ソチパラリンピックを楽しもう!...大日方:面白いと思いますね。...
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3月 2日O.:. テーマ:パラリンピック
ソチパラリンピックを楽しもう!
はるな愛:は~い!バリアフリー・バラエティー「バリバラR」の時間です。
パーソナリティのはるな愛で~す。よろしくピ~ス。
「バリバラR」は、毎週金曜よる9時、Eテレで放送している障害者情報バラエティー「バリバラ」
のラジオバージョンです。
今日はですね、「バリバラ R」のオリジナル企画です。
今月7日から、いよいよ、障害者スポーツの祭典、ソチパラリンピックが始まります!
イェーイ(拍手)!ということで、今日は、「ソチパラリンピックを楽しもう!」と題して
お届けしたいと思います。
ゲストは、障害者のスポーツの普及に長年取り組んでこられた、NPO法人「アダプテッド
スポーツ・サポートセンター」理事長の髙橋 明さんです。よろしくお願いします。
髙橋 明:こちらこそ、よろしくお願いいたします。
はるな愛:前、車いすツインバスケの回にも、来て頂きましたけれども、髙橋さんは、実際に、何度か
パラリンピックに行かれているんですよね?
髙橋 明:そうですね、日本選手団としては夏に2回、冬は3回、合計 5 回行ってます。また、この NHK
のテレビ解説者として入れますと10回参加していますね。
はるな愛:すごい!今回ソチは?
髙橋 明:ソチは・・・残念ながら今回は行けないんですよ。仕事の都合で。
はるな愛:いやぁ、でも、パラリンピックのお話を今日は色々とお聞かせ下さい。
そして、おなじみ大橋グレースちゃんと、NHK大阪放送局の英 尚枝ディレクターとともに、
お届けしま~す。お願いします。
グレース:よろしくお願いします。
英 D :よろしくお願いします。
はるな愛:さあ、いよいよ、パラリンピックですよね。グレースちゃん、スポーツ大好きだもんね。
グレース:実はあの、昔、柔道で、全盲のときにパラリンピックをめざしていたので・・・
はるな愛:そうだよねぇ
グレース:今回もすごく楽しみですね。
はるな愛:そっか、冬のパラリンピックはまた違うよね?
スタジオ出演 ◆髙橋 明 (たかはし・あきら) ・・・NPO 法人「アダプテッドスポーツ・
サポートセンター」理事長
大橋 グレース(おおはし・ぐれーす)・・・自立生活センター職員(多発性硬化症)
英 尚枝 (はなぶさ・ひさえ) ・・・NHK 大阪放送局ディレクター
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グレース:そうなんですよ。また違うので、ちょっと、興味がワクワクですね。
はるな愛:私ももう、オリンピックすごい見て感動しましたけど。この、今回の大会について簡単に教え
て下さい。
髙橋 明:はい。この冬季のパラリンピックは、1976年から始まったんですね。で、今回のソチで
11回目の冬季のパラリンピックです。
はるな愛:11回目・・
髙橋 明:はい。3月7日が開会式、まあ競技もあるんですけれども、3月7日から3月16日の10日
間、オリンピックと同じ会場で開催されます。競技については5つあります。アルペンスキー、
クロスカントリースキー、バイアスロン、そしてアイススレッジホッケーと、車いすカーリン
グですね。この5競技があるんですけれども。今回、日本からはスキー競技のみなんですけれ
ども、選手20名が出場します。
はるな愛:いろいろ競技のこともね、詳しく教えていただきたいんですけれども、
英さん、今日はですね、パラリンピックの元選手たちのお話も聞けるんですよね。
英 D :はい。NHK大阪放送局ではですね、2 月11日に、大阪・八尾市で「NHKハートスポーツ
フェスタ」というイベントを行いました。で、前半のトークショーでは、パラリンピック・ア
ルペンスキーのメダリスト、大日方邦子(おびなた・くにこ)さん、そして夏のシドニーパラ
リンピックで、車いすバスケットボール日本代表チームのキャプテンをつとめた、根木慎志(ね
ぎ・しんじ)さん、このお二人にお話を伺ったんですね。
はるな愛:大日方さんはメダリストの方ですよね。
英 D :そうです。最初にパラリンピックに出場されたのはリレハンメル大会なんですけども、以来、
長野、ソルトレークシティ、トリノ、そしてバンクーバーと5つの大会に出場して、2つの金
メダルをはじめ、あわせて10個のメダルを獲得された方なんですね。
はるな愛:10個!!すごーい。
英 D :その後、日本代表からは引退されたんですけれども。髙橋さんも、よくご存じですよね?
髙橋 明:そうですね。ちょうど私が1994年、リレハンメル・・ノルウェーですね、リレハンメルで開
かれた冬季のパラリンピックに日本選手団の監督としてついていった時に、彼女がアルペンス
キーでデビューしたんです。その当時からすごい芯の強い、本当にやる気満々の・・・まあ、
満々っていったら失礼かわかりませんけど(笑)・・・彼女でしたね。
はるな愛:(笑)実力の持ち主。
英 D :大日方さんはですね、アルペンスキーの中の、座って滑る部門の選手で、チェアスキーという
用具を使って滑る方なんですけれども、その魅力について大日方さんのお話をお聞き下さい。
MC は、「バリバラ」でおなじみの山本シュウさんです。
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録音① チェアスキーで滑る魅力
大日方:これは実はバンクーバーのパラリンピックの時に、使用したチェアスキーです。
3つのパーツに分かれます、まずは1つ、これスキーの板。立って滑るスキーと一緒です。
シュウ:え、これ、一緒なんですか?普通のスキーと
大日方:全く同じ。みなさんがスキーをする場合、ブーツの下にはくスキー板になります。
シュウ:へぇ~ほっそい上に座るんですね。
大日方:そうなんです。これ1本で使います。で、違うのは、ここからです。ブーツのかわりに、このチェア
スキーという・・・ま、今、これ、さらっと持ちましたけど、実はこれ 15 キロぐらいあります〈笑〉
シュウ:どんだけ力もちや!
根木 :あ、たぶん、僕、持たれへんと思うわ(笑)。持ったら、ひっくり返ると思う。
シュウ:15キロ!ほとんどみかん箱ですよ、簡単に持ち上げてるけど。
大日方:で、これを、ブーツがわりにつけます。ワンタッチ。
で、これでチェアスキーが滑走ポジションに準備できました。ゆらゆらしますよね。この不安定感の
中で、実際にここに座って、私だと、この中でぴたっと止まることができるんです。で、両手に
こういうストックのかわりに、アウトリガーという、こういうものをもちます。
シュウ:これ、座らせてもらったんですよ。まあ、座ったときに「うわぁ、こわ~!安定感ないし、こんなん
でうわ~っていったらどうなんねんやろ」って思ってまうけども。もし慣れたとしたら・・・スキー
みたいにね、これ普通に、健常者でも楽しめるやんって。
根木 :すっごい面白いと思います
大日方:面白いと思いますね。
シュウ:ひとつの乗り物としてね。
大日方:一番スピードの出る種目は滑降、まあダウンヒルって文字どおり丘をかけおりる、そういう種目だと
時速100キロぐらい。
シュウ:100キロ!!みなさん100キロですよ!車をお持ちの方、今度100キロ飛ばして窓あけてみて
ください。隣ですべってることを想像してください。「どーも~」って言うてますよ。「うわ、早いな
自分!」、みたいな(笑)
ズバリ聞きますけど、普通の人の感覚でいったら、あの斜面、結構ありますよ。あそこを 100 キロの
速度でいくっていうのは怖さとかないんですか?
大日方:えっと、怖くないようにつくりあげていく。まあダウンヒルっていう 100 キロ出るようなスピードの
時っていうのは、トレーニングランっていうのがありまして、練習というか本番と同じような感じで、
すべるんですね。で、「自分がこれぐらいだったらいけるだろう」「ここが速いだろう」とか。そうい
う技術と、自然の条件・・雪のでこぼこしているところとかを見極めながら、イメージをつくっていく
んですね。で、実際滑ってみると、こんな感じか、ってわかって。「じゃあ、あと2秒か 3 秒いけそ
うだな」、とか。
シュウ:もうゴールすること、タイムのことしか考えないんですか?
大日方:(そう)するようにして、それをやっていくことによって、怖さを消していくんです。
シュウ:怖さを消していく?
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大日方:で、やっぱり、「こうやってやれば大丈夫だ」「これで自分はいける」、大丈夫、大丈夫、大丈夫・・・と
作り上げていく。
シュウ:あぁ。O 型ですか?
大日方:おっしゃるとおり(笑)
シュウ:なるほど。僕、A 型なんでね、イメージするのはゴールよりね、こけた時の自分の姿をイメージした
りね。むちゃくちゃじゃないですか。コイツと一緒に転がっていかなアカンのでしょ?
大日方:いや、でもね、コレと一緒に滑ることが楽しいんですよ。
で、私たちね、今日車いすに乗っているみなさんもいらっしゃいますけれども、私も、障害をもって・・
ずっと小さい時から障害をもっていたので・・・
シュウ:3 歳でしたっけ?
大日方:はい。3歳のときに交通事故でけがをしていて、スキーは絶対できないと思っていたんですね。
でもこのチェアスキーという道具があると、私も滑れるんですよ。立って滑れなくても、座って滑る
ことができる。で、そのことを知ったときに、なんてすごいんだろう、と思って、できないことを
できるようにしてくれる道具じゃないですか。で、しかも、これに乗ると、気持ちいいんですよ~
シュウ:気持ちいい?
大日方:気持ちいいんです。
シュウ:ばーっと滑っているとき?
大日方:雪の中でね、自然のすーっごい真っ白な白銀の世界で、風を切って滑れる感じ。で、自分が自然と
一体になって、滑っていくこと、こんなに自由になれるんだ、っていう楽しさ、わくわく感。できる
ようになったときの喜びっていうのは、たぶんね、みんな選手共通してもっていると思います。
根木 :10 キロぐらいでいっているんやったら、それわかるような気がするけど、それ、100 キロでしょ?
ちょっとなぁ・・・
大日方:だんだん出てきちゃうんですよ、これが(笑)
はるな愛:はぁ~すごい。チェアスキー。ちょっと私、見たことなかったですね。ほんとに細いみなさんが
ふだん使うスキー板と一緒の幅なんですね。
髙橋 明:そうですそうです。
はるな愛:グレースちゃん、どうですか?
グレース:何回か滑ったことあるんですけど、チェアスキーで。
はるな愛:あるの?
グレース:初心者コースだったので、そこまでスピードは出ないんですけれども、やっぱりすごい重心が低い
ので、風を切って走る感じ・・・きりっとした風を突き抜けていく感じの、語り尽くせない感じの
爽快感なんですけれども。
はるな愛:ふーん。
グレース:これ、全盲の選手のスキーもあるんですよね?
髙橋 明:そうです。目の不自由な人のスキーもあります。全く目の見えない人も。
はるな愛:そうですか。それはどうやって方向を?
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髙橋 明:それは、「ガイド」といいまして、介助者が一緒に滑るんですよね。だいたいは、前にガイドが滑っ
て「はい、左、はい、右」っていうような感じで指示を出しながら、ポールをくぐっていくんです
よね。
はるな愛:ガイドさんがナビをしてその音声で進んでいく、みたいな・・・
髙橋 明:そうです。だから、ガイドと選手の息が合わなければ、いいタイムが出ないですね。すごいトレー
ニングが必要ですよね。それとあと、立位のスキーがあるんです。片足がない人とか、片足が機能
障害の人とか・・・立って滑るスキーがある。だから、アルペンの場合は、座って滑る「座位」の
部、「立位」立って滑る、そして、視覚障害者の部門があります。3つの部門で、競技が行われます。
はるな愛:へぇ。アルペン競技っていうと、やっぱりこう、オリンピックみたいにいろんな種目があるんです
か?
髙橋 明:あの、オリンピックと一緒なんですけども、高速系でいえば「ダウンヒル(滑降)」ですね。
より速く山を駆け下りてくる・・
はるな愛:滑るということですね。
髙橋 明:そして「スーパー大回転」は、ポールがいくつか備わっていまして、そこをそのとおり滑ってくる。
その速さを競うんですね。それで、技術系になれば「大回転」というのはポールの数が増えまして、
より回転技術が必要とされるんです。もう一つ「回転」競技っていうのは、もっとポールが増えま
して、コースも短くなるんですけれども、よりスキー技術が問われるっていう。
はるな愛:はぁ・・・「回転」っていうのがだから、方向転換っていうことですよね?
髙橋 明:そうですね、はいはい。で、「スーパー複合」っていいまして、「スーパー大回転」と「回転」を組
み合わせたもの、それと、今年からは、「スノーボードクロス」といいまして、スノーボードも増え
たんです。だから6種目ですね、あるんです。
はるな愛:いや、でも、障害の程度が軽い人が有利になるとか、思うんですけど・・・
髙橋 明:ですから、障害の程度が違っても、公平に勝負ができるように、それぞれ選手に、まあ、あの、
ちょっと難しいんですけど、アドバンテージがあるんですね。係数が。それぞれの障害にあわせた
係数というかパーセンテージをかけるんですよね。
はるな愛:そういう、なんかあの、計算式みたいなものがあって、障害の程度で順位が変わっちゃうというこ
とですか。
髙橋 明:そうです。だから見ている人にはちょっとややこしいんですけれども・・
はるな愛:ややこしいですけど、そこもなんか勝負のキーになってくるっていうことなんですね。
髙橋 明:そうです、そうです。
はるな愛:パラリンピックっていうのは、オリンピックといつもセットで開かれるんですよね?
髙橋 明:あの、最初の頃はそうとは限らなかったんです。パラリンピックそのものは、リハビリテーション
の成果を競う大会として、イギリスで1948年に始まったんですよ。で、1952年にそのイギ
リスの大会が国際大会になって、その8年後、ローマでその大会をやろう、っていった時に、
第1回のパラリンピックとして認められたんですね。それがちゃんとオリンピックの開催地で
開かれるようになったのは、1988年。ソウルの大会からなんですよ。
はるな愛:そうなんだ。
髙橋 明:それがちょうど2001年に、IOC 国際オリンピック委員会と、IPC 国際パラリンピック委員会が
契約を結びましてね、2008年の北京からは、オリンピックの組織委員会と一緒に共催しようと
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いうことになったんですよ。で、今はよりオリンピックに近づいていますので、競技性も増した
闘いになっているんですよ。
英 D :どんどんレベルアップしていっている、っていうことですよね。
髙橋 明:そうです、はい。
はるな愛:ということで、このあとはですね、ソチパラリンピックの注目選手、ご紹介していきたいと思いま
す。
♪インターミッション
はるな愛:はるな愛の「バリバラR」、今日は、「ソチパラリンピックを楽しもう」と題しまして、障害者の
スポーツに詳しい高橋明さん、そして大橋グレースちゃん、英ディレクターとともにお届けしてい
ます。
英 D :はい。先ほどご紹介したトークショーでは、パラリンピックのメダリスト、大日方邦子さんに、
今回のソチ大会の注目選手についても伺っていますので、録音をお聞き下さい。
録音② ソチパラリンピック 注目選手紹介
シュウ:今からね、ちょっとね、写真出しますから・・・あの、詳しくないっていう方、ぱっと第一印象で、
何でもいいから、どこから入ってもいいからね、興味をもつとね、「あ、あの人出てくる」っていう
ふうにね、テレビ見てても楽しくなりますから。
大日方:まずアルペンスキーです
シュウ:ずばり、この中でメダルねらえるのは?
大日方:ソチパラリンピック日本選手団全体のキャプテンもやっている、森井大輝(もりい・たいき)選手。
彼はですね、一番表彰台の真ん中に近い、といってもいいでしょう。5種目どれでも表彰台に立てる
可能性があって、特に大回転という種目、あるいはスーパー大回転という種目ではですね、力を発揮
してくれるだろう・・・
シュウ:森井選手。注目して下さい。メダルとりますよ、もうとるで!っていう笑顔ですからね、この写真も
ね。ほかは?女性もいらっしゃいますけどもね。
大日方:村岡桃佳(むらおか・ももか)選手。
シュウ:桃佳ちゃん!
大日方:桃佳ちゃんはですね、高校生。急成長、今シーズン急成長しまして、パラリンピックの選手に選ばれ
た、と。で、この選手はですね、大回転とスーパー大回転かな?が、かなりねらえるんじゃないかと
思っています。うまくすれば、メダルぜひとってほしい、と期待しています。
シュウ:とってほしいですね。10代ですからね。
大日方:それから、回転という種目でメダルをねらえそうな、鈴木猛史(すずき・たけし)選手。
シュウ:いい笑顔です
大日方:まあ、普通に滑ってくれれば、表彰台の中央には立てるでしょう、というふうに期待しています。
で、一方で、ダウンヒルなんかできっと活躍してくれるのが、狩野亮(かのう・あきら)選手。
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シュウ:なるほど。続いて・・・
大:続いて、クロスカントリースキーとバイアスロンの日本代表選手ですね。こちらはですね、若者が多くて、
阿部選手、岩本選手、江野選手、この 3 人はティーンエイジャーです。
シュウ:10代?
大日方:10代。初めてのパラリンピックってものすごい緊張するんですね。で、やったことのない、経験し
たことのないようなことがいっぱいあるので、その中でどうやって力を出してくれるかなあ、という
ところですね。ぜひ、楽しんで。まずは、この 3 人にはですね、パラリンピックの楽しさを知ってほしい
なと思っています。
シュウ:それこそ今後、何大会も出場できる可能性のある選手でもありますからね!注目でございますね。
ま、注目といえば、このカッコイイ選手、イケメン。イケメンでてこないの?(笑)
大日方:佐藤圭一(さとう・けいいち)選手。
シュウ:こういう選手出てこな、やっぱり。
大日方:そうなんです。自称、「クロカン王子」だもんね。
シュウ:(笑)自称なんですか?「王子」と自分のことを・・・こういうキャラの人にでてきてもらわないと
大日方:(笑) いいキャラクターです。
シュウ:いいですねえ。
大日方:そしてなんといってもですね、太田渉子(おおた・しょうこ)選手と新田佳浩(にった・よしひろ)
選手ですね、このお二人はですね、いずれもメダリスト。太田渉子ちゃんは、トリノパラリンピック
の時には高校生で当時メダルを。バンクーバーでもしっかりメダルをとってきて、今ではティーン
エージャーの 3 人の選手の面倒をみる良きお姉さんという感じの渉子ちゃん。それから、新田選手は、
前回のバンクーバーパラリンピックのキャプテン。で、主将をつとめていて、しっかりと金メダルを
とってきた、と。
シュウ:なるほどね。
大日方:最後、一人だけあれですけど、久保恒造(くぼ・こうぞう)選手。久保選手もたぶんメダルがねらえ
るだろう、という。シットスキーという、座って滑る、クロスカントリーの座って滑るスキーがある
んですが、すごく力強い漕ぎをするんですね・・・かっこいいですよ。ぜひ、見て下さい。
シュウ:はい。ということでございまして、クロスカントリー、バイアスロン日本代表選手、ご紹介しました。
はるな愛:すごーい!いろんな注目選手が出てきましたけども、ここに、ちょっと手元に、日本代表選手団の
ハンドブックというのがあるんですけれども、顔写真も写ってまして、私の注目は、村岡桃佳さん
もかわいいし、あとね、佐藤圭一選手、イケメン選手って言ってたけど、かっこいいですね・・・
ふふふ。
一同 :(笑)
はるな愛:グレースちゃん、どう?
グレース:私は、さっきから、その「クロカン王子」の佐藤さん・・・佐藤選手がすごい気になって。どんな
イケメンなんだろう、っていう、ちょっと・・・(笑)
はるな愛:想像でふくらましといて(笑)
グレース:想像してしまってしょうがないんですけど、顔だけじゃなく、ぜひ、本番もがんばってほしいです。
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はるな愛:ね。でも、いろんな方・・・髙橋さん、いらっしゃいますけど、今回の大会、結構、メダル期待できそ
うですね?
髙橋 明:そうですね。今、日本選手団の団長、荒木団長がマスメディアに発表しているんですけれども、前
回のバンクーバー並みの10個のメダルをめざしているみたいですね。
はるな愛:10個?
髙橋 明:はい。金そのうち3個を予想しているって言ってますね。
はるな愛:持って帰ってほしいな~。
髙橋 明:特に、今の大日方さんのインタビューにもありましたように、チェアスキー、アルペンですけれど
も、黄金期と言われているぐらい、選手の層が厚くて。先ほど名前が出ていた、森井選手、狩野選
手、鈴木選手・・・あたりがね、金銀銅を独占する可能性もありますよね。
はるな愛:えっ!?3つ?
グレース:おぉ~!
髙橋 明:私はそれをほんと期待していて、日の丸が3つ上がるのがすごい見たいな、と思っています。
はるな愛:独占しちゃうの、見たいねぇ。あと、ティーンエイジャーのみなさんもいらっしゃいましたけどね。
髙橋 明:ほんとに、期待できますよね。
はるな愛:やっぱりあれですか、2020年に開催の東京パラリンピックの方にも向けてがんばっているんで
すかね?みんな。
髙橋 明:そうですよね、今回、やはりソチで、冬季のパラリンピックの選手たちががんばることによって、
その2020年の、まあ夏の大会ですけれども、盛り上がっていくんじゃないかと思っているんで
すがね。
はるな愛:そっか・・・
英 D :あの、NHK の E テレで放送している「ハートネット TV」では、シリーズでソチパラリンピックの
注目選手を紹介してきたんですけれども、その中からいくつか今日は見どころをお伝えしたいと思
います。まず、大日方さんが先ほど「すごく力強い漕ぎをしてかっこいい!」とおっしゃっていた
久保恒造(くぼ・こうぞう)選手。久保選手は、2本のスキー板に椅子をとりつけたシットスキー
で、座った姿勢のまま、ストックを使って腕の力だけで進んでいくクロスカントリー、そしてそれ
に射撃を組み合わせたバイアスロンに出場されるんですね。
はるな愛:へぇ~。久保選手の写真ありますけど、素敵な笑顔。1981年生まれ、32歳。
英 D :前回のバンクーバー大会ではですね、強敵・ロシアの選手たちに残念ながら敗れて6位に終わって
しまって、本当に悔しい思いをした、ということで・・・
はるな愛:あぁ、強敵なんだ、ロシア、やっぱり。
英 D :そうなんです。今回は地元ですからね、特にそうなんですけど。今回のソチ大会に向けてですね、
思い切って道具の見直しを行ったそうなんですね。どのような見直しを行ったのか、1月に放送し
た「ハートネット TV」からお聞き下さい。聞き手は、山田賢治アナウンサーです。
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録音③ 道具の改良で金メダルに挑む!
Eテレ「ハートネットTV」1月15日放送
「究極の走りへ!最強ロシアに挑む~ノルディックスキー 久保恒造~」より
久保:前回のバンクーバーの時は、かなり座る位置が低かったんですけども、今シーズンからはかなり高く
しまして、ルール上、板の上から 40cmの高さまで OK ということで、今回は 40cmまでの高さにし
て、今テストしています。
山田:なぜ高くしたんでしょうか?
久保:我々シットスキーの選手たちというのは、本当に、押すだけの競技になるので、その時にひと押し
ひと押しのストロークをより長く押すためにどうしたらいいのかなって考えた時に、シットスキーを
高くして…。
山田:でもね、シットスキーを高くするということは、ストックの長さも替えると?
久保:そうですね。去年から5cmストック長くなったんですけども、その5cm長くなったことによって、
同じように押してもですね、その分長く押すことができるんで。もちろん高くなればなるほどカーブ
っていうのは遠心力で振られてしまうので、安定感っていうのはなくなってきてしまうんですけども。
例えば、いつも曲がれるカーブとかでも、高くしたことによって、全然思うように曲がれなかったりと
かするんで。で、安定感というのは高ければ高いほどなくなりますよね。でもやっぱりロシアの選手た
ちに、より勝負するためには、そのリスクを持ちながらでも、やっぱり一漕ぎ一漕ぎの、重要性を取っ
たっていうとこですかね。
はるな愛:はぁ・・・うわぁ、なんとも、どっち選んでいいのかっていう難しいとこですね。
髙橋 明:そうですよね。ちょうど、たまたま私、あの、荒井監督に電話がつながってお話をちょうどしたん
ですよ。クロスカントリーとバイアスロンのヘッドコーチをされる監督さんですけども。
横にも久保選手がおられたみたいで、今回はこのままシットスキーを改良したまま、ロシアに挑む
って言ってましたね。で、今も話ししてましたように、40センチの高さまで OK なんですけれど
も、それにぎりぎりまで椅子を高くして、その分、ストックが長くなるから、登りには強くなるん
ですよね。ただ、今、久保選手が答えていましたように、下りの、カーブでは気をつけやなあかん
ので。ほんとに、リスクはあるんですけども、まあ、勝負ですね、今回はね。表彰台に上がりたい
という大きな気持ちが、そうさせていると思うんですけどもね。
はるな愛:いやぁ、がんばってもらいたいですね。
髙橋 明:あと、久保選手はバイアスロンにもね、メダル候補なんですよ。特に、バイアスロンは去年のラン
キング、世界ランキング1位なんですよ。
はるな愛:えーっ!
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髙橋 明:で、バイアスロンってご存じかどうかあれですけども、あのね、10メートル先に15ミリの的が
あるんです。だから、お金でいえば一円玉ぐらいの大きさが、10メートル先にあって、5つある
んです。その5個を打ち抜かなダメなんですよ。一発外れたら、短い距離のバイアスロンの場合は
150メートル、走らなダメなんです。
はるな愛:あ、はずすと?
髙橋 明:はい。で、長い距離のバイアスロンの場合は、1分加算されるんですよ、タイムが。
はるな愛:はぁー。タイムになっちゃうんだ。
髙橋 明:そうです。
はるな愛:あら~。もうしっかりと、その的をねらって打ち抜かないといけないんだ。
髙橋 明:そうですそうです。
はるな愛:走るスピードもそうですけど、やっぱり落ち着いて精神統一して、でも素早く的にあてるっていう・・・
なんか見応えありますね。
髙橋 明:なかなか日本は、ピストルの、規制がありますよね。どこでも撃てない。だから練習する場所が
決まっちゃってるんですよね。それを今回は、網走市、北海道の。網走市が久保選手を
全面的にバックアップして、網走市に射撃場があるんですよ。そこでトレーニングしている。
はるな愛:雪もあるし・・・あの、コンディションはどんな感じなんですか?
髙橋 明:いいみたいですよね。「ぜひ期待してください」、って言うてましたね。
はるな愛:ふーん。
髙橋 明:クロスカントリーは、太田渉子(おおた・しょうこ)っていう選手もおられます。で、今回3回目
のパラリンピックなんですけども、彼女もバイアスロンでメダル候補なんです。でね、去年、ワー
ルドカップ、各国を転戦して試合するんですけれども、80発撃って、78発あたってるんですよ。
はるな愛:へぇーっ。
グレース:おぉ~。
はるな愛:すっごいちっちゃい的でしょ?
髙橋 明:素晴らしい確率ですよね。
はるな愛:すごい。いやぁ、ちょっと、注目選手いっぱいいますね。
英 D :あの、「ハートネット TV」から、もう一人、注目の選手をご紹介したいと思うんですけれども、
アルペンスキーの狩野亮(かのう・あきら)選手。先ほど、お名前挙がってましたけれども。チェ
アスキーでスピードが持ち味の選手なんですね。そのスピードの秘密というのが、ターンの時にス
ピードを落とさずに曲がるという、独自の技術にあるそうなんです。
はるな愛:独自の技術?
英 D :はい。なんかね、ターンをするときには、一般的には前傾姿勢で、まあスキーの時もそうですよね、
前傾姿勢で重心を前の方におくんですけれども、狩野選手の場合は、障害で骨盤が変形していてで
すね、どうしても体を前に倒すことができないそうなんですね。そこで、それを逆手にとって、体
重を後ろにかけたまま曲がるという滑り方に変えたそうなんです。
はるな愛:え?後ろにかけたまま?
英 D :はい。ちょっと怖いですよね。この方法だと、でも、ターンの時にスピードが落ちないために、
速く滑ることができる、ということなんですが、やはり転倒のリスクが高いそうで、10試合連続
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でレースをリタイアしたこともあったそうなんですね。でも4年がかりで、この高速ターンを完成
させて、バンクーバーのパラリンピックでは見事、金メダルを獲得された選手なんですね。
はるな愛:はぁ・・・すごい。
英 D :で、さらに、今回、磨きをかけて、ソチ大会に挑む、ということなんです。
はるな愛:ふーん、そっか。みなさん障害の形ってそれぞれ違うと思うんですけども、それを利用したり、
やっぱり不利なところもいっぱいあると思うし、結構それを独自にどんどん、どんどん、ね、
積み上げていった結果をぶつけないとダメってことね。グレースちゃん、どう?
グレース:そうですね。あの、ま、滑り方にせよ、先ほどの久保選手のように道具にせよ、ある意味、こう、
自分を知り尽くして、自分の障害を知り尽くした上で、どうやったら速く滑れるか、っていうとこ
ろで。たぶん、海外選手もみんな・・・みんな、だから滑り方が全員違うような滑り方で、それは
ある意味、オリンピックにない魅力というか、パラリンピックにしかない魅力じゃないかな、と思
って。ぜひ、もうひとつ注目してほしいところかな、と思いますね。
はるな愛:なるほどね。
髙橋 明:パラリンピックの生みの親、創始者はドクター・グッドマンというんですけど、彼が残した言葉に、
「失ったものを数えるな。残ったものを最大限に生かせ」という名言があるんですね。だから、
残された能力をいかに有利に使うか、また工夫して自分の記録につなげていくか、っていうことが、
やっぱりパラリンピックの見どころやと思うんですよ。だから狩野選手もやっぱり自分の障害をう
まく利用して、あの、転倒する可能性、またコースを外れる可能性はあるんですけれども、より速
く滑る方法として、彼が身につけている技術やと思うんですね。
はるな愛:なるほどね。いやあ、いずれにしても、ほんとに目が離せないですね。ね、たくさんの人に見てほ
しいですね。パラリンピックも絶対盛り上がると思いますしね。楽しみです。
髙橋さん、どうですか、ちょっと最後に、みなさんに・・・
髙橋 明:あの、パラリンピック、ほんとに多くの方に知っていただき、見ていただきたいなと、本当に思っ
てます。で、そこで生きる力、また人間の可能性を見ていただけたらな、って思っているんですよ
ね。それが、またあの、見ておられる方たちも、やはり「あ、こんなことできるんやったら、うち
の会社で仕事できるな」っていうような、障害者雇用にもつながっていけばな、と私、本当に思っ
ているんですよね。
はるな愛:なるほどな~。もう、絶対に見ます。また寝不足になりながらね。グレースちゃんどう?
グレース:そうですね。それこそ歴史をみてきたとおり、昔はリハビリだったりとか、参加することに意義が
あるっていうふうになっていたと思うんですけれども、今は「金」をとりにいく、っていう時代に
なって、すごい憧れの選手、パラリンピックに出ている人たちは憧れの選手になっているんだろう
な、っていうふうに思うので、ぜひ、いろんな人に見ていただきたいし、何よりも、障害を持った
ばかりの人に、見て「あ、こんなスポーツもあるんだ」っていう、知らない情報をいっぱい知って
ほしいな、っていうふうに思います。
はるな愛:今月7日から始まります、ソチパラリンピック、ぜひみなさん、応援しましょう、一緒に。
ということで、今日はどうもありがとうございました。
一同 :ありがとうございました。
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はるな愛: さて、はるな愛の「バリバラR」、いかがでしたか?感想やメッセージをお待ちしています。
宛先は郵便番号540-8501。NHK大阪放送局、「バリバラ」の係です。
メールは、番組ホームページから送って頂けます。
ホームページのアドレスは、 nhk.jp/ バリバラ、スペルは baribara です。
来週の「バリバラR」も、どうぞお楽しみに。はるな愛でした!バイバイ!