ステージ４でも治療と仕事を3年間両立できている理由

プロフィール

御園生 泰明（みそのう やすあき）41歳妻、9歳の長男、6歳の長女株式会社電通に勤務

今の仕事が大好きで、とにかく一生懸命に働いていました

2015年8月 会社の健康診断で肺に影が見つかる10月 肺腺がんステージ４

目の前が真っ暗に

どうしよう・・・死ぬかもしれないし、家族も守らないといけないし、そのためにはお金が必要だし。。。

上司に相談しました

私）がんになりました。根治できないそうです。会社への説明はどうしたらいいですか？

上司）オープンにした方がいい

私）オープンにって言っても、どう話せばよいのか・・・

上司）よし！任せろ！

結果・・・

上司、同僚、取引先などが僕の病気を知ってくれ、応援してくれるようになった

⇒具合が悪い時に黙って抱え込むような必要がなくなり、治療に専念できた⇒そのかわり仕事ができるときには挽回しよう！と気持ちを整理することができた

それ以外に、

All

御園生くんに癌が見つかりました。部位は肺で腺癌という種類のものです。ステージ3の状態で、転移はしていないもののかなり進行しているので今後、治療に入っていきます。本当に今みつかってよかった と思います。

現在癌の治療法は大変に進歩しており幸いにも分子標的薬や免疫細胞治療など副作用の少ない治療法が次々に開発されていますので、築地のがんセンターでこれを試していきます。

今のところ予定されている上記の治療法の場合御園生くんがまだ若いことが逆に治療の効率を高めることになるらしく体力が落ちたりすることもないのでむしろ会社で働くということは普通にやっていってほしいと医師から言われているとのことです。

治療と同時に、癌との戦いで大事なのは周囲のサポートです。治療にあわせて3つのサポートがあります。

A 普通にみなと一緒に行動できる。治療のとき(平日)だけ病院に行く。病院用の時間の確保のサポートをする。

B 体力の回復などのために、1/3くらいは休息をとったり治療をする。そのための時間の確保だけでなく移動など手伝えることを全てサポートする。

C 全面的に治療に自分の時間を100%専念してもらう。それが出来るように、本人の会社の手続きなどのものを全てこちらでやれるようサポートする。やれることは全てサポートする。

今はA段階です。御園生くんは会社に普通に来て普通に仕事をやっていきます。AとBの間のような段階もあるかも知れません。そのときはできるサポートをしましょう。

それからサポートを通じて「御園生くんと一緒に癌と戦う」という意識を持ちたいと思います。癌と戦っていくためには、強い意志とポジティブな気持ちが必要です。腫れ物に触るような後ろ向きな姿勢ではなく明るく、「一緒に戦おうぜ」という気持ちを共有してチーム一丸となって御園生くんをもりたてていきたいと思います。御園生くんが無事全快したとき、その過程を通じてチームに大きな財産が残ると思っています。

御園生くんの癌情報については、会社では月村が全て知っていますので月村に問い合わせください。聞かれた人には教えてあげて下さい。誰かにこれ以上の情報を聞かれたら月村に聞いて答えて下さい。憶測で語るのだけはやめてください。

また、我々のチームのサポートの象徴としてFIGHT TOGETHERというコピーでマークを作ってシールにします。打ち合わせで来た人に渡して、御園生くんを遠くから気持ちだけでもサポートしてくれる人をどんどん増やしてください。

最後に癌検診を受けましょう。まさか御園生くんが癌になるとは誰も思わなかったということは、自分にもあるかも知れない ということです。また癌に対しての意識も高まると思います。ぜひ。

TSUKKY

このように、上司が僕に寄り添ってくれ、周囲が応援してくれる空気を作ってくれたことから、「治療と仕事を両立していいんだ」という安心感を得られた。

これが、両立できている理由の1つ目。

１

３年間で薬の投与を目的とした入院は１回だけ。

近年の医療の発展もあり、副作用と付き合いながらも通院で治療を継続できています。

これが、両立できている理由の2つ目。

そんな私のある一日。

１０：００ （フレックスにより満員電車を避けて）社内打ち合わせ

１１：３０ 病院で診察１２：３０ 点滴開始

その間、資料を作成し、ドロップボックスでメンバーに共有

１３：３０ 点滴終了１５：００ 会社に戻り、

東京のメンバー及び地方出張者を繋いでスカイプ会議１７：００ プレゼン１９：００ 自宅作業で資料作成、メール等で指示・対応

・メール等で指示・対応・カレンダーソフトでスケジュール調整

翌週のある一日。

１０：３０～ 自宅作業資料作成、メール等で指示・対応スカイプで打ち合わせ

会社の制度や色々なビジネスツールを使って負担のかかる移動や時間のロスなどを極力省くことができている。＝柔軟な働き方が出来ている

これが、両立できている理由の３つ目。

とはいえ、「死」を目の前に突き付けられている状況は続いているので、精神的には落ち込む時期がある

気持ちが前向きに。

「仕事はできる！」「仕事をしたい！」

その一方、「死」を目の前に突き付けられ、感じたこと・・・

「時間は有限である」⇒人生を有意義なものにしたい

どうしたら自分は人生に満足できるのか？自分だけ良ければいいのか？もちろん、治療だけに専念したり趣味に没頭するという選択もあるが、自分の場合は、

「社会に対して何か自分にできることはないか？」

という思いがわいてきた

１／２

１／３

がん＝死

間違えた認識・偏見⇒がんサバイバーが生きにくい社会

がんになってもイキイキと暮らせる社会を実現したい

自分が1枚の写真によって「がん＝死」という呪縛から解放されたように、これを社会に伝えれば周囲の偏見もなくなり、サバイバーも勇気づけることができるのは？

私）仕事のパフォーマンスが落ちている中こんなことを言うのもなんですが、、、元気なサバイバーの存在を社会に伝えるボランティア活動をしてみたいです。

上司）よし！わかった！

ポイントは、会社が治療と並行してプライベートで取り組むこの活動に理解を示してくれたことによってメンタルが安定した

このことによって仕事も頑張れるようになった。

これが４つ目の理由です。

まとめ

私がステージ４でも３年間治療と仕事を両立できている理由は、

・組織内での「治療と仕事を両立して良い」という空気から安心感を得れている・医療の発展により仕事ができる状態である・制度やツールにより、柔軟な働き方が出来ている・プライベートの充足によりメンタルが安定していることから仕事に集中出来ている

では、サポーター側の皆さん、サバイバーの皆さんと一緒にどんな未来をつくっていけるか？

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ご清聴ありがとうございました。