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エッジコンピューティング時代のサービス運用の課題~オペレーター目線で感じる期待と課題~
宮坂 拓也KDDI総合研究所
JANOG46 2020/08/271
● ユーザーから”近い”サーバー(MECサーバー)にアプリケーションを配置し、ユーザー〜アプリケーション間の低遅延通信や、サーバー側処理の分散化(Distributed computing) を実現
MEC? Edge computing?
自AS(ISP)
Transit AS AS
(CSP)
MEC server
User
1.アプリケーション配置
2.低遅延通信、分散処理2
※ISP: Internet Service Provider※CSP: Contents Service Provider
1.ユーザー品質向上‣ 遅延が短くなり、ユーザーの体感品質向上
(“ping値”の低下)‣ エッジサーバー導入により、新しいアプリ
ケーションをユーザーへ提供• AR/VR• Cloud gaming
MEC, Edge Computingに期待すること
Copyright © 2020 KDDI Research Inc. All Rights Reserved3
Edge
Core
Edge
低遅延
低遅延
2.バックボーントラフィックの削減‣ 通信先インスタンスをコアからエッジへ移
行し、コア~エッジ間のトラフィック削減• コスト削減
MEC, Edge Computingに期待すること
Copyright © 2020 KDDI Research Inc. All Rights Reserved4
Edge
Core
Edge
低遅延
低遅延
● Peering○ Transitトラフィック削減、Peer先ASとの通信品質向上
● Cache server○ Transit/Peerトラフィック削減、Cacheコンテンツの品質向上
動機的にはPeeringやCacheと同じ
自AS(ISP)
Transit AS AS
(CSP)Peering
Cache
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● Edge computingを実現するためには・・・○ エッジサーバーの配置○ エッジサーバーをCSPへ提供○ エッジサーバーへのユーザーリクエストルーティング
オペレータが考えないといけない課題
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● Edge computingを実現するためには・・・○ エッジサーバーの配置○ エッジサーバーをCSPへ提供○ エッジサーバーへのユーザーリクエストルーティング
オペレータが考えないといけない課題
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● エッジサーバーの物理的配置○ ファシリティの用意
■ 場所・電力・空調・・・○ サーバーインフラの用意
■ CPU, Memory, GPU, Network…● 特にEdge computingではGPUを用いたユースケー
スが多いため、どれだけのリソースを用意するか適切に計画する必要がある
エッジサーバー配置
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● エッジはファシリティ的に過酷な環境にあることがある○ 小さなデータセンターで使える場所が狭い○ 工場やオフィスの一角かもしれない○ 携帯電話基地局のような外かもしれない
● そのような環境の場合、電力消費の激しい高性能なサーバーを十分に置けない可能性がある・・・
エッジとファシリティとのジレンマ
https://time-space.kddi.com/au-kddi/20190918/27409
● ユーザーのIPパケットがトンネルによって、終端点がコアまで行ってしまうこともあるので要注意 (特にモバイル)○ エッジサーバーを用いることでかえって遅延増大することも○ 詳細:https://www.janog.gr.jp/meeting/janog45/program/mec
ネットワークを終端できるか?
1010
自AS(ISP)
Region A
10.2.0.1
基地局(eNB/gNB)
MBH Network(Mobile Backhaul)
コア設備(PGW/UPF)
GTP-Uトンネルで一旦コアまでトラフィックがあがる
再度エッジサーバーまで転送…
● Edge computingを実現するためには・・・○ エッジサーバーの配置○ エッジサーバーをCSPへ提供○ エッジサーバーへのユーザーリクエストルーティング
オペレータが考えないといけない課題
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● エッジサーバーをCSPに提供○ CSPが自由にアプリケーションインスタンスを起動○ どのような形態を許可するか決めないといけない
■ Bare metal?■ VM?■ Container?
○ いかに、CSPがやりやすい形で提供できるかが肝○ 通常利用しているクラウドとのハイブリッド構成も
エッジサーバーの提供
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● Hybrid Cloud: CSPの観点では、すでにクラウドなどでサービスを運用しており、その一部をISP内のエッジサーバーへ張り出す○ その場合、「ISPは、CSPに運用しやすい形(例:k8s)でエッジサー
バーをCSPへ提供できるか?」がとても重要な問題となってくる
Hybrid Cloud
ISPCloud
CSP
MEC server ???
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k8s
● Edge computingを実現するためには・・・○ エッジサーバーの配置○ エッジサーバーをCSPへ提供○ エッジサーバーへのユーザーリクエストルーティング
オペレータが考えないといけない課題
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● ユーザーからのアプリケーション接続要求を、そのユーザーに適切なMECサーバーへ振り分ける (例:DNS, IP anycast, Redirect)○ ISPとCSPの「連携」が必要になることが多い
ユーザーリクエストのルーティング
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自AS(ISP)
Region A Region BAS(CSP)
10.1.0.110.2.0.1
● CSPの権威サーバーにおいて、(1)DNSクエリの送信元フルリゾルバーのIPアドレス、(2)ECSによって通知されたクライアントのIPプレフィックスより、地域を特定しその地域インスタンスのIPアドレスを返す
例:DNSによるRouting
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自AS(ISP)
Region A Region BAS(CSP)
Full ServiceResolver
Full ServiceResolver
(1) example.comはどこ?
10.1.0.110.2.0.1
(2) example.comはどこ?(ECS: 10.1.0.1)
(3) 10.1.0.1は地域Bだから地域Bのインスタンスにしよう
● CSPの権威サーバーにおいて、(1)DNSクエリの送信元フルリゾルバーのIPアドレス、(2)ECSによって通知されたクライアントのIPプレフィックスより、地域を特定しその地域インスタンスのIPアドレスを返す
例:DNSによるRouting
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自AS(ISP)
Region A Region BAS(CSP)
Full ServiceResolver
Full ServiceResolver
(1) example.comはどこ?
10.1.0.110.2.0.1
(2) example.comはどこ?(ECS: 10.1.0.1)
(3) 10.1.0.1は地域Bだから地域Bのインスタンスにしよう
この方法では、あらかじめISPからCSPに対して、「地域毎のIPアドレスリスト」的なものを何らかの方法で渡す必要がある
必ずしもネットワーク的に近い=最適ではない
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携帯基地局自AS(ISP) Cloud
(1) エッジサーバー
(2) クラウド
● エッジサーバーは環境により、マシンパワーが不足していることも● そのような場合、クラウドなどエッジサーバーを利用しないほうが、
ユーザー体感品質が向上することも往々にして存在する○ End-to-end 遅延=ネットワーク遅延+サーバーでの処理遅延
NW遅延(1msec)処理遅延(100msec)
NW遅延(30msec)
処理遅延(30msec)
● Edge computingに対する期待○ ユーザー品質向上○ バックボーントラフィックの削減
● Edge computing提供のための課題○ エッジサーバーを配置できる?○ エッジサーバーをCSPに提供できる?○ エッジサーバーへユーザーリクエストルーティングできる?
まとめ
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