セカンドライフに向けた男女の意識と生活・お金...-1- 2015年9月17日...

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12015年9月17日 4060 1万人のセカンドライフ意識> セカンドライフに向けた男女の意識と生活・お金 -「セカンドライフの生活設計に関する調査」より- 株式会社明治安田生活福祉研究所(社長 前田 茂博)は、全国の 40 歳~69 歳の男女 10,351 を対象に、「セカンドライフの生活設計」をテーマとする調査を実施しました。 本リリースでは、セカンドライフに向けた男女の意識の違いやセカンドライフと生活・お金に関 する実態についてご紹介します。 4060 代が考える 理想のシニア有名人 男性のトップは 加山雄三さん 女性のトップは 吉永小百合さん 6 ページ) 60 代の満足度は? 生活全般 67家計の状況 46配偶者との関係 77地域との関係 448 ページ) 4060 代の将来の不安 医療や介護費用 84老後生活の経済面 78自分の介護 80配偶者の介護 7910 ページ) 4060 仕事引退後にしたいこと 健康の維持・増進 64趣味を持つ 53夫婦の対話 男性 32女性 2312 ページ) 60 生まれ変わるとしたら また同じ人と結婚したい 男性 62女性 4313 ページ) 介護が必要になった場合 ・配偶者は頼りにできる 男性 84女性 68・子どもは頼りにできる 男性 54女性 5314 ページ) 60 代男女 趣味を持っている 82生きがいを感じている 7715 ページ) 老後の子どもとの同居・ 二世帯住宅の希望は 50 3960 3817 ページ) 配偶者は元気で、自分が介 護の必要な状態になったら 自宅に住みたい 4060 代男性 544060 代女性 3818 ページ) ご照会先 ㈱明治安田生活福祉研究所 生活設計研究部 横田・渡辺 話:0332839297 FAX0332017837 Eメール:[email protected]

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-1-

2015年9月17日

<40~60代 1万人のセカンドライフ意識>

セカンドライフに向けた男女の意識と生活・お金 -「セカンドライフの生活設計に関する調査」より-

株式会社明治安田生活福祉研究所(社長 前田 茂博)は、全国の 40 歳~69 歳の男女 10,351 人

を対象に、「セカンドライフの生活設計」をテーマとする調査を実施しました。

本リリースでは、セカンドライフに向けた男女の意識の違いやセカンドライフと生活・お金に関

する実態についてご紹介します。

< 主 な 内 容 >

40~60代が考える 理想のシニア有名人

男性のトップは

加山雄三さん

女性のトップは

吉永小百合さん (6ページ)

60代の満足度は?

生活全般 67%

家計の状況 46%

配偶者との関係 77%

地域との関係 44%

(8ページ)

40~60代の将来の不安

医療や介護費用 84%

老後生活の経済面 78%

自分の介護 80%

配偶者の介護 79%

(10ページ)

40~60代 仕事引退後にしたいこと

健康の維持・増進 64%

趣味を持つ 53%

夫婦の対話 男性 32%

女性 23%

(12ページ)

60代 生まれ変わるとしたら また同じ人と結婚したい

男性 62%

女性 43%

(13ページ)

介護が必要になった場合

・配偶者は頼りにできる

男性 84% 女性 68%

・子どもは頼りにできる

男性 54% 女性 53%

(14ページ)

60代男女

趣味を持っている 82%

生きがいを感じている77%

(15ページ)

老後の子どもとの同居・

二世帯住宅の希望は

50代 39%

60代 38%

(17ページ)

配偶者は元気で、自分が介護の必要な状態になったら 自宅に住みたい 40~60代男性 54%

40~60代女性 38%

(18ページ)

ご照会先

㈱明治安田生活福祉研究所

生活設計研究部

横田・渡辺

電 話:03(3283)9297 FAX:03(3201)7837

Eメール:[email protected]

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セカンドライフに関する様々な項目について、40~60代男女の意識について見てみました。

60代男性 60代女性

理想のシニア有名人 加山雄三さん

生活全般に関する満足度 65.5%

老後生活が経済的に厳しくなる不安 66.6%

生まれ変わるとしたら同じ人と結婚したい 62.2%

生きがいを感じている 75.7%

老後の子どもとの同居・二世帯住宅希望 37.3%

理想のシニア有名人 加山雄三さん

生活全般に関する満足度 69.1%

老後生活が経済的に厳しくなる不安 67.4%

生まれ変わるとしたら同じ人と結婚したい 42.6%

生きがいを感じている 77.7%

老後の子どもとの同居・二世帯住宅希望 38.5%

50代男性 50代女性

理想のシニア有名人 加山雄三さん

生活全般に関する満足度 50.1%

老後生活が経済的に厳しくなる不安 80.1%

生まれ変わるとしたら同じ人と結婚したい 56.5%

生きがいを感じている 66.7%

老後の子どもとの同居・二世帯住宅希望 38.4%

理想のシニア有名人 吉永小百合さん

生活全般に関する満足度 61.8%

老後生活が経済的に厳しくなる不安 80.4%

生まれ変わるとしたら同じ人と結婚したい 43.5%

生きがいを感じている 66.5%

老後の子どもとの同居・二世帯住宅希望 39.2%

40代男性 40代女性

理想のシニア有名人 所ジョージさん

生活全般に関する満足度 45.4%

老後生活が経済的に厳しくなる不安 84.3%

生まれ変わるとしたら同じ人と結婚したい 59.7%

生きがいを感じている 65.9%

老後の子どもとの同居・二世帯住宅希望 40.8%

理想のシニア有名人 タモリさん

生活全般に関する満足度 52.3%

老後生活が経済的に厳しくなる不安 88.7%

生まれ変わるとしたら同じ人と結婚したい 49.3%

生きがいを感じている 62.0%

老後の子どもとの同居・二世帯住宅希望 32.7%

世帯貯蓄額 60代男性 60代女性

健康状態が良い

500万円未満 (男性 n=212、女性 n=174) 72.2% 73.6%

500万円以上 2,000万円未満(男性 n=296、女性 n=255) 76.7% 80.4%

2,000万円以上 (男性 n=537、女性 n=442) 80.8% 83.9%

生きがいを感じている

500万円未満 (男性 n=212、女性 n=174) 62.7% 69.0%

500万円以上 2,000万円未満(男性 n=296、女性 n=255) 81.4% 78.8%

2,000万円以上 (男性 n=537、女性 n=442) 82.1% 83.3%

生まれ変わるとしたら

また同じ人と結婚したい

500万円未満 (男性 n=212、女性 n=174) 44.3% 28.2%

500万円以上 2,000万円未満(男性 n=296、女性 n=255) 54.7% 38.0%

2,000万円以上 (男性 n=537、女性 n=442) 60.0% 40.5%

セカンドライフに向けた男女・年代ごとの意識差は? ピックアップ①

セカンドライフとお金(60 代男女に聞きました) ピックアップ②

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-3-

< 調査の概要 >

(1)調査対象: 全国の 40歳以上 69歳以下の男女

(2)調査方法: WEB アンケート調査(株式会社マクロミルの登録モニター対象)

(3)調査時期: 2015年 3月 24日

(4)回 収 数: 10,351人

(5)対象の属性 (上段:人、下段:回収数全体に対する%)

<従業上の地位>

40~44歳 45~49歳 50~54歳 55~59歳 60~64歳 65~69歳 計

男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性

有配偶

正規・役員 492

(4.8)

139

(1.3)

484

(4.7)

149

(1.4)

468

(4.5)

152

(1.5)

491

(4.7)

142

(1.4)

331

(3.2)

84

(0.8)

115

(1.1)

33

(0.3)

3,080

(29.8)

自営 53

(0.5)

37

(0.4)

57

(0.6)

42

(0.4)

70

(0.7)

51

(0.5)

100

(1.0)

71

(0.7)

142

(1.4)

90

(0.9)

118

(1.1)

71

(0.7)

902

(8.7)

非正規 18

(0.2)

237

(2.3)

18

(0.2)

249

(2.4)

23

(0.2)

228

(2.2)

43

(0.4)

214

(2.1)

149

(1.4)

173

(1.7)

108

(1.0)

61

(0.6)

1,521

(14.7)

その他 16

(0.2)

229

(2.2)

18

(0.2)

185

(1.8)

23

(0.2)

195

(1.9)

48

(0.5)

291

(2.8)

195

(1.9)

459

(4.4)

327

(3.2)

455

(4.4)

2,441

(23.6)

未婚・離死別

正規・役員 161

(1.6)

103

(1.0)

123

(1.2)

83

(0.8)

93

(0.9)

64

(0.6)

81

(0.8)

58

(0.6)

46

(0.4)

34

(0.3)

14

(0.1)

14

(0.1)

874

(8.4)

自営 24

(0.2)

11

(0.1)

21

(0.2)

11

(0.1)

21

(0.2)

11

(0.1)

23

(0.2)

14

(0.1)

23

(0.2)

20

(0.2)

13

(0.1)

20

(0.2)

212

(2.0)

非正規 31

(0.3)

66

(0.6)

23

(0.2)

53

(0.5)

20

(0.2)

47

(0.5)

23

(0.2)

55

(0.5)

29

(0.3)

71

(0.7)

15

(0.1)

42

(0.4)

475

(4.6)

その他 57

(0.6)

46

(0.4)

50

(0.5)

40

(0.4)

48

(0.5)

39

(0.4)

61

(0.6)

58

(0.6)

86

(0.8)

116

(1.1)

78

(0.8)

167

(1.6)

846

(8.2)

計 852

(8.2)

868

(8.4)

794

(7.7)

812

(7.8)

766

(7.4)

787

(7.6)

870

(8.4)

903

(8.7)

1,001

(9.7)

1,047

(10.1)

788

(7.6)

863

(8.3)

10,351

(100.0)

【注】%は小数第二位を四捨五入した表記のため、各セルの数値の合計と計欄とが一致しない場合があります。

(6)標本設計

本調査では、全体で約 10,000人を調査することとした上で、総務省「平成 22年国勢調査」から

性・年齢階級・配偶状況・従業上の地位別の構成率を算出して乗じ、標本数を割り当てました。

<従業上の地位について>

本調査における従業上の地位の分類は、国勢調査における次の分類に対応しています。

正規・役員:「(雇用者)正規の職員・従業員」+「役員」

自営 :「雇人のある業主」+「雇人のない業主」+「家族従事者」+「家庭内職者」

非正規 :「(雇用者)労働者派遣事業所の派遣職員」+「(雇用者)パート・アルバイト・その他」

その他 :「完全失業者」+「非労働力人口」(家事、通学、その他)

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< 目 次 >

【ピックアップ①】セカンドライフに向けた男女・年代ごとの意識差は? ···· 2ページ

【ピックアップ②】セカンドライフとお金(60代男女に聞きました) ······· 2ページ

1.セカンドライフに向けた男女の意識差

○理想のシニア世代の有名人 ······································· 6ページ

■ 理想だと思うシニア世代の有名人は?

■ 自分が生活で重視していることと理想だと思うシニア世代の有名人との関係は?

○生活に対する満足度 ·············································· 8ページ

■ 60代の生活に対する満足度は?

■ 趣味や社会参加活動と生活の満足度

○将来に対する不安 ··············································· 10ページ

■ 将来の生活に対する不安は?

○60代が過去を振り返って思うこと ································· 11ページ

■ 50歳前後にもっと大切にしたり取り組んでおけばよかったと思うこと

○仕事引退後の取り組みに関する意識と実態 ························· 12ページ

■ 仕事引退後に特に取り組みたいこと

■ 仕事引退後に特に取り組んでいること

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2.セカンドライフの家族・社会生活

○ 夫婦関係についての意識 ······································· 13ページ

■ 配偶者に対する気持ち

■ 子どもの有無と配偶者に対する気持ち

○ 家族・親との関係についての意識 ································ 14ページ

■ 家族・親との関係が良好だと思う割合

■ 介護が必要になった場合、頼りにしたいのは?

○ 社会参加や生きがいについての意識と実態 ························ 15ページ

■ 社会参加活動や趣味・生きがい

■ 積極的な社会参加活動や趣味を持つことと生きがい

○ 子どもに対する意識 ············································ 16ページ

■ 子どもへの経済的な援助・子どもからの援助に関する気持ち

○ 老後の住まいに関する意識 ······································ 17ページ

■ 老後の子どもとの同居について

■ 地方別・都道府県別の「子どもとの同居」の意向

■ 介護が必要になった場合の住まいについて

○ 仕事・定年後の就労収入 ········································ 19ページ

■ 60代が働く主な目的と定年後の就労収入

3.セカンドライフとお金

○ お金がセカンドライフに与える影響は? ························· 20ページ

■ 夫婦円満のためにはお金も大事!?

■ お金は、健康・生きがいに好影響!

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1.セカンドライフに向けた男女の意識差

理想だと思うシニア世代の有名人は?

男性が選ぶトップは 加山雄三さん 女性が選ぶトップは 吉永小百合さん

■ 理想だと思うシニア世代の有名人は?

◇40~60代回答者の総合ランキング トップは、加山雄三さん、吉永小百合さん

・40~60代男女が考える「理想のシニア世代の有名人」はどなたでしょう。男性回答では、加山雄三さん、

大橋巨泉さん、所ジョージさん、タモリさん、ビートたけしさんがトップ5でした。女性回答では、吉永

小百合さん、加山雄三さん、タモリさん、所ジョージさん、黒柳徹子さんがトップ5でした(図表1)。

◇40代で所ジョージさん、タモリさん、50・60代で加山雄三さん、吉永小百合さんが高い支持

・40代では、男女とも所ジョージさん、タモリさんがトップ2。50代男性では加山雄三さん、

女性では吉永小百合さんがトップ。60代では男女とも加山雄三さんがトップでした。

図表1 理想のシニア世代の有名人は(40~60代の男女)

<総合ランキング> (40~60 代の回答者)

◆理想のシニア有名人 (男性回答) n=1,220 ◆理想のシニア有名人 (女性回答) n=1,304

順位 有名人 得票数

順位 有名人 得票数

1 加山雄三 197 1 吉永小百合 111

2 大橋巨泉 95 2 加山雄三 100

3 所ジョージ 89 3 タモリ 90

4 タモリ 83 4 所ジョージ 63

5 ビートたけし 75 5 黒柳徹子 61

6 高田純次 67 6 大橋巨泉 49

7 高倉健 47 7 岩城滉一(夫妻) 44

(敬称略) (敬称略) <回答者年代別ランキング>

(人)

1位 所ジョージ 45 1位 タモリ 33

2位 タモリ 40 2位 所ジョージ 29

3位 高田純次 39 3位 吉永小百合 22

4位 大橋巨泉 35 4位 岩城滉一(夫妻) 21

5位 ビートたけし 34 〃 大橋巨泉 21

〃 黒柳徹子 21

1位 加山雄三 64 1位 吉永小百合 40

2位 タモリ 32 2位 加山雄三 29

〃 所ジョージ 32 〃 タモリ 29

4位 大橋巨泉 28 4位 所ジョージ 21

5位 ビートたけし 24 5位 黒柳徹子 19

1位 加山雄三 117 1位 加山雄三 63

2位 大橋巨泉 32 2位 吉永小百合 50

3位 高倉健 17 3位 タモリ 28

〃 ビートたけし 17 4位 黒柳徹子 21

5位 吉永小百合 12 5位 野際陽子 17

(注) nは「なし」を除いた人数 【敬称略、同順位は五十音順】

50歳代

(n=394)

50歳代

(n=449)

60歳代

(n=369)

60歳代

(n=466)

男 性

40歳代

(n=457)

女 性

40歳代

(n=389)

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-7-

■ 自分が生活で重視していることと理想だと思うシニア世代の有名人との関係は?

◇「社会貢献」重視派は、黒柳徹子さん、吉永小百合さんが理想。

「趣味、健康・家庭」重視派は、加山雄三さん、所ジョージさん、大橋巨泉さん、ビートたけしさんが理想

・生活においてどんなことを重視している方が、どの有名人を理想と考えているかの関係を見

たところ、「社会貢献」を重視している方は、黒柳徹子さん、吉永小百合さんを理想とするケ

ースが多いことがわかりました(図表2)。

・同様に、「趣味」、「健康・家庭」を重視している方では、加山雄三さん、所ジョージさん、大

橋巨泉さん、ビートたけしさんを理想とするケースが多く、また、仕事などでの「成功」を

重視している方では、岩城滉一さん(夫妻)、ビートたけしさん、高田純次さんを、老後資金

準備や収入の増加といった「資産形成」を重視している方では、タモリさん、高橋英樹さん

(夫妻)、吉永小百合さんを理想とするケースが多いという傾向が見られました。

図表2 理想だと思う有名人と生活上重視していることとの相関(敬称略)

※コレスポンデンス分析により、生活上重視しているものの回答と理想の有名人の相関を図示。

生活上で重視しているもの 理想と考えるシニア有名人で回答が多い傾向のもの

ボランティア・社会貢献 黒柳徹子、吉永小百合

趣味やレジャー 加山雄三、所ジョージ、大橋巨泉

自分や家族の健康・円満な家庭 所ジョージ、大橋巨泉、ビートたけし、加山雄三

仕事での成功・出世 岩城滉一(夫妻)、ビートたけし、高田純次

老後のための資金準備・収入の増加 タモリ、高橋英樹(夫妻)、吉永小百合

(敬称略)

◇ 生活における重視項目

○ 理想のシニア世代の有名人

社会貢献

資産形成

趣味 健康・家庭

成功

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60代 「生活全般」についての満足度は 67% 「家計」に対する満足度は 46%

趣味や積極的な社会参加活動が満足度に好影響

■ 60代の生活に対する満足度は?

◇「生活全般」についての満足度は 67.3%、「家計の状況」に対する満足度は 45.8%

・60 代は、自身の暮らしにどの程度満足しているのでしょう。「生活全般」について満足して

いる割合(「満足」+「やや満足」)は 67.3%で、うち女性の満足度が 69.1%と、男性(65.5%)

よりやや高い状況です(図表3)。

・要素別に見ると、「子どもとの関係」、「配偶者との関係」や「自由時間の過ごし方」について

は7~8割台の満足度ですが、「家計の状況」、「地域との関係」、「自分の仕事」は4割台と相

対的に低い状況です。したがって、「家計」や「地域との関係」の状況をより良くして満足度

が高まれば、「生活全般」の満足度の向上に寄与すると考えられます。

・特に、「生活全般」の満足度と要素別の満足度との相関が最も強い傾向がある(最も関連して

いる)のが「家計の状況」です(図表4)。明るいセカンドライフを過ごすためには、経済的

な準備も大切だと言えそうです。

図表3 生活に関連する各項目の満足度(「満足」+「やや満足」の合計) (60代・男女別)

図表4 満足度に関する各要素と生活全般の満足度との関連度(相関係数) (60代)

家計の状況 住まい 自由時間の

過ごし方

配偶者との

関係 自分の仕事

地域との

関係

子どもとの

関係

0.65 0.60 0.58 0.55 0.54 0.51 0.50

※生活全般の満足度と各要素別の満足度との相関係数。相関係数が大きいほど関連が強いことを示す。

◇配偶者や地域との関係についての満足度は、男女で微妙に格差あり!?

・「配偶者との関係」の満足度は、男性が 80.1%に対し、女性は 74.0%と6ポイント下回って

おり、女性は男性ほど配偶者との関係に満足していない様子がうかがえます。

・また、「地域との関係」の満足度は、男性よりも女性が9ポイント上回っています。40・50

代の時期からを含め、女性のほうが地域とのコミュニケーションに積極的なことも一因と考

えられます。

65.576.4 80.1

69.4 65.0

45.738.8 43.3

69.1

84.174.0 75.2

67.2

45.9 48.140.4

0

20

40

60

80

100

生活全般 子どもとの関係

配偶者との関係

自由時間の過ごし方

住まい 家計の状況 地域との関係

自分の仕事

男 性

(n=1,789)

女 性

(n=1,910)(%)

全体

80.5全体

77.1

全体

72.4全体

66.2 全体

45.8全体

43.6 全体

41.8

全体

67.3

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■ 趣味や社会参加活動と生活の満足度

◇趣味や友人関係、積極的な社会参加が生活全般の満足度を高める!

・60代で、「趣味」を持っている方は持っていない方よりも生活全般の満足度が 18ポイント上

回り、「日頃から頼りにしている友人」がいる場合は、いない場合より 13 ポイント上回って

います(図表5)。

・また、「趣味やスポーツのサークル」や「ボランティア活動」に参加している方は、参加して

いない方より、それぞれ 18ポイント、9ポイント満足度が高いという結果が見られました。

・このように、趣味や友人関係、そして積極的な社会参加が生活の満足度を高めることに密接

に関連しているようです。充実したセカンドライフを過ごすためには、打ち込めるものを持

つことのほかに友人・仲間、地域とのつながりが大切です。そのためにも現役引退前から、

趣味・スポーツのサークルや人・地域・社会とのより良い関係づくりを心掛けておくことが

大切と言えそうです。

図表5 趣味・友人・社会参加の状況と生活全般の満足度(「満足」+「まあ満足」の合計)(60代)

◇夫婦の公的年金の種別も 60代の生活の満足度に影響!?

・60 代の夫婦や単身者について、年金種別(第1号~第3号被保険者)によって生活全般の満足度

に違いが見られました。大半が、会社員・公務員の夫と専業主婦のケースである「第2号被保険者

と第3号被保険者の組み合わせの夫婦」では、満足度が約 75%で最も高く、自営業者世帯のケー

スなど、「夫婦とも第1号被保険者」の場合は、満足度が 63%程度にとどまっています(図表6)。

・さらに満足度が低い結果が見られたのが単身者です。特に男性の第1号被保険者の満足度は

35.4%とかなり低い状況です。厚生年金がある第2号被保険者の場合でも、単身者の満足度

は、夫婦とも第1号被保険者の場合の満足度を下回っています。

図表6 単身・夫婦の年金種別と生活全般の満足度(「満足」+「まあ満足」の合計)(60代・男女別)

70.5

52.7

74.261.2

79.9

61.3

75.265.7

0

20

40

60

80

100

趣味を持って

いる

(n=3,044)

趣味を持って

いない

(n=655)

日頃から頼りに

している友人が

いる

(n=1,747)

日頃から頼りに

している友人が

いない

(n=1,952)

趣味・スポーツ

のサークルに

参加している

(n=1,195)

趣味・スポーツ

のサークルに

参加していない

(n=2,504)

ボランティア

活動に参加

している

(n=640)

ボランティア

活動に参加

していない

(n=3,059)

(%)

35.4

53.763.2 67.2

74.1 71.5

56.362.3 61.9 63.9 69.7

76.0 62.7

73.5

0

50

100

1号

(男性n=127)

(女性n=308)

2号

(男性n=272)

(女性n=176)

1号+1号

(男性n=272)

(女性n=358)

2号+2号

(男性n=247)

(女性n=175)

2号+3号

(男性n=582)

3号+2号

(女性n=650)

2号+1号

(男性n=291)

(女性n=51)

1号+2号

(男性n=87)

(女性n=189)

男性 女性(%)

全体

57.8

全体

63.6

全体

68.2

全体

74.1

全体

76.0 全体

70.2全体

68.1

夫 婦

全体

54.4

単身者

専業主夫の

サンプル数が

少ないため

非表示

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-10-

40~60代の8割が、将来の「介護」「経済的な負担」について不安

40・50代 女性の約9割、男性の約8割が「老後資金準備」を重視

■ 将来の生活に対する不安は?

◇40~60代の8割が、「医療費用や介護費用」や「介護が必要になる」ことに不安を感じている

・40~60代の方は、セカンドライフについてどのような不安を感じているのでしょう。将来、

「医療費用や介護費用がかさむこと」に不安を感じている割合(「非常に不安」+「やや不安」)

は 84.3%(男性 81.2%、女性 87.3%)に上ります。また、「老後の生活が経済的に厳しくな

ること」への不安は 77.5%(男性 76.7%、女性 78.4%)の方が、そして、約8割の方が自

分や配偶者の介護が必要になることに不安(自分の介護に対する不安 80.2%、配偶者の介護

に対する不安 78.7%)を感じています(図表7)。

・40代・50代・60代のいずれの年代でも、男性より女性が将来の経済的な負担や介護に関し

不安を感じている割合が高い傾向が見られました。

図表7 不安を感じる割合(「非常に不安」+「やや不安」の合計)(40~60代・男女別)

◇40・50代女性の約9割は「老後のための資金準備」が重要と考えている

・このような女性の不安を反映して、40・50代女性では「老後のための資金準備」が重要だと考

える割合(「重要」+「やや重要」)は9割近くに上っており、40・50代男性と比べて9ポイン

ト程度上回っています。また、「収入の増加」も 40・50代女性の約8割が重要と考えており、

これも男性を5ポイント程度上回っています。さらに、「家族や親の介護」を重要と考える割

合も 40・50代女性では約 64%で、40・50代男性を8ポイント程度上回っています(図表8)。

図表8 重要だと考える割合(「重要」+「やや重要」の合計) (40~60代・男女別) (%)

自分や家族

の健康 円満な家庭

老後のため

の資金準備

子どもの進学・

就職・結婚 収入の増加

家族や親

の介護

男 性

40代(n=1,646) 90.9 83.7 77.2 88.6 78.1 54.4

50代(n=1,636) 91.6 84.4 81.7 82.9 70.4 57.5

60代(n=1,789) 94.5 86.9 72.9 72.4 58.8 48.9

合 計(n=5,071) 92.4 85.0 77.1 80.2 68.8 53.5

女 性

40代(n=1,680) 95.2 89.0 87.7 89.7 83.4 63.6

50代(n=1,690) 97.3 90.2 88.8 85.0 75.6 63.8

60代(n=1,910) 97.2 87.9 79.9 68.4 64.0 49.2

合 計(n=5,280) 96.6 89.0 85.2 79.3 73.9 58.4

(%)

90.8

83.5

81.8

84.3

88.7

89.1

85.0

84.7

78.0

80.4

82.6

83.8

84.0

59.2

67.4

0 50 100

40代

(n=1,680)

50代

(n=1,690)

60代

(n=1,910)

女性

全体

87.3

全体

83.5

全体

84.1

全体

76.2

全体

78.4

男女

合計

84.3%

80.2%

78.7%

74.1%

77.5%

82.3

75.5

72.8

78.5

84.3

81.7

76.0

72.0

74.9

80.1

79.8

76.9

75.6

58.8

66.6

050100

医療費用や介護費用

がかさむこと

自分の介護が

必要になること

配偶者の介護が

必要になること

親・義親の介護が

必要になること

老後の生活が経済的

に厳しくなること

40代

(n=1,646)

50代

(n=1,636)

60代

(n=1,789)

全体

72.0

全体

73.6

全体

76.2

(%)

全体

76.7

男性

全体

81.2

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-11-

「老後資金準備」にもっと取り組んでおけばよかったと思う 60代

■ 50歳前後にもっと大切にしたり取り組んでおけばよかったと思うこと

◇50歳前後に「老後資金準備」にもっと取り組んでおけばよかったと思う 60代

・60 代が 50 歳前後を振り返った時、もっと大切にしたり力を入れて取り組んでおけばよかっ

たと思うこと(複数回答)は、男女とも「老後のための資金準備」が最も高く、4割弱(38.7%)

の方が挙げています。また、「自分や家族の健康」、「収入の増加」、「円満な家庭」、「趣味やレ

ジャー」も2割以上の方が挙げています(図表9)。

・男性は女性よりも「円満な家庭」、「趣味やレジャー」を挙げた割合が5~6ポイントほど高

く、こうした点をやや後悔している男性も多い様子がうかがえます。

図表9 50歳前後にもっと大切にしたり取り組んでおけばよかったと思う割合(60代・男女別。複数回答)

◇世帯貯蓄額が低い 60代ほど、「50代までに老後のための資金準備をもっと大切にしておけば」と実感

・世帯貯蓄額の区分別に見てみると、貯蓄額が低い 60 代ほど、50 代までに「収入の増加」や

「老後のための資金準備」をもっと大切にしておけばよかったと考えている割合が高くなっ

ています(図表 10)。やはり、計画的な老後資金準備は大切だと言えそうです。

図表 10 50歳前後にもっと大切にしたり取り組んでおけばよかったと思う割合(60代・世帯貯蓄額別)

【収入の増加】 【老後のための資金準備】

38.6

29.9 30.8 28.625.4

18.613.1

7.0

38.8

29.526.6

21.9 20.3 20.1

10.8 8.8

0

20

40

老後のための資金準備

自分や家族の健康

収入の増加 円満な家庭 趣味やレジャー

子どもの進学・就職・結婚

仕事での成功・出世

家族や親の介護

男 性

(n=1,798)

女 性

(n=1,910)(%) 全体

29.7全体

28.7全体

25.1全体

22.7 全体

19.4 全体

11.9全体

7.9

全体

38.7

40.9

36.0

28.0

22.1

19.1

17.8

0 20 40 60

500万円未満 (n=386)

500万円以上1,000万円未満 (n=247)

1,000万円以上2,000万円未満(n=304)

2,000万円以上3,000万円未満(n=263)

3,000万円以上5,000万円未満(n=350)

5,000万円以上 (n=348)

49.2

49.8

42.1

38.8

32.0

23.6

0 20 40 60(%) (%)

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-12-

仕事引退後に取り組みたいことは「健康増進」や「趣味」が上位

男性は「夫婦の対話」、女性は「友人や仲間との交流」志向

■ 仕事引退後に特に取り組みたいこと

◇仕事引退後には、「健康の維持・増進」「趣味を持つこと」に取り組みたい

男性は「夫婦の対話」、女性は「友人や仲間との交流」志向?

・40~60代で仕事引退前の方に訊いた「仕事引退後に特に取り組みたいこと」(複数回答)の上位は、

「健康の維持・増進(63.6%)」、「趣味を持つこと(52.9%)」、「趣味・スポーツなどのレベルアッ

プ(35.4%)」、「友人や仲間との交流(35.1%)」、「夫婦の対話(27.8%)」の順でした(図表 11)。

・また、男性が女性より「夫婦の対話」(男性 31.6%、女性 22.6%)を重視する一方、女性は

「友人や仲間との交流」(男性 29.0%、女性 43.5%)を重視しているという傾向が見られま

した。さらに、「夫婦の対話」では、男性が年齢とともにその割合が上昇する一方、女性は年

齢とともに低下傾向にあるなど、男性にはやや残念な結果となっています。

図表 11 仕事を引退した後に特に取り組みたいと考えていること(40~60代・男女別。複数回答)

■ 仕事引退後に特に取り組んでいること

◇引退後に特に取り組んでいること…「健康の維持・増進」が 65% 「趣味を持つこと」が 51%

・「健康の維持・増進」、「趣味を持つこと」は、引退後に特に取り組んでいることでもトップ2です。

・男性は、「友人や仲間との交流(26.0%)」より「夫婦の対話(30.1%)」が高く、女性は「友

人や仲間との交流(34.4%)」のほうが「夫婦の対話(22.7%)」より 10ポイント以上高い状

況です。女性は引退前から友人や仲間との交流に積極的であること、男性は、引退後に交流す

る友人・仲間が少ないため、妻に向かざるを得ないケースもあるのかもしれません(図表 12)。

図表 12 仕事を引退した後に特に取り組んでいること(仕事引退後の 60代・男女別。複数回答)

(%)

62.5

59.5

32.1

43.3

24.7

14.9

13.2

13.3

69.2

58.9

32.2

42.1

23.3

14.7

13.1

12.2

72.8

54.2

33.8

45.9

18.1

18.5

15.7

7.3

0 50 100

40代

(n=1,174)

50代

(n=1,096)

60代

(n=701)

女性

全体67.4

全体11.5

全体13.8

全体15.7

全体22.6

全体43.5

全体32.5

全体58.0

55.4

49.7

39.3

27.0

30.2

17.4

14.9

11.3

60.5

46.7

37.4

27.1

30.8

16.2

15.7

8.2

69.0

51.7

34.9

34.3

34.7

16.3

18.9

5.7

050100

健康の維持・増進

趣味を持つこと

趣味・スポーツなど

のレベルアップ

友人や仲間との

交流

夫婦の対話

子どもとの対話

地域などの活動

資格・技能の習得

40代

(n=1,499)

50代

(n=1,448)

60代

(n=1,091)

全体37.4

全体29.0

全体31.6

全体16.7

全体16.2

全体8.7

全体49.2

15.2%

16.3%

27.8%

35.1%

35.4%

52.9%

63.6%

9.9%

男性

全体60.9

男女合計

64.3

50.4

26.0 30.1 27.9

11.7 15.93.4

65.4

50.6

34.422.7 20.9 17.7

10.72.8

0

20

40

60

80

健康の維持

・増進

趣味を持つ

こと

友人や仲間

との交流

夫婦の対話 趣味・スポ

ーツなどのレベルアップ

子どもとの

対話

地域などの

活動

資格・技能

の習得

男性

(n=681)

女性

(n=1,192)(%) 全体

50.5全体

31.3全体

25.4 全体

23.4 全体

15.5全体

12.6 全体

3.0

全体

65.0

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2.セカンドライフの家族・社会生活

60代 夫が想っているほど、妻は夫のことを想っていない!?

生まれ変わるとしたらまた同じ人と結婚したい 男性 62.2% 女性 42.6%

■ 配偶者に対する気持ち

◇夫が想っているほど、妻は夫のことを想っていない!?

・60 代男女の配偶者に対する気持ちはどうなのでしょうか。「ふだんの生活の中でできるだけ配

偶者と一緒にいたい」、「夫婦は同じ部屋で寝るのがいい」、「配偶者と同じお墓に入りたい」、「も

し生まれ変わるとしたらまた同じ人と結婚したい」の項目では、いずれも男性より女性の割合

が 10ポイント以上も下回っており、男性にとって残念な結果となっています(図表 13)。

・これには、男性が現役時代は仕事が忙しく、妻とのコミュニケーションが不十分となっていた

ことも背景にあるのでしょう。また、男性は現役時代に仕事や会社関係の付き合いが多く現役

引退後に交友関係が狭くなりやすいのに対し、妻は子育て時代以来のお付き合いや友人あるい

は地域に根付いた交際が広く社交性に富む生活ができていることも一因と考えられます。

・こうしたことが、60代を迎えた頃にパートナーに対する気持ちの夫婦間での格差につながっ

ているようです。男性は妻とのコミュニケーションと引退後の交友関係を十分に考えておく

ことが必要だと言えそうです。

図表 13 配偶者に対する気持ち(「そう思う」+「どちらかというとそう思う」の合計)(60代・男女別)

◇“子はかすがい”だけれども、夫婦としての気持ちはトーンダウン?

・子どもの有無別に配偶者に対する気持ちの状況を見てみると、子どもがいない夫婦のほうが、配

偶者に対する前向きな回答が多い傾向が見られました。子どもがいる世帯では、子どもを含めた

家族関係の中で、配偶者に対する気持ちはややトーンダウンするのかもしれません(図表 14)。

図表 14 配偶者に対する気持ち(60代・子どもの有無別)

75.662.9

78.262.2

51.8 45.8

66.5

42.6

0

20

40

60

80

100

ふだんの生活の中で

できるだけ配偶者

と一緒にいたい

夫婦は同じ部屋

で寝るのがいい

配偶者と同じ

お墓に入りたい

もし生まれ変わる

としたらまた同じ人

と結婚したい

60代男性

(n=1,485)

60代女性

(n=1,426)(%)

85.7

62.653.7 51.5

90.0 75.7

62.5 62.9

0

20

40

60

80

100

配偶者との関係が良好

普段の生活の中でできるだけ配偶者

と一緒にいたい

夫婦は同じ部屋で寝るのがいい

もし生まれ変わるとしたらまた同じ人

と結婚したい

子どもあり

(n=2,631)

子どもなし

(n=280)(%)

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介護が必要になった場合、配偶者が頼りになると思うのは …

男性回答 84% 女性回答 68%

■ 家族・親との関係が良好だと思う割合

◇「妻との関係が良好」だと思う夫 86% 「夫との関係が良好」だと思う妻 83%

・家族や親などとの関係性が良い(「良好」+「まあ良好」)割合は、配偶者とは 84.6%、子ど

もとは 90.5%、自分の親とは 82.7%、義理の親とは 73.5%となっています(図表 15)。

・夫の 86.0%は妻との関係は良好と考えていますが、妻が夫との関係は良好と回答した割合は

やや低く 83.3%です。また、子どもとの関係が良好な割合は、夫が 87.6%に対し、妻は 93.2%

と5ポイント程度高くなっています。

・また、自分の親との関係が良好な割合は、妻が夫より5ポイントほど高く、一方、義理の親

との関係が良好な割合は、夫が 78.2%に対し、妻は 67.9%にとどまっています。

図表 15 関係が良好だと思う割合(「良好」+「まあ良好」の合計)(40~60代・男女別)

■ 介護が必要になった場合、頼りにしたいのは?

◇自分の介護が必要になった場合、子どもより配偶者が頼り

・配偶者と子どもがいる 40~60 代では、「自分の介護が必要な状態になった場合、頼りにでき

ると思う」のは、「子ども」が 53.5%に対して、「配偶者」が 75.8%と、子どもよりも配偶者

を頼りしている傾向が見られました(図表 16)。

・もっとも、「夫が妻を頼りにできると思う割合」が 83.6%に対し、「妻が夫を頼りにできると

思う割合」は 68.0%と、15ポイント以上下回っています。

図表 16 将来介護が必要な状態になった時、頼りにできると思う割合(40~60代・男女別)(%)

配偶者は頼りにできる 子どもは頼りにできる

全 体 (n=6,632) 75.8 53.5

男 性 (n=3,300) 83.6 54.2

女 性 (n=3,332) 68.0 52.9

(%)

82.0

94.5

85.6

67.8

82.9

92.8

84.1

68.6

84.9

92.7

86.6

66.3

0 50 100

40代(n=1,267)

50代(n=1,344)

60代(n=1,426)

女性

全体

83.3

全体

85.3

全体

93.2

全体

67.9

男女合計

女性

全体

83.3

全体

85.3

全体

93.2

全体

67.9

男女合計

84.6%

90.5%

82.7%

73.5%

85.6

90.6

78.9

79.8

84.8

86.6

80.6

76.4

87.3

86.3

81.4

78.4

050100

配偶者との関係

子どもとの関係

親との関係

配偶者の親との関係

40代(n=1,156)

50代(n=1,266)

60代(n=1,485)

全体

78.2

全体

80.0

全体

87.6

(%)

男性

全体

86.0

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60代 趣味を持っている 82% 生きがいを感じている 77%

社会参加活動や趣味が生きがいに良い影響

■ 社会参加活動や趣味・生きがい

◇趣味を持っている 60代は 82.3%、生きがいを感じているのは 76.8%

・60 代の社会参加の状況や趣味・生きがいについて見てみました。60 代では、「町内会・自治

会活動」に約半数(50.7%)が、「趣味やスポーツのサークル」には3人に1人(32.3%)が、

「ボランティア活動」には2割弱(17.3%)の方が参加しています(図表 17)。

・また、82.3%の方は「趣味」を持っており、76.8%の方が「生きがい」を感じています。

・男性よりも女性のほうが社会参加活動に積極的であり、趣味を持つ割合や生きがいを感じて

いる割合もやや高い傾向が見られました。

図表 17 社会参加活動の状況、趣味・生きがいについて(60代・男女別)

◇60代では、積極的な社会参加活動や趣味を持つことが“生きがい”に好影響

・仕事引退後に特に取り組んでいることと“生きがい”を感じている割合の関係を見てみまし

た。仕事引退後に特に取り組んでいることが「特にない」方は、生きがいを感じている割合

が半数以下(45.0%)ですが、「趣味やスポーツなどのレベルアップ」、「ボランティア活動」、

「地域などの活動」、「趣味を持つこと」などの社会参加活動や交流、趣味を持っていると8

割から9割の方が生きがいを感じています(図表 18)。

図表 18 仕事引退後に取り組んでいることと生きがいを感じている割合(仕事を引退した60代男女、n=1,873)

50.7

32.317.3

82.3 76.8

46.4

24.415.4

81.0 75.7

54.7

39.7

19.1

83.5 77.7

0

20

40

60

80

100

町内会・自治会

活動に参加

趣味やスポーツ

のサークルに参加

ボランティア

活動に参加

趣味を持って

いる

生きがいを

感じている

60代全体

(n=3,699)

60代男性

(n=1,789)

60代女性

(n=1,910)(%)

90.4 88.7 87.9 87.5 86.3 85.7 85.2 83.7 82.6

45.0

0

20

40

60

80

100

趣味やスポ

ーツなどのレベルアップ

夫婦の対話 ボランティア

活動に参加

資格・技能

の習得

子どもとの

対話

友人や仲間

との交流

地域などの

活動

趣味を持つ

こと

健康の維持

・増進

特にない

(%)

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60代 「将来子どもに経済的に面倒をみてもらいたい」 14.6%

「将来介護が必要になったら子どもに介護してもらいたい」28.4%

■ 子どもへの経済的な援助・子どもからの援助に関する気持ち

◇子どもへの経済的な援助や子どもから援助を期待する気持ちは年齢とともに低下

・「子どもにはできるだけ経済的に援助してあげたい」、「子どもにはできるだけたくさん財産を残

してあげたい」という気持ち(「そう思う」+「どちらかといえばそう思う」)は、男女とも 40・

50代に比べて 60代は低下しています(図表 19)。

・一方で、「将来、子どもに経済的に面倒をみてもらいたい」との意識も 40・50代より 60代は低下

しており、60代では「経済的に面倒をみてもらいたい」が男女合計で 14.6%となっています。

年齢とともに実際の環境・状況をふまえ、現実的な考え方になっていくことが一因と考えられます。

・ただし、「将来、もし介護が必要になったら子どもに介護してもらいたい」との気持ちは、40・50

代からあまり低下していません。

・男女別では、40~60代いずれの年齢も、男性のほうが、女性よりも子どもに対する経済的援助や

できるだけ財産を残してあげたいとの意識が高く、また、老後の経済的な面倒や介護の世話で子

どもを頼りたいという思いも男性のほうが高い傾向が見られました。

図表 19 子どもへの援助、子どもからの援助に関する意識(40~60代・男女別)

◇三世代世帯では、「子どもに援助・財産を残したい」「子どもに面倒をみてもらいたい」との気持ちが強い

・三世代世帯では、子どもに「経済的に援助してあげたい」、「たくさん財産を残してあげたい」、

「家を残してあげたい」割合が高い代わりに、「経済的に面倒をみてもらいたい」、「介護しても

らいたい」割合も高く、子どもとの相互依存関係が強い傾向が見られました(図表 20)。

図表 20 三世代世帯における子どもへの援助、子どもからの援助に関する意識(60代)

(%)

70.6

57.2

17.4

24.6

58.0

47.6

16.7

24.7

52.0

44.9

13.4

24.4

0 50 100

40代

(n=995)

50代

(n=1,272)

60代

(n=1,628)

女性

全体

58.7

全体

15.5

全体

48.9

全体

24.5

63.8%

50.7%

17.5%

28.9%

77.2

60.5

23.7

34.4

72.6

54.2

21.2

34.4

61.6

46.2

15.9

32.9

050100

子どもにはできるだけ

経済的に援助して

あげたい

子どもにはできるだけ

たくさん財産を残してあげたい

将来、子どもに経済的に

面倒をみてもらいたい

将来、もし介護が必要に

なったら子どもに介護してもらいたい

40代

(n=949)

50代

(n=1,148)

60代

(n=1,430)

全体

33.8

全体

19.7

全体

52.6

(%)

男性

全体

69.4

男女合計

56.545.5 49.6

14.628.4

64.251.8 60.6

25.639.4

0

50

100

子どもにはできる

だけ経済的に援助

してあげたい

子どもにはできる

だけたくさん財産

を残してあげたい

子どもには家を

残してあげたい

将来、子どもに

経済的に面倒を

みてもらいたい

将来、もし介護が

必要になったら

子どもに介護して

もらいたい

60代全体

(n=3,058)

うち三世代世帯

(n=137)

(%)

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40~60代の 38%が、老後の子どもとの同居・二世帯住宅を希望

自分の介護が必要になった場合 男性は自宅志向 女性は施設志向

■ 老後の子どもとの同居について

◇将来、子どもとの同居や二世帯住宅を希望する 40~60代は 38%

・40~60代男女の 62.1%は「将来、子どもとの同居・二世帯住宅ともするつもりがない」と考

えています。それ以外の 37.9%が同居や二世帯住宅を希望(40代 36.8%、50代 38.8%、60

代 37.9%)していると言えます(図表 21)。

・男性は、“夫婦でいるうち”は子どもとの同居や二世帯住宅を希望する傾向が女性よりも高く

(男性 28.7%、女性 16.9%)、一方、女性は男性よりも“1人になった場合”に子どもとの

同居や二世帯住宅を希望する傾向が見られました(男性 6.8%、女性 16.9%)。特に女性は、

1人になった場合に娘との同居や二世帯住宅に住みたい希望が相対的に高くなっています。

・子どもとの同居・二世帯住宅に関しては、相手(子ども夫婦等)があることですし、経済的

な準備も必要になってくるでしょう。将来の住まいについては、夫婦だけでなく子どもを交

えて早いうちに相談をしておくことが必要と言えます。

図表 21 将来の子どもとの同居・二世帯住宅に関する意向(40~60代・男女別)

◇東北地方や中部地方で子どもとの同居の意向が強い

・お住まいの地域別で同居・二世帯住宅の意向を見ると、東北地方(49.2%)、中部地方(43.0%)

で全国平均の 37.9%を上回っています。都道府県別では、山形県、栃木県、鳥取県、岐阜県、

岩手県、福井県、青森県、長野県が 50%を超えています。

・これらの県は、1戸あたりの平均延べ床面積、持ち家比率、三世代同居率の上位県に見られ

る顔ぶれとリンクしています(図表 22)。

図表 22 将来、子どもとの同居・二世帯住宅を希望する割合(40~60代・地方別・都道府県別)(%)

地方別 北海道 東北 関東 中部 近畿 中国 四国 九州

33.1 49.2 37.8 43.0 32.5 37.2 36.7 36.8

県別上位 山形 佐賀 栃木 鳥取 岐阜 岩手 福井 青森 長野

61.0 58.3 58.1 55.6 54.4 54.0 51.2 51.0 51.0

(%)

67.3

2.9

4.7

4.7

5.0

2.3

5.8

1.9

2.8

60.8

2.7

3.7

5.7

5.0

2.4

7.2

2.7

5.9

61.5

3.6

3.2

5.5

4.2

3.1

8.3

2.2

4.9

0 50 100

40代

(n=900)

50代

(n=1,115)

60代

(n=1,317)

女性

1人になった時の

同居等の意向合計

16.9%

夫婦の時の同居

等の意向合計

16.9%

非同居の意向

62 .8%

男女合計

2.9%

2.0%

4.7%

2.2%

5.1%

7.4%

4.6%

5.7%

62.1%59.2

10.5

5.9

10.7

5.8

1.9

1.6

1.3

0.7

61.6

8.0

5.7

10.8

5.4

1.5

1.7

1.4

0.9

62.7

7.1

4.9

7.5

5.5

2.1

3.0

2.1

1.8

050100

同居・二世帯住宅とも

するつもりはない

夫婦で息子と同居したい

夫婦で娘と同居したい

夫婦で息子と二世帯

住宅に住みたい

夫婦で娘と二世帯

住宅に住みたい

1人になったら息子と

同居したい

1人になったら娘と

同居したい

1人になったら息子と

二世帯住宅に住みたい

1人になったら娘と

二世帯住宅に住みたい

40代

(n=917)

50代

(n=1,069)

60代

(n=1,314)

1人になった時の

同居等の意向合計

6.8%

男性

夫婦の時の同居

等の意向合計

28.7%

(%)

非同居の意向

61 .4%

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■ 介護が必要になった場合の住まいについて

◇介護が必要になったら、 男性は「自宅」、女性は「施設」を希望

・介護が必要な状態になった場合の住まいの希望はどうでしょうか。将来、配偶者が元気で自

分が介護の必要な状態になった場合、「自宅に住みたい」と考える 40~60代女性は 37.6%で

すが、男性は 54.4%と約 17 ポイントも上回っており、男性の自宅志向が強い様子がうかが

えます。一方、「有料老人ホーム・サービス付高齢者向け住宅」や「介護施設」を希望する割

合は女性が 43.9%に対し、男性は 28.8%にとどまっています(図表 23)。

・また、将来、自分1人(配偶者がいない、または将来亡くなった後)で介護が必要になった場合、

男性の3人に1人(35.8%)は自宅を希望していますが、女性は5人に1人(21.1%)となって

います。

図表 23 介護が必要になった場合の住まいの希望(40~60代・男女別)

◇世帯収入が多いほど、有料老人ホーム・サービス付高齢者向け住宅志向が強い

・50代について世帯収入別に見てみると、世帯収入が多いほど「有料老人ホームやサービス付高

齢者向け住宅」志向が強い傾向が見られます(図表 24)。経済的にゆとりがあれば、「多少費用

が高くてもできるだけ良いサービスが受けられる環境で」と考えるケースが多いのでしょう。

・一方、世帯収入が低いほど「わからない」の回答が多く、介護状態になった場合の住まいに

ついての見通しが立たないケースが多い様子がうかがえます。

図表 24 介護が必要になった場合の住まいの希望(50代・世帯収入別)

【配偶者が元気で自分の介護が必要な場合】 【自分1人で、介護が必要な場合】

54.4

37.6

35.8

21.1

21.2

29.9

25.0

33.3

7.6

14.0

16.3

24.1

5.8

5.8

7.0

6.8

11.0

12.7

15.8

14.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

40~60代男性

(n=3,907)

40~60代女性

(n=4,037)

40~60代男性

(n=5,071)

40~60代女性

(n=5,280)

自宅 有料老人ホーム・

サービス付高齢者

向け住宅等

介護施設 その他 わからない

自分1人で、介護の

必要な状態になった

場合

配偶者が元気で、

自分が介護の必要

な状態になった場合

29.2

29.2

29.5

26.8

23.5

20.9

24.5

27.7

31.7

43.4

19.1

20.1

20.6

23.9

17.0

6.8

5.5

6.6

7.0

5.8

24.0

20.6

15.5

10.6

10.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

43.9

47.2

45.6

45.9

43.4

21.9

20.7

24.6

26.9

32.3

8.3

10.7

11.8

10.7

10.7

7.2

6.4

5.5

6.8

5.0

18.7

15.1

12.5

9.7

8.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

300万円未満

(n=278)

300万円~500万円未満

(n=392)

500万円~700万円未満

(n=544)

700万円~1,000万円未満

(n=739)

1,000万円以上

(n=657)

■自宅 ■有料老人ホーム・サービス付高齢者向け住宅 ■介護施設 ■その他 ■わからない

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働く目的は、年齢とともに「生きがい」「社会との関わり」「健康」が増加

定年後の就労収入は、男性の3人に2人、女性の半数で定年前の5割以下

■ 60代の働く目的と定年後の就労収入

◇働く目的は、年齢とともに「生きがい」「社会との関わり」「健康」「能力発揮」の割合が上昇

・60 代の方が働く主な目的(複数回答)は、男女とも「生活費を稼ぐため」が最多(男性 73.2%、

女性 64.1%)ですが、40・50代では「生活費を稼ぐため」は男性が約 91%、女性が約 82%ですか

ら、大幅に低下しています。一方、「生きがい・働きがいを得るため」、「社会との関わりを持つため」

「健康のため」、「自分の能力を活かすため」などが 40・50代と比べて上昇しています(図表 25)。

・男性は女性に比べ「生活費を稼ぐため」という家計経済を支える目的が高く、一方、女性は、

「生きがい・働きがいを得るため」、「社会との関わりを持つため」、「自分の能力を活かすた

め」など、収入には直接関わらない項目が相対的に高い傾向が見られました。

図表 25 働く目的(仕事を持っている 40~60代・男女別。複数回答)

◇就労収入が定年前に比べて5割以下のケースが男性 65.9%、女性 50.7%

・男性の 65.9%、女性の 50.7%が、定年前と比べ収入が半分以下に低下しています(図表 26)。

定年前との比較では、女性より男性のほうが就労収入の低下率が大きい傾向ですが、就労収

入に対する満足度は男女間であまり差が見られません。定年後に働く目的として「生きがい」、

「健康」、「社会との関わり」などを重視している方も多いことが一因と考えられます。

図表 26 就労収入の定年前との比較、就労収入に対する満足度(60代・男女別)

(%)

87.0

42.6

40.4

34.7

30.1

20.4

19.3

26.0

20.3

76.4

48.6

43.5

37.2

25.4

28.4

21.4

15.0

22.3

64.1

36.1

45.8

46.6

26.4

41.5

27.2

6.4

23.8

0 20 40 60 80 100

40代女性

(n=1,174)

50代女性

(n=1,096)

60代女性

(n=701)

女性

全体77.7

全体43.3

全体42.8

全体38.4

全体27.5

全体28.3

全体21.9

全体17.3

全体21.8

92.3

37.7

25.8

27.7

33.4

12.3

16.7

26.8

13.5

89.0

45.4

26.4

30.6

29.3

17.5

18.2

20.8

12.9

73.2

37.5

39.0

40.8

25.9

39.9

23.8

9.6

20.1

020406080100

生活費を稼ぐため

老後の資金準備のため

社会との関わりを

持つため

生きがい・働きがいを

得るため

働くのは当然だから

健康のため

自分の能力を活かすため

子どもや孫の将来(教育

・結婚など)のため

(働かなくても生活できるが)

より豊かな生活のため

40代男性

(n=1,499)

50代男性

(n=1,448)

60代男性

(n=1,091)

男女合計

全体15.1

全体20.0

全体19.1

全体21.6

全体29.9

全体32.3

全体29.6

全体40.4

17.9%

18.9%

20.3%

24.5%

28.9%

34.9%

35.2%

41.6%

82.4%

男性

(%)

全体85.9

62.6

65.9

50.7

20.2

19.8

21.8

6.9

6.7

7.7

10.3

7.6

19.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

60代合計

(n=652)

60代男性

(n=510)

60代女性

(n=142)

5割以下 6~7割 8~9割 同水準(以上)

定年後の就労収入に

満 足 不 満

60代合計 36.0% 35.1%

60代男性 36.7% 35.9%

60代女性 33.8% 32.4%

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3.セカンドライフとお金

夫婦円満のためには、お金も大事!?

お金は、健康・生きがいにも好影響!

■ お金がセカンドライフに与える影響は?

◇夫婦円満のためには、お金も大事!?

・60代男女の配偶者に対する気持ちを世帯貯蓄額別に見てみました。「配偶者との関係が良好」、

「ふだんの生活でできるだけ配偶者と一緒にいたい」、「生まれ変わるとしたらまた同じ人と

結婚したい」、「配偶者と同じお墓に入りたい」のいずれの項目も世帯貯蓄額が多いほど高い

傾向が見られました(図表 27)。 貯蓄額が多いほど、配偶者に対する気持ちが前向きになっ

ていることから、“夫婦円満のためにはお金も大事”と言えそうです。

図表 27 世帯貯蓄額と配偶者に対する気持ち(60代・男女別) (%)

世帯貯蓄額 男性 女性

配偶者との関係が良好

(良好+まあ良好)

500万円未満 (男性 n=212、女性 n=174) 55.7 51.7

500万円以上 2,000万円未満(男性 n=296、女性 n=255) 74.0 58.4

2,000万円以上 (男性 n=537、女性 n=442) 79.3 71.3

ふだんの生活で

できるだけ配偶者と

一緒にいたい

500万円未満 (男性 n=212、女性 n=174) 48.1 35.6

500万円以上 2,000万円未満(男性 n=296、女性 n=255) 65.2 34.1

2,000万円以上 (男性 n=537、女性 n=442) 68.2 44.3

生まれ変わるとしたら

また同じ人と結婚したい

500万円未満 (男性 n=212、女性 n=174) 44.3 28.2

500万円以上 2,000万円未満(男性 n=296、女性 n=255) 54.7 38.0

2,000万円以上 (男性 n=537、女性 n=442) 60.0 40.5

配偶者と同じお墓に

入りたい

500万円未満 (男性 n=212、女性 n=174) 53.8 48.3

500万円以上 2,000万円未満(男性 n=296、女性 n=255) 71.3 57.3

2,000万円以上 (男性 n=537、女性 n=442) 74.5 63.8

◇お金は、健康・生きがいに好影響!

・世帯貯蓄額と「健康」・「生きがい」との関係は、貯蓄額が多いほど「健康状態が良い」、「生

きがいを感じている」の割合が高い傾向があり、セカンドライフに向けた計画的な資金準備

が健康や生きがいに密接に関連していることがわかりました(図表 28)。

図表 28 世帯貯蓄額と健康・生きがい(60代・男女別) (%)

世帯貯蓄額 男性 女性

健康状態が良い

(良い+やや良い)

500万円未満 (男性 n=212、女性 n=174) 72.2 73.6

500万円以上 2,000万円未満(男性 n=296、女性 n=255) 76.7 80.4

2,000万円以上 (男性 n=537、女性 n=442) 80.8 83.9

生きがいを感じている

(とても感じている+

まあ感じている)

500万円未満 (男性 n=212、女性 n=174) 62.7 69.0

500万円以上 2,000万円未満(男性 n=296、女性 n=255) 81.4 78.8

2,000万円以上 (男性 n=537、女性 n=442) 82.1 83.3