ポリエチレンスリーブの実管路に おける長期防食性能...ansi 評価点 15.5 12.0...
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ポリエチレンスリーブの実管路における長期防食性能
日本ダクタイル鉄管協会○森本 圭司 宮田 健司
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発表内容
1.ポリエチレンスリーブ法について
2.長期間埋設した実管路の調査結果
3.スリーブ材質調査結果
4.まとめ
ポリエチレンスリーブ法
日本では,1975年に JDPA Z 2005 が制定された日本では,1975年に JDPA Z 2005 が制定された
スリーブ法は,1950年代に初めて米国や英国で使用された
スリーブ法は,1950年代に初めて米国や英国で使用された
現在では,標準的な防食対策として使用されている
現在では,標準的な防食対策として使用されている
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ポリエチレンスリーブ法の防食原理(1)
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①埋設土壌と管との接触を防止
ゴムバンド
管底
埋設土壌
管頂
PEスリーブ
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ポリエチレンスリーブ法の防食原理(2)
◆鉄(Fe)の腐食反応式:
Fe + H2O + 1/2O2 → Fe(OH)2
②浸入水の移動を防止
浸入水が移動しないPEスリーブ
架空線
レール
漏れ電流
埋設管
変電所
腐食電流
腐食発生
電車
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ポリエチレンスリーブ法の防食原理(3)
③迷走電流の遮蔽による局所腐食の防止
PEスリーブ
ポリエチレンスリーブ法の防食原理(4)
通気の悪い土
通気の良い土
陽極部
陰極部
腐食電流
④均一な管の周辺環境の確保
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PEスリーブ
長期間埋設した実管路の調査
1.海外の調査事例
2.国内での調査 ◆場所 (1)埋立地(大阪市内、大阪府内、福岡市内) (2)泥炭地帯(札幌市内) (3)海成粘土(土丹)地帯(横浜市内)
◆内容 (1)埋設環境
(2)管外面の腐食状況 (3)スリーブ材質
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海外での調査事例(アメリカ)※
腐食認められず管外面の腐食状況
現在の規格値以上を維持掘上げ後のスリーブの材質
460Ω・cm比抵抗
45年(1958~2003年)埋設期間(年)
優れた防食効果を発揮優れた防食効果を発揮
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※ 引用文献:(1)Richard W.Bonds他 ”Corrosion and corrosion control of iron pipe :75 years of research”, Journal AWWA, pp.88-98(2005)(2)David H.Kroon他 ”Corrosion Protection of Ductile Iron Pipe ”, Materials Performance,pp.24-29(2005)
7
7
1
3
項目数 内容部位
外面腐食状況,腐食深さの測定,
スリーブの装着状況管体
比抵抗,pH,硫酸イオン含有量,塩素イオン含有量,蒸発残留物,酸度,アルカリ度
土壌抽出水及び地下水
土質,土色,比抵抗,Redox電位,硫化物の有無,含水比,硫黄含有率
土壌
地下水の有無埋設環境
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調査内容
テストハンマーやワイヤーブラシなどを使用して管体の付着物を除去し,腐食状況を調査する。 11
管体の腐食調査
埋設土壌の採取
地下水の採取12
管下サンプリング
管横サンプリング
掘削断面
管上サンプリング
管体
地下水
:地山サンプリング
埋設土壌及び地下水の採取
土壌の腐食性評価(ANSI評価点)
合計10点以上で腐食性が強いと
判断
合計10点以上で腐食性が強いと
判断
測定項目 測定値 点数
<1500 101500~1800 81800~2100 52100~2500 22500~3000 1 >3000 00~2 52~4 3 4~6.5 06.5~7.5 0*7.5~8.5 0 >8.5 3 >100 0 50~100 3.5 0~50 4 <0 5
排水悪く常に湿潤 2排水かなり良,一般に湿っている 1排水良,一般的に乾燥 0
検出 3.5痕跡 2なし 0
水分(%)
硫化物の有無
注*)硫化物が存在し,Redox電位が100mV以下のときは3点を加算する。
比抵抗(Ω・cm)
pH
Redox電位(mV)
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スリーブ装着無し (最大腐食深さ:2.5mm)
スリーブ装着あり (腐食認められず)
調査結果(大阪市内)
あり(海水の影響あり)地下水
最大15.5ANSI評価点
埋設環境
腐食認められず
粘土質シルト埋設土壌
外面状況
20埋設期間(年)
400呼び径
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腐食部位
調査結果(大阪府内)
あり(海水に近い)地下水
12.0ANSI評価点
砂埋設土壌
埋設環境
腐食認められず外面状況
19埋設期間(年)
100,200呼び径
スリーブ取り外し前
スリーブ取り外し後 (腐食認められず)
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調査結果(福岡市内)
あり(海水の影響あり)地下水
15.5ANSI評価点
粘土埋設土壌
埋設環境
腐食認められず外面状況
29埋設期間(年)
500呼び径
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スリーブ取り外し後 (腐食認めら
れず)
泥炭地帯(札幌市)
低湿地に育成した植物が低温で嫌気性の環境下に堆積してできた高有機質土
比抵抗が低く,硫酸イオンを多く含有する酸性土壌
札幌市内の北部に広く分布
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泥炭
粘土
レキ
砂
調査地点
札幌駅
泥炭について泥炭について
泥炭の外観 札幌市の土壌分布
調査結果(札幌市内)
あり地下水
15.5ANSI評価点
泥炭埋設土壌
埋設環境
腐食認められず外面状況
16埋設期間(年)
100呼び径
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スリーブ取り外し後 (腐食認めら
れず)
海成粘土(土丹)地帯(横浜市内)
横浜市の地層分布
長年にわたって砂質粘土が堆積し,堅く凝固した土壌
比抵抗が低く,硫酸イオンを多く含有する海成粘土の一種
土丹は上総層群泥層と相模層群泥層に分布
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土丹について土丹について
土丹の外観
調査地点
調査結果(横浜市内)
なし地下水
腐食認められず外面状況
14.5ANSI評価点
土丹埋設土壌
埋設環境
14埋設期間(年)
100呼び径
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実管路調査結果まとめ
横浜市札幌市福岡市大阪府大阪市都市
土丹泥炭粘土砂粘土質シルト
土質
造成地市街地埋立地埋立地埋立地土壌
○
(腐食無し)
○
(腐食無し)
○
(腐食無し)
○
(腐食無し)
○
(腐食無し)外面状況
14.515.515.512.015.5ANSI評価点
1416291920埋設期間(年)
100100500100,200400呼び径(mm)
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腐食性の強い埋設環境でも良好な防食効果を発揮腐食性の強い埋設環境でも良好な防食効果を発揮
腐食性が強い土壌に長期間埋設された実管路に おいて、ポリエチレンスリーブ法は良好な防食効果 を発揮していた。
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まとめ
日本ダクタイル鉄管協会は水道事業体のご協力を 得て、引き続きポリエチレンスリーブ法の実管路に おけるデータの蓄積に努めていきます。