アルコールを出さない居酒屋を発見!? 日本ネタの本と漫画が人気 ·...
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近年オランダでは、「日本に関する本」がブームを呼んでいます。「KAKEBO」(家計簿)や「SHINRIN-YOKU」(森林浴)など、日本語をそのままローマ字表記にしたものに関する本が、続 と々発売されています。 外国人の著者による分析本も多いですが、日本人の著者によって書かれた本をオランダ語に翻訳したものも存在します。そのなかでも代表格は、「こんまり」さんこと「片づけコンサルタント」近藤麻理恵さんのシリーズ。 彼女の処女作「人生がときめく片づけの魔法」は、2015年に「Opgeruimd !」としてオランダでも販売スタート。出版社に確認したところ、累積販売部数6万部のベストセラーだそうです(オランダの人口は約1700万人)。その人気に乗じ、出版社は彼女の次作「Spark Joy」と「Opgeruimd ! De Manga」も出版。そう、3作目は何とこんまりさんの漫画本の翻訳版。実はオランダでは、漫画は子供のためのものであり、大人向けの漫画は日本に比べて大変希少な存在なのです。出版社によると、こんまりさんの漫画本は、
1作目の爆発的な人気には敵わないそうですが、広く受け入れられているのだそう。筆者のオランダ人の知人も、このこんまりさんの漫画版の本を持っていました。その知人曰く、漫画は洋服の収納などが分かりやすく、すんなり理解できたと語っています。 そんな「大人向け漫画砂漠」のオランダですが、「新世紀エヴァンゲリオン」や手塚治虫氏の作品など一部の日本の漫画も翻訳版も存在。図書館の漫画本(Strip)コーナーで存在感を放っています。本でも漫画でも日本発の内容が人気で、非常に誇らしいですね。
今、世界のあちこちで日本風の居酒屋がたくさん作られているのは、本書シリーズのこのコーナーでもしばしば取り上げられている通りです。人気の理由は国によって様々ですが、やはり大きいのは「あれこれ、ちょこちょこあれこれつまむことができる」点でしょう。居酒屋ならひとりで行っても、満腹するまで食べるとしたら数種類のつまみを注文することができます。 しかもそのバラエティがなんとも豊富。「皿の上にステーキがドーン。そこにフライドポテトと温野菜のつけあわせ」という料理に慣れた欧米人にしてみたら、これが「食の大革命」といったところだったようです。 オーストラリアで日本風の居酒屋が一般の人たちに注目を浴び始めたのは、アマチュア料理人たちが数回にわたって腕を競うコンテスト番組でだと思います。 ひとりの出場者がかつて日本に住んでいて、番組に登場するたびに居酒屋のすばらしさを語り、「優勝したらその賞金でオーストラリアでも居酒屋を開きたい」といった発言を繰り返し、見事チャンピオンに。これによって日本料理といえばショッピングセンターで
売られる巻き寿司くらいしか食べたことがなく、日本に旅行したこともない人の間でも「居酒屋ってすごいらしいぞ!」と知られるようになったのです。 その居酒屋人気にあやかるかのように、不思議な店が生まれています。ショッピングセンター内にあるため法律上アルコールが出せない、しかもメニューは「定食屋」風なのに「Izakaya」と名乗る店です。確かにメニューの一部は「Sashimi」「Edamame」「Karaage」なのですが……。まあ、日本食を楽しむきっかけになってくれればいいので目くじらは立てずにおきましょう。
香港島・中環地区のオールド・タウン・セントラルエリアは、壁に描かれたファンキーなウォールアートがフォトジェニックなインスタ撮影スポットとして、世界じゅうの旅行者やインスタグラマーが集まる人気の場所。お洒落エリアとしてカフェバーやアートギャラリーなどが並んでいます。 そこに2018年3月末、新しいウォールアートが仲間入りしました。そのアーティストとは、日本だけでなく、香港人のファンも多い、タレントの香取慎吾さん。 彼が香港人ファンに「大口仔(大きなお口の男の子)」というニックネームで呼ばれていることにちなんで「大口仔龍(大きなお口の龍の子)」という作品名となりました。香港は香取さんが20年前に初めて映画の撮影をした土地でもあり、思い入れがあるそうです。 風水で縁起のいい龍の大きく開いた口のなかに、香港を象徴するヴィクトリア湾の夜景を描いたものは「アーティスティックでパワフルだ」と高い評価を受けています。作品の制作は、3月24日~27日の深夜から早朝にかけて行われました。
場所は世界一長い800メートルあるミッドレベルエスカレータの 脇 の 壁 。Hol l ywood Road(ハリウッドロード、荷李活道)と Shelley Street(シェリーストリート、些利街)の交差する付近。香港政府観光局から香取氏に依頼されたこのプロジェクトは地元メディアにも数多く取り上げられ、立ち止まって写真撮影をしている人がいるのですぐにわかるはず。香港に新しいフォトジェニック観光スポットの誕生です。
アメリカでお餅の認知度が上がっています。その理由のひとつが「モチアイスクリーム」。日本ではロッテの『雪見だいふく』が有名ですが、その半分くらいのサイズで、抹茶やイチゴのほか、コーヒー、マンゴーなど10種類以上のフレーバーがあります。アメリカの大手食品スーパーのホールフーズではオリジナルの「モチアイスクリーム」の販売を開始しました。“モチバー”という冷凍のショーケースには色とりどりのクリームが並び、ひとつ2ドル、12個で20ドルで販売されています。少々値段は高めですが、色々な味を少しずつ楽しめると大好評です。 日本で「お餅」は、主食のイメージですが、アメリカでは「モチアイスクリーム」の影響から「Mochi」はスイーツのイメージが強いです。「モチアイスクリーム」から連想されるのは、パステルカラーのきれいな色と、ふんわりシルキーな質感。その人気を受けコスメブランドの「NYX」では、「Love you so much」のダジャレで「Love you so “Mochi”」という、「モチアイスクリー
ム」をテーマにしたコレクションを発表しました。アイシャドウやハイライトは、手で触るとふんわりした質感。のような発色のよさはもちろん、するっとしたシルク肌にもみせてくれます。ほかのブランドでは、弾力と粘りがある洗顔料を「Mochi cleansing」という名前で発売しました。アメリカでも日本と同様に「モチ=もちもちとした質感」といった意味も認知されてきているようですね。異国の文化を独自に進化させるのが得意なアメリカ。今後も、ジャンルを飛び越えた「モチ(Mochi)」の進化から目が離せません!
Text by Naoko Kurata(オランダ・アムステルダム市)Text by Yukio Yanagisawa(オーストラリア・ブリスベン市)
Text by Miyuki Lynn(中国・香港)Text by Yoko Koyama(アメリカ・ロサンゼルス市)
日本ネタの本と漫画が人気アルコールを出さない居酒屋を発見!?
香取慎吾アートが香港のウォールアートの仲間入りアメリカ人の心をつかんだMOCHIアイスクリーム
倉田直子(くらた・なおこ)柳沢有紀夫(やなぎさわ・ゆきお)
りん みゆき小山陽子(こやま・ようこ)
2008年のリビア移住と2011年のイギリス(スコットランド)移住を経て、2015年よりオランダ在住。海外子育て事情や、知っているようで意外と知られていない現地情報などをWEBメディア及び雑誌に寄稿中。海外書き人クラブ会員。
1999年よりオーストラリア在住。海外書き人クラブお世話係。『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)など日本論・比較文化論や、オーストラリア関係の著書も多数。
1994年より香港在住。雑誌、機内誌、情報誌の寄稿多数。「台湾・香港deワーキングホリデー」共著。オールアバウト香港ガイド、エイビーロード家族旅行ガイド、地球の歩き方香港特派員などのトラベルライター。海外書き人クラブ会員。
アメリカ・ロサンゼルス在住。エディター・ライター歴15年以上。ガイドブックや、女性向け健康美容生活情報誌の編集を経て渡米。現在は、フリーランスとして女性誌のほか、新聞やwebサイトでロサンゼルスから最新の健康・美容情報を発信している。海外書き人クラブ会員。
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日本を代表する伝統文化、書道。同じ文字でも筆の運びや墨の濃淡、字体の崩し方などでまったく違う作品になることから、海外ではアートと捉える人も多いそうです。そんな書道が今、ペルーの首都・リマで大人気になっています。それも作品として鑑賞するだけでなく、実際に書道を習う人が増えているのです。 そのきっかけを作ったのは、日本人書家の浜野龍峰氏。ニューヨークやバルセロナ、サラマンカを始め世界各地で活動する浜野氏は、2014年に行われた横浜・海外移住資料館での展覧会を機に、日本人移民の子孫が多く暮らすペルーとのかかわりを深めるようになりました。リマでの個展や書道の実演に加え、各地でワークショップを開催。文字を書く面白さや、文字に集中することの素晴らしさを教えています。これまではそのほとんどが日系人子弟だったリマの書道クラブも、非日系ペルー人の生徒がどんどん増えているとか。彼らの書に対する真摯な態度とその見事な筆さばきに、この書道ブームが一過性のものではないことを強く感じます。
最近行われる日系人主催のイベントでは、誰でも気軽に体験できる書道コーナーが設けられるようになりました。また、筆で名前を綴るサービスも大人気。「日本語で、しかも墨で書かれた名前ってかっこいい!」と若い世代に好評です。 今後はリマだけでなく、ペルーの地方都市にも活動を広げていくという浜野氏。この5月には、アンデスの街クスコやアマゾンのプカルパでも指導されたそうです。ペルー人書家が誕生する日も、そう遠くないかもしれません。
日本に行った経験のあるアイルランド人の多くが挙げる「日本の魅力」のひとつに、“優良文房具品の天国だ!”というのがあります。日本はアイルランドでは入手不可能な、可愛く、珍しく、便利で安いと5拍子揃った文具品の宝庫なのです。 そのなかでも仕事に役立つ優れモノが「指サック」。アイルランドでは指サックの認知度も使用頻度も低く、いちいち指を舐めながら書類めくりをしています。指が乾く度に舐める姿は、傍目にも大変そうです。指をすっぽり覆う古くからの指サックを売る店もありますが、サイズの種類が少なく、使っているとゴムの臭いが指につくし、表面がすぐにすり減って役に立たなくなってしまいます。 そんなアイルランドで、日本からの指サックに出会った人々の反応には面白いものがあります。まず珍しそうに指サックを眺めた後、そっと指にはめてみます。色がお洒落で、指先が蒸れず、ゴム臭は無い上に、ネイルアートをしている長い爪でも使いやすいデザインですし、実際に使ってみれば抜群のめくりやすさ。これら
を体験すれば、ほぉーと感嘆のため息と笑顔がこぼれでてくるわけです。日本のパステルカラーの指サックは男女を問わず指がお洒落に見えるという意見もありますから、たいしたものです。他人が舐めた指で触れた書類を不快に感じていた人も、この指サックで解決しました。 ちなみにアイルランド人だけではなく、インド人や台湾人の同僚達からも、今度の日本からのお土産は指サックをと頼まれた日本人もいて、“日本は良質文具品の天国”というのを、海外に住む日本人としてうれしく実感しています。
欧州の「リトルトーキョー」と呼ばれるデュッセルドルフ。ドイツ北西部に位置する人口約60万人の街に暮らす日本人の数は約6,000人にのぼります。 年に一度の「デュッセルドルフ/NRW日本デー」は、50万人以上の来場者を迎える特別な日で、「毎年この日を楽しみにしています!」と目を輝かせる20代の女の子達は、始発電車に乗り5時間もかけてデュッセルドルフにやって来たと教えてくれました。 中世の面影を残す旧市街を抜け、ライン川沿い遊歩道に出ると、ずらりと並ぶテントや特設舞台はもうニッポン一色。来場者は、着物や書道など日本の伝統文化を体験したり、焼き鳥やたこ焼き、焼きそばなど夏祭りの屋台の味を楽しみます。 コスプレイヤーのメッカとしても知名度を増す日本デーには、ドイツ国内外からアニメや漫画が大好きな若者が大集合。まさに街全体がコスプレ会場と化す非日常の光景も、このイベントの風物詩となりました。 そして、イベントのハイライトは日本の花火師による打ち上げ花火。23時になってようやく日が沈むドイツの
初夏の夜空に、満開の花火が咲きます。スマイルマークやハート形のポップな花火に一際大きい歓声が巻き起こりますが、ラストの怒涛の打ち上げラッシュでは、視界に入りきらないほど黄金の花火がこれでもかと打ち上げられ、感極まった観客から割れんばかりの拍手と歓声と口笛が鳴り、会場の一体感は最高潮に。 頬を紅潮させながら帰路につく人の波。超有名ゲストが来るわけでもない、市民が育てたイベントで「日本」を再発見しているのは、日本人の私の方かもしれないな、と思いました。
夏の夜のハワイで、約500種類の日本酒が一堂に集められる一大イベント「ジョイ・オブ・サケ ホノルル」が開催されます。一般公開で行われる利き酒会で、ハワイ州ホノルルのほか、ニューヨーク、ロンドン、東京の世界4都市で開催されるイベントで、世界に日本酒の魅力を伝えようと2001年から始まったのだそうです。 ホノルルは、日本酒を出すレストランの数が、人口ひとり当たりで見ると全米でもっとも多いそうで、アメリカ国内でも、とくに日本酒に親しまれている都市です。そのため、日本国外では最も歴史の長い日本酒の品評会である「全米日本酒歓評会」も、ハワイが主催地となっているほど。実は「ジョイ・オブ・サケ」は同品評会の一般公開イベントなんです。 2018年の全米日本酒歓評会に出品された日本酒は478品。これにサンプリングのお酒なども加わるため、「ジョイ・オブ・サケ」では500種類近くの日本酒が集まり、テイスティングができます。しかも高級とされる大吟醸酒や、アメリカでは入手できないものも多く、
日本酒好きの人々が多く集まります。さらに、日本酒に合う地元のグルメも20種類以上用意され、日本酒と料理を共に楽しむことができるんです。 イベントに参加する方は地元ハワイの住民がほとんどで、「こんなに美味しい日本酒があるとは知らなかった」、「これだけの品揃えがあるイベントは貴重」と大喜び。 日本酒のボトルを興味深そうに読んだり、美味しそうに日本酒を飲んだりしている地元の方を見ると、日本酒をきっかけに、世界と日本がつながっていくことに、日本人として喜びを感じずにはいられないですね。
Text by Keiko Harada(ペルー・リマ市)Text by Kyoko Odamura(アイルランド・ダブリン)
Text by Megumi Takahashi(ドイツ・デュッセルドルフ市)Text by Makiko Sato(アメリカ・ハワイ市)
南米で広がる日本の心。ペルーで書道が大人気優良文房具の天国・日本からの可愛い指サック
50万人が日本に熱狂する「日本デー」 ハワイで日本酒の利き酒大会開催!
原田慶子(はらだ・けいこ)織田村恭子(おだむら・きょうこ)
高橋 萌(たかはし・めぐみ)
佐藤まきこ(さとう・まきこ)
2006年よりペルー在住。ペルーの文化や習慣を始め、観光、グルメ、エコ情報などを様々な角度から紹介。『地球の歩き方』『トリコガイド』『世界のじゃがいも料理』などペルー関連の取材協力多数。自身のサイトを通じ日々ペルー情報を発信中。海外書き人クラブ会員。
1991年よりアイルランド在住。日系企業勤務の傍ら、旅行マガジン、エアライン機内誌、その他多くの雑誌に、アイルランドから料理、ダンス、サイコセラピー、社会問題等、多岐のジャンルに渡り記事・エッセイを執筆。趣味はタンゴ。海外書き人クラブ会員。
2007年よりドイツ在住。執筆、翻訳、編集、コーディネート業務を行うフリーランサー。各界のトップランナーへのインタビュー、ドイツの政治、社会、文化についてのコラムを寄稿する。サッカー好きが高じてブンデスリーガ公式サイト日本語版のインハウスエディターにも就任。海外書き人クラブ会員。
女性誌のエディターやファッションビルの広告・プロモーションのプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのエディター・ライターへ。ハワイ在住。海外書き人クラブ会員。