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チームで行う退院支援 チームで行う退院支援 退院調整と退院時共同カンファレンスの実際 2009年5月9日 NTT東日本関東病院 総合相談室 看護師:宗川千恵子

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チームで行う退院支援チームで行う退院支援

退院調整と退院時共同カンファレンスの実際

2009年5月9日

NTT東日本関東病院 総合相談室

看護師:宗川千恵子

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本日お話しさせていただく内容本日お話しさせていただく内容

◆NTT東日本関東病院の概要について

◆当院における連携・相談支援体制の紹介

◆SWとNSの協働による退院支援・調整

◆当院における退院支援の実際 

◆退院調整加算算定に向けた当院の取り組み

◆まとめと課題

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NTT東日本関東病院の概要

・所在地:品川区東五反田

・病床数:606床(緩和ケア病棟・精神科病棟含む)

       一般病棟556床

・診療科:29科

・病床稼働率:約85%

・看護配置:7:1

・入院患者数:約523人/日

・外来患者数:約2270人/日

・手術件数:約5600件/年

・平均在院日数:約10、5日     (H19年度データより)

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NTT関東病院の8年間の歩み

2001年(新病院開設時)

2008年

外来患者数 2245人/日 2272人/日

入院患者数 474人/日 523人/日

総入院患者数 9732人/年 15393人/年

平均在院日数 15,3日 10,5日

手術件数 4021件/年 5658件/年

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関東病院の基本的理念

・チーム医療の推進 専門スタッフによるチーム医療を推進・適切なリスク管理と安全な医療の提供 インシデント・アクシデント情報の収集・管理および分析を徹底し、継続的に安全対策を実施

・地域医療の発展と連携の推進 地域の中核病院として、救急医療(二次救急)や他の医療機関からの紹介患者の受け入れ、また、他の医療機関への患者紹介などの地域医療連携を積極的に推進

・ITの医療への活用と社会への還元 NTT東日本の病院としての特徴を活かし電子診療録などのIT技術を医療に積極的に活用し、最新の技術を社会に還元

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当院における医療連携と相談支援体制             

各診療科での急性期治療

がん 循環器糖尿病 泌尿器脳卒中

逆紹介紹介状

疾病別ネットワーク

クリニック

病 院

施 設

来 院 治療終了

クリニック

病 院

施 設

整形 認知症難病 消化器呼吸器

医療連携室

総合相談室 がん相談支援室

連携診療科 診療情報管理室

栄養部

連携統括部

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当院における疾病別ネットワーク

・DM2(糖尿病・代謝内分泌科)

・GI-NET(消化器内科・外科)

・UーNET(泌尿器科)

・JーNET(循環器内科・心臓血管外科) 

・K-SMOOTH(腎臓内科)

・Stroke-ネットワーク(脳卒中)

・呼吸器ネットワーク(呼吸器科)

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連携統括部について

• 2007年4月発足(院長が生みの親)• 院内外の連携がスムーズに運ぶためのコア組織として位置づけられた部署

• 医療連携室、総合相談室、がん相談支援室、栄養相談、連携診療科、診療情報管理室の6部署をバーチャルにつなげたもの

• スタッフは医師、ソーシャルワーカー、看護師、栄養士、事務職など

• 患者さんの各種相談窓口「もしもしセンターもしもしセンター」(名づけ親は相談室室長)を開設、運営している

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もしもしセンターの様子もしもしセンターの様子

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当院における退院支援・相談支援体制

もしもしセンター

総合相談室 がん相談支 援 室

かかりつけ医相談 栄養相談

SW, NS SW, NS NS 管理栄養士

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相談室でお受けする相談内容1

【総合相談室】

退院後の療養方法、在宅介護や転院の相談、医療費助成などの制度や在宅ケアサービスの利用、病気に伴う療養生活の悩み、家族、仕事、経済的な相談

【がん相談支援室】

がんの治療や療養に関する情報提供、がんの症状や治療における不安や悩み、在宅療養上のサポート、緩和ケアの相談、医療や療養にかかる費用などの経済的相談、家族、仕事などの相談

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相談室でお受けする相談内容2

【かかりつけ医相談】ご自宅近くのホームドクターの紹介を希望される方の

相談(ホームドクターとは日頃から健康状態を把握し、

健康上のアドバイスや、病状により訪問診療や病院へ

の紹介を行う医師)

【栄養相談】生活習慣病や慢性疾患の患者さん、手術後で食事療法

を必要とする患者さんへの栄養相談

(医師の指示が必要)

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退院支援部門のスタッフ体制

     【総合相談室】

室長(脳神経外科部長が兼務)

SW3名退院調整看護師1名受付・事務1名

【がん相談支援室】室長(呼吸器科部長が兼務)

SW1名看護師3名(がん看護専門看護師1名)

事務1名

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総合相談室の特徴

・開設当初(1992年)からSWとNSが 一緒の部屋で仕事をしている。

・SWと NSで部署目標を共有している。

    【メリット】

・情報交換がスムーズかつ

 スピーディー

・業務の効率化

・患者サービスの向上

【デメリット】

・にぎやか?声が大きい?

・NSをSWと思っている   スタッフも多い?

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総合相談室のミッション

◆疾病の発症から終末期、緊急入院から退院時まで患者が必要とする相談・情報提供・患者が必要とする相談・情報提供・サポートを行う部署として機能を担う。サポートを行う部署として機能を担う。

◆急性期病院の機能として、慢性期の療養を必要とする患者が、安心して慢性期の医療機関(回復期リハビリ・療養型等への転院・往診医・かかりつけ医)へ移行していくために、院内外の連携体制を構築院内外の連携体制を構築する。

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SWとNSの退院支援役割図

ソーシャルワーカー 退院調整看護師

リハビリ病院や施設の転院

経済的問題がある

家族関係、介護者の問題

生活上の問題が多い

医療処置継続のニーズが高い

病状が不安定

自己管理不十分な患者の退院

往診、訪問看護、ヘルパー等の地域支援が必要

ソーシャルワーカーと退院調整看護師が問題により、担当を決めたりチームで関わっています。

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総合相談室 対応患者数

998 992 1115 1244

133 134133

115377 490 371435

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

1600

1800

2000

平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度

NS

SW+NS

SW

  平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度

対応患者総数 1508人 1616人 1619人 1794人

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退院支援を担うのはSW?Ns?

 退院支援においてはSWとNSの援助が重な

る部分もありますが、どちらが担うかは問題で

はありません!

 患者や家族が退院への迷いや不安が軽減、解

消でき安心した療養生活が続けられればよいの

です!

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当院における退院支援の実際当院における退院支援の実際

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退院支援とは

患者やその家族が、場をかえて療養するという選択肢があることを理解し、どこでどのように療養生活を送ればよいのかを自分でえらぶことができるように関わること。そして退院後もできるだけ入院前の生活を継続していくことができるよう、医療の提供方法を検討し、タイムタイムリーリーに関わっていくこと。

聖路加看護大学  山田雅子氏より

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退院調整とは

 退院後も様々な生活ニーズや課題を持つ患者、家族に対してそのニーズや課題に応じて、適切な退院先を確保適切な退院先を確保したり、安定した療養生活を送るための教育指導療養生活を送るための教育指導を行ったり、諸サービスの適切な活用を支諸サービスの適切な活用を支援援するために、病院内外においてシステ病院内外においてシステム化された活動、プログラムム化された活動、プログラムである。

                     日本福祉大学  篠田道子氏より

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退院計画とは

患者とその家族が退院後の適切なケア

プランをつくるのを助けるために利用

可能でなくてはならない、部門を越え部門を越え

た病院全体としてのプロセスた病院全体としてのプロセスである。

1984

アメリカ病院協会・病院ソーシャルワーク部長会作成

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相談室への退院支援依頼経路

相談室相談室

看護師看護師医師医師

地域地域

患者・家族患者・家族

スクリーニングスクリーニング

コメディカルコメディカル

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退院支援の依頼別内訳(NSのみ)

17年度 18年度 19年度 20年度

医師 326 321 256 234

看護師 41 64 43 49

スクリーニング 25 33 36 97

コ・メディカル 45 61 32 12

関係機関 6 17 6 8

合計 480 552 398 453

家族 30 45 13 25

患者 7 11 12 28

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スクリーニング実施までの変遷

• 1996年よりSWはソーシャルハイリスク患者のスクリーニング項目について研究していた

• 看護師も必要性があるという見解に至った• 1999年より共同でスクリーニングシート開発 (紙ベースでの運用)

• モデル病棟で運用スタート→新病院システムとなり紙ベースでの運用中断

• 2003年から一部の病棟で再開・対象病棟拡大• 電子カルテに相談室ガイドマニュアル相談室ガイドマニュアルとして搭載

• 2008年4月後期高齢者退院調整加算算定可能となり全病棟で実施

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相談室ガイドマニュアル相談室ガイドマニュアル

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スクリーニングシートを用いた退院支援のプロセス

◆スクリーニングスクリーニング

◆アセスメント/カンファレンス(院内)

◆患者、家族と面接/退院支援の実際

◆退院時カンファレンス(院内外)

◆在宅でのサービス開始

◆モニタリング

◆終結

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スクリーニング項目について

社会的条件 【高齢・独居・生活貧困者・虐待等】

障害条件 【身体障害者手帳、要介護度、認知等】

疾病・医療行為条件【医療の継続、終末期、難病】

療養条件     【繰り返す入退院、緊急入院】

経済的問題    【生活保護受給、医療費滞納】

家族・介護問題【介護者が高齢、病弱、知識不足】

社会資源利用の有無・希望 【介護保険、障害者】

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スクリーニングシート作成にあたってのポイント

①運用がシンプルであること!

②項目を絞ること!

③カンファレンスとセットで考えること!

④継続させることが重要!

☆退院困難事例【ハイリスクケース】を全病棟

 からいかに満遍なくすくい上げるかが大切!

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スクリーニングシート最新版

【スクリーニング項目】

□ 家族不明・介護できる家族がいない

□ 健康保険に加入していない

□ 入院前よりADL低下が予測される

□ コントロール困難な症状がある

□ 退院後、新たな医療処置の必要がある

□ 認知症・または問題行動がある

□ 1ヶ月以内に、予定外の入退院が2回以上ある

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スクリーニングシートの流れ

入  院

   <第1段階アセスメント> *3日以内にFAX病棟NSによるスクリーニングシートのチェック

<第2段階アセスメント>

病棟Nsと相談室スタッフのカンファレンス

退院支援の実施

退院・転院

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スクリーニング運用総数         (2008・5月~2009・3月)

全 体

介入ケース473件(67%)

未介入ケース233件(33%) n=706

64件/月

75歳以上(後期高齢者)

未介入ケース178件(34%) 介入

ケース349件(66%)

n=527

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病棟別

n=221

後期高齢者スクリーニングシート運用数後期高齢者スクリーニングシート運用数

0

10

20

30

40

50

60

70件

合計 68 59 43 35 28 20 18 17 16 14 13 12 4 2

10B9B 8B 5B 5A

11S7A 6A 4C 7B 6B 9A

CCU8A

n=349

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スクリーニングシート病棟別ベスト5

1位脳卒中・脳外科

神経内科68件 19,5%

2位呼吸器科

ペインクリニック科59件 16,9%

3位整形外科

代謝・内分泌科43件 12,3%

4位循環器内科

腎臓内科35件 10,0%

5位心臓血管外科

脳卒中28件  8,0%

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後期高齢者スクリーニングシート問題分類内訳

問題分類(複数回答)

n=221

0

50

100

150

200

250

ADL低下

家族不明

介護

できる家族

いな

認知症

また

は問題行動

ある

コント

ロー

ル困難

退院後

たな医療処置

必要

がある

ヶ月以内

予定外

の入退院

2回以上

ある

健康保険

加入

して

いな

件 n=349

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退院支援におけるカンファレンス

◆スクリーニング

◆アセスメント/カンファレンスカンファレンス(病棟)(病棟)◆退院支援の実際

◆退院時退院時共同共同カンファレンスカンファレンス(院内外)(院内外)◆在宅でのサービス開始

◆モニタリング

◆終結

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カンファレンスの種類カンファレンスの種類

   【病棟Nsとのカンファレンス】開催時期:入院後3日~1週間程度検討内容:入院中の治療方針、入院期間、     看護やリハビリの目標、     退院後の方向性(退院・転院)

    【退院時共同カンファレンス】開催時期:退院前1週間程度検討内容:退院後の生活目標の共有化      在宅サービス内容の具体化、費用の検討     役割分担

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病棟カンファレンスの効果

・患者を生活者の視点で捉えることができる。

・カンファレンスの内容が充実する。

・相談室スタッフとの距離感がなくなる。

・チームで関わっていることを実感できる。

・スクリーニングだけでは拾えないケースを拾うことができる。

・ケースの依頼がふえる。

・病床稼働率に貢献。

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病棟カンファレンス実施のポイント

◆モデル病棟の選定・病棟スタッフの退院支援の意識が高い病棟からスタートする。

・ベッド回転率が低く退院支援のニーズが高い病棟を選ぶ。

◆定期的に実施すること。・根づかせることが大切!

◆短時間で効率的に行うこと。・事前に病棟NSにケースの問題点や退院支援に向けてのアセスメントをしておいてもらう。

◆保留ケースのコンサルテーションを行い 病棟Nsをサポートすること。

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病棟看護師に聞きました!

n=14n=14

【聞き取り内容】

 ①スクリーニングシートの運用は早期介入につ  ながったか ②3日以内にFAXする仕組みは妥当か ③スクリーニングの7項目以外に追加項目はあ  るか ④退院支援に関する病棟Nsの意識変化について ⑤今後の相談室への要望

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<システム全体についての評価>

・問題ない、このシステムを継続して欲しい。    (5)

・ハイリスクケースの漏れがなくなった。      (4)

・3日以内は大変、5日以内くらいでよい。     (8)

・病棟でアセスメントしてからFAXしたほうがよい。(2)

<スクリーニング項目についての評価>

・フリーコメントに書けるので現状でよい。     (8)

・家族形態についてあったほうがよい。       (3)

・その他(住環境、介護保険利用状況、家族のゴール)(2)

<病棟看護師の退院支援に関する意識変容の評価>

・新人やスタッフへ退院支援の意識付けになった。 (11)

・入院時から退院に向けての視点を持つようになった。(5)

・相談室と情報交換しやすくなった。        (6)

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退院時共同カンファレンス

★退院支援を行う全てのケースに実施する必要はありません!

◎医療依存度の高いケース(がん末期、難病

 患者など)

◎今までのサービスに医療管理や介護サポー

 トが必要になるケース

◎様々な関係機関との調整が必要なケース

(生活保護のCWや障害福祉課のCWなど)

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退院時共同カンファレンスの目的

◆患者や家族の自己決定を支援する

◆地域関係機関との情報共有及び問題点・課題の共有化

◆入院医療から在宅医療への引継ぎ

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退院時共同指導料2(300点)

入院中の保険医療機関の保険医又は看護師

等が入院中の患者に対して患者の同意を得

て、退院後の在宅での療養上必要な説明及

び指導を、地域において当該患者の退院後

の在宅療養を担う保険医療機関の保険医又

は看護師等と共同して行った上で、文書に

より情報提供した場合に当該患者が入院し

ている保険医療機関において、当該入院中

に限り算定する。

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地域関係機関とのカンファレンス数(総合相談室Nsのみ)

19年度 20年度

ケアマネージャー 43 49

訪問看護

ステーション26 16

ヘルパー事業所 6 8

区役所・保健所 5 2

クリニック 4 8

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現実は・・・

診療所の医師は忙しいので、退院前カファ

レンスに声をかけてもなかなか参加できな

いのが現状

コストに反映されなくとも、訪問看護師やケアマネージャーなどと連携し、地域完結型医療を目指していきましょう。患者や家族が安心して在宅移行でき

るために!

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関係機関とよりよい連携をとるためのコツ

◆GIVE&GIVE&TAKEの精神で対応すること。

◆一つ一つのケースに丁寧に対応し、

 信頼関係を構築していくこと。

◆地域との会合等に積極的に参加し、顔の見える連携を作ること。 

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後期高齢者退院調整加算算定に向けた取り組み

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※入院時から退院後の生活を念頭に おいた医療を提供

病 院 在 宅

後期高齢者退院調整加算とは?

退院調整が必要な患者に退院支援計画書を作成し患者・家族に支援を行うことを評価           

退院時1回100点

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後期高齢者退院調整加算について

 入院中の後期高齢者について、適切な

 退院先に退院できるよう医療機関全体

 として退院困難な要因を有する患者を

 抽出する体制を整備し、その上で退院

 困難な要因を有する後期高齢者に対し

 て退院支援を策定し、退院調整を行う

 仕組みつくりを評価する。

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当院における新たな取り組み

 ★退院困難事例を抽出する体制の整備★

◎病院全体で利用可能なスクリーニングシートの導入

◎全病棟のカンファレンスに相談室スタッフが参加

◎退院支援計画書の作成と運用を開始し退院調退院支援計画書の作成と運用を開始し退院調整加算を算定整加算を算定

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退院支援計画書を策定する対象患者

★患者や家族と退院に向けて複数回の面接を行っ

 ていること。

★地域関係機関(ケアマネージャー、医療機関の

 相談員、訪問看護師など)と連携して退院支援

 を実施していること。

★当院を退院もしくは転院したケースであること。

★患者や家族の同意を得たケースであること。

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退院支援計画書 (患者氏名) 様 病棟

平成 年 月 日

病名

計画書の説明を

受けた人 患者・家族( )・その他関係者( )

退院支援計画を行う者

の氏名

(下記担当者を除く)

退院に際しての課題 □療養先について□介護について□医療処置について□療養費について□家族

のことについて□病状や症状について□その他

退院へ向けた目標 <退院支援の目標>

□退院後の療養先の選定 □在宅医療・ケアの整備 □その他

<支援概要>

<支援期間>

予想される退院先 □自宅 □病院・施設( )

退院後に利用が予測さ

れる社会福祉サービス

<制 度>□介護保険 □難病 □身体障害者手帳 □生活保護

<サービス>□ヘルパー □デイサービス □入浴サービス

□介護用品 □訪問看護 □訪問診療 □かかりつけ医

□住宅改修 □宅配食 □移送車 □その他

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退院支援計画書の効果

◆退院に向けてどのような調整が必要なの

 か相互が明確になる。

◆退院の目標を具体的にわかりやすい言葉

 で伝えることができる。

◆患者参画の医療が提供できる。

◆退院支援部署スタッフのモチベーションアップにつながる。

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n=174

平均25件/月

後期高齢者 退院支援計画書病棟別作成件数 

0

10

20

30

40

50

60件

合計 50 31 27 26 24 19 18 14 13 11 10 7 1 1 0

10B8B 5A 5B 9B 6A 7B

11S7A 4C 6B 9A 8A ICU

10A

n=252平均 23件/月

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退院支援計画書作成 病棟別ベスト5

1位脳卒中・脳外科

神経内科50件 19,8%

2位整形外科

代謝・内分泌科31件 12,3%

3位心臓血管外科

脳卒中27件 10,7%

4位循環器内科

腎臓内科26件 10,3%

5位呼吸器科

ペインクリニック科24件  9,5%

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後期高齢者 退院支援計画書疾患別内訳 

n=174

(複数回答)

がん19%(59件)

脳血管19%(58件)

その他13%(39件)

整形13%(38件)

呼吸器11%(33件)

心臓,11%(32件)

難病4%(13件)

腎臓4%(12件)

精神2%(7件)

認知症4%(12件)

n=252(複数回答)

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n=174

(複数回答)

5大疾患別転帰先

0

10

20

30

40

50

がん 呼吸器 脳血管 整形 心臓

自宅

転院

n=252(複数回答)

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後期高齢者 退院支援計画書退院に際しての課題

n=174

(複数回答)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

療養先について 介護について 病状について 医療処置について 家族のこと 療養費について

件n=252

(複数回答)

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今後の退院支援に関する課題

◆スクリーニングシートの項目とシステム運用方法の再検討

◆疾患別での退院支援介入時期の検討

◆退院支援の質評価に向けた仕組み作り

◆院内スタッフ(医師・看護師)への教育的関わりの強化

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退院支援者に求められる役割・機能退院支援者に求められる役割・機能

コミュニケーション能力

スクリーニング機能

評価機能アセスメント能力

社会資源の活用力

調整機能

役割・機能

エンパワーメント機能

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退院支援者の機能・役割退院支援者の機能・役割

【コミュニケーション能力】患者、家族との面接や相談などを通して信頼関係を築く

【調整機能】多職種と連携しチームアプローチを行う

【アセスメント能力】生活者の視点でニーズを分析し地域を巻き込んで退院支援を

行う

【スクリーニング機能】退院支援が必要なケースを早期に発見し介入する

【エンパワーメント機能】患者、家族のセルフケア能力を引き出し、高め一つの資源と

して活用していく

【評価機能】モニタリング、評価を通して病院経営やサービスの質向上に貢献

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事例紹介

病棟から始める退院支援・退院調整の

実践事例

◆脳血管患者への退院支援・退院調整事例

ご清聴ありがとう

ございました。