オフィスの照明改修における照度分布 と省エネルギー効果の...
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オフィスの照明改修における照度分布と省エネルギー効果の検討
‐配光特性と器具配置に着目して‐
11170282 古川佳苗指導教員 一ノ瀬雅之
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背景
オフィスの省エネルギー化が求められている
→省エネルギー化の手法として・蛍光灯照明からLED照明への転換・照明器具数の削減
が挙げられる
目的
・配光特性と器具配置が光環境に与える影響
・照明改修による省エネルギー効果
を明らかにすることを目的とする
背景・目的配光特性の
調査
照度分布の
シミュレーション
省エネ効果の
シミュレーションまとめ
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配光特性の傾向の調査
蛍光灯とLEDの配光特性の傾向を把握するため、現在流通している照明器具の配光特性を調査した
調査対象:埋込下面開放型1灯用・2灯用
埋込下面開放1灯用(以下、1灯用) 埋込下面開放2灯用(以下、2灯用)
写真:Panasonic 施設・屋外・店舗照明総合カタログ2015
背景・目的配光特性の
調査
照度分布の
シミュレーション
省エネ効果の
シミュレーションまとめ
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調査手法
配光曲線から代表値を読み取り、グラフにプロット
0
100
200
300
400
0 30 60 90
器具
光束1000lm
あたりの
光度
(cd)
鉛直軸との角度(°)
背景・目的配光特性の
調査
照度分布の
シミュレーション
省エネ効果の
シミュレーションまとめ
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0
100
200
300
400
0 30 60 90
器具
光束1000lm
あたりの
光度(cd)
鉛直軸との角度(°)
調査結果
・1灯用:器具によってばらつきが大きい・2灯用:蛍光灯、LEDの差は小さい
0
100
200
300
400
0 30 60 90
器具
光束1000lm
あたりの
光度(cd)
鉛直軸との角度(°)
1灯用 2灯用
LED蛍光灯
背景・目的配光特性の
調査
照度分布の
シミュレーション
省エネ効果の
シミュレーションまとめ
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シミュレーション概要
3次元照度計算ソフトDIALuxを用いて照度分布の検証を行う
オフィスビルA 基準階項目 設定値
立地 東京天井高(m) 2.45床・壁・天井反射率
0.2/0.5/0.7
机上面高さ(m) 0.75
昼光考慮 なし
:評価対象領域
背景・目的配光特性の
調査
照度分布の
シミュレーション
省エネ効果の
シミュレーションまとめ
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①照明器具の比較
配光特性による影響を検討する使用器具:1灯用LED、 2灯用LED
1灯用蛍光灯、 2灯用蛍光灯
②器具配置の比較
照明の間引きによる影響を検討する
間引きなし 間引き1 間引き2 間引き3
総器具数 288 総器具数 144 総器具数 196 総器具数 144
背景・目的配光特性の
調査
照度分布の
シミュレーション
省エネ効果の
シミュレーションまとめ
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シミュレーション結果:照明器具の比較
• 1灯用と2灯用では500~600lxの出現頻度に差が見られる• 蛍光灯とLEDの差は小さい
0
5
10
15
20
25
100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000
出現
頻度
(%
)
照度(lx)
照明器具ごとの照度出現頻度の比較1灯用LED
2灯用LED
1灯用蛍光灯
2灯用蛍光灯
背景・目的配光特性の
調査
照度分布の
シミュレーション
省エネ効果の
シミュレーションまとめ
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シミュレーション結果:器具配置の比較
• 間引き2は出現する照度の幅が広い
0
5
10
15
20
25
30
100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000
出現
頻度
(%
)
照度(lx)
器具配置ごとの照度出現頻度の比較間引きなし
間引き1
間引き2
間引き3
背景・目的配光特性の
調査
照度分布の
シミュレーション
省エネ効果の
シミュレーションまとめ
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シミュレーション結果:器具配置の比較
均斉度=最小照度÷平均照度
・間引き2が最も照度のばらつきが大きい
・間引き1と3では間引き1の方が照度のばらつきが大きい
0.293
0.217
0.268
0.415
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5
間引き3
間引き2
間引き1
間引きなし
均斉度
背景・目的配光特性の
調査
照度分布の
シミュレーション
省エネ効果の
シミュレーションまとめ
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シミュレーション概要
空調照明シミュレーションソフトHLOADを用いて、
・照明改修による省エネルギー効果
・昼光利用を併用した場合の省エネルギー効果
を検証する
項目 設定値立地 東京天井高(m) 2.45床・壁・天井反射率
0.2/0.5/0.7
机上面高さ(m) 0.75
項目 設定値(太字は基準値)照明種類 蛍光灯/LED設定照度(lx) 400/600/800照明発光効率(lm/W) ※110/150/190
調光制御 ありブラインド 自動制御/全閉 /なし
ガラス品種透明単板/Low‐E複層/高性能熱反射
方位 西
基準設定 設定パラメータ
※蛍光灯は110のみ、LEDは110、150、190とした
背景・目的配光特性の
調査
照度分布の
シミュレーション
省エネ効果の
シミュレーションまとめ
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シミュレーション結果:ブラインド設定ごとの比較
• 合計負荷では自動制御よりブラインドなしが有利である• LEDの発光効率を上げていくと自動制御よりブラインド全閉が
有利となる
0.9
0.92
0.94
0.96
0.98
1
1.02
1.04
1.06
1.08
削減率
エネルギー削減率(冷房)
0.9
0.92
0.94
0.96
0.98
1
1.02
1.04
1.06
1.08
削減率
エネルギー削減率(暖房)
0.9
0.92
0.94
0.96
0.98
1
1.02
1.04
1.06
1.08
削減率
エネルギー削減率(照明)
0.99
0.992
0.994
0.996
0.998
1
1.002
1.004
削減率
エネルギー削減率(合計)
蛍光灯
LED110
LED150
LED190
背景・目的配光特性の
調査
照度分布の
シミュレーション
省エネ効果の
シミュレーションまとめ
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シミュレーション結果:ガラス品種ごとの比較
• LEDの場合、高性能熱反射は透明単板より不利となるが、発光効率を上げることで改善が見られる
0.9
0.92
0.94
0.96
0.98
1
1.02
1.04
1.06
1.08
削減率
エネルギー削減率(冷房)
0.9
0.92
0.94
0.96
0.98
1
1.02
1.04
1.06
1.08
削減率
エネルギー削減率(暖房)
0.9
0.92
0.94
0.96
0.98
1
1.02
1.04
1.06
1.08
削減率
エネルギー削減率(照明)
0.99
0.992
0.994
0.996
0.998
1
1.002
1.004
削減率
エネルギー削減率(合計)
蛍光灯
LED110
LED150
LED190
背景・目的配光特性の
調査
照度分布の
シミュレーション
省エネ効果の
シミュレーションまとめ
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シミュレーション結果:設定照度ごとの比較
• 蛍光灯の場合、設定照度を400lxにしても削減率が小さい
0.9
0.92
0.94
0.96
0.98
1
1.02
1.04
1.06
1.08
削減率
エネルギー削減率(冷房)
0.9
0.92
0.94
0.96
0.98
1
1.02
1.04
1.06
1.08
削減率
エネルギー削減率(暖房)
0.9
0.92
0.94
0.96
0.98
1
1.02
1.04
1.06
1.08
削減率
エネルギー削減率(合計)
蛍光灯
LED110
LED150
LED1900
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2
1.4
1.6
削減率
エネルギー削減率(照明)
背景・目的配光特性の
調査
照度分布の
シミュレーション
省エネ効果の
シミュレーションまとめ
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シミュレーション結果:設定照度ごとの比較
蛍光灯の調光下限値(最大出力の20%)の出現頻度を比較
• 設定照度400lxのとき調光下限値が87%を占める
下限値, 87%
調光制
御, 13%
調光制御状況(400lx)
下限値
調光制御
下限値, 8%
調光制
御, 92%
調光制御状況(600lx)
下限値
調光制御
下限値, 6%
調光制
御, 94%
調光制御状況(800lx)
下限値
調光制御
背景・目的配光特性の
調査
照度分布の
シミュレーション
省エネ効果の
シミュレーションまとめ
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まとめ
・蛍光灯とLEDの配光特性に大きな違いはなく、形成される照度分布にも差は見られない
・照明の間引きは局所的な照度の低下を招き、照度分布のムラを大きくする
・照明の間引き方によって室内光環境が変わる
・ガラス品種やブラインド設定によるエネルギー消費量の削減は、発光効率等の関係から必ずしも蛍光灯とLEDで同様の効果が得られるとは言えない
・蛍光灯の場合、調光下限値があるので設定照度を下げることが必ずしも省エネルギーに繫がるとは言えない
背景・目的配光特性の
調査
照度分布の
シミュレーション
省エネ効果の
シミュレーションまとめ