スペイン近代史:...
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スペイン近代史:フランコの独裁と民主化
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世古直希
第1章フランコとスペイン戦争
第1節スペインの歩み
1:スペイン基礎情報A:スペインの場所→ユーラシア大陸の西端B:面積→50.6万平方キロ(日本の約1.3倍)C:多民族国家のため、ステレオタイプのスペイン人
は少数
2:スペインの宗教(2014年)A:70.1パーセントがローマ・カトリック教B:移民の影響で、ヒンドゥー・イスラム等が増加
3:スペインの産業A:自動車・食品・観光産業などB:外資系が多い
第2節スペイン政府と内戦までの経緯
1:内戦前のスペインA:いまだに封建社会→他国は脱出済みB:右派と左派の対立が激化
2:封建社会の崩壊A:プリモ・デ・リベラ将軍により独裁政権確立(1923~1930年)a)軍部や貴族の特権を制限→有力者が反発b) 農村部では健闘
3:左派と右派の対立が激化A:1931年、社会労働党が市町村議会選挙で勝利
a)共和制樹立を宣言b)国民救済措置を実施→農地改革など効果なし
B:1933年、右派である王党派が政権を奪取a)政権争いが泥沼化b)選挙の不正が発覚→解雇などの脅迫c)税が上昇と同時に国民の戦闘性も上昇
C:1936年社会労働党が勝利a)ブルジョワジーへ報復b)有力者が敵側に移行c)政治的無能さが露見→国民の暴走
第3章スペイン内戦とフランコの勝利
1:内戦勃発A:1936年7月に北アフリカ大陸のメリリャにて右派
が蜂起a)フランシスコ・フランコが同時に蜂起
→総司令官に選出b)イタリア・ドイツの参戦そしてソ連が武器を供
給→戦闘の規模が拡大c)右派が徐々に優勢な状況に移行
B:1937年3月フランコ側が大敗→未訓練の兵士を投入C:同年4月ゲルニカ爆撃
→ピカソに共和制政府が絵画を依頼
D:1938年2月カタルーニャ地方の共和制政府軍を打破同軍は戦力を2方向に分断→内々戦が多発し弱体化
E:1938年3月蜂起軍はマドリードへ侵攻→3日で陥落し、4月1日に勝利宣言
2:内戦までのフランシスコ・フランコ年表A:1892年に誕生B:1907年→トレドの士官学校に入学C:1910年→陸軍歩兵部隊の2等中尉D:1912年→フランコの戦略が戦場で威力を発揮E :1923年→モロッコ部隊の部隊長に就任F :1928年→陸軍士官学校校長に就任G:1935年→統合参謀本部長に就任
第4節フランコ政権の確立
1:フランコの勝利直後のスペインA:フランコがファランヘ党を基に国家を建設B:内戦によりインフラ・経済に深刻なダメージ
a)犠牲者100万人以上b)外貨の流通が激減
2:スペイン再建設A:土地の返却→共和制時代のものも含む
a)農産物の売却値を国が制定→農民の貧困が加速B:工業は軍需を優先
a)第二次世界大戦の可能性を認知b)ストライキが非合法化c)工場は軍事統制
3:スペインと他国の貿易
A:イギリスの商業的権益が増加a)フランコ側に多くの商品を投資
B:他国はスペインとのつながりを回避
第2章第二次世界大戦
第1節大戦中の国際関係
1:1939年9月第二次世界大戦が勃発A:スペインは内戦により戦闘困難B:当時、フランコは戦闘の意思有
→ドイツに援助を要求し、ドイツはこれを却下2:1940年6月イタリアがイギリス・フランスに宣戦布告
A:スペインは中立を維持→食料をイギリス・フランスなどから調達
3:1941年7月ドイツ東部戦線へ、青師団を派遣A:内戦中の恩返しB:国内のガス抜き
第2節枢軸参加交渉と原因
1:多くの国はスペインが枢軸国側で参戦と予想A:スペインは終戦まで中立を維持B:自国の食糧さえ自給困難
2:枢軸国との交渉A:参戦への条件が非常に困難
→多大な、領土の拡大及び、経済・軍事的支援を要求B:スペインは連合国の援助が必要
3:中立の決定打、バルバロサ作戦(1941年6月)A:ドイツがロシアに奇襲B:大規模戦闘に発展
→中立国であるスペインの参戦の可能性は皆無
第3節フランコとヒトラー
1:思想の違いA:ファシズムという点は一致
a)フランコはイタリアよりの考え→アクション・フランセーズ等
B:大きな違い→フランコ側がキリスト教を重視2:ファシズムの扱い
A:フランコのファシズムは手段→不要なら変更B:他国は悪口として使用
3:独裁者の最後A:基本的に悲惨
→フランコは死してなお評価が上昇
第4節中立と枢軸支援
1:中立の必要性A:連合国・枢軸国側どちらの支援も必要
a)連合国の食糧・石油等b)枢軸国の情報等
2:青師団の派遣A:義勇兵でありドイツ軍に所属B:50%以上職業軍人C:国内の参戦派のガス抜きに使用
3:スペイン側からの大戦の風景(1941年~)A:1941年真珠湾攻撃の際、フィリピンが独立
a)フィリピンに祝電→アメリカが激怒し、石油を禁輸
b)ドイツへのタングステン輸出を禁止し、禁輸解除c)タングステンは密輸し問題解決
B:1942年国会設立法を設立→新国家の建設a)内閣を軍人中心からカトリック勢力へと移行
→ファシズム色を縮小する目的b)フランコのスペインの正当性をアピール
C:1943年9月イタリアが無条件降伏
a)立憲王国に変更→ファシスト最高機関がファシズムを放棄
b)スペインはカトリック色を増加
4:1945年5月ドイツが降伏し終戦
第3章第二次世界大戦後のスペイン
第1章戦後の経済
1:スペイン、連合国側への移行を敢行A:1945年4月国連会議への参加を希望
→連合国側は無視B:同年12月国連からスペインを除外
2:農業の遅れA:面積当たりの生産量が下降
→農業技術が稚拙B:労働力の非効率的運用
3:工業の衰退A:人員が農業に移行し人手不足B:生産量低下による価格高騰
4:解決策A:伝統農家の弱体化を推進B:ブルジョワジーによる技術革新
第2節冷戦とスペイン
1:スペインの存在価値A:40年代末期に冷戦に突入B:共産主義を憎み、地理的にも対ソ連に好都合
2:スペインの待遇A:1950年11月に国連のスペイン排斥決議が解除B:1955年12月アメリカの先導により国連に加盟
→その代りに、スペイン国内に4つの米軍基地を建設
第3節1960年代の奇跡
1:経済発展の土台A:1958年欧州経済協力機構に加盟B:同年、国際通貨基金に加盟C:1962年経済復興開発銀行D:高級技術官僚を政府内に多数配置E:諸外国との貿易の加速
2:スペインの変化A:諸外国からの観光人数増加B:移民の流入C:海外資本の増加
第4節経済的変化、
一次産業から二次産業への移行
1:農業革命A:日雇い農民の割合変化
a)50年代50%、60年代43%、70年代29%B:農民の賃金水準が上昇
→機械化、借用農地に移行か経営者は二択C:生産性が上昇→50~100%ほど改善D:機械化や合成肥料等、需要が増加
→産業構造の変化により、金融、工業ブルジョワジーに権力が移動
2:文化の変容A:賃金上昇により、農業機械の購入・維持の必要性
→手間のかかる作業は倦厭、利益第一
第5節弱りゆくフランコ
1:死への意識A:1961年狩猟中に負傷
→麻酔手術B:パーキンソン病の存在も確認C:死への準備が緊急の課題
2:反体制側の存在A:1962年11月マドリードに反体制側の潜伏が発覚
→1963年4月に銃殺B:フランコは報復を恐れ、公安裁判所を設立C:1969年マテサ事件
a)大手会社の融資資金が政治家に流入b)反フランコ体制の団体の動きが活発化
3:後継者の暗殺A:1973年首相職にカーレロ・ブランコが就任
→反体制組織により1年後に爆殺B:フランコは1975年9月にテロリスト取締法を制定
→多くのテロ組織のメンバーに死刑判決
4:フランコの死亡→1975年11月20日 死因、心筋梗塞A:葬儀に多くの参列者
第4章スペインの民主化及び近代化
第1節フランコの死と
フアン・カルロス1世の即位
1:フアン・カルロス1世A:前国王の四男
→兄達は貴賤結婚、障害などで王位継承権を放棄B:フランコの死後、2日で新国家元首として即位
2:スペインの民主化A:1977年他政党の合法化B:労働組合の結成が合法化C:憲法に地方分権を付与
3:近代的協定A:1977年10月モロンクロア協定
a)個人所得税の導入b)社会的合意により制定c)民主化経路の定着
第2節反体制派が政権に参加
1:1982年社会労働党政権が成立A:国民にとってクリーンなイメージB:スローガンは「革新のために!」
→失業緩和、社会政策の充実
2:14年間もの間、同政権は継続A:失業率を加速B:経済構造の近代化を推進
→期間限定雇用計画・時間短縮雇用計画等
第3節NATOおよび、ECに加盟
1:1982年10月NATOに加盟A:NATOとは
a)北アメリカおよびヨーロッパ諸国等の軍事同盟b)紛争予防策に有効
2:1986年ECに加盟A:ECとは
a)現在のEU・経済、社会、貿易に関する組織b)経済発展に有効
3:スペインのNATOでの立場A:1989年人道支援として活動を開始B:欧州南西方面本部を国内に設立
第4節スペイン・イヤー
1:1992年スペインで3つの国際的イベントが開催A:バルセロナオリンピック
a)企業の資金主体で運営→商業化b)支出を抑え黒字
B:万国博覧会a)テーマは“発見の時代”b)インフラの整備→高速鉄道
C:アメリカ大陸との遭遇500年祭a)コロンブスをスペインが援助b)ラテンアメリカから非難
2:諸外国はスペインを魅力的だと認知A:海外資本の増加B:貿易の加速
第5節先進国スペイン
1:1996年社会労働党を打破し国民党が勝利A:国民党とは→中道右派の政党B:勝利の要因→汚職事件
a)不正資金調達b)インサイダー取引c)クリーンなイメージが崩壊
C:失業率が低下a)労働市場改革を推進b)世界経済が景気を後押しc)国営企業民営化d)2001年にユーロの導入
2:2003年スペイン政府はアメリカ軍のイラク攻撃を支持A:国民から多くの反発→反米B:人道支援部隊として後方活動に専念
→先進国スペインを世界にアピール
3:社会労働党の勝利A:アルカイダによるテロが首都で決行
→国民党への不信感が増加B:社会労働党の判断により、迅速にイラク撤退
→テロに敗北というレッテル
第6節変化が求められるスペイン
1:2005年EU憲法承認のための国民投票を実施A:賛成76%で可決B:2006年憲法違反発覚
→スペイン政府が外資による企業の買収を妨害2:2008年住宅バブル崩壊
A:住宅建設業者および中小企業に特別融資→効果なし
B:付加価値税が上昇→効果なし
3:2011年11月に国民党が勝利A:銀行に資金投入→効果なしB:移民が帰国C:2013年から更に経済発展に尽力
a)回復の兆しの時期は不明
第5章今後の展望第1節
フランコの評価
1:フランコの理念A:ご都合主義B:スペインの輝かしい復活
2:フランコのファシズムA:政治思想を嫌悪
a)思想的側面を除去b)必要なため導入
3:異質な存在、フランコA:一般的に独裁者死亡後は国が混乱
→死亡後を考慮し、混乱を回避B:スムーズに民主主義へ移行
4:勝者と敗者の分離A:カタルーニャやバスクに圧力B:文化、言語統制
5:後進国からの脱出に必要な人物A:バランス感覚に優れた政治
6:スペインを先進国化に大いなる貢献
第2節民族との対話
1:地方分権問題
A:自治州制度の安定化a)今後の重要な課題b)実質的議論実施中
B:カタルーニャが独立運動を激化a)2014年11月に非公式選挙を開催b)中央政府が制止c)交渉は困難
第3節今後のスペイン経済
1:国際景気に左右されるスペインA:外需への依存B:国際競争力の低下
→事業改革の必要性2:高い失業率問題
A:強い労働組合→正社員の雇用が困難B:若者の海外流出C:不景気による単純労働者不足
3:経済復興A:設備投資に不信感B:借金の増加C:雇用規制緩和が必要