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第2学年 社会科学習指導案 平成17年10月19日 (水 )第3校時 指導者 亀田中学校 教諭 渡部 博

1 単元名 立憲政治の始まりと日清・日露戦争 2 単元の目標 ・ 急速に近代化を進めた我が国の国際的地位の向上と大陸との関係のあらましを、自 由民権運動と大日本帝国憲法の制定、日清・日露戦争、条約改正を通して理解する。 ・ 当時の国際情勢や国内の状況に関する資料を読み取り、大日本帝国憲法の制定や日 清・日露戦争について考察することを通し、様々な角度から社会的事象をとらえるこ とができる。 3 単元の評価規準 社会的事象への 関心・意欲・態度

社会的な思考・判断 資料活用の技能・表現 社会的事象について

の知識・理解 ・日本の韓国統治

政策がどのような

ものかを指摘する

ことができる。 ・急速な工業化が

もたらした、人々

の生活への影響を

あげることができ

る。 ・文明開化に関心

をもち、意欲的に

調べている。

・大日本帝国憲法の

制定の理由について

考えを述べることが

できる。 ・日清戦争に関する

風刺画から、戦争の

背景を説明すること

ができる。 ・日露戦争の是非に

ついて、自分の考え

を理由を付けて述べ

ることができる。

・自由民権運動に関

する年表を作成する

ことができる。 ・日本の産業革命に

ついて、統計資料な

どから工業の発展の

様子を読み取ること

ができる。 ・単元の学習内容に

ついて、歴史地図を

作成することができ

る。

・急速に近代化を進め

た我が国の国際的地

位の向上と大陸との

関係のあらましを理

解している。 ・自由民権運動と大日

本帝国憲法の制定の

過程を理解している。 ・日清・日露戦争、条

約改正の経緯を理解

している。 (単元テストにおい

て、正答率が 40%以上 85%未満である。)

4 単元と生徒 (1 ) 単元について

急速に近代化を進めた我が国の国際的地位の向上と大陸との関係のあらまし

を、自由民権運動と大日本帝国憲法の制定、日清・日露戦争、条約改正を通して

理解させる。 ~学習指導要領 (社会編 )より~ 小学校では、人物の働きや代表的な文化遺産を中心とした歴史学習をしてきてい る。本単元に関連することでは、板垣退助・大隈重信・伊藤博文の働きなどを取り 上げ、大日本帝国憲法の発布について調べている。また、日清・日露の戦争につい ては、陸奥宗光・東郷平八郎・小村寿太郎の働きなどを取り上げ、調べている。こ

- 2 -

れらを通して、我が国の国力が充実し、国際的地位が向上したことを学んでいる。 この実践の中で小学校での学習内容を掘り起こし、意欲付けを図っていきたい。 (2 ) 教研式標準学力検査 (NRT)の結果から 当校の平成17年度・中学校「社会」3年 (2年学習内容 )NRT 結果によると、大 領域3部構成中、「2部 近世から近代の日本」の正答率だけが全国正答率を下回っ ている (全国比 )。また、設問別に見ると、下記のように「設問13」の内容に ついて、当校はもとより、新潟市の傾向も全国を下回ることが明らかとなっている。 ※ は、全国平均を下回るもの

日米和親 浦 賀 大塩の乱 大 阪 下関砲撃 下 関 西南戦争 鹿児島

全国 47 53 57 61 24 45 62 52

市 55 53 57 55 16 42 63 46

当校

【設問13】の内容 1 ペリーと日 米 和 親 条 約(日 米 和 親 )

2 ペリーの来 航 地 ・浦 賀(浦 賀 )

3 水 野 忠 邦 と天 保 改 革 (大 塩 の乱)

4 大 塩 平 八 郎 の乱 ・大 阪 (大 阪 )

5 長 州 藩 ・高 杉 晋 作 (下 関 砲 撃 )

6 外 国 艦 隊 砲 撃 地 ・下 関 (下 関 )

7 西 郷 隆 盛 と西 南 戦 争 (西 南 戦 争 )

8 西 南 戦 争 ・鹿 児 島 (鹿 児 島 ) (3 ) 平成17年度・新潟市総合教育センター「児童生徒の生活実態調査」から ① 家庭学習に関する市全体の傾向 ※ アンケート (26 )、 (27 )から 数字は学力偏差値

全 く ・ ほ と

んどしない

30分 未満

30分 ~1時間

1時間 ~2時間

2時間 ~3時間

3時間 以上

新潟市 49.8 50 50.7 51.4 51 51.1 家庭学習を「全く・ほとんどしない」生徒に比べ、「1時間~2時間」する生徒の 学力偏差値が1.6ポイント高い (小学校では+11.6ポイント )。総じて、学習 習慣ができている生徒の学力が高いことが明らかとなっている (「学習習慣ができ ている」生徒の学力偏差値:53.13、「学習習慣ができていない」生徒の学力偏 差値:48.76 )。

―出題の内容と市の傾向― 知識・理解の定着度を測るとともに、それぞ

れの歴史的事象が起こった地名を日本地図から

記号で選び、答える形式となっている。市の平

均として、歴史上のできごとの理解については、

一部を除き通過率が全国平均と同じか、上回っ

ている一方で、それぞれのできごとの発生した

位置を答える設問の通過率が低い傾向にあり、

認識が不足していることが顕著である。

- 3 -

② 当校2学年 (抽出クラス )の実態 ※数値は% 番号 項 目 A B C D (18) 宿題をきちんとやっている 6 0 33 61 (42) 社会が好きだ 25 25 25 25 (43) 社会の授業はよくわかる 1 25 28 36 (46) 地図や地球儀等を見るのが好きだ 39 19 25 17 (47) 社会の授業は、自分の将来や生き方に影響する 28 19 36 17

※質問の選択肢 番号 A B C D

(18) (46) (47)

やっている 好きだ 影響する

やっていない 好きではない 影響しない

(42) 好き どちらかとい

うと好き あまり好きで

はない 好きではない

(43) よく分かる だいたい分か

る 分からないこ

とが多い ほとんど分か

らない 5 指導の構想 (1) 地図等の資料の活用 前記のとおり「教研式標準学力検査 (NRT)」の結果から、市の傾向として「だれが」 「何をした」というところまでの理解は全国と比較して劣っているわけではないが、 発生した位置関係の認識が不足していることが明らかである。地図等の資料を活用し ながら、歴史的事象と位置関係を結びつけるような工夫を図っていきたい。 (2) 家庭学習 (宿題 )の内容と「考え方」を身に付けさせるための授業展開の工夫 「学習習慣ができている」生徒の学力が総じて高いことから、家庭学習 (宿題 )の内容 を工夫する。とりわけ、生徒が自ら考えようとしたり、調べようとしたりするような 「予習型」の宿題を課すことにより、家庭学習の定着を図っていきたい。 また、考えたり調べたりしたことについての意見交換などを通し、いろいろな見方・ 考え方に触れたりさせながら、「学び方 (問題を解決していくために必要な方法 )」を身 に付けられるように、宿題の内容と関連づけた授業展開の工夫を図っていきたい。 (3) 個に応じた指導 「補充学習・発展学習」では、到達度に応じて「歴史地図づくり」に取り組ませたい。 生徒は、地理的分野の白地図などの作業学習や、歴史的分野の授業で行っている「自 由レポート」にとても意欲的に取り組む。このことを生かし、歴史を楽しく、主体的 に学習できるような、作業学習の工夫を図りたい。

- 4 -

6 指導と評価の計画

評価の観点 時

間 ねらいと主な学習活動

評価規準 (B) 【評価方法】 関 思 表 知

十分満足でき

る (A) 努力を要する (C)

の生徒への指導

○自由民権運動につ

いて、年表の作成を通

してその広がりをと

らえる。 ・自由民権運動のあら

ましを調べ、年表を作

る。 ・いろいろな憲法案か

ら、当時の人々が憲法

に期待していたこと

を述べる。

年表を作成

することがで

きる。 【ノート】

政府と自由

民権派の動き

とに分けて年

表を作成する

ことができる。

年号を含む文

を拾い出してノ

ートにまとめる

ことができるよ

うに支援する。

1 ※ 本 時

○大日本帝国憲法の

内容を理解し、制定の

意義について考察す

る。 ・民間の憲法案と大日

本帝国憲法を比べる。 ・憲法のねらいについ

て考察する。

制定の理由

について考え

を述べること

ができる。 【ワークシート】 ○

制定の理由

について、具体

的な史実をも

とに述べるこ

とができる。

他の生徒から

出た意見を参考

にして考えを述

べてみるよう助

言する。

○日清戦争、条約改正

を通し、大陸との関

係、我が国の国際的地

位の向上について理

解する。 ・風刺画から、当時の

東アジアの情勢を考

える。 ・日清戦争の経緯と国

内外の反応について

調べる。

風 刺 画 か

ら、当時の国

際関係を説明

することがで

きる。 【ワークシート】

風刺画から、

日清戦争にい

たる背景を説

明することが

できる。

風刺画につい

て説明し、教科

書の記述内容か

ら読み取れるよ

う支援する。

- 5 -

評価の観点 時

間 ねらいと主な学習活動

評価規準 (B) 【評価方法】 関 思 表 知

十分満足でき

る (A) 努力を要する (C)

の生徒への指導

○日露戦争にいたる

過程と人々の考え方

から、戦争の是非につ

いて考察する。 ・日露戦争にかんする

国内の意見を参考に、

戦争の是非について

自分の考えを述べる。 ・戦争の経過と結果、

戦後の国内外の反応

を調べる。

自分の考え

を、理由付け

て述べること

ができる。 【ワークシート】

複数の史実

から、自分の考

えを述べるこ

とができる。

他の生徒から

出た意見を参考

にして考えを述

べてみるよう助

言する。

○日本の韓国統治政

策について、意欲的に

調べる。 ・日本の朝鮮への植民

地政策について調べ

る。 ・中華民国の成立につ

いて調べる。

どのような

統治政策かを

指摘できる。 【ノート】

植民地側の

人々の立場に

立ち、どのよう

な統治政策か

を指摘できる。

資料等から読

み取ることがで

きるよう支援す

る。

○我が国の産業革命

が軽工業から重工業

へと移り変わってい

く様子と人々の生活

の変化を資料から読

み取ったり考えたり

する。 ・グラフから、重工業

が発達した様子につ

いて調べる。 ・国民生活がどう変わ

っていったかを考え

る。

統計資料な

どから工業の

発展を読み取

ることができ

る。 【ノート】

統計資料な

どから工業の

発展を読み取

ることができ、

地 域 社 会 や

人々に与えた

影響をも考え

ることができ

る。

統計資料の見

方を説明する。

- 6 -

評価の観点 時

間 ねらいと主な学習活動

評価規準 (B) 【評価方法】 関 思 表 知

十分満足でき

る (A) 努力を要する (C)

の生徒への指導

○産業革命により生

活の向上が見られた

一方で、様々な社会問

題や労働問題が発生

したことに気付く。 ・産業の発展とともに

発生した社会問題等

について調べる。 ・国民生活への影響に

ついて考える。

急速な工業

化がもたらし

た影響をあげ

ることができ

る。 【ノート】

急速な工業

化がもたらし

た影響をあげ、

当時の人々の

立場に立って

考えることが

できる。

教科書や資料

等から読み取れ

る よ う 支 援 す

る。

○文明開化の内容を

調べ、人々の生活にも

たらした影響につい

て考える。 ・文明開化について調 べ、人々の生活に与え た影響を考える。 ・学問、教育、科学技

術、芸術の発展につい

て調べる。

文明開化に

関心をもち、

意欲的に調べ

る。 【ノート】

文明開化に

ついて意欲的

に調べ、生活の

変化を具体的

に述べている。

文明開化の絵

画などから、西

洋風のものを指

摘させ、まとめ

ることができる

よう支援する。

○単元の学習内容を、

歴史地図にまとめる。 ・日本を中心とした東

アジアの地図に、でき

ごとを図示する。

歴史的事象

を、図示する

こ と が で き

る。 【レポート】

歴史的事象

を図示し、種類

別に色分けを

することがで

きる。

図示の例を示

しながら、作成

できるよう支援

する。

○単元テストを実施

し、学習内容の理解度

を確認する。

正 答 率 が

40 % 以 上

85 % 未 満 である。 【単元テスト】

正 答 率 が

85%以上である。

補充学習課題

に 取 り 組 ま せ

る。

- 7 -

7 本時の学習 (1) 本時のねらい ・ 明治政府が、不平等条約の改正や欧米諸国による植民地化を防ぐ目的で、大日 本帝国憲法を制定し、天皇中心の国家をつくろうとしたことについて考える。 (2) 本時の評価規準 明治政府が、天皇中心の強国づくりを目指した理由について、自分の考えを述べ ることができる。 (社会的な思考・判断 ) (3) 本時の指導の構想 本時は「5 指導の構想 (2 )家庭学習 (宿題 )の内容と「考え方」を身に付けさせる ための授業展開の工夫」に重点を置く。

大日本帝国憲法は、教科書、多くの資料で原文のままとなっており、生徒にとって

はとっつきにくい面があるので、現代語にした資料 (小6・社会科の教科書から )を提示したり、民間の手による五日市憲法草案と比べたりすることで興味付けを図りたい。

生徒は前単元までに、日本が幕末に不平等な条約 (日米修好通商条約 )を結ばされた こと、明治政府が行った様々な改革 (明治維新 )について学んでいる。また、強国を目 ざし“富国強兵”のスローガンのもと、徴兵制度を整えたり、政府主導で近代産業を 育成したりしてきたことを学んでいる。

本時は、民間の憲法草案 (五日市憲法草案 )と違って天皇中心の憲法を制定した政府の意図を考えさせるとともに、政府にとって様々な外交上の目標 (条約改正など )があることについて意見交換をしながら気付かせるようにしていきたい。

また、教研式標準学力検査 (NRT)の結果から、資料を比較して変化に気付いたり、 他の事象と関連付けたりすることを苦手としている生徒が多い傾向にあることが報告 されている (新潟市総合教育センター『学ぶ意欲を継続させる方略』より )。ここでは、 当時の民衆が、大日本帝国憲法の内容に満足したかどうかを、他の意見や様々な資料 から考察し、多面的な見方ができるような授業展開を図っていきたい。

(4) 本時の展開と評価 学習活動 教師の働きかけと生徒の反応 ○指導上の留意点と◇評価

○自由民権派の主張

について、調べたり

考えたりしてきたこ

とを発表する。 ○「五日市憲法草案」

の内容を聞く。

○演説会で自由民権派が何を主張し

たいのか、発表しよう。 ・国民に自由、権利を! ・平等! ・警察官は帰れ! 国会を開け! ○「五日市憲法草案」の内容を簡単

に説明する。

○前時の予習的宿題を、一

人一人黒板に貼らせる。 ―予習型宿題― ビコーの風刺画と五

日市憲法草案から、民権

派の主張を吹き出しの

用紙に書いてくる。

- 8 -

学習活動 教師の働きかけと生徒の反応 ○指導上の留意点と◇評価

○五日市憲法草案と

比べ、大日本帝国憲

法の特色について気

付いたことをワーク

シートに書く。 ○「大日本帝国憲法」

の特色を聞く。

(ワークシート配付 ) ○五日市憲法草案と比べ、気付い

たことをなんでもあげてみよう。 ・“天皇”ということばがたくさん出

てくる。 ・国民に“自由”が認められている。 ○「五日市憲法草案」と対比しなが

ら「大日本帝国憲法」の特色を説明

する。

○できるだけ多くの意見を

発表させ、大日本帝国憲法

の特色に気付かせるように

する。

○大日本帝国憲法制

定 の ね ら い に つ い

て、自分の考えをワ

ークシートに書き、

話し合う。 ○外交上の目標 (条約改正 )があることに気付く。

なぜ政府は、このような特色を

もった憲法をつくったのだろう。

・欧米に負けない強い国にしなけれ

ばならない。 ・他の国が攻めてきたら、国を守ら

なければならない。 ・自由民権派の行動をおさえる必要

があった。 ・国民をまとめる必要がある。 (・不平等条約を改正するため )

(ワークシート回収)

結局、このような憲法をつく

ったのは、どんな理由があった

からだろう。みんなの考えを聞

いて、自分の考えを書いてみよ

う。

○ ①個人で考え、 ②グループで考えを交

流し、 ③全体で発表し合う

ことにより、様々な見方・

考え方があることに気付か

せる。 ○「不平等条約を改正する

ため」という意見が出てこ

ないようであれば、引き出

すよう生徒へ問いかける。

【努力を要する (C)生徒へ の指導】

○板書を見たりしながら、

他の考えをもとに考えてみ

るよう助言する。

―評価― ◇理由について、自分の

考えを述べることができ

る。 【思考・判断】

○次時の予習型宿題

を確認する。

―予習型宿題― ○あなたは明治政府の役人です。幕

末に結んだ不平等条約を改正する

ために、どのようなことをします

か。

○条約改正への努力を学習

する前に、「もしも自分が政

府の役人だったら…」とい

う視点で考えさせ、次時へ

の興味付けを図る。

- 9 -

- 10 -

―使用したワークシート―

※ 日清、日露戦争のワークシート及び歴史地図は掲載省略

予習型宿題

- 11 -

8 考 察 (1) 本時の考察 ・「予習型宿題」は、毎時間必ず課すわけではなく、強制するものではないにもかかわ らず、一人を除いて全員が本時の授業に間に合わせた。公開授業であることのほか、 吹き出しの短冊形式にしたことで、取り組みやすかったのではないだろうか。

―生徒から出された“吹き出し”の内容― ・国民に自由を5 ・国民の意見を聞け3 ・国会を開け28 ・落ち着いて話を聞け1 ・国民の自由と権利を妨害するな1 ・政府はもっと国民のことを考えろ1 ・残念1

「早く国会を開け」といった内容が極めて多いが、前時に自由民権運動を学習して おり、この運動の求めていた内容の一つ、「国会開設」が印象に残っている生徒が多 かったのだろう。ほとんどの生徒が予習をしてきていたので、その後の学習活動 (大 日本帝国憲法の特色 )にスムーズに移ることができたように思う。 ・ 本時の中心発問「なぜ政府は、このような特色をもった憲法をつくったのだろう」 では、グループごとで次のような意見があがった。

―「なぜ政府は、このような特色をもった憲法をつくったのだろう」― ① 国民に好き勝手なことをさせないため。 ② 天皇が国のトップであることを強調するため。 ③ 国民は自由が多かったから。 ④ 天皇を中心に考えて、法律の範囲内で自由を与えた。 ⑤ 天皇を中心とした国をつくり、国民を支配したかったから。 ⑥ 五日市憲法草案は「国民」中心だから、大日本帝国憲法は「天皇」中心に考

えられた。 ⑦ 他の国が攻めてきたときや、安全な国をつくるために軍隊が必要だから。 ⑧ 国民中心の国ではなく、国民を支配して天皇中心の国をつくるため。 ⑨ 自由にすると、天皇の支配がおよばなかったり治安が悪くなったりするから。 ⑩ 天皇を尊重するため。 ⑪ 天皇を象徴として、国をまとめるため。 ⑫ 天皇にしたがうため。 ⑬ 天皇中心で政治をすすめられるようにするため。 ⑭ 天皇の力をかりて国をおさめていくため。 ⑮ 国民が天皇に従い、政治をすすめていこうとするため。 ⑯ 国民が天皇に反抗しないように。

生徒の中から「条約改正」についての意見が出ず、教師側から引き出す形となっ た。また、①であれば「国民が好き勝手にすると、国はどうなるか」、⑤であれば「な ぜ天皇中心とする必要があるのか」など、切り返しの問いかけをしようと当初考え ていたが、それができなかった。このような問答により、一つの事象を掘り下げ、 意見を出し合うことによって様々な角度から考えることができる、と思ったからで ある。結局、次時に教師側から各グループに切り返しの問いかけをし、考えを深め させることとした。 (ワークシート参照 )

- 12 -

(2) 事後アンケート調査の結果から 「平成 17 年度 児童生徒の生活実態調査」の推移 ※項目抜粋、当校第2学年抽出クラスについて

① 宿 題をきちんとやっている

1学期 2学期

よく当 てはまる 6% 22%

少 し当 てはまる 0% 58%

あまり当 てはまらない 33% 14%

当 てはまらない 61% 6%

② 社 会が好 きだ

1学期 2学期

よく当 てはまる 25% 25%

少 し当 てはまる 25% 25%

あまり当 てはまらない 25% 25%

当 てはまらない 25% 25%

③ 社 会の授業はよくわかる

1学期 2学期

よく当 てはまる 1% 39%

少 し当 てはまる 25% 52%

あまり当 てはまらない 28% 6%

当 てはまらない 36% 3%

④ 地 図や地球 儀を見るのは好きだ

1学期 2学期

よく当 てはまる 39% 25%

少 し当 てはまる 19% 17%

あまり当 てはまらない 25% 30%

当 てはまらない 17% 28%

⑤ 社 会の授業は、自分の将来 や生き方に影響する 1学期 2学期

よく当 てはまる 28% 22%

少 し当 てはまる 19% 34%

あまり当 てはまらない 36% 30%

当 てはまらない 17% 14%

- 13 -

「社会が好きかどうか」については、数値の変化はまったく見られなかったものの、 「社会の授業がよくわかる」と回答した生徒の割合が大幅に増えている。この点では、 本単元のみならず、授業展開やワークシートの工夫等に継続して努めてきたことの成 果とも考えられる。一方で、本単元で「歴史地図づくり」に取り組ませてきたわけで あるが、このことが「地図や地球儀を見るのが好き」になるということには至らなか ったことがわかる (むしろ、数値が悪くなっている )。日頃から地図に親しむとともに、 同じ場所でも時期の違う地図を見比べてみたり、じっくりと見ることでいろいろなこ とに気付いたりするような活動など、多種多様な活用方法を探りながら実践に努めて いきたい。 (3) 今後の方向性 ① 家庭学習 (宿題 )の内容と「考え方」を身に付けさせるための授業展開の工夫 ・ 授業への興味付け、学力向上を図る意味で、予習型宿題を継続的に課してい く。 ② 地図等の資料の活用 ・ 資料を活用し、比べたり関連性を見いだしたりすることにより、歴史的事象 を様々な視点でとらえられるような、資料の提示、発問、授業展開の工夫をし ていく。 ③ 個に応じた指導 ・ 本単元の授業中に作成している「歴史地図」を、歴史的分野を通して作成、 活用することにより、楽しみながら地名や歴史上のできごとを学べる工夫を 図るとともに、生徒個々の関心や能力に応じた地図の作成に取り組ませていき たい。 (4) まとめ 本研究の実践にあたり、もっとも成果の上がったことは、生徒の多くが「社会の授 業がよくわかる」と感じられるようになったことである。しかし、すぐに目に見える 成果があがるものではない。今回実践してきた「予習型宿題」「資料の活用」、そして 「歴史地図づくり」を継続していくことなどを通して学力向上の成果が表れるものと思 う。 参考資料) ・「評価規準の作成、評価方法の工夫改善のための参考資料 (中学校 )」

(国立教育政策研究所 教育課程研究センター ) ・「評価を指導に生かす実践ガイドブック」 (新潟市立総合教育センター ) ・「学ぶ意欲を継続させる方略」 (新潟市立総合教育センター )