションは、設定され

たスケジュールに沿って変更されたデータを移動し、既存のデータ削減および圧縮機能を利用して必要な帯域幅を

最小限に抑えます。

次に、[Configuration Checks]をクリックして設定内容を検証しました。図 9 に示すように、ESG が先ほど追加した

サーバーは、検証された 54 のルールのうち 2 つに違反しています。サーバーからデータストアへのパスが 1 つしか

なく (可用性に関する深刻な問題)、イニシエーターグループ/iSCSI 修飾名 (IQN) の最大文字数ルールに違反して

います。

Page 9: HPE Nimble Storage dHCINimble Storage dHCIは、障害を予測して回避し、仮想化スタック全体の自己最適化を行うためのインテリジェンス と自動管理機能を備えた設計となっています。HPE

技術検証: HPE Nimble Storage dHCI 9

© 2019 by The Enterprise Strategy Group, Inc. All Rights Reserved.

図 9. HPE Nimble Storage vSphere クライアントプラグインの設定確認による HPE Nimble Storage dHCI の管理

出典: Enterprise Strategy Group 社

どちらの問題も特定されてから数秒以内に、クリック 2 回で簡単に修正できました。

HPE InfoSight - AI 主導の運用および管理

企業はアップタイムを最大限に向上させるため、故障、修理、調整を繰り返す手動のサイクルから脱却し、自動化を

推進する必要があります。自動的にアプリケーション障害を最小限に抑え、絶えず変化するワークロードを最適化し、

インフラストラクチャを調整することでパフォーマンスを向上できるソリューションは、有益な変化をもたらすはずです。

管理者は、ハイパーコンバージド インフラストラクチャで発生するパフォーマンスに影響を与える問題の根本原因を

特定して修正する際に、別途診断ツールを使用することなく、問題を包括的に特定して解決できるプラットフォームを

活用することができます。クラウドベースの機械学習を活用する HPE InfoSight は、HPE Nimble Storage dHCI の

4 出典: ESG Master Survey Results、『コンバージド/ハイパーコンバージド インフラストラクチャの動向』、2017 年 10 月。

注目すべき点 マルチベンダーのコンポーネントで構成された従来の仮想化インフラストラクチャでは、プランニング、インス

トール、設定、管理、および維持が複雑になります。完全統合型ハイパーコンバージドソリューションは、管理

の簡素化、展開に必要な時間の短縮、およびTCOの削減を目標として登場しましたが、それらのメリットと引き

換えに、ビジネスクリティカルな混合ワークロード環境における柔軟性とパフォーマンスが損なわれていました。

コンバージドインフラストラクチャシステムは、従来型のインフラストラクチャと同等の柔軟性とパフォーマンスを

備えていましたが、その柔軟性の代償として、ハイパーコンバージドシステムよりも展開と管理が複雑になって

いました。ESG の調査により、拡張性 (30%)、信頼性 (30%)、および既存の管理体制およびワークフローへの

適合性 (33%) を重視する組織がコンバージドインフラストラクチャを選択する一方で、Tier-2 ワークロードのサ

ポート (37%)、および使いやすさ (35%) を重視する場合はハイパーコンバージドインフラストラクチャを選択し

ていることが明らかになりました。4

ESGは、HPE Nimble Storage dHCIの展開と管理がきわめて容易であることを確認しました。完全な仮想イン

フラストラクチャの設定に関連する複雑な作業を自動化する設定ウィザードを利用することで、インストールプロ

セスを簡単に実行できました。その中で、サーバー、ストレージ、ネットワーク、および完全にクラスター化され

た高可用性 VMware環境を 12分未満でセットアップすることができました。ESGは、オンラインのクラスターに

サーバーを追加することで、3 分足らずでコンピューティング能力を素早く透過的に拡張しました。

包括的で堅牢な HPE Nimble Storage dHCI vCenter プラグインは、主要な管理機能がポリシーベースで自動

化されており、vCenter コンソールから直接、すべてのインフラストラクチャを一括管理することができました。

Page 10: HPE Nimble Storage dHCINimble Storage dHCIは、障害を予測して回避し、仮想化スタック全体の自己最適化を行うためのインテリジェンス と自動管理機能を備えた設計となっています。HPE

技術検証: HPE Nimble Storage dHCI 10

© 2019 by The Enterprise Strategy Group, Inc. All Rights Reserved.

サーバー、ストレージ、およびネットワークコンポーネントの連携状況を明らかにするグローバルインサイトを提供す

る設計となっており、問題を特定するとともに、自動的に予測して解決します。これにより、診断ツールを使用して手

作業で対応する時間と、他のサーバー、ストレージ、ネットワークチームと連携して根本原因を特定し、適切な改善

策を決定する時間を大幅に短縮できます。

ESG のテスト

ESG はまず、HPE InfoSight のメインポータルに移動し (図 10 参照)、この特定の顧客の HPE Nimble Storage dHCI 実装環境について、システム全体、データ保護、および VM に関連する指標などのサマリー情報を確認しまし

た。ESG が注目したのは、[Top VMs]ウィンドウで、事前に定義された時間に対して平均レイテンシの大きい順に

VM がソートされ、管理者が潜在的な問題の優先順位を決定するのに役立つ情報が提示されていたことです。また、

アクティビティ別にもソートできるため、非アクティブな VM リソースを特定し、管理者が再利用することが可能です。

図 10. HPE Infosight ポータルとドリルダウンビュー

上部に表示された VM をクリックすると、InfoSight がその VM に関連する詳細な指標を表示しました。ESG が注目

したのは、InfoSight がシステム全体を分析することで、サーバー、ストレージ、またはネットワークの観点から、レイ

テンシが発生する可能性のある場所を正確に特定できることです。このような折れ線グラフを時間軸上に表示する

ことで、傾向を把握できます。ESG は、個別の診断ツールにアクセスするのではなく、InfoSight を利用してインフラ

ストラクチャ全体を注視することで根本原因を絞り込みました。

InfoSight の可視化機能により、平均レイテンシが大きい場合に考えられる根本原因がわかりやすく示されています。

この特定の VM に関連する他の指標を詳しく見ていくと、CPU の使用量が最も多い VM を示す「シャワータイル」な

どのグラフが表示されました。これらの色分けされたグラフによっても、考えられる根本原因を簡単に特定することが

でき、調査に必要な時間が短縮されます。この例では、濃い色が最も CPU の処理能力を消費する VM を示してい

ます。多くの処理能力を消費している VM には、原因として、定義済みの VM に見られるレイテンシの問題が関係し

ている可能性があります。

管理者は HPE InfoSight を通じて、同様の問題に直面したことのあるさまざまな顧客の経験を活用できます。HPE InfoSight のクロススタック推奨機能を利用すれば、考えられる根本原因を明らかにし、処方的アドバイスに基づく対

策を講じることができます。アドバイスは、現在のインストールベースが抱える問題について HPE が収集したデータ

に基づいています。これにより、管理者は問題解決までの時間を短縮し、結果として運用コストを削減できます。

ESG はクロススタックのメインページにアクセスして、根本原因と推奨される対策がどのように提示されるのかを確

認し、特に 2 つの図表に注目しました。最初のツリーマップは、レイテンシが生じている特定の vCenter 内で影響を

Page 11: HPE Nimble Storage dHCINimble Storage dHCIは、障害を予測して回避し、仮想化スタック全体の自己最適化を行うためのインテリジェンス と自動管理機能を備えた設計となっています。HPE

技術検証: HPE Nimble Storage dHCI 11

© 2019 by The Enterprise Strategy Group, Inc. All Rights Reserved.

受ける VM を示します (図 11 参照)。各ブロックの大きさが各マシンへの I/O の数を示しており、色の濃さがレイテン

シの深刻度を示しています。また色の広がりは、考えられる原因に基づいて問題がどれほど広範囲に及んでいるか

を示します。

図 11. クロススタック - 特定の vCenter の VM におけるレイテンシを示すツリーマップ

HPE InfoSight に含まれるもう 1 つの強力な可視化機能に Sankey があります (図 12 参照)。この表には、左から

順にストレージアレイ、データストア、およびホスト間の関係性を通じてレイテンシの問題が表示されています。横線

の幅が I/Oのトラフィック量と関連付けられており、アレイ、データストア、およびホストの色がレイテンシの問題の深

刻度を示しています。

図 12. クロススタック - 特定の vCenter の VM におけるレイテンシを示す Sankey

HPE InfoSight のクロススタック推奨機能は、各グラフ表示により、最も可能性の高い根本原因のリストとともに実行

可能な改善策を色分けして示すことで、問題が HPE Nimble Storage dHCI のサーバー、ストレージ、またはネット

ワークコンポーネントに関連しているかどうかを明らかにしました。組織は必要に応じて、改善を自動化するポリシー

を実装できます。

Page 12: HPE Nimble Storage dHCINimble Storage dHCIは、障害を予測して回避し、仮想化スタック全体の自己最適化を行うためのインテリジェンス と自動管理機能を備えた設計となっています。HPE

技術検証: HPE Nimble Storage dHCI 12

© 2019 by The Enterprise Strategy Group, Inc. All Rights Reserved.

注目すべき点 全体的なダウンタイムを削減する唯一の方法は、問題を素早く特定して解決することです。多くの組織は、従業

員がクリティカルなビジネスタスクを完了し、顧客が優れたエクスペリエンスを利用できるよう、アプリケーション

パフォーマンスのレベルを維持することに注力しています。アプリケーションパフォーマンスに影響を及ぼしか

ねない問題のプロアクティブな特定、インフラストラクチャの調整、およびワークロードの最適化を自社で行うこ

とができれば、ダウンタイムのさらなる削減と事業継続性の向上につながります。

ESG は、HPE Nimble Storage dHCI および HPE InfoSight が、データを中心にすべての VM を一元管理でき

る機能を組織に提供し、パフォーマンスに影響する問題の原因を特定するとともに、どのような対策でパフォー

マンスの問題を回避できるかを予測する能力を備えていることを検証しました。

また、管理者が HPE InfoSight を活用することで、サーバー、ストレージ、ネットワーク、または VM のいずれで

あれ問題の根本原因を特定するとともに、その他の影響を受ける可能性のある領域を指摘しながら、特定され

た問題がインフラストラクチャ全体とどのように関連しているのかを把握できることを確認しました。さらに、事業

継続性への影響を最小限に抑えられるよう、特定された問題が他の領域にどのような影響を及ぼす可能性が

あるのかを管理者が簡単に確認できることも検証しました。最後に、事前に定義されたしきい値に対する指標

の挙動を予測することにより、管理者が将来のリソース要件に応じた計画および予算を策定できることを確認

しました。

Page 13: HPE Nimble Storage dHCINimble Storage dHCIは、障害を予測して回避し、仮想化スタック全体の自己最適化を行うためのインテリジェンス と自動管理機能を備えた設計となっています。HPE

技術検証: HPE Nimble Storage dHCI 13

© 2019 by The Enterprise Strategy Group, Inc. All Rights Reserved.

まとめ

データセンターの環境が複雑化し、コストも増加していることはすでによく知られています。ここ数年でビジネスにお

ける技術的ニーズが増大しており、多くの組織が単一の機能を実行する専門的なテクノロジーに投資し、その後は

既存のインフラストラクチャにそれを統合しているため、環境はより複雑になっています。それぞれのテクノロジーで、

個別の管理ペイン、手作業による設定および構成のワークフロー、各レイヤーのコンポーネントを維持管理できる専

用の管理リソース一式が必要となります。

各種テクノロジーを単一のユニットに統合するハイパーコンバージドモデルなら、資本支出と運用コストの両方を最

小限に抑えることができます。HCI のアーキテクチャーは、成長が予測可能で均質なアプリケーションに最適です。

この場合、コンピューティングとストレージは同時に拡張すべきだからです。しかし、成長が予測できないワークロー

ドでは、コンピューティングとストレージを個別に拡張できる柔軟性が重要な要件となる可能性があります。

HPE Nimble Storage dHCI テクノロジーは、ハイパーコンバージドモデルのシンプルさを保ちながら、効率的で信頼

性が高く、拡張性に優れています。ESG は、HPE Nimble Storage dHCI によって展開と一般的な運用のスピードが

大幅に向上し、そうした運用に関連する管理の複雑さを抑えられることを確認しました。HPE Cloud Volumes によ

り、同じレベルのシンプルな管理、データ効率、およびデータセンターとパブリッククラウドプロバイダーの間のネイ

ティブかつ双方向のデータ移動を実現するという点で、HPE Nimble Storage dHCI は注目すべきソリューション です。

ESG は、新たな HPE Nimble Storage dHCI クラスターおよび vSphere を 12 分未満で展開し、サーバーを追加す

ることで、運用を中断せずに 3 分未満でコンピューティングリソースを拡張しました。vSphere プラグインを使用した

管理は無駄がなくシンプルで、VM 管理者はストレージチームやネットワークチームと連携せずに通常業務に対応で

きました。HPE InfoSight は、インフラストラクチャ内の場所を問わず (サーバー、ストレージ、ネットワーク、または

VM のいずれにあっても) 問題とその根本原因を特定するとともに、その他の影響を受ける可能性のある領域を特

定しました。問題から生じうる影響の全体を管理者が簡単に特定できることで、ビジネスの中断を最小限に抑えるこ

とができます。事前に定義されたしきい値に対する指標の挙動を予測することで、管理者は将来のリソース要件に

応じた計画および予算を策定できます。

ハイパーコンバージドシステムは、ソフトウェア デファインド インフラストラクチャを通じてあらゆる規模の組織の運用

を簡素化することに成功しており、物理的なリソースと人的リソースの両方の有効性を向上させ、複雑さを軽減しま

した。コンバージドシステムは従来型のインフラストラクチャと同等の柔軟性を備えていましたが、ハイパーコンバー

ジドシステムのようなシンプルさに欠けていました。HPE Nimble Storage dHCI を利用することで、組織は、効率、

アップタイム、パフォーマンスを最大限まで向上させつつ、複雑さを軽減するという課題に対処できます。運用を簡素

化するためにハイパーコンバージドテクノロジーを検討しているものの、ビジネスクリティカルなワークロードをサ

ポートする必要のある組織は、HPE InfoSight を搭載した HPE Nimble Storage dHCI を導入することで、ビジネス

クリティカルなワークロードを柔軟にサポートしつつ、ハイパーコンバージドプラットフォームのシンプルな展開および

管理機能を活用できます。

Page 14: HPE Nimble Storage dHCINimble Storage dHCIは、障害を予測して回避し、仮想化スタック全体の自己最適化を行うためのインテリジェンス と自動管理機能を備えた設計となっています。HPE

すべての商標はそれぞれの会社の所有物です。本書に記載されている情報は、ESG (Enterprise Strategy Group) が信頼できると判断した

情報源から取得していますが、ESGはこれらの情報に対する保証は行わないものとします。本書にはESGの見解が含まれる可能性があり、

ESG はこれらの見解を将来変更することがあります。本書の著作権は、Enterprise Strategy Group, Inc.に帰属します。Enterprise Strategy Group, Inc.の明示的な同意を得ずに本書の全体または一部を、物理的および電子的に複製した場合、またはそれを受領する権限のない者

に配布した場合、米国著作権法に違反し、民事損害賠償訴訟の対象となり、場合によっては刑事告発の対象となります。ご質問がございまし

たら、ESG Client Relations (電話: 1-508-482-0188) までお問い合わせください。

www.esg-global.com [email protected] P. 508.482.0188

Enterprise Strategy Groupは、グローバルなITコミュニティに市場情報と実用的なインサイトを提供する、 ITアナリスト、調査、検証、戦略企業です。

© 2019 by The Enterprise Strategy Group, Inc. All Rights Reserved.