東京都の経済情勢報告kantou.mof.go.jp/content/000237403.pdf · 2019-07-30 ·...
TRANSCRIPT
東京都の経済情勢報告
令和元年7月30日
財務省関東財務局 東 京 財 務 事 務 所
※掲載した経済指標等については速報値を含む。
1.総論
【総括判断】「都内経済は、一部に弱い動きがみられるものの、回復し
ている」
項 目 前回(平成31年4月判断) 今回(令和元年7月判断) 前回 比較
総括判断 一部に弱い動きがみられるものの、回復している
一部に弱い動きがみられるものの、回復している
(注)令和元年7月判断は、前回平成31年4月判断以降、令和元年7月に入ってからの足下の状況までを含めた期間
で判断している。
(判断の要点)
個人消費は、一部に弱い動きがみられるものの、回復しつつあり、産業活動も、回復しつつある。雇
用情勢は、改善しており、人手不足感が強まっている。
【各項目の判断】
項 目 前回(平成31年4月判断) 今回(令和元年7月判断) 前回 比較
個人消費 一部に弱い動きがみられるものの、回復しつつある
一部に弱い動きがみられるものの、回復しつつある
産業活動 一部に弱い動きがみられるものの、回復しつつある
回復しつつある
製造業 このところ足踏みの状況にある 持ち直しつつある
非製造業 回復している 回復している
雇用情勢 改善している 改善しており、人手不足感が強まっている
設備投資 30年度は増加見込みとなっている 元年度は増加見込みとなっている
企業収益 30年度は増益見込みとなっている 元年度は減益見込みとなっている
企業の
景況感 現状判断は、3期ぶりに「下降」超 現状判断は、2期連続で「下降」超
住宅建設 前年を下回っている 前年を下回っている
【先行き】
先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果により、着実に景気が回復
していくことが期待される。ただし、海外経済の動向などを注視する必要がある。
2.各論 個人消費 「一部に弱い動きがみられるものの、回復しつつある」
百貨店・スーパー販売額は前年を下回っているものの、コンビニエンスストア販売額は引き続き前年
を上回って推移しており、乗用車の新車登録届出台数も前年を上回っている。このように、個人消費は、一部に弱い動きがみられるものの、回復しつつある。
(主なヒアリング結果)
5月のGWは、外国人観光客の減少により、微増に止まり、GW明けから6月は、10連休の反動と6月下旬からのクリア
ランスセールを意識してか、前年比マイナスとなっている。(百貨店・大企業)
健康志向は根強く、サバ缶やアマニ油などの売れ行きが良い中で、5月は、改元祝いとして、上質な握り寿司などの単価
の高い商品を揃え、これらの商品の売れ行きが良かった。(スーパー・大企業)
カウンター回り商品やミールキット(料理するための食材等一式がセットされたもの)、冷凍食品が引き続き伸長して
いる。(コンビニエンスストア・大企業)
テレビ、エアコン、洗濯機が堅調であり、パソコンも比較的高価格な物が売れており、消費税率引き上げ前の駆け込み
による購入が出ているのではないかと思わせる動きがみられる。(家電量販店・大企業)
4、5月は10連休が寄与し、国内旅行、海外旅行ともに前年を上回る旅行者数となっている。(旅行代理店・大企業)
産業活動 「回復しつつある」
製造業は、汎用・生産用・業務用機械等が減産しているものの、電気機械や輸送機械等は増産してお
り、持ち直しつつある。また、非製造業は、第3次産業活動指数をみると堅調に推移しており、回復している。このように、産業活動は、回復しつつある。
(主なヒアリング結果)
デジタルカメラは、スマートフォンへ需要が移行しているほか、中国の景気減速の影響も受けて減産している。(業務
用機械・大企業)
工場向け電気システムは、製造工場のデジタル化への需要(IoT投資)が増加しており、増産している。(電気機械・大
企業)
大中型トラックは、国内、海外ともに需要が堅調に推移しており、小型トラックは幅広いニーズがあることから、徐々
にではあるが回復している。(輸送機械・大企業)
鉄道鋼材や自動車部品等の輸送需要が旺盛であり、陸運・海運分野では企業間物流が堅調である。(陸運・大企業)
改元対応や2020年1月のWindows7サポート終了を控えて、システム改修やPC端末の入れ替え特需があり、売上が好調に推
移している。(情報通信・大企業)
雇用情勢 「改善しており、人手不足感が強まっている」
有効求人倍率は高水準で推移しているほか、完全失業率が低水準であるなど、改善しており、人手不
足感が強まっている。
(主なヒアリング結果)
製造部門(工場)での人手不足感が強く、募集してもなかなか集まらない。(印刷・大企業)
非正規社員の不足が深刻で、昨秋から欠員が続いている状況。時給を上げるなどしているが、なかなか人が集まらな
い。(小売・大企業)
設備投資 「元年度は増加見込みとなっている」(全規模・全産業)「法人企業景気予測調査」31年4-6月期 ○ 元年度の設備投資計画額は、製造業では前年比19.3%と増加見込み、非製造業では同10.9%と増加見込みとなっており、全産業では同13.6%と増加見込みとなっている。
企業収益 「元年度は減益見込みとなっている」(全規模・全産業)「法人企業景気予測調査」31年4-6月期 ○ 元年度の経常利益(除く「電気・ガス・水道業」、「金融業、保険業」)は、製造業では前年比5.3%と増益見込み、非製造業では同▲6.0%と減益見込みとなっており、全産業では同▲2.4%と減益見込みとなっている。
○ これを規模別にみると、大企業、中小企業は減益見込み、中堅企業は増益見込みとなっている。
企業の景況感 「現状判断は、2期連続の『下降』超」(全規模・全産業)「法人企業景気予測調査」31年4-6月期 ○ 企業の景況判断BSIは、2期連続の「下降」超となっている。先行きについては、「上昇」超に転じる見通しとなっている。
住宅建設 「前年を下回っている」
○ 新設住宅着工戸数は、持家、貸家、分譲住宅のいずれも前年を下回っている。
東京都の経済情勢報告
資 料 編
※掲載した経済指標等については速報値を含む。
1.個人消費※Pは、速報値
【グラフ1】 【グラフ2】
【経済産業省】 【日本ショッピングセンター協会】
【グラフ3】 【グラフ4】
【経済産業省】 【日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会】
【グラフ5】 【グラフ6】
※農林漁家世帯を含む。 【総務省】 ※生鮮食品を除く総合 【総務省】
1
▲ 10.6
21.1
0
10
20
30
40
50
▲ 20
▲ 10
0
10
20
30
30年12月 31年1月 2月 3月 4月 元年5月
(万円)家計消費支出(東京都区部・二人以上の世帯)
消費支出額【右軸】
前年比【左軸】
(%)
0.62.6
6.4
▲ 5.1
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
▲ 20
▲ 15
▲ 10
▲ 5
0
5
10
15
20
25
7-9月
30年
10-12月 1-3月
31年
4-6月 1月
31年
2月 3月 4月 5月
元年
6月
(千台)乗用車新車登録届出台数(東京)
普通車【右軸】 小型車【右軸】
軽乗用車【右軸】 前年比【左軸】
(%)
▲ 0.2
1.80.2
▲ 10
▲ 5
0
5
10
31年1月 2月 3月 4月 元年5月 6月
(%) ショッピングセンター販売額(東京区部)
前年比(既存店)
▲ 1.6 ▲ 1.1
▲ 10
▲ 5
0
5
10
30年12月 31年1月 2月 3月 4月 元年5月
百貨店・スーパー販売額(東京)
百貨店・スーパー前年比(全店)
百貨店 前年比(全店)
スーパー前年比(全店)
(%)
.
0.9 0.8 0.6
1.3 1.1
0.9
▲ 1.5
▲ 1.0
▲ 0.5
0.0
0.5
1.0
1.5
31年1月 2月 3月 4月 元年5月 6月
消費者物価指数(前年同月比増減率)
消費者物価指数(全国)
消費者物価指数(東京都区部)
(平成27年=100)(%)
(P)
2.3 2.1
▲ 10
▲ 5
0
5
10
30年12月 31年1月 2月 3月 4月 元年5月
(%)コンビニエンスストア販売額(関東)
前年比(全店)
2.産業活動※Pは速報値
【グラフ7】
【東京都】
【グラフ8】
【東京都】
2
(生産)95.5
(在庫)113.9
(出荷)97.0
80
90
100
110
120
5月30年
6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月31年
2月 3月 4月
東京都工業指数(季節調整値)
生産指数 在庫指数 出荷指数
(P)
総合 95.5
輸送 110.5
汎用 84.4
電気 111.3
化学 82.2 印刷 82.5
情報 109.9
食料品 118.3
70
80
90
100
110
120
130
140
150
5月
30年
6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月
31年
2月 3月 4月
(指数)平成27年=100工業生産指数(業種別・季節調整値)
総合 輸送機械汎用・生産用・業務用機械 電気機械化学 印刷情報通信機械 食料品
(P)
(指数)平成27年=100
【グラフ9】
【経済産業省、東京都】
【グラフ10】
【東京都】
3
107.3
106.4106.2
103
104
105
106
107
108
30年5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 31年1月 2月 3月 4月 元年5月
第3次産業活動指数(除く金融・保険業、季節調整値)
東京都
全国
(指数)平成22年=100
107.3
94.5
116.1
113.0
108.2107.7
99.2
134.2
110.4
80
90
100
110
120
130
140
30年5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 31年1月 2月 3月 4月
東京都第3次産業活動指数(業種別・季節調整値)
総合(除く金融・保険) 卸売業 情報通信業
事業者向け関連サービス 生活娯楽関連サービス 不動産業
小売業 医療,福祉 運輸業,郵便業
(指数)平成22年=100
3.雇用情勢【グラフ11】
※季節調整値、パートを含む 【厚生労働省】
【グラフ12】
※原数値 【総務省】
4.設備投資【グラフ13】
※除く土地購入額、含むソフトウェア投資額 【法人企業景気予測調査】
4
2.6 2.5 2.5 2.5
2.4 2.4
2.9
2.7
2.9
2.4 2.3 2.3
2.0
2.5
3.0
3.5
29年10-12月 30年1-3月 30年4-6月 30年7-9月 30年10-12月 31年1-3月
(%) 完全失業率の推移
全国 東京
▲ 3.5
5.6
▲ 8.6
13.619.3
10.9
▲ 20
▲ 10
0
10
20
30
全規模・全産業 製造業 非製造業 全規模・全産業 製造業 非製造業
前年比増減率(%) 東京都内所在企業の設備投資計画額(令和元年度)
〔平成31年4-6月期調査〕〔平成31年1-3月期調査〕
1.61 1.62 1.63 1.63 1.62 1.63 1.63 1.63 1.63 1.63 1.63 1.62
2.15 2.14 2.14 2.15 2.12 2.13 2.13 2.12 2.13 2.14 2.12 2.12
1.0
1.5
2.0
2.5
30年6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 31年1月 2月 3月 4月 元年5月
(倍) 有効求人倍率の推移
全国 東京
5.企業収益【グラフ14】
※除く「電気・ガス・水道業」、「金融業、保険業」 【法人企業景気予測調査】
6.景況感【グラフ15】
【法人企業景気予測調査 平成31年4~6月期】
5
30年1-3月 30年4-6月 30年7-9月 30年10-12月 31年1-3月31年4-6月(現状判断)
元年7-9月(見通し)
元年10-12月(見通し)
全規模 3.7 ▲ 1.4 2.6 4.6 ▲ 0.1 ▲ 2.6 4.8 3.0
大企業 4.5 ▲ 0.6 2.9 5.1 0.0 ▲ 0.4 6.4 3.0
中堅企業 5.9 1.3 6.5 6.6 2.3 ▲ 4.6 6.7 3.5
中小企業 ▲ 2.9 ▲ 9.1 ▲ 5.5 ▲ 0.5 ▲ 5.0 ▲ 6.9 ▲ 4.7 1.6
▲ 10
▲ 5
0
5
10(%ポイント)
東京都内所在企業の景況判断BSI
全規模
大企業
中堅企業
中小企業
上
昇
超
下
降
超
【前期比「上昇」-「下降」社数構成比】
▲ 6.1 ▲ 6.4
▲ 3.7
16.8
▲ 3.1
▲ 7.7
▲ 2.4 ▲ 2.8
6.2
▲ 7.1
5.3
▲ 6.0▲ 10
0
10
20
全規模
全産業
大企業 中堅企業 中小企業 製造業 非製造業 全規模
全産業
大企業 中堅企業 中小企業 製造業 非製造業
前年比増減率(%)東京都内所在企業の経常利益(令和元年度)
{ 全 規 模 }{ 全 産 業 }
〔平成31年1-3月期調査〕 〔平成31年4-6月期調査〕
{ 全 産 業 } { 全 規 模 }
7.住宅建設【グラフ16】
【国土交通省】
8.公共事業【グラフ17】
【北海道建設業信用保証株式会社、東日本建設業保証株式会社、西日本建設業保証株式会社】
6
▲ 7.6▲ 16.2
31.6
▲ 17.8
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
▲ 75
▲ 50
▲ 25
0
25
50
75
30年
7-9月
30年
10-12月
31年
1-3月
31年
4-6月
30年
7月
8月 9月 10月 11月 12月 31年
1月
2月 3月 4月 元年
5月
6月
(億円)公共工事前払金保証請負金額(東京)
地方の機関【右軸】 国の機関【右軸】
前年比【左軸】
(%)
▲ 13.7 ▲ 5.3
▲ 21.5
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
▲ 75
▲ 50
▲ 25
0
25
50
30年
7-9月
30年
10-12月
31年
1-3月
31年
4-5月
30年
6月
7月 8月 9月 10月 11月 12月 31年
1月
2月 3月 4月 元年
5月
新設住宅着工戸数(東京)
持家【右軸】 貸家・給与【右軸】
分譲住宅【右軸】 前年比【左軸】
(%) (戸)
9.企業倒産
【グラフ18】
【東京商工リサーチ】
【グラフ19】
【東京商工リサーチ】
7
1.7
▲ 20.1
24.6
0
50
100
150
200
▲ 100
▲ 50
0
50
100
30年7月 8月 9月 10月 11月 12月 31年1月 2月 3月 4月 元年5月 6月
(件)東京都内における倒産件数の推移
件数【右軸】 前年比【左軸】
(%)
95.9
▲ 45.3
▲ 85.0
0
500
1,000
1,500
2,000
▲ 100
0
100
200
300
400
500
600
700
30年7月 8月 9月 10月 11月 12月 31年1月 2月 3月 4月 元年5月 6月
(億円)東京都内における負債総額の推移
負債総額【右軸】 前年比【左軸】
(%)