64 ビジネスコミュニケーション 2009 Vol.46 No.11

ニューヨーク証券取引所を運営している N Y S E

Euronextは、証券取引におけるコンプライアンス（法

令順守）を目的として、大量かつ成長を続ける取引デー

タに基づく市場監視、分析のために、Netezza社の

Netezzaデータウェアハウス・アプライアンス（以下、

Netezzaシステム）を2007年から活用してきた。そして

本年６月には、運用中のNetezzaシステムを拡張して、

重要かつ戦略的な用途においても活用していくことを発

表した。

NYSE Euronextは、７ヶ国における６ヶ所の株式市

場と8ヶ所のデリバティブ（金融派生商品）市場を統合

した世界最大の規模を誇る証券取引所グループである。

取り扱っているサービスは、キャッシュ・エクイティ、

先物取引、オプション、上場投資信託商品、公社債、市

場データ、商用技術ソリューションなど多岐にわたり、

さらに増え続ける金融商品およびサービスを欧州や米国

で提供している。NYSE Euronextでは、市場間での取

引量が増えるに連れて、全日の注文や取引の監視など、

厳しい監視要件への準拠が困難になり、コストも増大し

ていた。しかし、Netezzaシステムを採用し、活用する

ことで、１日当たり約数10億件にものぼる取引システ

ム・イベントを法令順守のために監視し、迅速かつ適切

な処理を行うことが可能となった。

2006年、NYSE Euronextは、次期システムの検討に

あたり、システムのパフォーマンスを重視した結果、

MPP（超並列プロセッサ）が必要であると判断した。

そして、関連各社の製品を検討した結果、優れたロード

スピードとともに、データ量の増加に見合ったパフォー

マンスと拡張性に優れたNetezzaシステムを採用した。

またNetezza社が、実機による現場での事前検証（オン

サイドPOC）を実施して、搬入からセットアップ、ロ

ードなど、全ての工程を目の前で確認することができた

ことも大きな要因となった。事前検証では、2ヶ月分の

取引明細データをもとに、ロード、クエリ、同時接続、

管理運用テスト等が行われ、そのベンチマークと結果を

検証した。

Netezzaシステムへのデータ移行（本番環境の導入）は、

わずか約３ヶ月で完了した。NYSE Euronextは、Netezza

システムの導入効果として、データの可用性とユーザー

の効果をあげている。データの可用性では、データロー

ドは数時間から数分へ、アクセスのピーク時にも遅延は

無く、ほぼリアルタイムで処理されていること。ユーザ

ーの効果では、26時間かかっていたリサーチ分析の詳細

クエリが2.14分に、７分かかっていた単純なクエリが5秒

に短縮、全てのクエリを２分以内に処理可能になるなど、

処理能力が劇的に向上した。現在NYSE Euronextは、

Netezza社の最新データウェアハウス・アプライアンス製

品「TwinFin」の検証も行っている。

日本ネティーザ㈱　マーケティング本部TEL：03-5456-4557

日本ネティーザ

ニューヨーク証券取引所を運営するNYSE EuronextがNetezzaを採用してデータの可用性とクエリを劇的に向上

NYSE Euronextのシステム概要図