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Trace1300/1310 ガスクロマトグラフ ハードウェアマニュアル PN: 81012469 Revision A June 2014

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Trace1300/1310 ガスクロマトグラフ

ハードウェアマニュアル PN: 81012469 Revision A June 2014

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Trace1300/1310

TRACE1300&TRACE1310 Gas Chromatographs Hardware Manual 2

TRACE1300&TRACE1310 Gas Chromatographs Hardware Manual TRACE 1300/TRACE 1310

1TRACE 1300/TRACE 1310

2 TRACE 1300/TRACE 1310

3TRACE 1300/TRACE 1310

4TRACE 1300/TRACE 1310

5TRACE 1300/TRACE 1310

2 TRACE1300&TRACE1310 Gas Chromatographs Hardware Manual

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル 61

日常の保守操作の実施

この章では、TRACE 1300/TRACE 1310 モジュールの日常の保守操作を実施する手順について説明します。GC の良好な動作状態を維持することでラボの生産性が向上し、機器を最大限に活用することができます。

目次

• はじめにお読みください

• メンテナンス用品と工具

• GC の電源投入

• TRACE 1300/TRACE 1310 の停止

• 機器の外部洗浄

• カラムの交換

• SSL インジェクターの保守

• SSLBKF インジェクターの保守

• PTV インジェクターの保守

• PTVBKF インジェクターの保守

• FID の保守

• NPD の保守

• TCD の保守

• ECD の保守

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62 TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル Thermo Scientific

2 日常の保守操作の実施

はじめにお読みください

はじめにお読みください

通常、本機器の保守点検は、全保証期間にわたりサーモフィッシャーサイエンティフィックの認定技術員が行います。保証期間終了後については、プログラム済みの保守契約にの規定に準じます。詳しくは、サーモフィッシャーサイエンティフィックの最寄りの事業所もしくは販売代理店までお問い合わせください。

警告 万一、技術上の理由で機械部品を扱う必要が生じ、危険な (可動部品、高電圧コンポーネントなどの) 操作が伴う可能性がある場合は、必ずサーモフィッシャーサイエンティフィックの認定テクニカルサポートにご連絡ください。可動部品を取り扱うには工具が必要になる場合があります。また、関係する取り外し可能な保護カバーに、オペレーターが本機器の付属ドキュメントに記載されている警告に注意を払うように促す警告シンボルマークが付いている場合があります。このような場合、テクニカルサポートへの連絡が必要です。どうしてもオペレーターが作業を実行する必要がある場合、そのオペレーターが当該保守操作を実施する十分なトレーニングを受けていることが必要です。

分析中のサンプルの量と種類にもよりますが、日常の保守操作が必要な TRACE 1300/TRACE 1310 のコンポーネントはわずかしかありません。当然ながら、使用頻度の高い機器は、まれにしか使用されない機器よりも多くの保守が必要になります。

• 外部洗浄 — GC が汚れている場合は、洗浄の必要があります。

• カラム — 分析性能が劣化し、トラブルシューティングでカラムの保守が必要なことが示された場合は、カラムの交換が必要なことがあります。この場合は、カラムの端を切って短くするか、カラム自体の交換が必要になるかもしれません。

• インジェクターモジュール — インジェクターモジュールの取り付け、交換、保

守が必要な場合があります。

• 検出器モジュール — 検出器モジュールの取り付け、交換、保守が必要な場合が

あります。

TRACE 1300/TRACE 1310 のその他の多くのコンポーネントは日常の保守操作が不要ですが、機器に問題がある場合には交換が必要になることもあります。この章に記載されていないコンポーネントの交換については、第 4 章「Advanced Troubleshooting」を参照してください。

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル 63

2 日常の保守操作の実施

はじめにお読みください

重要 火傷を防ぐため、すべての保守操作は低温時に実施する必要があります。そのため一連の操作を始める前に、GC オーブン、インジェクター、および検出器を室温まで冷却し、その後、ガス供給を停止してください。 これらの操作は手動で、または [Maintenance] キーを押して、実行することができます。詳しくは、TRACE 1300 and TRACE 1310 User Guide を参照してください。

保守操作が終了したら、GC の通常の動作条件を復元してください。

インジェクターの保守

保守するインジェクターを開く前に、キャリアガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

オートサンプラーがある場合:

インジェクターモジュールからオートサンプラーを離して、周りに空間を確保します。

• AI 1310/AS 1310 - AI 3000/AS 3000 が取り付けられている場合は、サンプラーのサポートプレートを外側に引きます。

• TriPlus または TRiPlus RSH が取り付けられている場合は、スタンバイタレットの位置がインジェクターモジュールまたは検出器モジュールの保守のじゃまになっていないか確認します。じゃまになっている場合は、タレットの位置を変えます。

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64 TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル Thermo Scientific

2 日常の保守操作の実施

メンテナンス用品と工具

メンテナンス用品と工具

TRACE 1300/TRACE 1310 の日常の保守操作を実施するには、以下の用品と工具が必要です。

• オープンエンドレンチ、1/4 インチ、5/16 インチ、1/8 インチ

• マイナスドライバー

• 5.5 x 25 mm マイナススタッビドライバー

• カラムカッター、ウェーハ (5181-8836、4/pk)

• T20 トルクスドライバー

• T10 トルクスドライバー

• T6 トルクスドライバー

• 3 mm 六角レンチ

• 電子流量計 (Thermo Scientific GFM Pro Flowmeter または同等品)

• 電子リーク検出器 (Thermo Scientific GLD Pro または同等品)

• ピンセット (または極先細プライヤー) もしくは鉗子

• 耐熱手袋 (高温部品取扱用)

ステンレス製コンポーネントの洗浄

ステンレス製コンポーネントの洗浄には、以下のものが必要です。

• アセトン、試薬グレード (または他の適合する極性溶媒)

• 酸化アルミニウム研磨粉、600 番

• 綿棒

• 純水

• 中性洗剤 (Alconox、Micro、または同等品)

• 乾燥したクリーンガス (窒素またはヘリウム)

• 糸くずの出ないパウダーフリーの清潔な手袋、ラテックスまたはニトリル

• 糸くずの出ない布

• 超音波洗浄器

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル 65

2 日常の保守操作の実施

[Maintenance] ボタン

[Maintenance] ボタン

[Maintenance] ボタンを押すと、選択された加熱ゾーンが 60°C に冷却され、必要な保守が可能になります。キャリアガスおよび検出器ガスは手動で停止する必要があります。

この機能では、以下の処理も自動的に実行されます。 • FID 検出器のフレームと燃料ガスをオフにします。 • NPD 検出器の熱イオン源、水素と空気のフローをオフにします。 • TCD 検出器のフィラメントをオフにします。

GC の電源投入 1. GC カラムを取り付けます (69 ページの「カラムの交換」を参照)。

2. 供給ガスを開きます。

3. 電源ケーブルを GC の AC 入力コネクター (メインソケット) に差し込み、壁面コンセントと接続します。図 61 を参照してください。

4. 必ず、キャリアガスがカラム内を流れ、検出器ガスが検出器内を流れるようにします。

5. 外部モジュールがある場合は、電源ケーブルを各外部モジュールの前面にある AC 入力コネクターに差し込み、壁面コンセントと接続します。

図 61. GC 電源投入

120 VAC または 230 VAC の電源ラベル

電源スイッチ [ON] 位置

AC 入力コネクター

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66 TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル Thermo Scientific

2 日常の保守操作の実施

GC の電源投入

6. 機器の背面にある電源スイッチを [I] のマークの [ON] 位置 (上) に切り替えて、GC の電源を投入します。

a. TRACE 1300 — GC の電源を投入するとステータスパネルのすべての LED が同時に点灯し、その後 [Power] ランプは緑色で点灯し続け、他のすべてのランプは消灯します。GC がスタンバイステータスになります。図 62 を参照してください。

図 62. GC 電源投入時の TRACE 1300 ステータスパネル .

電源オンステータス

スタンバイステータス

b. TRACE 1310 — タッチスクリーンに表示されるメインメニューを確認します。図 63 を参照してください。

図 63. TRACE 1310 タッチスクリーン

7. コンピュータにインストールされているクロマトグラフィーデータシステムを開きます。

8. 分析パラメーターを設定します。

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル 67

2 日常の保守操作の実施

TRACE 1300/TRACE 1310 の停止

TRACE 1300/TRACE 1310 の停止 1. GC の温度を下げます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

2. カラムの交換や GC の保守操作を実施する予定がない場合は、インジェクターの温度を下げる必要はありません。

3. タンクのキャリアガス供給をオフにします。

4. 機器の背面にある電源スイッチ (ブレーカー) を [O] のマークの [OFF] 位置に切り替えます。図 64 を参照してください。

図 64. GC 電源切断

電源スイッチ [OFF] 位置

AC 入力コネクター

5. 残りのすべての機器の電源を切断します。

a. オートサンプラー (ある場合) の電源は、主電源スイッチをオフに切り替えるか、電源ケーブルを AC 入力コネクターと壁面コンセントから引き抜いて切断します。

b. 各外部モジュール (ある場合) から電源ケーブルを引き抜きます。

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68 TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル Thermo Scientific

2 日常の保守操作の実施

機器の外部洗浄

機器の外部洗浄

TRACE 1300/TRACE 1310 の通常の使用によって、機器の表面が汚れる場合があります。

警告 お客様の責任において、運転および保守中に危険な液体や物質が GC 内部にしみ込まないようにしてください。

溶媒は使用しないでください。電子部品の上に洗剤等をスプレーしないでください。

機器の外部を洗浄するには:

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. [Maintenance] ボタンを押して GC の温度を下げるか、加熱ゾーンを手動でオフに切り替えます。

3. GC の電源を切ります。

a. 機器の背面にある電源スイッチ (ブレーカー) を [O] のマークの [OFF] 位置に切り替えます。

b. 電源ケーブルを GC の背面にある AC 入力コネクターと壁面コンセントから引き抜きます。

4. 石けんと水の溶液または表面を傷つけない家庭用洗剤を使って、機器の外部を洗浄します。

• 機器の背面を洗浄するときは特に注意を払ってください。洗剤等をスプレーするのではなく、その液体をしみ込ませた布を使って洗浄します。

• 使用する洗剤等が機器内部にしみ込まないように、特に背面パネルの網目状の部分を洗浄するときは気を付けてください。

• 洗浄に使用した物質や分析に付した物質が機器内部に侵入した疑いがある場合は、直ちに機器を停止し、認定カスタマーサポートエンジニアに適切な処置を依頼してください。関係する物質の性質をサービスエンジニアに詳しく知らせる必要があります。万一、有害物質を機器の表面にこぼしたり、内部にしみ込ませてしまったときは、当該物質の製品安全データシートに記載されている手続きに従って、こぼれた箇所を洗浄してください。

5. 清潔な布で水分を拭き取って乾かします。

6. GC の電源を入れます。

a. 電源ケーブルを GC の背面にある AC 入力コネクターに差し込み、壁面コンセントと接続します。

b. 電源スイッチ (ブレーカー) を [I] のマークの [ON] 位置に切り替えます。

c. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル 69

2 日常の保守操作の実施

カラムの交換

カラムの交換

分析性能が劣化し、トラブルシューティングでカラムの保守が必要なことが示された場合は、カラムの交換が必要なことがあります。この場合は、カラムの端を切って短くするか、カラム自体の交換が必要になるかもしれません。

カラムを交換するには:

注 サンプルを分析している場合は、取り込みを停止します。

警告-火傷の危険: インジェクターおよびオーブンは熱くなっていることがあります。

室温にまで冷ましてから触れるようにしてください。

1. 現在のカラムを取り外します。

a. [Maintenance] ボタンを押して GC を冷却します。

b. 目的のインジェクターのキャリアガスおよび検出器ガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

c. GC の前面ドアを開きます。

d. インジェクターと検出器のナットを緩めて外し、カラムを取り外します。

e. カラムをカラムラックと GC から取り外します。

2. 新しいカラムを取り付けます。

a. 新しいカラムをオーブン内部にあるカラムラックの 2 本のアームに合わせます。

3. 新しいカラムを GC 内部のインジェクターにつなぎます。

a. カラムの端をインジェクターと検出器に簡単に接続できるように、カラムの巻き癖を十分に取ります。

注 カラムおよびインジェクターフェラルを取り扱う際は、糸くずの出ないパウダーフリーの清潔な手袋を使用してください。

b. メタノールに浸したティッシュでカラムを 100 mm (4 インチ) くらいまで拭きます。

c. カラムを適切なインジェクター固定用ナットおよびフェラルに挿入します (開口端を上)。M4 固定用ナットを使用している場合は、サイドカット部を通してカラム上でずらしてください。メタノールに浸したティッシュでカラムをもう一度拭きます。

d. カラムカッターを使用してカラムの端から約 1 cm (0.4 インチ) のところに切り込みを入れ、カラムを折ります。拡大鏡を使って、まっすぐ滑らかな切り口になっているかどうか確認します。必要に応じて作業を繰り返します。

ヒント インジェクター固定用ナットの前に、切れ込みのあるセプタムをカラムに通してずらしていくと、ナットとカラムの端の間の正しい距離を簡単に測ることができます。

e. フェラル上端からカラム先端が適切な間隔(表 9 を参照)になるようにカラムの位置を調整します。

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70 TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル Thermo Scientific

2 日常の保守操作の実施

カラムの交換

表 9. SSL、SSLBKF、PTV、PTVBKF インジェクターのカラム挿入の深さ

SSL インジェクター

SSLBKF インジェクター

PTV インジェクター

PTVBKF インジェクター

5 mm (スプリットレス)

5 mm (スプリットレス)

30 mm 30 mm

10 mm (スプリット)

10 mm (スプリット)

PTV がオンカラムインジェクターとして使用されている場合は、できる限り底まで。

f. 切れ込みのあるセプタムをカラムに挿入して、固定用ナットを上記の位置に保持します。固定用ナットをインジェクターに回し込みますが、まだ締め付けないでください。

g. セプタムが固定用ナットの底に接触するようにカラムの位置を調整します。固定用ナットがカラムをつかみ始めるまで、指を使って締めます。

h. 固定用ナットがカラムをつかみ始めてからさらに 4 分の 1 回転するまで、指の力で締めます。

i. 切れ込みのあるセプタムをカラムから取り外します。

4. GC のパラメーターを設定します。

a. オーブンおよびインジェクターの温度を 50°C に設定します。

b. カラム流量計コネクターを使って、カラム内にフローがあることを確認します。流量計をお持ちでない場合は、カラムの出口をメタノールの小さいバイアルに浸します。泡が出てきたら、カラム内にフローがあることがわかります。フローがない場合は、キャリアガスがオンになっていること、GC インレットが加圧されていること、およびカラムが詰まっていないことを確かめてください。それでもフローがない場合は、「Troubleshooting」のセクションを参照するか、テクニカルサポートにご連絡ください。

c. 10 分以上放置して、カラムをパージします。

5. カラムのリークチェックを行います。

a. タッチスクリーンのユーザーインターフェースを装備した GC では、[Maintenance] メニューで [Leak Check] アイコンを選択します。それ以外の場合は、該当する機能を選択して、クロマトグラフィーデータシステムからリークチェックを実行します。

b. リークチェックを起動して操作を開始します。選択したインジェクターのスプリットバルブとパージバルブが自動的に閉じ、インジェクターがリークチェック設定ポイントまでキャリアガスで加圧されます。

c. システムが圧力を 1 分間監視します。圧力の低下が最大許容感度値の範囲内だった場合は、リークチェックに合格します。

リークチェックに合格しなかった場合は、リーク検出器を使用してリークの原因を突き止め、解決してください。

ヒント リークの原因として、カラム流量計コネクターのフィッティングをしっかり締めていないことが考えられます。ほかの箇所を見る前にこのフィッティングをチェックすることをお勧めします。

d. リークがなくなるまで、リークチェックを繰り返します。

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71 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

カラムの交換

6. キャリアガスフローを校正します (カラム評価)。

a. キャピラリーカラムの端をカラム流量計コネクターの流量計部に注意深く押し込みます。図 65 を参照してください。

図 65. カラム流量計コネクター

A B C

流量計へ

b. 流量計をカラム流量計コネクターの専用フィッティングにつなぎます。

c. タッチスクリーンのユーザーインターフェースを装備した GC では、[Configuration] メニューで [Back Column] または [Front Column] アイコンを選択します。それ以外の場合は、該当する機能を選択して、クロマトグラフィーデータシステムからカラム評価を実行します。

d. カラムを選択し、カラムの物理的特性を入力します。

e. プレカラム/ポストカラムがある場合は、対象のカラムと同じ条件で使用可能なプレカラム/ポストカラムの長さおよび内径を設定します。メニューの末尾に 2 行追加されます。

f. システムが、カラムの物理特性に従って、関連するカラム K 値を計算および表示します。

注 結果の再現性を最大にするため、より詳細なカラム評価を実施することを強くお勧めします。ただし、以下の手順は推奨されるものの、必須ではありません。

g. カラム評価を開始します。所定の操作の終了時に、評価が正常に実行されたことを示すメッセージが表示されます。

h. 15 m、内径 0.25 mm カラムに対して予想される K値はおよそ 0.7 ~ 0.9 です (30 m、内径 0.25 mm カラムでは 1.3 ~ 2.0)。カラム評価で、K値がこの範囲内にある、または直前に保存された値から 0.1 単位以内にあるとの報告が得られない場合は、リーク検出器を使用してカラムにリークまたは破損がないかチェックします。K 値はカラムの被測定抵抗です。低すぎる K 値は、システム内部のリークを示している可能性があります。一方、高すぎる K 値は、目詰まりの存在を示している可能性があります。

7. カラム流量計を取り外します。

a. カラム流量計コネクターからカラムを取り外します。

b. フィッティングを含む透明のプラスチック製部品をオーブンから取り外して、とっておきます。

c. GC のドアを閉めます。

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72 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

カラムの交換

8. カラムのコンディショニングを実施します。

カラムは、検出器に挿入する前にコンディショニングする必要があります。

カラムのコンディショニングは、プログラムされた温度に加熱したカラム内にキャリアガスのフローを通して行います。詳細は、カラム製造元の取扱説明書に記載されています。

万一、カラムコンディショニング手順が定められていないカラムの場合は、最終温度をカラムの推奨最大温度より最大で 10°C ~ 20°C 低く設定して、カラムのコンディショニングを行ってください。

注意 カラムのコンディショニングを実施するときは、検出器のコンタミネーションを防ぐため、カラムをインジェクターのみにつなぎ、カラムの出口はどこにもつながないでください。

コンディショニング用のキャリアとして水素を使用しないでください。オーブン内に排気されるおそれがあり、爆発の危険が生じます。

a. 製造元が推奨する低速温度プログラムを実行します。

装置の損傷:カラム製造元の最大動作温度を絶対に超えないようにしてください。

9. カラムを GC 内部の検出器につなぎます。

a. オーブンの温度を 30°C まで下げて冷まします。

警告-火傷の危険:インジェクター、検出器、オーブン、およびトランスファーライ

ンは熱くなっていることがあります。室温にまで冷ましてから触れるようにして

ください。

カラムの端をインジェクターと検出器に簡単に接続できるように、カラムの巻き癖を十分に取ります。

注 カラムおよびインジェクターフェラルを取り扱う際は、糸くずの出ないパウダーフリーの清潔な手袋を使用してください。

b. メタノールに浸したティッシュでカラムを 100 mm (4 インチ) くらいまで拭きます。

c. カラムカッターを使用してカラムの端から約 2.5 cm (1 インチ) のところに切り込みを入れ、カラムの出口を折ります。拡大鏡を使って、まっすぐ滑らかな切り口になっているかどうか確認します。必要に応じて作業を繰り返します。

d. カラムを適切な検出器固定用ナットおよびフェラルに挿入します (開口端を上)。メタノールに浸したティッシュでカラムをもう一度拭きます。

ヒント 検出器固定用ナットの前に、切れ込みのあるセプタムをカラムに通してずらしていくと、ナットとカラムの端の間の正しい距離を簡単に測ることができます。

e. カラムの端がフェラルの端の上方の適切な位置 (表 10 を参照) に来るようにカラムの位置を調整します。

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73 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

カラムの交換

表 10. FID、NPD、TCD、ECD 検出器のカラム挿入の深さ

FID NPD TCD ECD

カラムをできる限り深く挿入した後、約 2 mm 引き出します 23 mm

i. FID、NPD、TCD の場合は、無理に深くまで挿入しないように注意しながら、カラムを検出器に挿入します。固定用ナットを指の力で締めてから、カラムを 2 ~ 3 mm 引き出します。固定用ナットをさらに 4 分の 1 回転締めます。

ii. ECD の場合は、切れ込みのあるセプタムをカラムに挿入して、固定用ナットを上記の位置に保持します。固定用ナットを検出器に回し込みますが、まだ締め付けないでください。セプタムが固定用ナットの底に接触するようにカラムの位置を調整します。 固定用ナットがカラムをつかみ始めてからさらに 4 分の 1 回転するまで、指の力で締めます。 切れ込みのあるセプタムをカラムから取り外します。

10. カラムの取り付けの終了。

a. GC の前面ドアを閉じます。

11. 動作条件を復元します。

a. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

SSL インジェクターの保守

SSL インジェクターの保守

このセクションでは、スプリット/スプリットレスインジェクターを保守する手順について説明します。

モジュールとインジェクターのコンポーネントを図 66 と図 67 に示します。

図 66. スプリット/スプリットレスインジェクターモジュールのコンポーネント

スプリットライン排気口

パージライン排気口

セプタムキャップ

セプタムホルダー/ライナーキャップ

リングナット

キャリアガス ラインフィルター

インジェクター本体

スプリットガス ラインフィルター

絶縁カバー

ボトムフィッティング

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75 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

SSL インジェクターの保守

図 67. スプリット/スプリットレスインジェクターのコンポーネント

セプタムキャップ

セプタム

リングナット

セプタムホルダー/ライナーキャップ

ライナーシール

ライナー

本体ヘッド外部 O-リング

本体ヘッド内部 O-リング

ベースシール

ワッシャー

固定用ナット ボトムフィッティング

キャピラリーカラム用 ターミナルフィッティング

SSL インジェクターの定期保守に含まれる操作は以下のとおりです。

• SSL セプタムの交換

セプタムは、少なくとも注入 200 回ごとに、またはセプタムの損傷や摩損などの問題が発生するたびに交換してください。

78 ページの「SSL セプタムの交換」を参照してください。

• SSL ライナーの洗浄または交換

ライナーに汚染物質、残留物、破損がないか、またライナーが正しく取り付けられているかどうか確認します。実施した注入回数および注入したサンプルの性質によっては、ライナーを交換する必要があります。ライナーの交換が必要なことを示す一般的な兆候のなかで最も多いのは、クロマトグラム内に、とりわけ極性化合物でピークのテーリングが表れることです。

80 ページの「SSL ガラスライナーの洗浄または交換」を参照してください。

ヒント ガラスライナーを交換するたびにセプタムも交換することをお勧めします。

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

SSL インジェクターの保守

ガラスライナーの交換または取り外しの際に、インジェクター内部でガラスが破損するおそれがあります。その場合は、破損したライナーの残骸をインジェクターから取り除く必要があります。たとえば、気化チャンバーの下のほうにガラスの破片が落ちている可能性があります。

82 ページの「SSL の破損したライナーの交換」を参照してください。

• キャリアガスラインおよびスプリットラインの活性炭フィルターの交換

注入された溶媒の総量によっては、活性炭フィルターの交換が必要です。

84 ページの「SSL キャリアラインおよびスプリットラインのフィルターの交換」を参照してください。

• 本体ヘッド O-リングの交換

本体ヘッドの内部 (キャリアライン) および外部 (パージライン) O-リングにリークがある場合は、交換する必要があります。

86 ページの「SSL 本体ヘッド O-リングの交換」を参照してください。

インジェクターの保守操作を行う前に、次の警告をお読みください。

警告 インジェクターのフィッティングが熱くなっているおそれがあります。火傷を防ぐため、すべての操作は低温時に実施してください。そのため一連の操作を始める前に、インジェクターを室温まで冷却する必要があります。

注意 有機溶剤を取り扱う際は、健康被害を防ぐため必ず対策を講じてください。

SSL インジェクターの保守に必要な用品

セプタム

ピンセット

ガラスライナー

ライナーシール (O-リング)

超音波洗浄器

メタノール/アセトン 1:1 混合液

ベースシール (必要な場合)

キャリアガスライン、スプリットガスラインの両方

またはいずれかの活性炭フィルター

本体ヘッド内部 O-リング

本体ヘッド外部 O-リング

1/8 インチレンチ

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77 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

SSL インジェクターの保守

注 このセクションに記載されていないコンポーネントの保守または交換については、第 4 章「Advanced Troubleshooting」を参照してください。

• 「Baking-out Contaminants from SSL, SSLBKF, PTV, and PTVBKF Injectors」(172 ページ)

• 「Removing/Replacing an Injector Module」(173 ページ)

• 「Cleaning the SSL Injector Body」(179 ページ)

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78

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

SSL インジェクターの保守

SSL セプタムの交換

セプタムを交換するには:

図 68. SSL インジェクター:セプタムの交換

セプタムキャップ

セプタム

セプタムホルダー

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. オーブンおよびインジェクターを室温まで冷却します。

3. キャリアガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

4. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

5. モジュールのフラップカバーを開きます。

6. セプタムを交換します。

a. セプタムキャップを緩めて取り外します。

b. ピンセットを使ってセプタムをセプタムホルダーから取り外します。

c. セプタムに指を触れないように、ピンセットを使って新しいセプタムをセプタムホルダーに挿入します。

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79 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

SSL インジェクターの保守

d. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。セプタムキャップを指で回して締めます。

注意 セプタムキャップを締めすぎないでください。セプタムが損傷して性能に影響するおそれがあります。

7. モジュールのフラップカバーを閉じます。

8. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

9. キャリアガスをオンに設定します。

10. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

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80 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

SSL インジェクターの保守

SSL ガラスライナーの洗浄または交換

ガラスライナーを洗浄または交換するには:

図 69. SSL インジェクター:ガラスライナーの交換

セプタムキャップ

リングナット

セプタムを付けたままのセプタム ホルダー/ライナーキャップ

ライナーシール (O-リング)

ライナー

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. オーブンおよびインジェクターを室温まで冷却します。

3. キャリアガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

4. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

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81 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

SSL インジェクターの保守

5. モジュールのフラップカバーを開きます。

6. インジェクターの上部の部品を取り外します。

a. インジェクターのセプタムキャップを緩めて外します。

b. リングナットを緩めて外します。

c. セプタムを付けたまま、セプタムホルダー/ライナーキャップをインジェクター本体ヘッドから取り外します。

7. ライナーを取り外します。

a. ピンセットを使って、ライナーをライナーシール (O-リング) ごとインジェクターから取り外します。

注意 取り外す際、ガラスライナーが破損しないように注意してください。気化チャンバーの下のほうにガラスの破片が落ちてしまうおそれがあります。ガラスライナーが破損した場合は、82 ページの「SSL の破損したライナーの交換」を参照してください。

8. ライナーを交換または洗浄します。

• 新しいライナーを使用する場合は、ステップ 10 に進みます。

• 汚れたライナーを洗浄する場合は、ステップ 9 に進みます。

9. ライナーを洗浄します。

a. メタノール/アセトン混合液 (1:1) を満たした超音波洗浄器にライナーを入れます。

b. 約 30 分間、ライナーを超音波処理します。

c. ピンセットを使ってライナーを洗浄器から取り出し、清潔な圧縮空気で乾かします。

10. ライナーを取り付けます。

a. ピンセットで新しい (または洗浄済みの) ライナーを保持しながら、新しいライナーシールをライナーに被せます。

b. ライナーをインジェクターに挿入し、インジェクターの底のほうに静かに押し込みます。

11. インジェクターの上部の部品を取り付けます。

a. セプタムを付けたままのセプタムホルダー/ライナーキャップをインジェクターの本体ヘッドに取り付け、リングナットを締めて固定します。

b. セプタムキャップを指で回して締めます。

注意 セプタムキャップを締めすぎないでください。セプタムが損傷して性能に影響するおそれがあります。

12. モジュールのフラップカバーを閉じます。

13. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

14. キャリアガスをオンに設定します。

15. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

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82

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

SSL インジェクターの保守

SSL の破損したライナーの交換

破損したライナーを交換するには:

図 70. SSL インジェクター:破損したライナーの交換

セプタムキャップ

リングナット セプタムを付けたままのセプタム ホルダー/ライナーキャップ

ライナーシール ライナー

ベースシール

ワッシャー 固定用ナット

フェラル

キャピラリーカラム固定用 ナット

ボトムフィッティング

キャピラリーカラム用 ターミナルフィッティング

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. オーブンおよびインジェクターを室温まで冷却します。

3. キャリアガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

4. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

5. モジュールのフラップカバーを開きます。

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83 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

SSL インジェクターの保守

6. インジェクターの上部の部品を取り外します。

a. インジェクターのセプタムキャップを緩めて外します。

b. リングナットを緩めて外します。

c. セプタムを付けたまま、セプタムホルダー/ライナーキャップをインジェクター本体ヘッドから取り外します。

7. 破損したライナーを取り外します。

a. ピンセットを使って、破損したライナーの上部をライナーシールごとインジェクターから取り外します。

8. インジェクターの下部の部品を取り外します。

a. オーブンの内部で、キャピラリーカラム固定用ナットを緩めて外し、分析カラムとフェラルをインジェクターの底部から取り外します。

b. 固定用ナットを緩めて、ワッシャーとベースシールごとインジェクターの底部から外します。破損したライナーのガラスの破片がインジェクターから落ちてきます。

c. パイプクリーナーを使って、気化チャンバーからガラスくずを丁寧に取り除きます。

9. インジェクターの下部の部品を取り付けます。

a. 分析カラムを取り付けます。

b. 固定用ナットを新しいワッシャーおよびベースシールと一緒に取り付けます (ベースシールは必要に応じて新しいものと交換します)。

10. 新しいライナーを取り付けます。

a. ピンセットで新しいライナーを保持しながら、新しいライナーシールをライナーに被せます。

b. ライナーをインジェクターに挿入し、インジェクターの底のほうに静かに押し込みます。

11. インジェクターの上部の部品を取り付けます。

a. セプタムを付けたままのセプタムホルダー/ライナーキャップをインジェクターの本体ヘッドに取り付け、リングナットを締めて固定します。

b. セプタムキャップを指で回して締めます。

注意 セプタムキャップを締めすぎないでください。セプタムが損傷して性能に影響するおそれがあります。

12. モジュールのフラップカバーを閉じます。

13. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

14. キャリアガスをオンに設定します。

15. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

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84

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

SSL インジェクターの保守

SSL キャリアラインおよびスプリットラインのフィルターの交換

キャリアガスラインおよびスプリットラインの活性炭フィルターを交換するには:

重要 フィルターの寸法は同じではありません。スプリットガスラインのフィルターのほうが、キャリアガスラインのフィルターよりも大きくなっています。交換する際に逆にしないように注意してください。二つのフィルターを同時に交換する必要はありません。

図 71. SSL インジェクター:活性炭フィルターの交換

キャリアガスラインの活性炭

フィルター

スプリットガスラインの活性炭 フィルター

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. オーブンおよびインジェクターを室温まで冷却します。

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85

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

SSL インジェクターの保守

3. キャリアガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

4. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

5. モジュールのフラップカバーを開きます。

6. フィルターを交換します。

a. フィルターを反時計方向に回して、台座から取り外します。

b. 新しいフィルターを時計方向に回して O-リングと一緒に台座に取り付けます。

7. モジュールのフラップカバーを閉じます。

8. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

9. キャリアガスをオンに設定します。

10. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

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86

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

SSL インジェクターの保守

SSL 本体ヘッド O-リングの交換

本体ヘッド O-リングを交換するには:

図 72. SSL インジェクター:本体ヘッド O-リングの交換

本体ヘッド内部 O-リング (キャリアガスライン)

本体ヘッド外部 O-リング (パージガスライン)

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. オーブンおよびインジェクターを室温まで冷却します。

3. キャリアガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

4. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

5. モジュールのフラップカバーを開きます。

6. インジェクターの上部の部品を取り外します。

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87

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

SSL インジェクターの保守

a. インジェクターのセプタムキャップを緩めて外します。

b. リングナットを緩めて外します。

c. セプタムを付けたまま、セプタムホルダー/ライナーキャップをインジェクター本体ヘッドから取り外します。

7. 本体ヘッド O-リングを交換します。

a. ピンセットを使って、本体ヘッドの内部および外部 O-リングを取り外し、新しい O-リングに交換します。

8. インジェクターの上部の部品を取り付けます。

a. セプタムを付けたままのセプタムホルダー/ライナーキャップをインジェクターの本体ヘッドに取り付け、リングナットを締めて固定します。

b. インジェクターキャップを指で回して締めます。

注意 セプタムキャップを締めすぎないでください。セプタムが損傷して性能に影響するおそれがあります。

9. モジュールのフラップカバーを閉じます。

10. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

11. キャリアガスをオンに設定します。

12. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

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88

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

SSLBKF インジェクターの保守

SSLBKF インジェクターの保守

このセクションでは、バックフラッシュアプリケーション用のスプリット/スプリットレスインジェクターを保守する手順について説明します。

モジュールとインジェクターのコンポーネントを図 73 と図 74 に示します。

図 73. スプリット/スプリットレスバックフラッシュ用インジェクターモジュールのコンポーネ

ント

モジュールのフラップカバー

スプリットライン排気口

パージライン排気口

セプタムキャップ

セプタムホルダー/ライナーキャップ

リングナット

キャリアガスラインフィルター

インジェクター本体

スプリットガスライン フィルター

モジュールカバー

絶縁カバー

ボトムフィッティング

バックフラッシュライン

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2 日常の保守操作の実施

SSLBKF インジェクターの保守

図 74. スプリット/スプリットレスバックフラッシュ用インジェクターのコンポーネント

セプタムキャップ

セプタム

リングナット

セプタムホルダー/ライナーキャップ

ライナーシール

ライナー

本体ヘッド外部 O-リング

本体ヘッド内部 O-リング

ベースシール

ワッシャー

固定用ナット

(キャピラリーカラム用ターミナルフィッティング)

バックフラッシュライン

バックフラッシュラインフィッティング

フェラル

フィッティングキャップ、 バックフラッシュライン

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2 日常の保守操作の実施

SSLBKF インジェクターの保守

SSLBKF インジェクターの定期保守に含まれる操作は以下のとおりです。

• SSLBKF セプタムの交換

セプタムは、少なくとも注入 200 回ごとに、またはセプタムの損傷や摩損などの問題が発生するたびに交換してください。

92 ページの「SSLBKF セプタムの交換」を参照してください。

• SSLBKF ライナーの洗浄または交換

ライナーに汚染物質、残留物、破損がないか、またライナーが正しく取り付けられているかどうか確認します。実施した注入回数および注入したサンプルの性質によっては、ライナーを交換する必要があります。ライナーの交換が必要なことを示す一般的な兆候のなかで最も多いのは、クロマトグラム内に、とりわけ極性化合物でピークのテーリングが表れることです。

94 ページの「SSLBKF ガラスライナーの洗浄または交換」を参照してください。

ヒント ライナーを交換するたびにセプタムも交換することをお勧めします。

ガラスライナーの交換または取り外しの際に、インジェクター内部でガラスが破損するおそれがあります。その場合は、破損したライナーの残骸をインジェクターから取り除く必要があります。たとえば、気化チャンバーの下のほうにガラスの破片が落ちている可能性があります。

96 ページの「SSLBKF の破損したライナーの交換」を参照してください。

• キャリアガスラインおよびスプリットラインの活性炭フィルターの交換

その時に注入された溶媒の容量によっては、活性炭フィルターの交換が必要です。

98 ページの「SSLBKF キャリアラインおよびスプリットラインのフィルターの交換」を参照してください。

• 本体ヘッド O-リングの交換

本体ヘッドの内部 (キャリアライン) および外部 (パージライン) O-リングにリークがある場合は、交換する必要があります。

100 ページの「SSLBKF 本体ヘッド O-リングの交換」を参照してください。

インジェクターの保守操作を行う前に、次の警告をお読みください。

警告 インジェクターのフィッティングが熱くなっているおそれがあります。火傷を防ぐため、すべての操作は低温時に実施する必要があります。そのため一連の操作を始める前に、インジェクターを室温まで冷却する必要があります。

注意 有機溶剤を取り扱う際は、健康被害を防ぐため必ず対策を講じてください。

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2 日常の保守操作の実施

SSLBKF インジェクターの保守

SSLBKF インジェクターの保守に必要な用品

セプタム ピンセット

ガラスライナー

ライナーシール (O-リング)

超音波洗浄器

メタノール/アセトン 1:1 混合液

ベースシール (必要な場合)

キャリアガスライン、スプリットガスラインの両方

またはいずれかの活性炭フィルター

本体ヘッド内部 O-リング

本体ヘッド外部 O-リング

1/8 インチレンチ

注 このセクションに記載されていないコンポーネントの保守または交換については、第 4 章「Advanced Troubleshooting」を参照してください。

• 「Baking-out Contaminants from SSL, SSLBKF, PTV, and PTVBKF Injectors」(172 ページ)

• 「Removing/Replacing an Injector Module」(173 ページ)

• 「Cleaning the SSLBKF Injector Body」(183 ページ)

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2 日常の保守操作の実施

SSLBKF インジェクターの保守

SSLBKF セプタムの交換

セプタムを交換するには:

図 75. SSLBKF インジェクター:セプタムの交換

セプタムキャップ

セプタム

セプタムホルダー

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. オーブンおよびインジェクターを室温まで冷却します。

3. キャリアガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

4. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

5. モジュールのフラップカバーを開きます。

6. セプタムを交換します。

a. セプタムキャップを緩めて取り外します。

b. ピンセットを使ってセプタムをセプタムホルダーから取り外します。

c. セプタムに指を触れないように、ピンセットを使って新しいセプタムをセプタムホルダーに挿入します。

d. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

e. セプタムキャップを指で回して締めます。

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2 日常の保守操作の実施

SSLBKF インジェクターの保守

7. モジュールのフラップカバーを閉じます。

注意 セプタムキャップを締めすぎないでください。セプタムが損傷して性能に影響するおそれがあります。

8. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

9. キャリアガスをオンに設定します。

10. 通常の動作条件を設定します。

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2 日常の保守操作の実施

SSLBKF インジェクターの保守

SSLBKF ガラスライナーの洗浄または交換

ガラスライナーを洗浄または交換するには:

図 76. SSLBKF インジェクター:ガラスライナーの交換

セプタムキャップ

リングナット

セプタムを付けたままのセプタムホルダー/ ライナーキャップ

ライナーシール (O-リング)

ライナー

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. オーブンおよびインジェクターを室温まで冷却します。

3. キャリアガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

4. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

5. モジュールのフラップカバーを開きます。

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2 日常の保守操作の実施

SSLBKF インジェクターの保守

6. インジェクターの上部の部品を取り外します。

a. インジェクターのセプタムキャップを緩めて外します。

b. リングナットを緩めて外します。

c. セプタムを付けたまま、セプタムホルダー/ライナーキャップをインジェクター本体ヘッドから取り外します。

7. ライナーを取り外します。

a. ピンセットを使って、ライナーをライナーシール (O-リング) ごとインジェクターから取り外します。

注意 取り外す際、ガラスライナーが破損しないように注意してください。気化チャンバーの下のほうにガラスの破片が落ちてしまうおそれがあります。ガラスライナーが破損した場合は、96 ページの「SSLBKF の破損したライナーの交換」を参照してください。

8. ライナーを交換または洗浄します。

• 新しいライナーを使用する場合は、ステップ 10 に進みます。

• 汚れたライナーを洗浄する場合は、ステップ 9 に進みます。

9. ライナーを洗浄します。

a. メタノール/アセトン混合液 (1:1) を満たした超音波洗浄器にライナーを入れます。

b. 約 30 分間、ライナーを超音波処理します。

c. ピンセットを使ってライナーを洗浄器から取り出し、清潔な圧縮空気で乾かします。

10. ライナーを取り付けます。

a. ピンセットで新しい (または洗浄済みの) ライナーを保持しながら、新しいライナーシールをライナーに被せます。

b. ライナーをインジェクターに挿入し、インジェクターの底のほうに静かに押し込みます。

11. インジェクターの上部の部品を取り付けます。

a. セプタムを付けたままのセプタムホルダー/ライナーキャップをインジェクターの本体ヘッドに取り付け、リングナットを締めて固定します。

b. セプタムキャップを指で回して締めます。

注意 セプタムキャップを締めすぎないでください。セプタムが損傷して性能に影響するおそれがあります。

12. モジュールのフラップカバーを閉じます。

13. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

14. キャリアガスをオンに設定します。

15. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

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2 日常の保守操作の実施

SSLBKF インジェクターの保守

SSLBKF の破損したライナーの交換

破損したライナーを交換するには:

図 77. SSLBKF インジェクター:破損したライナーの交換

セプタムキャップ

リングナット

セプタムを付けたままのセプタムホルダー/ ライナーキャップ ライナーシール

ライナー

ベースシール ワッシャー

ボトム フィッティング

固定用ナット

フェラル

キャピラリーカラム固定用ナット

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. オーブンおよびインジェクターを室温まで冷却します。

3. キャリアガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

4. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

5. モジュールのフラップカバーを開きます。

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2 日常の保守操作の実施

SSLBKF インジェクターの保守

6. インジェクターの上部の部品を取り外します。

a. インジェクターのセプタムキャップを緩めて外します。

b. リングナットを緩めて外します。

c. セプタムを付けたまま、セプタムホルダー/ライナーキャップをインジェクター本体ヘッドから取り外します。

7. 破損したライナーを取り外します。

a. ピンセットを使って、破損したライナーの上部をライナーシールごとインジェクターから取り外します。

8. インジェクターの下部の部品を取り外します。

a. オーブンの内部で、キャピラリーカラム固定用ナットを緩めて外し、分析カラムとフェラルをインジェクターの底部から取り外します。

b. 固定用ナットを緩めて、ワッシャーとベースシールごとインジェクターの底部から外します。破損したライナーのガラスの破片がインジェクターから落ちてきます。

c. パイプクリーナーを使って、気化チャンバーからガラスくずを丁寧に取り除きます。

9. インジェクターの下部の部品を取り付けます。

a. 分析カラムを取り付けます。

b. 固定用ナットを新しいワッシャーおよびベースシールと一緒に取り付けます (ベースシールは必要に応じて新しいものと交換します)。

10. 新しいライナーを取り付けます。

a. ピンセットで新しいライナーを保持しながら、新しいライナーシールをライナーに被せます。

b. ライナーをインジェクターに挿入し、インジェクターの底のほうに静かに押し込みます。

11. インジェクターの上部の部品を取り付けます。

a. セプタムを付けたままのセプタムホルダー/ライナーキャップをインジェクターの本体ヘッドに取り付け、リングナットを締めて固定します。

b. インジェクターキャップを指で回して締めます。

注意 セプタムキャップを締めすぎないでください。セプタムが損傷して性能に影響するおそれがあります。

12. モジュールのフラップカバーを閉じます。

13. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

14. キャリアガスをオンに設定します。

15. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

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2 日常の保守操作の実施

SSLBKF インジェクターの保守

SSLBKF キャリアラインおよびスプリットラインのフィルターの交換

キャリアガスラインおよびスプリットラインの活性炭フィルターを交換するには:

重要 フィルターの寸法は同じではありません。スプリットガスラインのフィルターのほうが、キャリアガスラインのフィルターよりも大きくなっています。交換する際に逆にしないように注意してください。二つのフィルターを同時に交換する必要はありません。

図 78. SSLBKF インジェクター:活性炭フィルターの交換

キャリアガスラインの活性炭フィルター

スプリットガスラインの活性炭 フィルター

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. オーブンおよびインジェクターを室温まで冷却します。

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

SSLBKF インジェクターの保守

3. キャリアガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

4. オートサンプラーがある場合は、注入器をモジュールから離します。

5. モジュールのフラップカバーを開きます。

6. フィルターを交換します。

a. フィルターを反時計方向に回して、台座から取り外します。

b. 新しいフィルターを時計方向に回して O-リングと一緒に台座に取り付けます。

7. モジュールのフラップカバーを閉じます。

8. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

9. キャリアガスをオンに設定します。

10. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

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100

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

SSLBKF インジェクターの保守

SSLBKF 本体ヘッド O-リングの交換

本体ヘッド O-リングを交換するには:

図 79. SSLBKF インジェクター:本体ヘッド O-リングの交換

本体ヘッド内部 O-リング (キャリアガスライン)

本体ヘッド外部 O-リング (パージガスライン)

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. オーブンおよびインジェクターを室温まで冷却します。

3. キャリアガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

4. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

5. モジュールのフラップカバーを開きます。

6. インジェクターの上部の部品を取り外します。

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101

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

SSLBKF インジェクターの保守

a. インジェクターのセプタムキャップを緩めて外します。

b. リングナットを緩めて外します。

c. セプタムを付けたまま、セプタムホルダー/ライナーキャップをインジェクター本体ヘッドから取り外します。

7. 本体ヘッド O-リングを交換します。

a. ピンセットを使って、本体ヘッドの内部および外部 O-リングを取り外し、新しい O-リングに交換します。

8. インジェクターの上部の部品を取り付けます。

a. セプタムを付けたままのセプタムホルダー/ライナーキャップをインジェクターの本体ヘッドに取り付け、リングナットを締めて固定します。

b. インジェクターキャップを指で回して締めます。

注意 セプタムキャップを締めすぎないでください。セプタムが損傷して性能に影響するおそれがあります。

9. モジュールのフラップカバーを閉じます。

10. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

11. キャリアガスをオンに設定します。

12. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

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102

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

PTV インジェクターの保守

PTV インジェクターの保守

このセクションでは、PTV (プログラマブル温度気化) インジェクターを保守する手順について説明します。

モジュールとインジェクターのコンポーネントを図 80 と図 81 に示します。

図 80. プログラマブル温度気化インジェクターモジュールのコンポーネント

モジュールのフラップカバー

スプリットライン排気口

パージライン排気口

キャリアラインフィルター

セプタムキャップ

インジェクターヘッドアセンブリ

インジェクター本体

冷却ファン

スプリット ラインフィルター モジュールカバー

絶縁カバー

ボトムフィッティング

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103

TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル Thermo Scientific

2 日常の保守操作の実施

PTV インジェクターの保守

図 81. プログラマブル温度気化インジェクターのコンポーネント

セプタムキャップ

セプタム

ライナーキャップ

ライナーシール

ライナー

シルバーシール

キャピラリーカラム用ターミナル フィッティング

フェラル

スプリットナット

PTV インジェクターの定期保守に含まれる操作は以下のとおりです。

• PTV セプタムの交換

セプタムは、少なくとも注入 200 回ごとに、またはセプタムの損傷や摩損などの問題が発生するたびに交換してください。

106 ページの「PTV セプタムの交換」を参照してください。

• PTV ライナーの洗浄または交換

ライナーに汚染物質、残留物、破損がないか、またライナーが正しく取り付けられているかどうか確認します。

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

PTV インジェクターの保守

実施した注入回数および注入したサンプルの性質によっては、ライナーを交換する必要があります。ライナーの交換が必要なことを示す一般的な兆候のなかで最も多いのは、クロマトグラム内に、とりわけ極性化合物でピークのテーリングが表れることです。

ヒント ライナーを交換するたびにセプタムも交換することをお勧めします。

107 ページの「PTV ガラスライナーの洗浄または交換」を参照してください。

ガラスライナーの交換または取り外しの際に、インジェクター内部でガラスが破損するおそれがあります。その場合は、破損したライナーの残骸をインジェクターから取り除く必要があります。たとえば、気化チャンバーの下のほうにガラスの破片が落ちている可能性があります。

110 ページの「PTV の破損したライナーの交換」を参照してください。

• キャリアガスラインおよびスプリットラインの活性炭フィルターの交換

その時に注入された溶媒の容量によっては、活性炭フィルターの交換が必要です。

112 ページの「PTV キャリアラインおよびスプリットラインのフィルターの交換」を参照してください。

インジェクターの保守操作を行う前に、次の警告をお読みください。

警告 インジェクターのフィッティングが熱くなっているおそれがあります。火傷を防ぐため、すべての操作は低温時に実施する必要があります。そのため一連の操作を始める前に、インジェクターを室温まで冷却する必要があります。

注意 有機溶剤を取り扱う際は、健康被害を防ぐため必ず対策を講じてください。

PTV インジェクターの保守に必要な用品

セプタム ピンセット

ガラスライナー

ライナーシール (O-リング)

超音波洗浄器

メタノール/アセトン 1:1 混合液

キャリアガスライン、スプリットガスラインの両方

またはいずれかの活性炭フィルター

5.5 x 25 mm マイナススタッビドライバー

シルバーシール

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TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル Thermo Scientific

2 日常の保守操作の実施

PTV インジェクターの保守

注 このセクションに記載されていないコンポーネントの保守または交換については、第 4 章「Advanced Troubleshooting」を参照してください。

• 「Baking-out Contaminants from SSL, SSLBKF, PTV, and PTVBKF Injectors」(172 ページ)

• 「Removing/Replacing an Injector Module」(173 ページ)

• 「Cleaning the PTV Injector Head Assembly」(187 ページ)

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

PTV インジェクターの保守

PTV セプタムの交換

セプタムを交換するには:

図 82. PTV インジェクター:セプタムの交換

セプタムキャップ

セプタム

インジェクターヘッドアセンブリ

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. オーブンおよびインジェクターを室温まで冷却します。

3. キャリアガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

4. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

5. モジュールのフラップカバーを開きます。

6. セプタムを交換します。

a. インジェクターのセプタムキャップを緩めて外します。

b. ピンセットを使ってセプタムをインジェクターヘッドアセンブリから取り外します。

c. セプタムに指を触れないように、ピンセットを使って新しいセプタムをインジェクターヘッドアセンブリに挿入します。セプタムキャップを指で回して締めます。

注意 セプタムキャップを締めすぎないでください。セプタムが損傷して性能に影響するおそれがあります。

7. モジュールのフラップカバーを閉じます。

8. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

9. キャリアガスをオンに設定します。

10. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

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107 TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル Thermo Scientific

2 日常の保守操作の実施

PTV インジェクターの保守

PTV ガラスライナーの洗浄または交換

ガラスライナーを洗浄または交換するには:

図 83. PTV インジェクター:ガラスライナーの交換

セプタムキャップ

セプタム

ライナーキャップ

ライナーシール (O-リング)

ライナー

インジェクターヘッドアセンブリ

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. オーブンおよびインジェクターを室温まで冷却します。

3. キャリアガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

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108

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

PTV インジェクターの保守

4. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

5. モジュールのフラップカバーを開きます。

6. インジェクターの上部の部品を取り外します。

a. インジェクターのセプタムキャップを緩めて外します。

b. ピンセットを使ってセプタムをインジェクターヘッドアセンブリから取り外します。

7. ライナーを取り外します。

a. 用意したマイナススタッビドライバーを使って、ライナーキャップを緩めて取り外します。

b. ピンセットを使って、ライナーをライナーシール (O-リング) ごとインジェクターから取り外します。

注意 取り外す際、ガラスライナーが破損しないように注意してください。気化チャンバーの下のほうにガラスの破片が落ちてしまうおそれがあります。ガラスライナーが破損した場合は、110 ページの「PTV の破損したライナーの交換」を参照してください。

8. ライナーを交換または洗浄します。

• 新しいライナーを使用する場合は、ステップ 10 に進みます。

• 汚れたライナーを洗浄する場合は、ステップ 9 に進みます。

9. ライナーを洗浄します。

a. メタノール/アセトン混合液 (1:1) を満たした超音波洗浄器にライナーを入れます。

b. 約 30 分間、ライナーを超音波処理します。

c. ピンセットを使ってライナーを洗浄器から取り出し、清潔な圧縮空気で乾かします。

10. ライナーを取り付けます。

a. ピンセットで新しい (または洗浄済みの) ライナーを保持しながら、新しいライナーシールをライナーに被せます。

b. ライナーをインジェクターに挿入し、インジェクターの底のほうに静かに押し込みます。

c. ライナーキャップを取り付けて、マイナススタッビドライバーで締めます。

11. インジェクターの上部の部品を取り付けます。

a. セプタムをインジェクターヘッドアセンブリに取り付けます。

注意 セプタムを新しいものと交換することをお勧めします。

b. セプタムキャップを指で回して締めます。

注意 セプタムキャップを締めすぎないでください。セプタムが損傷して性能に影響するおそれがあります。

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109 TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル Thermo Scientific

2 日常の保守操作の実施

PTV インジェクターの保守

12. モジュールのフラップカバーを閉じます。

13. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

14. キャリアガスをオンに設定します。

15. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

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110

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

PTV インジェクターの保守

PTV の破損したライナーの交換

破損したライナーを交換するには:

図 84. PTV インジェクター:破損したライナーの交換

セプタムキャップ

セプタム ライナーキャップ

ライナーシール

ライナー

ボトムフィッティング

シルバーシール

ターミナルフィッティング

フェラル

スプリットナット

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. オーブンおよびインジェクターを室温まで冷却します。

3. キャリアガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

4. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

5. モジュールのフラップカバーを開きます。

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル 111

2 日常の保守操作の実施

PTV インジェクターの保守

6. インジェクターの上部の部品を取り外します。

a. インジェクターのセプタムキャップを緩めて外します。

b. ピンセットを使ってセプタムをインジェクターヘッドアセンブリから取り外します。

7. 破損したライナーを取り外します。

a. 用意したマイナススタッビドライバーを使って、ライナーキャップを緩めて取り外します。

b. ピンセットを使って、破損したライナーの上部をライナーシールごとインジェクターから取り外します。

8. インジェクターの下部の部品を取り外します。

a. オーブンの内部で、スプリットナットを緩めて外し、分析カラムとフェラルをインジェクターの底部にあるターミナルフィッティングから取り外します。

b. ターミナルフィッティングを緩め、シルバーシールと一緒に外します。破損したライナーのガラスの破片がインジェクターから落ちてきます。

c. パイプクリーナーを使って、気化チャンバーからガラスくずを丁寧に取り除きます。

9. インジェクターの下部の部品を取り付けます。

a. ターミナルフィッティングをシルバーシールと一緒に取り付けます。

b. 分析カラムを取り付けます。

10. 新しいライナーを取り付けます。

a. ピンセットで新しいライナーを保持しながら、新しいライナーシールをライナーに被せます。

b. ライナーをインジェクターに挿入し、インジェクターの底のほうに静かに押し込みます。

c. ライナーキャップを取り付けて、マイナススタッビドライバーで締めます。

11. インジェクターの上部の部品を取り付けます。

a. セプタムをインジェクターヘッドアセンブリに取り付けます。

注意 セプタムを新しいものと交換することをお勧めします。

b. インジェクターキャップを指で回して締めます。

注意 セプタムキャップを締めすぎないでください。セプタムが損傷して性能に影響するおそれがあります。

12. モジュールのフラップカバーを閉じます。

13. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

14. キャリアガスをオンに設定します。

15. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

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112

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

PTV インジェクターの保守

PTV キャリアラインおよびスプリットラインのフィルターの交換

キャリアガスラインおよびスプリットラインの活性炭フィルターを交換するには:

重要 フィルターの寸法は同じではありません。スプリットガスラインのフィルターのほうが、キャリアガスラインのフィルターよりも大きくなっています。交換する際に逆にしないように注意してください。二つのフィルターを同時に交換する必要はありません。

図 85. PTV インジェクター:活性炭フィルターの交換

キャリアガスライン フィルター

スプリットガスライン フィルター

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. オーブンおよびインジェクターを室温まで冷却します。

3. キャリアガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

4. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

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113 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

PTV インジェクターの保守

5. モジュールのフラップカバーを開きます。

6. フィルターを交換します。

a. フィルターを反時計方向に回して、台座から取り外します。

b. 新しいフィルターを時計方向に回して O-リングと一緒に台座に取り付けます。

7. モジュールのフラップカバーを閉じます。

8. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

9. キャリアガスをオンに設定します。

10. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

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114

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

PTVBKF インジェクターの保守

PTVBKF インジェクターの保守

このセクションでは、バックフラッシュ (PTVBKF) アプリケーション用のプログラマブル温度気化インジェクターを保守する手順について説明します。

モジュールとインジェクターのコンポーネントを図 86 と図 87 に示します。

図 86. PTVBKF モジュールのコンポーネント

モジュールのフラップカバー

スプリットライン排気口

パージライン排気口

キャリアラインフィルター

セプタムキャップ

インジェクターヘッドアセンブリ

インジェクター本体

冷却ファン

スプリットライン フィルター

モジュールカバー

絶縁カバー

ボトムフィッティング

バックフラッシュライン

バックフラッシュライン フィッティング

フィッティングキャップ、 バックフラッシュライン

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115 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

PTVBKF インジェクターの保守

図 87. PTVBKF インジェクターのコンポーネント

セプタムキャップ

セプタム ライナーキャップ ライナーシール

ライナー

シルバーシール

キャピラリーカラム用ターミナル フィッティング

フェラル

スプリットナット

バックフラッシュライン

バックフラッシュラインフィッティング

フェラル

フィッティングキャップ、 バックフラッシュライン

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116

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

PTVBKF インジェクターの保守

PTVBKF インジェクターの定期保守に含まれる操作は以下のとおりです。

• PTVBKF セプタムの交換

セプタムは、少なくとも注入 200 回ごとに、またはセプタムの損傷や摩損などの問題が発生するたびに交換してください。

118 ページの「PTVBKF セプタムの交換」を参照してください。

• PTVBKF ライナーの洗浄または交換

ライナーに汚染物質、残留物、破損がないか、またライナーが正しく取り付けられているかどうか確認します。実施した注入回数および注入したサンプルの性質によっては、ライナーを交換する必要があります。ライナーの交換が必要なことを示す一般的な兆候のなかで最も多いのは、クロマトグラム内に、とりわけ極性化合物でピークのテーリングが表れることです。

119 ページの「PTVBKF ガラスライナーの洗浄または交換」を参照してください。

ヒント ライナーを交換するたびにセプタムも交換することをお勧めします。

ガラスライナーの交換または取り外しの際に、インジェクター内部でガラスが破損するおそれがあります。その場合は、破損したライナーの残骸をインジェクターから取り除く必要があります。たとえば、気化チャンバーの下のほうにガラスの破片が落ちている可能性があります。

122 ページの「PTVBKF の破損したライナーの交換」を参照してください。

• キャリアガスラインおよびスプリットラインの PTVBKF 活性炭フィルターの交換

その時に注入された溶媒の容量によっては、活性炭フィルターの交換が必要です。

124 ページの「PTVBKF キャリアラインおよびスプリットラインのフィルターの交換」を参照してください。

インジェクターの保守操作を行う前に、次の警告をお読みください。

警告 インジェクターのフィッティングが熱くなっているおそれがあります。火傷を防ぐため、すべての操作は低温時に実施する必要があります。そのため一連の操作を始める前に、インジェクターを室温まで冷却する必要があります。

注意 有機溶剤を取り扱う際は、健康被害を防ぐため必ず対策を講じてください。

PTVBKF インジェクターの保守に必要な用品

セプタム

ピンセット

ガラスライナー

ライナーシール (O-リング)

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117 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

PTVBKF インジェクターの保守

PTVBKF インジェクターの保守に必要な用品

超音波洗浄器

メタノール/アセトン 1:1 混合液

キャリアガスライン、スプリットガスラインの両方

またはいずれかの活性炭フィルター

5.5 x 25 mm マイナススタッビドライバー

シルバーシール

注 このセクションに記載されていないコンポーネントの保守または交換については、第 4 章「Advanced Troubleshooting」を参照してください。

• 「Baking-out Contaminants from SSL, SSLBKF, PTV, and PTVBKF Injectors」(172 ページ)

• 「Removing/Replacing an Injector Module」(173 ページ)

• 「Cleaning the PTVBKF Injector Head Assembly」(194 ページ)

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118

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

PTVBKF インジェクターの保守

PTVBKF セプタムの交換

セプタムを交換するには:

図 88. PTVBKF インジェクター:セプタムの交換

セプタムキャップ

セプタム

インジェクターヘッドアセンブリ

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. オーブンおよびインジェクターを室温まで冷却します。

3. キャリアガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

4. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

5. モジュールのフラップカバーを開きます。

6. セプタムを交換します。

a. インジェクターのセプタムキャップを緩めて外します。

b. ピンセットを使ってセプタムをインジェクターヘッドアセンブリから取り外します。

c. セプタムに指を触れないように、ピンセットを使って新しいセプタムをインジェクターヘッドアセンブリに挿入します。セプタムキャップを指で回して締めます。

注意 セプタムキャップを締めすぎないでください。セプタムが損傷して性能に影響するおそれがあります。

7. モジュールのフラップカバーを閉じます。

8. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

9. キャリアガスをオンに設定します。

10. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

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119 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

PTVBKF インジェクターの保守

PTVBKF ガラスライナーの洗浄または交換

ガラスライナーを洗浄または交換するには:

図 89. PTVBKF インジェクター:ガラスライナーの交換

セプタムキャップ

セプタム

ライナーキャップ

ライナーシール (O-リング)

ライナー

インジェクターヘッドアセンブリ

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. オーブンおよびインジェクターを室温まで冷却します。

3. キャリアガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

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120

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

PTVBKF インジェクターの保守

4. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

5. モジュールのフラップカバーを開きます。

6. インジェクターの上部の部品を取り外します。

a. インジェクターのセプタムキャップを緩めて外します。

b. ピンセットを使ってセプタムをインジェクターヘッドアセンブリから取り外します。

7. ライナーを取り外します。

a. 用意したマイナススタッビドライバーを使って、ライナーキャップを緩めて取り外します。

b. ピンセットを使って、ライナーをライナーシール (O-リング) ごとインジェクターから取り外します。

注意 取り外す際、ガラスライナーが破損しないように注意してください。気化チャンバーの下のほうにガラスの破片が落ちてしまうおそれがあります。ガラスライナーが破損した場合は、122 ページの「PTVBKF の破損したライナーの交換」を参照してください。

8. ライナーを交換または洗浄します。

• 新しいライナーを使用する場合は、ステップ 9 に進みます。

• 汚れたライナーを洗浄する場合は、ステップ 10 に進みます。

9. ライナーを洗浄します。

a. メタノール/アセトン混合液 (1:1) を満たした超音波洗浄器にライナーを入れます。

b. 約 30 分間、ライナーを超音波処理します。

c. ピンセットを使ってライナーを洗浄器から取り出し、清潔な圧縮空気で乾かします。

10. ライナーを取り付けます。

a. ピンセットで新しい (または洗浄済みの) ライナーを保持しながら、新しいライナーシールをライナーに被せます。

b. ライナーをインジェクターに挿入し、インジェクターの底のほうに静かに押し込みます。

c. ライナーキャップを取り付けて、マイナススタッビドライバーで締めます。

11. インジェクターの上部の部品を取り付けます。

a. セプタムをインジェクターヘッドアセンブリに取り付けます。

注意 セプタムを新しいものと交換することをお勧めします。

b. セプタムキャップを指で回して締めます。

注意 セプタムキャップを締めすぎないでください。セプタムが損傷して性能に影響するおそれがあります。

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル 121

2 日常の保守操作の実施

PTVBKF インジェクターの保守

12. モジュールのフラップカバーを閉じます。

13. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

14. キャリアガスをオンに設定します。

15. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

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122

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

PTVBKF インジェクターの保守

PTVBKF の破損したライナーの交換

破損したライナーを交換するには:

図 90. PTVBKF インジェクター:破損したライナーの交換

セプタムキャップ

セプタム

ライナーキャップ

ライナーシール

ライナー

ボトム フィッティング

シルバーシール

ターミナルフィッティング フェラル

スプリットナット

バックフラッシュライン

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. オーブンおよびインジェクターを室温まで冷却します。

3. キャリアガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

4. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

5. モジュールのフラップカバーを開きます。

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123 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

PTVBKF インジェクターの保守

6. インジェクターの上部の部品を取り外します。

a. インジェクターのセプタムキャップを緩めて外します。

b. ピンセットを使ってセプタムをインジェクターヘッドアセンブリから取り外します。

7. 破損したライナーを取り外します。

a. 用意したマイナススタッビドライバーを使って、ライナーキャップを緩めて取り外します。

b. ピンセットを使って、破損したライナーの上部をライナーシールごとインジェクターから取り外します。

8. インジェクターの下部の部品を取り外します。

a. オーブンの内部で、スプリットナットを緩めて外し、分析カラムとフェラルをインジェクターの底部にあるターミナルフィッティングから取り外します。

b. ターミナルフィッティングを緩め、シルバーシールと一緒に外します。破損したライナーのガラスの破片がインジェクターから落ちてきます。

c. パイプクリーナーを使って、気化チャンバーからガラスくずを丁寧に取り除きます。

9. インジェクターの下部の部品を取り付けます。

a. ターミナルフィッティングをシルバーシールと一緒に取り付けます (必要に応じて新しいものに交換します)。

b. 分析カラムを取り付けます。

10. 新しいライナーを取り付けます。

a. ピンセットで新しいライナーを保持しながら、新しいライナーシールをライナーに被せます。

b. ライナーをインジェクターに挿入し、インジェクターの底のほうに静かに押し込みます。

c. ライナーキャップを取り付けて、マイナススタッビドライバーで締めます。

11. インジェクターの上部の部品を取り付けます。

a. セプタムをインジェクターヘッドアセンブリに取り付けます。

注意 セプタムを新しいものと交換することをお勧めします。

b. インジェクターキャップを指で回して締めます。

注意 セプタムキャップを締めすぎないでください。セプタムが損傷して性能に影響するおそれがあります。

12. モジュールのフラップカバーを閉じます。

13. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

14. キャリアガスをオンに設定します。

15. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

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124

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

PTVBKF インジェクターの保守

PTVBKF キャリアラインおよびスプリットラインのフィルターの交換

キャリアガスラインおよびスプリットラインの活性炭フィルターを交換するには:

重要 フィルターの寸法は同じではありません。スプリットガスラインのフィルターのほうが、キャリアガスラインのフィルターよりも大きくなっています。交換する際に逆にしないように注意してください。二つのフィルターを同時に交換する必要はありません。

図 91. PTVBKF インジェクター:活性炭フィルターの交換

キャリアガスライン フィルター

スプリットガスライン フィルター

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. オーブンおよびインジェクターを室温まで冷却します。

3. キャリアガスをオフに設定し、キャリア圧力がゼロになるまで待ちます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

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125 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

PTVBKF インジェクターの保守

4. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

5. モジュールのフラップカバーを開きます。

6. フィルターを交換します。

a. フィルターを反時計方向に回して、台座から取り外します。

b. 新しいフィルターを時計方向に回して O-リングと一緒に台座に取り付けます。

7. モジュールのフラップカバーを閉じます。

8. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

9. ガス供給を開きます。

10. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

11. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

12. キャリアガスをオンに設定します。

13. インジェクター、検出器、および GC の通常の動作条件を設定します。

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126

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

FID の保守

FID の保守

このセクションでは、FID (水素炎イオン化検出器) を保守する手順について説明します。

モジュールと検出器のコンポーネントを図 92 と図 93 に示します。

図 92. FID モジュールのコンポーネント

排気口

分極電極

モジュールの フラップカバー

信号ケーブル

グロープラグ ケーブル グロープラグ 検出器セル アセンブリ

検出器本体

分極ケーブル

絶縁カバー

ボトム フィッティング

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127 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

FID の保守

図 93. FID セルアセンブリのコンポーネント

検出器キャップ

セル上部カバー

絶縁リング

集電極

コレクター絶縁体

グロープラグケーブル

信号ケーブル

検出器本体 (図 94 を参照)

分極電極

分極ケーブル

図 94. FID ジェットおよび分極電極

ジェット

分極電極

FID の最適性能を維持するには、検出器を清潔に保ち、埃や付着物が付かないようにする必要があります。感度の低下やノイズの増加などは、検出器の洗浄が必要なことを示す兆候です。

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128

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

FID の保守

FID 検出器の定期保守に含まれる操作は以下のとおりです。

• 集電極の洗浄

集電極の洗浄は、年に 1 回、または検出器を汚す化合物が原因で高ノイズのベースラインが検出されたときに実施することをお勧めします。必要な場合は、集電極を交換します。

129 ページの「FID 集電極の洗浄または交換」を参照してください。

• 点火グロープラグの交換

この操作は、通常の保守には含まれません。点火エレメントの交換が必要なのは、それが故障した場合だけです。

133 ページの「FID 点火グロープラグの交換」を参照してください。

検出器の保守操作を始める前に、以下の注意事項をよくお読みください。

警告 火傷を防ぐため、すべての操作は低温時に実施する必要があります。

そのため保守操作を始める前に、検出器を室温まで冷却する必要があります。

注意 有機溶剤を取り扱う際は、健康被害を防ぐため必ず対策を講じてください。

FID 検出器の保守に必要な用品

超音波洗浄器

液体洗剤

GC グレードメタノール

蒸留水

点火グロープラグ

集電極 (必要な場合)

8 mm 湾曲ボックスレンチ

T6 トルクスドライバー

鉗子またはピンセット

注 このセクションに記載されていないコンポーネントの保守または交換については、第 4 章「Advanced Troubleshooting」を参照してください。

• 「Measuring the FID Gas Flows」(201 ページ)

• 「Cleaning or Replacing the FID Jet」(207 ページ)

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129 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

FID の保守

FID 集電極の洗浄または交換

集電極を洗浄または交換するには:

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. フレームをオフに設定します。燃料ガス (水素と空気) が自動的に閉じられます。

3. 検出器を室温まで冷却します。

4. メイクアップガスをオフに設定します。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

5. GC の電源を切ります。

a. 機器の背面にある電源スイッチ (ブレーカー) を [O] のマークの [OFF] 位置に切り替えます。

b. 電源ケーブルを GC の背面にある AC 入力コネクターと壁面コンセントから引き抜きます。

6. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

7. モジュールのフラップカバーを開きます。

8. 信号ケーブル、グロープラグケーブル、分極ケーブルをセル上のコネクターから取り外します。

図 95. FID のケーブル

信号ケーブルのストレートプラグ クリンプコネクター

ソケットセットネジ

グロープラグ

分極ケーブルのストレートジャック コネクター

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130

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

FID の保守

図 96. FID のケーブルの取り外し

集電極バルクヘッドジャック

グロープラグダウエルピン

分極電極バルクヘッドジャック

a. T6 トルクスドライバーを使ってグロープラグケーブルのソケットセットネジを緩めます。グロープラグケーブルの端子本体をグロープラグエレメントのダウエルピンから注意深く引き抜きます。

b. 信号ケーブルのストレートプラグクリンプコネクターを緩めて外し、集電極バルクヘッドジャックから引き抜きます。

c. 分極ケーブルのクイックカップリング式ストレートジャックコネクターを分極電極バルクヘッドジャックから引き抜きます。

d. これらのケーブルを注意深く移動して、検出器を取り扱うための場所を確保します。

9. 検出器の上部の部品を取り外します。

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル 131

2 日常の保守操作の実施

FID の保守

図 97. FID 集電極

検出器キャップ

セル上部カバー

絶縁リング

集電極

a. セル上部カバーを回さないように注意しながら、検出器キャップを緩めて取り外します。

b. セル上部カバーを取り外して安全な場所に置きます。FID 集電極のピンに損傷を与えないように注意してください。

10. 集電極を取り外し、洗浄して、また取り付けます。

a. 鉗子またはピンセットを使い、集電極と絶縁リングを検出器セルの上部から注意深く引き抜きます。

b. 絶縁リングを集電極から静かにずらして外します。

警告 絶縁リングは汚れが付かない場所に注意深く保管する必要があります。

c. 液体洗剤を満たした超音波洗浄器に集電極を入れ、約 5 分間洗浄します。

d. 集電極を鉗子またはピンセットで持って蒸留水ですすぎ、その後メタノールですすぎます。

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132

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

FID の保守

e. 集電極をペーパータオルの上に置き、空気乾燥させます。

注 洗浄後、集電極の状態が物理的に再利用に耐えない場合は、電極を新しいものに交換します。

f. 洗浄済みの (または新しい) 集電極と絶縁リングをハウジングに入れます。

11. 検出器の上部の部品を取り付けます。

a. セル上部カバーを取り付け、検出器キャップをセル上部カバーを回さないように注意しながら締めます。

b. 信号ケーブル、グロープラグケーブル、分極ケーブルを接続します。

12. モジュールのフラップカバーを閉じます。

13. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

14. GC の電源を入れます。

a. 電源ケーブルを GC の背面にある AC 入力コネクターに差し込み、壁面コンセントと接続します。

b. 電源スイッチ (ブレーカー) を [I] のマークの [ON] 位置に切り替えます。

15. メイクアップガスをオンに設定します。

16. 検出器の通常の動作条件を設定します。

17. フレームを点火します。

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133 TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル Thermo Scientific

2 日常の保守操作の実施

FID の保守

FID 点火グロープラグの交換

点火グロープラグを交換するには:

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. フレームをオフに設定します。燃料ガス (水素と空気) 自動的に閉じられます。

3. 検出器を室温まで冷却します。

4. メイクアップガスをオフに設定します。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

5. GC の電源を切ります。

a. 機器の背面にある電源スイッチ (ブレーカー) を [O] のマークの [OFF] 位置に切り替えます。

b. 電源ケーブルを GC の背面にある AC 入力コネクターと壁面コンセントから引き抜きます。

6. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

7. モジュールのフラップカバーを開きます。

8. 信号ケーブル、グロープラグケーブル、分極ケーブルをセル上部カバーのコネクターから取り外します。

図 98. FID のケーブル

信号ケーブルのストレートプラグ クリンプコネクター

ソケットセットネジ

グロープラグケーブルの端子本体

分極ケーブルのストレート ジャックコネクター

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

FID の保守

図 99. FID のケーブルの取り外し

集電極 (陽極) バルクヘッドジャック

グロープラグダウエルピン

分極電極バルクヘッドジャック

a. T6 トルクスドライバーを使ってグロープラグケーブルのソケットセットネジを緩めます。グロープラグケーブルの端子本体をグロープラグエレメントのダウエルピンから注意深く引き抜きます。

b. 信号ケーブルのストレートプラグクリンプコネクターを緩めて外し、集電極 (陽極) バルクヘッドジャックから引き抜きます。

c. 分極ケーブルのクイックカップリング式ストレートジャックコネクターを分極電極バルクヘッドジャックから引き抜きます。

d. これらのケーブルを注意深く移動して、検出器を取り扱うための場所を確保します。

9. 故障したグロープラグを交換します。

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135 TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル Thermo Scientific

2 日常の保守操作の実施

FID の保守

図 100. FID グロープラグの交換

グロープラグ

a. 8 mm レンチを使用して、故障したグロープラグをワッシャーごと緩めて取り外します。

b. グロープラグを新しいワッシャーの付いた新しいものに交換します。

c. グロープラグケーブル、信号ケーブル、分極ケーブルを接続します。

10. モジュールのフラップカバーを閉じます。

11. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

12. GC の電源を入れます。

a. 電源ケーブルを GC の背面にある AC 入力コネクターに差し込み、壁面コンセントと接続します。

b. 電源スイッチ (ブレーカー) を [I] のマークの [ON] 位置に切り替えます。

13. メイクアップガスをオンに設定します。

14. 検出器の通常の動作条件を設定します。

15. フレームを点火します。

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136

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

NPD の保守

NPD の保守

このセクションでは、NPD (窒素リン検出器) を保守する手順について説明します。 モジュールと検出器のコンポーネントを図 101 と図 102 に示します。

図 101. NPD モジュールのコンポーネント

信号ケーブル

熱イオン源アセンブリ ケーブル

熱イオン源アセンブリ

モジュールのフラップ カバー

ソース電源モジュール

熱イオン源アセンブリ

排気口

集電極ケーブル

ボトムフィッティング

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137 TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル Thermo Scientific

2 日常の保守操作の実施

NPD の保守

図 102. NPD セルアセンブリのコンポーネント

熱イオン源 アセンブリ

集電極

絶縁体

検出器本体

(図 103 を参照)

集電極ケーブル

信号ケーブル

熱イオン源

アセンブリ ケーブル

図 103. NPD 検出器:ジェットおよび集電極 (陽極) ピン

ジェット

集電極ピン

集電極のストレートジャックコネクター

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138

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

NPD の保守

NPD の最適性能を保証するには、検出器を清潔に保ち、埃や付着物が付かないようにする必要があります。感度の低下やノイズの増加などは、場合によっては検出器の洗浄または熱イオン源の交換が必要なことを示す兆候です。

注 熱イオン源は、GC の背面にある外部モジュールハウジング内に設置された別個の電源モジュールから供給されます。

NPD 検出器の定期保守に含まれる操作は以下のとおりです。

• 熱イオン源の交換

新しい熱イオン源で以前の熱イオン源で得られたのと同じ信号を生成するには、ソース加熱電流の値をわずかに変えることが必要な場合があります。

140 ページの「NPD 熱イオン源の交換」を参照してください。

• 集電極の洗浄

集電極の洗浄は、半年に 1 回、または検出器を汚す化合物が原因で高ノイズのベースラインが検出されたときに実施することをお勧めします。必要な場合は、集電極を交換します。

146 ページの「NPD 集電極の洗浄または交換」を参照してください。

検出器の保守操作を始める前に、以下の注意事項をよくお読みください。

警告 火傷を防ぐため、すべての操作は低温時に実施する必要があります。 そのため保守操作を始める前に、検出器を室温まで冷却する必要があります。

注意 有機溶剤を取り扱う際は、健康被害を防ぐため必ず対策を講じてください。

NPD 検出器の保守に必要な用品

熱イオン源

手袋

超音波洗浄器

液体洗剤

GC グレードメタノール

蒸留水

集電極 (必要な場合)

鉗子またピンセット

T6 トルクスキー

T10 トルクスドライバー

6 mm レンチ

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139 TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル Thermo Scientific

2 日常の保守操作の実施

NPD の保守

注 このセクションに記載されていないコンポーネントの保守または交換については、第 4 章「Advanced Troubleshooting」を参照してください。

• 「Measuring the NPD Gas Flows」(213 ページ)

• 「Cleaning or Replacing the NPD Jet」(222 ページ)

• 「Removing/Replacing the Top Cover」(230 ページ)

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140

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

NPD の保守

NPD 熱イオン源の交換

熱イオン源を交換するには、以下の手順に従います。

注意 熱イオン源は精密部品です。壊したり、ぶつけたりしないように注意してください。NPD の保守を実施する際は、イオン源に指を触れないようにし、イオン源がほかの物の表面と接触しないようにします。部品が埃や皮脂で汚れないように、糸くずの出ない清潔な手袋を着用してください。

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. 熱イオン源のスイッチをオフにします。水素と空気が自動的に閉じられます。

3. 検出器を室温まで冷却します。

4. メイクアップガスをオフに設定します。

5. GC の電源を切ります。

a. 機器の背面にある電源スイッチ (ブレーカー) を [O] のマークの [OFF] 位置に切り替えます。

b. 電源ケーブルを GC の背面にある AC 入力コネクターと壁面コンセントから引き抜きます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

6. 熱イオン源用電源モジュールの電源を切ります。

a. 電源ケーブルを熱イオン源用電源モジュールの AC 入力コネクターと壁面コンセントから引き抜きます。

7. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

8. 信号ケーブルを検出器モジュールから取り外します。

9. モジュールのフラップカバーを開きます。

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル 141

2 日常の保守操作の実施

NPD の保守

10. 熱イオン源アセンブリケーブルを取り外します。

a. リングを回して、熱イオン源アセンブリケーブルの接続を解除します。

b. ボタンが溝に沿って上にスライドするようにロックを押し回してから、ケーブルの端を引いて外します。

図 104. NPD 熱イオン源ケーブルの取り外し

熱イオン源アセンブリケーブル

熱イオン源アセンブリ

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142

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

NPD の保守

11. 集電極ケーブルのストレートジャックコネクターを緩め、集電極バルクヘッドジャックから引き抜きます。

集電極ケーブル

集電極のストレートジャック コネクター

12. 熱イオン源を取り外します。

a. T6 トルクスキーを使用して、熱イオン源コネクターを熱イオン源サポートに固定しているダウエル穴を緩めます。

熱イオン源コネクター

熱イオン源サポート

ダウエル穴

b. T10 トルクスドライバーを使って、三つの T10 トルクスネジを熱イオン源アセンブリから取り外します。

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143 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

NPD の保守

T10 トルクスネジ

c. フレキシブルケーブルの経路を補助している熱イオン源コネクターを熱イオン源サポートから静かに持ち上げ、熱イオン源アセンブリを NPD 本体から取り外します。コレクターの側面にあるビーズにぶつけないようにしてください。

図 105. NPD 熱イオン源の取り外し

熱イオン源コネクター

熱イオン源フレキシブル ケーブル

熱イオン源アセンブリ

熱イオン源サポート

NPD 本体

13. 熱イオン源を交換します。

a. 新しい熱イオン源を覆っている保護キャップを取り外します。

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144

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

NPD の保守

b. 新しい熱イオン源アセンブリを NPD 本体に取り付け、取り外したときと逆の順序で経路を調整していきます。本体および集電極の側面にあるビーズにぶつけないように注意してください。

c. 下の図に示すように熱イオン源コネクターを回して調整した後、T6 トルクスキーでダウエルを締めてサポートへのコネクターを固定します。

正しい位置合わせ

ダウエル穴

14. 集電極ケーブルのストレートジャックコネクターを集電極バルクヘッドジャックにつないで締めます。

集電極ケーブル

集電極のストレートジャックコネクター

15. 熱イオン源アセンブリケーブルを NPD ケーブルにつなぎ、リングを回して接続をロックします。

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145 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

NPD の保守

16. モジュールのフラップカバーを閉じます。

17. 信号ケーブルを検出器モジュール上のコネクターに接続します。

18. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

19. GC の電源を入れます。

a. 電源ケーブルを GC の背面にある AC 入力コネクターに差し込み、壁面コンセントと接続します。

b. 電源スイッチ (ブレーカー) を [I] のマークの [ON] 位置に切り替えます。

20. 熱イオン源用電源モジュールの電源を入れます。

a. 電源ケーブルを熱イオン源用電源モジュールの AC 入力コネクターに差し込み、壁面コンセントと接続します。

21. メイクアップガスをオンに設定します。

22. 熱イオン源のスイッチをオンにします。水素と空気が自動的に開きます。

23. すべてのガスがオンになったら、検出器を 150°C まで加熱して約 15 分保持し、その後、温度を 250°C まで上げて 15 分保持します。

24. 温度を運転時の値 (300 ~ 320°C を推奨) まで上げます。平衡化のために 15 分保持します。

25. NPD リーク電流をチェックします。2.0 pA を超えていれば、取り付け状態を確認してください。

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146

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

NPD の保守

NPD 集電極の洗浄または交換

NPD 集電極を洗浄または交換するには、以下の手順に従います。

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. 熱イオン源のスイッチをオフにします。水素と空気が自動的に閉じられます。

3. 検出器を室温まで冷却します。

4. メイクアップガスをオフに設定します。

5. GC の電源を切ります。

a. 機器の背面にある電源スイッチ (ブレーカー) を [O] のマークの [OFF] 位置に切り替えます。

b. 電源ケーブルを GC の背面にある AC 入力コネクターと壁面コンセントから引き抜きます。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

6. 熱イオン源用電源モジュールの電源を切ります。

a. 電源ケーブルを熱イオン源用電源モジュールの AC 入力コネクターと壁面コンセントから引き抜きます。

7. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

8. 信号ケーブルを検出器モジュールから取り外します。

9. モジュールのフラップカバーを開きます。

10. 熱イオン源アセンブリケーブルを取り外します。

a. リングを回して、熱イオン源アセンブリケーブルの接続を解除します。

b. ボタンが溝に沿って上にスライドするようにロックを押し回してから、ケーブルの端を引いて外します。

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147 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

NPD の保守

図 106. NPD 熱イオン源ケーブルの取り外し

熱イオン源アセンブリケーブル

熱イオン源アセンブリ

11. 集電極ケーブルのストレートジャックコネクターを緩め、集電極バルクヘッドジャックから引き抜きます。

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148

Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

NPD の保守

集電極ケーブル

集電極のストレートジャック コネクター

12. 熱イオン源を取り外します。

注意 熱イオン源は精密部品です。壊したり、ぶつけたりしないように注意してください。NPD の保守を実施する際は、イオン源に指を触れないようにし、イオン源がほかの物の表面と接触しないようにします。 部品が埃や皮脂で汚れないように、糸くずの出ない清潔な手袋を着用してください。

a. T6 トルクスキーを使用して、熱イオン源コネクターを熱イオン源サポートに固定しているダウエル穴を緩めます。

熱イオン源コネクター

熱イオン源サポート

ダウエル穴

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149 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

NPD の保守

b. T10 トルクスドライバーを使って、三つの T10 トルクスネジを熱イオン源アセンブリから取り外します。

T10 トルクスネジ

c. フレキシブルケーブルの経路を補助している熱イオン源コネクターを熱イオン源サポートから静かに持ち上げ、熱イオン源アセンブリを NPD 本体から取り外します。コレクターの側面にあるビーズにぶつけないようにしてください。

図 107. NPD 熱イオン源の取り外し

熱イオン源コネクター

熱イオン源フレキシブル ケーブル

熱イオン源アセンブリ

熱イオン源サポート

NPD 本体

集電極ピン

13. 集電極を取り外して洗浄します。

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

NPD の保守

a. 6 mm レンチを使って集電極ピンを緩め、検出器本体の台座から取り外します。

b. 鉗子またはピンセットを使い、集電極を検出器本体の上部から引き抜きます。

図 108. NPD 集電極の取り外し

集電極

c. 液体洗剤を満たした超音波洗浄器に集電極を入れ、約 5 分間洗浄します。

d. 集電極を鉗子またはピンセットで持って蒸留水ですすぎ、その後メタノールですすぎます。

e. 集電極をペーパータオルの上に置き、空気乾燥させます。

注 洗浄後、集電極の状態が物理的に再利用に耐えない場合は、電極を新しいものに交換します。

14. 集電極を取り付けます。

a. 洗浄済みの (または新しい) 集電極をハウジングに入れます。

b. 6 mm レンチを使って集電極ピンを締め、検出器本体の台座に固定します。

c. 集電極ケーブルのストレートプラグクリンプコネクターを集電極バルクヘッドジャックにつないで締めます。

15. 熱イオン源を取り付けます。

a. 新しい熱イオン源を覆っている保護キャップを取り外します。

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル 151

2 日常の保守操作の実施

NPD の保守

b. 新しい熱イオン源アセンブリを NPD 本体に取り付け、取り外したときと逆の順序で経路を調整していきます。本体および集電極の側面にあるビーズにぶつけないように注意してください。

c. 下の図に示すように熱イオン源コネクターを回して調整した後、T6 トルクスキーでダウエルを締めてサポートへのコネクターを固定します。

正しい位置合わせ

ダウエル穴

16. 集電極ケーブルのストレートジャックコネクターを集電極バルクヘッドジャックにつないで締めます。

集電極ケーブル

集電極のストレートジャックコネクター

17. 熱イオン源アセンブリケーブルを NPD ケーブルにつなぎ、リングを回して接続をロックします。

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

NPD の保守

18. モジュールのフラップカバーを閉じます。

19. 信号ケーブルを検出器モジュール上のコネクターに接続します。

20. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

21. GC の電源を入れます。

a. 電源ケーブルを GC の背面にある AC 入力コネクターに差し込み、壁面コンセントと接続します。

b. 電源スイッチ (ブレーカー) を [I] のマークの [ON] 位置に切り替えます。

22. 熱イオン源用電源モジュールの電源を入れます。

a. 電源ケーブルを熱イオン源用電源モジュールの AC 入力コネクターに差し込み、壁面コンセントと接続します。

23. メイクアップガスをオンに設定します。

24. 検出器を動作温度まで加熱します。

25. 熱イオン源のスイッチをオンにします。水素と空気が自動的に開きます。

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153 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

TCD の保守

TCD の保守

このセクションでは、TCD (熱伝導度検出器) を保守する手順について説明します。

モジュールと検出器のコンポーネントを図 109 に示します。

図 109. TCD モジュールのコンポーネント

モジュールのフラップ カバー

通気口

ヒートシンク

セル上部絶縁カバー

セル下部絶縁カバー

ボトムフィッティング

一般に、TCD 検出器は保守を必要としません。いくつかの簡単な注意事項に従うだけで、トラブルを防止し、検出器の寿命を延ばすことができます。フィラメントが汚れたり損傷したりしないように特別な注意を払ってください。

フィラメントの交換が必要なときは、検出器を工場に返却してください。

注意 フィラメントは、キャリアガスが検出器内を流れるようになるまでオンにしないでください。

ユニットの電源がオフになっていても、検出器が熱い間は、キャリアガスを止めたり切断したりしないでください。

以下の簡単な規則に従ってください。

• 必要ないときはフィラメントのスイッチをオンにしない。オンにしておくと、フィラメントの寿命がかなり短くなります。

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2 日常の保守操作の実施

TCD の保守

• ハロゲン化化合物や酸化合物を高濃度で含むサンプルの注入は避ける。

• フィラメントセルに酸素 (空気) が入らないようにする。フィラメントは、酸化すると修復不能な損傷を受けます。ガスラインに水分や酸素を捕捉するトラップを取り付けて、汚染のリスクを減らしてください。

• カラムを検出器から取り外す前に、フィラメントをオフにする。カラム取り外しの際に空気がセル内に流入しますが、フィラメントがオンになっていると損傷します。

• フィラメントはカラムが接続されている場合にのみ、オンにする。フィラメントの電源を入れる前に 5 ~ 10 分、セル内にガスを流すことをお勧めします。

詳しくは、「焼き出し手順」および「TCD の停止」を参照してください。

焼き出し手順

通常の状況下では、TCD に定期的な保守操作は不要です。ただし、化学物質が検出器内で濃縮または重合するおそれがあり、検出器がそれに曝されて性能が低下する可能性がある場合、フィラメントを高温 (最大 300°C) で焼き出してクリーニングする方法が考えられます。この手順の間、不活性キャリアガスのフローを維持してください。フィラメントの温度を焼き出しに適切な設定ポイント温度まで上昇させることも必要です。汚染を除去するのに 24 時間の焼き出しでは不十分な場合は、ユニットを工場に返却して分解、クリーニングしてもらう必要があります。

TCD の停止

分析サイクルの終了時に検出器を停止するには:

1. フィラメントをオフにします。

2. キャリアガスフローを通常運転時のフローの 50% にまで落とします。

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155 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

ECD の保守

ECD の保守

このセクションでは、ECD (電子捕獲検出器) を保守する手順について説明します。

モジュールと検出器のコンポーネントを図 110 と図 111 に示します。

図 110. ECD モジュールのコンポーネント

モジュールの フラップカバー

信号ケーブル

エキサイテーションケーブル

集電極 (陽極) 平行ネジプラグ 図 111 を参照

チムニー

検出器セル

絶縁カバー

図 111. 集電極 (陽極) 平行ネジプラグ

集電極 (陽極) 平行ネジプラグ

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

ECD の保守

ECD 検出器の定期保守に含まれる操作は以下のとおりです。

• 集電極 (陽極) の洗浄

集電極の洗浄は、年に 1 回、または検出器の汚れが原因で高ノイズのベースラインが検出されたときに実施することをお勧めします。必要に応じて集電極を交換してください。

「集電極 (陽極) の洗浄または交換」を参照してください。

検出器の保守操作を始める前に、以下の注意事項をよくお読みください。

警告 ECD (電子捕獲検出器) には、63Ni β 線放出放射性源が含まれています。最大動作温度は 400°C です。安全装置が過熱を防止します。ソースの過熱は活性の消失につながる可能性があります。通常の動作条件で、固体または気体の放射性物質が拡散することはありません。これにより、直接放射線および二次放射線の危険はすべて除去されます。

ユーザー自らこの検出器を開けたり取り扱ったりすることは絶対にやめてください。検出器の一部だけを分解する場合を含め、いかなる保守点検操作の実施もサーモフィッシャーサイエンティフィックの施設または特殊な放射性物質取扱免許を交付されたラボにしか許可されていません。

重要 米国原子力規制委員会 (US NRC) の管轄下のお客様は、 ECD のような一般免許と特殊免許の両方の対象となる装置に関する契約内容のリスト、および規制当局の最新の連絡先情報を http://nrc-stp.ornl.gov/rulemaking.html で確認することができます。これらの情報は US NRC が管理しています。

警告 火傷を防ぐため、すべての操作は低温時に実施する必要があります。 そのため一連の操作を始める前に、検出器を室温まで冷却する必要があります。

ECD 検出器の保守に必要な用品

超音波洗浄器

GC グレードヘキサン

GC グレードトルエン

目の細かい紙やすり

小型のマイナスドライバー

T20 トルクスドライバー

鉗子またはピンセット

必要な場合、集電極 (陽極)

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157 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

ECD の保守

検出器の化学汚染

適切に使用している限り、ECD には化学汚染に対する十分な耐性があります。ただし、限界点近くの動作条件は、長期的には集電極 (陽極) の汚染の原因となる可能性があります。この種の汚染は、ベースライン周波数の異常な上昇、および基準電流またはパルス振幅の変化に伴うベースラインのドリフトによって識別できます。集電極の取り外しと洗浄は、放射性線源に触れることなく簡単に行えます。

クロマトグラムの以下のような傾向が検出器の汚染を示している場合もあります。

• シグナルノイズ (SN) 比の低下

• 高ノイズのベースライン (高周波)

• パルス電圧の変化に伴うベースラインのドリフト

• ピーク後の負のへこみ

セル全体の化学汚染が疑われる場合は、以下の手順に従ってください。

1. 検出器内のキャリアガスおよびメイクアップガスフローを維持しながら、ECD を最大動作温度まで加熱します (熱洗浄)。

2. ベースライン周波数の監視により、除染処理を実施します。最初、周波数値は非常に高い値まで上昇する傾向を示しますが、その後、許容範囲の値まで低下します。

セルの汚染が修復不能と考えられる場合は、最寄りのサーモフィッシャーサイエンティフィック技術サービス拠点までご連絡ください。

ワイプテスト

ECD を工場から出荷する前に、その表面が放射能汚染されていないかどうか 1 台 1 台漏えい試験を実施します。これをワイプテストといいます。検出器ごとに、テストの結果および実施された手順が明記されたワイプテスト合格証明書が添付されます。

重要 米国内の ECD 検出器ユーザーは、使用している ECD のワイプテストを 6 カ月を超えない間隔ごとに、規定された手順に従って実施するよう求められています。ほかの国のユーザーの場合は、これに相当する要件について関係当局にお問い合わせください。

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Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

ECD の保守

集電極 (陽極) の洗浄または交換

集電極を洗浄または交換するには:

1. GC をスタンバイ状態にします。

2. 検出器を室温まで冷却します。

3. メイクアップガスをオフに設定します。

注 [Maintenance] ボタンを押すと、GC の冷却が自動的に実行されます。

4. GC の電源を切ります。

a. 機器の背面にある電源スイッチ (ブレーカー) を [O] のマークの [OFF] 位置に切り替えます。

b. 電源ケーブルを GC の背面にある AC 入力コネクターと壁面コンセントから引き抜きます。

5. オートサンプラーがある場合は、モジュールから離します。

6. モジュールのフラップカバーを開きます。

7. 信号ケーブルおよびエキサイテーションケーブルをセル上部カバーのコネクターから取り外します。

図 112. ECD のケーブルの取り外し

エキサイテーションケーブル

信号ケーブル

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159 Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル

2 日常の保守操作の実施

ECD の保守

a. 信号ケーブルのストレートプラグクリンプコネクターを緩めて外し、集電極 (陽極) バルクヘッドジャックから引き抜きます。

b. エキサイテーションケーブルのクイックカップリング式ストレートジャックコネクターを分極電極バルクヘッドジャックから引き抜きます。

c. これらのケーブルを注意深く移動して、検出器を取り扱うための場所を確保します。

8. 集電極 (陽極) を取り外して洗浄します。

a. T20 トルクスドライバーを使って、集電極 (陽極) を保護している平行ネジプラグ (とシール) を緩めて外します。

b. 小型のマイナスドライバーで集電極 (陽極) を緩めて取り外し、液体洗剤を満たした超音波洗浄器に入れて約 5 分間洗浄します。

図 113. 集電極 (陽極) の取り外し

集電極 平行ネジプラグ

シール

集電極

c. 集電極 (陽極) を鉗子またはピンセットで持って蒸留水ですすぎ、その後メタノールですすぎます。

d. 集電極 (陽極) をペーパータオルの上に置き、空気乾燥させます。

注 洗浄後、集電極 (陽極) の状態が物理的に再利用に耐えない場合は、電極を新しいものに交換します。

9. 集電極 (陽極) を取り付けます。

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2 日常の保守操作の実施

ECD の保守

a. 洗浄済みの (または新しい) 集電極 (陽極) をハウジングに取り付けて締めます。

b. 保護用の平行ネジプラグとシールを締めます。

10. 信号ケーブルおよびエキサイテーションケーブルを接続します。

11. モジュールのフラップカバーを閉じます。

12. オートサンプラーがある場合は、モジュールに近づけて元の調整位置を復元します。

13. GC の電源を入れます。

a. 電源ケーブルを GC の背面にある AC 入力コネクターに差し込み、壁面コンセントと接続します。

b. 電源スイッチ (ブレーカー) を [I] のマークの [ON] 位置に切り替えます。

14. メイクアップガスをオンに設定します。 15. 検出器の通常の動作条件を設定します。

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