中高・大学教職員協働による英語教育の学修支援

何もない図書館でいかに英語多読コーナーを作ったか

人がいないよ～

お金がないっ！！

もはや本を置く場がない

福岡女学院大学図書館 3つの不足大学図書館共通の悩み？

人材・人手不足

スペース不足

財源不足

※2015年度当初●専任職員 2名（課長・専任司書1名）●業務委託 5名（夜間・土曜日込 シフト制 ）

●図書館収容冊数18万冊に対し、すでに25万冊所蔵利用が少ない本を箱詰し、新刊本の配架に日々苦労・・・

●人員、図書館予算不足おまけに洋雑誌、データベースの高騰

英語多読コーナーの問題実は、2015年以前から大学図書館にもありました…

配架の問題

本のレベルの問題

●出版社ごとに配架しているため、利用者が自分にあったレベルを探しにくい。

●英語多読本はOPACや通常の請求記号では探しにくい。●スタッフが配架するときに請求ラベル順に並べるのも大変だった。⇒利用者もスタッフも利用しにくいラベル（請求記号）って必要？

●GR（Graded Readers）ばかりで、英語が苦手な学生には敷居が高い。⇒大学ではなく中高図書館の英語多読資料を利用している学科があることが判明。

３つの不足を補う３つの思いとパワー

2014年度に新設された国際キャリア学科教員

英語多読を本学に取り入れた中高英語科教員

大学図書館員

●『学生に英語を好きになってもらいたい』という思い⇒幅広い英語多読本の購入について、図書館委員会へ働きかけ、資料費の一部を英語多読資料購入費にまわせるように

●『自分の生徒だけではなく、英語多読を広めたい』という思い⇒選書・レベル分けなど大学図書館へのアドバイスにより、図書館員の作業が大幅に軽減

●『学生が本を簡単に探せるようにしたい。読書を楽しんで欲しい』という思い⇒スタッフ全員で力を合わせ、大量に除籍し、1棚無理やり用意。年度末年度初めの3ヶ月でなんとか英語多読コーナーを作る。

英語多読コーナーリニューアル！！

緑の●シールが付いているのは、音声（ＣＤなど）付

漫画も多読分類

★15段階のレベルに分けて配架★請求記号は廃止、レベルシール貼付

特製レベルシール色ラベルが背にくるよう貼付

5,700冊所蔵（中高7,500冊）

「中高・大学共通リスト」「大学所蔵リスト」を作成

LEVEL ８Level ８ (【YL（読み易さレベル） 3.0～4.0程度】/【総語数平均約１００００語（６０００語～１２０００語程度）】/【７０～１

２０ページ程度】）重複分

Place Audio series Title Type YL Age LexileWord

Count

Page

Countwpp 中高 大学

196 DL OBW3 "Who, Sir? Me, Sir?" GR 3.2-3.4 10295 57 180.6 8 1

197 DSL ○ OBW3 A Christmas Carol GR 3.2-3.4 10385 57 182.2 8 1

198 DL OBW3 A Pair of Ghostly Hands and Other Stories GR 3.2-3.4 9600 56 171.4 8 1

199 DL OBW3 As the Inspector Said and Other Stories GR 3.2-3.4 9600 54 177.8 8 1

200 DSL OBW3 Chemical Secret GR 3.2-3.4 10150 56 181.3 8 1

201 DL OBW3 Ethan Frome GR 3.2-3.4 10700 56 191.1 8 1

■中高・大学共通リスト（中高教員作成）※適宜更新、ラベルデータとしても活用

■大学所蔵リスト（多読コーナーに配置）※教員・学生共通ファイル上にも公開

２０１３－２０１６年前期（４－８月）英語多読資料、学生の利用推移

学生一人当たりの貸出冊数の推移

※英語関係学部以外の学部で貸出が伸びている。

）

授業で多読多聴を取り入れたクラス

学生一人一人の読むレベル推移

学生 4月 5月 6月 7月1 3.29 4.05 3.83 4.82 4.25 3 3 2.333 3.6 3.6 3.614 2.8 3.64 3.89 45 3.5 3.33 3.36 46 3.5 3.13 3.9 47 2.5 3.33 3.59 3.67

26 3.33 3.73 2.93 427 3.71 3.25 3.93 3.5

平均 3.19 3.32 3.37 3.54

中略

※１ 中高の多読資料を使うようになった。※２ 授業貸出（まとめ貸し）を行ったため、個人貸出

冊数に反映されていない。また、国際キャリアでは別の取り組みもスタート。

★わずかではあるが、少しずつレベルが上がっていた。★大学の場合、継続的な取り組みができていない。追跡調査の結果、ほとんどの学生が授業がなくなると多読をしなくなっている。（今後の課題）

図書館 司書小野 未来子

図書館だからできる学習支援・読書支援・データ分析・提供・多種多様な資料の提供・多読ＰＲ・生涯学習の場の提供（多読はいくつからでもスタート可！） etc.

これからもできることからコツコツと取り組みます