日清製粉グループ 消費者志向自主宣言・フォローアップ活動報告 ·...

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日清製粉グループ 消費者志向自主宣言・フォローアップ活動報告 (2017年度) 株式会社日清製粉グループ本社 代表取締役社長 見目 信樹 日清製粉グループは「信を万事の本と為す」と 「時代への適合」を社是とし「健康で豊かな生 活づくりに貢献する」を企業理念として、生活 産業をグローバルに展開してゆきます日清製粉グループの社是・企業理念 1

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日清製粉グループ 消費者志向自主宣言・フォローアップ活動報告

(2017年度)

株式会社日清製粉グループ本社 代表取締役社長 見目 信樹

日清製粉グループは「信を万事の本と為す」と

「時代への適合」を社是とし「健康で豊かな生

活づくりに貢献する」を企業理念として、生活

産業をグローバルに展開してゆきます。

日清製粉グループの社是・企業理念

1

1.経営トップのコミットメント

「社会にとって真に必要な企業グループであり続けるため、

食品安全、内部統制システムへの取組み、コンプライアンス

の徹底、環境保全・社会貢献・人権尊重等、企業の社会的責

任(CSR)を果たしつつ、「安全」・「安心」・「健康」を

お届けする企業グループとして、株主、顧客、取引先、社員、

社会等のすべてのステークホルダーから積極的に支持される

べく努力をかさねております。」

社長メッセージ(経営トップのコミットメント)

日清製粉グループの「企業行動規範」(2002年10月策定)

2

日清製粉グループ本社 代表取締役 取締役社長 見目 信樹

2002年10月、社会から信頼され、末永く発展していくために、「日清製粉グループの企業

行動規範・社員行動指針」を定めました。この「企業行動規範及び社員行動指針」には、お

客様、株主、社員、取引先、社会に対する当社グループの責任と倫理的観点から社員がとる

べき行動がまとめられています。

社員は、自分の行動について懸念が生じた場合には、この「企業行動規範及び社員行動指

針」を参照します。この規範・指針の実践を通じて企業価値を向上させ、社員が誇りに思え

る企業グループであり続けるよう積極的に取り組みます。

企業行動規範のなかで、消費者志向に関連する項目を列挙すると以下の通りです。

・安心・安全で高品質な製品・サービスの開発と提供 消費者の視点からの品質保証を第一として品質管理体制を構築し、お客様に最大の満足を得て頂くよう 努めます。

・人間性の尊重 事業活動のあらゆる分野において人間性を尊重し、個人の尊厳を傷つける行為を一切行いません。

・社会規範の順守と公正な企業活動の推進 関連法規や社会規範及び社内規程・ルールを遵守し、公正かつ自由な競争の中での事業の発展を図りま す。

・適切な広報活動の推進 日清製粉グループは広報・IR活動を積極的に行い、広く社会に対しグループ各社の事業活動に関する正 確な情報を適時・適切・継続的に提供する事により、各ステークホルダーから正しい理解・評価・信頼 を得られるよう努めます。

・環境保全の推進 自主的・積極的に廃棄物やCO2を削減するとともに、資源やエネルギーの有効活用を図る等の環境保全 活動を推進します。

・社会貢献活動の推進 日清製粉グループは良き企業市民としての責任を自覚し、地域社会のみならず広く社会に対して積極的 に貢献活動を行い、豊かな社会の実現に寄与します。

1.経営トップのコミットメント

日清製粉グループの「企業行動規範」(2002年10月策定)

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2.コーポレートガバナンスの確保

・「社員が誇りに思えるグループであり続ける」「長期的に見たグループ価値を増大する」ためには企業 統治(コーポレートガバナンス)と内部統制の強化が重要であると認識しています。 ・当社グループは、持続的な成長と長期的な企業価値の極大化を目指して、機能的な経営体制の整備と責 任の明確化を図るとともに、各ステークホルダーの立場を尊重し、透明性が高く、迅速かつ適切に意思 決定を行う経営を推進することをコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方としております。

私たちの基本姿勢

日清製粉グループの業務執行体制、経営・監査および内部統制の仕組み

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2.コーポレートガバナンスの確保

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ステークホルダーの声が経営層に届く仕組み

・消費者対応システムを通じて、リアルタイムに消費者対応状況を知ることができる仕組 みとしており、毎日日報を通じて前日の消費者対応状況を経営幹部に共有しています。 また、運営会議において、取締役等が四半期ごとに消費者対応状況について確認、議論 しています。

・経営トップによる事業会社工場の視察や従業員との意見交換を行っています。 (2017年度実績(日清製粉):社長が国内全9工場を訪問して従業員との意見交換会を実施)

・消費者団体、個人株主等をお招きした工場等見学会に取締役や執行役員が参加し、ス テークホルダーの皆様と直接意見交換を実施しています。(2017年度は6回実施)

・コンプライアンス・ホットライン制度

万一、法令違反や行動規範・行動指針を逸脱した不正行為、企業倫理に反する行為 が行われている、またはそのおそれがある場合には、関係部署等による組織的解決を図 ります。問題を埋もれさせず、早期解決を図り、または未然に防ぐために、別ルートで 問題を取り上げ対処する方策として、社員と取引先を対象に2003年より「コンプライア ンス・ホットライン(内部通報)制度」を導入しています。

3.企業風土や従業員の意識の醸成 ・消費者行政や消費者団体等の情報を、経営幹部および従業員に適宜伝達・共有しグループ内の消費者志向意識

の向上を図ります。

・多様化する消費者の皆様の声に応えるために、消費者志向経営に関する研修を実施し、経営幹部・社員のレベ

ル向上を目指します。

1)従業員が消費者・顧客志向に喜びを感じ、必要な知識等を獲得するための学習機会の提供

消費者行政の動きや、当社と消費者の皆様との

意見交換会の報告など、消費者関連の情報を、毎

月社内イントラネットにて全社に発信しています。

また、消費者行政や消費者団体の動きに関する

重要事項については、経営層並びに各社の消費者

対応担当者に適宜社内メールにより周知している

他、年に1回消費者対応担当者会議を開催し、消費

者関連法制度や消費者団体・消費者教育への取組

み等についての意見交換を行っています。

消費者行政・消費者団体等に関する全社的な情報共有

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「CR Monthly Report」を通して、消費者行政の動きや、消費者の皆様とのコミュニケーション活動について、毎月グループ内に発信しています。

3.企業風土や従業員の意識の醸成

消費者庁の定める5月の「消費者月間」において、2017年度は、消費者庁の政策、消費者志向

活動、当社グループの消費者志向自主宣言等について、社内メール、ポスター等を活用して周知す

るとともに、各事業場・部室で消費者志向に関する意見交換を行いました。

また、社外専門家による消費者志向に関する講演会を開催しました。

1)従業員が消費者・顧客志向に喜びを感じ、必要な知識等を獲得するための学習機会の提供

5月の消費者月間における社内の消費者志向向上活動

グループ内の消費者志向活動紹介ポスターの一部

↑消費者月間記念講演会として、「メディアからみた食品企業の情報発信の課題」をテーマに、毎日新聞社編集委員の小島正美氏にご講演いただきました。

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3.企業風土や従業員の意識の醸成

1)従業員が消費者・顧客志向に喜びを感じ、必要な知識等を獲得するための学習機会の提供

各種社内研修・勉強会の開催

・CSRに関する意見交換会の開催

企業行動規範・社員行動指針とCSRについての講義、ビデオ視聴、「ケーススタディ社員行動指針」を題材として懇談・意見交換などを継続的に行っています。

・コンプライアンス研修

当社グループでは新人研修、若手社員向け、新任管理職の3階層に分けて研修を実施しています。新人研修では「規範・指針」に加えて、法規範や各種社内規程について説明し、若手社員向けには事前準備としてのe-ラーニングを実施し、新任管理職向けには最新のケーススタディなどを用いて、コンプライアンスの意味と重要性を学習しています。

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3.企業風土や従業員の意識の醸成

1)従業員が消費者・顧客志向に喜びを感じ、必要な知識等を獲得するための学習機会の提供

各種社内研修・勉強会の開催 品質保証研修

当社グループでは、開発から製造・流通・営業まですべての

業務に携わる従業員を対象に、「消費者視点の品質保証」を実

践するため「品質保証研修」を実施しています。研修では安全

・安心についてお客様が求める具体的な要望、業界や行政の動

向と関連規制の状況、食品安全に関する知識を学んでいます。

今年度は「消費者視点」をテーマとして、お客様相談室に寄せ

られた消費者の生の声とその応対事例を紹介することより、従

業員へ消費者視点の重要性の理解を深める内容で研修を行いました。

さらに、11月にグループ本社、事業会社を対象としたeラーニングによる品質保証研修を実施し、

3000人を超える従業員が受講しました。eラーニングによる研修は今後も毎年、継続的に実施し

ていきます。

2)消費者・顧客志向への取組みという観点からの従業員評価

社員の評価制度への反映 社内のコンプライアンス意識を高めるために、2006年度から社員の賞与評定に「コンプライアンス実践度」の評価要素を反映しています。 9

4.社内各部門の有機的な連携

1)安全・安心かつ高品質の製品やサービスの提供

・生活者・事業者のニーズ・ウォンツを的確に把握し、信頼をベースに安全・安心かつ高品質の製品やサービ

スを提供することにより、常に最大の満足を得ていただくよう努めます。

・消費者の信頼を損ねる恐れのある事故が発生した場合には、社員は速やかに経営トップに通報し、経営トッ

プはただちに重要品質事故対策本部を立ち上げ、詳細な事実確認、原因調査、回収の検討、再発防止対策に

取り組み、問題解決にあたります。

消費者視点の品質保証

当社グループは、「今、あなたが行っている仕事を、消費者の皆様にきちんと説明できますか」を合言葉に、社員一人ひとりが「消費者視点の品質保証」を実践しています。

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日清製粉グループの品質保証体制

第三者の目で出荷を判定

工場には、生産部門から独立し、第三者の目で品質をチェックする品質保証責任者が駐在しており、

工場での最終出荷判定を行なっています。品質保証責任者は、出荷判断において工場長と 同等以上の

権限をもっており、社内での入念なチェック体制のもと、高い基準を満たした製品のみが出荷に至り

ます。

セイフティレビュー

新規原材料・新製品等は、各事業会社で専門知識を持つ技術者が集まり、「セイフティレビュー」 で安全性を総合的に評価します。評価項目は、法令遵守、危害要因分析、ユニバーサルデザイン、 環境配慮など幅広く、全評価項目の基準を満たすまで繰り返し評価が行われます。 また、「セイフティレビュー」で承認された新規原材料・新製品等は、グループ本社QE(Quality Exam.)センターで残留農薬等の分析による安全性の確認を行い、採用・販売の可否の最終判断を 行っています。

食品安全マネジメントシステムの活用

国際規格であるISO22000・FSSC22000等の第三者認証機関の 認証を取得、維持することで継続的改善を行い、食品安全に関する 取組をより確かなものにしています。 また日清製粉㈱では、2016年に公表された日本発の食品安全マ ネジメントシステム規格である「JFS-E-C」の認証をいち早く取得 し、国内全9工場で運用しています。新しい第三者視点を追加して 取り入れることにより、自社のシステムの評価に役立てています。

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4.社内各部門の有機的な連携

1)安全・安心かつ高品質の製品やサービスの提供

4.社内各部門の有機的な連携

2) 消費者・顧客の声を吸い上げる仕組みを持ち消費者志向経営に生かす

消費者対応ウェブシステム「CHORUS」による 情報共有

2008年度に社内ネットワークを利用した「CHORUS(消費者 対応システム)」を導入しました。当社グループでの消費者対応 の見える化と情報共有が実現され、調査部門や訪問対応する営業 部門とのスムーズな連携、研究開発部門での消費者の皆様の声の 活用、品質部門でのリスク管理の強化等が推進されました。

品消法関連部門*と事業関連部門との連携

「品質改善会議」

発売後の製品について、日清フーズの品質保証・生産・開発

研究の各部門担当者を集めて「品質改善会議」を開催し、消費

者の皆様からの声を検討し、改善につなげています。

「お客様の声検討会」

日清フーズ家庭用製品の消費者からのご指摘については、お客様相談室で日々受け付け、日清フーズ とグループ本社品質保証部でご指摘品の現物確認、完了案件の振り返りを行い、常に発生状況を把握し ています。さらに毎週、グループ本社(品質保証部、お客様相談室)、日清フーズ(品質保証部、加工 食品事業部)の担当者が「お客様の声検討会」を実施し、1週間の件数、情報共有が必要なご指摘事項 の内容確認、調査報告に対して消費者がご不満を感じた案件の確認などを行い、情報を共有しています。

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*品消法関連部門

品質保証部門・消費者及び顧客対応部門・

コンプライアンス関連部門の略称

4.社内各部門の有機的な連携

CR担当者会議

グループ本社CR室は年に2回、グループ本社、各事業会社のCR担当との会議を開催し、

消費者行政に関する情報や消費者の動向、各事業会社の取組等について情報共有を行い、

グループ全体で消費者志向経営を推進しています。

2) 消費者・顧客の声を吸い上げる仕組みを持ち消費者志向経営に生かす

品消法関連部門と事業関連部門との連携

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CR(Consumer Relations)室の設置

日清製粉グループでは、消費者の意識や、社会の潮流などを的確に見極め、グループとし

て備えるべき事項や対策を適時、指示する役割を担う組織として、経営直轄のCR室を設置し

ています。

CR室は、消費者庁その他の消費者行政に関する情報、消費者団体等からの情報を集約し、

グループとしての消費者・消費者行政への対応の充実を図っています。また、グループ本社

各部室、各事業会社に経営直轄のCR担当を配置することにより、グループとしての対応の一

元化を図っています。

またCR室は、主要な消費者団体や各地の消費生活センターとの交流に努めるとともに、消

費者団体を工場見学会に招待し意見交換を実施する等により、消費者との双方向のコミュニ

ケーションに努めています。

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4.社内各部門の有機的な連携

消費者の声を製品・サービスに反映した事例

日清フーズでは、加工食品事業部が月次の「実績検討会」の取組みとして、お客様相談室 で受付した「問合せ」「意見」をCHORUS(消費者対応システム) からモニタリングし、 改善につなげています。また、半年ごとの「製品仕様レビュー」でこれらの課題の進捗を確 認し、共有する仕組みがあります。この取組により改善された事例は以下の通りです。

乾麺の「茹で後」の塩分の表示 ベーキングパウダーの「Al (ミョウバン)不使用」の表示

4.社内各部門の有機的な連携

3) 問題発生時の緊急対応

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コールセンター通報制度

火災、自然災害、事件、事故等、明らかに

会社の経営に重要な影響を与える可能性のあ

る異常事態、社会的に報道される可能性のあ

る各種の異常事態が発生した場合、社員は

コールセンターへ第一報の報告をする義務が

あります。

第一報はコールセンターへの直接通報と、

職制を通じた通報の、複数ルートで連絡しま

すが、製品の品質や食品安全に関わる事態で

は、それに加えて、品質保証のルートの3本

のルートでの連絡が義務付けられています。

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4.社内各部門の有機的な連携

シミュレーション訓練

日清製粉、日清フーズ、オリエンタル酵母工業等では、「顧客(ユーザー)が当社製品

使用時に品質異常を見つけ、当社が問い合わせを受けた」という想定で、定められた複数の

ルートで情報が流れ、社内周知されるか、そして詳細情報の把握、当該工場での初期対応、

異常範囲の特定、異常原因の追及などが、しっかりできるかを確認するために、定期的にシ

ミュレーション訓練を実施しています。

また、昨年度日清フーズでは、米国食品安全強化法に基づく査察にあたり、「商社経由

でアメリカに輸出されている製品の包材に誤使用があった」という想定で、商社の協力のも

と、模擬回収連絡訓練を実施しました。

重要品質事故対策本部

通報を受けた経営トップは事態の状況を考慮し、必要と認めた場合は対策本部を設置致し

ます。製品品質や食品安全に関する事案の場合は、重要品質事故対策本部を立上げ、詳細な

事実確認、原因調査、回収の検討、再発防止対策に取り組み、問題解決にあたります。

3) 問題発生時の緊急対応

5.消費者への情報提供の充実・双方向の情報交換

当社グループは、さまざまな機会を通じてステークホルダーの方々とコミュニケーションを図りながら、 各ステークホルダーから積極的に支持され続けるグループになるよう努めます。

消費者団体等をお招きし、工場見学・意見交換会を開催しました(2017年度は4回)。当社グルー

プの消費者志向経営をより一層推進するため、これらの会には取締役や執行役員も参加し、消費者の皆

様と意見交換を行っています。

また、2015年度より特定適格消費者団体の消費者支援機構関西が主催する「双方向コミュニケー

ション研究会」に参加し、消費者の皆様とのより良いコミュニケーションを目指す活動を行っています。

↑工場見学の様子 ↑見学後の意見交換会における取締役挨拶

消費者団体などとの意見交換

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5.消費者への情報提供の充実・双方向の情報交換

当社グループは文部科学省の「土曜学習応援団」、経団連の

「企業等の教育支援プログラム」に賛同しており、消費者の方々

を対象に出張セミナーを実施しています。2017年度は、児童館

や消費生活センター等で、小麦の需給状況や小麦粉の製造工程、

食品安全についての講義や意見交換、小麦粉を使用した実験など、

小麦と小麦粉をテーマにしたセミナーを実施しました(2017年度

は7回)。

その他、以下の行政主催の消費者関連イベントへの出展も行い

ました。

2017年8月 文部科学省・農林水産省「子ども霞が関見学デー」

2017年10月 東京都「くらしフェスタ東京 交流フェスタ」

2017年12月 文部科学省「消費者教育フェスタ」

2017年12月 東京都「教育支援コーディネーター・フォーラム」

↑小学校における出張授業

小麦・小麦粉に関する情報提供

18 ↑教育支援コーディネーター・フォーラム の様子

5.消費者への情報提供の充実・双方向の情報交換

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小麦・小麦粉を深く学び、体感できる企業ミュージアム

多くの皆様に、1900年の当社創業から現在までの歩みを知っていただき、最新の製粉技術を楽しくわかりやすく体感していただくために、創業の地・館林で「製粉ミュージアム」を運営しています。 観光、レジャー、ビジネスの方のみならず、移動教室として学生が学ぶ場所としても活用いただいており、児童からお年寄りの方まで幅広い年代の方々に楽しんでいただける施設としてご活用いただいております。 こちらでは各種映像・展示の他、様々なワークショップを開催しており、製粉の原理を分かりやすく体験いただく「製粉ラボ教室」、小麦粉粘土を使用したミニチュアフードづくりを楽しんでいただく「小麦粉粘土教室」、クッキー生地を型抜きし、用意した材料をお好みでトッピングして焼き上げる「クッキートッピング教室」等、小麦と小麦粉について深く学び、親しんでいただいています。 今後も、様々なワークショップ、イベント等を通じて、消費者への情報発信を続けてまいります。

5.消費者への情報提供の充実・双方向の情報交換

手作り教室の開催

身近な食材の「小麦粉」にもっと親しんでいただき、食の楽しさを広める活動として、「フラワー

手づくり教室®」を昭和48年より開催しています。パン、うどん、ケーキ、パスタメニューなどを

実際に手づくりする教室で、大人向けの教室を月に4回、他にもお客様の地域に伺って行う出張講習

会、「親子手づくり動物パンサマースクール」などの特別教室を実施し、受講された方々から『思い

出に残る楽しい体験になった』等のお声を頂いています。2017年は全体で60回、延べ1189名の

ご参加をいただきました。

キャリア教育について

2017年10月・2018年1月千代田区立九段中等教育学校の生徒のキャリア教育及び社会性育成の

ため、生徒の企業訪問を受入れました。「人と自然の共生に

役立つ寄付つき新商品を作ろう」という課題に取り組みました。

消費者庁等と連携した消費者へ情報提供の取組

2016年度末より、消費者庁、自治体等と連携し、「食品

工場見学会における食品のリスクコミュニケーション」を当

社グループの工場で実施しています(全3回)。通常の工場

見学に加え、食品安全等の専門家による講演、消費者庁の取

組紹介等も交え、消費者の皆様へのより効果的な情報提供の

場となるよう取り組んでいます。

食の安全・安心財団理事長 唐木先生によるご講演

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5.消費者への情報提供の充実・双方向の情報交換

環境保全のための社会貢献活動

環境教育プログラムの提供 子どもたちの生活に身近な小麦粉や食などを題材とした環境教育 プログラムを小学校や中学校に提供しています。本年度は2か所で 計5回の環境授業を行いました。

容器包装廃棄物の減量化についての情報提供 九都県市の主催する「容器包装ダイエット宣言」に賛同、参加をすることで消費者の方々に容器 包装の薄肉化、軽量化など環境負荷低減に関する情報を提供しています。その他、行政や関連団体 が発行する広報誌やウェブサイトを通して、容器包装資材の削減などの情報を提供しています。

商品・サービス、問合せ先などに関する情報の適切かつ分かりやすい表示・説明に 関する取組

ウェブサイト「お客様窓口」 直接お問い合わせのあった消費者の皆様だけではなく、より多くの消費者の皆様にお伝えできる よう、よくいただくお問い合わせをウェブサイト「お客様窓口」に掲載しています。商品カテゴ リー、目的別にQ&Aを検索していただけます。

ウェブサイト「小麦粉&パスタレシピ」「商品」 自社商品に関する情報、また自社商品を活用したレシピについて、ウェブサイトにて情報提供 をしています。

表示レビューと表示の適正性モニタリング 商品の表示については、新製品発売時やパッケージ変更時に、販売前の商品について開発部門、 IT部門、営業部門、知的財産部門、お客様相談部門が確認を実施しています。また、発売後の製品 についても、グループ本社がモニタリングで表示の適正性について確認しています。

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5.消費者への情報提供の充実・双方向の情報交換

消費者・顧客の選択や使用に役立つ、安全や環境等に関する情報 の開示

社会・環境レポートの発行

冊子「結ぶ心、つなげる未来 日清製粉グループ 社会・環境レポート」と

WEBサイトの「CSR」ページの2つの媒体を通じて、健康で豊かな生活づく

りに貢献するための当社グループの活動について開示しています。具体的に

は当社グループの経営方針をはじめ、事業概要、品質保証体制、社会貢献活

動のほか事業活動に伴う環境負荷や環境に配慮した製品の紹介等を行ってい

ます。

高齢者、子ども、障害者、外国人などに配慮した分かりやすい 表示、説明

・製粉ミュージアムおいては、既存映像の英訳版、聴覚障がい者対応の手話入り映像の制作を行ってお

ります。

・社会環境レポートについて、 2013年版よりカラーユニバーサルデザイン、2014年版よりユニバー

サルフォントを採用しています。グループPR製作物であるカレンダーについても、2018年版よ

りユニバーサルデザイン、カラーを採用しています。

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6.消費者・社会の要望を踏まえた改善・開発

消費者の皆様の声を事業活動に反映させ、消費者満足度向上に努めるとともに、消費者基点の企業活動を目指します。

具体例:青の洞窟 パスタソース

1) 消費者・顧客のニーズを把握し、消費者・顧客の安全・安心に資する商品・サービ スを開発・提供する。

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「品質改善会議」 発売後の製品について、日清フーズの品質保証・生産・開発研究の各部門担当者を集めて「品質改

善会議」を開催し、消費者の皆様からの声を検討し、改善につなげています。

(改善前) (改善後)

賞味期限の印字方法について「見えづらい」との声が寄せられ、ご意見をもとに工場の設備も含めて改良しました。具体的には、白い地に黒い文字で印字していたものを、地の色を黒くして文字を白くすることで視認性を向上させました。実際にご意見を寄せられた消費者から、「改善していただけたのだなと思い連絡しました。感謝します。」とのお褒めのご連絡もいただきました。

6.消費者・社会の要望を踏まえた改善・開発

日清フーズの取組事例 ①日清 クッキング フラワー ®

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簡便志向の高まり、調理頻度の低下などの変化に伴う消費者の調理実態を調査し、「粉が袋から出しにくい」等の小麦粉に関する不満点を解消した小容量タイプの小麦粉「日清 クッキング フラワー® 」を発売しました。 独自製法の顆粒小麦粉により、まぶしやすく、溶けやすくしています。 容器はモニター調査を行いながら開発し、小型で持ちやすい丸みのあるボトル形状にふり出しと、すり切りができる2つの口が付いたキャップを組み合わせました。

6.消費者・社会の要望を踏まえた改善・開発

1) 消費者・顧客のニーズを把握し、消費者・顧客の安全・安心に資する商品・サービ スを開発・提供する。

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日清フーズの取組事例 ②糖質50%オフ ホットケーキミックス/糖質50%オフ お好み焼粉 近年、糖質オフ・ゼロ関連製品は消費者の皆様の関心が高まっており、日清フーズが20代から60代の女性に実施したアンケート調査でも全年代で約半数が「糖質摂取」について「日々の食生活で気にしている」「時々気にしている」と回答しています。

そこで、「糖質摂取」に気を使う方向けに、「日清 糖質50%オフ ホットケーキミックス」と「日清 糖質50%オフ お好み焼粉」を発売しました。ミックス粉の配合で多くを占める小麦粉の代わりに食物繊維等を配合することで糖質を低減し、糖質を50%オフしたミックス粉です。 小麦粉のトップメーカーとして の知見を活かし、当社独自技術の 小麦粉を配合することで、「おい しさ」と「糖質オフ」の両立を実 現しました。

例)2020年4月6日までの場合

変更前:200406

変更後:20.04.06

「・」を入れて、西暦2004年6月との誤解のないように変更いたしました(2018年6月以降製造分から)。

6.消費者・社会の要望を踏まえた改善・開発

日清ペットフードの取り組み事例

お客様相談室に寄せられた、お客様からの具体的な声をもとに改善した事例をご紹介します。

◇高齢猫用や健康サポート系の商品パッケージに、お客様から問い合わせが多かった、ナトリウムやリ

ン等のミネラル成分の標準値を表示することとしました。

◇缶詰、パウチ商品の賞味期限表示が分かりにくいとの声を踏まえ、表示方法を変更しました。

1) 消費者・顧客のニーズを把握し、消費者・顧客の安全・安心に資する商品・サービ スを開発・提供する。

26 変更前 変更後

6.消費者・社会の要望を踏まえた改善・開発 消費者の皆様の声を事業活動に反映させ、消費者満足度向上に努めるとともに、消費者基点の企業活動を目指します。

3R(リデュース・リユース・リサイクル)への貢献

当社グループでは容器包装の環境配慮設計に取り組んでいます。家庭用商品の開発やリニューアル の際には「環境に配慮した包装資材の選定指針」にもとづき評価・確認しています。

【取組事例】

容器包装の廃棄を少なくする工夫:日清 クッキング フラワー®

必要な分だけ「ふり出し」たり計量に便利な「すり切り」ができるキャップにより、

食材を無駄なく使うことに役立ちます。また、詰め替えて使うことにより、容器に使う

プラスチック原料を減らし、容器の廃棄の少量化を図っています。

省エネへの貢献:マ・マー早ゆでスパゲティ

太さ1.6mmのスパゲティ(当社従来品)の茹で時間は7分ですが、

スーパープロント製法の「早ゆでスパゲティ」はわずか3分です。スパゲティ

本来のおいしい食感はそのままに、ゆで時間は短くなり、加熱に使うエネル

ギーを節約できます。

2)持続可能な社会の発展や社会の課題解決に資する商品・サービスを開発、提供する。

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6.消費者・社会の要望を踏まえた改善・開発

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3) 持続可能な社会の発展や社会の課題解決に資する活動を実施する。

国産小麦の品質向上の取組 日本の小麦の主産地である北海道に北海道小麦 センターを設置し、関連省庁やJA等を定期的に 訪問し、消費者ニーズに応えるため、実需者とし ての品質要望を伝えています。 また、全国各地の農業試験場等で開発されてい る新品種について、品質確認及び評価への協力を 全社で行っております。

千代田区 優良廃棄物管理者表彰 特別賞を受賞

日清製粉グループ本社の神田錦町本社ビルは平成29年度千代田区事業用大規模建築物におけ

る優良廃棄物管理者表彰で「特別賞」を受賞しました。 社員食堂において食数の管理を行い、食材使用量の予測の精度を高めることで、生ごみの排 出量を大幅に削減したこと、また、環境保全委員会で、環境に関する情報を周知するほか、社 員自らが実践できる食品ロス削減運動の事例を紹介するなど定期的に啓蒙活動を行ったことを 評価頂きました。

6.消費者・社会の要望を踏まえた改善・開発

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3) 持続可能な社会の発展や社会の課題解決に資する活動を実施する。

社会貢献活動

・2014年から当社グループで技術支援等を行った、魔法のお菓子 ぽるぼろんを福島県内の11の福祉事業所と協業で製造・販売して いるNPO法人しんせいが第一回ジャパンSDGsアワードを 受賞しました。これからも支援を継続していきます。

・ふくしまオーガニックコットンプロジェクトを支援しています。

・「神戸スウィーツ・コンソーシアム(KSC)」に協賛しています。 社会福祉法人プロップ・ステーションが中心となり、「スウィーツ の世界で活躍するチャレンジド(障がいのある人)を生みだそう!」 というミッションを掲げて2008年6月に発足したプロジェクトです。 当社グループは、このプロジェクトの主旨に賛同し、社会福祉法人、 行政、メーカー、卸売業などさまざまな支援者とともにKSCに協賛 しています。お菓子づくりには欠かせない小麦粉が、チャレンジド

と社会をつなげる役割となることを目指しています。

CSRに関するサプライヤーへの働きかけ(日清エンジニアリング(株))

工事現場ごとに下請会社等における年少者の有無を確認し、年少者がいる場合に下請会社等が法令 上の規制を順守することを求めています。また、強制労働防止の観点から、工事現場ごとに下請会社 等が法令上の規制を超える過度な労働を強制していないかを確認しています。

消費者の権利 当社グループの対応例 本報告対応ページ

①安全が確保される

こと

安全・安心かつ高品質の製品やサービスの提供 消費者視点の品質保証、セイフティレビュー、食品安全マネジメントシステムの活用

10~11

②選択する機会が

確保されること

コーポレートガバナンスの確保

・業務執行体制、経営・監査および内部統制の仕組み

・ステークホルダーの声が経営層に届く仕組み

4~5

③必要な情報が

提供されること

消費者への情報提供の充実・双方向の情報交換

・商品・サービス、問合せ先などに関する情報の表示・説明に関する取組

・安全や環境等に関する情報の開示 等

21~22

④消費者教育の機会

が確保されること

消費者への情報提供の充実・双方向の情報交換

・消費者団体などとの意見交換

・料理教室の開催 等

17~21

⑤意見が反映される

こと

社内各部門の有機的な連携/消費者・社会の要望を踏まえた改善・開発

・消費者・顧客の安全・安心に資する商品・サービス

・持続可能な社会の発展や社会の課題解決に資する商品・サービス 等

12、14、

23~29

⑥被害の救済がなさ

れること

問題発生時の緊急対応

・重要品質事故対策本部

・シミュレーション訓練

15~16

30

当社グループでは、消費者志向経営を消費者基本法に記された「消費者の権利」を尊重する経営と位置付けております。其々の権利に関する対応箇所は以下の通りです。

日清製粉グループの消費者志向経営

上記の対応を実施するための社内体制の充実施策に関する対応ページは1~3、6~9、13

31

今後の方針

・創業以来の社是である「信を万事の本と為す」と「時代への適合」を守り、

「健康で豊かな生活づくりに貢献する」を企業理念として経営を推進してゆ

きます。

・「安全・安心」を最優先に、多様な製品やサービスをお客様・消費者の皆様

に安定的にお届けいたします。

・「グループ総合力」を結集したイノベーションを通じ、社会に新たな価値を

提供し続けます。

・消費者の権利を尊重し、健全な市場の担い手として取引の公正性を確保する

とともに、消費者に必要な情報を提供いたします。

・持続可能で望ましい社会の構築に向けて、当社グループとの関わりが深い

環境的、社会的課題の解決に貢献してゆきます。