PFU Tech. Rev., 27, 1,pp.27-32 (10,2016) 27

組込み機器のIoT対応を支援する「EtherCATカード」"EtherCAT Card" That Helps Make the Embedded Device IoT-Compatible

北川雅一 *Masakazu Kitagawa

岡島正彦 **Masahiko Okajima

朝倉辰伸 **Tatsunobu Asakura

梅澤圭一 **Keiichi Umezawa

彦野厚志 ***Atsushi Hikono

* エンベデッドビジネスユニット　エンベデッドプロダクト事業部　第三技術部** エンベデッドビジネスユニット　エンベデッドプロダクト事業部　第四技術部*** PFUテクノコンサル株式会社　技術センター　技術開発プロジェクト

IoT 普及に伴い，組込み機器の IoT 化への対応として，EtherCAT カードを開発した．EtherCAT カードは

PFU の組込みコンピュータ AR シリーズのオプションカードであり，高速で高精度な EtherCAT 制御を特徴と

する．

The EtherCAT card is an option card for the PFU embedded computer AR series and

features the fast and high precision EtherCAT control. With the growing use of IoT, we have

developed the EtherCAT card that helps make the embedded device IoT-compatible.

1 まえがきPFU は，組込みコンピュータ AR シリーズ（以降，

AR シリーズ）を幅広いラインナップで製品化し，性能

や機能面だけではなく，高信頼性や長期供給などの市場

要求に応え続けてきた参１）．AR シリーズは，特に工作

機械や半導体製造装置の分野で多く利用されている．

近年それらの分野において工場内の産業機器など製造

に関わるすべてのものをインターネットに接続するとい

う Internet of Things（以降，IoT）が急速に拡大し

ている．これを実現するために注目を浴びている通信技

術の一つが EtherCAT注１）である．

PFU は業界の動向を踏まえ，この技術をいち早く導

入し，AR シリーズ専用オプションカードのラインナッ

プの一つとして EtherCAT カードを開発した．

2 開発の背景と狙い産業用オートメーションの現場では，高速ネットワー

ク通信を活用したセンサ情報の読み取り，サーボモー

タ注２）の制御など機械への制御伝達が不可欠である．一

方で，ドイツ発の新たな産業改革であるインダストリー

注１） EtherCAT® は，ドイツ Beckhoff Automation GmbH によりライセンスされた特許取得済み技術であり登録商標である．

注２） 電子制御により回転角度や回転速度を制御するモータ．

4.0 構想や，北米のインダストリアルインターネット構

想など，すべての機器をネットワークに接続する IoT

の潮流が産業分野にも拡大している．

これからは，いかにすべての機器をネットワークに接

続し，そこから得られるデータをどれだけうまく活用す

るかが，生産効率化や顧客満足度向上などの鍵となるた

め，ビジネスの発展にこれらの技術を取り入れることは

不可欠である．

PFU では IoT の活用に向けた様々な解決策を準備す

ることで，顧客システムの IoT に対応し，ビジネス発

展に寄与していくというミッションを掲げている．

これを実現するために，フィールドネットワーク製品

の開発を行うこととした．フィールドネットワークは産

業用ネットワークの一部で，コントローラがサーボモー

タなどの機器を制御するためのネットワークである．近

年，工場内の様々な機器の接続互換性向上を目指し，

フィールドネットワークについて，仕様が標準化され公

開されているオープン規格の採用が進んでいる．PFU

はその中でも，機器制御に求められる，高速で高精度な

制御を特長とする EtherCAT を採用することにした．

高性能，高品質，高信頼の「EtherCAT カード」の

開発及び提供により，AR シリーズを採用している幅広

い分野のお客様の製品開発をサポートする．

28

組込み機器の IoT 対応を支援する「EtherCATカード」

PFU Tech. Rev., 27, 1, (10,2016)

3 製品概要と特長3.1 概要「EtherCAT カード」は，AR シリーズ専用のオプショ

ンカードであり，AR シリーズの PCI Express スロッ

トに搭載することにより，高速で高精度な EtherCAT

制御が可能である．

EtherCAT には，ネットワークに接続されたスレー

ブを制御するマスタと，マスタから送られるデータを

読み取り，そのデータに従って処理を行うスレーブの 2

種類がある．PFU の EtherCAT カードはその両方に

対応しており，マスタまたはスレーブの機能を実装する

ことができる．

図-１に EtherCAT カードの外観，表-１に仕様概

要を示す．

3.2 特長（１） 高精度なサイクリック通信を実現

EtherCAT のマスタは，ネットワークに接続された

すべてのスレーブに対して，一定周期にデータを送受信

するサイクリック通信や非同期のメールボックス通信を

行う必要があり，その一周期にかかる時間であるサイク

ルタイムは一般的にミリ秒単位である．またマスタは，

サイクリック通信の間に，スレーブから受信した情報を

分析し，その結果を元にスレーブへの動作指示を決定す

る必要がある．さらに，EtherCAT のスレーブは，サ

イクリック通信を受信しながら，マスタからの動作指示

◆表 -１　EtherCATカードの仕様概要◆

機能 内容

ホストインターフェース PCIExpress × 1

EtherCATマスタ※１ マスタクラス MasterClassA 準拠

スレーブ最大数 65,535

外部インターフェース RJ45× 2，2色 LED× 4

ケーブル ケーブル長 最大100m

対応機種 AR2100モデル100J，AR2100モデル120K，AR2100モデル120L，AR2200モデル120K，AR2200モデル120L，AR4400モデル100H/200H，AR8300モデル300J/310J，AR8300モデル320H，AR8300モデル320K

対応OS※２ Windows7ProfessionalSP132bit 版 /64bit 版，WindowsEmbeddedStandard7SP132bit 版 /64bit 版，

Windows10IoTEnterprise64bit 版，WindowsServer®※３2008R264bit 版，WindowsServer201264bit 版，

RedHat※４EnterpriseLinux6.532bit 版 /64bit 版，RedHatEnterpriseLinux764bit 版，Ubuntu14.04LTS32bit 版 /64bit 版，Ubuntu15.1032bit 版 /64bit 版

※１ マスタカードのみ．※２ 対応機種により異なる．ドライバ及びサンプルコードを提供可能．※３ WindowsServer は，米国MicrosoftCorporation の，米国及びその他の国における登録商標または商標である．※４ RedHat は，RedHat,Inc. の米国及びその他の国における登録商標若しくは商標である．

◆図 -１　EtherCATカードの外観◆

（Fig.1-OutlookoftheEtherCATcard）

PFU Tech. Rev., 27, 1, (10,2016) 29

組込み機器の IoT 対応を支援する「EtherCATカード」

に従って処理を行う必要がある．

これらの EtherCAT 制御を AR シリーズの本体

CPU で実現しようとした場合，AR シリーズ上で同時

に動作しているアプリケーションの影響によって，安

定したタイミングで EtherCAT 制御を行うことは難し

いが，PFU の EtherCAT カードでは，EtherCAT 制

御専用の CPU を搭載し，カード上で EtherCAT 制御

ファームウェアを動作させることで，高精度なサイク

リック通信を実現することを可能とした．

表-２に他社ソフトウェアによる EtherCAT マスタ

における，100/250/1000 マイクロ秒のサイクリック

通信設定時のサイクルタイムのばらつきについての測定

結果を記載する．A 社は，ホスト CPU の性能や負荷の

影響を受けるため，100 マイクロ秒のサイクリック通

信を実現できておらず，ばらつきが大きい．また，B 社

も同様に，100/250 マイクロ秒のサイクリック通信を

実現できておらず，ばらつきが大きい．一方，PFU の

EtherCATカードは，EtherCAT制御用のCPUをカー

ド上に搭載しており，ホスト CPU の性能や負荷の影響

を受けておらず，100 マイクロ秒のサイクリック通信

を実現した上でばらつきが小さい安定した通信を実現し

ている．

これにより，産業機器において必要な，高速で高精度

のスレーブ制御を可能としている．

（２） ETG.1500 Class A 準拠による適用分野の拡大

ETG（EtherCAT Technology Group）注３）では，

EtherCAT のマスタに関して，標準機能である Class

A と，最小機能である Class B を定義している．PFU

の EtherCAT カードでは，前者の Class A に準拠す

注３） EtherCAT 技術の開発のサポートと普及を推進する国際組織．

ることで Class B ではサポートされていない機能をサ

ポートしている．このため，例えば複数のサーボモータ

を正確に同時に動作させる必要がある場合には，Class

B にはない DC（Distributed Clocks）機能注４）を使う

ことができるため，高精度が要求される産業機器の分野

にも適応できる．

（３） EtherCAT SDK 提供によるお客様ソフトウェア

開発工数削減

PFU では，EtherCAT カードの提供に加え，その

取扱いを容易にするためのソフトウェア開発環境（以下，

EtherCAT SDK）を準備している．例えば，お客様が

スレーブを新規に追加するといった，EtherCAT 環境

の変更を行う場合，新規追加するスレーブの情報や，こ

のスレーブを制御するためのプログラムを追加，変更す

る制御が必要となるが，これを支援するものとなる．

EtherCAT SDK は，お客様自身が EtherCAT 制御

のために必要なプログラムをひとまとめにすることによ

り，お客様が開発したアプリケーションから，表-３に

示す EtherCAT SDK の関数を呼び出すだけで，ファー

ムウェアを変更することなく簡単に EtherCAT 制御を

行うことができる（図-２参照）．

お客様は EtherCAT SDK を使うことで，お客様の

製品仕様の変更によるスレーブ機器の追加や削除，生産

終息に伴うスレーブ機器の変更などに，お客様のアプリ

ケーションだけを変更すれば対応できるようになるた

め，開発期間や汎用性という点で有効である．また，お

客様のシステムに EtherCAT を新規採用する場合や，

他フィールドバス注５）からEtherCATへ移行する場合に

おいても，EtherCAT の各種機能を EtherCAT SDK

の関数を呼び出すだけで簡単に実現できるため，お客様

のソフトウェア開発工数削減が可能である．

（４） 高信頼性機能

EtherCAT はケーブルで接続するため，スレーブの

接続台数が増えると，それに比例してケーブルの切断や

抜けなどの異常やスレーブ故障が増えるおそれがある．

産業機器分野ではこのような異常が発生した場合でも，

運用を続けられることが求められる．また，異常が発生

した場合にいかに早く異常を検知して，復旧までの時間

を短くするかも課題となる．

これらを解決するために，PFU の EtherCAT カード

はケーブル二重化とホットコネクト機能を持っている．

注４） EtherCAT のマスタと各スレーブ間で時刻情報を共有する 機能．モータなどの軸間の多軸同期処理が必要な場合に必要な機能．

注５） 工場内の機器と制御システムの間で行うデジタル通信の規格．

◆表 -２　サイクルタイムの他社との比較◆

マスタサイクルタイム（µs）

100 250 1000

PFU Max 108.41 257.73 1006.75

Ave 100.042 250.047 1000.068

Min 93.12 242.48 992.59

A社 Max 260.56 1009.42

Ave 249.996 999.987

Min 241.08 992.14

B社 Max 未サポート 2459.75

Ave 981.047

Min 8.04

30

組込み機器の IoT 対応を支援する「EtherCATカード」

PFU Tech. Rev., 27, 1, (10,2016)

ケーブル二重化は，通信経路やスレーブ故障による

ネットワーク全体のダウンを防止するための機能であ

る．基本的な EtherCAT のネットワークトポロジーは

図-３の上側のようなライン型であるが，ライン型では

通信経路やスレーブ故障が発生すると，ネットワーク全

体がダウンとなる．

これを，図 - ３の下側のようなリング型とすることで，

通信経路やスレーブ故障が発生しても，もう一方の経路

で動作を継続することが可能になる．

ホットコネクトは，EtherCAT 稼働中にスレーブの接

続または取外しを行ったり，スレーブの追加を行ったり

することが可能になる機能である．一般的にスレーブ故

障が発生した場合，一度マスタの動作を停止させて故障

したスレーブを交換し，再度マスタの動作を開始させる

必要があるが，図-４のようにマスタを稼働させたまま

スレーブ交換が可能になり，ダウンタイムが短縮できる．

◆表 -３　ライブラリ関数一覧（一部抜粋）◆

No 分類 ライブラリ関数 機能概要

1 マスタ設定 PFUEC_InitMaster() マスタ初期化

2 PFUEC_MasterConfig() マスタコンフィグ

3 PFUEC_GetMasterState() マスタ状態取得

4 PFUEC_SetMasterState() マスタ状態設定

5 PFUEC_ExitMaster() マスタ終了

6 スレーブ情報取得 PFUEC_GetSlaveNum() 現在の接続スレーブ数取得

7 PFUEC_GetSlaveInfoTable() スレーブ一覧取得

8 PFUEC_GetENI_SlaveInfo() ENI コンフィグ情報取得

9 PFUEC_GetBus_SlaveInfo() バス情報取得

10 プロセスデータ通信制御 PFUEC_GetPDO_Data() プロセスデータ通信（PDO）データ取得

11 PFUEC_SetPDO_Data() プロセスデータ通信（PDO）データ設定

12 PFUEC_GetProcessData() プロセスデータ通信（PDO）データ取得

13 PFUEC_SetProcessData() プロセスデータ通信（PDO）データ設定

14 メールボックス通信制御 PFUEC_ReceiveSdoReq() メールボックス（SDO）通信の受信要求

15 PFUEC_SendSdoReq() メールボックス（SDO）通信の送信要求

16 PFUEC_GetReceiveSdoState() メールボックス（SDO）通信の受信状態取得

17 PFUEC_GetSendSdoState() メールボックス（SDO）通信の送信状態取得

18 メッセージ検出 PFUEC_GetNotifyNum() Notification 数取得

19 PFUEC_GetNotifyInfo() Notification 情報取得

20 PFUEC_SetNotifyEnable() Notification 有効／無効設定

21 PFUEC_GetNotifyEnable() Notification 設定値取得

22 PFUEC_SetMaskCycNotify() Notification マスク設定

23 PFUEC_GetMaskCycNotify() Notification マスク設定取得

24 PFUEC_MaskCycNotifyClear() Notification 再検出

◆図 -２　EtherCATSDKを利用する場合のソフトウェア構成◆

（Fig.2-SoftwarestructurefortheEtherCATSDK）

ＡＲシリーズ

お客様アプリケーション

ＥｔｈｅｒＣＡＴ ＳＤＫ

ＥｔｈｅｒＣＡＴ制御ファームウェア

ＥｔｈｅｒＣＡＴカード

ＦＰＧＡ ＬＡＮ

通信ドライバ

ＥｔｈｅｒＣＡＴ ＳＤＫを呼び出すことで，ＥｔｈｅｒＣＡＴ制御が可能

PFU Tech. Rev., 27, 1, (10,2016) 31

組込み機器の IoT 対応を支援する「EtherCATカード」

4 製品開発のポイントEtherCAT カードを開発する上で以下の取り組みを

行っている．

4.1 柔軟なカスタマイズ対応ドライバや EtherCAT SDK は，自社設計であり，

様々な OS に対応したものを提供する．これにより，

お客様が既に持っているソフトウェア資産を流用できる

範囲が広がり，お客様は，EtherCAT への移行がスムー

ズにできる．

さらに，ファームウェアや FPGA注６）も自社設計のた

め，お客様の製品のアプリケーションインターフェース

に合わせてオプション機能の追加など様々なカスタマイ

ズが可能である．これにより，アプリケーション資産の

変更を最小限にすることができる．そのうえ，お客様製

品の独自機能をファームウェアや FPGA などに組み込

注６） プログラミングにより内部回路を変更可能な集積回路．

むことで，お客様の製品の付加価値向上を実現すること

ができる．

図-５にカスタマイズ例を示す．

4.2 安心の技術サポートと長期供給ハードウェア及びソフトウェアをトータルで自社設計

することで内部の仕様を詳細に理解できているため，万

が一問題が発生しても PFU のエンジニアが迅速に対応

し早期解決に導くことができる．また，日々徹底した真

因の究明に取り組んでおり，改善を行うことで高い品質

の製品を提供することができる．

AR シリーズを含めすべて自社製造のため，お客様の

製品ライフサイクルに合わせて安定した品質で長期の供

給が可能である．

5 活用事例5.1 産業機器図-６で示すように，産業機器では，加工物を搭載し

た案内面と，加工を行うための工具を，それぞれ動作さ

せる必要があり，これには多くのサーボモータが使用さ

れる．また，これらの作業に多関節ロボットが使われる

場合もあるが，このロボットにも多くのサーボモータが

使用される．さらに，これらの装置には，加工物の位置

決めや検査を行うための画像判別センサ，装置内部を流

れる液体の流量や圧力を測定するための流量センサや圧

力センサ，装置の状態を監視するための温度センサなど，

大量のセンサ類が使用される．これらの装置では，こ

◆図 -３　ケーブル二重化◆

（Fig.3-Cableduplexing）

◆図 -４　ホットコネクト◆

（Fig.4-HotConnectfeature）

◆図 -５　カスタマイズ例◆

（Fig.5-Customizedexample）

スレーブのリング接続によりケーブル二重化が可能（信頼性向上）

ケーブル故障によりスレーブ切離し

ケーブル故障でも，スレーブ動作可能

使用不可

継続使用可

ケーブル二重化搭載

スレーブ スレーブスレーブ

スレーブ スレーブスレーブ

稼働中のスレーブ交換が可能（ダウンタイム短縮）

スレーブ交換時，マスター停止

スレーブ交換時，マスター停止不要

スレーブ交換

スレーブ交換

マスター停止必要

マスター停止不要

スレーブ スレーブスレーブ

スレーブ スレーブ

スレーブ

スレーブスレーブ

ホットコネクト搭載

ＡＲシリーズ

お客様アプリケーション

ＥｔｈｅｒＣＡＴ ＳＤＫ

ＥｔｈｅｒＣＡＴ制御ファームウェア

ＥｔｈｅｒＣＡＴカード

ＦＰＧＡ ＬＡＮ

通信ドライバ

インターフェース変更によるお客様アプリケーション資産の有効活用

各種OSにも柔軟に対応

お客様が開発したアプリケーションに合わせたカスタマイズ

32

組込み機器の IoT 対応を支援する「EtherCATカード」

PFU Tech. Rev., 27, 1, (10,2016)

のサーボモータや各種センサ類を高速で高精度に制御及

び監視をすることで，安全で大量に生産を行うことがで

きる．

これらの装置に，EtherCAT カードを搭載した AR

シリーズを使用した場合，AR シリーズ 1 台ですべて

のサーボモータや各種センサ類のスレーブ制御及び監視

を，従来のフィールドバスよりも高速で高精度に行える

ため，装置当たりのコスト削減や，生産数や品質の向上

が可能になる．また，センサからの異常通知を検知した

時は，高速に装置停止などの対応が可能となるため，安

全性も向上する．

5.2 IoT としての活用の支援今回 PFU が開発した EtherCAT カードを活用する

ことで，複数台の産業機器の制御及び監視を行い，得ら

れた情報をサーバ側 SCADA注７）に集約，さらにクラウ

ドを含めた上位ネットワークに情報転送し，リモート保

守や予防保守を行うという IoT としての活用も可能と

なる．

図-７に IoT 活用事例構成図を示す．

6 むすび「EtherCAT カード」は，PFU の組込みコンピュー

タ AR シリーズの機能を拡張するオプションカードと

し，高速で高精度の EtherCAT 制御を実現した．また，

PFU のハードウェア及びソフトウェアの技術により，

ホスト CPU の負荷軽減の実現，アプリケーション作成

を支援する SDK の準備など開発支援も行っている．

今後は，EtherCAT カードの特長を活かし内蔵ファー

ムウェアの変更による EtherCAT 以外のフィールドバ

ス規格への対応も進め，更なるオプションカード製品の

ラインナップ拡大を図っていく．

参考文献参１） 組込みコンピュータ ホームページ

http://www.pfu.fujitsu.com/prodes/product/ar/

注７） 製造の現場に対して監視や制御を行う産業制御システム．

◆図 -７　IoT活用事例構成図◆

（Fig.7-CaseexamplefortheutilizationofIoT）

◆図 -６　産業機器◆

（Fig.6-Industrialequipment）

多関節ロボット

多数のセンサやサーボモータを高速かつ高精度に制御可能

サーボモータ

各種センサ

加工物 案内面

クラウド

サーバ／ゲートウェイ

ＳＣＡＤＡ

データ分析・活用システム連携予防保守

エッジコンピュータ

蓄積・可視化危機管理

データ収集機器制御

エッジセンサ ＥｔｈｅｒＣＡＴ