導入促進基本計画 · 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2015年 2020年 2025年...

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1 導入促進基本計画 先端設備等の導入の促進の目標 (1)地域の人口構造、産業構造及び中小企業者の実態等 ① 地勢 本町は長野県の北端、新潟県の県境に位置し、長野市、飯山市、中野市、飯綱 町、新潟県妙高市の4市1町に隣接している。 中山間地ではあるものの比較的交通網は整備されており、町を南北に縦断する 国道 18 号、主要地方道及び一般県道が周辺市町村と相互に連絡する道路として 放射状に分布している。そのほか、上信越自動車道 信濃町インターチェンジが 町内にあるほか、鉄道が整備されており、首都圏、北陸圏、中京圏へのアクセス に優れている。 ② 人口構造 本町の人口は、昭和 35(1960)年の 13,703 人をピークに減少に転じ、平成 27 (2015)年には 8,469 人となっている。また、少子高齢化が進んでおり、年齢3 区分別人口でみると、年少人口(0~14 歳)と生産年齢人口(15~64 歳)は減 少し続け、老年人口(65 歳以上)は増加し続けている。平成 27(2015)年の老 年人口は 3,301 人となっており、高齢化率は 39.0%となっている。 国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、今後も人口減少と少子高齢化 が進むと予測される。特に、生産年齢人口は 2015 年から 749 人減少すると推計 されている。 図表 1 信濃町の人口推移と推計 図表 2 信濃町の人口比率の推移と推計 出典:1980 年~2015年総務省「国勢調査」、 2020 年~2045 年国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」 2,405 2,018 1,617 1,280 1,113 1,002 824 653 493 394 311 249 203 7,716 7,347 7,131 6,241 5,813 5,155 4,344 3,595 3,092 2,614 2,197 1,726 1,363 1,788 2,187 2,607 2,858 3,001 3,081 3,301 3,397 3,252 3,041 2,780 2,583 2,311 11,909 11,552 11,355 10,379 9,927 9,238 8,469 7,645 6,837 6,049 5,288 4,558 3,877 15.0% 18.9% 23.0% 27.5% 30.2% 33.4% 39.0% 44.4% 47.6% 50.3% 52.6% 56.7% 59.6% 0% 20% 40% 60% 80% 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 1985199019952000200520102015202020252030203520402045年少人口(014) 生産年齢人口(1564) 老年人口(65歳以上) 高齢化率 () 推計値 実績値 20.2% 17.5% 14.2% 12.3% 11.2% 10.8% 9.7% 8.5% 7.2% 6.5% 5.9% 5.5% 5.2% 64.8% 63.6% 62.8% 60.1% 58.6% 55.8% 51.3% 47.0% 45.2% 43.2% 41.5% 37.9% 35.2% 15.0% 18.9% 23.0% 27.5% 30.2% 33.4% 39.0% 44.4% 47.6% 50.3% 52.6% 56.7% 59.6% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1985199019952000200520102015202020252030203520402045信濃町 年少人口(014) 信濃町 生産年齢人口(1564) 信濃町 老年人口(65歳以上) 推計値 実績値

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Page 1: 導入促進基本計画 · 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 年少人口(0~14歳) 生産年齢人口(15~64歳)

1

導入促進基本計画

1 先端設備等の導入の促進の目標

(1)地域の人口構造、産業構造及び中小企業者の実態等

① 地勢

本町は長野県の北端、新潟県の県境に位置し、長野市、飯山市、中野市、飯綱

町、新潟県妙高市の4市1町に隣接している。

中山間地ではあるものの比較的交通網は整備されており、町を南北に縦断する

国道 18 号、主要地方道及び一般県道が周辺市町村と相互に連絡する道路として

放射状に分布している。そのほか、上信越自動車道 信濃町インターチェンジが

町内にあるほか、鉄道が整備されており、首都圏、北陸圏、中京圏へのアクセス

に優れている。

② 人口構造

本町の人口は、昭和 35(1960)年の 13,703 人をピークに減少に転じ、平成 27

(2015)年には 8,469 人となっている。また、少子高齢化が進んでおり、年齢3

区分別人口でみると、年少人口(0~14 歳)と生産年齢人口(15~64 歳)は減

少し続け、老年人口(65 歳以上)は増加し続けている。平成 27(2015)年の老

年人口は 3,301 人となっており、高齢化率は 39.0%となっている。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、今後も人口減少と少子高齢化

が進むと予測される。特に、生産年齢人口は 2015 年から 749 人減少すると推計

されている。

図表 1 信濃町の人口推移と推計 図表 2 信濃町の人口比率の推移と推計

出典:1980 年~2015 年総務省「国勢調査」、

2020 年~2045 年国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」

2,405 2,018 1,617 1,280 1,113 1,002 824 653 493 394 311 249 203

7,7167,347

7,131

6,2415,813

5,1554,344

3,5953,092

2,614 2,197 1,726 1,363

1,7882,187

2,607

2,8583,001

3,0813,301

3,397 3,2523,041

2,7802,583

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6,837 6,0495,288

4,5583,877

15.0%18.9%

23.0%

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1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年

年少人口(0~14歳) 生産年齢人口(15~64歳) 老年人口(65歳以上) 高齢化率(人)

推計値実績値

20.2% 17.5% 14.2% 12.3% 11.2% 10.8% 9.7% 8.5% 7.2% 6.5% 5.9% 5.5% 5.2%

64.8%63.6%

62.8% 60.1%

58.6% 55.8%51.3%

47.0% 45.2% 43.2% 41.5% 37.9% 35.2%

15.0% 18.9% 23.0% 27.5% 30.2% 33.4%39.0%

44.4% 47.6% 50.3%

52.6%56.7% 59.6%

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信濃町年少人口(0~14歳) 信濃町生産年齢人口(15~64歳) 信濃町老年人口(65歳以上)

推計値実績値

Page 2: 導入促進基本計画 · 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 年少人口(0~14歳) 生産年齢人口(15~64歳)

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③ 産業構造

本町の事業所数をみると、もっとも多いのが宿泊業・飲食サービス業(145 事

業所)である。次いで、卸売業・小売業(105 事業所)、建設業(76 事業所)、製

造業(57 事業所)、生活関連サービス業・娯楽業(33 事業所)と続く。事業所の

割合を国、県と比べると建設業、製造業、宿泊業・飲食サービス業の割合が高く

なっている。卸売業・小売業の割合はやや低い。

従業員数では、製造業(644 人)がもっとも多く、次いで、宿泊業・飲食サー

ビス業(612 人)、卸売業・小売業(513 人)、建設業(377 人)と続く。従業員数

の割合を国、県と比べると事業所と同様に建設業、製造業、宿泊業・飲食サービ

ス業の割合が高くなっている。卸売業・小売業の割合はやや低い。

付加価値額では、製造業(18,049 百万円)がもっとも多く、過半数を占める。

次いで、建設業(4,125 百万円)、卸売業・小売業(3,891 百万円)、宿泊業・飲

食サービス業(1,196 百万円)が続く。付加価値額の割合を国、県と比べると建

設業、製造業、宿泊業・飲食サービス業の割合が高くなっている。卸売業・小売

業の割合は低い。

これらから本町の産業は、製造業、建設業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サ

ービス業等が主要なものとなっていることがわかる。

図表 3 事業所数(事業所単位 産業大分類) 図表 4 事業所の割合(国・県との比較)

出典:RESAS(総務省「経済センサス-基礎調査」再編加工、総務省・経済産業省「経済センサス-活

動調査」再編加工) ※会社数と個人事業所を合算

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図表 5 従業員数(事業所単位 産業大分類) 図表 6 従業員数(国・県との比較)

出典:RESAS(総務省「経済センサス-基礎調査」再編加工、総務省・経済産業省「経済センサス-活

動調査」再編加工)

図表 7 付加価値額(企業単位 産業大分類) 図表 8 付加価値額(国・県との比較)

出典:RESAS(総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工)

※付加価値額=売上高-費用総額+給与総額+租税公課(費用総額=売上原価+販売費及び一般管理費)

④ 中小企業者の実態

本町の主要な産業の事業所を従業員規模別にみると、全ての業種について、従

業員数が 49 人以下の事業所の割合が 90%を超えている。このことから、本町の

地域経済は、中小企業者が支えているといえる。

一方で、本町の企業の労働生産性 3,737.0 千円/人で、長野県平均よりもやや

高くなっているものの、全国平均の 4,574 千円/人に比べて 837 千円/人低くなっ

ている。

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図表 9 主要な業種の従業員規模別事業所数の割合

出典:総務省「平成 26 年経済センサス-基礎調査」

図表 10 労働生産性(企業単位 県、国との比較)

出典:RESAS(総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工)

※労働生産性=付加価値額÷従業者数

⑤ まとめ

今後、本町の生産年齢人口は減少することから、町内の事業所においては、人

材の確保が課題となると考えられる。少ない人員でも継続して操業ができるよう

生産性の向上が必要となる。

本町の主要な産業は、製造業、建設業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービ

ス業であるが、いずれも従業員数が 4人未満の事業所が過半数を占めている。こ

れらの産業では、生産性向上を図る方法の1つとして設備の導入・更新があげら

れるが、小規模な事業所では設備投資のための余力が少ないと考えられる。

本町の地域経済を維持・発展させるため、町内中小事業所の労働生産性の向上

を図ることを目的として、導入促進基本計画(以下、本計画という)を策定し、

町内事業者が先端設備等の導入に対して支援を行う。

68.4%

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建設業(76事業所)

製造業(57事業所)

卸売業,小売業(105事業所)

宿泊業,飲食サービス業(145事業所)

生活関連サービス業,娯楽業(33事業所)

1~4人 5~9人 10~19人 20~49人 50人以上 出向・派遣従業者のみ

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(2)目標

生産性向上特別措置法第37条第1項の規定に基づく本計画を策定し、中小企

業者の先端設備等の導入を促すことで、地域経済の更なる発展を目指す。

これを実現するための目標として、計画期間中に3件程度の先端設備等導入計

画の認定を目標とする。

(3)労働生産性に関する目標

先端設備等導入計画を認定した事業者の労働生産性(導入促進指針に定めるも

のをいう。)が年平均3%以上向上することを目標とする。

2 先端設備等の種類

本町の産業は、製造業、建設業、卸売業、小売業など多岐に渡り、多様な業種が

町内の経済、雇用を支えていることから、多様な産業で広く事業者の生産性向上を

実現する必要がある。

したがって、多様な産業の多様な設備投資を支援する観点から、本計画において

対象とする設備は、経済産業省関係生産性向上特別措置法施行規則第1条第1項に

定める先端設備等全てとする。

3 先端設備等の導入の促進の内容に関する事項

(1)対象地域

本町の産業は、町の中心部のほか周辺部、山間地等の広域に立地している。こ

れらの地域で広く事業者の生産性向上を実現する観点から、本計画の対象区域は

本町全域とする。

図表 11 事業所立地動向(参考)

出典:RESAS(日本ソフト販売株式会社(電話帳データ))

電話帳データから作成しているため、町内全ての事業所を表していない

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(2)対象業種・事業

2の先端設備等の種類で示したとおり、本町の産業は多岐に渡り、多様な業種

が町内の経済、雇用を支えているため、これらの産業で広く事業者の生産性向上

を実現する必要がある。したがって、本計画においては、対象とする業種は、全

業種とする。

生産性向上に向けた事業者の取組は、新商品の開発、自動化の推進、IT導入

による業務効率化、省エネの推進、市町村の枠を超えた海外市場等を見据えた連

携等、多様である。したがって、本計画においては、労働生産性が年平均3%以

上向上に寄与すると見込まれる事業であれば、幅広い事業を対象とする。

4 計画期間

(1)導入促進基本計画の計画期間

本計画の期間は、国が同意した日から3年間とする。

(2)先端設備等導入計画の計画期間

先端設備等導入計画の期間は3年間、4年間、または5年間のいずれかとする。

5 先端設備等の導入の促進に際し配慮すべき事項

①人員削減を目的とした取組を先端設備等導入計画の認定の対象としない。設備

導入に伴う人員増が労働生産性の評価に当たって不利にならない等、雇用の安定

に配慮する。

②公序良俗に反する取組や、反社会的勢力との関係が認められるものについては、

先端設備等導入計画の認定の対象としない等、健全な地域経済の発展に配慮する。

③町税を滞納しているものについては、先端設備等導入計画の認定の対象としな

い。

④町は、適宜、先端設備等導入計画が認定された中小企業者に対して、計画の進

捗状況の報告を求める。