ペナンだより - 豊橋技術科学大学 · 2017. 3. 28. ·...
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豊橋技術科学大学グローバル工学教育推進機構
ペナンだより
(第 10 号 平成 27 年 8 月 31 日)
Toyohashi University of Technology
National Institute of Technology
Nagaoka University of Technology
※ 主要活動報告
◆ 8 月 3 日(月)、梅本特任教授、若原教授、Tan 特任助教、Angeline 氏とで Mini Circuit
を訪問し、昨年度の実務訓練のお礼と今年度参加学生の情報について、また英語版研
究冊子を手渡して課題解決型長期実務訓練の依頼と諸説明を行い、その後工場へ行っ
て研究テーマに合致しそうな箇所の見学を行う。
京兼は三機関連携事業である国際シンポジウム ISTS(International Symposium on
Technology for Sustainability)2015 に参加するため、Shah Alam にあるマラ工科大
学(UiTM)へ出張する。
◆ 8 月 4 日(火)、梅本特任教授、若原教授、Tan 特任助教、Angeline 氏とで Robert Bosch
を訪問し、2 ヶ月と 6ヶ月のインターンシップの依頼と本学の説明を行う。午後からは
PSDC を訪問し IGNITE2016 への協力依頼と講演(ポリマー及び半導体系)などについて
意見交換をする。その後、Inavest Penang を訪問し昨年度の実務訓練のお礼及び実務
訓練中の学生の宿舎などに関する情報提供の依頼をした。
京兼はISTS2015の開会式に出席。マレーシア側は科学副大臣が、日本側は高専機構の小
畑理事長が挨拶し、終了後は学生全員と集合写真を撮る。基調講演は、日本側はUMWト
ヨタ相談役の日比 隆氏がトヨタの技術動向と国際戦略について、マレーシア側は科学
大臣補佐官から科学技術の現状と今後の展望についてであった。午後からはISTS2015
の講演発表とポスター発表を聞き、学生等と情報交換を行う。
ISTS2015の開会式 VIP室:小畑理事長、科学副大臣、UiTM副学長
◆ 8月5日(水)、梅本特任教授とTan特任助教は、USMのCultural Hallを訪問。Lee教授
の案内で小林誠先生の講演場所の確認をしつつ、講演行事などについて意見交換を行
う。その後、International Officeへ移動し、実務訓練学生のビザとオリエンテーシ
ョンの件で、昨年の問題点が改善できるよう対処して欲しい旨の要望を伝える。午後
からはAngeline氏を加えてAdvantest Engineeringを訪問。昨年度の実務訓練のお礼と
訓練状況についての情報共有を図った。引き続き3名でIO officeを訪問し、長期実務
訓練の依頼と諸説明をした後、実務訓練学生用宿舎(The Kristal Suites、Apple Hotel、
Century Bay、Seri Concordia)の調査を行った。
他方、ISTS2015 に関しては、UiTM の VIP ルームで高専機構の小畑理事長、長野高専黒
田校長(理事)、井上理事・副学長と京兼で三機関連携事業などについて懇談を行い、
井上理事・副学長へ UiTM の幹部職員と ISTS 実行委員会の高専関係者を紹介した。午
後からは黒田校長、松本国際交流副センター長、井上理事・副学長、京兼で高専機構、
豊橋技大の状況と今後の対応、グローバル化などについて意見交換を行った。
◆ 8 月 6 日(木)、梅本特任教授は在ペナン日本国総領事館を訪問し、野田総領事と寺本
領事を交えて小林誠先生の USM での講演について相談及び依頼などを行った。午後か
らは Tan 特任助教、Angeline 氏と一緒に Intel を訪問し、長期実務訓練の依頼と諸説
明を行う。総じて Intel はインターンシップの受け入れに対し、大変熱心な企業であ
り種々の協力体制を持っている。
◆ 8 月 7 日(金)、梅本特任教授とタン特任助教は IJM Corporation を訪問。本年度に実
務訓練を希望しているマレーシア人学生についての情報提供を行い、今後のインター
ンシップの取り組みについて話をする。終了後、USMへ移動し、Lim准教授を加え、Sudesh
先生、Jantan 先生、Lee 先生と一緒に小林先生にかかる件(ポスター、日本人の参加
者、若手研究者との座談会等)で調整を図った。午後は梅本特任教授、タン特任助教
が東レを訪問し、川勝部長(山村課長が同席)と面談。主に小林先生の講演時の日本
人参加者(動員方法)について、及び実務訓練を希望しているマレーシア人学生の状
況についてである。東レでは、高専機構本部の小畑理事長、黒田長野高専校長、前田
国際交流副室長が合流し、吉村社長へ ISTS2015 で優秀論文発表をした学生グループに
対する「東レ賞」のお礼などを含め懇談。その後、高専機構関係者は TUT ペナン校を
訪問し、施設の見学を行う。
梅本特任教授とタン特任助教は、Collaborative Research in Engineering, Science &
Technology (*CREST)へ移動する。CREST では担当者 4 名と情報交換をし、本学のペナ
ン校設置の背景やグローバル教育(含、インターンシップ)等について説明を行った。
Lim 准教授と京兼は、Stephen Yeap 氏主催による Wawasan Open University での晩餐
会に出席。野田総領事を始め各界の代表者が出席していた。梅本特任教授とタン特任
助教は帰国。
*CREST は 40 年前に設立され、主に Electrical & Electronics に限定した外資系企業
や地元中小企業間でグループ(クラスター)を形成し、国と企業が半分ずつ出資してい
る半官半民の組織であるが、やや民間に近い機関である。業務は基礎研究よりむしろ
Marketing を主眼としており、企業同士や大学などとのマッチングを行い、また各種の
セミナーも企画している。
8 月 10 日(月)、マレーシア、タイ、インドネシア、日本(高専・両技大)の学生が
主体となって取り組んできた ISTS2015(Part II)に参加するため Shah Alam の UiTM
へ出張。Part II は学生達が企画したゴミ、交通、環境、エネルギー問題、現地人の生
活向上に関する Fieldwork と Workshop である。40 グループ(4~5名)に分かれた学生
達は、Fieldwork と Workshop で得られた結果をまとめ、ポスター発表を行い日馬の教
員、企業関係者、Fieldwork で訪れた地域住民から審査とコメントを受けることとなっ
ている。与えられる賞は、優秀賞、東レ賞、パナソニック賞であり、特に東レ賞は 4
名の学生に対し、東レマレーシア部長・川勝淳二氏から講評と共に賞状・記念品が手渡
された。パナソニック賞は 5名の学生に対し、マレーシアパナソニック総括責任者兼社
長(JACTIM 会長)の岡本敏郎氏(代理)から賞状とデジタルカメラ(5台)が渡された。
環境とエネルギー問題に関する Fieldwork 後の Workshop の一コマ
午後からは上月理事と松本国際交流副センター長と一緒にパナソニックを訪問し、岡本
社長へパナソニック賞のお礼と高専生のインターンシップの依頼を、京兼からはペナ
ン・パナソニック社長の南部達夫氏に大変お世話になっていること、三機関連携、TUT
ペナン校、技大生の実務訓練について説明を行った。
8月13日(木)、総領事館(阪野領事)を訪問し、USMから要望のあった長期ビザ(京兼)
申請時に必要な書類へ領事署名のお願いをする。終了後、日本人会の宗事務局長に面会
し、小林先生のUSMでの講演に対し、再度協力と支援依頼を行った。
8 月 19 日(水)、USM から要望のあった長期ビザ申請時に必要な書類一式が出来上がっ
たので、Angeline 氏と共に International Office へ行き担当者(Ms. Eliza Yasmin
Dahlan)に手渡し、今後の手続きに関する説明を受ける。夕方、Disted College の Seah
学長から Stephen Yeap 氏主催の懇親会に招待される。参加者は、Disted 側から Liew
副学長、Dr. Sydney Senior Lecturer(Hospitality Management)、日本側からはマレ
ーシア政府観光局の徳永誠(Marketing Manager)ご夫妻、豊田工業大学の原大介教授
(言語学)と京兼で、懇親会での主な話題は Disted を利用した語学研修に関してであ
った。
8 月 20 日(木)、黒田室長、Angeline 氏と共に Penang Development Centre(PDC)へ
訪問。Jeffrey Chew 氏 (前ペナン首席大臣特別補佐官)に面会し、ペナン校用途変更に
関する申請について意見交換を行う。同席者は Tan建築事務所の Yee氏、Hio氏である。
意見交換の概要: Jeffrey 氏からは TUT ペナン校は、Lim 首席大臣が開所式に訪問した
こともあり、首席大臣も支援している案件として承知している。用途変更の現状は理解
したので、具体的には Lim 首席大臣及び Datuk Patahiyah 氏(ペナン市長)へ本案件に
ついて耳に入るようにしたい。そこで、1) これまでのペナン州政府・市関係部署から
出ているレター等の文書、2)それら発出等を時系列に記した文書、及び 3)TUT 学生が
ペナン地元企業でインターンシップをしていることは、(ペナン州にとり)有益である
ので、過去の実績情報を提供してほしい。とのことで要望を速やかに進めることとなっ
た。
終了後、USM 正門から徒歩 5~6分の場所に、今年 1月にオープンした U Hotel を訪問。
USM から至近で便利な場所(ローカルだが食事場所など多数、コインランドリーも近く
にある)に位置し、新しいホテルなので部屋も清潔感があり、広さは普通(50㎡程度)
でダブルとツインベッドの部屋を見学。Wi-Fi も(速さは普通。混雑時は遅くなる可能
性あり。)完備していた。通常レート(Walk-in Rate)は、税込みで RM172、長期滞在
については後日見積もりを送付するとのことであった。
玄関ロビー付近 居室内の机・家具類
居室(Double Bed room) 洗面所とトイレ設備
14 時にマレーシア政府観光局・徳永氏及び豊田工業大学・原教授が来校。ペナン校にお
ける活動の概要と施設内容に関する説明を黒田室長と共に行った。豊田工業大学からは
学生派遣プログラムなどの海外展開と取り組みについて、次のような状況になっている
との説明があった。米国(UC デービス校と連携、必要経費は約 70万円)、フィリピン(ラ
サール大学と連携、約 30 万円)、マレーシア(インフラ大学と連携、約 40 万円)におい
て英語研修プログラムを実施している。マレーシアではインフラ大学と連携し研修を実
施しているが、豊田工業大学は土木系の学部がないこともあって、応募者がなく見直し
のため USM と協力した英語研修を検討中である。インターンシップは、学部 1年次及び 3
年次が必須(6 週間の海外実務訓練もあり)、修士レベルの海外実務訓練は任意であるが
実施している。その他、徳永氏からマレーシア(KL)に進出する大学として、東京理科
大学(マハティール元首相が顧問)の他に青山学院大学が予定しているが、詳細は分か
らないとのことであった。
徳永氏と原教授(右側)との懇談 ペナン校の玄関付近での記念写真
8 月 21 日(金)、黒田室長、Angeline と共に USM(BJIM)を訪問し、Dr. Mutharasu Devarajan
先生、Director of Division of Industry Network, BJIM, Miss Syazira Othman 氏と懇
談を行う。懇談内容は、黒田室長から 8月 5日に Susie 副学長及び Farhan 工学部土木学
科長、Syazira 氏とともに、今年度実施予定のグローバル FD の講義実施などの協力につ
いて依頼した旨の説明。USM 側は、グローバル FD関係については 8 月 25 日に関係者で打
合わせを行う予定、それ以降にフィードバックするとのことであった。また、ビザ取得
については、Syazira 氏から、IO Office とも相談したが、Social Visit 扱いでビザなし
で入国したほうがいいとの意見があった。
その他、Mutharasu 先生からグローバル FD プログラムについて現状の準備状況は承知し
たこと、今後は USM への連絡時に CC を入れて欲しい、USM Faculty メンバーとの研究面
での協力を期待しているとの言及があった。また、USM 側としては、ペナン地区における
日系企業は東レとの協力関係が深いが、それ以外の日系企業との協力関係がないので、
特に共同研究などに向けた連携活動について期待をしている。USM では IP 対応は可能で
あるし、研究施設等の使用は可能とのことであった。
その後、Research Creativity & Innovation Office へ移動、Dr. Lee 先生と意見交換。
TUT の情報系では現在タイで開催されている International Conference On Advanced
Informatics:Concepts, Theory and Application (ICAICT)の来年度会議について、ペ
ナンでの開催を検討している。ついてはUSMが共催になれるかどうか相談をしたいので、
窓口を教示してほしい旨、黒田室長から説明。Lee 先生から本件に関しては、研究担当副
学長の Jantan 先生に話を入れ、対応をしてくれることとなった。
前回のTUT-USM協議会で案内のあったUSM-Ambassadorサミット(9月 12日~13日開催)
の準備状況について尋ねたところ、大使等の参加有無が確定しておらず詳細は未定で、1
週間以内に詳細などについて連絡をするとのことであった。
昼食を挟んで、グローバル FD 及び SD 教職員用の宿泊場所として検討するため、The
Crustal Suites Hotel へ移動。ホテルはキッチン付きの部屋があり数人が同居すること
は可能となっている。空港近くの企業地区には近いが、交通手段は確保する必要がある。
USM の Lim 名誉教授宅を訪問し、黒田室長からペナン校での最近の活動状況について
報告を行う。Lim 名誉教授から英語教育を TUT ペナンで行うためには、語学センターを設
置し、USM 退職教員の協力を得ることができるのではという考えが示された。これを実現
するためには、センター独自に法人格を取得する上での課題(出資)が依然として残る
旨を伝えた。
Lim 名誉教授との懇談後、ペナン校近くのコンドミニアムを見学。 施設は、月々RM3000、
3 ベッドルーム、キッチンが完備されており利便性の高い場所にあるが、警備員がいない
のがやや問題として残る。
編集後記
三機関連携主催の国際シンポジウム ISTS(International Symposium on Technology for
Sustainability)2015 が Shah Alam のマラ工科大学(UiTM)で開催された。本シンポジウ
ムの目玉の一つは、マレーシア、タイ、インドネシア、日本(高専・豊橋と長岡の両技大)
の学生が主体となって本格的に取り組んできたものである。学生達が企画したゴミ、交通、
環境、エネルギー問題、現地人の生活向上に関する Fieldwork と Workshop に参加し感じた
ことは、こうした活動を通して彼/彼女たちが大きく成長をしており、グローバルリーダー
シップが徐々にではあるが確実に育っていることである。
また今月は、学部生や院生のインターンシップ(実務訓練)の依頼をするため、梅本特任
教授とタン特任助教が中心となって数多くの外資系企業や現地企業を訪問され、新たに開拓
する企業や研究機関に対しペナン地区での TUT の存在意義を高める結果となり、重要な役割
を果たしているものとして心強く思っている。
京兼 純(国際教育センター特任教授) マレーシア教育拠点(ペナン校) Senior Director of Global Education, TUT-Penang 3 Cantonment Road, 10350 Penang, Malaysia Phone: +60-4-226-6242 E-mail: [email protected] http://www.tut.ac.jp/