障害者グループホーム 開設の手引き...1 1 グループホームの概要 1-1...

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令和2年3月 新潟県福祉保健部障害福祉課 ~この手引きは、令和2年3月現在の内容に基づき作成したものです。~ 障害者グループホーム 開設の手引き

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Page 1: 障害者グループホーム 開設の手引き...1 1 グループホームの概要 1-1 グループホームとは グループホームとは、身体障害者、知的障害者、精神障害者、難病患者が、世話人等の支援

令和2年3月

新潟県福祉保健部障害福祉課

~この手引きは、令和2年3月現在の内容に基づき作成したものです。~

障害者グループホーム

開設の手引き

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目次

1 グループホームの概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

1-1 グループホームとは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

1-2 グループホームを利用するには ・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

1-3 グループホームの種類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

1-4 グループホームでの生活(例) ・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

2 指定基準 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

2-1 指定単位について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

2-2 人員基準 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

2-3 設備基準 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5

2-4 建物使用に係る建築基準法例等の遵守について ・・・・・・・・・ 7

2-5 運営基準 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

3 グループホームの運営費 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

3-1 サービス報酬について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

3-2 利用者負担額について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

3-3 家賃助成制度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

4 開設までの流れ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

5 開設後の手続き(各種届出) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

【お問合わせ先】

新潟県福祉保健部障害福祉課

自立支援係 電 話:025 ー 280 ー 5918(直通)

FAX:025 ー 283 ー 2062

メール:[email protected]

※ 新潟市内に開設する場合は、新潟市障がい福祉課へお問い合わせください。

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1 グループホームの概要

1-1 グループホームとは

グループホームとは、身体障害者、知的障害者、精神障害者、難病患者が、世話人等の支援

を受けながら、地域のアパート、一戸建て住宅等において、複数人で共同生活をする居住の

場であり、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援

法)」第5条で定められた障害福祉サービス(共同生活援助事業)です。

グループホームは、障害のある人が地域社会の中で普通に暮らしていくための生活全般に

わたる支援です。運営にあたっては、入居者が過度に管理されることなく、入居者本人の意

思や生き生きとした暮らしを尊重することが大切です。

1-2 グループホームを利用するには

グループホームの利用を希望する者は、事前に障害支援区分の認定とサービスの支給決定

(受給者証の交付)が必要です。

利用希望者は、市町村から支給決定を受けた後、グループホームを運営する事業者と入居

に関する契約を直接結ぶことで利用(入居)できるようになります。

入居にあたっては、利用希望者がグループホームでの生活の具体的なイメージを持てるよ

う、見学や体験入居などの機会を設けることも必要です。

1-3 グループホームの種類

グループホームは現在、以下の3つに分類されています。

介護サービス包括型グループホーム

事業者が自ら介護サービスを提供します。事業者は利用者の状態(障害支援区分)に応

じて、介護スタッフ(生活支援員)を配置します。

日中サービス支援型グループホーム

日中もグループホームで過ごす方を主な対象として、昼夜を通じた常時の支援体制を

確保した上で、事業者自らが介護サービスを提供します。

外部サービス利用型グループホーム

外部の居宅介護事業者に介護サービスを委託し、事業者はアレンジメント(手配)のみ

を行います。介護スタッフ(生活支援員)は配置不要です。

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1-4 グループホームでの生活(例)

利用者 世話人・生活支援員の業務(例)

朝 <グループホーム>

起床・朝食・身支度

・利用者の心身状態の確認

・食事の提供

・健康(服薬)管理

・利用者の送り出し など

<グループホーム以外で過ごす場合>

・一般企業での就労

・障害福祉サービスの利用など

<グループホームで過ごす場合>

・自主的な活動

・外出・余暇活動

・日常生活の介護

・外出・余暇活動の支援

夕~夜 <グループホーム>

夕食・入浴・就寝

・利用者の心身状態の確認

・食事の提供

・入浴・洗濯の支援

・健康(服薬)管理

・相談支援 など

休日 ・外出、余暇活動

・実家へ帰省

・グループホームで過ごす方への支援

~その他の業務~

・個別支援計画の作成、モニタリング(サービス管理責任者の業務)

・日常生活の援助:掃除、家事等の介助、行政機関への手続き、家族との調整

・金銭管理の援助:生活費等の管理の支援

・緊 急 対 応:休日・夜間の支援、防災・急病への対応

・余暇活動の援助:季節行事やレクリエーション参加の提案・支援

・関係機関との連絡:社会福祉事業者など関係機関との会議、住民や自治体との関係作り

・運営に関わること:会計事務、職員の調整

★上記の業務内容はあくまで一例です。

実際には、共同生活援助計画に基づき、利用者個人に合った支援が必要です。

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2 事業者指定基準

事業者は、以下の基準に従って事業を運営します。

2-1 指定の単位

共同生活住居ごとに指定を行うのではなく、一定の地域の範囲内(主たる事業所から他

の共同生活住居までが概ね 30 分以内で移動可能な範囲)に所在する1以上の共同生活住

居を1事業所として指定します。

以下の図では、サテライト型住居を含む6つの住居を1事業所として指定しています。

※サテライト型住居とは

本体住居との密接な連携を確保しつつ、本体住居とは別の場所で運営される住居で、アパー

トの1室などを利用した、1人暮らしに近い形態の住居です。(介護サービス包括型・外部サー

ビス利用型のみ運営可能。)

【条例】新潟県指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営等に関する基準を

定める条例(平成 27 年新潟県条例第 27 号)※1

【要綱】新潟県指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営等に関する基準要綱※2

※1…その他の基準は、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく

指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」 (平成 18 年 9 月 29 日

厚生労働省令第 171 号)=【基準省令】に定める。

※2…その他の事項は、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく

指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」(平成 18 年 12

月6日障発第 1206001 号)=【解釈通知】に定める。

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2-2 人員基準

介護サービス包括型 日中サービス支援型 外部サービス利用型

管理者 ・事業所の従業者及び業務の管理、その他の管理を一元的に行う。

〇常勤1人(業務に差し支えない範囲で他の業務との兼務可)

サービス

管理責任者

・個別支援計画の作成、従事者に対する技術指導等のサービス内容の管理、

他事業や関係機関との連絡調整等を行う。

・サービス管理責任者として届け出るためには、実務経験の要件を満たし、

サービス管理責任者になるための研修を修了している必要がある。

〇利用者数 30 人以下:1人

〇利用者数 31 人以上:30 人を超えるごとにさらに1人

〇常勤・専従でなくとも可。入居定員が 20 人以上の場合は、できる限り専

従の者を配置する。

生活支援員 ・食事や入浴、排せつ又は食事の介護その他直接

的な介護を行います。

〇常勤換算で、(1)~(4)の合計数以上

(1)障害支援区分3の利用者数を9で除した数

(2)障害支援区分4の利用者数を6で除した数

(3)障害支援区分5の利用者数を4で除した数

(4)障害支援区分6の利用者数を 2.5 で除した数

〇配置は不要

(受託居宅介護サービ

ス事業者との契約によ

り介護を行う。)

世話人 ・食事の提供、健康管理・金銭管理の援助等、日常生活に必要な相談・援助

を行う。

〇常勤換算で、利用者数

を6で除した数以上

〇常勤換算で、利用者数

を5で除した数以上

〇常勤換算で、利用者数

を6で除した数以上

夜間支援

従事者

・夜間及び深夜の時間帯(利用者の生活サイクルに応じ1日の活動終了時刻

から開始時刻まで(午後 10 時~午前5時は最低限含む))に支援を行う。

〇必ずしも配置は必要

ない(夜勤者や宿直者を

配置した場合は加算報

酬あり)

〇住居ごとに夜間支援

従事者(宿直は不可)1

人以上

〇必ずしも配置は必要

ない(夜勤者や宿直者を

配置した場合は加算報

酬あり)

その他

〇世話人又は生活支援

員のうち1人以上は常

・基準上必要な人員は住居毎ではなく、事業所全体の利用者数に応じて算定します。

・ここでいう「利用者数」とは、前年度の利用者数の平均値(新規に指定を受ける場合は推定数)

です。

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2-3 設備基準

・体験利用を行う場合は、入居定員に含める必要があります。

○その他の設備基準

・住居の配置、構造及び設備については、例えば車いすの利用者がいる場合は必要な廊下幅

の確保や段差の解消を行う等、利用者の障害特性に応じて工夫されたものであること。

・サテライト型住居と一体として運営される本体住居及びサテライト型住居については、そ

れぞれの住居に必要な通信機器(携帯電話等でも可)を設けること。

介護サービス包括型 日中サービス支援型 外部サービス利用型

立地条件 ・住宅地又は住宅地と同程度に利用者の家族や地域住民との交流の機

会が確保される地域にあること。

・入所施設及び病院の敷地外にあること。

定員

事業所 4人以上

住 居 新規建物2~10 人、既存建物2~20 人

サテライト型1人(介護サービス包括型・外部サービス利用型のみ)

※サテライト型住居の定員は、本体住居の定員には含まれない(事業所

の定員には含まれる)

ユニット 2~10 人

※ユニットとは、居室及び居室に近接して設けられる相互に交流を図るこ

とができる設備により一体的に構成される生活単位をいう。

その他 原則として1つの建

物に複数住居を設置

することはできない

1つの建物に複数住

居を設置した場合、建

物の定員の合計は 20

人以下

原則として1つの建

物に複数住居を設置

することはできない

居室面積 収納設備を除き 7.43 ㎡以上(4畳半以上)

居室定員 1人 (夫婦で居室を使用する場合等、特に必要と認められる場合は2人)

設備 ・住居ごとに1以上のユニットを有すること。

・ユニットごとに原則として居室、居間、食堂、風呂、トイレ、洗面所、

台所等日常生活を送る上で必要な設備を設けること。

その他 短期入所(単独型また

は併設型)を併設

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〇立地に関する注意点

利用者に対して、家庭的な雰囲気の下でサービスを提供するとともに、地域との交流を図

ることによる社会との連帯を確保する観点から、グループホームを孤立した立地に建てるべ

きではありません。

また、日中活動の場とグループホームは相互に近接しすぎないことも重要です。日中活動

事業所が同一敷地内または隣接した場所にある場合は、原則として利用者は当該事業所に通

わないようにするなど配慮していただく必要があります。

立地については上記のほか、周辺の環境等を踏まえて判断するものですので、事前相談を

お願いします。

〇建物に関する注意点

空き家を活用してグループホームを開設する場合、建築基準法や消防法等の規制により使

用できない又は大規模な改修が必要となる場合があるため注意が必要です(次項参照)。

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2-4 建物使用に係る建築基準法例等の遵守について

建築基準法令

グループホーム等を新築し、または、既存の建築物の用途を変更してグループホーム等と

する場合には、建築基準法令に適合しているかどうかの確認を受ける必要があります。

グループホームは建築基準法上、用途が規定されていないため、施設の規模、配置等から

判断し、用途の取扱いを決めることになります(通常は「寄宿舎」、「共同住宅」あるいは「児

童福祉施設等」として取り扱われます)。

グループホームを新築する場合や既存建築物をグループホームとして使用する場合は、建

築確認を受ける必要がある場合があるため、必ず当該建築地を所管する特定行政庁の建築担

当課等にご相談ください。

消防法令

社会福祉施設等において、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けることが

義務付けられ、消防法令に適合しているか確認を受ける必要があります。

適合状況については、施設の内容によって設置基準が異なりますので、管轄する消防本部

へご御相談ください。

新潟県福祉のまちづくり条例

公共的施設における多数の利用に供する出入口、廊下、階段等について、高齢者、障害者等が

安全かつ快適に利用できる構造及び設備についての整備基準を定めた条例で、社会福祉施設等は

本条例を遵守する必要があります。事前協議については、市町村担当課にお問い合わせください。

★新潟県福祉のまちづくり条例に関する情報は、県HPから「新潟県福祉のまちづくり条例」と検索

してださい。URL:https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/shougaifukushi/fukumachi.html

新潟県 所管(※) 電話番号

新発田地域振興局地域整備部建築課 村上市、阿賀野市、胎内市、聖籠町、関川村、粟島浦村 0254-26-9199

新潟地域振興局地域整備部建築課 五泉市、阿賀町 025-273-3204

三条地域振興局地域整備部建築課 加茂市、燕市、田上町、弥彦村 0256-36-2319

長岡地域振興局地域整備部建築課 小千谷市、見附市、出雲崎町、刈羽村 0258-38-2625

南魚沼地域振興局地域整備部建築課 十日町市、魚沼市、南魚沼市、湯沢町、津南町 025-772-3958

上越地域振興局地域整備部建築課 糸魚川市、妙高市 025-526-9529

佐渡地域振興局地域整備部建築課 佐渡市 0259-74-3339

※上表以外の区域は、特定行政庁である新潟市、長岡市、柏崎市、三条市及び新発田市が所管しています。

消防本部名 管轄市町村 電話番号 消防本部名 管轄市町村 電話番号

長岡市消防本部 長岡市(川口地域を除く) 0258-36-0119 佐渡市消防本部 佐渡市 0259-51-0119

三条市消防本部 三条市 0256-34-1111 魚沼市消防本部 魚沼市 025-793-0119

柏崎市消防本部 柏崎市、出雲崎町、刈羽村 0257-24-1500 南魚沼市消防本部 南魚沼市、湯沢町 025-782-9119

小千谷市消防本部 小千谷市、長岡市川口地域 0258-81-0119 阿賀町消防本部 阿賀町 0254-92-0119

見附市消防本部 見附市 0258-62-0555 加茂地域消防本部 加茂市、田上町 0256-52-1770

村上市消防本部 村上市、関川村、粟島浦村 0254-53-0119 燕・弥彦総合事務組合消防本部 燕市、弥彦村 0256-92-1119

糸魚川市消防本部 糸魚川市 025-552-0119 新発田地域広域事務組合消防本部 新発田市、胎内市、聖籠町 0254-22-1119

五泉市消防本部 五泉市 0250-42-0119 十日町地域消防本部 十日町市、津南町 025-757-0119

阿賀野市消防本部 阿賀野市 0250-62-2058 上越地域消防事務組合消防本部 上越市、妙高市 025-525-1197

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2-5 運営基準

○個別支援計画の策定

○利用者負担額等の受領

○管理者、サービス管理責任者の責務

○勤務態勢の確保等

○事故発生時の対応

○非常災害対策<一部独自>

○協力医療機関等

○支援体制の確保 ※

○定員の遵守

○運営規程<一部独自>

○衛生管理

○苦情解決

○記録の整備

○身体拘束等の禁止

○暴力団の排除<独自> など

※ 支援体制の確保(バックアップ施設)

サービス提供体制の確保、夜間における緊急時の対応等のため、他の障害福祉サービス事

業所その他の関係機関との連携及び支援体制を確保しなければなりません。

地域活動支援センターや遠距離の事業所をバックアップ施設とすることは望ましくありま

せん。

<新潟県独自の基準(上乗せ基準)について>

新潟県では、国が定める基準省令のほか、条例により独自基準を定めています。グループ

ホームの指定にかかわる基準は以下のとおりです。

○運営規程 運営規程に規定すべき項目として、「秘密保持等に関する事項」、「苦情

解決に関する事項」を追加しています。

○暴力団の排除 暴力団等による不当な行為の防止、不当な影響の排除を目的としてい

ます。

○非常災害対策 事業者は、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けると

ともに、地域の環境及び利用者の特性に応じて、火災、地震、風水害、

津波その他の非常災害に関する具体的計画を立て、非常災害時の関係機

関への通報及び連絡体制を整備し、それらを定期的に従業者に周知する

必要があります。

なお、市町村が定める地域防災計画に要配慮者利用施設として位置づ

けられた施設は、水防法等により、避難確保計画の作成及び避難訓練の

実施が義務となっています。

★現地確認・実地指導について

新潟県では、グループホームの新規指定・住居追加にあたり、現地確認を実施しています。

また、サービスの適正かつ円滑な運営の確保を図るため、全ての障害福祉サービス事業者

等を対象として、関係法令に基づく実地指導、集団指導及び監査を実施しています。

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3 グループホームの運営費

3-1 サービス報酬について

グループホームの運営費は、市町村から事業者に対して支払われる報酬(自立支援給付費)

と利用者負担金により賄われます。

事業者は、サービスを提供した日数・人数に応じ、国の報酬告示で定められた額の報酬を

受けることができます。新潟市を除く県内市町村は、1単位=10 円で算定します。

基本報酬のほか、専門職員の配置や、夜間支援体制を確保している場合などに算定できる

各種加算があります。

なお、指定基準に定める基準を満たしていない場合(従業者の員数の欠如、個別支援計画

未作成など)や、住居の規模が一定以上の場合には報酬が減算となるため、注意が必要です。

報酬は、本来、市町村から利用者に支給されるものですが、実際には代理受領方式により

サービスを提供する事業者が市町村から利用者負担の金額(原則 1 割)を差し引いた額の支

払いを受けます。

事業者は、上記のほか、家賃、食費、光熱水費、日常生活品などの実費相当額を利用者本人

から徴収することができます。

〇給付費の請求について

万が一、報酬・加算の算定要件を満たしていないにもかかわらず給付費の請求を行ってい

た場合は、不正請求となり、支払われた給付費を返還していただくことになりますので、十

分注意してください。(悪質な場合は、指定の取消し等の行政処分の対象になります。)

★報酬告示・留意事項通知を必ず確認しましょう。

★サービス報酬に関する算定要件や報酬単価は国の告示・通知で定められています。

【報酬告示】(平成 18 年 9 月 29 日厚生労働省告示第 523 号)

「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サー

ビス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準」

【留意事項通知】(平成 18 年 10 月 31 日障発第 1031001 号)

「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サー

ビス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う

実施上の留意事項について」

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3-2 利用者負担額について

障害福祉サービスを利用すると、原則としてサービス費の1割が利用者負担となりますが、

所得に応じて負担額の上限額が決められています。

グループホーム利用者のひと月あたりの負担上限額

世帯の収入状況 負担上限月額(※)

生活保護世帯 0円

市町村民税非課税世帯 0円

上記以外 37,200 円

※負担上限月額は、グループホームとグループホーム以外の障害福祉サービスの利用に係る自己負

担額を合算した金額です。グループホーム事業者は、実際の利用者負担額が、利用者ごとに設定さ

れた負担上限月額を超えないよう上限管理する必要があります(負担上限月額0円の方は管理する

必要はありません。)。

3-3 家賃助成制度(補足給付)

グループホーム居住者のうち、低所得者に係る家賃の実費負担を軽減するため、生活保護

または市町村民税非課税世帯に属する障害者の方がグループホームを利用する場合に、利用

者1人あたり月額1万円(家賃が1万円を下回る場合は家賃の額)が助成されます。グルー

プホームを新たに利用する方が家賃助成を受ける場合は、支給決定市町村に申請が必要です。

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4 開設までの流れ

(1)事業の構想

・どんなグループホームにしたいか。

・法人格を取得しているか。

(2)事業計画を立てる

・具体的な事業計画と予算を立てる。

・入居定員は何人にするか。(利用予定者はいるか。)

・土地・建物は確保できるか。

・バックアップ体制は確保できるか。(連携施設、医療機関等)

・設置場所の市町村担当窓口へ相談したか。(事業の必要性等を協議)

(3)不動産物件を探す(または新築する)

・立地条件、設備基準などを満たしているか。

・建築基準法令に適合しているか。(当該地域を所管する特定行政庁に確認)

・消防法令に適合しているか。(最寄りの消防署に確認)

・近隣住民への挨拶と事業の説明をしているか。

・賃貸の場合、家主の合意はとれているか。

(4)人材を確保する

・人員基準上必要な職員と雇用(又は委託)契約を結ぶ。

・休日や夜間でも人材を確保できるか。

・サービス管理責任者は必要な研修を修了しているか。

(5)事業開始の準備をする

・県地域振興局に開始届を提出する。

・事業実施計画書を県障害福祉課へ提出する。(事業開始予定日の4か月前まで)

・指定申請書を県障害福祉課へ提出する。(事業開始予定日の3か月前まで)

・生活用品、帳簿、個人記録等を準備する。

(6)事業を開始する

・入居者を募集する。

★県では随時、指定相談を受け付けています(来庁する際は事前にご連絡ください)。

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5 開設後の手続き(各種届出)

(1)業務管理体制整備に関する届出

不正事案の発生防止及び事業運営の適正化を図るため、全ての指定障害福祉サービス事

業者等に法令遵守等の業務管理体制の整備とその届出が義務づけられています。

届出は、届出区分ごとに、事業者(=法人)単位で行います。(事業所・施設ごとではあ

りません。)

新たに障害福祉サービス事業等を開始した場合や、届出区分等に変更があった場合に届

出が必要です。

※ 詳細は「障害福祉サービス事業者等指定申請の手引き(新潟県福祉保健部障害福祉課)」(以

下「手引き」)p.80~83 を参照ください。

(2)変更届

指定を受けた後、事業所の名称や所在地など、所定の事項に変更があった場合は、変更

届を提出します。

○管理者・サービス管理責任者の変更、運営規程の変更など

⇒変更後 10 日以内に届出

○新たに加算を算定または算定する単位数が増える場合

⇒1日~15 日の間に届出受理:翌月サービス分から算定開始

⇒16 日~末日の間に届出受理:翌々月サービス分から算定開始

○加算を算定しないこととなった場合

⇒速やかに届出(要件を欠いた日から算定適用外)

○前年度の実績により算出することが要件とされている加算(夜間支援体制加算等)

⇒毎年4月に届出(提出期限等について毎年3月に通知します)

※ 届出が必要な変更事由、必要書類、提出先等については、手引き p.86~90 を参照ください。

(3)住居の追加(増設)

指定を受けた事業所が住居を追加する場合は、事前に届出が必要です。

○事業実施計画書 ⇒住居を追加する日の4か月前までに提出

○変更届 ⇒住居を追加する日の2か月前までに提出

(4)指定の更新申請

指定の有効期間は、6年間です。指定を更新する場合は、指定の有効期間満了の3か月

前までに指定更新申請書の提出が必要です。