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LETOV社、 PAM-FORMの採用により 2種類のコンポーネントから高機能な 航空機用小型接合部品の開発に成功 統合GUI環境に対応した溶接解析 ソフト Visual-Weld 歪み・応力 解析の高速化と最適化を実現 特集 高速ダイフェース設計 : End-to-End 仮想試作への一歩 issue 39 | spring / summer 2010 The Virtual Prototyping Magazine

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The virtual prototyping magazine

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LETOV社、PAM-FORMの採用により2種類のコンポーネントから高機能な 航空機用小型接合部品の開発に成功

統合GUI環境に対応した溶接解析ソフト Visual-Weld 歪み・応力解析の高速化と最適化を実現

特集高速ダイフェース設計: End-to-End 仮想試作への一歩

issue 39 | spring / summer 2010

The Virtual Prototyping Magazine

#39 2010年 春/夏号 3

仮想製造は、製造中に発生しうる重大な問題を予防し解決するのに役立つことから、製造業で非常に有力な存在になりました。実際に、既存のコンピュータ支援エンジニアリング /設計 /製造システムの多くは、特定の製造工程や試験手順に特化しているため、これは使いやすく、不可欠なものとなっています。

しかし、こうしたシステムは、それを強力なツールとならしめた幾つかの理由によって、限界に達しつつあります。専用ツールとして作られているために、次の段階である、全ての製造工程を統合する End-to-Endの仮想試作への移行が難しいのです。生産された部品や構成要素の性能は、それらの加工履歴に依存します。プレス部品は板厚のばらつきを持ち、応力とひずみは溶接工程に受け渡されて更に変化し、最終的には部品性能を変えてしまいます。このため、正確な End-to-Endの仮想試作のためには、全ての加工工程を考慮する必要があります。End-to-Endの仮想試作の主な長所と差別化点は、全ての製造工程の影響のコンカレント・エンジニアリングを可能にし、生産性の評価でけでなく、シミュレーション対象モデルの性能の向上も行えます。

鋼板プレス成形においては、製品ライフサイクル管理とCADシステムにシミュレーションを統合する傾向があります。以前のプロセスは、急ごしらえのダイフェース設計に基づき早期の実現可能性調査を行うもので、関連する技術的アップデートはできませんでした。新製品の設計段階全体にわたって、一つの部品が例によって何度も設計変更と調整を経るわけで、必然的に新たな実現可能性試験を伴います。この最近の傾向に対応するために、ESIでは、CATIA環境に直接統合された高速かつ総合的なダイフェース設計ソフトウェア PAM-DIEMAKER for CATIA V5を用意しています。

鋼板プレス成形に関するお客様は、全ての金型設計製造技術にわたる連続的なテータの流れと、製品ライフサイクル管理の中で繰り返えされる設計の保守を実現する一方で、シミュレーションによる迅速な実現可能性評価を提供する、ソリューションによって恩恵を受ける事ができます。

編集後記目次

本誌はESI Groupにより年2回発行されています。編集責任者: Amy de Rouvray編集長: Elise Lavoue - [email protected]

ESI Group MarketingPARC DʼAFFAIRES SILIC99 RUE DES SOLETS - BP 8011294513 Rungis Cedex - FRANCETel: +33 (0) 1 41 73 58 00 - Fax: +33 (0) 1 46 87 72 02www.esi-group.com - [email protected]

デザイン: Agence TETRAKTYSISSN 2105-1739印刷: RIVET PRESSE EDITION24, rue Claude-Henri-Gorceix - 87022 LimogesDépôt légal: Mai 2010

登録商標権に関する格段の記述がない限り、すべてのPAM-およびSYS-製品名、ESIのポートフォリオに属するその他の製品は、ESI Groupの商標名または商標です。その他すべての商標は、それぞれの所有者に帰属します。本誌記事に含まれているすべての文章および画像の著作権は、それぞれのアプリケーションおよびシミュレーションの内容をご提供いただいた各企業に帰属します。

写真提供: Tower Automotive, Seat, J. Walter Miller Company, Europea Microfusioni Aerospaziali, Renault, Dongfeng Motor Corporation, Ford, Tecnalia-Labein, Letov, International Automotive Components, Piaggio Aero Industries, University of WestBohemia.

G/RO/10.58-A

04 特集 ・ 高速ダイフェース設計 : End-to-End仮想試作への一歩

07 お客様成功事例 ・ J. Walter Miller社、鋳物大型化への技術移行を支援する

QuikCASTを採用

・ Europea Microfusioni Aerospaziali社、鋳造シミュレーションでノズルガイドベーンブレードを最適化

・ Renault Mégane III、Virtual Performance Solutionにより EuroNCAPの 5つ星を獲得

・ Dongfeng Motor社、Virtual Performance Solutionを活用して Fengshen S30を検証

・ Ford Motor社、人体モデルに PAM-CRASHを採用

・ Tecnalia-Labein社、熱間成形部品の設計に PAM-STAMP 2Gを採用

・ IAC社、自動車コンポーネントのシミュレーションとレポート作成プロセスを Visual-Processで効率化

・ LETOV社、PAM-FORMの採用により2種類のコンポーネントから高機能な航空機用小型接合部品の開発に成功

17 パートナー情報 ・ ESI、複合材研究開発プロジェクトに貢献

・ ESI、学生 Formula SAEレーシングチーム Pilsenを支援

19 製品ニュース ・ Virtual Performance Solution アカデミックパッケージ

・ ESI、振動 -音響解析ソフトウェアの最新版を発表 VA One V2009

・ 統合GUI環境に対応した溶接解析ソフト Visual-Weld歪み応力解析の高速化と最適化を実現

21 コーポレートニュース ・ Oracle Partners Innovation 2009誌で VisualDSSの特集を

掲載 ・ PROCESSWorksのアカデミックツールとしての価値を認定 ・ Upcoming Expert Seminars ・ Save the date! ・ 2010 ESI Global Forum 盛況のうちに終了致しました。 ・ ファイナンス情報

Harald Porzner Martin SkrikerudESI Group、Virtual Manufacturing 製品担当

esi talk4

高速ダイフェース設計 : End-to-End 仮想試作への一歩

PAM-DIEMAKER for CATIA V5とは ?PAM-DIEMAKER for CATIA V5は、CATIA PLM環境内の専用ワークベンチであり、CATIA V5内で直接、迅速な金型設計かできるという、業態に則したソリューションを提供します。このアプリケーションを使用すると、

PAM-DIEMAKER for CATIA V5は、ネイティブ CADの面品質、そして高速ダイフェース設計の利便性とスピードを兼ね備えています。

従来、ダイフェース設計は、試行錯誤による時間のかかる作業であり、しばしば生産の遅れの原因となっていました。過去数十年の間に数値シミュレーションが導入され、そういったリスクは著しく軽減され、試作時間も短縮されました。とはいえ、作業が複雑なため、実現可能性調査が実施できる金型の設計案を技術者が作成する場合は依然として多くあります。金型の原案に基づいて適正な設計ができれば、品質を向上させるためにダイフェース設計を繰り返し、シミュレーションで設計を検証する必要がありました。検証が終わると、CADベースの最終的なダイフェース設計を実施できました。このプロセスでは、精度のレベルが異なる同じ金型を 3回設計

することになりました。また、シミュレーションに使用された金型が、実際に加工に使用される金型と異なる可能性も存在しました。つまり、試作は予想外の悪い結果をもたらす可能性があるということです。

PAM-DIEMAKER for CATIA V5では新しいアプローチを採用し、技術者は CATIA PLM環境内部でダイフェース設計全体を実施できます。加工に使用されるのとまったく同じツールをベースにシミュレーションを検証するため、試作の段階で困難に遭遇するリスクは、かなり低下します。

特 集 D I E F A C E D E S I G N

PAM- DIEMAKER for CATIA V5をベースにした新しいワークフロー(下)は、時間を節約できることを明確に示しています。

金型設計者は、自然な金型面形状設計プロセスに従って、金型設計と工程の要件を織り込め、効率が向上します。また、この専用ソリューションは、部品の下準備、ブランクホルダ展開、余肉に対するガイドやサポートを提供します。

PAM-DIEMAKER for CATIA V5を使用した典型的なワークフロー。部品(1)、ブランクホルダー設計(2)、余肉表面(3)、ソリッドモデルへのエクスポート(4)3 421

#39 2010年 春/夏号 5

金型市場においての挑戦は?

「他の多くの領域と同じように、金型設計領域も、経済危機の影響を受けています。そのため、品質で妥協することなく時間とコストを節約したい、という要望が強くなっています。ダイフェース設計の過程では、多くの場合、設計は何度も変更されます。そして、プロセスが進むにつれ自動化が行われていないケースが目立ちます。つまり、多くの修正を人の手でやっているわけです。

実際には、原価見積もりや実現可能性の段階で大部分を自動化できますが、最終的なダイフェース設計では、細部や曲面精度をより一層考慮する必要があり、自動化できません。ユーザーは、その作業に特化した機能やワークフローを備えていない一般的な CAD環境しか利用できません。このため、実際にはダイフェースの設計を 2回行わなければならないことが多いのです。たいていは、CAE環境でプロトタイピング用に 1回、CAD環境で生産用に 1回行われます。

さらには、CAEベースのダイフェース設計の多くは、最終金型加工に使用できないので、CAD環境で再設計する必要があります。これらの制限や難問をすべて考慮すると、時間とコストの節約は簡単ではありません」

PAM-DIEMAKER for CATIA V5は の特長は?

「PAM-DIEMAKER for CATIA V5は、各ステップに必要な曲面品質と機能を提供することで、ダイフェース設計過程の諸段階間でのデータの転送と一貫性を可能にします。時間のかかる形状の複製を避けることによって、相当な時間が節約できます。さらには、高速かつ効率的にダイフェース

設計過程の全段階をサポートできるので、高価な内製ダイフェース設計ソリューションを CAE環境で用意する必要がなくなります。

現在利用可能なほとんどのダイフェース設計ソリューションは、パラメトリック2Dプロフィールを利用します。これは、余肉の形状を作るには非常に高速で効率的な方法です。しかし、複雑な形状を作ろうとすると、必要なものができない場合が多く、ユーザーは妥協するか、CAD環境でダイ設計(一部)をモデル化する必要があります。PAM-DIEMAKER for CATIA V5は非常に柔軟です。2Dプロフィールによるアプローチに基づいて、特定の形状が必要なときに、利用可能な CATIA V5(表面)機能をすべて使用して、必要な形状を作れます」

全体としての、仮想製造の今後および 戦略的な重要性は?

「世界は変化に満ちていて、その中には気候の変動など製造業に負担となるものもあります。したがって、業界では、常に変化する要件や期待に対応するため、新しいアイデアや製造手法、材料を絶えず見つけ出す必要があります。『新しい』ということは、実用前に試験や検証が必要になるということです。新しいアイディアのテストは、一般的で、定期的に行われる作業です。

仮想製造では、この「テスト」を高速かつ効率的に行え、なおかつ資源を節約することを可能にします。したがって、あるものを作る前に、仮想製造によって適切なイノベーションを選択できるわけです。

仮想製造を支援するための統合化した総合的な環境を構築する、といった構想は、今や PAM-DIEMAKER for CATIA V5などの登場により、高度な段階に入りました。すでに進行中の次のステップでは、製造から性能試験、製品の提供までの全てを連鎖した End-to-Endの仮想試作を本格的に実現します」

Mark Vrolijk金型設計担当プロダクトマネージャー

3 questions for…

F R O M P A R T D A T A . . . . . . T O F I N A L T O O L .

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タワーオートモーティブ・ブラジルは、自動車用金属構造部品と組み立てにおいて世界屈指の独立系サプライヤーである、Tower Automotiveの傘下にある企業です。ここでは、PAM-DIEMAKER for CATIA V5を使用して、技術センターでのダイフェース設計の高速化と表面品質を実現しています。

「ソフトウェアツール PAM-DIEMAKER for CATIA V5は、開発プロセスの全段階において単一環境で全作業を実施できます。正確なブランク材寸予測と成形シミュレーションにより、コスト予測分析のスピードを向上できました。品質の保証に納得のいく説明ができるので、クライアントに提案する際に、競争力が増しました。」

Vladimir B. Ferreira Jr.

タワーオートモーティブ・ブラジル技術センター

特 集

セアト社のプロトタイプ開発センター(CPD)は、バルセロナの近郊、マルトレルのスペインの自動車会社の製造工場内にあります。同センターは、スペインの産業界で屈指の先進性を誇り、Volkswagenグループ内で象徴的な存在となっています。ここに、量産前の車両から量産まで、仮想および実物の試作の開発に関連する作業がすべて 1か所に集められています。

「PAM-DIEMAKER for CATIA V5などの、CATIA V5に統合されるツールの発売により、ダイフェース設計の迅速で正確な開発が可能になりました。適切な形状変更ができ、さらに CATIA内での加工にこれらのアドバンテージを同時に利用することができるので、SEATのプロトタイプ開発センター(CPD)にとってはとても貴重です。

これは、設計の最終品質だけでなく生産性の点でも大きな利点となり、全プロセス段階において共通の環境で作業ができます」

Javier Diaz Martinez,

セアト社プロトタイプ開発センター(CPD)マネージャー.

PAM-DIEMAKER for CATIA V5は、幅広いテストにより、ダイフェース設計に極めて有効なツールであることが実証されています。

sheet metal forming

Come meet the experts on Rapid Die Face Design with PAM-DIEMAKER for CATIA V5

For registration & exact locations, please visit:

FREE

SEMINAR

Rapid Die Face Design Roadshow 2010 locations & dates:

Zamudio, Spain - May 27, 2010 Milan, Italy - June 10, 2010 Shanghai, China - July 2, 2010

Rungis, France - June 9, 2010 Erfurt, Germany - June 24, 2010 Seoul, Korea - July 6, 2010

Beijing, China - June 30, 2010

www.esi-group.com/die-design-roadshow

#39 2010年 春/夏号 7

お客様成功事例

J. Walter Miller社、鋳物大型化への技術移行を支援するQuikCASTを採用

QuikCASTを採用し、複雑な鋳物を完全に再構成。試行錯誤を繰り返し 12週間かかっていた作業を 2週間に短縮化し、コストも最小化。

J. Walter Miller社(JWMC)社はこれまで小型の鋳物に特化していましたが、マッチプレート造形機の DI SA Match 130を購入したことにより、大型化を進めています。手作業で行っていた生型スクイーズ造形を全自動の成形機で行い、技術的に大きな進歩を遂げましたが、この新し機械で運用するためには、各加圧パターンを変換する必要がありました。

無鉛ポンプコンポーネントを製造する鋳造工場において、鋳物に重く薄い部分があるインペラーは難題です。実際、顧客の施設で加工すると、JWMCのインペラー鋳物はハブに収縮ポロシティや空隙が見られました。そこで、ハブの押し湯を再設計する必要がありました。

QuikCASTソフトウェアを使用する前は、初期設計でハブにコアを追加して、凝固の間にハブに供給する必要がある溶湯量を減らし、ボーリング後の欠陥をなくしていました。しかし、新しい欠陥が、鋳物のウェアリング部分に出現し始めました。

この時、JWMCは、このいらだたしい新しい欠陥の原因を究明するために、QuikCAST

凝固ソフトウェアの使用を検討することにしました。この結果、加工の間の縮みをなくす新しい設計形状を発見することができました。QuikCASTによって JWMCは、パターンの再構成に必要な繰り返し回数の削減、完成した鋳物のポロシティの削減、歩留まり改善機会の検討ができました。さらに、

JWMCの顧客では加工工程での不良品が劇的に減少し、顧客と JWMCの両方における大幅なコスト削減に貢献しました。

J. WALTER MILER社について

J. Walter Miller社は、1887年以来、防火、ポンプ、バルブ業界向けに真鍮と青銅の鋳物を製造してきました。JWMCは、無鉛合金鋳造のリーダーであり、その設計サービスとパターンショップを通じて、顧客の有鉛鋳物から無鉛鋳物への切り換えを支援しています。

www.jwaltermiller.com

詳細は以下をご覧ください。 www.esi-group.com/casting/quikcast左: 初期設計でのハブ部分の収縮欠陥

右: 収縮割れのないハブ

「真鍮や青銅合金のシミュレーション用に最も広範な機能を備えているので、QuikCASTを選びました。QuikCASTは非常に強力なシミュレーションツールです」

J. Walter Miller社品質管理エンジニア

Dan Rudolph氏

「従来の試行錯誤による方法では、この問題を解決するのに、パターンの変更に約 12週間と 6,000ドル、さらには加工のための無数の時間が必要でした。QuikCASTでは、同様の問題を 2週間で解決し、最初から良いパターンを作り出すことができます。これまで約 20個の部品でシミュレーションを使用しましたが、シミュレーション結果は、実際に工場で目にする様子とほぼ同じです」と

J. Walter Miller社の品質管理エンジニア

Dan Rudolph氏は述べています。

左 : 非開放押湯、中子方案-ウェアリングに 収縮欠陥あり。

右 : 解放押湯、むく方案-ウェアリングに 収縮欠陥なし。

casting

esi talk8

Europea Microfusioni Aerospaziali社、鋳造シミュレーションでノズルガイドベーンブレードを最適化

お客様成功事例

EMAは、設計過程の初期段階で ESIのソフトウェアを使用し、時間とコストを節約しながら、 歩留まりの改善やプロセス制御の向上を実現しています。

過去 20年間にわたる専用技術の開発のおかげで、ESIのソフトウェアを使ったインベストメント鋳造モデリングは信頼性が高く効率的になり、ジェットエンジン用のタービンブレードなどの安全コンポーネントを最適化できます。ソリューションには、専用の超合金材料データベースとセラミックス材料物性値が含まれ、非常に正確な予測を可能にします。

ここに示すEuropea Microfusioni Aerospaziali (EMA)の研究は、コアを含む 3つの翼形を持つ、ステータータイプのノズルガイドベーン(NGV)に関するものです。ESIのソフトウェアを使用し、約 103の実現可能性の仮説をカバーする複数の独立変数を使って実験計画法(DoE)を実行しました。

ESIのソフトウェアは自動最適化ツールで使用できます。実際、ESIのシミュレーションツールでは、定義された制約条件に反することなくポロシティを最小化する、などの目標を定義した後にDoEを自動的に実行できます。このモジュールでは、プロセスの安定性を制御するために設計のロバスト性分析が可能です。

これらのシミュレーションから、バッチモード(コマンドラインプログラム)で約 30のモデルを自動実行しました(図 2)。

予熱段階予熱段階には、注湯する前のシェルへの予備加熱が含まれます。最終的な部品の品質に大きく影響するので、この段階は重要です。予熱温度や伝熱損失は基本であり、したがって、DoEパラメーターレベルを適用します。前者は、予熱サイクルの終わりにシェルが達する温度です。後者は、シェルが予熱炉から取り出され注湯段階が始まるまでの経過時間です。

図 3は、シェルの温度分布で、特に重要な部分となる前縁(LE)、後縁(TE)、コアの断面を示しています。

注湯段階注湯段階は、インベストメント鋳造法プロセスで次に重要なステップです。速度プロフィール、注湯角度、および注湯時間は、コンポーネントの品質(収縮ポロシティ、局所的な結晶サイズなど)に影響を及ぼします。

通常、モデル化された DoEでは、注湯の間の固相率や熱流だけでなく、熱プロフィールおよび流体力学プロフィールも考慮に入れることが重要です。充填段階は、指向性凝固組織(DSX)と比べて、等軸コンポーネント(グレイン形成)にとって特に重要です。したがって、少なくとも上記の数個のパラメーターについてDoE研究の対象となります。

「適切なツールがあれば、超合金鋳造物の非常に複雑な問題に対して迅速で最適なソリューションを簡単に得ることができます。ESIのソフトウェアには、その能力があります」

EMA Rolls-Royce社プロセスモデリング担当Ciro Caramiello博士

図1: 凝固時間

casting

#39 2010年 春/夏号 9

凝固段階凝固段階の研究が DoE分析の締めくくりとなります。一般に、冷却速度、局所凝固時間、および収縮ポロシティ予測が分析されます。ただし、結晶粒やフレッケルの予測(SX)などの先進の冶金分析も可能であり、鋳放し部品の品質および仕様をより直接的に判断します。

結論として、DoE分析の一般的な目的は、パレート最適性を達成することです。これは、たとえば粒状組織など、別の変数のパフォーマンスに悪影響を及ぼさずに、ポロシティなどの従属変数の変更ができない状態です。

これを満たすには、次の 2つの条件を満たす必要があります。

1) パレート最適解を識別しなければならない(たとえば、ポロシティについてのみ性能を最大化する)

2) プロセスが安定していなければならない (設計のロバスト性)

鋳造プロセスのモデル化は、テスト領域においては非常に複雑な作業です。おそらく100を超える変数によって規定されます。最適化ツールを使用する利点は明らかです。プロセスでのランダムな変動による鋳造不良リスクを評価するだけでなく、最適なプロセスパラメーターを発見するのに役立ちます。

EUROPEA MICROFUSIONI AEROSPAZIALI(EMA)社について

イタリアにあるEMAは、民間・国防航空宇宙、船舶、エネルギー産業に特化したコンポーネントの生産を行う、世界有数のインベストメント鋳造企業です。等軸、指向性凝固、および単結晶テクノロジーを活用して、超合金コンポーネントを製造することができます。EMAは Rolls-Royce社が所有する企業で、革新的で業界最先端のメソッドを開発し、強化するRolls-Royce社のノウハウを引き継いでいます。

www.emaht.com

詳細は以下をご覧ください。 www.esi-group.com/casting

図2: パラメーターと各レベルを示すテスト領域

図5: 等温線と固相率

図3: 注湯開始直前の等温線図

図4: 充填パターン温度場

図 6: 最終的な収縮ポロシティ予測 による健全な部品。

必要なポロシティが押し湯系に残る。

ラップ技術

アセンブリ形状

注湯温度

予熱温度

パラメーター空間Oでの最適解の集合(103)

モールド厚さ

充填重量

esi talk10

Renault Mégane III、 Virtual Performance Solutionにより EuroNCAPの 5つ星を獲得

お客様成功事例

新型の Renault Mégane IIIは、満点の 37 点を獲得し、EuroNCAP の衝突試験で五つ星を受賞しました。

Renault社は衝突シミュレーションに 2001年から Virtual Performance Solution/PAM-CRASHの使用を始めました。過去数年、Laguna III や Scenic などの Renault 社の自動車モデルは、PAM-CRASH を使用したシミュレーションで検証を行って来ました。その結果、いずれも EuroNCAP で五つ星を獲得する優れた成果を挙げました。

2009年 11月にヨーロッパで発売された、新しいデザインと主要機能の強化がなされた新型 Renault Mégane(Mégane III としても知られている)はすぐれた衝突安全性を持っています。EuroNCAPの衝突実験で 5つ星を獲得しました。PAM-CRASHで得られたシミュレーション結果により前面衝突試験において最高得点を得ました。

験の適用範囲は、Body-In-White(車体骨格構造)のモデル化、衝突解析、およびスポット溶接のモデル化に及びました。また、これらの適用範囲には、PAM-SAFE による安全シミュレーションも行われました。PAM-SAFE は、ESI が提供する Virtual Performance Solution に含まれる、乗員安全解析のためのアプリケーションで、エアバッグの展開、ベルトのプリテンショナー、乗員が乗車した状態での挙動などを解析します。

Renault 社が Mégane III の開発で取り組んだ重要な側面の 1つに、二酸化炭素排出量の削減があります。この目標を達成するために、Body-In-White(車体骨格構造)の軽量化を実現しなければなりませんでした。ボディ・イン・ホワイト(車体骨格構造)のスチール部分を最適化することで、Mégane III の軽量化に成功し、車の耐久性を同レベルに維持しながら、全体的な二酸化炭素の排出削減に寄与しました。

「プロジェクトの開発工程において、シミュレーションは重要な要素です。」 と、 Renault グルー

Mégane III でこの高得点を獲得したことは、EuroNCA で過去に五つ星を 11 個も獲得した唯一の自動車メーカーとして Renault 社の転機となります。

Renault 社は、あらゆる実機による試作試験の前に、仮想プロトタイピングを信頼して、Mégane III 自動車モデル設計の検証を行いました。PAM-CRASH を使用した仮想性能試

Mégane III 正面の衝突シミュレーションおよび EuroNCAP の試験

詳細は以下をご覧ください。 www.esi-group.com/virtual-

performancesolution

RENAULT 社についてRenault S.A (Euronext:RNO) は、商 用車、バン、バス、トラクタおよびトラックを製造しているフランスの自動車メーカーで、日本の自動車メーカーである日産自動車との提携(1999年)により、現在世界で 4番目に大きな自動車メーカーとしての地位を確立しています。Renault兄弟によって 1898年に創業された同社は、多数の革新的な設計、セキュリティ技術および自動車レースで知られています。フランスのブーローニュビヤンクールに本社を置く同社は、ルーマニアの自動車メーカーであるAutomobile Dacia 社と韓国の自動車メーカーであるRenault Samsung Motors 社も所有しています。Renault社の自動車は、世界中、特に欧州、中東とアフリカ、南米およびアジアに供給されています。詳細については、www.renault.comをご覧ください。

www.renault.com

Renault社は衝突シミュレーションに 2001年からVirtual Performance

Solution/PAM-CRASH

の使用を始めました。

Renault グループ、CAE Body-in-White マネージャー

Eric Duguet 氏

プ、CAE Body-in-White マネージャーの Eric Duguet 氏は語っています。

「PAM-CRASH を使用することで、一般的な自動車の挙動だけでなく、衝突の性能性向上の可能性を特定し、意思決定に影響を与えるすべての要素を仮想的に構築することができました。」

crash, impact & safety

#39 2010年 春/夏号 11

crash, impact & safety

Dongfeng Motor社(DFM)は自動車製造市場に新規参入した企業ですが、今日最も競争が激しい市場の 1つに食い込むためには、速やかに経験を積み、同時に競争力を得る必要がありました。物理テストの総数を削減することにより、製品化までの期間を短縮し、製品開発サイクルを最適化するために、バーチャルプロトタイピングを適用することに決めました。これにより開発コストを大幅に削減することができます。

Dongfeng Motor社、Virtual Performance Solutionを活用して Fengshen S30を検証Virtual Performance Solutionが、Dongfeng Motor社が設計、開発した最初の乗用車である Fengshen S30自動車モデルの全開発プロセスと検証を可能にしました。

詳細は以下をご覧ください。 www.esi-group.com/virtual-

performancesolution

DONGFENG MOTOR社について

Dongfeng Motor社は中国の三大自動車メーカーの 1つであり、乗用車、商用車、エンジン、自動車部品・コンポーネント、および機器類がその主な事業です。Dongfeng Motor社は、2008年の中国自動車市場で約14%のシェアを占め、中国の国内企業トップ 500社で 20位、国内メーカートップ 500社で 5位にランクされています。

www.dfmc.com.cn

お客様成功事例

「PAM-CRASH は 解 析エンジニアに人気があります。これは、衝突シミュレーションプラットフォームの標準解析ツールになっています」

Dongfeng Motor社 副チーフエンジニア

Chen Gan博士

DFMでは、性能試験をすべて単一のシミュレーションモデルで実施し、作業の繰り返しを避けています。側面衝突エンジニアが側面衝突テストのためにシート、エアバッグ、ダミーをセットアップし側面衝突を実施する一方で、専門が異なるエンジニアの別のチームが、基本モデルを分割し、シートベルトアンカーをロードして、ローカルモデルを改善できます。厳密な作業分析によって、Fengshen S30は、製品開発サイクル初期に欠陥を解決し、余裕を持って国内規制をクリアすることができ、開発作業は順調に進みました。

「Dongfeng Fengshen S30 の開発では、PAM-CRASHによる多くの衝突安全シミュレーションの分析に Virtual Performance Solutionを使用しました。多くの問題を発見し解決しました。PAM-CRASHは、優れた衝突安全シミュレーションツールであり、設計作業を予定通りに終えることができます。新製品の開発で幅広く使用する計画です」とDongfeng Motor社の副チーフエンジニアChen Gan博士は述べました。

Body-In-White のシミュレーション

前面衝突シミュレーション

Fengshen S30の開発期間にバーチャルプロトタイピングを利用するため、DFMは、実際の物理プロトタイプを作成する前にVirtual Performance Solutionで仮想自動車モデルを検証しました。そして、中国の国内規制が要求する高い安全要件をクリアすることを目指しました。Virtual Performance Solutionの衝突シミュレーションツールである PAM-CRASHは、技術者が完成車の強度と剛性に加え、コンポーネント構造の強度を分析するために広く使用されています。

乗 員 拘 束 装 置 の 安 全 性 も Virtual Performance Solutionを使用して仮想的にテストされました。

esi talk12

バイオメカニクス

衝突時傷害値の定義Ford Motor社では、主に衝突バイオメカニクス研究に PAM-CRASHを使用しています。エンジニアは、モデルと関連パラメーターをセットアップし、車両衝突の間の脳、胸部、腹部、下肢など乗員の様々な部位と車両の衝突応答を測定します。

プロジェクトの出発点は、車両の安全において重要であり複雑な、脳外傷モデリングでした。その後、体の他の部分がモデル化されました。

モデルは本物の人体にできるだけ近くすることが必要です。それには正確なモデル形状と人体に似た材料特性も含まれます。

応力 -ひずみ曲線は、生体組織の傷害、回復、成長と関係する物理パラメーターなので、応力 -ひずみ解析は変形可能モデルで実施されます。

傷害のメカニズムが人体モデルを使った衝突シミュレーションによって分かると、次に傷害基準が定義されます。

お客様成功事例

長年にわたる関係Ford Motor社と ESIには 90年代初め以来の長年にわたる関係があります。そのころ、Ford Motor社は研究開発において高度なバイオメカニクスシミュレーションに

PAM-CRASHを使用し始め、今日でもそれは続いています。PAM-CRASHは、Virtual

Performance Solutionに含まれる、ESIの衝突解析ソフトウェアです。

プロジェクトは PAM-CRASHでの人体の頭部外傷モデリングから始まり、続いて人体

全体のモデルの構築へと進みました。Ford

Motor社は今日、人体モデリング技術を開発している数少ない自動車メーカーです。これらのテクノロジーのおかげで、仮想の人体衝突試験が実現できます。仮想人体モデルは、鈍い衝突の間の実際の人体の動的応答を研究する有効な手段です。実際に人間の被験者を物理テストに使用するのは不可能なことではありませんが、好ましいとはいえません。

Ford Motor社、人体モデルに PAM-CRASHを採用

ダミー模型を使った衝突シミュレーション 人体モデルを使った衝突シミュレーション

人間の頭部外傷の有限要素モデル

詳細は以下をご覧ください。 www.esi-group.com/biomechanics

FORD MOTOR社について

Ford Motor社は、アメリカのミシガン州ディアーボーンに本社を置く自動車業界のグローバルリーダーであり、6つの大陸で自動車の製造や販売を行っています。世界中に約 20万人の従業員と約 90か所の工場を擁し、自動車のブランドには Ford、Lincoln、Mercuryなどがあります。

Ford Motor Credit社を通じて金融サービスも提供しています。

www.ford.com

「PAM-CRASHは、人体模型を使った衝撃試験の代わりにバイオメカニクス研究を進めるための最適なシミュレーションツールです」

Ford Motor社 バイオメカニクス・人体モデリング担当

技術スペシャリストJesse Ruan博士

crash, impact & safety

頭皮

頭蓋骨

脳鎌

天幕

環椎後頭関節

前頭葉

顔面骨

#39 2010年 春/夏号 13

お客様成功事例

Tecnalia-Labein社、 熱間成形部品の設計に PAM-STAMP 2Gを採用

熱間成形シミュレーションにより、Tecnalia-Labein社は、焼入れ時間の短縮とコスト削減を 実現しました。さらに、プロセスの理解を深め、確かな設計が可能になりました。

熱間成形は、成形と冷却工具が存在する高温に熱せられたブランクの加工硬化が絡み合っており、非常に多くの物理現象を伴った複雑なプロセスが同時に起こっています。

これら全てのパラメータを考慮した連成シミュレーションを使うこができるでしょうか。それとも、非連成シミュレーションを行うことが、最適な工程設計を行うために最善の方法でしょうか。

その答えを見つけるために、Tecnalia-Labein社は、自動車の中央部にある Bピラーのホットフォーミングを、PAM-STAMP2Gを使用してシミュレーションしました。(提供:Renault社)。そして、DieDeにより作成された試作工具を使った実験を行い、成形結果と計算結果を検証しました。

TECNALIA-LABEIN社について

1955年に創立された Tecnalia-Labein社は、スペインにおける技術の中枢にあり、各企業と連携しています。そして企業と手を組み、競争力を備えたその技術を使い、革新的な製品を作り出す手助けをしています。

www.labein.es

詳細は以下をご覧ください。 www.esi-group.com/sheet-metal-forming

板厚の比較

PAM-STAMP2G は、熱間成形金型を早期に設計することを可能とします。また、高い精度の計算結果を得ることが出来るため、ツールの有効性を確認し、実際のテストと同様のシミュレーション結果を得ることが出来ます。

Inigo Aranguren氏、Marian Gutierrez氏(Tecnalia-Labein社自動車部門)

はじめにシミュレーションは、形状、板厚減少率、板厚、曲率、シワ、ブランクシート内の温度分布、プレス力に関して行われました。そして、これらのシミュレーション結果を実験結果と比較し、相互関係をを明らかにしました。

次に、ダイの状況を確認し、他の汎用 FEMソフトを練成させることなく、最終の金型設計に適用することができる冷却性能の向上の可能性を明らかにしました。

高温のブランクシートからツール内の冷却液へ熱が伝わる時に影響が大きい因子の最適化は、サイクルタイム、熱応力を減らし、ツールの摩耗量を少なくすることができ、完全に焼き入れされた部品を生産するために必須の物です。

汎用 FEMソフトをつかった熱シミュレーションを行い、低い温度で一様な温度分布と” ホットスポット” をなくすために工具のを最終的な冷却水路が再設計されました。

自動車のBピラーの熱間成形

sheet metal forming

esi talk14

お客様成功事例

IAC社、自動車コンポーネントの シミュレーションとレポート作成プロセスを Visual-Processで効率化

規定では、衝突ゾーンのすべてのポイントは、減速度 80gを満たすこととしています。OEMまたはサプライヤーは、算出した頭部衝突ゾーンへのシミュレーションのポイント数を設定しなければなりません。各衝突ポイントについて、OEMまたはサプライヤーは、衝突角度を決定する必要があります。規定では、シートの基準点から臀部がシートと接触する最後尾のポイントに垂直に線を引き、IPに接触するまで回転させた角度としています。パネルアッセンブリサーフェスと垂直に交差した位置が衝突ポイントとなり、衝突の方向は垂線に沿って測定します。

手作業のプロセス以前は、インテリアシステムの性能を評価する際、IACの解析技術者は、頭部が衝突する可能性があるゾーンを計算し、衝突ポイントとアプローチ角度を定義して、衝突シミュレーション用の入力データを作成し、シミュレーション結果からレポートを生成するという、長い手作業を CADシステムで行わなければなりませんでした。このプロセスの一部として、衝突ゾーンで一連のポイントを選択し、各ポイントに対して衝突角度を計算していました。解析技術者は、衝突ポイントに頭部インパクタを配置し、それに初速度を設定して、頭部インパクタと IPの接触定義を作成し、入出力制御カードを作成し、LS-DYNA入力データをエクスポートして、LS-DYNA結果ファイルを読み込み、解析結果の電子レポートを作成していました。

これには非常に熟練した解析技術者でもかなりの時間がかかるので、IACのエンジニアはこのプロセスに不満でした。多くの場合、

納期のボトルネックにもなっていました。

よりよい方法の発見解析技術者は、この手作業プロセスを自動化する複数のソリューションを評価しました。いくつかのベンダーが、様々なCADとシミュレーションのソリューションに対して自動化ワークフローを開発する機能を提案しました。IACのエンジニアは、製品開発サイクルのごく初期にスタジオから来た CADレベルで衝突ゾーンを決定し、衝突ポイントを選択して、衝突角度を計算できるスクリプトを開発できる、柔軟なソリューションを ESIが提案していると判断しました。

IACのコンピュータ支援エンジニアリングマネージャーArun Chickmenahalli氏は次のように述べています。「ESIの Visual-Processソリューションにより、シミュレーションのセットアップとレポート作成のプロセス全体を自動化できました」「このアプリケーションで時間を大幅に節約できました」

自動システムの開発IAC は ESIと連 携し、このプロセス用の自動システムを開発しました。このソ

DE編集者 | 2010年 2月 24日発表

International Automotive Components(IAC)社は、業務の一部で、インテリアコンポーネントの CADデータを自動車メーカーから受け取ります。エンジニアは、この情報を使用して部品を設計し、米国政府の衝突試験要件に対応します。自動車メーカーはシステムのテストを行い、インストルメントパネル(IP)と上部インテリアコンポーネントが連邦自動車安全基準(FMVSS)に準拠していることを確認します。

米国安全基準FMVSS 201では、IP に質量 6.8kg、直径165mmの頭部が 19km/hで衝突したとき、頭部の減速度が 3ミリ秒以上の間 80gを上回らない、と規定されています。FMVSS 201Uでは、ピラートリム、ヘッドライナー、グラブハンドルなど、上部インテリアコンポーネントに対して同様の規定がありますが、頭部傷害値 (HIC(d))が 1000未満とされています。ヨーロッパの ECE-21およびEEC 74/60でも類似していますが、衝突速度を24km/hと規定している点が異なります。

OEMまたはサプライヤーは、乗員の頭部がIPおよび上部インテリアコンポーネントと接触する可能性のあるゾーンを確認しなくてはなりません (図 1)。FMVSS 201では、頭部衝突エリアを、支点から頭頂部の調節範囲が 7.36mから 7.40m、直径 6.5インチの球状の頭部インパクタが静的に接触する可能性がある、車室内のガラスでないサーフェスと定義しています。通常、このプロセスは、5、50、95パーセンタイルの各ダミーについて実施されます。

ワークフローの自動化により、設計および衝突試験解析の時間が大幅に短縮され、 精度の向上とエンジニアリングコストの削減を実現しています。

図1

simulation systems integration

#39 2010年 春/夏号 15

リューションのベースとなった ESI のVisualDSS(Decision Support System: 意志決定支援システム )は、複数のドメインに対するシミュレーションモデルの構築と管理、プロセスとワークフローの自動化、シミュレーションコンテンツとデータの管理、ナレッジベースの意志決定とレポート作成をサポートします。この環境は、一般的なシミュレーションや CADツール向けのラッパーを使用し、シミュレーションプロセスを取りこんで自動的に実行します。テンプレートは、スクリプト言語である Pythonを使用して定義され、作業実行順序はビジュアルインターフェースによって記述できます。テンプレートライブラリーは、新規プロジェクトで再使用するためにフィルターや定義した基準を使用して検索できます。

このアプリケーションのもう1つの主要コンポーネントは Visual-Crash DYNAであり、LS-DYNAモデルの自動作成と手動作成の両方が可能な環境を提供します。Visual-Crash DYNAでは、LS-DYNA入力デッキの作成、接触や材料特性、制約条件、制御カード、衝突条件の修正および削除をグラフィカルに行えます。Visual-Crash DYNAの修正ツールは、モデルをソルバーで計算実行する前にエラーを修正するのに役立ちます。Visual-Crash DYNAは自動化プロセスに組み込まれており、解析技術者が入力デッキをチェックし、微調整するのにも使用されます。

スクリプト操作IACの解析技術者は、衝突シミュレーションのセットアップとレポート作成プロセス全体の自動化コードに必要な、入力・出力を定義しました。ESIは、IACの専門知識とベストプラクティスを活用して、アプリケーションの中核部分を開発しました。実際のプロセスは、ユーザが座席基準点や頭部インパクタの重心などのデータを入力し、ダッソー・システムズ社の CATIAやシーメンス社の PLM NX CADなど、読み込みに対応した CADフォーマットのデータを読み込んだ時点から始まります。スクリプトは、自動的に CADファイルをスキャンし、FMVSS規定に従って頭部インパクタモデルを動かして、衝突ゾーンを特定します。スクリプトは、解析技術者 /OEMが提供するクライテリアに基づいて衝突ポイントを選択します (図 2)。たとえば、あるOEMが、衝突ゾーンの中心から初めて100mmごとに衝突ポイントを選択するよう指定しているとします。スクリプトは、各ポイントの衝突角度を計算し、衝突ポイントに頭

部インパクタを配置します。次に、スクリプトは、頭部インパクタとインストルメントパネルのインテリアとの間、およびインストルメントパネルのインテリアコンポーネント同士の間に、LS-DYNAの接触定義を作成します。その後、スクリプトは LS-DYNAの入力・出力制御カードを作成します。経験を積んだ解析技術者は、Visual-Crash DYNA環境を使用して、入力データを確認し、変更することもできます。

たとえば、解析技術者は、衝突時に特に傷害の原因となりやすいブラケットの反対側、IP上に衝突ポイントを移動させる場合があります。解析技術者は、LS-DYNA入力データをエクスポートし、ソルバーで計算を実行するようスクリプトに指示します。ソルバーが計算を完了すると、スクリプトは結果を取り込みます。次に、解析技術者はレポート生成コマンドを実行します。スクリプトは結果を読み込み、解析技術者が作成したテンプレートの定義に従って書式を整えます。レポートは、HTML、PDF、および PPT形式で作成できます。

効果「Visual-Processスクリプトは、FMVSS 201の規定に準拠するためのプロセスを大幅に改善しました。私たちが調査した他のソリューションとは異なり、Visual-Processは、完全な End-to-Endの頭部衝突シミュレーションプロセスを自動化できました」とArun Chickmenahalli氏は述べました。

時間の節約により、IACでは市場への製品投入までの期間を短縮し、エンジニアリングコストを削減し、アナリストはより多くのプロジェクトを完成することができるようになりました。精度の改善に関しては、この時点で数量化することは不可能ですが、大幅な改善を実現しています。衝突ゾーンの定義、衝突ポイントの選択、衝突角度の計算などのプロセス面は今では確認可能なプロセスが実行しているので、会社は人的エラーのリスクを排除できました。

「結果として、シミュレーションの精度を高めながら、規定に準拠する必要のあるシミュレーションプロセスの所要時間を

4週間短縮することができました」

IAC社コンピュータ支援エンジニアリングマネージャー

Arun Chickmenahalli氏

INTERNATIONAL AUTOMOTIVE COMPONENTS(IAC)社について

IACは、インストルメントパネル、ドアパネル、ヘッドライナー、カーペット、音響システム、コックピット、ダッシュボードの世界有数のサプライヤーです。同社は当初、Lear and Collins & Aikmanのインテリア部門に属していましたが、T型フォードにさかのぼる 1世紀近くの専門技術を蓄積しています。17か国に 80を超える製造施設を置き、拠点は全体で 90を超えます。世界全体で従業員は 23,000人を超え、販売額は約 32億ドルにのぼります。

www.iacna.com

詳細は以下をご覧ください。 www.esi-group.com/simulation-systems-

integration

衝突試験解析により頭部衝突ゾーンを 計算します。

自動解析により、頭部衝突のターゲット ポイントとアプローチ角度を計算します。

esi talk16

お客様成功事例

LETOV社、PAM-FORMの採用により 2種類のコンポーネントから高機能な航空機用小型接合部品の開発に成功合成された形状の成形加工を一度に実現する PAM-FORMにより、LETOVは、部品の機械的特性を損なうことなく、生産コストの低減に加え、部品の重量も削減しました。

LETOVの技術者は、PAM-FORMによるシミュレーションで、最良であると判断した成形ツールとブランク形状を用い、理論的な仮想モデルを設計しました。クリップのバーチャルプロトタイピングでの PAM-FORMの使用は成功しました。経験豊富な技術者と PAM-FORMシミュレーションツールの組み合わせは、高機能複合材の適用における問題解決に非常に有効であることが確認されました。

今日、複合材の使用は、その特殊な性質のために科学技術の様々な領域で拡大しています。

これにより、複合部品の開発者やメーカーには、競争に勝ち残るため、工学的な専門技術を活用して高機能複合材の課題に取り組み、将来の適用のためプロセスと材料の理解を深めることが求められてます。

LETOVの最近のプロジェクトの 1つに、主要航空機メーカー向けのクリップの製造があります。クリップとは、2つのコンポーネントで構成され、飛行機の胴体構造に使用される小型の接合部品のことです。製造コストと重量を減らすためにバーチャルプロトタイピングを使用し、クリップの機械的特性に影響を与えずに合成された部品を一度に開発する試みに対し、このプロジェクトを選択しました。

そのため、LETOVの技術者は、ESIの複合材成形シミュレーションソフトウェア PAM-

FORMを使用して、複数の方案を評価し、統合複合材クリップに適切な機械設備とプロセスのパラメーターを決定しました。クリップの形はかなり複雑であり、専用のソフトウェアツールを使用しない場合、多くの試作と大量の開発時間が必要となります。

PAM-FORMはツール設計の最適化にも使用されました。LETOVの技術者は、複合部品の成形時の挙動を特徴づける高温材料特性値を測定したのです。シミュレーションは、特にコーナーでの、成形に起因する繊維配向の変化を示しました。成形加工プロセスによる繊維配向は、最終部品の機械的挙動に重要です。

composites & plastics

LETOV LETECKA VYROBA社について

同社は、チェコ共和国で初の航空機メーカーとして 1918年に設立され、民間機と軍用機向けの部品と半完成品を開発、製造しています。2000年に、LETOV LETECKA VYROBA 社はフランス企業 GROUPE LATECOEREの子会社となりました。複合材生産センターは、民間機の複合部品の製造と開発のために創設されました。

www.letov.cz

詳細は以下をご覧ください。 www.esi-group.com/composites

成形加工後の繊維への軸ひずみ

PAM-FORMの計算に基づいて構築されたプロトタイプ

「PAM-FORM は、部 品の機械的特性を維持しながら重量と生産コストを削減するという、プロジェクト目標の達成に役立ちました。さらには、生産プロセスの最適化について、類似のプロジェクトに適用可能な多くの情報を提供してくれました」

GROUPE LATECOERE、LETOV LETECKA VYROBA社

開発マネージャーJosef Krena氏

#39 2010年 春/夏号 17

ためです。9か国の 11のパートナーが関係するコンソーシアムは、主な目標として、新世代のバインダー接合複合材および関連シミュレーションツールを開発しなければなりませんでした。PreCarBiプロジェクトは、3つの主要材料を考慮に入れました。バインダー接合カーボンヤーン用の新規複合材、相溶性樹脂、産業用プリフォームに変換される新しいバインダーヤーン複合材(織物またはしわなし布地)です。

プロジェクトへの ESIの主な貢献は、液体樹脂注入(LRI)技術で製造する産業用航空宇宙用途での成形、注入、および機械的分析です。プラスチックと複合材の熱成形と製造向けのシミュレーションソリューションであるPAM-QUIKFORMと PAM-RTMを使用しました。

この研究成果は、高価で複雑なプリプレッグ

今日、航空宇宙産業の先端複合材の多くは、プリプレッグテープ敷設またはドライファブリックの樹脂注入(液状複合材料成形、LCM)のいずれかを使用します。一般に、プリプレッグ複合材は、強化樹脂と高い繊維含有率のために、剛性、強度、耐疲労性に優れています。しかしながら、この種の材料には、高コスト、成形適性が限られる、製造が複雑、割高で時間がかかる、保管寿命が限られる、といった短所もあります。LCM技術は、これらの欠点を克服することができますが、注入で低粘度の樹脂に依存し、織物のパターンによる繊維のずれも起こります。これらの理由により、機械性能が低下し、多くの構造的な航空機用途には適しません。

ESIが、LCM用の複合材を改良するために欧州委員会(EC)が資金提供するプロジェクト PreCarBiを 3年前に開始したのは、この

複合材の研究開発への貢献を促進するESI GmbH は、最近始まった 4 年間のINFUCOMPヨーロッパ研究グループをコーディネートしています。

コンソーシアムには 14のパートナーが関与し、大型の航空宇宙複合部品の製造に特化した、プリフォーム設計から製造(LRI)までの End-to-Endのバーチャルプロトタイピングソリューションの提供を目指しています。シミュレーションは、高価で時間のかかる「試行錯誤」のテスト方法を最小限に抑え、高品質の部品をより速く低コストで製造するのに役立ちます。

INFUCOMPプロジェクトは、航空分野での使用を促進し、コストの削減、性能の向上、有効搭載量の増加、燃料排出量の削減を実現するために積極的に貢献します。研究計

画は航空宇宙用途が中心ですが、研究結果は他の産業界にも深く関連すると思われます。

「INFUCOMPプロジェクトは、統合複合材ソリューションパッケージの必須の部分です。また、航空宇宙における主要な研究・業界パートナーと共同で複合材シミュレーションを進めたり、新しいツールを開発したりする、またとない機会を提供してくれます」とESI GmbHの科学ディレクター Anthony Pickettは述べています。

コーディネーター: ESI GmbHMergenthalerallee 15-2165760 Eschborn - GERMANY電話 : +49 (0)6196 9583 0ファックス : +49 (0) 6196 9583 111電子メール : [email protected]

詳細は以下をご覧ください。 www.esi-group.com/composites

P180航空機提供 :Piaggio Aero Industries

研究コンソーシアムチームには Airbus、Eurocopter、FACC、Toho Tenax

Europe、Sigmatex、Huntsman Advanced Materials (Switzerland) GmbH、ESI

Group、Cranfield University、IPM Latvia、University of Patras、および SICOMPが

参加しています。

ESI、複合材研究開発プロジェクトに貢献

パートナー情報

複合材技術と競合するため、高度な液体樹脂注入(LRI)技術にとって重要な貢献と考えられています。

ESI、PreCarBiプロジェクトのコーディネートに成功

ESI、4年間の INFUCOMPコンソーシアムを開始

composites & plastics

esi talk18

パートナー情報

ESI、学生 Formula SAEレーシングチーム Pilsenを支援University of West Bohemiaは PAM-CRASHとVisual-Environmentを使用しフォーミュラーカーの前面クラッシュボックスの設計に成功しました。

チェコ 共 和 国 ピ ル ゼ ン の University o f W e s t B o h e m i a ( U W B ) は S A E International(Society of Automotive Engineers)が開催した学生設計コンペFormula SAEに参加しました。

コンペの背景には架空のメーカーのために小型のフォーミュラカーを開発する目的があります。各学生チームは一連のルールに基づいてプロトタイプを設計、作成、テストし、工業製品としてのポテンシャルを評価されます。

UWBチームは、設定された基準を満たすプロトタイプを作成してプロジェクトを完了した、チェコで最初のチームです。UWBチームはシミュレーションが必要なフォーミュラカーのクラッシュボックスの設計においてMECAS ESIのサポートを得ました。

FORMULA SAE®について

Formula SAE®は研究 /設計 /製造 /試験/開発 /マーケティング /管理 /財務など自動車産業の全側面を網羅しており、エンジニアリングにおけるキャリアと卓越性を促進しています。Formula SAEでは学生は教室で学んで理論を実際の業務経験で実践することができます。

www.students.sae.org

詳細は以下をご覧ください。 www.esi-group.com/virtual-perform-ancesolutionwww.esi-group/simulation-systems-integrationwww.uwbformula.cz

PAM-CRASHによる前面クラッシュボックスシミュレーション

Formula UWBレーシングチームPilsen

crash, impact & safety

simulation systems integration

UWBチームのリーダー、Jiri Koldinsky氏へのインタビューチームの主な業績について

わずか 6か月でゼロからフォーミュラーカーを製作できたのは大きな成果といえます。原材料の支援も限られスキルも低い小規模なチームで我々はこれを達成しました。我々の目標は Formula SAE Italyに参加し,プロトタイプを公開することでしたが,その目標を達成できました。

MECAS ESIのこのプロジェクトへの支援について

MECAS ESI は 無 償 で PAM-CRASH とVisual-Environmentのライセンスをチームに提供してくれたので、前面クラッシュボックスを効率的に設計できました。フロント部は一連のルールで設定された安全基準を満たしています。MECAS ESIの支援がなければこれは達成困難だったでしょう。また、プロジェクト全体にわたってバーチャルプロトタイピングに関する貴重なアドバイスをもらいました。

MECAS ESIとのパートナーシップに関して

来年はさらに軽量なクラッシュボックスを設計しなければなりません。MECAS ESIの支援と協力に感謝しています。

#39 2010年 春/夏号 19

ます。「PAM-CRASHの陽解法有限要素コードを使用するチュートリアルは、Cranfield Universityの先端材料MScコースの有限要素と材料モデル化モジュールで必須となっています。学生はこのソフトウェアを使用して、陽解法有限要素技術の理解を深め、実際の衝撃解析を実施します。ESIが提供するチュートリアルは、プリ・ポスト処理ツールの効率的な導入を可能にしてくれます」「VPS教育パッケージは、私たちの研究活動と密接に関係する非常に有用な教育ツールです」

学生と教員は最初の 6か月間、VPS アカデミックパッケージを無償で利用できます。このパッケージのダウンロードは www.esi-educational.comで行えます。

ESIは、研究開発プロジェクトへの積極的な協力のほか、最近では教育プログラムを通じて学界に貢献しています。実際、Virtual Performance Solutionアカデミックパッケージの発表により、ESIは、有限要素シミュレーション向けの特別バージョンに付属のVirtual Performance Solutionを学生に利用可能にしました。

シミュレーションの基礎を簡単に習得できるこのパッケージでは、自動車や航空宇宙分野のケーススタディに基づいたチュートリアルによって、衝突 /衝撃シミュレーション(PAM-CRASHの陽解法ソルバー)だけでなく、静解析やモード解析 (陰解法ソルバー)も理利用可能となっています。

英 国 Cranfield University 特 別 研 究 員Alex Skordos博士は次のように述べてい

ESI 、振動 -音響解析ソフトウェアの最新版を発表 VA One V2009多孔質弾性材料 (フォーム材や繊維など ) は騒音や振動を抑制し、すぐれた静音製品の設計に重要な要素です。VA One は、低周波から高周波まで全ての帯域において多孔質弾性材料を最適配置するために必要な手法を含む、現在唯一の市販コードです。新しい VA One 2009は先進技術である「有限要素フォーム」ソルバーを実装し、フォームや繊維の低周波振動音響応答に理想的なモデル化を可能にします。このソルバー は、ESI グループとこの分野で先導的な数校の大学による長期研究プロジェクトの一環として開発され、今回その全ての機能が VA One 実装されました。

「多孔質弾性材料の振動音響応答のモデル化は、我々が研究している中心課題の 1つです。ESI グループと共同で進行している、これらの手法の研究・開発・実装の結果

が VA One の最新リリースとして実を結びました。」と、Sherbrooke大学、音響工学科Noureddine Atalla教授は述べています。

新しい VA One 2009 ではその他にも、モデル作成作業を効率化するための多数のユニークな機能強化も行われ、例えば CAD形状データから押し出し成型により吸遮音材のメッシュ を自動作成することや、CADデータから吸遮音材の中高周波における等価パラメータを計算することが可能になりました。

「このリリースは、私達の研究パートナーとの長期にわたる共同研究の成果であり、最先端技術による多孔質弾性材料のモデル化手法を提供致します。」と、ESI Group、振動音響製品総責任者の Phil Shorterは述べています。

詳細は以下をご覧ください。 www.esi-group.com/va-one

Virtual Performance Solutionアカデミックパッケージ

チュートリアル 5: シンプルトラックモデルでの前面衝突

製品ニュース

詳細は以下をご覧ください。 www.esi-group.com/educational

Biot理論によりフォーム材をFEMでモデル化したシートの

低周波音響応答モデル

crash, impact & safety

vibro-acoustics

esi talk20

製品ニュース

統合 GUI環境に対応した溶接解析ソフト Visual-Weld歪み・応力解析の高速化と最適化を実現

詳細は以下をご覧ください。 www.esi-group.com/welding

www.esi-group.com/visual-environment

溶接というプロセスにおいて、局部的に熱を加えることで、その熱により残留応力や歪みが発生します。またその、局部的な変形は溶接構造物全体の変形 にも影響を及ぼします。溶接のエンジニアはこれらの問題を解決するために、最適な溶接条件の選択や、溶接順序や治具の配置よる全体の変形をあらかじめ予測 することが必要となります。

ESIではこれらの問題を解決する、溶接・熱処理解析ソフトウェア製品群「Welding Simulation Suite」による解決ソリューションを提供しています。

アーク溶接、レーザービーム溶接からスポット溶接まで、あらゆる溶接手法の熱源を再現し、変形・割れの問題に対して相変態を考慮しながら溶接エネル ギーの最適化、また硬度や変形、応力の予測が可能です。溶接部を正確に再現し、疲労強度や応力腐食割れの発生を予測することは、溶接構造物全体の性能を評 価することにつながります。

Visual-Weld は、PAM-CRASH な ど 多

くのユーザーで実績が豊富な「Visual-Environment」ベースに開発されており、メッシュを作成する機能から、溶接解析専用プリポストとしての機能まで、すぐれた機能を有しています。

• Visual-Weldのメッシュ作成モジュールは、優れた CADインターフェースを持ち、高速かつ高品位なメッシュ作成、および編集機能を備えた強力なメッシュ作成ツールです。

• Visual-Weldは、プリ機能はワークフローベースの溶接シミュレーション専用のインターフェースを有し、溶接に携わるエンジニアとって、直感的に操作することが出来、迅速な作業が可能となります。シングルパスからマルチパスまであらゆる溶接方法に対応可能です。

• Visual-Weld の ポ スト 処 理 ツ ー ルVisualViwerは、解析結果について高度な処理機能を持ち、エンジニアの求める結果を迅速に表示することが可能です。複数

のグラフやアニメーションも同時表示することが可能です。

これら一連の溶接シミュレーションツールは、全て同一環境で使用することが可能で、製品設計から製造工程まで、溶接によって引き起こされる複雑な現象を再現することが可能です。

Visual-Environmentの 最新版バージョン6.0は、操作性を向上させ、機能の充実を図りました。描画速度は、前バージョンに比較し 2倍(※ESI実績)近く高速化されメモリー使 用量も、おおむね 25%程度改善されております。複雑な解析条件の設定や複数のソフトウェアでの連成解析、また大規模モデルへも対応いたします。

「Visual-Environmentをベースに開発されたVisual-Weld は溶接シミュレーションという領域に 直感的なインターフェースを取り込みました。この新しいWelding Simulation Suiteのご利用によって、溶接の品質向上および溶接工程の改善が期待できます。」

ESI グループ、Welding プロジェクト・マネージャー

Frederic Boitout氏 Visual-WELDの操作画面

simulation systems integration

welding & heat treatment

#39 2010年 春/夏号 21

コーポレートニュース

Oracle Partners Innovation 2009誌で VisualDSS の特集を掲載

PROCESSWorksのアカデミックツールとしての価値を認定今日の学生は明日の専門家 -

コンピュータ支援設計(CAD)やコンピュータ支援エンジニアリング(CAE)のプロバイダーが提携し、キャリアでの成功に必要な先進のシミュレーションツールを学生に提供するのは、このためです。

2009 年 に 初 の SOLIDWORKS Reseller for Education in the World と な っ たCADWAREが提供する PROCESSWorksは、その最良の例の 1つです。SolidWorks内の独自のユーザーインターフェースで稼動する、工業化の前工程におけるシミュレーションを対象とした初のソフトウェアプラットフォー

ムである PROCESSWorksは、切削と曲げ加工、金型成形、鍛造、機械加工、鋳造、プラスチック注入の多重領域ソリューションを学生に提供します。実際、多重領域プラットフォームには、CADWAREのパートナー5社による 6つのソフトウェアが含まれ、ESIの鋳造、金型成形ソフトウェアはその 1つです。

ある部品の仕様から、学生には様々なシミュレーションソフトウェアを使って、その部品の実現可能性、または他の材料や他の調達方法を伴うその修正を研究し検証する機会が与えられます。各シミュレーションソフトウェアは非常に使いやすく、関連する結果が

VisualDSSはマルチドメイン・シミュレーションモデルの構築と管理、プロジェクトワークフローの自動化、シミュレーションコンテンツとデータ管理を可能にするオープンなプラットフォームです。ESIは企業のベストプラクティスをさらに活用し、シミュレーションの価値を高めるための高度な End-to-End意志決定支援システムを VisualDSS によって提供します。

ESIはシミュレーションプロセスとデータ管理をさらに最適化するため、VisualDSSに

Oracle社の最新技術と製品アーキテクチャを利用できるようにしました。VisualDSS は

シミュレーションにおける市場ニーズに対応し、仮想試験を可能にし物理的な試験のコストと時間を削減します。

VisualDSSが革新的である理由とはチームの共同作業を困難にする、種々雑多なアプリケーションと分散されたシミュレーションデータから構成される顧客のエコシステムにおいて、VisualDSS はデータの集中管理によって効果的な解決策を提供します。

VisualDSS はシミュレーションデータの管理によってベストプラクティスを蓄積するだけ

でなく、データ更新の共有と利用を促進します。VisualDSS は企業内部の「解析ナレッジベース」になりえます。

Oracleデータベースではプロダクトの分類、大量のシミュレーション結果、主要な解析結果の可視化等のデータを効率的かつセキュアに格納することができます。

詳細は以下をご覧ください。 www.oracle.com/fr

www.esi-group.com/alliances/partners

詳細は以下をご覧ください。 www.cadware.fr/education/processworks.htm

迅速に得られる重要なパラメーターが含まれています。

マルチメディア教育ツールを使用する教員をサポートするため、フランス教育省は、教育システムのニーズと期待を満たすソフトウェアとマルチメディアデザインにラベルを認定しています。簡単で直観的なインターフェースからアクセスできる文書や教育用リソースが付属している PROCESSWorksに、2010年 2月 3日「教育的価値を認定」(Reconnu d'Interet Pedagogique, RIP)という称号が授与されました。

「PROCESSWorks の 称 号 は、その 教 育目的における品質を認めるものであり、パートナーとの共同作業の成果です」とCADWARE社取締役 Jean-Luc Cottin氏は述べています。

esi talk22

9/14トータルコンポジットソリューションセミナー2010

成形過程から衝撃性能評価まで一貫したシミュレーション技術のご紹介 東京

9/22 船舶騒音シミュレーション技術紹介セミナー VA Oneを用いた統計的エネルギー法 (SEA)による船舶 (船内 )騒音シミュレーションのご紹介 東京

9/24プレス金型設計ソフト PAM-DIEMAKER for CATIA V5紹介セミナー

短時間かつ高品位な金型面データを作成するソフトウェアとその機能のご紹介 東京

9/6-7 PAM-STAMPベーシックコース シングルアクションからガススプリング付のフォーム成形まで、マクロを使った設定を実習 大阪

9/15 PAM-STAMP 体験コース 自動車プレス部品 (フロントフェンダ等 )を用い、型データ取り込み、加工条件設定(マクロ利用)、計算実行、結果確認、までの操作の体験 大阪

9/15-17 PAM-CRASH/MEDYSA 入門コース新たに衝突・衝撃解析、機構応力解析に取り組まれる方を対象にした、解析を行うにあたり基本的な考え方、VCPおよび Visual-Viewerの基本機能のご紹介

東京

9/27-28 PAM-STAMP Setupコース マニュアル設定を使ったやや高度な設定までを実習 大阪

9/30-10/1 PAM-CRASH/MEDYSA例題コース すでに PAM-CRASHをご利用の方で、解析の適用範囲を広げたい方を対象にした、入門コースでは触れない VCPの様々な機能の演習 東京

10/7-8 Visual-Mesh入門ワークショップVisual-Meshのライセンスをお持ちの方で Visual-Meshの基本機能を習得されたい方や、ライセンス取得を検討中の方で Visual-Meshの基本機能を確認されたい方を対象にした Visual-Mesh基本操作の実習

東京

10/21 PAM-CRASH中級コース応力、ひずみの基本的な考え方、弾塑性モデルの入力パラメータ、出力変数の解説および出力制御の方法、ソリッドマテリアルの Auxiliary Variablesの使用方法などのご紹介

東京

10/22 PAM-CRASH 上級コース 陽解法と陰解法の違い、アワーグラスコントロール、要素定式化、接触アルゴリズム、減衰についてなどご紹介 東京

11/18-19ESI Users Forum Japan(旧称 PUCA)

2日間にわたり、衝突・衝撃、機構応力、プレス成形、溶接・熱処理、鋳造、流体、振動・音響、電磁波、マルチフィジックスなど幅広い分野でのセッションを予定しています。

東京

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Upcoming Expert SeminarsThanks to a team of carefully selected international experts and intimate setting of the course, engineers and scientists learn to overcome industrial

challenges and acquire best practices in the discipline chosen.

Contact: [email protected] / +49 (0)6196 9583 178

コーポレートニュース

Hotforming Expert Seminar

Meet the industry’s top experts in hotforming

When?Nov 2010, dates to be announced...

Where?Rome, Italy

find out more: www.esi-group.com/hotforming-expert-seminar

Composites Expert Seminar

Discover latest advancements in composites modeling

When?Oct 4-5, 2010

Where?Bordeaux, France

find out more: www.esi-group.com/composites-expert-seminar

Confirmed speakers:

• Prof. Christophe Binetruy,

ENSTIM – DOUAI, France

• Prof. Philippe Boisse, INSA Lyon, France

• Dr. Argiris Kamoulakos, ESI, France

• Prof. Stepan Lomov,

Katholieke Universiteit Leuven, Belgium

• Mr. Serge Mouton,

Université Bordeaux 1 – LMP, France

• Dr. Anthony Pickett, ESI, Germany

• Mr. Jérôme Raynal, PPE, France

• Dr. Alex Skordos,

Cranfield University, UK

• Dr. Magnus Svanberg,

Swerea SICOMP SA, Sweden

#39 2010年 春/夏号 23

2010 ESI Global Forum 盛況のうちに終了致しました。

ファイナンス情報

2010年 5月 19~20日にドイツ、ミュンヘンで開催されたESI Group初のグローバルユーザーカンファレンス、ESI Global Forum 2010

では、ユーザー様が取り組まれている研究開発プロジェクト等に関してご発表を頂きました。世界各地から、また様々な業界からお客様やパートナー企業様の設計・技術・解析・経営に携わる方々にお集まり頂き、盛況のうちに終了致しました。

End-to-End 仮想試作では、実際のプロトタイプに実施するテストからの予測できない結果をシミュレーションすることができます。プロセス全体を通して製品を仮想的に組み立て、構築、テストします。部品ごと、コンポーネントごと、そして同時に複数の領域全体でこれを行います。優れた仮想プロトタイプは、開発サイクルの各ステップにおいて、評価中の仮想モデルの性能・誤差・ロバスト性をテストできます。これにより、製品デザインまたは製作の重要な側面を評価し、必要に応じて修正することが可能になります。その基礎となるのが仮想製造であり、製造や組み立てプロセスの間の材料特性データにより、リアリスティックな「完成」製品を定義します。

End-to-Endバーチャルプロトタイピングは、正確さ、コストと時間の削減とともに、品質の高い製品化を支援します。

ESI Global Forumは続いて ESI China Forum 2010が、2010年 5

月 27~28日に中国の北京で開催されました。

ESIの今後のユーザーカンファレンスおよび展示会は、2010年 11

月 16日に韓国のソウルで、2010年 11月 18~19日に東京で開催されます。

2009/2010年度の年間売上高

年間を通じた伸びESIグループの年間総売上高は 7,510万ユーロであり、前年比で実質 7.1%の増加となりました。

ライセンス : 継続契約率の上昇ライセンスは、5,410万ユーロに達し、実質 2.9%の増加となりました。実使用数は前年から 6.4%増加し、リピート契約の割合が

2008/09年度の 77%に対して 2009/10年度は 85%に達し、新規契約は 7%減少しました。

サービス : Mindwareの統合の成功を確認サービスは、Mindwareの統合により2,100万ユーロに達し、実質で 19.5%増加しました。特に、2008年 12月中旬に ESIに統合されたMindwareの潜在成長力とグループへの統合の成功が再確認されました。2009年に事業は 2桁の成長を再び記録し、販売額は

520万ユーロに達しました。

エリア別収益の内訳販売額は南北アメリカが 22%、ヨーロッパが 45%、アジアが 33%

と、事業の地域的な配分はバランスのとれた内訳となりました。

「ESIの業績全体から 2つの大きな教訓が見て取れます。まず、ライセンスの年間レンタルやリピート率の高いお客様からの収益により、現在の経済状況では羨望の的となるような実績を達成して ESIの堅固なビジネスモデルを裏付けています。次に、競争が激しい現在の環境で「バーチャルプロトタイピングソリューション」の高価値提案がよりいっそう受け入れられていることで私たちの事業のサステナビリティが示されています。二つの業績は、コストを抑えチームが活発に活動する中で達成されました。事業部門が多様化し利益が拡大することで、我々の成長と収益性も継続していくことを確信することができました」と ESIグループ会長兼 CEOであるAlain de Rouvrayは締めくくりました。

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