軟泥中の音波伝搬理論 - agriknowledge.affrc.go.jp · 透過波はゆ3exp...

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軟泥中の音波伝搬理論 誌名 誌名 東海大学紀要. 海洋学部 ISSN ISSN 13487620 巻/号 巻/号 18 掲載ページ 掲載ページ p. 135-157 発行年月 発行年月 1984年1月 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

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軟泥中の音波伝搬理論

誌名誌名 東海大学紀要. 海洋学部

ISSNISSN 13487620

巻/号巻/号 18

掲載ページ掲載ページ p. 135-157

発行年月発行年月 1984年1月

農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センターTsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research CouncilSecretariat

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東海大学紀要海洋学部第18号 135-157頁(1984)

軟泥中の音波伝搬理論*

土屋明

The Theory of Acoustic Propagation in Soft Mud

Akira TSUCHIYA

Abstract

A new theory of acoustic propagation, sound speed and attenuation, in soft mud as

hedoro sediment is discussed in the paper. The new theory is based on 3-phase suspension

model, i. e. the suspension is composed of sea water, mineral and porous organic particles.

The 3-phase suspension model is used becouse the volume concentration of the particles

in the suspension is less than that of oceanic sediment such as mineral particles.

In this theory, particularly, the ratio, by volume, of organic particles to the suspended

particles and porosity, wet density and compressibility of organic particles are newly in.

troduced. Then the new equation of propagation in the suspension is deduced.

By numerical simulation, the dependences of sound speed and attenuation in the suspen.

sion on sa, frequency, diameter in伊-scaleof particles, volume concentration, ratio by

volume, porosity, wet density and compressibility of porous particles are made clear.

Particularly, dispersion effect of sound speed in the suspension is appeared in frequency

range of 100豆f(kHz)壬103,which is usual in echo sounding.

A:比例定数

a:粒子半径

B:比例定数

Cp :粒子の体積濃度(分率〉

L1Cp,町:任意の <p, における

粒子-nの体積濃度

D:距離

d=2a:粒子直径(粒径〉

F:粘性抵抗力

f=ω/2π:音波の周波数

j=(_1)1/2 :虚数記号

k=(曲/V)+jα:音波の

(複素〉伝搬定数

Mv,n:粒子-nの体積混合率

記号表

σ=Pp/Pt:密度比

内:粒度分布の標準偏差

。:散乱角

φ,件:音波の速度ポテンシャノレ

伊=10g2d:伊値で表わした粒径

d伊:粒度分布の階級幅

ν=マ/p:動粘性係数

ω=2π:f:音波の角周波数

添字

1 :流体・懸淘媒・海水

m:平均値

max:最大値

min:最小値

* 東海大学海洋学部業績A第273号.受理1983年10月6日

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136

m=ん/ん:圧縮率比

N:粒子の個数

P:空際性粒子中の空際率

ぁ:音圧

R:距離

t :時間

V:音波の速さ(音速〉

X, y, z:直角座標軸

α:音波の減衰

s: (回/αν〉山

l/s=ε:表皮効果の厚さ

ザ:粘性係数

ザ'=(ザp/ザt)ー1:粘性係数の比

JC :圧縮率

A=V/f:音波の波長

土屋明

1.

n:粒子の種類 (n=1,2)

p:湿潤粒子

pd:乾燥粒子

p, n:粒子-n

p, 0:全懸潟粒子(粒子ー1とー2が混在〉

p, 1:粒子-1

p, 2:粒子ー2

s:懸濁液

sct:散乱

'!':粒度分布の階級番号

vis:粘性抵抗

i, 0:入射波

1 :反射波

t, 3:透過波

+s:前方散乱波

-s:後方散乱波

はじめに

沿岸海底付近に存在するヘドロのような軟泥(浮泥〉は,水路測量・土質力学ならびに環境工学

上問題が多い.その解決策を講ずるには,まず軟泥の物理量,たとえば体積濃度,密度,粒径,層

厚など,を精確に遠隔測定することが重要であるが,その測定法は確立されていない.この方法を

確立するには,超音波を用いた精密測定法が有効で、あろうと考えられている(TSUCHIYAet al, 1977).

この超音波法では,軟泥中の音波伝搬を明らかにする理論が必要となる.軟泥の組成を極く低濃度

の2成分懸濁液に単純化して考えられるとき, URICK(1947), URICK et alあるいは AHUJA(1972)

などの音波伝搬理論が適用できる場合もある.しかし複雑な組成をもっ軟泥の物理量を精密測定す

るような場合には,これらの理論を適用しても理論値と測定値との差が大きくなる.

この難点、を補うために,土屋ら (1983-a,b)は,新たに軟泥中の音波伝搬理論についての基本的

な考え方を示したが,理論の詳細については言及していなかった.

そこで本論文では,この新しい理論すなわち 3成分懸濁液中の音波伝搬(音速・減衰)理論(以

下 3成分理論と呼ぶ〉の詳しい導き方を論ずるとともに導出式を用いた数値計算を行い,この 3成

分理論の特徴と現場への適用性について述べる.

2. 懸濁液中の音波伝搬理論

前述したように,土屋ら (1983-a,b)が先に示した,軟泥に適用するための音波伝搬理論の基本

的考え方は,次の 3点である.①沿岸海底付近の軟泥は,外洋の鉱物系堆積物に比べ低濃度である

から,懸潟液として取り扱える.②軟泥の沈降試験結果から,この懸潟液の組成は 3成分すなわち

海水,鉱物系微細粒子群と空際性有機物粒子群とみなせる.③この 3成分懸濁液に関わる物理量,

たとえば粒子群の体積混合率,有機物粒子の空隙率など,を新たに導ける.

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軟泥中の音波伝搬理論

このような考え方にしたがって, URICKら(1949)の理

論を拡張することにより, 3成分懸濁液中の音波伝搬理論

を新たに導出することが可能となる.以下その導き方を具

体的に述べる.

2.1 粒子によ{;減衰を考慮した 2成分懸濁液中の音波伝

URICK ら (1949)は,粒子による減表を考慮して 2成分

懸濁液中の音波伝搬理論(以下2成分理論と呼ぶ)を次の

仮定を設けて展開した.すなわち,粘性流体中に 1種類の

徴小剛体球が懸潟し,懸淘粒子は音場中で自由状態にあり,

そして懸褐液は2成分系の均質媒質であるとした.

ここでまず,無限平板における平面波音波の透過と反射

137

liquid ptane I liquid disk

g

LKH 1

4L

レn 1

・un

ιi仇=三=主> I c::ミ〉 主主〉く主コ

や1

.AU

7』

()点。7-

Z Fig. 1. Propagation of plane wave in 2-

layered medium. Width of plane

モデルを考える. Fig. 1のように,伝搬定数んの流体中

に厚さ dで伝搬定数んの平板を浸し,平面波が左方から入射したとする.入射波の速度ポテンシ

disk is equal to d.

ャルをゆoexp (jktz)とし,時間項目p(-jωt)を省略する.平板による反射波はゆ1exp (jktz),

透過波はゆ3exp (jktめである.平板内では速度ポテンシャルを z方向にゆ+exp (jksz)そして -z

方向。_exp (jksz)と定義する.

一般的に音圧か=JωpifJであり ,z=Oにおける音圧の連続性から,

。o+ifJl=A(ifJ+十件ー),ただし A=ps/pt (1)

となり,粒子速度は変位Eを用いて,さ=-aifJ/azで与えられる,ただしさ=持/atである. z=O

における粒子速度の連続性から,。o+ifJl=B(ifJ+ーがー), t.こだし B=k./kt.

同様にして,z=dでは,

A{仇 exp(jksd) +ifJ_ exp ( -jksd)} =仇exp(jktd) (3)

B{仇 exp(jksd)-ifJ_ exp (-jksd)} =仇exp(jktd) (4)

ksd<f:)かつあd<lであれば(3)と(4)式を累乗で展開した場合に, 2次以上の項は無視できる.

A{仇(1十jk.d)+ifJl(lーjksd)}=仇(1+ jktd) (5)

B{仇(1+jksd) -ifJl(l-jksd)} =仇(1+ jktd) (6)

(1), (2)とく5),(6)式から,

(jksd)2ifJO= (件。,jktd+仇-ifJo十件1)(件。jktd+仇-ifJo-ifJふ

を得る.

<Ti=

ゃgxp(jklZ)

己主〉

J --(0,0,-0)

Fig. 2. Geometry of scattering.

(2)

(7)

(0,0,0)

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138 土屋明

次に平板を懸濁液におきかえて考える.なおんの流体中に単位体積あたりタイプ Tの徴小散乱

体が N.個不規則に分散しているとする.平板部分への入射平面波 φzを基本球波によって展開す

ると,

φi=ゆoexp (jktz) =ゆoexp (jktR cos (})

=OoL; (2n+1)jn.1,η(ktR)P,旬(cos(}) n-O

(8)

ここで,.1,π(ktR)はn次の第 1種球ベッセル関数,Pη(cos(})はn次のルジャンドル関数で、ある.

この仇が Fig.2の位置 (0,0, 0)にある球によって散乱されたとすると,この散乱波 φsは

φs=OoL; (ktR)A叫すhn<2l(是tR)Pn(cos (}) (9)

となり ,hn<汽ktR)はn次の第2種ハンケル関数で、ある.位置 (O,O,D)に到達する前方散乱波

φ+, は,

φ+8=何j二j二M 子(Aη,rMZ〉枕〉九やosめdxdy (10)

ただし,R=(x2十y2+D2)1/2,cos (}=D/(x2+グ+D2)山とする.後方散乱波の場合には, cos{}=

-D/(x2+グ+D2)山とおけばよい.よって後方散乱波 φ_sは次式を得る.

仇 s=OoL;叫んj斗叫(ーjktD)n ~,

={何(等4)~ An,.jn}exp (一jktD)

透過波仇は入射波と前方散乱波の和であり次式となる.

φt=φi+φ+s

(-, ...., 12πN.d¥...., A /' .,_1 =oo exp (jktD) + too手t<-'k:;'U)ヲAバ

(11)

(12)

ここで,懸渇液中の伝搬定数が, (11)と(12)式で与えられたような平板の伝搬定数と等しいとみ

なし, (7)式の関係が(11)と(12)式の場合にも成立すれば,

12πN.d¥ Ol=-OO写(ヲァlpη,.jη (13)

/ワザ入T.d¥O3三件。+o。手(1iELJ5Aπ0,(一j)犯

とおき, (7)式にこれを代入すると,

1 ks ¥ 2 ("...... 4押入T,...., /' .,_ A 1.. (, ...... 4",九T1' T""1 /' .,.... A 1 (τ) = t1+手予JELヲ(一j)ねんJx t1一手ヲi弓(一j)ηA叫イ

(14)

(15)

を得る. 2次散乱を考慮、しない微小球による散乱は,Ao,.と Aいの係数を求めればよい. したが

って,

A戸 ιkt3a.3j/Cp~ /Ct _お 3ah(m-1)。 I>t U (16)

A1.,=, .:41(σ-1) パー (σー 1)+ (3A1/ん3a.3)

(17)

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軟泥中の音波伝搬理論 139

ここで,Al={(す+誌がj議7(1+長)} kZ3a.3 である

(16)と(17)式を(15)式に代入すると,

(すr={1十戸-1)CP"} {1+手(叶jv.)CP,.} (18)

ここで,

i?

6T

〆t、、「

M山

uf

G

7

:π;E

d--:r

=一

-F

G

(19)

(20)

となる.なお(18)式は,sa.<,lで、は, Ur ===争 (σー1),りすニ=今 0,I;.Cp,.ニニ争 Cp となり, 結果的

(令r={l+(m一肌}{山-l)Cp} (21)

を得る.これは極く単純化された理論すなわち減表と周波数を考慮しない場合の伝搬定数比に相当

する (URICK,1947).

sa.与 1の領域では,懸濁液中の粒子と流体との粘性摩擦 (viscousdrag効果〉による減衰 αv同

一(与)prep,T (22)

を無視できなくなる (LAMB,1932 ; STOKES, 1922 ; URICK, 1949).ただし、流体中の減衰は αv!s に

比べ非常に小さいので無視できるから,

kωω. s= V

s* = V

s十Jαv!s (23)

hω z=-v;- (24)

とおかなければならない.ここで Vs*は複素音速である. (23)とく24)式をく18)式に代入すると,

2成分懸濁液中の音速 Vsと減衰 αv!sが計算できる.

2.2 3成分懸濁液中の音波伝搬理論

上述の 2成分理論は 1種類の剛体粒子が懸濁した場合の音波伝搬理論であり,複雑な組成をもっ

軟泥には適応しにくい.土屋らは,ヘドロのような軟泥粒子の沈降試験を行った.その結果,軟泥

は鉱物系微細粒子群と空隙性有機物粒子群が流体(海水〉に懸濁した,比較的低濃度の 3成分懸濁

液としてモデ、ル化で、きることを示した(土屋ら, 1983-a, b). そしてこのそテゃル化により,軟泥中

の音波伝搬理論が導けるであろうことを提示した.この理論は,次のような仮定をおいて,前述の

(18)式を拡張することにより導出できる.

1) 全懸潟粒子の体積濃度(分率)Cp は40%以下である.

2) 懸濁液は鉱物系微細粒子群(剛体球;粒子-1)と高空隙性有機物粒子群(粘弾性球;粒子

-2)が流体(海水〉に懸渇したものである.

3) 粒子-2の空際部分は周囲の流体と同じ流体で満されている.

4) 各粒子群の重量頻度分布は少値で表わした粒径に対してそれぞれ正規分布する.

3成分懸濁中の物理量,特に /Cs,Ps, Cp 相互の関係は,

/cs= Cp, l/Cp, 1 + Cp, 2/Cp, 2+ CZ/CZ

ps= Cp, lPp, 1十Cp,2Pp,2十C1Pz

(25)

(26)

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140 土屋明

1=Cp,I+Cp,2+Cl ; Cp=Cp,2+Cp,2 (27)

とおける, (25), (26)と(27)式を(18)式に代入する.その式中で, 1+ :E,(m-1)Cp"は次のよう

におきかえられる.

1 + :E (ICp, 1Cp, 1, '1 +ICp, 2Cp, 2, '2 +IClCl-ICl)/ICl

=川号与T;子!_Cpι,1,戸川r円わ1

=Ct+:Em冗2JCp品,1,パす円1+:Em2Cp品,2丸,宮'2' (28)

同様に, 1+ :E(u,+ jv,)Cp" は次のようにおきかえられ,

1+ :E(u,+ jv,)Cp, 1,'1十:E(u,+ jv,)Cp, 2"2 (29)

しずこカ1って,

(すr= {Ct+ヂ1Cp,1パ1+ヂんパ2}

x {1+号(U'1+ j叫品, 1,'1+号(U'1+叫〆山) (30)

となる.ここで m1=ICp,2/ICt,m2=ICp,2/ICtである.

粒子群の種類を nとして一般化すると, (30)式は

す=[(141写(宇一1)L1 Cp川)

x{吋 1写恥 +jv町hルωη叫町,戸jτ,)} L1 CあM川Wイn叫町寸,戸jτ,]' (31)

とカかミきかえられる. この(31)式が,本論でいう 3成分理論を代表する式であり,

(31)式と後述する(44),(45)および(47)式とから計算することができる.

音速・減衰はこの

ここで, (31)式中の L1Cp,叫すは,

L1Cvη ,=呉監ιexpJ-~ (企ゴ叫21L11D _-- .<:πσn -l 話 Iση I )

で与えられ, Cp=:E :E L1 Cp,町である.これを ps,pp,n と Mv,η であらわすと,n-1

Cp = (Ps-Pl) / (pp, 1Mv, 1十pp,2Mv,2-Pl)

となる.そして Mv,I+Mv.2=1であり,それぞれ

715 _pPd,O-Pp,2-P(ρpd,O-Pl)

.>.Y.>.V,l Pp,I-Pp,2-P(PPd,O-Pl)

M匂, 2Pp, 1-Ppd, 0

Pp,I-Pp,2-P(P叫 O-Pl),

(32)

(33)

(34)

(35)

上式中のPは各粒子の空隙率であるが,実験的決定法については文献(土屋ら, 1983-a の付録〉

を参照されたい, (31) ~ (35)式における, pp,n と/cp,n はんいと JCpd,nを用いて次のように与え

られる.

Pp,I=PPd,1 ; Pp,2=PPd,2(1-P)+plP

ICp, 1 =ICp, 1 ; ICp, 2=ICpd, 2(1-P)十ICtP

(36)

(37)

そして, (31)式中のUn,τ とり仰は ppπパ, ρzと sa,の関数であるが,具体的には次のように表わ

せる.粒子一1については,

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軟泥中の音波伝搬理論 141

i

n,u

一ー+一、、,,,一!

。o-z

+一れ仇一+

f、、古川1

、‘,J

一‘

tv:

hoo

-士十

al--行

1一町内,一+

j:-2

r-一ITJ

1

一百

'A

't、一ー,A

σ一

σ

fト

〆't、、

1

1

e

T

U

U

(38)

(39)

ここで、, σ向I=PんP晶μ,パl/pl,0ム1=(ο1/2)+9/4sα仏'1臼, 7れ1=(9/4sμα仏hす円1)(ο1+1/sα円'1)

そして粒子-2については,

U'2 (σ2-1) {(1 +(2)(σ2+(2)+r2}

(σ2+(2)2+722 (40)

り一 (σ2-1)272 q ー

(α2+(2)2十722・ (41)

ここで,粒子一2を粘弾性粒子と考えると, AHUJA (1972)の表現法を用いて, σ2,02, 72およびが

を次のように表わせる.

σ2=Pp,2/PI ;が=(7)p, 2/豹〉ー102= ! +---.--J_ I (3+2/ザ')2 __ _ J • 2・4saτ2 l {1ム 1 ..Lsa'2 ¥ 2ム (sa'2)2~

lム tヲ-,----I 37)' I '3五,----,

ん I 2 ¥ f 1 ¥2r(1+九)(1+十十年)ι場とlT勺~,j十;rn,広)1 (l+-i-+ß~,~ ) 2-:立211

、 1 亨,j守 I 話ザ,

(42)

特に,粒子一2中の空隙が高空隙率で周囲の流体(海水〉と同じもので満されているものと考えれば,

ザF与 1となり, (42)式のんとれは次式のように簡単化できる.

_ 1 I 9 '., _ 9 (, I 1 ¥ 02一一+~; r2=~11+-ー一一 l:2 I 4sa'2 ' 1"-4sa'2 ¥"'-I sa'2 I (43)

(なお,次節で行う音速・減表の計算には,この (43)式を適用した.また, (31)式は (33)式で

Mい=0とおくと,懸濁粒子としては粒子-1のみが存在していることになり.前述の(18)式に等し

くなる).

一方, 3成分懸潟液中でも粒子と流体との摩擦 (viscousdrag効果〕による減表 αvls を無視す

ることはできない ((22)式参照).そのような場合のんは,

ks=最=合+jα巾 (44)

と表わせる.ここではまた,流体中の減表的は通常的〈αvlsであるので無視できるから,んは,

kl= ~ v 1

(45)

となる.ただい流体を海水とすると,この Vlは水温,塩分,圧力の関数となる.実際には,

KUWAHARA (1939), DEL GROSSO (1974) ,などの海水音速の式を用いて計算で、きる.

具体的に音速比九/Vlと減衰 αvlsを求めるには, (44)と(45)式を(31)式に代入し,Re(ks/kl)

今 1の近似解を得ればよい.

前述の(31)式では粒度分布を,そして(44)式では懸濁液中の viscousdrag効果による減衰を考

慮しているが,え/2na,<1の領域(えは音波の波長〉では Rayleighの散乱係数を無視できない

(W ADA, 1958). そこで3成分懸濁液中の散乱による減衰 α叫を CGS単位で表わすと,

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142 土屋明

一主主~( kt. ~~r) 3 E (~:' n -1) 2 + (血乙旦)lL1C,p 2,7;! 1~ ¥ IW2.uJ 1す日了 J 1 ¥2pp,n+pd J

となる.したがって, 3成分野:濁液中の単位距離当りの全減衰向は,

α8=8. 686(αVlS+αsot) [dBjcmJ

として計算できる.

3. 3成分理論による音速・減衰の数値計算

(46)

(47)

前節では軟泥を比較的低濃度の 3成分懸渇液とみなした場合の音波伝搬理論を導出し,その結果

を(31)式に示した.しかしこの理論は懸渇液中の多種の物理量,たとえば sa,j, Cp, Mv, P, lp情

などが複雑に関係した形となっており,式をみただけで、は理論を的確に見極めるのは難しい.

そこで本節では,いくつかの物理量の値を(31)式に与えて,音速・減衰を数値計算した.まず音

速・減衰と saとの関係,次に局波数との関係を求めた.これらの計算に用いた物理量は次のとお

りである.温度は常温 15['CJ,流体は海水とし塩分 35[%oJ,ν=0.012 [StJ, Pt=1. 026 [gjcm3J,

Vt=1506..65 [mjsJで、ある.軟泥の物理量として,pp,I=2. 70 [gjcm3J, Pp,2=1. 26 [gjcm汀,少叫1=

6.5, Un,I=0.3, lpm,2=4.5,σn,2=0.5, ml=/Cp,I/的 =0.05,m2=/Cp,2j/Ct=0.81,粒子-2のP=0.8

である.なお海水の音速は DELGROSSO (1974)の式を用いて計算し,軟泥の物理量は因子の浦の

ヘドロの分析値を参考にした.

3.1 音速・減衰の Fα 依存性

(1) 粒子ー1の体積混合率 MV,1 をパラメータとした場合

このようにして求めた音速・減衰の向 ((38),(39)と(43)式参照〉依存性を Fig.3に示す.パラ

メータ Mいは粒子-1が全懸濁粒子に占める体積混合率 ((34)式〉であり, 3成分理論の特徴的物

理量のひとつである.縦軸の音速は海水の音速で正規化してれ';Vtとして示しであるが, 以下こ

れを便宜的に音速と呼ぶ.横軸は saであるが,そのサブスケールとして lpm=4(シルトに相当〉

1.04 101

Cp=0.2 Mv,I'1.0

p= 0.8

2ト /E

-> I // 0 I ..::: 巴3'- 1.00 号 lσI>'" ~ I .:;,

ψm・4 司

101

10'

よjj_、戸iJio-I 100 10' 102 10

3 'v 10-1 100 10' 102 103

βa sa

Fig. 3. Dependence of sound speed ratio 九/V!(left hand side) and attenuation 的 (right)on sa

computing by 3-phase suspension theory, at volume concentration of suspended particles :

Cp=O.2. Here parameter is ratio by volume of Particle-1 : Mv,I=O, 0.5 and 1. O.

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軟泥中の音波伝搬理論 143

および6(粘土に相当〉としたときに,それぞれに対応する周波数の範囲 (101豆f(kHz)孟10りを

図中に示してある.111い=1.0の曲線は粒子ー1すなわち鉱物粒子群のみが,MV,I=Oのそれは粒子

-2すなわち空際性有機物粒子群のみが,そして Mい=0.5のそれは双方の粒子群が50%ずつ混合

して懸渇している場合である.

Fig.3をみると,lQ-l;:;sa話102 の範囲で,音速は Mいが大きくなるにしたがって向の依存

性が強くなる傾向を示している.すなわちこの向の範囲で音速に分散性があることを示してい

る.この分散は MV,1が大きくなるにしたがって大きくなる傾向がある.111い=0の音速の絶対値

は海水のそれに極く近い値を示している.saく1で音速最小値 V回加を,そして向>102 で音速

最大値 Vmaxを示している.

次に減衰をみると, 111いが大きくなるにしたがって向も増加する.これが3成分理論におけ

る αsの向依存性の特徴的傾向である.特に向ミ25の範囲で,曲線が急に立ち上る傾向を示し

ているが,これは粒子の散乱による影響 ((46)式〉が卓越しているからと考えられる.この saよ

り小さい範囲では viscousdrag効果による減衰 αv!sが卓越している.

(2) 粒子-2の空隙率Pをパラメータとした場合

3成分理論の特徴の一つに粒子-2すなわち空隙性有機物粒子を理論に考慮、したことがあげられる.

ここでは粒子一2の空隙率Pをパラメータとし, 111いを0.25.0.5, 0.75,そしてそれぞれ Cp を0.1,

0.3, 0.5として音速・減衰を計算した結果を Fig.4-A), B)および C)に示す.

A)図では,Pが小さくなるにしたがって音速は大きくなり,分散も大きくなる.次に上・中・

下段の順に特性をみていくと,saの特定の範囲で全体的に分散が認められ,Cpが大きくなるにし

たがってこの傾向が顕著になっている.この傾向は B)および C)図においても同様に認められ

る.同ーの Cp について,A)~C)をみると, 111いが1. 0に近づく程分散の程度も大きくなる.そ

して VsjVtのP依存性は弱くなる.

減衰について A)~C)をみると , sa依存性の傾向はほとんど同じであるが,Cp および MV,1

が小さくなる程, αsのPに対する依存性が大きくなる.このことは現場における軟泥の遠隔測定

をする場合,測定闘値を推定するのに重要になる.

3.2 音速・減衰の周波数依存性

前項では3成分理論にもとづく音速・減表の向依存性を示した.これは横軸を向と一般化し

た場合で、あるが,理論の特徴を把握するには saよりも周波数を使った方が実用的である.そこで,

この項では M日,1, Cp, PS, P,タ叫と /Cpj/Ctをパラメータとして, (31)式により音速・減衰の周

波数特性を求めた.

(1) 粒子の体積混合率 Mいをパラメータとした場合

Fig.5は Cp=0.2一定で,MV,1 をパラメータとしたときの音速・減衰の計算結果である.同

図左側の音速は, Fig.3の場合と同様に MV,1 が大きくなる程周波数依存性が顕著になっており,

その分散も大きくなっている.分散を示す周波数範囲は音響測深機,ソニックブーマなどの周波数

範囲 (100;:;f(kHz);:; 103) と一致している.このことは実用上音速の周波数依存性を無視するこ

とができないことであり,結的果に軟泥層における音波の反射率あるいは反射損失の周波数依存性

を考慮してそれらを計算する必m要があることを示している.このようなことは海底軟泥層における

現場測定(土屋ら, 1974)で,反射損失の周波数依存性が示されている事実から裏付けられる.

Fig.5の右図で減衰の周波数依存性をみると,粒子散乱による影響はほとんどなく, viscous

drag効果が卓越していることが分る (Fig.:3参照).MV,1 が大きく,そして周波数が高くなる程,

向が大きくなり伝搬特性としてこの値を無視することができない之とを示している

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0.5

ヂm=4←ー一ー一ー一一......

ld 103

f{kHz}

日Pm=6トーーーーーー---f101 10

3

f( kHz}

p=o

101

100

10-1

ざ16

2

(EU¥C3}

屋土

ICp=O.l1

1.02

144

10-3

10-1

ぜ 162

101

100

一戸己

U¥白

-

0.96

百三ヨ10-3

10ヨ

10-1.・-

ぜ'1♂

101

一EU¥∞

)

0.96

10-3

10-1

医豆ヨ0.96

lO-t 103 1d

A) IMv,,= 0.251

Fig. 4. Dependence of V,jVL and α8 on sa at Cp=O.l (upper part), 0.3 (middle) and 0.5

(lower). Parameter is porosity of Particle-2: P=O, 0.5 and 0.99. A) is ratio by

volume of Particle-1 : MV,l=O. 25, B) 0.5 and C) 0.75.

101

βG

10" 102 10l

βG

100

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145 軟泥中の音波伝搬理論

ヂm=6ト一一一一ーー__,101 10

3

f(kHz)

10-1

ぜ 162

101

100

{EU¥∞

}

E豆1

CfJ市=4ト一一→

ちP;司 =6 101

103

ト一一一→Id 103

f(kHz)

1.02

1.00

0.98

ぐ/¥の〉

0.99

163

10。

10-1

162

101

(EU¥C3-

匡豆ヨ

0.96

1.02

一¥/¥ω〉

0.99

163

100

161

ざ 410

101

(ロ」口¥国百}

百三ヨ

0.96

1.02

1.00

0.98

一〉

¥ω〉

10-3

161

103

102 ld

戸q

100

竺]10

3 10

2

B)凶1-

ld βq

100

0.96 10-1

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|EL O=lMI (J fUl

DEi [01

DEi ;01 1-.01

96'0 001 zOI t_O~

t_OI -001 zOL c:Ol

lc "O=d)1

くω¥〈F

z_OI 0

.:01 ror トーーー一一一一--i

ヤ=凶cる{

¥

}

1_01

001

くω¥〈

F

96"0

86"0

00'1

1~"O=d)1

S"O

tOl

t_OI -

zPI R

001

戸且印¥口「コ}

1_01

201

96・0

9tI

〈mw¥く↑

,01

t_OI -C:H司)j

.:01τ01 トーーーー・ーーーー-<

9=W'ら

20'r

Iro=dヨ

f2-【

¥nヨ)

白首

z_OI -

1_01

001

101

.:01 pt '一一『ーーー一--iャ=Wrf)

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147 軟泥中の音波伝搬理論

w

100

lO4

lOI

101

100

lOI

lO2

lO3

(EO¥白百

)

と3

1.10

1.05

0.95

1.00

4

〉¥的〉

165

( kHz) Frequency (kHz) Fig. 5. Dependence of sound speed ratio Vs/V, (left hand side) and attenuation α8 (right)

on frequency of sound wave f at volume concentration of particles Cp=O. 2. Parameter

is ratio by volume of particles M.,I=O, 0.25, 0.5, 0.75 and 1. O.

102

101

Frequency

102

101

100

lOI

(2) 粒子の体積濃度 Cp をパラメータとした場合

懸濁粒子の体積濃度 Cp をパラメータとして音速・減衰を計算した結果を Fig.6に示す.ここ

では上段は MV,I=Oすなわち粒子一1(pp,I=2.70,少叩=6.5)のみが懸渇した場合の音速・減衰で

ある.下段は逆に,Mい=1.0すなわち粒子-2(Pp,2 =1. 26,料るニ4.5)のみが懸潟した場合を示し

ている.これらの図で,実線は平均(単一〕粒径,そして破線は粒度分布(標準偏差内=1.0)を

考慮した場合の値で、ある.

音速をみると,上段では周波数依存性が全体に認められ,Cp が大きくなる程その傾向が顕著で

ある.それに比べ下段では,周波数および濃度依存性は f(kHz)三:;101 の範囲で徴かに認められる

が,これ以上ではほとんど認められなくなる.減衰をみると,上段の αsは下段のそれに比べ,全

体的に値は大きいが,Cp 依存性は徴かに下段の方が大きくなっている. 粒子ー1と-2が混在してい

る場合には,上限 (Mい=1.0)と下限 (Mい=1.0)で示されるそれぞれの値の中聞に位置する

ことが推定できょう.

(3) 粒子の密度内および空隙率Pをノミラメータとした場合

懸濁粒子一1の湿潤粒子密度 Pp,1 ((36)式〉をパラメータと L,MV,I=1.0の場合の計算結果を

Fig.7の上段に示す.粒子一2(M叫 2=1.0)のみの懸濁液を考え,その空隙率Pをパラメータ〈結

果的に Pp,2,(36)式,を変えたことに相当する〉とした結果を Fig.7の下段に示す.これらの図

で実線と破線は前図と同じ取り扱いである.

上段の音速は,実線・破線ともん, 1が大きくなるにしたがって小さくなるが, 分数の程度は大

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'v'o pUll 's・o'Z; '0 't 'O=aO : Jd+dUIllJlld

・(Jd品01)0・t=.'加[pUll (Jdddn) 0・t=円W+ll J UO切pUll7A/'A JO d~UdpUddda・9・íl!~

パ8uanbclJゴ ( ~H>i ) バコuanbaJゴ (:lH河)

,.91

96'0 001 01 zOl s;01

ヤ01-,.91 。ol ,01 z01 s;0l

<凹¥〈F

00'1

SO'1

1・O=dJQ

(丘団¥のヨ)

".91 "

z.91 .

,.9l

~'O

ャ'0=dJ

(0・t.'l'̂W) ♂l

01'1 (0・1.1:・̂V'J)

ol

ヤOl-

〈ω¥<戸

96'0

00'1

SO'I

(0・1• I・'w)

Q

(丘四¥のヨ)

主01-

,_01

001

z.91 -

8vt

o l' 1

芋 習 l3Jj

,01

(0・1= I・川)

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149

100

lOI

lO2

軟泥中の音波伝搬理論

(EO¥白

)

とヨ

1.05

1.00

0.95

->¥的〉

(Mv.1 =.1.0 )

tO4

0.5

(MV,2'1.0)

p=O

100

10-3

10-1

(Eυ¥白℃

)

とう

II 0.90

1.00

1.05

0.95

ぐ/¥的>

10-4

(MV.2= 1. 0)

103

102

101

100

lOI

103

102

101

100

0.90 10-1

( kHz )

Fig. 7. Dependence of V,/V! and α, on f at M.,I=1. 0 (upper) and M日=1.0 (lower).

Parameter of upper part : pp,I=2. 0, 2.5 and 3.0 [g/cm日 andthat of Iower : p=O,

O. 5 and O. 99.

r-requency ( kHz) Frequency

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091

〈ω¥〈戸

くω¥〈{

OO'~

<;0'1

o l'l

<;6'0

00'1

<;6'0

<;0'1

Ol'r

01 pUB 9 ''G=u'"'ch : dIBos-!qd

U! ld"dUIB!P dJO!PBd U四国s!ld"dUIB1Tld 1 uo ';v pUB 2A/'A JO dコUdPUdddQ・8・3!.'!

191

(0・t,~'^W)

(0・tc t・̂W)

バ:)Uel nbeuゴ

。m

2= l・uめ

1m zm 「門

( ZH河)

01 9 2 =Z'凶め

~OJ

喜 胎

Q

Q

(丘印¥のヨ)

(斗田¥のヨ)

I_m

ヤOl-

>:_OJ -

I_OJ

ヤm.

01 0

1:.91 -

z_m -

1.91 -

101

<::_01 -

。01

101

(0' {=I・'W)

(0・t=nW)

バコuelnbelJゴ

。01

9=zauCら

zOJ

( ZH>l )

司01、ー

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151

(MV'l = 1.0)

=0.2"" 1.0

100

1O2

1O3

lO'

軟泥中の音波伝搬理論

(Eυ¥白百

)

ω河)

1.00

0.95

0.90

-〉¥的>

(MV'1= 1.0)

}CO .2 一一二二一- KO.2

K[

-4 10

0 10

(Eυ¥巴刀

)

0.85

1.05

0.6

10-[

10-4

10-1

-2 10

1O3

と3

1.0

(M y •♂1. 0)

100

1.00

0.95

0.90

-〉

¥ω>

103

102 10¥ 10

0 3 10 10

2 10

1 10-1

( kHl)

Fig. 9. Dependence of V,jV, and α, on f. Parameter is c∞orr叩 r閃es田s出 Iit匂yra抗tl悶o ICpjIC向1=0.2,0.6 and 1. 0

Frequency ( kHz) Frequency

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152 土屋明

きくなる傾向がある.実線より破線の方が分散性を示す周波数範囲が多少広がる傾向が示されてい

る.しかし下段の場合実線が破線に重ってしまい,粒度分布の影響は認められない.減衰の方は,

上・下段とも viscousdrag効果の卓越領域では,粒度分布の影響は認められないが,f(kHz)注10!

の範囲でいずれの曲線も粒度分布の影響〈破線〉が微かに現われている.これは懸淘液中の一部の

大径粒子による散乱効果が αsに寄与していると考えられる.また上段の αsは pp,!が大きくなる

程,下段ではPが小さくなる程大きくなっている.よって,的のPに対する依存性が PD.!のそれ

より大きいことが分る.

仏)粒径伊叫をパラメータとした場合

堆積物の性質を議論する場合,粒径区分が堆積物の種類を判定する大きな要素になる.ここでは

鉱物粒子の粒径 (CP値〉をパラメータとし,Mい=1.0のときの音速・減衰を計算した結果を

Fig.8の上段に示す.空隙性有機物粒子のタ値をノミラメータとし,Mv,!=Oのときの結果を Fig.8

の下段に示す.図中の実線は平均(均一〉粒径,破線は粒度分布〈ση=1.0) を考慮、した場合を示

す.

まず実線に注目し上段の音速をみると,分散の Vminと Vmaxは¢値に依存しないが,伊m が小

さくなる(粒径dは大きくなる〉にしたがって,分数を示す中心周波数は小さくなっている.

cpmミ10で Vm!nを示し,CP叫三;2で Vmaxを示している.したがって 2くcpmく10の範囲内で音速

は周波数の依存性を示している.これらと同様の傾向が Mv,!=Oの音速特性にも示されているが,

その分散の程度は無視できる程度である.

一方減表についてみると,上図では現場の実用周波数 (100:::;f(kHz)三;103) 内で,CPm=10の場

合に viscousdrag効果のみがきいており,伊m=6の場合はこの効果と散乱効果との遷移領域に曲

線がある.また伊明=2の場合に f(kHz) >3 x 102 の範囲で粒子による散乱効果が卓越している.

同様に下図の叫も上図のそれとよく似た傾向を示しているが,その値は上図のそれらよりも全体

的に 1桁小さい.

粒度分布をもっ破線についてみると,音速の周波数依存性は均一粒径のみの場合(実線〉に比べ,

微かに小さくなる傾向を示している.また減衰は破線の方が実線より多少大き目の値を示している

が,この粒径と周波数の範囲内では値がオーダで変るようなことは認められない.

(5) 圧縮率比匂jJClをパラメータとした場合

圧縮率比 JCpjJCl,すなわち海水の圧縮率 JClを基準とした湿潤粒子の圧縮率 JCp((37)式〉との比,

をパラメータとした音速・減衰の計算結果を Fig.9に示す.上段は Mv,!=1.0,下段は Mい=1.0

とした結果である.通常鉱物系粒子の JCpjJCl は0.02~0. 05程度といわれているが,空隙性有機物

粒子の場合を考慮して,パラメータの値をO.2~1. 0というように大きな値を設定してみた.

上段の音速をみると,Vminと V血 axは JCpjJClが大きくなる程小さくなるが,分散の程度ならび

にその中心周波数はほとんど同じ値を示している.下段のそれは分散は小さいが,中心周波数は上

段と同様の傾向を示している.上段の減衰は周波数依存性をしているが, O. 2:::;JCpjJCl:::; 1. 0 の範囲

では,圧縮率依存性は認められない. しかし下段の場合,圧縮率の依存性が認められる.この理由

を考えるために,粒子一2の Pp,2と JCp,2について理論の項で、述べた(36)と(37)式の一部を再録する

と,

Pp, 2=Ppd, 2(1-P) +plP ; JCp, 2=JCpd, 2(1-P) +JClP

である.ここで,乾燥粒子の PPd,2と九2 および海水の Plと JCl は変らないものとすると, /Cp,2

が変ることは空隙率Pが変ることに相当する.Pが変れば当然 Pp,2 も同時に変ることが上式から

わかる.このことは,/CpjJCIが変ると Pp,2jplも同時に変ることになる. したがって, この変化が

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153 軟泥中の音波伝搬理論

1.10 αsに影響し,見かけ上 /Cp,2/的依存性があらわれ

ているものと考えられる.(M v • t =1.0)

3成分理論による実用的な

特性曲線の検討

4.

1.05

1.00

0.95

10'

4

¥ω〉

(Mv.1=1.0)

f = 200 kHz

J

4 &

Hf

(EU¥白刀

)

0.4

Cp Fig. 10. Characteristics o_f sound speed ratio Vs/ V!

(upper part) and attenuation αs (Iower )vs. concentration Cp at each frequency of soi.md wave f (Mv,!=l. 0).

0.3 0.2 0.1

これまでに軟泥を 3成分懸濁液とみなして,そ

の懸潟液中の音波伝搬理論すなわち音速・減衰理

論を導出した そこで求めた理論式に物理量を与

えて音速・減衰を計算し,軟泥中の音速の分散

性,音速・減表の周波数依存性,粒子と流体との

viscous drag効果ならびに散乱による減衰特性を

明らかにした.このような特性を明確に把握する

には,たとえば Fig.6のように Vs/Vtおよび

向と fとの関係として表せば都合がよかった.

一方現場では,任意の周波数で軟泥層における

音波の伝達関数(音圧反射率の周波数特性;

KAYA et al, 1983)を測定する.この測定値から

層と直上海水との音響インピーダンス比を計算し,

この比かられ/Vtを推定できる.最終的に,こ

のれ/Vtから軟泥中の物理量,たとえば,Cp,

PP,O, rpmなどを図式的に求められる この最終段

階で物理量を図式的に求めるには,理論曲線を使

うと都合がよい.しかし Fig.6 のような表示法

では現場データを処理するのに使いにくい.そこ

で,たとえば Fig.6の上段の図において, 周波

数をパラメータとして図を描き直すと Fig.10の

ようになる*縦軸はそれぞれれ/Vtと

軸は懸、濁粒子の体積濃度 Cp である.

いま現場の代表地点で採取した試料の分析から

Mv,!=1. 0として見積られたとすると, Fig. 10

より Vs/Vtの値から Cp を,そしてこの Cp か

ら叫が推定できる.たとえば,200kHzにおけ

る反射率の測定値から前述のような手順で Vs/Vt

が求められたとする.この値と図上の 200kHz

に対応する曲線との交点をとる.この交点、から垂

線を降し,横軸上の Cp の値を読みとる.さらに

この垂線を叫の図中に延長し,この Cp と下図

の 200kHzの曲線との交点から αs値が求めら

れる.よってこの叫が求められると,軟泥層中

αs,横

*参考までに, Fig.10の中には前述の (21)式を用いて計算した結果 (f→0の場合に相当;一点鎖線〉も示してある.この曲線と他の曲線とを比較すると,音速に対する周波数の効果が大きいことが図からも分る.

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明屋土154

1--;-:10 1.10 (Mv,J=0.5 )

20kH乙

1.05

1.00

ぐ/¥ω〉

f = 200 kHz

(Mv,J=0.5 )

1.05

1.00

4

¥ω〉

(Mv.J=0.5 )

0.95

100

(ευ¥白刀

)

zJV

ω4J-O

44

1σl

f=200 kHz

---,. /' _, _, /

/ /

/ /

/ J

f r

(Mv,J=0.5 )

0.95

1σ3 0

10'

(EU¥白百

。,』

ωMUm

2.0

ρp,O (g/cm3) Fig. 12. V,/V, and α, vs. Pp,o at each f.

1.5 10-4

1.0 0.4

V,/V, and α8 vs. Cp at each f (M旬パ=0.5).

0.3 0.2

Cp

0.1

Fig. 11.

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軟泥中の音波伝搬理論

を音波が透過する最大の深さすなわち透過限界

深度 Zmaxを推定することができる.同様に他

の周波数を使った場合の Cp,αs および Z田口

をも推定することが可能となる.

ただし,この VsjVlと Cp との関係を示す

図で,たとえば周波数20あるいは 2kHz の場

合には, 1つ のれjV1 値に対して大小2個の

Cp 値が求められることになる.このような場

合には,それらの周波数より高い周波数,ここ

では 200kHzを用いて得られる値を参考にし

て,値を選べばよい.

次に,パルプかすのような空際性有機物粒子

群(粒子一2)が粒子一1と混合しているような軟

泥の場合でも,たとえば M叫 1=0.5を見積る

ことができれば, Fig. 11を使って, 上述と同

様の手段で Cp,αsおよび Zmax を推定できる.

同様に, Fig. 12を使うと,軟泥の力学強度,

F=pp,o Vs2を求めることが可能となる.すなわ

ち,VsjVlから懸渇粒子の湿潤粒子密度 Pp,o

が求まり,堆積層直上の V1を測定あるいは

計算すればれが得られ, これらの値から

Pp,o・VS2 を計算することができる.

さらに,懸渇粒子の平均粒径 (ipm値〉をれ

jV1から求める場合には,Fig. 13の実線を用

いればよい.ただし,ipm三三2の範囲では, 民/

V1から ipmは直接求めにくい.この場合, αs

を実測すれば, αsと伊抗の図から ipmを推定

することが可能となる.

以上本論で導出した 3成分理論を用いて現場

で図式的に軟泥中の物理量,Cp, Pp,o, Pp, 0 Vs2,

ipmなどを求める方法を考察したが, さらに測

定精度などを追求する必要がある.なおこの方

法だけでは軟泥層の層厚は直接求められないが,

この層厚測定には KAYA ら (1983) の方法を

適用するとよい.

5. まとめ

本論では,ヘドロのような沿岸軟泥を 3成分

懸渇液とみなして,この懸濁液中の音波伝搬,

音速・減衰,理論を導出した.この理論の基本

1.10

1.05

4

¥ω〉

1.00

0.95

10'

155

( My,1=0.5)

( Mv,,=0.5)

f=200 kHz

100

EO¥田万

。ι

ω河

).ω

2 8 10 4 6

CPm Fig. 13. 九/Vland αs vs.タ昨 ateach f.

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156 土屋明

的な考え方は次の通りである.

①沿岸軟泥は,外洋の鉱物系堆積物に比べ低濃度であるから懸潟液としてモデル化で、きる.②

懸濁液の組成を 3成分,すなわち海水,鉱物系微細粒子群(粒子ー1)と空瞭性有機物粒子群(粒子

-2),とみなせる.③この懸濁液に関わる物理量として,特に粒子群の体積混合率, 粒子の体積濃

度,粒子一2の空降、率・湿潤粒子密度と圧縮率を新たに定義して理論に導入できる.ただし,粒子一2

の空隙部分は海水で満されているものとする.④各粒子群の重量頻度分布は,cp値で表わした粒径

に対しそれぞれ正規分布している.

このような考え方にもとづいて, 3成分懸潟液の物理量と音速・減衰との関係を理論的に求めた.

この理論式に具体的な物理量を与えて音速・減衰を計算した.その結果を要約すると次のようにな

る.

1) 音速・減表には,sa,周波数,粒径,粒子の体積混合率・体積濃度・密度・圧縮率および空

際率依存性が認められる.

2) 特に,音響測深機, ソニックブーマなどの使用周波数範囲 (100:::;f(kHz) ;::; 10りと同じ周波

数範囲で,音速の分散性と音速・減表に対する粒子一2の影響が顕著に示されている.

3) 軟泥層中の音速・減衰あるいは層における音圧反射率の測定結果を議論する際に,これらの

周波数依存性と粒子一2の影響を十分に考慮する必要があることを,この理論は示唆している.

4) この 3成分理論は, URICKら(1949)による 2成分理論よりも,より実用性がある.すなわ

ち,周波数・体積混合率・空隙率などをパラメータとし, 3成分理論を用いて計算した音速・減表

と体積濃度,密度,粒径,圧縮率などの関係図表に,現場測定から得られる音速比を与えると,図

式的に軟泥の体積濃度,密度,粒径,圧縮率比を決定することが可能になる.さらに,軟泥の力学

強度や音波の透過限界深度を求めることもできる.

本研究を進めるにあたり,御指導を賜わりました東海大学西村実教授に深謝いたします.本論文を

認めるにあたり,理論構成ならびにその結果をご検討いただき,有益なご助言を賜わった東海大学

五十嵐満教授ならびに 3成分モデルの考え方について有益な示唆を頂きました東海大学大草重康教

授に感謝の意を表します.本研究プロジェクトの一員として終始ご助力を頂いた沖電気工業側総合

システム研究所賀谷彰夫研究員に感謝いたします.また東海大学大型計算機 (UNIVAC 1100/80)

による数値解析にご協力を願った東海大学太田祐一研究生と村上弘孝院生に感謝いたします.

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