トルコ・シノップ原発建設計画と市民運動

（2014年8月1日～8日 現地訪問報告）

2014年9月25日

国際環境NGO FoE Japan

吉田明子

yoshida@foejapan.org

シノップへの日本の原発輸出の概要

日本企業が主導する国際コンソーシアム（三菱重工、伊藤忠商事、GDFスエズ（仏）、トルコ発電会社などから構成）

４基のATMEA-１原子炉（出力110万kW級の加圧水型原子炉、三菱重工とアレバ（仏）の合弁企業が開発）

事業費の推定：220～250 億ドル（約2 兆2000 億円～2兆5000 億円）

2023年運転開始を目指す。 2014年4月18日に日トルコ原子力協定締結「移転された核物質及び回収され又は副産物として生産された核物質は、両締約国政府が書面により合意する場合に限り、トルコ共和国の管轄内において、濃縮し、又は再処理することができる。」との記載も

シノップ県

トルコ共和国

面積： 81万4578㎡人口： 7,780万人首都： アンカラ

言語： トルコ語、クルド語、アラビア語

宗教： イスラム教98%、（大部分はスンニ派）

シノップ県： 人口約20万人シノップ中央市： 人口約3.8万人

シノップ中央市・人口約3.8万人・漁業、観光業が盛んなリゾート地。

市街地のある半島

市街地に通じる道

美しい港町

シノップ、刑務所博物館

原発建設予定地の半島

建設予定地を視察（8/5）

シノップのNKPメンバー、メティンさん

2013年12月に近隣の森林伐採

市街地の住民は

立地現地近くの住民

シノップの市長も反対の立場

2014年4月26日チェルノブイリデーのデモ

全国各地からバスで参加

1万人規模

シノップ県の９自治体

トルコの主要政党

イスラム主義･中道右派

公正発展党(AKP)至福党(SP)

中道左派 共和人民党(CHP)民主左派党(DSP)

右派 民族主義者行動党(MHP)

クルド系 平和民主党(BDP)

その他

ゲルゼ町長オスマン氏

ゲルゼの市街を望む

港に泊まる船

ゲルゼ町の漁師

8/3 ゲルゼ町主催の反原発シンポジウム

100名以上が参加

脱原発をめざす首長会議からレター

役場前の市場

エ ルフェレク町長ムツァファー氏

美しい滝が有名

8/6 広島デーのアクション

トルコの原発導入に向けた動き 2011年末のトルコ全土の発電設備容量

5323万kW （ガス37.3%、水力32.2%、石炭23.2%、風力3.2%、石油2.6%、地熱0.2%、その他1.3%）

1965年に検討開始。1976年、1983年、1984年と、計画されるが頓挫。

1996～2000年：国際企業による応札終えた1999年8月に北西部大地震。

2007年「原子力発電所の建設・運転とエネルギー販売に関する法律

参考：一般社団法人日本原子力産業協会http://www.jaif.or.jp/ja/asia/turkey/turkey_data.pdf

アックユ・プロジェクト 2010年 露土政府間協定調印、アックユプロジェクトスタート。

2011年 建設サイトでの調査作業開始。

2013年 トルコ企業と発契約（掘削岩石処理や整地作業など）。

2014年 原発建設ライセンス申請。

2015年 初号機着工予定。

2020～2021年 運展開始をめざす。

＜課題＞

・原子力関係法体系の未整備

・反対運動

・巨額の投資 など

シノップ・プロジェクト

2010年 韓国との協力 →日本に優先交渉権

→韓国が再参加要請

中国、カナダも強い関心を示す。

2013年3月 日中韓がプロジェクトに応札

2013年5月3日 日土首脳会談。

原発建設協力で日土政府間合意。日本側コンソーシアムの受注が事実上確定。

2013年10月29日 安倍首相トルコ再訪。

2013年10月5日 日仏企業連合がシノップサイト予定地で地震調査を開始。

NKP：反原発プラットフォーム

原子力協定反対アクション

2014年4月、イスタンブール

進行中のアクション

反原発を訴え、黒海沿岸をボートで。

イスタンブール、タクシム広場に隣接するゲジ公園

ゲルゼ近郊、火力発電建設反対

今後に向けて

トルコの脱原発首長ネットワークに向けて

首長会議とトルコ首長からの共同要請書を準備中エルドアン大統領、安倍首相あて「シノップへの原発建設に反対します」

トルコ・日本の脱原発運動の連携市民運動の見える化・つながり